JPH101579A - 重合体組成物およびその用途 - Google Patents
重合体組成物およびその用途Info
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- JPH101579A JPH101579A JP8177478A JP17747896A JPH101579A JP H101579 A JPH101579 A JP H101579A JP 8177478 A JP8177478 A JP 8177478A JP 17747896 A JP17747896 A JP 17747896A JP H101579 A JPH101579 A JP H101579A
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Abstract
所である気体、有機液体等に対する優れた遮断性を活か
し、その欠点である柔軟性不足を改善したエチレン−ビ
ニルアルコール系共重合体組成物を提供する。 【解決手段】 本発明は、(A)エチレン−ビニルアル
コール系共重合体がマトリックスの状態で存在し、
(B)ビニル芳香族モノマー重合体ブロックとイソブチ
レン重合体ブロックとを有するブロック共重合体が分散
粒子の状態で存在している重合体組成物である。
Description
アルコール系共重合体と特定のブロック共重合体からな
る重合体組成物、該重合体組成物からなる成形品および
該重合体組成物の用途に関する。本発明の重合体組成物
によって、エチレン−ビニルアルコール系共重合体の長
所である気体、有機液体等に対する優れた遮断性を活か
し、かつ、その欠点である柔軟性不足を改善することが
できる。
は、多くの気体、有機液体等に対して高度の遮断性を有
し、しかも、塩化ビニリデン樹脂や塩化ビニル樹脂のよ
うに焼却処分時に有害なガスを発生することがないた
め、種々の用途に展開されつつある。すなわち、高度の
ガスバリア性(気体遮断性)等を活かした食品包装材の
ほか、高度の有機液体遮断性等を活かした自動車用ガソ
リンタンクなどへの利用が実施あるいは検討されてい
る。しかしながら、エチレン−ビニルアルコール系共重
合体は柔軟性に劣るために、ポリオレフィン等の軟質樹
脂との組成物または積層体の形で使用されるのが一般的
である。
他の樹脂とは、通常、親和性が低く相溶性が不良である
ために、エチレン−ビニルアルコール系共重合体に軟質
樹脂を配合してなる組成物では、エチレン−ビニルアル
コール系共重合体本来の遮断性などが大幅に損なわれる
ことが多い。また、エチレン−ビニルアルコール系共重
合体の層に対して軟質樹脂の層を積層してなる積層体に
おいては、該エチレン−ビニルアルコール系共重合体層
単独に比較して柔軟性が向上しているものの、用途に応
じてはまだ柔軟性が不足している場合がある。
に、エチレン−ビニルアルコール系共重合体の長所であ
る気体、有機液体等に対する優れた遮断性などを活か
し、かつ、その欠点である柔軟性不足を改善したエチレ
ン−ビニルアルコール系共重合体組成物を提供すること
にある。本発明の目的は、第2に、上記の優れた性質が
有効に発揮される成形品を提供することにある。また、
本発明の目的は、第3に、上記の優れた性質が有効に発
揮される上記組成物の各種用途を提供することにある。
結果、上記第1の目的は、エチレン−ビニルアルコール
系共重合体と特定のイソブチレン系ブロック共重合体と
の両方を特定の状態で含有する重合体組成物を提供する
ことによって達成され、上記第2および第3の目的は、
該重合体組成物を利用することによって達成されること
を見いだし、本発明を完成するに至った。
は、(A)エチレン−ビニルアルコール系共重合体、お
よび(B)主としてビニル芳香族モノマー単位からなる
重合体ブロック(b1)と、主としてイソブチレン単位
からなる重合体ブロック(b2)とを有するブロック共
重合体から主としてなり、かつ、(A)成分が実質的に
マトリックスの状態で存在し、(B)成分が実質的に分
散粒子の状態で存在することを特徴とする重合体組成物
を提供することによって達成される。
重合体組成物からなる成形品、および上記重合体組成物
からなる少なくとも1つの層と他の素材からなる少なく
とも1つの層との積層構造を有する成形品を、それぞれ
提供することによって達成される。
(1)〜(9)に示す用途をそれぞれ提供することによ
って達成される。
も1つの層を有する飲食品用包装材。
も1つの層を有する容器。
も1つの層を有する内袋を有するバッグインボックス。
も1つの層を有する容器用パッキング。
も1つの層を有する医療用輸液バッグ。
も1つの層を有する有機液体貯蔵用タンク。
も1つの層を有する有機液体輸送用パイプ。
も1つの層を有する暖房用温水パイプ。
も1つの層を有する樹脂製壁紙。
(A)成分および(B)成分からなる。
−ビニルアルコール系共重合体(以下、「EVOH」と
称する)は、主としてエチレン単位(−CH2CH2−)
とビニルアルコール単位(−CH2−CH(OH)−)と
からなる共重合体である。本発明において使用されるE
VOHとしては、特に限定されることなく、例えば、成
形用途で使用されるような公知のものを挙げることがで
きる。ただし、EVOHのエチレン単位の含量は、気
体、有機液体等に対する遮断性の高さと成形加工性の良
好さの点から、10〜99モル%であることが好まし
く、20〜65モル%であることがより好ましく、25
〜60モル%であることがより好ましく、25〜50モ
ル%であることが特に好ましい。EVOHは、後述する
ように、代表的にはエチレン−脂肪酸ビニルエステル系
共重合体ケン化物であるが、エチレン−脂肪酸ビニルエ
ステル系共重合体ケン化物の場合、脂肪酸ビニルエステ
ル単位のケン化度は、得られるEVOHの気体、有機液
体等に対する遮断性と熱安定性の高さの点から、50モ
ル%以上であることが好ましく、90モル%以上である
ことがより好ましく、95モル%以上であることがより
好ましく、98モル%以上であることが特に好ましい。
EVOHのメルトフローレート(温度210℃、荷重
2.16kgの条件下に、ASTM D1238に記載
の方法で測定)は、成形加工性の良好さの点から、0.
