JPH10155493A - アスペルギルス属由来のホスホリパーゼa1をコードする遺伝子 - Google Patents

アスペルギルス属由来のホスホリパーゼa1をコードする遺伝子

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JPH10155493A
JPH10155493A JP9270967A JP27096797A JPH10155493A JP H10155493 A JPH10155493 A JP H10155493A JP 9270967 A JP9270967 A JP 9270967A JP 27096797 A JP27096797 A JP 27096797A JP H10155493 A JPH10155493 A JP H10155493A
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amino acid
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JP9270967A
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Ichiro Watanabe
一郎 渡辺
Ryuta Koishi
龍太 小石
Yoshio Yao
嘉生 矢尾
Toshiaki Tsuji
俊昭 津路
Nobuki Serizawa
伸記 芹澤
Yoichiro Shiba
陽一郎 柴
Hiroji Yoshikawa
博治 吉川
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Sankyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryz
ae)由来のホスホリパーゼA1(PLA1)をコードす
る遺伝子、および該遺伝子で形質転換された宿主を培養
することによる組換えPLA1の製造方法を提供する。 【解決手段】 配列表の配列番号2のアミノ酸番号1〜
269で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドま
たはその改変体をコードする遺伝子、該遺伝子を含むこ
とからなるベクターおよび該ベクターで形質転換された
宿主細胞。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、麹菌アスペルギ
ルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)のホスホリパーゼ
A1をコードする遺伝子、該遺伝子を含むことからなる
組換えDNAベクター、該ベクターで形質転換させた宿
主細胞および該宿主細胞を用いた組換えホスホリパーゼ
A1の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 レシチンは界面活性作用、酸化防止作
用、生理活性作用等を有するリン脂質で、食品工業用、
飼料用、医薬品用と幅広く使用されている。レシチンの
界面活性作用は、他の食品界面活性剤に比べ、乳化安定
性に劣るため、酵素分解を用いて、乳化安定性を改善す
る研究がなされている。リゾリン脂質は、リン脂質のグ
リセリン残基にエステル結合した脂肪酸の一部を加水分
解して得られる部分分解リン脂質であり、リン脂質に比
べて水溶性が増すことに伴い、乳化性が増強し、乳化力
を発揮する温度領域が拡大して、油または水系のいずれ
に添加しても乳化力を発揮すること、カルシウム、マグ
ネシウム等の金属イオンが高濃度で共存しても乳化力が
低下しないこと、酸性下での乳化安定性が良いこと等の
特性が付与されると報告されている[Yamano, Y. and G
ohtani, S. (1996)Abstract of 4th World Surfactants
Congress P-84 参照]。
【0003】現在、酵素を利用してリン脂質を分解した
リゾリン脂質が市販されているが、これはブタ肝臓から
調製された酵素剤パンクレアチンに含まれるホスホリパ
ーゼA2活性を用いたものであり、この酵素剤には臓器
特有の臭みがあったり、供給量に制限があり価格が高い
こと等が問題とされ、パンクレアチンに代わるホスホリ
パーゼAの給源が求められている。また、既にいくつか
の微生物が生産するホスホリパーゼA[特開昭58−2
12783参照]やリパーゼ類[特開昭63−4269
1参照]を利用したリン脂質の分解方法が示され、ま
た、「酵素の宝庫」と呼ばれている麹カビ、アスペルギ
ルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)起源のタカヂアス
ターゼ(登録商標)にも、古くから、リン脂質分解活性
を含むリパーゼの存在が知られていた[Contardi, A. a
nd Ercoli, A. (1933) Biochem. Z.261, 275-302 およ
び Blain, J. A., et al. (1978) FEMS Microbiology L
etters 3, 85-87 参照]が、これらの酵素を用いる方法
は、酵素活性がパンクレアチンに比べて低かったり、基
質特異性に劣る酵素を利用した場合には、リゾリン脂質
の収量が悪化したり、副生物の共存によるリゾリン脂質
の品質の低下を招く等の欠点がある。従って、上記の問
題点、欠点を克服するため、優れた活性および選択性を
有し、安価に定常的に供給できる酵素の開発が望まれて
いた。服部らは、アスペルギルス(Aspergillus )属の
糸状菌が生産するホスホリパーゼを単離精製して、優れ
た活性および選択性を有する、高度に精製されたホスホ
リパーゼA1を見いだしている[特開平6−62850
参照]。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 ホスホリパーゼA1
をコードする遺伝子をクローニングし、他の宿主細胞で
大量発現させることが可能になれば、該酵素の生産効率
の大幅な向上が期待できる。
【0005】すなわち、本発明の目的は、アスペルギル
ス・オリゼ(Aspergillus oryzae)のホスホリパーゼA
1をコードする遺伝子、該遺伝子を含むことからなる組
換えDNAベクター、該ベクターで形質転換された宿主
細胞および該宿主細胞を用いた組換えホスホリパーゼA
1の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】 本発明は、(1) 配
列表の配列番号2のアミノ酸番号1〜269で示される
アミノ酸配列を含むことからなり、ホスホリパーゼ活性
を有するポリペプチド、または配列表の配列番号2のア
ミノ酸番号1〜269で示されるアミノ酸配列中の1つ
もしくは2つ以上の部位において1つもしくは2つ以上
のアミノ酸が置換、欠失または挿入されているアミノ酸
配列からなり、ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチ
ドをコードするDNA、(2) 配列表の配列番号2の
アミノ酸番号1〜269で示されるアミノ酸配列を含む
ことからなり、ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチ
ドをコードするDNA、(3) 配列表の配列番号1の
ヌクレオチド番号1〜885で示されるヌクレオチド配
列を含むことからなるDNA、(4) (3)に記載の
DNAとハイブリダイズし、ホスホリパーゼ活性を有す
るポリペプチドをコードするDNA、(5) (3)に
記載のDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダ
イズし、ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドをコ
ードするDNA、(6) (3)に記載のDNAと6×
SSC、60〜70℃の条件でハイブリダイズし、ホス
ホリパーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDN
A、(7) (1)〜(6)のいずれか1つに記載のD
NAを含むことからなる組換えDNAベクター、(8)
プラスミド pCY339である、(7)記載の組換
えDNAベクター、(9) プラスミド pAAPであ
る、(7)記載の組換えDNAベクター、(10)
(7)乃至(9)のいずれか1つに記載の組換えDNA
ベクターで形質転換された宿主細胞、(11) サッカ
ロミセス・セレビジエ KS58−2D/pCY339
である、(10)記載の宿主細胞、(12) アスペル
ギルス・オリゼ M−2−3/pAAPである、(1
0)記載の宿主細胞、(13) 遺伝子操作によって得
られ、配列表の配列番号2のアミノ酸番号1〜269で
示されるアミノ酸配列を含むことからなり、ホスホリパ
ーゼ活性を有するポリペプチド、または配列表の配列番
号2のアミノ酸番号1〜269で示されるアミノ酸配列
中の1つもしくは2つ以上の部位において1つもしくは
2つ以上のアミノ酸が置換、欠失または挿入されている
アミノ酸配列からなり、ホスホリパーゼ活性を有するポ
リペプチド、(14) 遺伝子操作によって得られ、配
列表の配列番号2のアミノ酸番号1〜269で示される
アミノ酸配列を含むことからなり、ホスホリパーゼ活性
を有するポリペプチド、(15) (10)乃至(1
2)のいずれか1つに記載の宿主細胞を、ホスホリパー
ゼの産生可能な条件下で培養し、次いで、該培養物から
ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドを回収するこ
とを特徴とする、該ポリペプチドの製造方法、に関する
ものである。
【0007】本発明者らは、麹菌アスペルギルス・オリ
ゼ(Aspergillus oryzae)からホスホリパーゼA1(以
下「PLA1」という)をコードする遺伝子をクローニ
ングし、さらに該遺伝子を培養細胞、酵母および麹菌に
導入して発現させることに成功して、本発明を完成させ
た。
【0008】本発明において、「ホスホリパーゼ活性」
とは、レシチンまたはリゾレシチンから、遊離脂肪酸を
放出する活性をいう[酵素ハンドブック(1982年版;朝
倉書店刊)p427参照]。
【0009】また、本発明において、「組換えPLA
1」とは、遺伝子操作によって得られ、配列表の配列番
号2のアミノ酸番号1〜269で示されるアミノ酸配
列、または配列表の配列番号2のアミノ酸番号1〜26
9で示されるアミノ酸配列中の1つもしくは2つ以上の
部位において、1つもしくは2つ以上のアミノ酸が置
換、欠失または挿入されているアミノ酸配列を含むこと
からなり、ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドを
いう。本発明の組換えPLA1として特に好適なものと
しては、配列表の配列番号2のアミノ酸番号1〜269
で示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを挙げる
ことができる。
【0010】さらに、本発明のDNAとしては、配列表
の配列番号2のアミノ酸番号1〜269で示されるアミ
ノ酸配列を有するポリペプチドをコードするDNAが好
適である。より好適には、配列表の配列番号1のヌクレ
オチド番号1〜888で示されるヌクレオチド配列を有
するDNAを挙げることができるが、これに限定されな
い。
【0011】
【発明の実施の形態】 本発明のDNAは、例えば、P
LA1ポリペプチドを産生する微生物からPLA1ポリ
ペプチドをコードするmRNAを調製した後、既知の方
法により該mRNAを二本鎖DNAに変換することによ
って得ることができる。前記mRNAの供給源となり得
る微生物としては、本発明においては、麹菌アスペルギ
ルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)が好適であり、さ
らにAspergillus oryzae (Ahlburg) Cohn SANK 11870
(FERM BP−3887)株が好適である。
【0012】mRNAの抽出にあたっては、グアニジン
・チオシアネート・ホット・フェノール法、グアニジン
・チオシアネート−グアニジン・塩酸法等も採用し得る
が、グアニジン・チオシアネート・塩化セシウム法が好
適である。
【0013】上記のごとくして得られたmRNAがPL
A1ポリペプチドをコードするものであることを確認す
るためには、mRNAを翻訳させ生理活性を調べるか、
該タンパク質に特異的な抗体を用いてそのタンパク質を
同定する等の方法を用いることができる。例えば、アフ
リカツメガエル(Xenopus laevis)の卵母細胞にmRN
Aを注入して翻訳させたり[Gurdon, J. B., et al. (1
972) Nature 233, 177-182参照]、あるいはウサギ網状
赤血球系や小麦胚芽系を利用した翻訳反応が行われてい
る[Schleif, R. F. and Wensink, P. C. (1981) "Prac
tical Methodsin Molecular Biology" Springer Verla
g, NY 参照]。
【0014】前述のごとき方法で得たmRNAを鋳型と
して逆転写酵素を用いて一本鎖DNAを合成した後、こ
の一本鎖DNAから二本鎖DNAを合成するが、その方
法としてはS1ヌクレアーゼ法[Efstratiadis, A., et
al. (1976) Cell 7, 279-288 参照]、ランド法[Lan
d, H., et al. (1981) Nucleic Acids Res. 9, 2251-22
66 参照]、O. Joon Yoo 法[Yoo, O. J., et al. (198
3) Proc. Natl. Acad.Sci. USA 79, 1049-1053参照]等
も採用し得るが、本発明の目的にはオカヤマ−バーグ法
[Okayama, H. and Berg, P. (1982) Mol. Cell. Biol.
