JPH10153604A - 光ファイバープローブ及びそれを用いた近接場光学顕微鏡 - Google Patents

光ファイバープローブ及びそれを用いた近接場光学顕微鏡

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JPH10153604A
JPH10153604A JP8313920A JP31392096A JPH10153604A JP H10153604 A JPH10153604 A JP H10153604A JP 8313920 A JP8313920 A JP 8313920A JP 31392096 A JP31392096 A JP 31392096A JP H10153604 A JPH10153604 A JP H10153604A
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optical fiber
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秀二 物部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 励起光と、励起光の照射によって試料から発
生した検出光の両方を伝搬することが可能な光ファイバ
ープローブを提供し、そのような光ファイバープローブ
を用いることによって、半導体のように透過性が低く、
しかも励起した電子が空間的に拡散する試料の発光を、
高い分解能で検出できる近接場光学顕微鏡を実現する。 【解決手段】 光ファイバープローブを、単一導波モー
ドの光を伝搬するようになされたコア1と、複数の導波
モードを伝搬するようになされた第1のクラッド2と、
第2のクラッド3によって構成する。そして、この光フ
ァイバープローブ14を、発光の波長分光測定を行う近
接場光学顕微鏡において、励起光の照射と検出光の検出
を行うための光プローブとして使用する。このとき、励
起光Leはコア1内を伝搬させ、検出光Lsは第1のク
ラッド2内を伝搬させるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ファイバープロー
ブ及び半導体デバイスの評価等に用いられる近接場光学
顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】近接場光学顕微鏡は、走査型プローブ顕
微鏡の一つであり、ナノメータサイズの開口部を有する
光プローブを備え、この光プローブによって光の検出あ
るいは照射を行い試料の形状測定等を行うものである。
この光の検出あるいは照射を行うための光プローブは、
コアの周りに、遮蔽層となるクラッドが設けられてなる
光ファイバーよりなり、その一端に、クラッドから突出
したコアが先鋭化されることで形成された先鋭部を有し
ている。この光プローブでは、この先鋭部の先端で光の
散乱、検出あるいは出射を行う。
【0003】ところで、試料とプローブ間の情報伝達媒
体がそれぞれ電子と力であるところの走査型トンネル顕
微鏡(Scanning Tunneling Mic
roscope)と原子間力顕微鏡(Atomic F
orce Microscope)のような他の走査型
プローブ顕微鏡(Scanning Probe Mi
croscope)では形状測定しか行うことができな
い。これに対して、光を媒体とする近接場光学顕微鏡
は、試料の形状測定だけでなく、局所的な波長分光測定
を行うことができる。
【0004】例えば、半導体デバイスの分野では、その
評価のために吸収・発光・蛍光等の分光測定がよく行わ
れており、近接場光学顕微鏡をそのような半導体デバイ
スの評価に用いれば、ナノメータ級の空間分解能をもっ
て評価を行うことができるものと期待される。
【0005】ここで、これらの光学現象のうち発光を測
定する場合には、光(励起光)を照射することによって
半導体に電子と正孔を生じさせ、この励起された電子が
正孔と再結合するときに放出する光(検出光)を検出、
分光する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな発光の測定を、従来の近接場光学顕微鏡をそのまま
用いて行おうとすると次のような問題が生じる。
【0007】すなわち、近接場光学顕微鏡の測定モード
には、光プローブによって光の照射を行うイルミネーシ