1〜100g/10分であることが好ましく、0.5〜
50g/10分であることがより好ましく、1〜20g
/10分であることが特に好ましい。また、EVOHの
極限粘度は、フェノール85重量%および水15重量%
の混合溶媒中、30℃の温度において、0.1〜5dl
/gであることが好ましく、0.2〜2dl/gである
ことがより好ましい。
アルコール単位に加えて、少量(好ましくは、全構成単
位に対して10モル%以下)であれば、他の構成単位を
有していてもよい。他の構成単位としては、プロピレ
ン、イソブチレン、4−メチルペンテン−1、1−ヘキ
セン、1−オクテン等のα−オレフィン;酢酸ビニルエ
ステル、プロピオン酸ビニルエステル、バーサチック酸
ビニルエステル、ピバリン酸ビニルエステル、バレリン
酸ビニルエステル、カプリン酸ビニルエステル、安息香
酸ビニルエステル等のカルボン酸ビニルエステル;イタ
コン酸、メタクリル酸、アクリル酸、無水マレイン酸等
の不飽和カルボン酸またはその誘導体(例:塩、エステ
ル、ニトリル、アミド、無水物など);ビニルトリメト
キシシラン等のビニルシラン系化合物;不飽和スルホン
酸またはその塩;N−メチルピロリドン等から誘導され
る単位などを挙げることができる。またEVOHは、ア
ルキルチオ基などの官能基を末端に有していてもよい。
れるものではなく、例えば、公知の方法に従って、エチ
レン−脂肪酸ビニルエステル系共重合体を製造し、次い
で、これをケン化することによってEVOHを製造する
ことができる。エチレン−脂肪酸ビニルエステル系共重
合体は、例えば、主としてエチレンと脂肪酸ビニルエス
テルとからなるモノマーを、メタノール、t−ブチルア
ルコール、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒中、加圧
下に、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル
等のラジカル重合開始剤を用いて重合させることによっ
て得られる。該脂肪酸ビニルエステルとしては、酢酸ビ
ニルエステル、プロピオン酸ビニルエステル、バーサチ
ック酸ビニルエステル、ピバリン酸ビニルエステル、バ
レリン酸ビニルエステル、カプリン酸ビニルエステルな
どを使用することができるが、これらの中でも酢酸ビニ
ルエステルが好ましい。エチレン−脂肪酸ビニルエステ
ル系共重合体のケン化では、酸触媒またはアルカリ触媒
を使用することができる。
族モノマー単位からなる重合体ブロック(b1)と、主
としてイソブチレン単位からなる重合体ブロック(b
2)とを有するブロック共重合体(以下、「b1/b2
ブロック共重合体」と称する)である。
であるビニル芳香族モノマー単位は、付加重合によりビ
ニル芳香族モノマーから誘導される単位である。該ビニ
ル芳香族モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メ
チルスチレン、2−メチルスチレン、4−メチルスチレ
ン、4−プロピルスチレン、4−t−ブチルスチレン、
4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、
2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブ
チル)スチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、モ
ノフルオロスチレン、ジフルオロスチレン、モノクロロ
スチレン、ジクロロスチレン、メトキシスチレン、t−
ブトキシスチレン等のスチレン類;1−ビニルナフタレ
ン、2−ビニルナフタレン等のビニルナフタレン類など
のビニル基含有芳香族化合物;インデン、アセナフチレ
ン等のビニレン基含有芳香族化合物などを挙げることが
できる。重合体ブロック(b1)を構成するビニル芳香
族モノマー単位は1種のみでもよく、2種類以上であっ
てもよい。ただし、中でも、重合体ブロック(b1)が
スチレンから誘導される単位よりなっているのが特に好
ましい。
子量が2500〜400000であることが好ましく、
5000〜200000であることがより好ましい。重
合体ブロック(b1)の数平均分子量が2500以上、
とりわけ5000以上の場合には、b1/b2ブロック
共重合体の機械的特性が良好となり、(A)成分との組
成物においてもやはり機械的特性が良好となる。一方、
重合体ブロック(b1)の数平均分子量が400000
以下、とりわけ200000以下であると、b1/b2
ブロック共重合体の溶融粘度が高くなりすぎず、(A)
成分との混合も容易となり、得られた高分子組成物の成
形性や加工性も良好となる。
体ブロック(b2)の主たる構成単位であるイソブチレ
ン単位は、付加重合によりイソブチレンから誘導される
単位(−C(CH3)2−CH2−)である。重合体ブロッ
ク(b2)の数平均分子量は10000〜400000
であることが好ましい。重合体ブロック(b2)の数平
均分子量が10000以上の場合には、b1/b2ブロ
ック共重合体の気体、有機液体等に対する遮断性が特に
良好となり、(A)成分との組成物においてもやはり遮
断性が特に良好となる。一方、重合体ブロック(b2)
の数平均分子量が400000以下であると、b1/b
2ブロック共重合体の流動性が良好であり、(A)成分
との重合体組成物の成形性や加工性が良好である。
と少なくとも1個の重合体ブロック(b2)とを有する