2, 161-170 参照]が好適である。
【0015】次に、得られた組換えプラスミドを大腸菌
等の微生物に導入して形質転換させて、テトラサイクリ
ン耐性あるいはアンピシリン耐性を指標として組換え体
を選択することができる。宿主細胞の形質転換は、ハナ
ハンの方法[Hanahan, D. (1983) J. Mol. Biol. 166,
557-580 参照]、すなわち塩化カルシウムや塩化マグネ
シウムまたは塩化ルビジウムを共存させて調製したコン
ピテント細胞に該組換えDNAを加える方法により実施
することができる。なお、ベクターとしてはプラスミド
以外にもラムダ系などのファージベクターも用いること
ができる。
【0016】上記により得られる形質転換体から、目的
のPLA1ポリペプチドをコードするDNAを有する株
を選択する方法としては、例えば以下に示す各種方法を
用いることができる。
【0017】〔1〕合成オリゴヌクレオチドプローブを
用いるスクリーニング法 目的とするタンパク質のアミノ酸配列の全部または一部
が解明された場合(該配列は、複数個連続した特異的配
列であれば、目的とするタンパク質のどの領域のもので
もよい)、該アミノ酸配列に対応するオリゴヌクレオチ
ドを合成し(この場合コドン使用頻度を用いて導いたヌ
クレオチド配列または考えられるヌクレオチド配列を組
み合わせた複数個のヌクレオチド配列のどちらでもよ
く、また後者の場合、イノシンを含ませてその種類を減
らすこともできる)、これをプローブ(32P等の放射性
同位元素、ビオチン、ジゴキシゲニン等で標識する)と
して、ニトロセルロースフィルターあるいはナイロンフ
ィルター上に固定された形質転換株のDNAとハイブリ
ダイズさせ、プローブの標識法に応じた方法でポジティ
ブ株を検索して、これを選択する。
【0018】〔2〕ポリメラーゼ連鎖反応により作成し
たプローブを用いるスクリーニング法 目的とするタンパク質のアミノ酸配列の全部または一部
が解明されている場合、該アミノ酸配列の一部に対応す
るセンスストランドとアンチセンスストランドのオリゴ
ヌクレオチドを合成し、これらを組み合わせてポリメラ
ーゼ連鎖反応[Saiki, R. K., et al. (1988) Science
239, 487-491参照]を行い、目的のPLA1ポリペプチ
ドをコードするDNA断片を増幅する。ここで用いる鋳
型DNAとしては、PLA1ポリペプチドを産生する細
胞のmRNAより逆転写反応により合成されたcDN
A、またはゲノムDNAを用いることができる。このよ
うにして調製したDNA断片を上記〔1〕のごとく標識
し、これをプローブとして用いてコロニーハイブリダイ
ゼーションまたはプラークハイブリダイゼーションを行
うことにより目的のクローンを選択する。
【0019】〔3〕PLA1ポリペプチドに対する抗体
を用いて選択する方法 予め、cDNAを発現ベクターに組み込み、形質転換株
内でタンパク質を産生させ、PLA1ポリペプチドに対
する抗体および該抗体に対する二次抗体を用いて、所望
のPLA1ポリペプチド産生株を検出し、目的の株を選
択する。
【0020】〔4〕セレクティブ・ハイブリダイゼーシ
ョン・トランスレーションの系を用いる方法 形質転換株から得られるcDNAを、ニトロセルロース
フィルター等にブロットし、PLA1ポリペプチド産生
細胞からのmRNAをハイブリダイズさせた後、cDN
Aに結合したmRNAを解離させ、回収する。回収され
たmRNAをタンパク質翻訳系、例えばアフリカツメガ
エルの卵母細胞への注入や、ウサギ網状赤血球ライゼー
トや小麦胚芽等の無細胞系でタンパク質に翻訳させ、そ
のタンパク質のPLA1活性を調べるか、またはPLA
1ポリペプチドに対する抗体を用いて検出して、目的の
株を選択する。
【0021】以上記載したmRNAを材料としてcDN
Aを作製する方法の他に、一般にある酵素をコードする
DNA断片の調製は、その酵素に対応したヌクレオチド
配列を含むDNAを供与体細胞から取り出し、制限酵素
等で処理することにより行うことができる。
【0022】すなわち、本発明の麹菌アスペルギルス・
オリゼのPLA1ポリペプチドをコードするDNAを採
取する方法は、公知の方法[Maniatis, T., et al. (19
82)"Molecular Cloning: A Laboratory Manual" Cold S
pring Harbor Laboratory,NY参照]に従い実施できる。
例えば、細胞よりプラスミドDNAに相当する画分を分
離し、該プラスミドDNAより該ポリペプチドをコード
するDNA領域を切り出すことにより行い得る。
【0023】一般に、真核生物の遺伝子は、インターフ
ェロン遺伝子等で知られているように、多型現象(poly
morphism)を示すと考えられ[例えば、Nishi, T., et
al.(1985) J. Biochem. 97, 153-159参照]、この多型
現象によって1個またはそれ以上のアミノ酸が置換され
る場合もあれば、ヌクレオチド配列の変化はあってもア
ミノ酸は全く変わらない場合もある。配列表の配列番号
2で示されるアミノ酸番号1〜269からなるPLA1
ポリペプチドのアミノ酸配列の中の、一つもしくは二つ
以上の部位において、一つもしくは二つ以上のアミノ酸
残基が欠失、挿入もしくは置換されているタンパク質で
も、PLA1活性を有することがある。本発明において
は、これらのタンパク質をPLA1の同効物と呼ぶ。
【0024】例えばインターロイキン2(IL−2)遺
伝子のシステインに相当するヌクレオチド配列をセリン
に相当するヌクレオチド配列に変換して得られたタンパ
ク質がIL−2活性を保持することも既に公知となって
いる[Wang, A., et al. (1984) Science 224, 1431-14
33参照]。それゆえ、それら天然に存在するかあるいは
人工合成されたタンパク質がPLA1活性を有する限
り、それらのタンパク質をコードする、同効のヌクレオ
チド配列からなるDNAもすべて本発明に含まれる。
【0025】このような各種の本発明のDNAは、上記
PLA1ポリペプチドの情報に基づいて、例えばホスフ
ァイト・トリエステル法[Hunkapiller, M., et al. (1
984)Nature 310, 105-111参照]等の常法に従い、核酸
の化学合成により製造することもできる。
【0026】なお、所望のアミノ酸配列に対するコドン
はそれ自体公知であり、その選択も任意でよく、例えば
利用する宿主のコドン使用頻度を考慮して常法に従い決
定できる[Grantham, R., et al. (1981) Nucleic Acid
s Res. 9, r43-r74 参照]。さらに、これらヌクレオチ
ド配列のコドンの一部改変は、常法に従い、所望の改変
をコードする合成オリゴヌクレオチドからなるプライマ
ーを利用したサイトスペシフィック・ミュータジェネシ
ス(site specific mutagenesis )[Mark, D.F., et a
l. (1984) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81, 5662-5666
参照]等に従うことができる。
【0027】また、あるDNAが本発明の(3)のDN
Aとハイブリダイズするか否かは、以下のようにして調
べることができる。すなわち、まず被検検体のDNAを
必要に応じてアガロースゲル電気泳動した後、ニトロセ
ルロースまたはナイロン等の膜にブロットし、吸着した
DNAを熱処理や紫外線照射等により膜に固定する。本
発明の(3)のDNAを、ランダムプライマー法[Fein
berg, A. P., et al.(1983) Anal. Biochem., 132, 6-1
3参照]、ニックトランスレーション法[Maniatis, T.,
et al. (1982) "Molecular Cloning: A Laboratory Ma
nual" Cold Spring Harbor Laboratory, New York参
照]等に従って、32P等の放射性同位元素、ビオチン、
ジゴキシゲニンまたは酵素等で標識したプローブを作製
する。該プローブを含むハイブリダイゼーション溶液中
に膜を浸して、所定の温度でインキュベーションした
後、膜を洗浄し、それぞれの標識に即した方法によりプ
ローブを検出する。
【0028】ハイブリダイゼーション溶液中に含まれる
SSC(salined-sodium citrate:「クエン酸ナトリウ
ム−生理食塩液」;1×SSCは0.15Mの塩化ナト
リウム、15mMのクエン酸ナトリウムを含む)の濃度
は好適には4乃至8×SSCである。また、インキュベ
ーション温度は好適には30乃至70℃である。本発明
においては、上記の範囲のSSC濃度およびインキュベ
ーション温度の組み合わせを「ストリンジェントな条
件」という。そのような条件としては、特に6×SS
C、60℃の条件が最も好適である。
【0029】上記の方法を利用することにより、本発明
の(3)のDNAとハイブリダイズするDNAを、種々
のcDNAライブラリーまたはゲノムライブラリーから
クローニングすることができる。
【0030】このようにして得られる本発明のDNAの
ヌクレオチド配列決定は、例えばマキサム−ギルバート
の化学修飾法[Maxam, A. M. and Gilbert, W. (1980)
Methods in Enzymology 65, 499-559 参照]や、M13
ファージを用いるジデオキシヌクレオチド鎖終結法[Me
ssing, J. and Vieira J. (1982) Gene 19, 269-276参
照]等により行うことができる。
【0031】クローン化されたPLA1ポリペプチドを
コードする遺伝子を含む断片は、適当なベクターDNA
に再び組み込むことにより、他の原核生物または真核生
物の宿主細胞を形質転換させることができる。さらに、
これらのベクターに適当なプロモーターおよび形質発現
にかかわる配列を導入することにより、それぞれの宿主
細胞において遺伝子を発現させることが可能である。
【0032】原核細胞の宿主としては、例えばストレプ
トミセス・リビダンス(Streptomyces lividans )、大
腸菌(Escherichia coli)や枯草菌(Bacillus subtili
s )等が挙げられる。目的の遺伝子をこれらの宿主細胞
内で形質発現させるには、宿主と適合し得る種由来のレ
プリコン、すなわち複製起点および調節配列を含んでい
るプラスミドベクターで宿主細胞を形質転換させればよ
い。またベクターは形質転換細胞に表現形質(表現型)
の選択性を付与し得る配列を有するものが好ましい。
【0033】ベクターとしては一般にpBR322やp
UC系のプラスミドがよく用いられるが、これに限定さ
れず、公知の各種の菌株およびベクターがいずれも利用
できる。プロモーターとしては、大腸菌においてはトリ
プトファン(trf)プロモーター、ラクトース(la
c)プロモーター、トリプトファン・ラクトース(ta
c)プロモーター、リポプロテイン(lpp)プロモー
ター、バクテリオファージ由来のラムダ(λ)PL プロ
モーター、ポリペプチド鎖伸長因子Tu(tufB)プ
ロモーター等が挙げられる。
【0034】また真核微生物としては酵母やアスペルギ
ルス・オリゼが一般に良く用いられ、その中でもサッカ
ロミセス属酵母、例えばサッカロミセス・セレビジエ
(Saccharomyces cerevisiae)、またはアスペルギルス
・オリゼが好ましい。該酵母等の真核微生物の発現ベク
ターの調製に際しては、例えばアルコール脱水素酵素遺
伝子のプロモーター[Bennetzen, J. L. and Hall, B.
