JPH10156531A - 多電極ガスシールドアーク溶接方法 - Google Patents
多電極ガスシールドアーク溶接方法Info
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- JPH10156531A JPH10156531A JP32021996A JP32021996A JPH10156531A JP H10156531 A JPH10156531 A JP H10156531A JP 32021996 A JP32021996 A JP 32021996A JP 32021996 A JP32021996 A JP 32021996A JP H10156531 A JPH10156531 A JP H10156531A
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- welding
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 溶接速度が100乃至200(cm/分)の
高速溶接であっても、高温割れの発生を防止することが
できると共に、スパッタ発生量を低減することができ、
これにより、ビードの外観を良好にすることができる多
電極ガスシールドアーク溶接方法を提供する。 【解決手段】 2枚の板材1及び2の面を対向させてV
字型に配置することにより形成された継手の溶接部3
に、例えば、カットワイヤの漏れを防止するための細径
の心線21をその長手方向が溶接線に一致するように配
置した後、ワイヤ径が1.2mm以上2.5mm未満
で、ワイヤ長さが1.2mm以上2.5mm未満である
カットワイヤ4を充填して、3以上の電極で溶接する。
このとき、充填されたカットワイヤが存在する領域の溶
接線に直交する方向の最大幅が5乃至15mmとなるよ
うにカットワイヤを充填する。
高速溶接であっても、高温割れの発生を防止することが
できると共に、スパッタ発生量を低減することができ、
これにより、ビードの外観を良好にすることができる多
電極ガスシールドアーク溶接方法を提供する。 【解決手段】 2枚の板材1及び2の面を対向させてV
字型に配置することにより形成された継手の溶接部3
に、例えば、カットワイヤの漏れを防止するための細径
の心線21をその長手方向が溶接線に一致するように配
置した後、ワイヤ径が1.2mm以上2.5mm未満
で、ワイヤ長さが1.2mm以上2.5mm未満である
カットワイヤ4を充填して、3以上の電極で溶接する。
このとき、充填されたカットワイヤが存在する領域の溶
接線に直交する方向の最大幅が5乃至15mmとなるよ
うにカットワイヤを充填する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は第1部材と第2部材
が曲面と曲面、曲面と平面又は平面と平面により構成さ
れるフレア状継手等のように、第1部材と第2部材とが
鋭角をなして交叉するような溶接部に適用するのに好適
な多電極ガスシールドアーク溶接方法に関し、特に、鋼
管矢板のP型継手部等の部分溶込み溶接に好適であるガ
スシールドアーク溶接方法に関する。
が曲面と曲面、曲面と平面又は平面と平面により構成さ
れるフレア状継手等のように、第1部材と第2部材とが
鋭角をなして交叉するような溶接部に適用するのに好適
な多電極ガスシールドアーク溶接方法に関し、特に、鋼
管矢板のP型継手部等の部分溶込み溶接に好適であるガ
スシールドアーク溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼管矢板P型継手の溶接においては、従
来、溶着量の確保及び溶接効率の向上を図るために、タ
ンデム2電極で溶接されることが多く、一般的には、溶
接の前に開先部にカットワイヤ等を充填した後、溶接金
属をブリッジさせることにより、継手の溶接を実施して
いる。
来、溶着量の確保及び溶接効率の向上を図るために、タ
ンデム2電極で溶接されることが多く、一般的には、溶
接の前に開先部にカットワイヤ等を充填した後、溶接金
属をブリッジさせることにより、継手の溶接を実施して
いる。
【0003】この場合、開先上部のカットワイヤの一部
は、アーク熱又は溶融池の熱により溶融されるが、開先
深部に充填されているカットワイヤについては、必ずし
も溶融させる必要はない。この理由としては、第1に、
充填されているカットワイヤを全て溶融させるために
は、極めて大きい熱容量が必要となるため、溶接効率が
低下するからである。第2に、開先深部のカットワイヤ
によって、溶接金属の漏れ止めの効果のみが得られると
よいからである。従って、このような部分溶込み溶接を