b1/b2ブロック共重合体は、その数平均分子量が2
0000〜500000であることが好ましく、300
00〜400000であることがより好ましい。b1/
b2ブロック共重合体の数平均分子量が20000以
上、とりわけ30000以上の場合には、b1/b2ブ
ロック共重合体、ひいては(A)成分との重合体組成物
の強度、伸度などの機械的特性が良好となる。一方、b
1/b2ブロック共重合体の数平均分子量が50000
0以下、とりわけ400000以下であると、b1/b
2ブロック共重合体の流動性が良好であり、(A)成分
との重合体組成物の成形性や加工性が良好となる。b1
/b2ブロック共重合体における重合体ブロック(b
1)と重合体ブロック(b2)の割合は、b1/b2ブ
ロック共重合体、重合体ブロック(b1)および重合体
ブロック(b2)の数平均分子量などにも依存するが、
一般に、b1/b2ブロック共重合体の重量に基づい
て、重合体ブロック(b1)の割合が5〜80重量%で
あり、かつ重合体ブロック(b2)の割合が95〜20
重量%であるのが好ましく、重合体ブロック(b1)の
割合が10〜75重量%であり、かつ重合体ブロック
(b2)の割合が90〜25重量%であるのがより好ま
しい。重合体ブロック(b1)の割合が5重量%以上、
とりわけ10重量%以上の場合には、b1/b2ブロッ
ク共重合体、ひいては(A)成分との重合体組成物の強
度などの機械的特性が良好となり、一方、重合体ブロッ
ク(b1)の割合が80重量%以下、とりわけ75重量
%以下であると、溶融粘度が高くなりすぎず、(A)成
分との重合体組成物の成形性や加工性が良好となる。な
お、上記の重合体ブロック(b1)の重量%は、b1/
b2ブロック共重合体が複数個の重合体ブロック(b
1)を有する場合には、各重合体ブロック(b1)の重
量%の和である。同様に、上記の重合体ブロック(b
2)の重量%は、b1/b2ブロック共重合体が複数個
の重合体ブロック(b2)を有する場合には、各重合体
ブロック(b2)の重量%の和である。
に、少なくとも1個の重合体ブロック(b1)と少なく
とも1個の重合体ブロック(b2)を有していればよ
く、その構造は特に限定されない。例えば、b1/b2
ブロック共重合体は、直鎖状、2以上に枝分かれした分
岐鎖状または星型のいずれの分子鎖形態を有していても
よい。なお、b1/b2ブロック共重合体の典型例とし
て下記の式(I)または式(II)で表される構造の分子
鎖を有するものを挙げることができる。
価の炭化水素基を表し、b1は重合体ブロック(b1)
を表し、b2は重合体ブロック(b2)を表し、R1お
よびR2はそれぞれ炭素数1〜20のアルキル基または
アラルキル基を表し、kは0または1を表し、mおよび
nはそれぞれ1以上の整数を表す。ただし、mは1であ
るのが好ましい。)
は、本発明の重合体組成物の性能を損なわない範囲で、
任意の方法により官能基が導入されていてもよい。導入
され得る官能基の例としては、水酸基、アミノ基、アル
キルアミノ基、エポキシ基、エーテル基(例:アルコキ
シル基)、カルボキシル基、エステル基(例:アルコキ
シカルボニル基、アシロキシル基)、アミド基(例:カ
ルバモイル基、アルキルカルバモイル基、アシルアミノ
基)、ジカルボン酸無水物の構造を有する基(例:無水
マレイン酸残基)等が挙げられる。
は、特に限定されないが、例えば、通常の方法に従い、
重合開始剤系を用いて、不活性溶媒中で、主としてビニ
ル芳香族モノマーからなるモノマーの重合操作と主とし
てイソブチレンからなるモノマーの重合操作とを任意の
順序で段階的に行い、さらに所望に応じて、官能基を有
する化合物等を用いて変性することによって製造するこ
とができる。その場合の重合開始剤系の例としては、ル
イス酸とルイス酸によってカチオン重合活性種を生成し
得る有機化合物との混合系が挙げられる。ルイス酸とし
ては、四塩化チタン、四塩化スズ、三塩化ホウ素、塩化
アルミニウムなどが使用できる。また、ルイス酸によっ
てカチオン重合活性種を生成し得る有機化合物として
は、例えば、ビス(1−メトキシ−1−メチルエチル)
ベンゼン、ビス(1−アセトキシ−1−メチルエチル)
ベンゼン、ビス(1−クロロ−1−メチルエチル)ベン
ゼンなどが使用可能である。さらに、上記のルイス酸お
よび有機化合物と共に、必要に応じて、例えば、N,N
−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、酢酸エチルな
どのエステル類、ピリジン類、アミン類などを重合活性
種の安定化剤として使用してもよい。また、重合用の不
活性溶媒としてはヘキサン、シクロヘキサン、メチルシ
クロヘキサン、塩化メチル、塩化メチレンなどの有機溶
媒を使用することができる。
例えば、(1)重合開始剤系として、ルイス酸およびカ
チオン重合活性種を生成し得る官能基を分子中に1個有
する有機化合物を使用して、主としてイソブチレンから
なるモノマーを反応系内に添加して重合させて重合体ブ
ロック(b2)を形成した後、主としてビニル芳香族モ
ノマーからなるモノマーを重合させて重合体ブロック
(b1)を形成させる方法;(2)重合開始剤系とし
て、ルイス酸およびカチオン重合活性種を生成し得る官
能基を分子中に2個有する有機化合物を使用して、ま
ず、主としてイソブチレンからなるモノマーを重合させ
て重合体ブロック(b2)を形成した後、反応系に、主
としてビニル芳香族モノマーからなるモノマーを添加し