D. (1982) J. Biol. Chem. 257, 3018-3025 参照]や酸
性ホスファターゼ遺伝子のプロモーター[Miyanohara,
A., et al. (1983) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80, 1
-5参照]等を好ましく利用できる。またアスペルギルス
・オリゼ用の発現ベクターとしては、pTAex3[Fu
jii, T., et al. (1995) Biosci. Biotech. Biochem. 5
9, 1869-1874参照]が好適である。
【0035】このようにして得られる本発明の形質転換
細胞としては、サッカロミセス・セレビジエ KS58
−2D/pCY339株またはアスペルギルス・オリゼ
M−2−3/pAAP株が好適である。
【0036】上記で得られる所望の形質転換細胞は、常
法に従い培養することができ、該培養により細胞内また
は細胞外に組換えPLA1ポリペプチドが生産される。
該培養に用いられる培地としては、採用した宿主細胞に
応じて慣用される各種のものを適宜選択できる。
【0037】例えば、大腸菌を宿主として用いる場合、
培地としてはLB培地、2×YT培地、L培地、肉汁培
地、M9最小培地等、当業者に周知のものをいずれも使
用することができる。また、培養温度は好ましくは15
乃至40℃であり、より好適には25乃至37℃であ
る。培養に要する時間は、嫌気性または好気性条件下で
通常10日間以内、好適には8時間乃至3日間である。
【0038】また、酵母を宿主として用いる場合、培地
としてはYPD培地、MY培地、麦芽エキス培地、合成
最小培地等、当業者に周知のものをいずれも使用するこ
とができる。また、培養温度は好ましくは15乃至40
℃であり、より好適には20乃至30℃である。培養に
要する時間は、嫌気性または好気性条件下で通常20日
間以内、好適には3乃至7日間である。
【0039】さらに、COS−1細胞を宿主として用い
る場合、培地としては最小必須培地(MEM)、ダルベ
ッコ変法イーグル培地(DMEM)、ハムのF12培
地、RPMI1640培地等が使用され得る。培養温度
は好ましくは30乃至37℃であり、最も好適には37
℃である。また、培養機内の空気の炭酸ガス濃度は5乃
至10%、最も好適には5%に調節されていることが望
ましい。
【0040】その他、使用する宿主細胞に応じて、該宿
主細胞の生育および蛋白質生産が可能な培地および培養
条件を用いることができる。
【0041】上記方法により、形質転換体の細胞内また
は細胞外に生産されるPLA1ポリペプチドは、該PL
A1ポリペプチドの物理学的性質や化学的性質等を利用
した各種の公知の分離操作法により、それらより分離・
精製することができる。該方法としては、具体的には例
えば通常のタンパク質沈澱剤による処理、限外濾過、分
子ふるいクロマトグラフィー(ゲル濾過)、吸着クロマ
トグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィ
ニティクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィ
ー(HPLC)等の各種液体クロマトグラフィー、透析
法、これらの組み合わせ等を例示できる。
【0042】本発明により得られる組換えPLA1ポリ
ペプチドがホスホリパーゼ活性を有するか否かは、例え
ば以下に記載する方法で確認することができる。
【0043】〔1〕レシチンを基質として、遊離脂肪酸
を定量する方法[特開平6−62850参照]; 〔2〕1−[1−14C]オレオイルグリセロールまたは
1−[1−14C]パルミトイル−2−アシル−sn−グ
リセロ−3−ホスホエタノールアミンを基質とし、遊離
脂肪酸の放射能を測定する方法[Waite, M., et al. (1
974) J. Biol. Chem. 249, 6401-6405参照]。
【0044】上記方法により、容易に高収率、高純度で
所望の組換えPLA1ポリペプチドを工業的規模で製造
できる。このようにして得られる本発明の組換えPLA
1ポリペプチドの諸性質は既に文献に記載された天然の
PLA1[特開平6−62850参照]の諸性質と共通
しており、その生物活性により、食品工業、飼料工業、
医薬品工業当の分野で主としてリゾリン脂質生産のため
に幅広く使用され得る。
【0045】本発明の組換えPLA1は、優れた活性お
よび選択性を有し、大量かつ安価に定常的に供給可能
な、極めて有用なホスホリパーゼである。本酵素を用い
てリン脂質を分解させる酵素反応は、酵素と基質を、水
性溶媒中または湿潤状態で接触させることにより行われ
る。使用される基質は、例えば、小麦粉、大豆、卵黄等
のレシチンであり、その濃度は、好適には、1乃至50
重量%である。使用する水は、井戸水または水道水がそ
のまま使用できるが、より効率的な酵素反応のために、
酸(例えば酢酸)、アルカリ(例えば水酸化ナトリウ
ム)あるいは緩衝液(例えば酢酸緩衝液)を加えて、p
Hを3乃至7(特に好適には、3.5乃至5.5)に調
整して用いることもできる。反応温度は、10℃乃至7
0℃(好適には20℃乃至65℃、特に好適には30℃
乃至60℃)であり、反応に要する時間は、基質、反応
温度、pH等により異なるが、通常10分間乃至10日
間(好適には、1時間乃至2日間)である。
【0046】酵素反応終了後、得られたリゾリン脂質
は、分離することなく直接加工処理に使用できる。ま
た、常法により不溶物を濾別し、直接使用するか、濃縮
により適当なリゾリン脂質を得ることもできる。さら
に、必要に応じて、水を加えて、水不混和性有機溶剤で
抽出し、抽出溶剤を留去することにより得ることもでき
る。また、必要に応じて、常法、例えば、カラムクロマ
トグラフィー、再結晶法等によりさらに精製することも
できる。
【0047】
【実施例】 以下に実施例を挙げ、本発明を詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0048】実施例1. PLA1の部分アミノ酸配列
の決定 PLA1は、Aspergillus oryzae (Ahlburg) Cohn SANK
11870(FERM BP−3887)株(以下「SAN
K 11870株」という)から、服部らの方法[特開
平6−62580参照]により精製した。ドデシル硫酸
ナトリウム(以下「SDS」という)存在下でのポリア
クリルアミドゲル電気泳動により算出した分子量が37
000に相当するPLA1a(0.1mg/ml)の2
0mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)0.45m
lに、0.4%(w/v)デオキシコール酸(シグマ社
製)を含むトリクロロ酢酸45μlを添加し、1000
0rpm、4℃で10分間遠心分離した。沈澱に対して
0.68mlの冷却アセトンを添加し、10000rp
m、4℃で10分間遠心分離し、沈澱を減圧乾燥した。
この沈澱を、トリス−グアニジン溶液[6M 塩酸グア
ニジンを含む0.5M トリス−塩酸緩衝液(pH8.
5)]90μlに溶解し、窒素ガスを1分間吹き込ん
だ。これに、100mM ジチオスレイトールを含むト
リス−グアニジン溶液4.5μlを添加し、再び窒素ガ
スを2分間吹き込んだ。室温で2時間静置後、100m
M ヨードアセトアミド溶液を9μl添加し、室温で3
0分間静置した。この溶液を、蒸留水に対して、4℃で
一晩透析し、減圧乾燥した。これに8M 尿素を30μ
l添加し、37℃で1時間保温した。これにダイジェス
ション緩衝液(CTFFキット、島津製作所(株)社
製)を43μl添加し、さらに10mg/mlのリシル
エンドペプチダーゼを13μl添加して、37℃で一晩
保温した。
【0049】次いで、この反応液に0.1%(v/v)
トリフルオロ酢酸を0.3ml添加し、その全量を逆相
HPLCで分画した。HPLCの条件は以下の通りであ
った。
【0050】カラム:コスモシール5C8−AR−30
0(サイズ4.6×10mm、ナカライテスク社製); 流速:0.5ml/分; 移動相:0.1%(v/v)トリフルオロ酢酸を用い、
アセトニトリルの濃度を初期濃度5%(v/v)、最終
濃度80%(v/v)とし、15分間のグラジエントを
かけて溶出; 検出波長:210nm。
【0051】上記の条件で溶出時間5.2分、6.8
分、8.0分、9.2分および9.8分のピークを分画
し、各ピークについて、気相式プロテインシークエンサ
ー(モデルPPSQ−10;島津製作所(株)社製)を
用いて、自動エドマン法[Edman, P., et al. (1967) E
ur. J. Biochem. 1, 80 参照]によりアミノ酸配列を解
析した。上記各ピークのアミノ酸配列は以下に記載する
通りであった: 溶出時間(分) 配列 5.2 配列表の配列番号3 6.8 配列表の配列番号4 8.0 配列表の配列番号5 9.2 配列表の配列番号6 9.8 配列表の配列番号7。
【0052】実施例2. アスペルギルス・オリゼのm
RNAの調製 SANK 11870株を培地(1%(w/v)ポリペ
プトン(日本製薬(株)社製)、5%(w/v)ショ
糖、0.5%(w/v)イーストエキストラクト(ディ
フコ社製)、0.1%(w/v)硫酸マグネシウム・7
水和物、0.5%(w/v)炭酸カルシウム、0.8%
(w/v)Tween 80(第一化学薬品(株)社
製)、0.5%(w/v)グルタミン酸ナトリウム、1
%(w/v)レシチン(豊年(株)社製)、0.25%
(w/v)リン酸水素二カリウム−0.25%(w/
v)リン酸二水素カリウム緩衝液(pH6.6))10
0mlを含む500ml容三角フラスコに植菌し、26
℃、210rpmで培養した。3日間、5日間および7
日間培養後の菌体を集菌し、直ちに液体窒素で凍結させ
てから、−80℃で保存した。
【0053】次に、予めドライアイス上で冷却した乳鉢
中で、凍結保存菌体3gを粉状になるまで破砕した。こ
れをグアニジンチオシアネート溶液(4M グアニジン
チオシアネート(フルカ社製)、4%(w/v)ザルコ
シル(シグマ社製)、0.1%(w/v)アンチフォー
ムA(シグマ社製)、20mM EDTA・2Na、4
mM 2−メルカプトエタノールおよび25mMクエン
酸三ナトリウム(pH7.0))15mlで満たしてお
いた遠心管に移し、激しく攪拌後、ポリトロンホモジナ
イザーを用いて30秒間菌体を破砕した。これを900
0rpm、15分間、4℃で遠心分離し、上清を再び9
000rpm、4℃で15分間遠心分離した。上清7m
lを、予め3mlの0.1M EDTA・2Naを含む
5.7M塩化セシウム溶液を入れておいた超遠心管(1
3PA:日立(株)社製)に静かに重層し、30000
rpm、4℃で15時間遠心した。遠心分離後、沈澱を
0.3mlの1mM EDTA・2Naを含む10mM
トリス−塩酸緩衝液(pH8.0)(以下「TE」と
いう)に溶解した。これに30μlの3M 酢酸−酢酸
ナトリウム緩衝液(pH5.2)、および1mlのエタ
ノールを添加した。これを14500rpm、4℃で1
0分間遠心分離し、沈澱に80%(v/v)エタノール
を添加し、再び14500rpm、4℃で5分間遠心分
離した。沈澱を減圧乾燥後、40μlのTEに溶解した
ものを全RNA試料とした。
【0054】このようにして得られた全RNAを、オリ
ゴ(dT)セルロースカラムクロマトグラフィーを行う
ことにより、ポリ(A)+ RNAを精製した。すなわ
ち、全RNA(540μg)を吸着緩衝液(0.5M
塩化ナトリウム、20mM トリス−塩酸(pH7.
5)、1mM EDTA、0.1%(w/v)SDS)
に溶解し、65℃で5分間加熱した後、吸着緩衝液にて
充填されたオリゴ(dT)セルロースカラム(Type
7;ファルマシア社製)に供与し、溶出溶液(10mM
トリス−塩酸(pH7.5)、1mM EDTA、
0.05%(w/v)SDS)でポリ(A)+ RNAを
溶出し、回収した。このような操作により、20μgの
ポリ(A)+ RNAを得た。
【0055】実施例3. アスペルギルス・オリゼのc
DNAライブラリーの調製 実施例2で得られたSANK 11870株のmRNA
(3μg)を、5mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.