実施するために、適切な溶接条件を選定する必要があ
る。
は、アーク熱又は溶融池の熱により溶融されるが、開先
深部に充填されているカットワイヤについては、必ずし
も溶融させる必要はない。この理由としては、第1に、
充填されているカットワイヤを全て溶融させるために
は、極めて大きい熱容量が必要となるため、溶接効率が
低下するからである。第2に、開先深部のカットワイヤ
によって、溶接金属の漏れ止めの効果のみが得られると
よいからである。従って、このような部分溶込み溶接を
実施するために、適切な溶接条件を選定する必要があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、カット
ワイヤ等の充填材が部分溶込みとなる場合、ブリッジし
た溶接金属は、主に開先の両側から冷却されるので、溶
接速度を上昇させて、例えば、100(cm/分)以上
の高速溶接とすると、デンドライトが溶接金属の中央部
で会合されやすくなり、高温割れが発生しやすいと共
に、スパッタの発生量も増加するという問題点がある。
ワイヤ等の充填材が部分溶込みとなる場合、ブリッジし
た溶接金属は、主に開先の両側から冷却されるので、溶
接速度を上昇させて、例えば、100(cm/分)以上
の高速溶接とすると、デンドライトが溶接金属の中央部
で会合されやすくなり、高温割れが発生しやすいと共
に、スパッタの発生量も増加するという問題点がある。
【0005】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、溶接速度が100乃至200(cm/分)
の高速溶接であっても、高温割れの発生を防止すること
ができると共に、スパッタ発生量を低減することがで
き、これにより、ビードの外観を良好にすることができ
る多電極ガスシールドアーク溶接方法を提供することを
目的とする。
のであって、溶接速度が100乃至200(cm/分)
の高速溶接であっても、高温割れの発生を防止すること
ができると共に、スパッタ発生量を低減することがで
き、これにより、ビードの外観を良好にすることができ
る多電極ガスシールドアーク溶接方法を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る多電極ガス
シールドアーク溶接方法は、第1部材と第2部材との溶
接部にカットワイヤを充填し、第1電極、第2電極及び
第3電極の3以上の電極を使用して溶接する多電極ガス
シールドアーク溶接方法において、前記カットワイヤ
は、ワイヤ径が1.2mm以上2.5mm未満、ワイヤ
長さが1.2mm以上2.5mm未満であり、充填され
た前記カットワイヤが存在する領域の溶接線に直交する
方向の最大幅が5乃至15mmであることを特徴とす
る。
シールドアーク溶接方法は、第1部材と第2部材との溶
接部にカットワイヤを充填し、第1電極、第2電極及び
第3電極の3以上の電極を使用して溶接する多電極ガス
シールドアーク溶接方法において、前記カットワイヤ
は、ワイヤ径が1.2mm以上2.5mm未満、ワイヤ
長さが1.2mm以上2.5mm未満であり、充填され
た前記カットワイヤが存在する領域の溶接線に直交する
方向の最大幅が5乃至15mmであることを特徴とす
る。
【0007】この溶接においては、前記カットワイヤは
ワイヤ径及び長さが異なる2種以上のカットワイヤを混
合したものであることが望ましい。また、第1電極は、
前記充填されたカットワイヤが存在する領域の最上面と
第1部材との境界線をワイヤ狙い位置とし、前記第2電
極は、前記充填されたカットワイヤが存在する領域の最
上面と第2部材との境界線をワイヤ狙い位置とすること
が好ましい。
ワイヤ径及び長さが異なる2種以上のカットワイヤを混
合したものであることが望ましい。また、第1電極は、
前記充填されたカットワイヤが存在する領域の最上面と
第1部材との境界線をワイヤ狙い位置とし、前記第2電
極は、前記充填されたカットワイヤが存在する領域の最
上面と第2部材との境界線をワイヤ狙い位置とすること
が好ましい。
【0008】更に、初層溶接金属を形成する前記第1電
極及び第2電極のワイヤとして、ソリッドワイヤを使用
することが好ましく、2層目以降を形成する第3電極以
降のワイヤとして、ソリッドワイヤ及びフラックス入り
ワイヤからなる群から選択されたいずれか一方のワイヤ
を使用することが望ましい。溶接速度は100乃至20
0(cm/分)であることが好ましい。
極及び第2電極のワイヤとして、ソリッドワイヤを使用
することが好ましく、2層目以降を形成する第3電極以
降のワイヤとして、ソリッドワイヤ及びフラックス入り
ワイヤからなる群から選択されたいずれか一方のワイヤ
を使用することが望ましい。溶接速度は100乃至20