て重合を行って重合体ブロック(b1)を形成させる方
法などにより製造することができる。また、星型のb1
/b2ブロック共重合体は、例えば、ルイス酸およびカ
チオン重合活性種を生成し得る官能基を分子中に3個以
上有する有機化合物を重合開始剤系として使用して、ま
ず、主としてイソブチレンからなるモノマーを重合させ
て重合体ブロック(b2)を形成し、次いで、主として
ビニル芳香族モノマーからなるモノマーを添加して重合
を行い重合体ブロック(b1)を形成させる方法などに
より製造することができる。
成分として2種以上のEVOHを使用してもよく、ま
た、(B)成分として2種以上のb1/b2ブロック共
重合体を使用してもよい。
(A)成分がマトリックス相を構成し、(B)成分が分
散粒子相を構成する。該重合体組成物は、主として
(A)成分から構成されるマトリックス相を有すること
によって、(A)成分が本質的に有する気体、有機液体
等に対する極めて高度の遮断性が効果的に発揮される。
そして、該重合体組成物は、(A)成分のマトリックス
相中に、優れた柔軟性と良好なガスバリア性とを合わせ
持つ(B)成分を分散粒子相として含有することによっ
て、(A)成分の優れた上記遮断性を高度に保持しなが
ら、柔軟性が(A)成分単独の場合に比べて格段に向上
する。
(A)成分がマトリックス相を構成し(B)成分が分散
粒子相を構成していることは、例えば、次のようにして
走査型電子顕微鏡で観察することによって確認すること
ができる。試料の形状等については必ずしも限定される
ものではないが、例えば、熱プレス成形により重合体組
成物から厚さ1mmのシート状物を成形し、常圧下で液
体窒素中に浸漬させることによって十分冷却した後、試
料を取り出してすばやく破断し、破断した試料を50倍
以上の重量のトルエン中、20℃の温度で1分間浸漬す
ることによって物理的な損傷を与えないように破断面を
エッチング((B)成分を溶解除去)し、乾燥し、次い
でイオンスパッタリングを行う。このように処理された
破断面を走査型電子顕微鏡で観察して、隣接し合った空
孔(窪み)同士が実質的に繋がっていない(すなわち、
実質的に独立している)様子を窺うことによって、実質
的に(A)成分がマトリックス相を構成し(B)成分が
分散粒子相を構成していることを確認することができ
る。なお、本発明の重合体組成物において、主として
(B)成分から構成される分散粒子の粒子径は特に限定
されるものではないが、重合体組成物を溶融混練したの
ち熱プレス成形して作製した厚さ1mmのシートを試料
として用いて、それを上記と同様な冷却、破断、エッチ
ング、乾燥およびイオンスパッタリングに付したのち、
走査型電子顕微鏡観察に基づいて、エッチングで形成さ
れた空孔約1000個について長径を測定した場合に求
められた長径の平均値(Ls=(Σn・L)/(Σn)
(ただし、nは長径Lの空孔の個数を表す))におい
て、0.01〜100μmの範囲内であることが一般に
好ましい。本発明の重合体組成物が成形品中、薄い層状
の形態をとる場合には、主として(B)成分から構成さ
れる分散粒子における該層の厚さ方向における長さの最
大値は、実質的に、該層の厚さより小さくなるように設
定すべきであり、該層の厚さの1/2またはそれ以下で
あるのが好ましく、1/10またはそれ以下であるのが
より好ましい。
と(B)成分との量的割合は、実質的に(A)成分およ
び(B)成分がそれぞれマトリックス相および分散粒子
相を構成する限りにおいて特に限定されるものではない
が、気体、液体等に対する遮断性と柔軟性とが総合的に
特に優れる点から、一般に、(A)成分/(B)成分の
重量比において99/1〜25/75の範囲内であるこ
とが好ましい。
成分および(B)成分の他に、必要に応じて、本発明の
効果を実質的に損なわない範囲で、他の重合体や添加剤
を含有していてもよい。配合し得る他の重合体の例とし
ては、EPR(エチレン−プロピレン系ゴム)、EPD
M(エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム)、NR(天
然ゴム)、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、IIR
(ブチルゴム)等のゴム;ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリアミド、ポリ
エステル等の樹脂などが挙げられる。また、添加剤の例
としては、成形加工時の流動性を向上させるための鉱物
油または軟化剤;無機粉末充填剤;ガラス繊維、金属繊
維などの繊維状充填剤;熱安定剤;酸化防止剤;光安定
剤;粘着剤;粘着付与剤;帯電防止剤;発泡剤などを添
加してもよい。これらの他の重合体または添加剤は、マ
トリックス相中に含まれていても、分散相中に含まれて
いてもよい。例えば、リン酸、ピロリン酸、亜リン酸、
シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、クエン酸、
リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、酢酸
等の酸または多塩基酸の部分塩がEVOHのマトリック
ス相中に含有されている場合には、重合体組成物製造の
ための溶融混練時または重合体組成物の溶融成形時にお
けるEVOHのゲル化が抑制され、色調の悪化を防止で
きることがある。
限されないが、所定量の(A)成分と(B)成分とを、