ョンモードと、光プローブによって光の検出を行うコレ
クションモードとがある。
【0008】まず、イルミネーションモードでは、図7
に示すように、光プローブ31の後端部から励起光Le
を取り込んでコア内を伝搬させる。先端部にまで伝搬し
た励起光Leは先鋭部で集光され開口部32から出射す
る。出射した励起光Leは試料33に局所的に照射さ
れ、これによって試料33が発光する。この試料から発
生した光Lsは、試料33の裏側に配置されたレンズ3
4によって集光され、光検出部35で検出される。
【0009】しかし、半導体では、励起光が照射される
ことによって励起された電子が空間的に拡散する。試料
から発生した光をレンズで集光するイルミネーションモ
ードでは、検出される光量がレンズによって集光された
光の平均的な値になってしまうことから、空間分解能が
低く、半導体におけるような空間的に拡散する電子の発
光を検出するには適さない。
【0010】一方、コレクションモードでは、図8に示
すように、例えば試料36の裏側に配置された照明によ
って試料36に励起光を照射し、試料36を発光させ
る。この試料から発生した光Lsは、局所的に光プロー
ブ37の開口部38から取り込まれ、コア内を伝搬して
光検出部39に導かれる。
【0011】このようにコレクションモードでは試料の
裏側から励起光を照射するが、この照射方法では、特に
試料の光透過性が低い場合には光プローブによる検出位
置で局所的に光励起を生じさせるのが困難である。した
がって、光透過性の低い試料に対しては、光プローブに
よる検出位置に向かって斜めに励起光Leを照射するこ
とも考えられるが、検出位置は光プローブ37の陰にな
ることから、やはりその位置で効率的に光励起を生じさ
せるのは難しい。
【0012】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、励起光と、試料から発生
した検出光の両方を伝搬することが可能な光ファイバー
プローブを提供することを目的とする。
【0013】また、そのような光ファイバープローブを
用いることによって、半導体のように透過性が低く、し
かも励起した電子が空間的に拡散する試料の発光を、高
い分解能で検出できる近接場光学顕微鏡を提供すること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の光ファイバープローブは、コアの周りに
第1のクラッドと第2のクラッドが設けられてなる光フ
ァイバーよりなり、基端部から突出したコアと第1のク
ラッドを先鋭化することで形成された先鋭部を有する光
ファイバープローブであって、上記コアは単一導波モー
ドの光を伝搬し、上記第1のクラッドは複数の導波モー
ドの光を伝搬することを特徴とするものである。
【0015】また、本発明の近接場光学顕微鏡は、励起
光を発生する照明と、この照明から発生した励起光を伝
搬して試料に照射するとともに励起光の照射によって試
料から発生した検出光を伝搬する光ファイバープローブ
と、この光ファイバープローブによって伝搬された検出
光を反射するとともに励起光を透過する半透鏡と、この
半透鏡によって反射された検出光を検出する光検出部を
備えた近接場光学顕微鏡であって、上記光ファイバープ
ローブは、単一伝搬モードの光を伝搬するようになされ
たコアの周りに、複数の伝搬モードの光を伝搬するよう
になされた第1のクラッドと、第2のクラッドが設けら
れ、基端部から突出したコアと第1のクラッドを先鋭化
することで形成された先鋭部を有してなり、上記コアは
励起光を伝搬し、上記第1のクラッドは試料からの検出
光を伝搬することを特徴とするものである。
【0016】このような近接場光学顕微鏡では、励起光
の照射と検出光の取り込みの両方が光ファイバープロー
ブによってなされるので、半導体のように光透過率が低
く、しかも励起した電子が空間的に拡散するような試料
であったとしても、試料の検出位置に対して局所的に励
起光が照射され、また試料が発生する検出光が高い空間
分解能をもって検出される。
【0017】また、この光ファイバープローブでは、励
起光が単一導波モードの光を伝搬するようになされたコ
ア内を伝搬し、試料からの検出光が複数の導波モードの
光を伝搬するようになされた第1のクラッド内を伝搬す
る。単一モードのコア内では、光の減衰が小さいので、
励起光の損失が小さく抑えられ、高い励起効率が得られ