0(cm/分)であることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明においては、溶接母材であ
る第1部材及び第2部材からなる継手の交叉部、即ち、
溶接部に充填するカットワイヤのワイヤ径及び長さを規
定すると共に、この充填されたカットワイヤが存在する
領域の溶接線に直交する方向の最大幅を適正幅となるよ
うにして、3以上の電極で溶接する。
る第1部材及び第2部材からなる継手の交叉部、即ち、
溶接部に充填するカットワイヤのワイヤ径及び長さを規
定すると共に、この充填されたカットワイヤが存在する
領域の溶接線に直交する方向の最大幅を適正幅となるよ
うにして、3以上の電極で溶接する。
【0010】溶接中のアークを安定させ、所望の溶込み
を得ると共に、スパッタの発生を抑制するためには、カ
ットワイヤを溶接部に高密度で充填することが必要であ
る。本発明においては、カットワイヤが充填される密度
を表すものとして、充填されたカットワイヤの見かけの
表面積を利用する。即ち、充填後のカットワイヤの表面
において、カットワイヤが存在する領域の最大面積に対
して、最上層のみのカットワイヤの投影面積の比率によ
って、充填密度を評価する。以下、この面積の比率を占
有面積率といい、この占有面積率が大きいほど、充填率
が高いことを示す。
を得ると共に、スパッタの発生を抑制するためには、カ
ットワイヤを溶接部に高密度で充填することが必要であ
る。本発明においては、カットワイヤが充填される密度
を表すものとして、充填されたカットワイヤの見かけの
表面積を利用する。即ち、充填後のカットワイヤの表面
において、カットワイヤが存在する領域の最大面積に対
して、最上層のみのカットワイヤの投影面積の比率によ
って、充填密度を評価する。以下、この面積の比率を占
有面積率といい、この占有面積率が大きいほど、充填率
が高いことを示す。
【0011】溶接部に充填するカットワイヤのワイヤ径
及び長さが大きくなるほど、占有面積率は小さくなる。
即ち、カットワイヤの充填密度が低下すると共に、充填
後の表面の平滑度も低下する。従って、カットワイヤの
ワイヤ径及び長さ等を規定することにより、占有面積
率、即ち、カットワイヤの充填率を調整することができ
るので、これにより、高速溶接条件においても、高温割
れ及びスパッタの発生を抑制することができる。
及び長さが大きくなるほど、占有面積率は小さくなる。
即ち、カットワイヤの充填密度が低下すると共に、充填
後の表面の平滑度も低下する。従って、カットワイヤの
ワイヤ径及び長さ等を規定することにより、占有面積
率、即ち、カットワイヤの充填率を調整することができ
るので、これにより、高速溶接条件においても、高温割
れ及びスパッタの発生を抑制することができる。
【0012】本発明においては、適切なサイズのカット
ワイヤを混合して溶接部に充填すると、単一サイズのカ
ットワイヤを使用する場合と比較して、より一層、占有
面積率が大きくなり、充填密度を高めることができる。
従って、適切なサイズの2種類以上のカットワイヤを混
合して使用することが好ましい。
ワイヤを混合して溶接部に充填すると、単一サイズのカ
ットワイヤを使用する場合と比較して、より一層、占有
面積率が大きくなり、充填密度を高めることができる。
従って、適切なサイズの2種類以上のカットワイヤを混
合して使用することが好ましい。
【0013】ところで、充填材を部分的に溶け込ませる
場合、ブリッジした溶接金属は主に母材側から中央に向
かって冷却されて、デンドライトが中央部で会合しやす
い形状となっているので、高温割れが発生しやすくな
る。そこで、初層溶接金属を形成する電極として第1電
極と第2電極の2電極を使用して、第1電極は充填され
たカットワイヤが存在する領域の最上面と一方の母材
(第1部材)との境界線を狙い、第2電極は充填された
カットワイヤが存在する領域の最上面と他方の母材(第
2部材)との境界線を狙うと、デンドライトが溶接部の
中央で会合しにくくなると共に、溶接部両側の母材に対
する溶込みを確保することができる。
場合、ブリッジした溶接金属は主に母材側から中央に向
かって冷却されて、デンドライトが中央部で会合しやす
い形状となっているので、高温割れが発生しやすくな
る。そこで、初層溶接金属を形成する電極として第1電
極と第2電極の2電極を使用して、第1電極は充填され
たカットワイヤが存在する領域の最上面と一方の母材
(第1部材)との境界線を狙い、第2電極は充填された
カットワイヤが存在する領域の最上面と他方の母材(第
2部材)との境界線を狙うと、デンドライトが溶接部の
中央で会合しにくくなると共に、溶接部両側の母材に対
する溶込みを確保することができる。