所望により他の重合体または添加剤とともに、溶融条件
下に十分に混合または混練することによって調製するの
が好ましい。この際、(A)成分および(B)成分がそ
れぞれ実質的にマトリックス相および分散粒子相を形成
できるように、事前に、各成分の溶融粘性を実験的に適
宜選択しておくのが望ましい。該溶融条件下における混
合または混練は、例えば、ニーダールーダー、押出機、
ミキシングロール、バンバリーミキサーなどの既知の混
合装置または混練装置を使用して行うことができる。混
合または混練の時の温度は、使用する(A)成分の融点
などに応じて適宜調節するのがよいが、通常、110〜
300℃の温度範囲内の温度を採用すればよい。
などの任意の形態にしておいて、成形材料として使用す
ることができる。本発明の重合体組成物は、熱可塑性を
有するので、一般の熱可塑性重合体に対して用いられて
いる通常の成形加工方法や成形加工装置を用いて成形加
工することができる。成形加工法としては、例えば、射
出成形、押出成形、プレス成形、ブロー成形、カレンダ
ー成形、真空成形などの任意の方法を採用することがで
きる。このような方法で製造される本発明の重合体組成
物からなる成形品には、型物、パイプ、シート、フィル
ム、円板、リング、袋状物、びん状物、紐状物、繊維状
物などの多種多様の形状のものが包含され、また、他の
素材との積層構造または複合構造の形態のものも包含さ
れる。他の素材との積層構造を採用することによって、
成形品の耐湿性、機械的特性などを向上させることが可
能である。
1つの層と他の素材からなる少なくとも1つの層との積
層構造を有する成形品において、該他の素材は、要求さ
れる特性、予定される用途などに応じて適宜好適なもの
を選択すればよい。該他の素材としては、例えば、ポリ
オレフィン(例:高密度ポリエチレン、中密度ポリエチ
レン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリプロピレン
等)、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体
(EEA)、ポリスチレン(PS)、塩化ビニル樹脂
(PVC)、塩化ビニリデン樹脂(PVDC)などの熱
可塑性重合体などを挙げることができる。該積層構造を
有する成形品においては、本発明の重合体組成物からな
る層と他の素材からなる基材層との間に接着剤層を介在
させてもよい。接着剤層を介在させることによって、そ
の両側の2層を強固に接合一体化させることができる。
接着剤層において使用される接着剤としては、ジエン系
重合体の酸無水物変性物;ポリオレフィンの酸無水物変
性物;高分子ポリオール(例えば、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール等のグリコール化合物とアジ
ピン酸等の二塩基酸とを重縮合して得られるポリエステ
ルポリオール;酢酸ビニルと塩化ビニルとの共重合体の
部分ケン化物など)とポリイソシアネート化合物(例え
ば、1,6−ヘキサメチレングリコール等のグリコール
化合物と2,4−トリレンジイソシアネート等のジイソ
シアネート化合物とのモル比1対2の反応生成物;トリ
メチロールプロパン等のトリオール化合物と2,4−ト
リレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物と
のモル比1対3の反応生成物など)との混合物等を使用
することができる。なお、積層構造形成のために、共押
出、共射出、押出コーティング等の公知の方法を使用す
ることもできる。
多くの気体および有機液体に対する高度の遮断性と良好
な柔軟性とを兼備しているので、これらの性質が要求さ
れる日用品、包装材、機械部品などとして使用すること
ができる。本発明の重合体組成物の特長が特に効果的に
発揮される用途の例としては、飲食品用包装材、容器、
バッグインボックス用内袋、容器用パッキング、医療用
輸液バッグ、有機液体貯蔵用タンク、有機液体輸送用パ
イプ、暖房用温水パイプ(床暖房用温水パイプ等)、樹
脂製壁紙などが挙げられる。これらの用途に供するため
の成形品においては、該重合体組成物は少なくとも1つ
の層を形成していればよく、該重合体組成物からなる単
層構造のもの、および該重合体組成物からなる少なくと
も1つの層と他の素材からなる少なくとも1つの層との
積層構造のものの中から適宜選ぶことができる。上記の
飲食品用包装材、容器、バッグインボックス用内袋、容
器用パッキングおよび医療用輸液バッグでは、大気中の
酸素ガスの透過と内容物の揮発性成分の透過を阻止でき
ることから、内容物の長期保存性に優れる。上記の有機
液体貯蔵用タンクおよび有機液体輸送用パイプでは、脂
肪族炭化水素、ケトン、ガソリン等の有機液体およびそ
の蒸気を密閉できることから、金属製のタンクおよびパ
イプと同様の機能を具備し、しかも金属製のものに比べ
て、軽量化が可能であり、成形加工の容易さのため取り
得る形状の自由度が高い。上記の暖房用温水パイプで
は、長期間の使用においても、温水の浸透による劣化お
よびストレスクラックの発生が抑制されるため、温水漏
れを防止することができる。また、上記の樹脂製壁紙で
は、本発明の重合体組成物からなる層と塩化ビニル樹脂
等の軟質樹脂からなる基体層との積層構成をとることに
よって、軟質樹脂中の可塑剤の壁紙表面へのブリードア
ウトを阻止し、その結果、表面汚れの発生を防止するこ
とができる。