5)15μlに溶解した。これを65℃、5分間加温
後、37℃まで冷却し、10倍濃度の逆転写酵素緩衝液
(80mM 塩化マグネシウム、300mM 塩化カリ
ウム、3mM ジチオスレイトールを含むトリス−塩酸
緩衝液(pH8.5))3μl、20mM dATP、
20mMdCTP、20mM dGTPおよび20mM
dTTPの混合溶液3μl、0.5μg/μlのベク
タープライマー(pCDV1 オリゴ(dT)テイルド
・プラスミド;ファルマシア社製)を3μl、27単位
/μl 逆転写酵素(トリ骨髄芽球症ウイルス(avian
myeloblastosis virus)由来;生化学工業 (株) 社製)
1.7μl、蒸留水4.3μlを添加し、37℃で30
分間保温した。
【0056】反応液に1/2容量のTE飽和フェノール
および1/2容量のクロロホルムを加え、激しくふり混
ぜた後、10000rpmで5分間遠心分離した。水層
を回収し、これに1/2容量のTE飽和フェノール、お
よび1/2容量のクロロホルムを加え、激しくふり混ぜ
た後、10000rpmで5分間遠心分離した。再び水
層を回収し、これに同量のクロロホルムを加え、激しく
ふり混ぜた後、10000rpmで1分間遠心分離し、
水層を回収した(以下、この操作を「フェノール・クロ
ロホルム抽出」という)。
【0057】回収した水層に、1/10容量の3M酢酸
−酢酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)および2.5倍
量のエタノールを加え、−80℃で15分間冷却後、1
0000rpm、5分間遠心分離した。沈澱を80%
(v/v)エタノールで洗浄後、減圧乾燥した(以下、
この操作を「エタノール沈澱」という)。
【0058】この沈澱に13μlの蒸留水、2μlの1
0倍濃度のターミナルデオキシヌクレオチジルトランス
フェラーゼ反応用緩衝液(1.4M カコジル酸ナトリ
ウム、10mM 塩化コバルトを含む0.3M トリス
−塩酸(pH7.6))、2μlのポリ(A)、1μl
の2mM ジチオスレイトール、0.6μlの2mMd
ATP、2mM dCTP、2mM dGTPおよび2
mM dTTPの混合溶液および21単位/μlのター
ミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(フ
ァルマシア社製)を0.5μl加え、37℃で5分間保
温した。反応液をフェノール・クロロホルム抽出し、エ
タノール沈澱した後、得られた沈澱を24μlのTEに
溶解し、30単位の制限酵素HindIIIを加えて3
7℃で一晩保温した。反応液をフェノール・クロロホル
ム抽出し、エタノール沈澱した後、沈澱を10μlのT
Eに溶解したものを、アスペルギルス・オリゼcDNA
試料とした。
【0059】一方、プラスミドベクターpcDL−SR
α296[武部ら、(1989) 実験医学 7巻、95−9
9参照]を制限酵素PstIで消化し、さらにその3’
末端にターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェ
ラーゼ(ファルマシア社製)によりdGTPを付加させ
た。次いで、このものを制限酵素HindIIIで消化
することにより、SRαプロモーターにオリゴ(dG)
が付加されたオリゴ(dG)付きリンカーDNAを作製
した。
【0060】上記アスペルギルス・オリゼcDNA試料
1μlに、0.5μlの上記オリゴ(dG)付きリンカ
ーDNA(0.08pmol相当)、2μlの5倍濃度
ハイブリダイゼーション緩衝液(5mM EDTA、5
00mM 塩化ナトリウムを含む50mM トリス−塩
酸緩衝液(pH7.5))、および6.5μlの蒸留水
を加え、65℃で5分間加温した後、43℃で30分間
保温した。これに9μlの10倍濃度のライゲーション
緩衝液(アマシャム社製)、68μlの蒸留水および1
μlの10mM β−ニコチンアミドアデニンジヌクレ
オチド(ベーリンガーマンハイム社製)を加え、氷上で
10分間冷却後、2μlの0.28μg/μlのDNA
リガーゼ(ファルマシア社製)を添加し、12℃で一晩
保温した。この反応液に、2mM dATP、2mM
dCTP、2mM dGTPおよび2mM dTTPの
混合溶液2μl、10mM β−ニコチンアミドアデニ
ンジヌクレオチド0.5μl、0.28μg/μlのD
NAリガーゼ(大腸菌由来;ファルマシア社製)1.5
μl、4単位/μlのDNAポリメラーゼI(ファルマ
シア社製)1μlおよび1単位/μlのリボヌクレアー
ゼH(ファルマシア社製)4μlを加え、12℃で1時
間保温した。反応液をフェノール・クロロホルム抽出
し、エタノール沈澱した後、沈澱を100μlの蒸留水
に溶解した。
【0061】実施例4. アスペルギルス・オリゼの染
色体DNAライブラリーの作製 実施例2に記載した方法により培養し、−80℃で凍結
保存したSANK 11870株の菌体3gを、ドライ
アイスで冷却した乳鉢上で粉状になるまで破砕した。破
砕した菌体を、あらかじめ20mlの62.5mM E
DTA・2Na、5%(w/v)SDSを含む50mM
トリス−塩酸緩衝液(pH8)で満たしておいた遠心管
に移し、激しく攪拌後、氷上で1.5時間静置した。こ
れにTE飽和フェノール10mlを加え、50℃で1時
間、緩やかにふり混ぜた。その後さらにTE飽和フェノ
ール5mlを加え、3000rpmで10分間遠心分離
した。水層を別の遠心管に回収し、7.5mlのTE飽
和フェノールおよび7.5mlのクロロホルムを加え、
激しく攪拌後、3000rpmで10分間遠心分離し
た。再び水層を別の遠心管に回収し、1/2容量の8M
酢酸アンモニウム溶液と25mlのエタノールを加え、
−80℃で15分間冷却後、10000rpm、4℃で
10分間遠心分離した。沈澱を5mlのTEに溶解し、
2mg/mlのリボヌクレアーゼAおよび2500単位
/mlのリボヌクレアーゼT1を含む溶液を100μl
添加し、37℃で20分間保温した。これに20mlの
イソプロパノールを加え、緩やかに混合することによ
り、生じた糸状のDNAをピンセットで釣り上げ、0.
8mlのTEに溶解した。
【0062】このDNA溶液に1/2容量のTE飽和フ
ェノールと1/2容量のクロロホルムを加え、激しく攪
拌後、15000rpmで5分間遠心分離し、水層を回
収した。この操作をさらに3回繰り返して、得られた水
層に等量のクロロホルムを加え、激しく攪拌後、150
00rpmで5分間遠心分離し、水層を回収した。この
水層に1/10容量の3M酢酸ナトリウム(pH6.
5)および2.5容量のエタノールを加え、−80℃で
15分間冷却後、15000rpmで5分間遠心分離
し、沈澱を回収した。この沈澱に1mlの80%(v/
v)エタノールを加えて、15000rpmで5分間遠
心分離し、沈澱を回収した。この沈澱を減圧乾燥し、T
Eに溶解したものを、精製アスペルギルス・オリゼ染色
体DNAとした。
【0063】次いで、アスペルギルス・オリゼ染色体D
NA(15μg相当)を、400単位の制限酵素Pst
Iを用いて消化(37℃、12時間)した後、エタノー
ル沈澱した。
【0064】一方、3μg相当のプラスミドpUC18
(宝酒造(株)社製)を100単位の制限酵素PstI
で消化し、エタノール沈澱した。沈澱を200μlのT
Eに溶解し、2.5単位/μlのアルカリフォスファタ
ーゼ(CAP−101;東洋紡 (株) 社製)を1μl添
加して、37℃で30分間保温した後、フェノール・ク
ロロホルム抽出し、エタノール沈澱した。
【0065】制限酵素PstIで消化したアスペルギル
ス・オリゼ染色体DNA(500ng相当)と、同じく
PstI消化したpUC18とを、DNAライゲーショ
ンキット(宝酒造(株)社製)を用いて連結した。この
反応液で大腸菌JM109を形質転換[Hanahan, D. (1
983) J. Mol. Biol. 166, 557-580 参照]することによ
り、アスペルギルス・オリゼの染色体DNAライブラリ
ーを調製した。
【0066】実施例5. PCR法によるPLA1遺伝
子のクローニング PLA1の部分アミノ酸配列: Asp Leu Phe Ala Gln Tyr (配列表の配列番号6のアミ
ノ酸番号11〜16) をコードする17merの混合センスプライマー: 5'- GA(CT)(TC)T(ACGT)TT(CT)G CICA(AG)TA -3' (配
列表の配列番号8;なお配列中、括弧で囲まれた部分
は、該括弧内のヌクレオチドのうちの任意の1ヌクレオ
チドを表わす) を固相ホスホアミダイト法[Beaucage, et al. (1981)
Tetrahedron Letters 22, 1859-1862 参照]により化学
合成した。
【0067】また、PLA1の別の部分アミノ酸配列: Asp Glu Phe Asn Glu Ser (配列表の配列番号5のアミ
ノ酸番号20〜25) をコードする16merの混合アンチセンスプライマ
ー: 5'- (GC)(AT)TC(AG)TT(AG)AA (CT)TC(AG)TC -3' (配
列表の配列番号9) を化学合成した。プライマーの合成はDNAシンセサイ
ザー(モデル380A;アプライドバイオシステム社
製)を用いて行なった。
【0068】実施例3で調製したアスペルギルス・オリ
ゼのcDNAライブラリーを鋳型として、上記混合セン
スプライマー925ng、混合アンチセンスプライマー
925ng、0.2mM dATP、0.2mM dC
TP、0.2mM dGTP、0.2mM dTTP、
50mM塩化カリウム、1.5mM塩化マグネシウムお
よび2.5単位のTaq DNAポリメラーゼを含む1
0mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.3)0.1ml中
で、1サイクルあたり94℃で1分、50℃で1分、7
2℃で2分の条件で、30サイクルのPCRを実施し
た。
【0069】PCRにより得られた反応生成物から0.