【0014】また、溶接金属の初層を形成するワイヤと
してソリッドワイヤを使用すると、高温割れに影響を及
ぼす初層部分の溶接金属に含有される不純物を低減する
ことができ、高温割れの発生を防止することができる。
しかしながら、ソリッドワイヤのみを使用して高速溶接
する場合、ビード外観は不良になることがある。従っ
て、溶接金属の2層目以降を形成するワイヤとして、フ
ラックス入りワイヤを使用すると、良好なビード外観を
得ることができる。
してソリッドワイヤを使用すると、高温割れに影響を及
ぼす初層部分の溶接金属に含有される不純物を低減する
ことができ、高温割れの発生を防止することができる。
しかしながら、ソリッドワイヤのみを使用して高速溶接
する場合、ビード外観は不良になることがある。従っ
て、溶接金属の2層目以降を形成するワイヤとして、フ
ラックス入りワイヤを使用すると、良好なビード外観を
得ることができる。
【0015】以下、本発明方法において使用するカット
ワイヤのワイヤ径、長さ及び溶接速度について、更に説
明する。
ワイヤのワイヤ径、長さ及び溶接速度について、更に説
明する。
【0016】カットワイヤ径:1.2mm以上2.5m
m未満、長さ:1.2mm以上2.5mm未満 前述の如く、カットワイヤのワイヤ径及び長さは占有面
積率を決定するものである。ワイヤ径及び長さが2.5
mm以上であると、充填されたカットワイヤが存在する
領域の最上面の凹凸が大きくなると共に、充填率が低下
するので、溶接中のアークが不安定になって、溶滴移行
状態が常に変化していく。これにより、適切な溶込みを
確保することができないと共に、スパッタ発生量も増加
する。一方、ワイヤ径及び長さが1.2mm未満である
と、カットワイヤの粒が小さくなりすぎて、アーク力に
よる反発又はシールドガス流による飛散が発生する。ま
た、飛散したカットワイヤ分だけ最上面に凹凸が形成さ
れ、これによりアーク安定性が低下すると共に、溶滴移
行状態が変化する。これらのことが二次的に作用して、
溶込み不良及びスパッタが発生する。従って、溶接部に
充填するカットワイヤのワイヤ径及び長さは1.2mm
以上2.5mm未満とする。なお、必要な溶着量を確保
するために、3以上の電極を使用して溶接するものとす
る。
m未満、長さ:1.2mm以上2.5mm未満 前述の如く、カットワイヤのワイヤ径及び長さは占有面
積率を決定するものである。ワイヤ径及び長さが2.5
mm以上であると、充填されたカットワイヤが存在する
領域の最上面の凹凸が大きくなると共に、充填率が低下
するので、溶接中のアークが不安定になって、溶滴移行
状態が常に変化していく。これにより、適切な溶込みを
確保することができないと共に、スパッタ発生量も増加
する。一方、ワイヤ径及び長さが1.2mm未満である
と、カットワイヤの粒が小さくなりすぎて、アーク力に
よる反発又はシールドガス流による飛散が発生する。ま
た、飛散したカットワイヤ分だけ最上面に凹凸が形成さ
れ、これによりアーク安定性が低下すると共に、溶滴移
行状態が変化する。これらのことが二次的に作用して、
溶込み不良及びスパッタが発生する。従って、溶接部に
充填するカットワイヤのワイヤ径及び長さは1.2mm
以上2.5mm未満とする。なお、必要な溶着量を確保
するために、3以上の電極を使用して溶接するものとす
る。
【0017】充填されたカットワイヤが存在する領域の
溶接線に直交する方向の最大幅:5乃至15mm 第1部材と第2部材との溶接部にカットワイヤを充填す
ると、この溶接部には、カットワイヤにより第1部材と
第2部材とに挟まれる平面が形成される。本発明におい
ては、充填されたカットワイヤが存在する領域の溶接線
に直交する方向の最大幅を規定することにより、必要な
溶込み深さを得ると共に、第1部材と第2部材との間に
良好な溶接金属のブリッジを形成することができる。こ
の最大幅が5mm未満であると、溶接ワイヤを所望の位
置に向けてトーチを配置することが困難になる。一方、
最大幅が15mmを超えると、本発明方法によって、例
えば、第1電極及び第2電極の狙い位置を適切に規定し
ても、第1部材と第2部材との間にブリッジを形成する
ことができなくなる。従って、充填されたカットワイヤ
が存在する領域の溶接線に直交する方向の最大幅は5乃
至15mmとする。
溶接線に直交する方向の最大幅:5乃至15mm 第1部材と第2部材との溶接部にカットワイヤを充填す
ると、この溶接部には、カットワイヤにより第1部材と
第2部材とに挟まれる平面が形成される。本発明におい
ては、充填されたカットワイヤが存在する領域の溶接線
に直交する方向の最大幅を規定することにより、必要な
溶込み深さを得ると共に、第1部材と第2部材との間に
