JPH10158535A - ジヒドロキシシリコンフタロシアニン化合物の製造方法 - Google Patents

ジヒドロキシシリコンフタロシアニン化合物の製造方法

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JPH10158535A
JPH10158535A JP32521096A JP32521096A JPH10158535A JP H10158535 A JPH10158535 A JP H10158535A JP 32521096 A JP32521096 A JP 32521096A JP 32521096 A JP32521096 A JP 32521096A JP H10158535 A JPH10158535 A JP H10158535A
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JP
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phthalocyanine compound
phthalocyanine
dihydroxysilicon
dihydroxysilicon phthalocyanine
producing
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JP32521096A
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English (en)
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Toyoji Ohashi
豊史 大橋
Yuka Nagao
由香 長尾
Hitoshi Ono
均 小野
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光電材料として高感度、耐久性、環境特性に
優れたジヒドロキシシリコンフタロシアニンの製造方法
を提供する。 【解決手段】 ハロゲン系シリコンフタロシアニン化合
物を実質的にアルカリの不存在下、水並びに誘電率10
以上の極性溶媒又は含窒素有機溶媒中で加熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジヒドロキシシリ
コンフタロシアニン化合物の製造方法に関するものであ
る。特にプリンター、ファクシミリ、複写機に有効に用
いることができる電子写真感光体の電荷発生材料である
ジヒドロキシシリコンフタロシアニン化合物の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、フタロシアニン化合物は良好
な光導電性を示し、例えば電子写真感光体などに使用さ
れている。また、近年、従来の白色光のかわりにレーザ
ー光を光源とし、高速化、高画質、ノンインパクト化を
メリットとしたレーザープリンターが広く普及するに至
り、その要求に耐えうる感光体の開発が盛んである。特
にレーザー光の中でも近年進展が著しい半導体レーザー
を光源とする方式が主流であり、その光源波長である7
80nm前後の長波長光に対して高感度な特性を有する
感光体が強く望まれている。このような状況の中、フタ
ロシアニン化合物は比較的容易に合成できること、
600nm以上の長波長域に吸収ピークを有すること、
中心金属や結晶形により分光感度が変化し、半導体レ
ーザーの波長域で高感度を示すものがいくつか発表され
ていることなどから、精力的に研究開発が行われてきて
いる。
【0003】フタロシアニン化合物は、中心金属の種類
により吸収スペクトルや光導電性が異なるだけでなく、
結晶形によってもこれらの物性には差があり、同じ中心
金属を持つフタロシアニンでも結晶形の違いで光導電性
に大きな影響を及ぼすことが知られている。例えば、銅
フタロシアニンについてみると、安定系のβ形以外に
α、γ、ε、π、χ、τ、ρ、δ等の結晶形が知られて
おり、これらの結晶形は、機械的歪力、硫酸処理、有機
溶剤処理、加熱処理等により相互に転移可能であること
が知られている(有機エレクトロニクス材料シリーズ6
フタロシアニン参照)。また、特開昭50−3854
3号公報には、銅フタロシアニンの結晶形と電子写真特
性について、α、β、γ、ε形の比較では、ε形が最も
高い感度を示すことが記載されている。
【0004】一方、ジヒドロキシシリコンフタロシアニ
ン化合物については、ジヒドロキシゲルマニウムフタロ
シアニン、ジヒドロキシスズフタロシアニン、ジヒドロ
キシシリコンフタロシアニンを用いた電子写真感光体
が、米国特許第4,557,989号明細書に記載され
ている。また、特開平6−214415号公報にもヒド