る。また、単一モードのコア内では偏光(光の振動方
向)の変動が少ない。一方、多モードのコア(第1のク
ラッド)は結合できる導波モードが多数存在するので、
試料からの検出光が効率よく集光される。したがって、
試料の特性を反映した波長分光スペクトルが感度よく測
定される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0019】本発明にかかる光ファイバープローブは、
図1に示すように、コア1の周りに、第1のクラッド2
と第2のクラッド3が設けられてなる光ファイバーより
なり、その一端に、基端部から突出したコアと第1のク
ラッドを先鋭化することで形成された先鋭部4を有して
いる。そして、この光ファイバープローブでは特に、上
記コア1は単一導波モードの光を伝搬するようになさ
れ、上記第1のクラッド2は複数の導波モードの光を伝
搬するようになされている。すなわち、この光ファイバ
ープローブでは、上記コア1内を、単一導波モードの光
がコア1と第1のクラッド2の境界で反射を繰り返しな
がら伝搬し、上記第1のクラッド2内を、複数の導波モ
ードの光が第1のクラッド2と第2のクラッド3の境界
で反射を繰り返しながら伝搬する。つまり、第1のクラ
ッド2が、コア1に対するクラッドとして機能するとと
もに多モードコアとして機能する。
【0020】このような光ファイバープローブは、例え
ば近接場光学顕微鏡の光プローブとして用いることがで
きる。
【0021】この光ファイバープローブを備えた近接場
光学顕微鏡の構成を図2に示す。
【0022】この近接場光学顕微鏡は、試料11に励起
光Leを照射し、励起光Leの照射によって試料11か
ら発生する光(検出光)Lsを検出し、分光測定するも
のであって、励起光Leを発生する照明12と、この照
明12から発生する励起光Leを光ファイバープローブ
14に導くためのレンズ13と、励起光Leを伝搬して
試料11に照射するとともに励起光Leの照射によって
試料11から発生した検出光Lsを伝搬する光ファイバ
ープローブ14と、この光ファイバープローブ14によ
って伝搬された検出光Lsを反射するとともに励起光L
eを透過するダイクロイックミラー15と、このダイク
ロイックミラー15によって反射された検出光Lsを検
出する光検出部16を備えている。すなわち、この近接
場光学顕微鏡は、光ファイバープローブ14によって光
の照射と検出の両方がなされるイルミネーション・コレ
クションモードである。
【0023】この光ファイバープローブ14は、図1に
示す3重構造の光ファイバープローブであり、単一導波
モードの光を伝搬するようになされたコア1の周りに、
複数の導波モードの光を伝搬するようになされた第1の
クラッド2が設けられ、さらにこの第1のクラッド2の
周りに第2のクラッド3が設けられて構成されている。
【0024】このような光ファイバープローブ14を用
いる近接場光学顕微鏡では、照明12から発生した励起
光Leがダイクロイックミラー15を透過し、レンズ1
3によって集光される。集光された励起光Leは、光フ
ァイバープローブ14の後端部から取り込まれ、コア1
と第1のクラッド2の境界で反射を繰り返しながらコア
内1を伝搬する。先鋭部5にまで伝搬された励起光Le
はこの先鋭部5で集光され、先鋭部末端の開口部6から
出射し、試料11に照射される。
【0025】励起光Leが照射された半導体などの試料
11では、励起光が吸収されて電子と正孔が生じる。こ
こでは、この励起された電子が正孔と再結合するときに
放出する光(検出光)Lsを検出、分光する。
【0026】この試料11から発生した検出光Lsは、
光ファイバープローブ14の開口部6から取り込まれ、
第1のクラッド2と第2のクラッド3の境界で反射を繰
り返しながら第1のクラッド2内を伝搬する。伝搬され
た検出光Lsは光ファイバープローブ14の後端側から
出射し、ダイクロイックミラー15によって光検出部1
6側に反射され、この光検出部16で検出及び分光測定
がなされる。なお、光ファイバープローブ14では後端
部で励起光Leの一部が放射されるが、励起光Leはダ
イクロイックミラー15を透過するので、光検出部16
で検出されることはない。つまり、このダイクロイック
ミラー15は、励起光Leと検出光Lsを弁別するよう
に機能する。なお、この励起光Leと検出光Lsはファ