品のスクラップは、溶融し、必要に応じて(A)成分お
よび/または(B)成分を追加することによって、再使
用することができる。
明するが、本発明はそれらにより限定されない。
重合体の数平均分子量はGPC(ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー)により求め、ブロック共重合体中
の各ブロックの数平均分子量は該ブロック共重合体の合
成中間体であるポリイソブチレンのGPCに基づいて求
め、ブロック共重合体中のスチレン単位の含有量は1H
−NMRにより求めた。
反応器中に、塩化メチレン1060重量部とメチルシク
ロヘキサン920重量部とからなる混合溶媒、および四
塩化チタン2.7重量部と1,4−ビス(1−メトキシ
−1−メチルエチル)ベンゼン0.91重量部とからな
る重合開始剤系を仕込み、−65℃の冷却下に、イソブ
チレン150重量部を仕込んで4時間重合させた。−6
5℃の冷却下で、これにジメチルアセトアミド0.08
重量部およびスチレン38重量部を添加し、更に4時間
重合させた。得られた反応混合物をメタノールに再沈し
て、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共
重合体(i)を製造した。得られたトリブロック共重合
体(i)の数平均分子量、各ブロックの数平均分子量お
よびスチレン含有量を、下記の表1に示す。
および1,4−ビス(1−メトキシ−1−メチルエチ
ル)ベンゼンの仕込み割合を変更した以外は合成例1と
同様の方法を用いて、スチレン−イソブチレン−スチレ
ントリブロック共重合体(ii)および(iii)を、それ
ぞれ製造した。これらのトリブロック共重合体の数平均
分子量、各ブロックの数平均分子量およびスチレン含有
量を、下記の表1に示す。
(i)、(ii)もしくは(iii)およびEVOH(株式
会社クラレ製「エバールEP−H101」または同「エ
バールEP−E105」)を、下記の表2に示した割合
で混合し、小型二軸押出機により200℃で溶融混練し
た後、押出し切断して、重合体組成物のペレットを製造
した。そのペレットをプレス成形機により熱プレス成形
し、厚さ1mmおよび100μmのシート状試験片を作
製し、これらを用いて、それぞれ硬度(JIS D)お
よび酸素透過係数の測定を行った。硬度はJIS K7
215に準拠して測定を行った。酸素透過係数の測定は
ガス透過率測定装置(柳本製作所製「GTR−10」)
を用いて、酸素圧3.5kg/cm2、温度35℃、湿
度0%RHの条件で行った。さらに、上記のペレットを
用いて、上記の手順に従って、プレス成形機により熱プ
レス成形して厚さ1mmのシートとし、液体窒素で冷却
した後、破断させ、その破断面をトルエンで1分間エッ
チングし乾燥しイオンスパッタリングした後、走査型電
子顕微鏡(日立製作所製S−2150)で観察すること
により、EVOHのマトリックス中にトリブロック共重
合体が粒子状で分散していたことを確認し、さらに、エ
ッチングによりトリブロック共重合体が溶解除去されて
形成された空孔約1000個について長径を測定し、そ
の測定値に基づいて長径の平均値(Ls=(Σn・L)
/(Σn)(ただし、nは長径Lの空孔の個数を表
す))を求めた。得られた測定結果を表2に示す。
代わりに、ポリアミド(宇部興産株式会社製「UBEナ
イロン1013B」)の単独、EVOH(株式会社クラ
レ製「エバールEP−E105」)とイソプレン−スチ
レン系ブロック共重合体(SEPS)(株式会社クラレ
製「セプトン2002」)との重合体組成物、ならびに
EVOH(株式会社クラレ製「エバールEP−E10
5」)の単独、のそれぞれのシートを用いた以外は、実
施例1と同様にして、硬度および酸素透過係数の測定を
行った。得られた測定結果を表2に示す。
重合体組成物は、酸素透過係数において30cc・20μm/m
2・day・atm以下の値を示したように気体遮断性に優れ、
しかもJIS D硬度において50〜80を示したよう
に柔軟性も良好であることが判る。これに対して、比較
例1のポリアミドの場合には、酸素透過係数において2
50cc・20μm/m2・day・atmの値を示したように気体遮断
性が不十分であり、またJIS D硬度において84の
値を示したように柔軟性も不足気味であることが判る。
比較例2のEVOHとイソプレン−スチレン系ブロック
共重合体との重合体組成物の場合には、酸素透過係数に
おいて3200cc・20μm/m2・day・atmの値を示したよう
に気体遮断性が不十分であることが判る。また、比較例
3のEVOH単独の場合には、JIS D硬度において
88を示したように柔軟性が不足していることが判る。
じ重合体組成物を用いてペレットを製造し、このペレッ
トを窒素気流下で3種5層共押出装置(重合体組成物用
押出機の設定温度:230℃)に供給し、3種5層の多
層フィルムを作製した。該フィルムの層構成は、一方の
面から、高密度ポリエチレン層/接着剤層/重合体組成
物層/接着剤層/高密度ポリエチレン層の順であり、ま
た、各層の厚さは、両方の高密度ポリエチレン層ではい
ずれも約60μmであり、両方の接着剤層(マレイン酸
変性ポリエチレン;三井石油化学工業株式会社製「アド
マーNF−500」)ではいずれも約10μmであり、
重合体組成物層では約10μmであった。得られたフィ
ルムをゲルボフレックステスターを用いて屈曲試験に供
した。屈曲回数300回を越えた時に最初の貫通孔(ピ