良好な溶接金属のブリッジを形成することができる。こ
の最大幅が5mm未満であると、溶接ワイヤを所望の位
置に向けてトーチを配置することが困難になる。一方、
最大幅が15mmを超えると、本発明方法によって、例
えば、第1電極及び第2電極の狙い位置を適切に規定し
ても、第1部材と第2部材との間にブリッジを形成する
ことができなくなる。従って、充填されたカットワイヤ
が存在する領域の溶接線に直交する方向の最大幅は5乃
至15mmとする。
【0018】溶接速度:100乃至200(cm/分) 溶接速度が100(cm/分)未満であると、溶接金属
がブリッジするために必要とされる溶着量が減少するの
で、本発明を適用する必要はない。一方、溶接速度が2
00(cm/分)を超えると、初層ビードの両端の母材
とのなじみが不良になるので、最終層のビード外観にも
悪影響を及ぼす。従って、溶接速度は100乃至200
(cm/分)とすることが好ましい。
がブリッジするために必要とされる溶着量が減少するの
で、本発明を適用する必要はない。一方、溶接速度が2
00(cm/分)を超えると、初層ビードの両端の母材
とのなじみが不良になるので、最終層のビード外観にも
悪影響を及ぼす。従って、溶接速度は100乃至200
(cm/分)とすることが好ましい。
【0019】
【実施例】以下、本発明に係る多電極ガスシールドアー
ク溶接方法の実施例についてその比較例と比較して具体
的に説明する。
ク溶接方法の実施例についてその比較例と比較して具体
的に説明する。
【0020】図1はカットワイヤを充填した継手を示す
断面図である。本実施例及び比較例においては、溶接母
材として、2枚の板材(第1部材及び第2部材)1及び
2を使用し、その面を対向させてV字型に配置すること
により継手を形成した。そして、板材1及び2からなる
継手溶接部3に、例えば、カットワイヤの漏れを防止す
るための細径の心線21をその長手方向が溶接線に一致
するように配置した後、種々のワイヤ径及び長さのカッ
トワイヤ4を充填して、2乃至4電極で溶接を実施した
後、スパッタ発生量、高温割れ及びビード外観について
評価した。
断面図である。本実施例及び比較例においては、溶接母
材として、2枚の板材(第1部材及び第2部材)1及び
2を使用し、その面を対向させてV字型に配置すること
により継手を形成した。そして、板材1及び2からなる
継手溶接部3に、例えば、カットワイヤの漏れを防止す
るための細径の心線21をその長手方向が溶接線に一致
するように配置した後、種々のワイヤ径及び長さのカッ
トワイヤ4を充填して、2乃至4電極で溶接を実施した
後、スパッタ発生量、高温割れ及びビード外観について
評価した。
【0021】図2は本実施例において使用した板材(第
1部材及び第2部材)1及び2のサイズを示す断面図で
ある。図2に示すように、本実施例においては、板材1
及び2として、板厚が12mm、溶接線に直交する板幅
が75mm、溶接線方向の長さが1000mmであるS
M490鋼板を使用し、溶接部3の最上端における板材
1と板材2との距離を35mmとした。
1部材及び第2部材)1及び2のサイズを示す断面図で
ある。図2に示すように、本実施例においては、板材1
及び2として、板厚が12mm、溶接線に直交する板幅
が75mm、溶接線方向の長さが1000mmであるS
M490鋼板を使用し、溶接部3の最上端における板材
1と板材2との距離を35mmとした。
【0022】図3は本実施例において使用した電極の狙
い位置を示す斜視図である。電極の狙い位置としては、
例えば、図3(a)に示すように、第1電極(L)6a
は充填されたカットワイヤ4の最上面4aと板材1との
境界線5aを狙い位置として設定し、第2電極(T1)
7aは充填されたカットワイヤ4の最上面4aと板材2
との境界線5bを狙い位置として設定して、第3電極
(T2)19a及び第4電極(T3)20aは、板材1
と板材2との交叉部22を狙う方法がある。このように
狙い位置を規定すると、より一層、良好な溶込みを得る
ことができる。
い位置を示す斜視図である。電極の狙い位置としては、
例えば、図3(a)に示すように、第1電極(L)6a
は充填されたカットワイヤ4の最上面4aと板材1との
境界線5aを狙い位置として設定し、第2電極(T1)
7aは充填されたカットワイヤ4の最上面4aと板材2
との境界線5bを狙い位置として設定して、第3電極
(T2)19a及び第4電極(T3)20aは、板材1
と板材2との交叉部22を狙う方法がある。このように
狙い位置を規定すると、より一層、良好な溶込みを得る
ことができる。
【0023】他には、図3(b)に示すように、第1電
極(L)6b及び第2電極(T1)7bは、板材1と板