14kbpの断片を切り出し、DNAブランティングキ
ット(宝酒造 (株) 社製)を用いて末端を平滑化後、D
NAライゲーションキット(宝酒造 (株) 社製)を用い
て、プラスミドpUC18(宝酒造 (株) 社製)のSm
aI切断部位に挿入することにより、プラスミドpRA
V12を構築した。
【0070】pRAV12に挿入された0.14kbp
断片のヌクレオチド配列の解析は、ダイデオキシ法によ
り行なった。すなわち、プラスミドpRAV12をチャ
ングらの方法[Zhang, H., et al. (1988) Nucleic Aci
ds Res. 16, 1220参照]でアルカリ変性し、鋳型DNA
を調製した後、7−デアザシークエネース バージョン
2.0キット(東洋紡(株)社製)を用いてヌクレオチ
ド配列を解析した。また、該キットのDNAポリメラー
ゼ反応用プライマーDNAとしては、M13プライマー
M4(宝酒造 (株) 社製)あるいはM13プライマーR
V(宝酒造 (株) 社製)を用いた。
【0071】その結果、pRAV12中の0.14kb
pのDNA断片は、 Ser Ala Ala Ala Tyr Cys Asp Glu Asn Leu 、および Ser Val Gly Asn Cys Pro Leu Val Glu Ala Ala Ser Th
r Gln Ser Leu のアミノ酸配列をコードするオープンリーディングフレ
ームを含んでいた。上記配列は実施例1で決定されたP
LA1の部分アミノ酸配列(配列表の配列番号6および
配列番号5;解析不能であるシステインを除く)の一部
と一致していたので、このDNA断片はPLA1遺伝子
をコードしていることが確かめられた。
【0072】実施例6. コロニーハイブリダイゼーシ
ョン 実施例4で作製したアスペルギルス・オリゼの染色体D
NAライブラリーを含む大腸菌JM109株を、TY培
地(10g/リットルのバクト・トリプトン(ディフコ
社製)、5g/リットルのイーストエキストラクト(デ
ィフコ社製)、1.5%(w/v)寒天末および100
μg/ml アンピシリン)を入れた培養プレート(直
径9cm)1枚あたり約2000コロニーとなるように
播種した。37℃で一晩培養後、円形のニトロセルロー
スフィルター(HA、孔径0.45μm、直径82m
m:ミリポア社製)を培地に載せることにより、プレー
ト中の大腸菌のコロニーを移した。このフィルターを、
新しいTY培地上に置いて、37℃で一晩培養した。
【0073】大腸菌のコロニーが生育したニトロセルロ
ースフィルターを、0.5Mの水酸化ナトリウムを染み
込ませたろ紙(No.2:アドバンテック (株) 社製)
に載せ、室温で5分間静置することにより大腸菌を溶菌
した。次いで、フィルターを1M トリス−塩酸緩衝液
(pH8)を染み込ませたろ紙上に置き、室温で5分間
静置した。さらに、フィルターを1.5M 塩化ナトリ
ウムを含む1M トリス−塩酸緩衝液(pH8)を染み
込ませたろ紙上に載せ、室温で5分間静置後、2×SS
C溶液(0.3M 塩化ナトリウムを含む0.03M
クエン酸三ナトリウム二水和物溶液)を染み込ませたろ
紙上に載せ、室温で5分間静置した。フィルターを風乾
後、80℃で2時間加温してから、6×SSC(0.9
M 塩化ナトリウムを含む0.09M クエン酸三ナト
リウム二水和物溶液)中で十分に洗浄し、風乾した。
【0074】プローブの標識は、以下に記載する方法に
より行なった。まず20μgのpRAV12を200単
位のEcoRIで消化した(37℃、12時間)。これ
を6%(w/v)ポリアクリルアミドゲルを用いて1×
TBE緩衝液(1mMのEDTA・2Naを含む50m
Mトリス−ほう酸緩衝液(pH8.3)中、100Vで
電気泳動した後、0.14kbpに相当するバンドのD
NA断片をを切り出した。この0.14kbpのDNA
断片をニックトランスレーションキット(アマシャム社
製)および〔α−32P〕−dCTPを用いて標識した。
未反応の〔α−32P〕−dCTPは、ニックカラム(フ
ァルマシア社製)を用いて除去した。
【0075】ハイブリダイゼーションは、以下の方法に
より行なった。すなわち、風乾したニトロセルロースフ
ィルターをハイブリダイゼーション溶液(40%(v/
v)ホルムアミド、5×SSC(0.15M 塩化ナト
リウム、0.015M クエン酸三ナトリウム)、5×
デンハルト溶液(ウシ血清アルブミン(シグマ社製)1
g/リットル、フィコール400(ファルマシア社製)
1g/リットル、ポリビニルピロリドン(シグマ社製)
1g/リットル)、0.5%(w/v)SDSおよび1
00μg/mlのサケ精子DNAを含む10mM リン
酸緩衝液(pH7.0))に浸し、42℃で2時間保温
した。その後、上記のごとく標識したプローブを添加
し、同じハイブリダイゼーション溶液中で42℃で一晩
保温した。その後、フィルターを40%(v/v)ホル
ムアミドおよび5×SSCを含む0.1%(w/v)S
DS溶液中に移し、42℃で30分間洗浄した。さらに
フィルターを2×SSC中で42℃、1時間洗浄した後
風乾し、オートラジオグラフィーを行なった。
【0076】上記の方法で約52500個のコロニーを
スクリーニングし、3個の陽性クローンを選択した。こ
れらの陽性クローンから調製したプラスミドをそれぞれ
制限酵素PstIで消化することによりpUC18由来
の2.7kbp相当のバンドの他に4.3kbp相当の
バンドを生じたクローンを選択し、該クローンが保持す
るプラスミドをpRAV43と命名した。
【0077】実施例7. PLA1をコードするcDN
Aのクローニング pRAV43に含まれるPLA1ゲノムDNAのヌクレ
オチド配列の解析は、ジデオキシ法とDNAシークエン
サーを併用することにより実施した。ジデオキシ法の場
合は、pRAV43を前記チャングらの方法によりアル
カリ変性させることにより鋳型DNAを調製した。配列
の決定は7−デアザシークエネース バージョン2.0
キットを用いて行った。
【0078】また、DNAシークエンサーを用いる場合
は、ダイターミネーターサイクルシークエンシングキッ
ト(パーキンエルマー・ジャパン社製)を使用して試料
を調製し、DNAシークエンサーモデル373A(パー
キンエルマー・ジャパン社製)でヌクレオチド配列を決
定した。
【0079】以上のごとくして決定されたPLA1のゲ
ノムDNAのヌクレオチド配列より、該DNA中には3
つのイントロンの存在が予想された。また、PLA1ゲ
ノム遺伝子の塩基配列の中で、PLA1のN末端アミノ
酸およびC末端アミノ酸をコードする位置を推定してプ
ライマーを設計した。すなわち、以下に記載する配列の
ヌクレオチドプライマー: 5'- CGTCCTGCAC GGCATTCAAA -3' (センスプライマー:
配列表の配列番号10) および、 5'- TCCCTTCTCA AAGCCAGAAT -3' (アンチセンスプライ
マー:配列表の配列番号11) を合成した。
【0080】次いで、実施例3で作製したアスペルギル
ス・オリゼのcDNAライブラリー1μgを、20単位
の制限酵素PstIを用いて消化した(37℃、2時
間)。このPstI処理したcDNAライブラリー5n
gを、センスプライマー200nM、アンチセンスプラ
イマー200nM、0.2mM dATP、0.2mM
dCTP、0.2mM dGTP、0.2mM dTT
P、10mM 塩化カリウム、6mM 硫酸アンモニウ
ム、2mM 塩化マグネシウム、0.1%(w/v)ト
ライトンX−100、0.01mg/ml ウシ血清ア
ルブミン、Pfu DNAポリメラーゼ(ストラタジー
ン社製)5単位を含む20mM トリス−塩酸緩衝液
(pH8.0)50μlに溶解し、1サイクルあたり9
4℃で30秒、55℃で30秒、72℃で1分の条件
で、30サイクルのPCRを実施した。PCR後の反応
液をフェノール・クロロホルム抽出し、エタノール沈澱
して、沈澱をTEに溶解した。
【0081】このPCR反応生成物(20μg相当)
に、10mM 塩化マグネシウム、1mM ATP、T
4ポリヌクレオチドキナーゼ(宝酒造 (株) 社製)10
0単位、および5mM ジチオスレイトールを含む50
mM トリス−塩酸緩衝液(pH7.5)400μlを
加え、37℃で30分間保温した。反応液をフェノール
クロロホルム抽出し、エタノール沈澱を行って、沈澱を
TEに溶解した。
【0082】一方、10μgのpUC18を100単位
のSmaIで消化した(25℃、3時間)後、反応液を
フェノール・クロロホルム抽出し、エタノール沈澱を行
って、沈澱を200μlのTEに溶解した。これにアル
カリフォスファターゼ(東洋紡 (株) 社製)を5単位添
加し、37℃で30分間保温した後、フェノール・クロ
ロホルム抽出し、エタノール沈澱を行って、沈澱をTE
に溶解した。
【0083】上記のごとくして得られたSmaI消化p
UC18(100ng相当)と、リン酸化したPCR反
応生成物(50ng相当)とを、DNAライゲーション
キット(宝酒造 (株) 社製)を用いて連結し、プラスミ
ドpRAV885を構築した。
【0084】pRAV885に含まれる、PLA1をコ
ードするcDNAのヌクレオチド配列は、ダイターミネ
ーターサイクルシークエンシングキットおよびDNAシ
ークエンサーを用いて決定した。このヌクレオチド配列
(配列表の配列番号1)と前記PLA1ゲノムDNAの
ヌクレオチド配列との比較により、ゲノム上のイントロ
ンの位置を決定した。
【0085】実施例8. 動物細胞用発現ベクターの構
10μgのpRAV885を100単位の制限酵素Sa
cIで消化した(37℃、3時間)後、フェノール・ク
ロロホルム抽出し、エタノール沈澱した。このDNAの
切断末端を、DNAブランティングキット(宝酒造
(株) 社製)を用いて平滑化した後、反応液をフェノー
ル・クロロホルム抽出し、エタノール沈澱を行って、沈
澱を0.4mlのTEに溶解した。これに5単位のアル
カリフォスファターゼ(東洋紡 (株) 社製)を添加し、
37℃で30分間保温した後、フェノール・クロロホル
ム抽出し、エタノール沈澱した。このDNAに、0.5
μgのPstIリンカー(宝酒造 (株) 社製)を添加
し、DNAライゲーションキット(宝酒造 (株) 社製)
を用いて閉環することにより、pRAV885のSac
I切断配列をPstI切断配列に置換したプラスミドp
RAV820を構築した。
【0086】次に、pRAV820を制限酵素SalI
とPstIで消化し、cDNAインサートを含む約1.