ンホール)が発生した。
OH(株式会社クラレ製「エバールEP−H101」)
を単独で使用した以外は実施例6と同様にして共押出し
し、高密度ポリエチレン層(厚さ:約60μm)/接着
剤層(厚さ:約10μm)/EVOH層(厚さ:約10
μm)/接着剤層(厚さ:約10μm)/高密度ポリエ
チレン層(厚さ:約60μm)の層構成を有する3種5
層の多層フィルムを作製した。得られたフィルムを用い
た以外は実施例6と同様にして、屈曲試験を行った。屈
曲回数50回を越えた時に最初の貫通孔(ピンホール)
が発生した。
本発明に従う実施例6の重合体組成物の層を有するフィ
ルムは、本発明以外の比較例4のEVOHの層を有する
フィルムと比較して、耐屈曲性が大幅に向上しているこ
とが判る。
例2で得られたものと同じ重合体組成物、高密度ポリエ
チレンおよび接着剤用樹脂を共押出しし、高密度ポリエ
チレン層(厚さ:約60μm)/接着剤層(厚さ:約1
0μm)/重合体組成物層(厚さ:約10μm)/接着
剤層(厚さ:約10μm)/高密度ポリエチレン層(厚
さ:約60μm)の層構成を有する3種5層の多層フィ
ルムを作製した。得られたフィルムを、パンタグラフ式
二軸延伸機を用いて、70℃の温度、3倍×3倍の延伸
倍率の条件で同時二軸延伸した。得られた延伸フィルム
は、クラック、斑、偏肉がなく、外観および透明性は良
好であった。延伸フィルムを20℃、100%RHに調
湿し、その酸素透過係数をガス透過測定装置(柳本製作
所製GTR−30型)を用いて測定したところ、60cc
・20μm/m2・day・atmであった。以上のことから、本実施
例の延伸フィルムは、湿潤条件下での気体遮断性に優れ
ていることが判る。
例2で得られたものと同じ重合体組成物、高密度ポリエ
チレンおよび接着剤用樹脂を共押出しし、高密度ポリエ
チレン層(厚さ:約60μm)/接着剤層(厚さ:約1
0μm)/重合体組成物層(厚さ:約10μm)/接着
剤層(厚さ:約10μm)/高密度ポリエチレン層(厚
さ:約60μm)の層構成を有する3種5層の多層フィ
ルムを作製した。このフィルムを所定寸法の長方形に切
断し、向かい合う2辺をヒートシーラーで熱圧着して筒
状とし、さらに、この筒状フィルムの一端をヒートシー
ラーで熱圧着することにより、袋状物(食品包装材)を
製造した。この袋状物に市販の味噌を充填し、袋の口を
ヒートシーラーで熱圧着し、密封した。その包装された
味噌を室温で3箇月保存した後、袋の口を開けて内容物
の色調および香りを確認したが、これらに変化は認めら
れなかった。
変更した以外は実施例6と同様にして、実施例2で得ら
れたものと同じ重合体組成物、高密度ポリエチレンおよ
び接着剤用樹脂を共押出しし、高密度ポリエチレン層
(厚さ:約150μm)/接着剤層(厚さ:約20μ
m)/重合体組成物層(厚さ:約20μm)/接着剤層
(厚さ:約20μm)/高密度ポリエチレン層(厚さ:
約150μm)の層構成を有する3種5層の多層シート
を作製した。このシートを円板状に切断し、それをパッ
キング(容器用パッキング)として用いて、オレンジジ
ュースの充填されたガラス製ビンに常法に従って、金属
製王冠を被せて密封した。その密封されたオレンジジュ
ースを室温で3箇月保存した後、王冠を開けて内容物の
色調および香りを確認したが、これらに変化は認められ
なかった。
施例2で得られたものと同じ重合体組成物を用いて、高
密度ポリエチレン層(厚さ:約60μm)/接着剤層
(厚さ:約10μm)/重合体組成物層(厚さ:約10
μm)/接着剤層(厚さ:約10μm)/高密度ポリエ
チレン層(厚さ:約60μm)の層構成を有する3種5
層の多層フィルムからなる袋状物を製造した。この袋状
物に点滴用薬液を充填し、袋の口をヒートシーラーで熱
圧着し、密封した。この密封された点滴用薬液を10℃
で3箇月保存したが、内容物のガスクロマトグラフィー
分析結果、色調、匂い等に変化は認められなかった。以
上のことから、上記の重合体組成物が医療用輸液バッグ
の素材として有用であることが判る。
同じ重合体組成物を用いてペレットを製造し、このペレ
ットを窒素気流下で3種5層共押出多層ダイレクトブロ
ー装置(重合体組成物用押出機の設定温度:230℃)
に供給し、3種5層の多層中空成形品(円筒状の胴部、
該胴部の一端に連続して設けられた円筒状の首部、およ
び該胴部の他端に連続して設けられた底部からなる内容
積約1.5リットルの成形品)を作製した。該中空成形
品の層構成は、外面側から、高密度ポリエチレン層/接
着剤層/重合体組成物層/接着剤層/高密度ポリエチレ
ン層の順であり、また、胴部における各層の厚さは、両
方の高密度ポリエチレン層ではいずれも約850μmで
あり、両方の接着剤層(マレイン酸変性ポリエチレン;
三井石油化学工業株式会社製「アドマーNF−50
0」)ではいずれも約100μmであり、重合体組成物
層では約100μmであった。該中空成形品は、クラッ
ク、斑、偏肉がなく、外観および透明性は良好であっ
た。得られた中空成形品にガソリン1.0リットルを充
填し密栓した後、40℃、65%RHの条件で暗所に1
年間静置した。静置の間、ガソリンの臭気漏れは発生し
なかった。この後、開栓してガソリンを抜き出し、中空
成形品の状態を観察したが、クラック、変質等の異常の
発生は認められなかった。また、ガソリンの回収量を調
べたが、保存中における減量は実質上認められなかっ
た。これらのことから、上記の重合体組成物からなる層