イバー端面において放射角度が異なるので空間的に分離
することも可能である。
【0027】このような近接場光学顕微鏡では、励起光
Leの照射と検出光Lsの取り込みの両方が光ファイバ
ープローブ14によってなされるので、半導体のように
光透過率が低く、しかも励起した電子が空間的に拡散す
るような試料であったとしても、試料の検出位置に対し
て局所的に励起光Leを照射することができ、また光励
起された試料11が発生する検出光Lsを高い空間分解
能をもって検出することができる。
【0028】また、発光の波長分光測定では、試料から
得られる光信号が非常に弱いことから、励起効率と集光
効率を高めることが重要になる。
【0029】ここで、この光ファイバープローブ14で
は、励起光Leが単一導波モードの光を伝搬するように
なされたコア1内を伝搬し、試料11からの検出光Ls
が複数の導波モードの光を伝搬するようになされた第1
のクラッド内2を伝搬する。単一モードのコア1内で
は、光の減衰が小さいので、励起光の損失が小さく抑え
られ、高い励起効率が得られる。また、多モードのコア
(第1のクラッド)2は結合できる導波モードが多数存
在するので、試料11からの検出光Lsを効率よく集光
することができる。したがって、試料の特性を反映した
波長分光スペクトルが感度よく測定される。
【0030】なお、励起効率や集光効率を高めるために
は、光ファイバープローブの先鋭部の形状も重要にな
る。
【0031】すなわち、光ファイバープローブでは先鋭
部の先鋭角が小さくなる程、光の照射や取り込みが局所
的になり、分解能は向上する。しかし、単に円錐状に先
鋭化して形成された先鋭部では、先鋭角が小さくなる
程、光の透過効率が低くなる。
【0032】これに対して、図1に示すように傾斜角を
2段階に変化させて先鋭化したり、さらには図3に示す
ように傾斜角を3段階に変化させて先鋭化すると、末端
側の傾斜角αを小さい角度にした場合でも、それよりも
基端側のβを大きな角度にしたり、γの角度を調整する
ことによって光の透過効率を確保することができる。な
お、それぞれの傾斜角を有する面について、末端側から
第1のテーパー面4a,25a、第2のテーパー面4
b,25b、第3のテーパー面25cと称する。
【0033】このような光ファイバーの先端形状は、化
学エッチング等によって得ることができる。エッチング
液としては、40重量%NH4F溶液、50重量%HF
酸及びH2Oよりなる緩衝HF溶液等が用いられる。
【0034】まず、図1に示すような2段階の傾斜角で
先鋭化された光ファイバープローブは、コア1の周り
に、第1のクラッド2、第2のクラッド3が設けられた
3重構造ファイバーの一端を化学エッチングすることに
よって作製することができる。
【0035】3重構造ファイバーを、化学エッチングに
よって2段階の傾斜角で先鋭化するには、エッチング液
中でのコアの溶解速度をR1、第1のクラッドの溶解速
度をR2、第2のクラッドの溶解速度をR3としたとき
に、R1<R2<R3なる条件を満たすことが必要であ
る。なお、3重構造ファイバーの材料構成の一例を以下
に示す。
【0036】コア:GeO2添加SiO2(溶解速度:R
1,外周面の半径r1) 第1のクラッド:低濃度F添加SiO2(溶解速度R2
外周面の半径r2) 第2のクラッド:高濃度F添加SiO2(溶解速度R3
外周面の半径r3) R1<R2<R3なる溶解速度分布でエッチングを行う
と、外周面では第2のクラッド3がエッチングされてフ
ァイバー径が細くなり、先端面では3層の溶解速度の違
いによって先鋭化される。そして、エッチング時間が次
式で示されるT3となったところで、αなる傾斜角を有
する第1のテーパー面4aがコア1に形成され、βなる
傾斜角を有する第2のテーパー面4bが第1のクラッド
2に形成されたかたち、すなわち2段階の傾斜角で先鋭
化された先端形状が得られる。
【0037】T3=[(r2−r1)/R2][(R2
3)/(R3−R2)]1/2 ここで、第2のクラッド3を多モードファイバーのクラ
ッドとして機能させるには、T3の時点で第1のクラッ
ド2の周りに第2のクラッド3が残っていなければなら
ない。それには、第2のクラッド3の外周面の半径r3
が、次式で示されるr3Pよりも大きい値に設定されてお
り、且つr3−r3pの値が光の波長よりも十分に大きい
値とされていることが必要である。
【0038】r3P=r2+(r2−r1)[(R1+R2