0kbpの断片を単離、精製した。
【0087】一方、高発現ベクターpME18S[Har
a, T., et al. (1992) EMBO J. 11,1875参照]を制限酵
素XhoIおよびPstIで消化した後、T4DNAリ
ガーゼを用いた反応により、上記のSalI−PstI
消化したDNA断片と連結した。このDNAで大腸菌を
形質転換し、得られた形質転換株からそれぞれプラスミ
ドDNAを抽出した。これらの形質転換株のうち、プラ
スミドDNAを制限酵素EcoRIで消化することによ
り0.3kbpおよび3.6kbpの断片を生じ、かつ
制限酵素XbaI消化により0.9kbpおよび3.0
kbpの断片を生じるようなクローンを選択し、該クロ
ーンが保持するプラスミドをpRAV825と命名し
た。
【0088】実施例9. COS−1細胞におけるPL
A1遺伝子の発現 COS−1細胞のトランスフェクションは、遺伝子導入
装置(モデルGTE−1;島津製作所 (株) 社製)を用
いて、電気穿孔法により行った。まずCOS−1細胞
を、細胞培養フラスコ中、血清を含まないでダルベッコ
変法イーグル培地(以下「DMEM」という)でセミコ
ンフルエントになるまで増殖させてから、トリプシン−
EDTA処理により細胞を剥がして回収し、PBS
(−)緩衝液(宝酒造(株)社製)で2回洗浄した後、
PBS(−)緩衝液で6×107 細胞/mlとなるよう
に懸濁した。
【0089】一方、DNA精製キット(ウィザード・マ
キシプレップス・DNAピュリフィケーションシステ
ム:プロメガ社製)で調製したpRAV825およびp
ME18Sを、PBS(−)緩衝液でそれぞれ200μ
g/mlに調整した。
【0090】上記細胞懸濁液とDNA溶液を20μlづ
つ混合し、これを電極間隔2mmのチャンバーに入れ、
600V−30secのパルスを1秒間隔で2回与え
た。チャンバーを4℃で5分間冷却した後、チャンバー
中の細胞・DNA混合液を10%ウシ胎児血清を含むD
MEM 10mlに加え、細胞培養用シャーレに移し
て、37℃、5%炭酸ガス下で一晩培養した。その後、
培養上清を除き、血清を含まないDMEMで細胞を洗浄
し、DMEM 10mlを加えて3日間培養してから、
培養上清を回収した。
【0091】試験例1 実施例9で調製したCOS−1細胞培養上清各2.5m
lを、限外濾過膜付き遠心管(セントリコン−10;グ
レースジャパン社製)を用いて、5000rpm、4℃
で1.5時間遠心分離することにより、それぞれ220
μlまで濃縮し、以下に記載するホスホリパーゼ活性測
定用の検体(以下「COS−1/pRAV825」およ
び「COS−1/pME18S」という)として使用し
た。
【0092】2%(w/v)SLP−ホワイト(ツルー
レシチン社製:SLP−ホワイト0.2gに4%(v/
v)トライトンX−100 10mlを加え溶解させた
もの)0.5mlに、0.1M 塩化カルシウム二水和
物溶液0.05mlおよび0.2M 酢酸緩衝液(pH
4.0)0.25mlを加え、37℃で5分間予備加温
した後、検体0.1mlを添加し、37℃で10分間保
温した。これに1N塩酸を0.1ml添加することによ
り反応を停止させた。反応停止後直ちに、反応液20μ
l中に含まれる遊離脂肪酸を遊離脂肪酸定量用の酵素キ
ット(デタミナー:協和メディクス (株) 社製)を用い
て定量した。なお、1分間に遊離脂肪酸1μmoleを生成
する酵素活性を1単位とした。
【0093】上記の方法で測定した各検体のホスホリパ
ーゼ活性は表1に記載する通りであった。
【0094】
【表1】 ───────────────────────────── 検体 活性(単位/リットル) ───────────────────────────── COS−1/pRAV825 4.8×102 COS−1/pME18S 0.0 ─────────────────────────────実施例10. 酵母用の発現ベクターの構築 酵母用発現ベクターの構築のための出発材料のプラスミ
ドとしては、pCY303[特開平5−17132参
照]を用いた。PLA1を酵母の細胞外に分泌させるた
め、以下に記載する方法で酵母のカルポキシペプチダー
ゼY(以下「CPY」という)由来のプレ領域、プロ領
域、およびCPY成熟体のN末端の2アミノ酸(リジン
−イソロイシン)をコードするDNA[Valls, L. A.,
et al. (1987) Cell 48, 887-897参照]を、ポリメラー
ゼ連鎖反応(以下「PCR」という)[Saiki, R. K.,
et al. (1988) Science 239, 487-491参照]を用いて、
PLA1成熟体をコードするDNAに連結することによ
り、酵母用のPLA1遺伝子発現プラスミドpCY33
9を構築した。具体的には、以下に記載する方法で行っ
た。
【0095】まず、以下に記載するヌクレオチド配列を
有するプライマー: 5'- GGGTCGACAT GAAAGCATTC ACCAGTTT -3' (S1:配
列表の配列番号12)および、 5'- AGAAGGGAAG AGCTGACATC AATCTTGTTG ACACGAAGCT -
3' (A2:配列表の配列番号13) を合成した。
【0096】次に、制限酵素HindIIIで消化した
pCY303を5ng、センスプライマーS1を200
nM、アンチセンスプライマーA2を200nM、0.
2mM ATP、0.2mM dCTP、0.2mM
dGTP、0.2mM dTTP、10mM 塩化カリ
ウム、6mM 硫酸アンモニウム、2mM 塩化マグネ
シウム、0.1%(w/v)トライトンX−100、
0.01mg/ml ウシ血清アルブミン、Pfu D
NAポリメラーゼ(ストラタジーン社製)5単位を含む
20mM トリス−塩酸緩衝液(pH8.0)50μl
中で、94℃で30秒、55℃で30秒、72℃で1分
の条件で30サイクルのPCRを行なった後、さらに7
2℃で10分間保温した。
【0097】未反応のプライマーを除くため、PCR反
応液を、1×TBE緩衝液中、100Vでアガロースゲ
ル電気泳動し、0.37kbpに相当するバンド部分の
ゲルを切り出し、透析チューブ(排出限界分子量 12000
-14000:ギブコ・ビーアールエル社製)中に入れて、2
00Vで1時間溶出した。透析チューブ内液を、フェノ
ール・クロロホルム処理し、エタノール沈澱した。沈澱
を風乾後、TEに溶解した(以下、同様の操作を「切り
出し」という)。
【0098】一方、以下に記載するヌクレオチド配列を
有するプライマー: 5'- AGCTTCGTGT CAACAAGATT GATGTCAGCT CTTCCCTTCT -
3' (S2:配列表の配列番号14)および、 5'- CCCAAGCTTC TATGAACATT CGCTAATAT -3' (A1:
配列表の配列番号15) を合成した。
【0099】次いで、制限酵素HindIIIで消化し
たpRAV885(5ng)を鋳型とし、センスプライ
マーS2を200nM、アンチセンスプライマーA1を
200nM、0.2mM dATP、0.2mM dC
TP、0.2mM dGTP、0.2mM dTTP、
10mM 塩化カリウム、6mM 硫酸アンモニウム、
2mM 塩化マグネシウム、0.1%(w/v)トライ
トンX−100、0.01mg/ml ウシ血清アルブ
ミン、Pfu DNAポリメラーゼ(ストラタジーン社
製)5単位を含む20mM トリス−塩酸緩衝液(pH
8.0)50μl中で、94℃で30秒、55℃で30
秒、72℃で1分の条件で、30サイクルのPCRを行
なった後、さらに72℃で10分間保温した。反応液を
100Vでアガロースゲル電気泳動し、0.84kbp
に相当するバンドのDNAを切り出した。
【0100】以上のPCRで得られた0.37kbpの
DNA断片(2.5ng)および0.84kbpのDN
A断片(2.5ng)を鋳型とし、センスプライマーS
1を200nM、アンチセンスプライマーA1を200
nM、0.2mM dATP、0.2mM dCTP、
0.2mM dGTP、0.2mM dTTP、10m
M 塩化カリウム、6mM 硫酸アンモニウム、2mM
塩化マグネシウム、0.1%(w/v)トライトンX
−100、0.01mg/ml ウシ血清アルブミン、
Pfu DNAポリメラーゼ(ストラタジーン社製)5
単位を含む20mM トリス−塩酸緩衝液(pH8.
0)50μl中で、1サイクルあたり94℃で30秒、
55℃で30秒、72℃で1分の条件で、30サイクル
のPCRを行った後、さらに72℃で10分間保温し
た。この反応液をフェノール・クロロホルム処理し、エ
タノール沈澱した。沈澱を風乾後、TEに溶解した。こ
のようにして得られたDNAを制限酵素SalI、およ
び制限酵素HindIIIで消化後、1×TBE緩衝液
中で、100Vでアガロースゲル電気泳動し、1.2k
bpに相当するバンドのDNAを切り出した。
【0101】上記方法により得られた1.2kbpのS
alI−HindIII断片を、制限酵素SalI、お
よびHindIIIで消化したpCY303に、DNA
ライゲーションキット(宝酒造(株)社製)を用いて挿
入することにより、酵母用発現プラスミドpCY339
を構築した。
【0102】実施例11. 酵母の形質転換 パン酵母サッカロミセス・セレビジエKS58−2D株
(γ, ssl1, leu2, his1 or 3, ura3 )の形質転換は、
レディとマーレイの方法により行なった[Reddy, A. an
d Maley, F. (1993) Anal. Biochem. 208, 211-212参
照]。すなわち、1コロニーのKS58−2D株を20
mlのYPD培地[1%(w/v)イーストエキストラ
クト(ディフコ社製)、2%(w/v)バクトペプトン
(ディフコ社製)を含む2%(w/v)グルコース]を
含む100ml容三角フラスコに植菌し、28℃、21
0rpm、3日間前培養した。前培養液1mlを100
mlのYPD培地を含む500ml容の三角フラスコに
植菌し、28℃、210rpmで培養し、600nmの
波長により測定した濁度が1.5になったところで、培
養液を5000rpm、4℃で10分間遠心分離し、菌
体を回収した。
【0103】回収した菌体に1mM EDTA・2Na
を含む10mM トリス−塩酸緩衝液(pH7.5)
(以下「W溶液」という)を添加し、十分に菌体を洗浄
後、再び5000rpm、4℃で10分間遠心分離し
た。沈澱に10mM 塩化カルシウム、15mM ジチ
オスレイトールを含むW溶液を10ml添加し、室温で
20分間静置した。この懸濁液を1100rpm、4℃
で5分間遠心分離し、沈澱に10mlの冷却したW溶液
を添加し、よく菌体を洗浄後、再び、1100rpm、
4℃で5分間遠心分離し、沈澱を2mlのW溶液中に懸
濁した。該懸濁液0.2mlを採取して1.5ml容マ
イクロテストチューブに移し、これにプラスミドpCY
339を5μg相当を添加し、よく振り混ぜた。さらに
1mM EDTA・2Na、0.1M 酢酸リチウム、
40%(w/v)ポリエチレングリコール(アルドリッ
チ社製、分子量3400)を含む10mM トリス−塩
酸緩衝液(pH8.0)を0.8ml添加し、よく振り
混ぜた後、30℃で45分間保温した。その後、42
℃、10分間保温した後、4000rpm、4℃で5分
間遠心分離し、沈澱を蒸留水1ml中に懸濁した。この
懸濁液を4000rpm、4℃で5分間遠心分離した。
【0104】沈澱を蒸留水0.5ml中に懸濁した後、
SDプレート(0.667%(w/v)イースト・ナイ
トロジェン・ベース(ディフコ社製)、2%(w/v)
グルコース、1×アミノ酸混合液a)を含む2%(w/
v)寒天プレート)上に菌体を塗沫した。このプレート
を30℃で静置培養し、生育したコロニーを得た。この
形質転換株をKS58−2D/pCY339と命名し
た。
【0105】 a)1×アミノ酸混合液: L−トリプトファン 0.002%(w/v) ウラシル 0.02%(w/v) L−ヒスチジン一塩酸塩 0.002%(w/v) L−リジン一塩酸塩 0.003%(w/v) L−アルギニン一塩酸塩 0.002%(w/v) L−スレオニン 0.02%(w/v) L−メチオニン 0.002%(w/v) L−チロシン 0.003%(w/v) L−フェニルアラニン 0.005%(w/v) L−イソロイシン 0.003%(w/v) L−バリン 0.015%(w/v) 硫酸アデニン 0.002%(w/v) L−グルタミン酸 0.01%(w/v) L−アスパラギン酸 0.01%(w/v) L−セリン 0.375%(w/v)実施例12. 酵母におけるPLA1遺伝子の発現 サッカロミセス・セレビジェKS58−2D/pCY3
39株、およびプラスミドを有していないKS58−2
D株を、それぞれ20mlのYPD培地を含む100m
l容の三角フラスコに植菌し、28℃、210rpmで
3日間前培養した。前培養液0.5mlを完全合成培地
b)20mlを含む100ml容の三角フラスコに植菌
し、引き続き28℃、210rpmで培養した。ただ
し、KS58−2D株の場合は、ロイシンを培地中に最
終濃度0.003%(w/v)になるように添加した。
経時的に培養液の一部を採取し、15000rpmで5
分間遠心分離後、上清を回収して、ホスホリパーゼ活性
測定用の試料とした。
【0106】b)完全合成培地: チアミン塩酸塩 400μg/リットル ビオチン 2μg/リットル ほう酸 500μg/リットル 硫酸銅 40μg/リットル ヨウ化カリウム 100μg/リットル 塩化第二鉄 200μg/リットル 硫酸マンガン 400μg/リットル モリブデン酸ナトリウム 200μg/リットル 硫酸亜鉛 400μg/リットル 硫酸アンモニウム 0.5%(w/v) リン酸二カリウム 0.5%(w/v) 硫酸マグネシウム 0.05%(w/v) 塩化ナトリウム 0.01%(w/v) 塩化カルシウム 0.01%(w/v) グルコース 2%(w/v) ガラクトース 2%(w/v) リン酸カリウム緩衝液(pH7.6) 0.2M ウシ血清アルブミン 0.5%(w/v) アミノ酸混合液 3倍濃度試験例2 実施例12で調製した試料のホスホリパーゼ活性を、試
験例1に記載した方法により測定した。各試料のホスホ
リパーゼ活性は表2に記載する通りであった。
【0107】
【表2】 ──────────────────────────────── 試料 培養日数(日) 3 5 7 10 13 17 ──────────────────────────────── KS58−2D(対照) 0 0 0 0 0 0 KS58−2D/pCY339 3.9 6.2 7.7 10.3 12.1 13.8 ──────────────────────────────── 単位:U/ml 実施例13. アスペルギルス・オリゼでの発現 (1)発現プラスミドベクターの構築 実施例7で調製したプラスミドpRAV885 3μg
を制限酵素SacIで消化し、エタノール沈澱を行って
DNAを回収し、さらに制限酵素BamHIで消化後、
エタノール沈澱を行ってDNAを回収した。このDNA
をアガロースゲル電気泳動し、0.94kbpに相当す
るバンド部分のゲルを切り出し、DNAを回収した。こ
の0.94kbp断片の末端を、DNAブランティング
キットを用いて平滑化した。その後、フェノール・クロ
ロホルム抽出を2回、エタノール沈澱を1回行ってDN
Aを回収した。
【0108】一方、アスペルギルス・オリゼ用発現プラ
スミドベクター pTAex3[Fujii, T., et al. (1
995) Biosci. Biotech. Biochem. 59, 1869-1874参照]
1.5μgを制限酵素EcoRIで消化し、エタノール
沈澱を行ってDNAを回収した。このDNAの末端を、
DNAブランティングキットを用いて平滑化した後、フ
ェノール・クロロホルム抽出を2回、エタノール沈澱を
1回行ってDNAを回収した。さらに、このDNAの末
端を仔ウシ小腸由来アルカリホスファターゼ(宝酒造
(株)社製)30単位で脱リン酸化した後、フェノール
・クロロホルム抽出を2回、エタノール沈澱を1回行っ
てDNAを回収した。
【0109】このEcoRI消化したpTAex3 D
NA 1μgと、pRAV885より得た0.94kb
pのBamHI−SacI断片 0.4μgとを、DN
Aライゲーションキットを用いて連結した。この連結反
応液を用いてコンピテント大腸菌 E.coli HB
101を形質転換し、100μg/mlのアンピシリン
を含むLB寒天培地(1% バクト・トリプトン、0.