材2との交叉部22を狙い位置として設定する方法もあ
る。
極(L)6b及び第2電極(T1)7bは、板材1と板
材2との交叉部22を狙い位置として設定する方法もあ
る。
【0024】各実施例及び比較例において使用した条件
を下記表1に、変化させた条件を下記表2乃至5に示
し、評価基準を下記表6に、評価結果を下記表7及び8
に示す。但し、表中のカットワイヤ径及び長さの欄にお
いて、混合とは、径が1.2mm、長さが1.2mmの
カットワイヤと、径が1.4mm、長さが1.4mmの
カットワイヤとを、夫々、約50重量%ずつ混合したも
のであることを示す。また、表中の散布面の幅とは、カ
ットワイヤが存在する領域の溶接線に直交する最大幅を
示す。更に、表中のL−T1狙い位置の欄においては、
図3(a)に示す方法で狙い位置を設定したものを両端
と記載し、図3(b)に示す方法で狙い位置を設定した
ものをセンターと記載する。
を下記表1に、変化させた条件を下記表2乃至5に示
し、評価基準を下記表6に、評価結果を下記表7及び8
に示す。但し、表中のカットワイヤ径及び長さの欄にお
いて、混合とは、径が1.2mm、長さが1.2mmの
カットワイヤと、径が1.4mm、長さが1.4mmの
カットワイヤとを、夫々、約50重量%ずつ混合したも
のであることを示す。また、表中の散布面の幅とは、カ
ットワイヤが存在する領域の溶接線に直交する最大幅を
示す。更に、表中のL−T1狙い位置の欄においては、
図3(a)に示す方法で狙い位置を設定したものを両端
と記載し、図3(b)に示す方法で狙い位置を設定した
ものをセンターと記載する。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】
【0030】
【表6】
【0031】
【表7】
【0032】
【表8】
【0033】上記表2乃至8に示すように、実施例N
o.1乃至18は、充填材として使用したカットワイヤ
の径及び長さが本発明の好ましい範囲内であるので、1
00乃至200(cm/分)の範囲のいずれの溶接速度
においても、スパッタ及び高温割れの発生を抑制するこ
とができると共に、十分な溶込みで良好な外観の溶接ビ
ードを得ることができた。
o.1乃至18は、充填材として使用したカットワイヤ
の径及び長さが本発明の好ましい範囲内であるので、1
00乃至200(cm/分)の範囲のいずれの溶接速度
においても、スパッタ及び高温割れの発生を抑制するこ
とができると共に、十分な溶込みで良好な外観の溶接ビ
ードを得ることができた。
【0034】一方、比較例No.19〜22は、充填材
として使用したカットワイヤの径及び長さが本発明範囲
の下限未満であるので、スパッタ及び高温割れが発生し
たり、溶込みが不足するものがあった。また、比較例N
o.23は2電極を使用したタンデム溶接であるので、
高温割れが発生した。比較例No.24〜26は充填材
として使用したカットワイヤの径及び長さが本発明範囲
の上限を超えているので、評価結果が不良となり、特
に、溶接速度を上昇させるにつれて高温割れが発生し、
ビード外観も不良となった。
として使用したカットワイヤの径及び長さが本発明範囲
の下限未満であるので、スパッタ及び高温割れが発生し
たり、溶込みが不足するものがあった。また、比較例N
o.23は2電極を使用したタンデム溶接であるので、
高温割れが発生した。比較例No.24〜26は充填材
として使用したカットワイヤの径及び長さが本発明範囲
の上限を超えているので、評価結果が不良となり、特
に、溶接速度を上昇させるにつれて高温割れが発生し、
ビード外観も不良となった。
【0035】比較例No.27〜29は散布面の幅が本
発明範囲の上限を超えているので、第1及び第2電極に
よる溶接ビードのブリッジ不足が生じ、これにより、溶
込みが不足すると共に高温割れが発生し、ビード外観が
やや不良になったものがあった。また、比較例No.3
0は散布面の幅が本発明範囲の下限未満であるので、ト
ーチを挿入することが困難になり、溶接を実施すること
ができなかった。
発明範囲の上限を超えているので、第1及び第2電極に
よる溶接ビードのブリッジ不足が生じ、これにより、溶
込みが不足すると共に高温割れが発生し、ビード外観が
やや不良になったものがあった。また、比較例No.3
0は散布面の幅が本発明範囲の下限未満であるので、ト
ーチを挿入することが困難になり、溶接を実施すること
ができなかった。
【0036】図1に示す実施例においては、溶接母材と
して2枚の板材1及び2を使用し、平面と平面からなる
継手の溶接の例について示したが、本発明が適用される
継手形状は、これに限られるものではない。
して2枚の板材1及び2を使用し、平面と平面からなる