/(R2−R1)]1/2 次に、図3に示すような3段階の傾斜角で先鋭化された
光ファイバープローブは、例えば、第1のコア21の周
りに、第2のコア22、第1のクラッド23、第2のク
ラッド24が設けられた4重構造ファイバーの先端部を
化学エッチングすることによって作製することができ
る。
【0039】4重構造ファイバーを化学エッチングによ
って3段階の傾斜角で先鋭化するには、エッチング液中
での第1のコア21の溶解速度をR1、第2のコアの溶
解速度をR2、第1のクラッドでの溶解速度をR3、第2
のクラッドでの溶解速度をR 4としたときに、R1<R2
<R3<R4なる条件を満たすことが必要である。なお、
4重構造ファイバーの材料構成の一例を以下に示す。
【0040】第1のコア:GeO2添加SiO2(溶解速
度R1,外周面の半径r1) 第2のコア:純粋SiO2(溶解速度R2,外周面の半径
2) 第1のクラッド:低濃度F添加SiO2(溶解速度R3
外周面の半径r3) 第2のクラッド:高濃度F添加SiO2(溶解速度R4
外周面の半径r4) R1<R2<R3<R4なる溶解速度分布でエッチングを行
うと、外周面では第2のクラッド24がエッチングされ
てファイバー径が細くなり、先端面では4層の溶解速度
の違いによって先鋭形状が現れる。そして、エッチング
時間が次式で示されるT4となったところで、αなる傾
斜角を有する第1のテーパー面25aが第1のコア21
に形成され、βなる傾斜角を有する第2のテーパー面2
5bが第2のコア22に形成され、γなる傾斜角を有す
る第3のテーパー面25cが第1のクラッド23に形成
されたかたち、すなわち3段階の傾斜角で先鋭化された
先端形状が得られる。
【0041】T4=[(r3−r2)/R3][(R3
4)/(R4−R3)]1/2 ここで、第2のクラッド24を多モードコアのクラッド
として機能させるには、T4の時点で第1のクラッド2
3の周りに第2のクラッド24が残っていなければなら
ない。それには、第2のクラッド24の外周面の半径r
4が、次式で示されるr4Pよりも大きい値に設定されて
おり、且つr4−r4pの値が光の波長よりも十分に大き
い値とされていることが必要である。
【0042】r4P=r3+(r3−r2)[(R2+R3
/(R3−R2)1/2 なお、光ファイバーとしては、このような3重構造ファ
イバーや4重構造ファイバーの他、第2のクラッドを高
濃度F添加SiO2よりなる層と純粋SiO2よりなる層
の2重構造としたものであっても良い。光ファイバーの
高濃度F添加SiO2の割合が大きい場合、ファイバー
の作製に際する線引き過程で残留応力が生じ易く、ファ
イバーのへき開によって平坦なカット面を得るのは難し
い。第2のクラッドを高濃度F添加SiO2よりなる層
と純粋SiO2よりなる層の2重構造とすると、純粋S
iO2を用いる分、高濃度F添加SiO2の割合が減少す
るので残留応力が抑えられ、平坦なへき開面が得られる
ようになる。
【0043】また、この光ファイバープローブには、図
4、図5に示すように遮光性被覆層5,26によって末
端に微小開口6,27を形成するようにしても良い。
【0044】すなわち、図4あるいは図5に示す光ファ
イバープローブの開口部6,27近傍を図6(a),
(b),(c)に拡大して示す。遮光性被覆層5,26
によって開口部を形成するには、図6(b),(c)に
示すように、遮光性被覆層5,25を先端面近傍を除い
て形成し、この遮光性被覆層5,26から先鋭部の先端
を露出あるいは突出させる。あるいは図6(a)に示す
ようにこの先端での遮光性被覆層5,26の厚さを薄く
する。このとき先端以外の領域での遮光性被覆層5,2
6の厚さは、遮光性被覆層5,26を構成する遮光性物
質において透過光が入射光の1/eとなるときの厚さ
(表皮厚さ)をdsとしたときに、dsより十分厚いこ
と、例えば100nm以上とすることが必要である。ま
た、先端での遮光性被覆層の厚さは、ds以下であるこ
と、例えば30nm以下とすることが必要である。
【0045】このようにして遮光性被覆層5,26を形
成すると、遮光性被覆層5,26が形成された部分では
光の入射が遮られ、先鋭部の露出部分あるいは遮光性被
覆層5,26の厚さの薄い部分でのみ光が選択的に取り
込まれるようになるので、分解能が向上する。なお、こ
の遮光性被覆層5,26としては、アルミニウム、金、