5% バクト・イーストエキストラクト、0.5% 塩
化ナトリウム、1.5% バクト・アガー)上で生育し
たコロニーを選択した。このアンピシリン耐性株の中か
ら、その保持するプラスミドDNAを制限酵素EcoR
IおよびBglIIで消化した際に5.5kbp、2.
3kbpおよび0.7kbpの3本の断片を生成するも
のを選択した。この株を大量培養し、PLA1のアスペ
ルギルス・オリゼ用発現プラスミドベクターpAAPを
調製した。
【0110】(2)アスペルギルス・オリゼの形質転換 上記(1)で調製した発現ベクターpAAPのアスペル
ギルス・オリゼへの導入は、五味らの方法[Gomi, K.,
et al. (1987) Agric. Biol. Chem. 51, 2549-2555参
照]に基づいて行なった。すなわち、まずDP培地(2
% デキストリン、1% ポリペプトン、0.5% リ
ン酸1カリウム、0.05% 硫酸マグネシウム)を8
0ml仕込んだ500ml容三角フラスコに、アスペル
ギルス・オリゼ M−2−3株[醸造研究所より分譲:
前出Gomi, K., et al.参照]を1白金耳接種し、30℃
で20から40時間振盪培養した。得られたペレット状
の菌体をガラスフィルター3G1(ハリオ (株) 社製)
で濾過して回収し、滅菌水で洗浄後、水切りして50m
lのコニカルチューブに入れた。この菌体に、フィルタ
ー滅菌したプロトプラスト化溶液(5mg/ml ノボ
ザイム234(ノボ社製)、5mg/ml セルラーゼ
R−10(生化学工業 (株) 社製)、0.8M塩化ナト
リウム、10mM リン酸緩衝液(pH6.0))を1
0ml加えて、30℃、100rpmで3時間振盪し
た。この反応液をガラスフィルター3G3(ハリオ
(株) 社製)で濾過し、濾液を0.8M 塩化ナトリウ
ム溶液で2回洗浄後、溶液I(0.8M 塩化ナトリウ
ム、10mM 塩化カルシウム、10mM トリス−塩
酸(pH7.5))で洗浄し、2000rpmで5分間
遠心分離して、沈澱したプロトプラストを得た。
【0111】このプロトプラストを2.5×108 /m
lとなるように最終容量の4/5量の溶液Iに懸濁し、
これに1/5量の溶液II(40% ポリエチレングリ
コール4000、50mM 塩化カルシウム、50mM
トリス−塩酸(pH7.5))と1/100量のジメ
チルスルホキシドを加えた。このプロトプラスト懸濁液
0.2mlにpAAP DNA 10μgを添加して、
30分氷冷した。次に、1mlの溶液IIを加えてよく
混合し、20分間室温で放置した後、10mlの溶液I
を加え、2000rpmで5分間遠心分離した。沈澱し
たプロトプラストを適量の溶液Iに懸濁し、0.8M
塩化ナトリウムを含むを含むCzapek-Dox寒天培地(0.
2% 硝酸ナトリウム、0.1% リン酸2カリウム、
0.05% 硫酸マグネシウム、0.05% 塩酸カリ
ウム、0.001% 硫酸第1鉄、3% シュークロー
ス、2% 寒天)に塗抹した。アスペルギルス・オリゼ
M−2−3株はアルギニン要求性であることから、通常
は最少培地であるCzapek-Dox培地で生育できず、pAA
Pが導入された株のみが生育できる。Czapek-Doxplate
上で生育した形質転換体は、さらにCzapek-Dox培地で3
回植継ぎ、安定生産株アスペルギルス・オリゼ M−2
−3/pAAP株を取得した。
【0112】(3)形質転換体の培養およびPLA1活
性の確認 スラント上に生育したアスペルギルス・オリゼ M−2
−3/pAAP株より、胞子および菌糸を1白金耳かき
取り、DPY培地(2% デキストリン、1%ポリペプ
トン、0.5% イーストエキストラクト、0.5%
リン酸1カリウム、0.05% 硫酸マグネシウム、p
H6.5)を80ml仕込んだ500ml容三角フラス
コに植菌した。これを26℃、210rpmの条件で培
養し、培養開始7日目の培養上清のPLA1活性を、試
験例1に記載した方法で測定した結果、少なくとも30
U/mlの活性が認められた。この分泌生産量は、プラ
スミドを保持しないアスペルギルス・オリゼ M−2−
3株の300倍以上に相当し、PLA1遺伝子の過剰発
現によりPLA1の分泌生産量が大幅に増大したことを
示した。
【0113】このアスペルギルス・オリゼ M−2−3
/pAAP株の培養上清 10μlを試料として、10
−20%のグラジエントゲルを用いたSDS−ポリアク
リルアミドゲル電気泳動を実施した。泳動終了後、ゲル
中のタンパク質を転写装置(ザルトブロットII−S:
ザルトリウス社製)を用いてニトロセルロース膜(アマ
シャム社製)に転写した。このニトロセルロース膜につ
いて、抗PLA1ウサギIgG抗体を一次抗体、西洋ワ
サビペルオキシダーゼ標識抗ウサギIgGヤギ抗体(バ
イオラッド社製)を二次抗体とするウエスタンブロット
解析を実施した結果、多量のPLA1が検出され、アス
ペルギルス・オリゼ M−2−3/pAAP株において
PLA1が大量に産生されていることが確認された。
【0114】
【発明の効果】 以上のごとく、本発明の方法によって
製造される組換えタンパク質は、優れたホスホリパーゼ
活性を有する。本発明により、組換えPLA1の工業的
規模の製造を高収率・高純度で行うことが可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラスミドpRAV12の制限酵素地図。
【図2】プラスミドpRAV43の制限酵素地図。
【図3】プラスミドpRAV885の制限酵素地図。
【図4】プラスミドpRAV825の構築図。
【図5】プラスミドpCY339の構築図。
【図6】プラスミドpAAPの構築図。
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:888 配列の種類:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の型: cDNA to mRNA ハイポセティカル:No アンチセンス:No 起源 生物名:アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryza
e) 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 位置:1..885 特徴を表す記号:mat_peptide 位置:79..885 特徴を表す記号: sig_peptide 位置:1..78 配列 ATG TTT AGT CTC GCG CGA TTG GGG ACC GTT GCA GGT CTA TTT TTA CTG 48 Met Phe Ser Leu Ala Arg Leu Gly Thr Val Ala Gly Leu Phe Leu Leu -26 -25 -20 -15 GCT CAG GCT GCC CCG GCT TCA CTG CGC AGA GAT GTC AGC TCT TCC CTT 96 Ala Gln Ala Ala Pro Ala Ser Leu Arg Arg Asp Val Ser Ser Ser Leu -10 -5 1 5 CTC AAT AAC CTG GAT CTC TTT GCA CAG TAC AGC GCC GCC GCA TAC TGT 144 Leu Asn Asn Leu Asp Leu Phe Ala Gln Tyr Ser Ala Ala Ala Tyr Cys 10 15 20 GAT GAG AAC CTG AAC TCT ACG GGG ACC AAG TTG ACA TGC TCT GTT GGC 192 Asp Glu Asn Leu Asn Ser Thr Gly Thr Lys Leu Thr Cys Ser Val Gly 25 30 35 AAC TGT CCT TTG GTA GAA GCG GCC TCT ACC CAA TCA TTG GAT GAA TTC 240 Asn Cys Pro Leu Val Glu Ala Ala Ser Thr Gln Ser Leu Asp Glu Phe 40 45 50 AAC GAA TCG TCA TCC TAC GGC AAC CCC GCC GGG TAC CTC GCC GCT GAT 288 Asn Glu Ser Ser Ser Tyr Gly Asn Pro Ala Gly Tyr Leu Ala Ala Asp 55 60 65 70 GAG ACT AAC AAG CTC CTA GTC CTG TCC TTC CGG GGT AGC GCT GAC TTG 336 Glu Thr Asn Lys Leu Leu Val Leu Ser Phe Arg Gly Ser Ala Asp Leu 75 80 85 GCC AAT TGG GTC GCC AAC CTG AAT TTT GGT CTC GAG GAT GCC AGC GAT 384 Ala Asn Trp Val Ala Asn Leu Asn Phe Gly Leu Glu Asp Ala Ser Asp 90 95 100 CTG TGT TCT GGG TGC GAA GTG CAC AGC GGC TTC TGG AAG GCA TGG AGT 432 Leu Cys Ser Gly Cys Glu Val His Ser Gly Phe Trp Lys Ala Trp Ser 105 110 115 GAA ATC GCC GAC ACC ATC ACT TCC AAA GTG GAA TCA GCT TTG TCG GAT 480 Glu Ile Ala Asp Thr Ile Thr Ser Lys Val Glu Ser Ala Leu Ser Asp 120 125 130 CAT TCC GAT TAT TCC TTG GTC TTG ACC GGA CAT AGT TAC GGC GCT GCG 528 His Ser Asp Tyr Ser Leu Val Leu Thr Gly His Ser Tyr Gly Ala Ala 135 140 145 150 CTG GCA GCC CTC GCA GCG ACT GCT CTG CGG AAC TCC GGC CAT AGT GTT 576 Leu Ala Ala Leu Ala Ala Thr Ala Leu Arg Asn Ser Gly His Ser Val 155 160 165 GAG CTG TAC AAC TAC GGT CAA CCT CGA CTT GGA AAC GAG GCA TTG GCA 624 Glu Leu Tyr Asn Tyr Gly Gln Pro Arg Leu Gly Asn Glu Ala Leu Ala 170 175 180 ACA TAT ATC ACG GAC CAA AAC AAG GGT GGC AAC TAT CGC GTT ACG CAC 672 Thr Tyr Ile Thr Asp Gln Asn Lys Gly Gly Asn Tyr Arg Val Thr His 185 190 195 ACT AAT GAT ATT GTG CCT AAA CTG CCA CCC ACG CTG CTC GGG TAT CAC 720 Thr Asn Asp Ile Val Pro Lys Leu Pro Pro Thr Leu Leu Gly Tyr His 200 205 210 CAC TTC AGC CCA GAG TAC TAT ATC AGC AGC GCC GAC GAG GCA ACG GTG 768 His Phe Ser Pro Glu Tyr Tyr Ile Ser Ser Ala Asp Glu Ala Thr Val 215 220 225 230 ACC ACC ACT GAT GTG ACT GAG GTT ACG GGA ATC GAT GCT ACG GGC GGT 816 Thr Thr Thr Asp Val Thr Glu Val Thr Gly Ile Asp Ala Thr Gly Gly 235 240 245 AAT GAT GGA ACC GAC GGA ACT AGC ATC GAT GCT CAT CGG TGG TAC TTT 864 Asn Asp Gly Thr Asp Gly Thr Ser Ile Asp Ala His Arg Trp Tyr Phe 250 255 260 ATT TAT ATT AGC GAA TGT TCA TAG 888 Ile Tyr Ile Ser Glu Cys Ser 265 配列番号:2 配列の長さ:295 配列の種類:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の型:蛋白質 配列 Met