を有する中空成形品は、有機液体用容器、有機液体貯蔵
用タンクおよび有機液体輸送用パイプとして有用である
ことが判る。
同じ重合体組成物、高密度ポリエチレンおよび接着剤用
樹脂を環状ダイからパイプ状に共押出成形して、高密度
ポリエチレン層(厚さ:約3mm)/接着剤層(厚さ:
約0.5mm)/重合体組成物層(厚さ:約0.5m
m)/接着剤層(厚さ:約0.5mm)/高密度ポリエ
チレン層(厚さ:約3mm)の層構成を有する3種5層
の多層パイプ(直径:約5cm)を作製した。このパイ
プを所定長さに切断し、暖房用温水パイプとして1年間
使用した。その間、割れの発生等に基づく温水漏れは認
められなかった。このことから、上記の重合体組成物か
らなる層を有するパイプは、暖房用温水パイプとして有
用であることが判る。
同じ重合体組成物を用いてペレットを製造し、このペレ
ットを窒素気流下に230℃で、Tダイを装着した2軸
押出機に供給し、スクリュー回転速度200rpmで押
出成形し、さらに70℃で3倍の延伸倍率で1軸延伸す
ることによって、厚さ15μmのフィルムを得た。この
フィルムの片面に、固形分濃度20重量%の主剤AD−
585と硬化剤CAT−10とからなる2液型ウレタン
系接着剤(東洋モートン製)を主剤対硬化剤の重量比が
17対1となる割合で混合したものを塗布量(固形分基
準)が2g/m2となるようにグラビアコーターで塗布
し、110℃で1分間乾燥させた後、このフィルムを、
塗布面を介して、可塑剤(ジ−2−エチルヘキシルフタ
レート)を38重量%含有する厚さ0.3mmの軟質ポ
リ塩化ビニルシートの片面に、110℃の温度条件下に
ドレイラミネーション法で積層一体化した。得られた積
層シートの一部をT型剥離試験に供したところポリ塩化
ビニルシート層が破壊したことから、該積層シートは十
分な接着強度を有していることが判明した。この積層シ
ートの重合体組成物フィルム層側の表面上に、一辺の長
さが6cm、厚さが2mmの硬質ポリ塩化ビニル板(可
塑剤無添加)を密着させて置き、硬質ポリ塩化ビニル板
に2kgの荷重を加えた状態で、70℃で50時間静置
した。その後、硬質ポリ塩化ビニル板の重量および積層
シートの重合体組成物フィルム層側の表面状態を調べた
が、重量の変化および表面のべたつき発生は認められな
かった。これらのことから、積層シートの重合体組成物
フィルム層側の表面への可塑剤の滲出はないことが確認
された。また、積層シートの重合体組成物フィルム層側
の表面を濡れ雑巾で摩擦したが、表面に損傷の発生は認
められなかった。以上のことから、上記の重合体組成物
からなる層を有する積層シートは、樹脂製壁紙として有
用であることが判る。
ニルアルコール系共重合体の長所である多くの気体、有
機液体等に対する優れた遮断性を高度に保持しながら、
その欠点である柔軟性不足が改善される。したがって、
該重合体組成物は、これらの性質が要求される飲食品用
包装材、容器、バッグインボックス用内袋、容器用パッ
キング、医療用輸液バッグ、有機液体貯蔵用タンク、有
機液体輸送用パイプ、暖房用温水パイプ、樹脂製壁紙な
どの用途において有効に利用される。
Claims (12)
- 【請求項1】 (A)エチレン−ビニルアルコール系共
重合体、および(B)主としてビニル芳香族モノマー単
位からなる重合体ブロック(b1)と、主としてイソブ
チレン単位からなる重合体ブロック(b2)とを有する
ブロック共重合体から主としてなり、かつ、(A)成分
が実質的にマトリックスの状態で存在し、(B)成分が
実質的に分散粒子の状態で存在することを特徴とする重
合体組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載の重合体組成物からなる成
形品。 - 【請求項3】 請求項1記載の重合体組成物からなる少
なくとも1つの層と他の素材からなる少なくとも1つの
層との積層構造を有する成形品。 - 【請求項4】 請求項1記載の重合体組成物からなる少
なくとも1つの層を有する飲食品用包装材。 - 【請求項5】 請求項1記載の重合体組成物からなる少
なくとも1つの層を有する容器。 - 【請求項6】 請求項1記載の重合体組成物からなる少
なくとも1つの層を有する内袋を有するバッグインボッ
クス。 - 【請求項7】 請求項1記載の重合体組成物からなる少
なくとも1つの層を有する容器用パッキング。 - 【請求項8】 請求項1記載の重合体組成物からなる少
なくとも1つの層を有する医療用輸液バッグ。 - 【請求項9】 請求項1記載の重合体組成物からなる少
なくとも1つの層を有する有機液体貯蔵用タンク。 - 【請求項10】 請求項1記載の重合体組成物からなる
少なくとも1つの層を有する有機液体輸送用パイプ。 - 【請求項11】 請求項1記載の重合体組成物からなる
少なくとも1つの層を有する暖房用温水パイプ。 - 【請求項12】 請求項1記載の重合体組成物からなる
少なくとも1つの層を有する樹脂製壁紙。
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| DE1997603065 DE69703065T2 (de) | 1996-06-18 | 1997-06-18 | Ethylen-Vinylalkoholpolymerzusammensetzungen und deren Verwendung |
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