銀、白金、ニッケル等の金属材料を用いるのが望まし
い。
【0046】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明では、光ファイバープローブを、単一導波モードの光
を伝搬するようになされたコアと、複数の導波モードを
伝搬するようになされた第1のクラッドと、第2のクラ
ッドによって構成する。そして、この光ファイバープロ
ーブを、例えば発光の波長分光測定を行う近接場光学顕
微鏡において、励起光の照射と検出光の検出を行うため
の光プローブとして使用する。このような光ファイバー
プローブを用いる近接場光学顕微鏡では、半導体のよう
に光透過率が低く、しかも励起した電子が空間的に拡散
するような試料であったとしても、試料の検出位置に対
して局所的に励起光を照射することができ、また光励起
された試料が発生する検出光を高い空間分解能をもって
検出することができる。また、単一モードのコア内で
は、光の減衰が小さく、励起光の損失が小さく抑えられ
るので、高い励起効率が得られる。また、多モードのコ
ア(第1のクラッド)は結合できる導波モードが多数存
在するので、試料からの検出光を効率よく集光すること
ができる。したがって、高い空間分解能をもって試料の
波長分光特性を感度よく測定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した光ファイバープローブの先鋭
形状の一例を示す要部断面図である。
【図2】本発明を適用した近接場光学顕微鏡の一構成例
を示す模式図である。
【図3】本発明を適用した光ファイバープローブの先鋭
形状の他の例を示す要部断面図である。
【図4】3重構造の光ファイバープローブに遮光性被覆
層を形成した様子を示す要部断面図である。
【図5】4重構造の光ファイバープローブに遮光性被覆
層を形成した様子を示す要部断面図である。
【図6】遮光性被覆層によって形成される開口部を示す
ものであり、(a)は遮光性被覆層の厚さを薄くするこ
とによって形成された開口部を示す要部断面図であり、
(b)は遮光性被覆層から先鋭部を露出させることで形
成された開口部を示す要部断面図であり、(c)は遮光
性被覆層から先鋭部を突出させることで形成された開口
部を示す要部断面図である。
【図7】イルミネーションモードの近接場光学顕微鏡の
構成を示す模式図である。
【図8】コレクションモードの近接場光学顕微鏡の構成
を示す模式図である。
【符号の説明】
1 コア、2,23 第1のクラッド、3,24 第2
のクラッド、4,25先鋭部、21 第1のコア、22
第2のコア、11 試料、12 照明、13 レン
ズ、14 光ファイバープローブ、15 ダイクロイッ
クミラー、16光検出部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアの周りに第1のクラッドと第2のク
    ラッドが設けられてなる光ファイバーよりなり、基端部
    から突出したコアと第1のクラッドを先鋭化することで
    形成された先鋭部を有する光ファイバープローブであっ
    て、 上記コアは単一導波モードの光を伝搬し、上記第1のク
    ラッドは複数の導波モードの光を伝搬することを特徴と
    する光ファイバープローブ。
  2. 【請求項2】 励起光を発生する照明と、この照明から
    発生した励起光を伝搬して試料に照射するとともに励起
    光の照射によって試料から発生した検出光を伝搬する光
    ファイバープローブと、この光ファイバープローブによ
    って伝搬された検出光を反射するとともに励起光を透過
    する半透鏡と、この半透鏡によって反射された検出光を
    検出する光検出部を備えた近接場光学顕微鏡であって、 上記光ファイバープローブは、単一伝搬モードの光を伝
    搬するようになされたコアの周りに、複数の伝搬モード
    の光を伝搬するようになされた第1のクラッドと、第2
    のクラッドが設けられ、基端部から突出したコアと第1
    のクラッドを先鋭化することで形成された先鋭部を有し
    てなり、 上記コアは励起光を伝搬し、上記第1のクラッドは試料
    からの検出光を伝搬することを特徴とする近接場光学顕
    微鏡。
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