Phe Ser Leu Ala Arg Leu Gly Thr Val Ala Gly Leu Phe Leu Leu -26 -25 -20 -15 Ala Gln Ala Ala Pro Ala Ser Leu Arg Arg Asp Val Ser Ser Ser Leu -10 -5 1 5 Leu Asn Asn Leu Asp Leu Phe Ala Gln Tyr Ser Ala Ala Ala Tyr Cys 10 15 20 Asp Glu Asn Leu Asn Ser Thr Gly Thr Lys Leu Thr Cys Ser Val Gly 25 30 35 Asn Cys Pro Leu Val Glu Ala Ala Ser Thr Gln Ser Leu Asp Glu Phe 40 45 50 Asn Glu Ser Ser Ser Tyr Gly Asn Pro Ala Gly Tyr Leu Ala Ala Asp 55 60 65 70 Glu Thr Asn Lys Leu Leu Val Leu Ser Phe Arg Gly Ser Ala Asp Leu 75 80 85 Ala Asn Trp Val Ala Asn Leu Asn Phe Gly Leu Glu Asp Ala Ser Asp 90 95 100 Leu Cys Ser Gly Cys Glu Val His Ser Gly Phe Trp Lys Ala Trp Ser 105 110 115 Glu Ile Ala Asp Thr Ile Thr Ser Lys Val Glu Ser Ala Leu Ser Asp 120 125 130 His Ser Asp Tyr Ser Leu Val Leu Thr Gly His Ser Tyr Gly Ala Ala 135 140 145 150 Leu Ala Ala Leu Ala Ala Thr Ala Leu Arg Asn Ser Gly His Ser Val 155 160 165 Glu Leu Tyr Asn Tyr Gly Gln Pro Arg Leu Gly Asn Glu Ala Leu Ala 170 175 180 Thr Tyr Ile Thr Asp Gln Asn Lys Gly Gly Asn Tyr Arg Val Thr His 185 190 195 Thr Asn Asp Ile Val Pro Lys Leu Pro Pro Thr Leu Leu Gly Tyr His 200 205 210 His Phe Ser Pro Glu Tyr Tyr Ile Ser Ser Ala Asp Glu Ala Thr Val 215 220 225 230 Thr Thr Thr Asp Val Thr Glu Val Thr Gly Ile Asp Ala Thr Gly Gly 235 240 245 Asn Asp Gly Thr Asp Gly Thr Ser Ile Asp Ala His Arg Trp Tyr Phe 250 255 260 Ile Tyr Ile Ser Glu Cys Ser 265 配列番号:3 配列の長さ:15 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 フラグメント型:中間部フラグメント 配列 Gly Gly Asn Tyr Arg Val Thr His Thr Asn Asp Ile Val Pro Lys 1 5 10 15 配列番号:4 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 フラグメント型:中間部フラグメント 配列番号:5 配列の長さ:39 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 フラグメント型:中間部フラグメント 配列 Leu Thr Xaa Ser Val Gly Asn Xaa Pro Leu Val Glu Ala Ala Ser Thr 1 5 10 15 Gln Ser Leu Asp Glu Phe Asn Glu Ser Ser Ser Tyr Gly Asn Pro Ala 20 25 30 Gly Tyr Leu Ala Ala Xaa Glu 35 配列番号:6 配列の長さ:26 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 フラグメント型:中間部フラグメント 配列 Asp Val Ser Ser Ser Leu Leu Asn Asn Leu Asp Leu Phe Ala Gln Tyr 1 5 10 15 Ser Ala Ala Ala Tyr Xaa Asp Glu Asn Leu 20 25 配列番号:7 配列の長さ:30 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 フラグメント型:中間部フラグメント 配列 Val Glu Ser Ala Leu Ser Asp His Ser Asp Tyr Ser Leu Val Leu Thr 1 5 10 15 Gly His Ser Tyr Gly Ala Ala Leu Xaa Xaa Leu Xaa Ala Thr 20 25 30 配列番号:8 配列の長さ:17 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) ハイポセティカル:No アンチセンス:No 配列 GAYYTNTTYG CNCARTA 17 配列番号:9 配列の長さ:16 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) ハイポセティカル:Noアンチセンス :Yes 配列 SWTCRTTRAA YTCRTC 16 配列番号:10 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) ハイポセティカル:No アンチセンス:No 配列 CGTCCTGCAC GGCATTCAAA 20 配列番号:11 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) ハイポセティカル:No アンチセンス:Yes 配列 TCCCTTCTCA AAGCCAGAAT 20 配列番号:12 配列の長さ:28 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) ハイポセティカル:No アンチセンス:No 配列 GGGTCGACAT GAAAGCATTC ACCAGTTT 28 配列番号:13 配列の長さ:40 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) ハイポセティカル:No アンチセンス:Yes 配列 AGAAGGGAAG AGCTGACATC AATCTTGTTG ACACGAAGCT 40 配列番号:14 配列の長さ:40 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) ハイポセティカル:No アンチセンス:No 配列 AGCTTCGTGT CAACAAGATT GATGTCAGCT CTT
CCCTTCT 40 配列番号:15 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) ハイポセティカル:No アンチセンス:Yes 配列 CCCAAGCTTC TATGAACATT CGCTAATAT 29
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:69) (C12N 1/19 C12R 1:865) (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12N 9/16 C12R 1:91) (C12N 9/16 C12R 1:69) (C12N 9/16 C12R 1:865) (72)発明者 津路 俊昭 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (72)発明者 芹澤 伸記 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (72)発明者 柴 陽一郎 福島県いわき市泉町下川字大剱389−4 三共株式会社内 (72)発明者 吉川 博治 福島県いわき市泉町下川字大剱389−4 三共株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表の配列番号2のアミノ酸番号1〜
    269で示されるアミノ酸配列を含むことからなり、ホ
    スホリパーゼ活性を有するポリペプチド、または配列表
    の配列番号2のアミノ酸番号1〜269で示されるアミ
    ノ酸配列中の1つもしくは2つ以上の部位において1つ
    もしくは2つ以上のアミノ酸が置換、欠失または挿入さ
    れているアミノ酸配列からなり、ホスホリパーゼ活性を
    有するポリペプチドをコードするDNA。
  2. 【請求項2】 配列表の配列番号2のアミノ酸番号1〜
    269で示されるアミノ酸配列を含むことからなり、ホ
    スホリパーゼ活性を有するポリペプチドをコードするD
    NA。
  3. 【請求項3】 配列表の配列番号1のヌクレオチド番号
    1〜885で示されるヌクレオチド配列を含むことから
    なるDNA。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のDNAとハイブリダイ
    ズし、ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドをコー
    ドするDNA。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載のDNAとストリンジェ
    ントな条件下でハイブリダイズし、ホスホリパーゼ活性
    を有するポリペプチドをコードするDNA。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載のDNAと6×SSC、
    60〜70℃の条件でハイブリダイズし、ホスホリパー
    ゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNA。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1つに記載の
    DNAを含むことからなる組換えDNAベクター。
  8. 【請求項8】 プラスミド pCY339である、請求
    項7記載の組換えDNAベクター。
  9. 【請求項9】 プラスミド pAAPである、請求項7
    記載の組換えDNAベクター。
  10. 【請求項10】 請求項7乃至9のいずれか1つに記載
    の組換えDNAベクターで形質転換された宿主細胞。
  11. 【請求項11】 サッカロミセス・セレビジエ KS5
    8−2D/pCY339である、請求項10記載の宿主
    細胞。
  12. 【請求項12】 アスペルギルス・オリゼ M−2−3
    /pAAPである、請求項10記載の宿主細胞。
  13. 【請求項13】 遺伝子操作によって得られ、配列表の
    配列番号2のアミノ酸番号1〜269で示されるアミノ
    酸配列を含むことからなり、ホスホリパーゼ活性を有す
    るポリペプチド、または配列表の配列番号2のアミノ酸
    番号1〜269で示されるアミノ酸配列中の1つもしく
    は2つ以上の部位において1つもしくは2つ以上のアミ
    ノ酸が置換、欠失または挿入されているアミノ酸配列か
    らなり、ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチド。
  14. 【請求項14】 遺伝子操作によって得られ、配列表の
    配列番号2のアミノ酸番号1〜269で示されるアミノ
    酸配列を含むことからなり、ホスホリパーゼ活性を有す
    るポリペプチド。
  15. 【請求項15】 請求項10乃至12のいずれか1つに
    記載の宿主細胞を、ホスホリパーゼの産生可能な条件下
    で培養し、次いで、該培養物からホスホリパーゼ活性を
    有するポリペプチドを回収することを特徴とする、該ポ
    リペプチドの製造方法。
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