継手の溶接の例について示したが、本発明が適用される
継手形状は、これに限られるものではない。
【0037】図4は本発明方法が適用される種々の継手
形状の例を示す断面図である。例えば、図4(a)に示
す継手は、曲面を有する管状部材8と、その曲面の接線
に垂直に配置された平面を有する板状部材9とからなる
ものであり、管状部材8と板状部材9との間に溶接部1
0を形成する。また、図4(b)に示す継手は、曲面を
有する2つの管状部材11及び12の曲面同士を接触さ
せたものであり、両者の間に溶接部13を形成する。更
に、図4(c)に示す継手は、曲面を有する管状部材1
4と、その曲面に接するように配置された板状部材15
とからなるものであり、管状部材14と板状部材15と
の間に溶接部16を形成する。
形状の例を示す断面図である。例えば、図4(a)に示
す継手は、曲面を有する管状部材8と、その曲面の接線
に垂直に配置された平面を有する板状部材9とからなる
ものであり、管状部材8と板状部材9との間に溶接部1
0を形成する。また、図4(b)に示す継手は、曲面を
有する2つの管状部材11及び12の曲面同士を接触さ
せたものであり、両者の間に溶接部13を形成する。更
に、図4(c)に示す継手は、曲面を有する管状部材1
4と、その曲面に接するように配置された板状部材15
とからなるものであり、管状部材14と板状部材15と
の間に溶接部16を形成する。
【0038】本発明においては、このように形成された
種々の継手の溶接部10、13及び16にカットワイヤ
を配置して、2枚の板材1及び2を使用する場合と同様
に溶接を実施することができる。
種々の継手の溶接部10、13及び16にカットワイヤ
を配置して、2枚の板材1及び2を使用する場合と同様
に溶接を実施することができる。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
継手の溶接部に充填するカットワイヤの径及び長さを規
定すると共に、このカットワイヤが存在する領域の溶接
線に直交する方向の最大幅を規定して3以上の電極で多
電極溶接するので、溶接速度が100乃至200(cm
/分)の高速溶接であっても、高温割れの発生を防止す
ることができると共に、スパッタ発生量を低減すること
ができ、十分な溶込みを得ることができる。また、ワイ
ヤ径及び長さが異なるカットワイヤを2種以上混合して
使用すると、これらの効果をより一層向上させることが
できる。
継手の溶接部に充填するカットワイヤの径及び長さを規
定すると共に、このカットワイヤが存在する領域の溶接
線に直交する方向の最大幅を規定して3以上の電極で多
電極溶接するので、溶接速度が100乃至200(cm
/分)の高速溶接であっても、高温割れの発生を防止す
ることができると共に、スパッタ発生量を低減すること
ができ、十分な溶込みを得ることができる。また、ワイ
ヤ径及び長さが異なるカットワイヤを2種以上混合して
使用すると、これらの効果をより一層向上させることが
できる。
【0040】更に、第1電極及び第2電極によりカット
ワイヤの最上面と母材との境界線を狙って多電極溶接す
ると、高温割れを防止する効果を更に一層向上させるこ
とができる。更にまた、初層を形成するワイヤとしてソ
リッドワイヤを使用すると、高温割れの発生を更に一層
抑制することができ、2層目以降を形成するワイヤとし
てフラックス入りワイヤを使用すると、より一層、ビー
ドの外観を良好にすることができる。また、溶接速度を
適切に設定すると、更に一層、ビード外観が良好なもの
となる。
ワイヤの最上面と母材との境界線を狙って多電極溶接す
ると、高温割れを防止する効果を更に一層向上させるこ
とができる。更にまた、初層を形成するワイヤとしてソ
リッドワイヤを使用すると、高温割れの発生を更に一層
抑制することができ、2層目以降を形成するワイヤとし
てフラックス入りワイヤを使用すると、より一層、ビー
ドの外観を良好にすることができる。また、溶接速度を
適切に設定すると、更に一層、ビード外観が良好なもの
となる。
【図1】カットワイヤを充填した継手を示す断面図であ
る。
る。
【図2】本実施例において使用した板材(第1部材及び
第2部材)のサイズを示す断面図である。
第2部材)のサイズを示す断面図である。
【図3】本実施例において使用した電極の狙い位置を示
す斜視図である。
す斜視図である。
【図4】本発明方法が適用される種々の継手形状の例を
示す断面図である。
示す断面図である。
1、2;板材 3、10、13、16;溶接部 5a、5b;境界線 4;カットワイヤ 4a;最上面 6a、6b;第1電極 7a、7b;第2電極 8、11、12、14;管状部材 9、15;板状部材 19a;第3電極 20a;第4電極 21;心線 22;交叉部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 正晴 神奈川県藤沢市宮前字裏河内100番1 株 式会社神戸製鋼所藤沢事業所内 (72)発明者 内山 肇 神奈川県藤沢市宮前字裏河内100番1 株 式会社神戸製鋼所藤沢事業所内 (72)発明者 森本 朋和 神奈川県藤沢市宮前字裏河内100番1 株 式会社神戸製鋼所藤沢事業所内
Claims (6)
- 【請求項1】 第1部材と第2部材との溶接部にカット
ワイヤを充填し、第1電極、第2電極及び第3電極の3
以上の電極を使用して溶接する多電極ガスシールドアー
ク溶接方法において、前記カットワイヤは、ワイヤ径が
1.2mm以上2.5mm未満、ワイヤ長さが1.2m
m以上2.5mm未満であり、充填された前記カットワ
イヤが存在する領域の溶接線に直交する方向の最大幅が
5乃至15mmであることを特徴とする多電極ガスシー
ルドアーク溶接方法。 - 【請求項2】 前記カットワイヤはワイヤ径及び長さが
異なる2種以上のカットワイヤを混合したものであるこ
とを特徴とする請求項1に記載の多電極ガスシールドア
ーク溶接方法。 - 【請求項3】 前記第1電極は、前記充填されたカット
ワイヤが存在する領域の最上面と第1部材との境界線を
ワイヤ狙い位置とし、前記第2電極は、前記充填された
カットワイヤが存在する領域の最上面と第2部材との境
界線をワイヤ狙い位置とすることを特徴とする請求項1
又は2に記載の多電極ガスシールドアーク溶接方法。 - 【請求項4】 初層溶接金属を形成する前記第1電極及
び第2電極のワイヤとして、ソリッドワイヤを使用する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載
の多電極ガスシールドアーク溶接方法。 - 【請求項5】 2層目以降を形成する第3電極以降のワ
イヤとして、ソリッドワイヤ及びフラックス入りワイヤ
からなる群から選択されたいずれか一方のワイヤを使用
することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に
記載の多電極ガスシールドアーク溶接方法。 - 【請求項6】 溶接速度を100乃至200(cm/
分)とすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか
1項に記載の多電極ガスシールドアーク溶接方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32021996A JPH10156531A (ja) | 1996-11-29 | 1996-11-29 | 多電極ガスシールドアーク溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32021996A JPH10156531A (ja) | 1996-11-29 | 1996-11-29 | 多電極ガスシールドアーク溶接方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10156531A true JPH10156531A (ja) | 1998-06-16 |
Family
ID=18119058
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32021996A Pending JPH10156531A (ja) | 1996-11-29 | 1996-11-29 | 多電極ガスシールドアーク溶接方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10156531A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010142822A (ja) * | 2008-12-17 | 2010-07-01 | Nippon Steel & Sumikin Welding Co Ltd | 鋼管矢板の2電極ガスシールドアーク溶接方法 |
-
1996
- 1996-11-29 JP JP32021996A patent/JPH10156531A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010142822A (ja) * | 2008-12-17 | 2010-07-01 | Nippon Steel & Sumikin Welding Co Ltd | 鋼管矢板の2電極ガスシールドアーク溶接方法 |
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