ロキシシリコンフタロシアニン(Al、Ga、In、S
i、Ge、Sn)を用いた電子写真感光体についての報
告がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記記
載のジヒドロキシシリコンフタロシアニン化合物の製造
方法は、対応するハロゲン化シリコンフタロシアニン化
合物を硫酸に溶解、あるいはスラリー化して水等の貧溶
剤に注ぐといったアシッドペースト、アシッドスラリー
法で行っていたり、あるいは水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、アンモニア水等のアルカリで処理する方法で
行っている。これらの方法では、酸、アルカリ、副生す
る塩等が多量に系中に存在し、これを取り除く操作が必
要となる。多くの場合は大量の水を用いて数回以上洗浄
を行うが、操作性の問題、排水処理の問題、生産性の問
題等多くの問題が随伴する。また、フタロシアニン結晶
中に取り込まれた塩等は容易には除去できなく、その影
響で、顔料の分散性、分散液の塗布性、保存性に関して
問題がおき、また、電子写真特性においても十分な帯電
性、感度、低残留電位特性が得られないのが現状であ
る。そこで、本発明は、従来の技術における上述のよう
な実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、光電
材料として光感度、耐久性、環境特性に優れたジヒドロ
キシシリコンフタロシアニン化合物の新規な製造方法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ジヒドロキシ
シリコンフタロシアニン化合物の製造方法と電子写真特
性との関係について十分な検討を重ねた結果、ハロゲン
化シリコンフタロシアニン化合物を水の存在下、誘電率
10以上の極性溶剤あるいは含窒素有機溶剤中で加熱す
ることで容易にしかも生産性良くジヒドロキシシリコン
フタロシアニン化合物が製造できることを見い出した。
また、この製造方法で製造されたジヒドロキシシリコン
フタロシアニン化合物は、光電材料として光感度、耐久
性、環境特性に優れていることも見出された。すなわ
ち、本発明は、光電材料として優れたジヒドロキシシリ
コンフタロシアニン化合物の製造方法に係わるものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の製造法により製造されるジヒドロキシシリコン
フタロシアニン化合物の基本構造は次の一般式で表され
る。
【0008】
【化1】
【0009】(式中、X1〜4は、同一であっても異な
っていてもよく、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン
原子、アルキル基またはアルコキシ基を表す。a〜dは
それぞれ独立して1〜4の整数を意味する。) 本発明の製造方法は上記一般式に対応したハロゲン化シ
リコンフタロシアニン化合物を用いて製造する。ハロゲ
ン化シリコンフタロシアニン化合物は、公知の方法、例
えば、モーザーおよびトーマスの「フタロシアニン化合
物」(Moser and Thomas,“Phth
alocyanine Compounds”)記載の
方法等で製造できる。例を挙げれば、o−フタロジニト
リルあるいはその誘導体、または、1,3−ジイミノイ
ソインドリンあるいはその誘導体を金属塩化物とともに
加熱融解、あるいは有機溶媒中で加熱する方法が挙げら
れる。
【0010】本発明の製造方法は、上記の方法によって
得られたハロゲン化シリコンフタロシアニン化合物を実
質的にアルカリの不存在下、水並びに誘電率10以上の
極性溶剤または含窒素有機溶剤中で加熱することによ
り、フタロシアニンの中心金属に結合したハロゲン原子
を加水分解し、ジヒドロキシシリコンフタロシアニン化
合物を製造することを特徴とする。ここで誘電率10以
上の極性溶剤としては、アセトン(20.7)、ジエチ
ルケトン(17.0)、ジイソプロピルケトン(12.
6)、エチルメチルケトン(18.5)、シクロヘキサ
ノン(18.3)等のケトン類、メタノール(32.
6)、エタノール(24.3)、プロパノール(18.
3〜20.1)、ブタノール(10.9〜17.8)、
シクロヘキサノール(15.0)、ベンジルアルコール
(13.1)等のアルコール類、アセトアルデヒド(2
1.1)、プロピルアルデヒド(18.5)、ブチルア
ルデヒド(13.4)、ベンズアルデヒド(17.8)
等のアルデヒド類、ニトロメタン(35.9)、ニトロ
エタン(28.4)、ニトロプロパン(23.2)、ニ
トロベンゼン(34.8)、ジニトロベンゼン(21〜
42)、クロロニトロベンゼン(21〜38)、フルオ
ロニトロベンゼン(28〜40)、ニトロトルエン(2
3〜27)等のニトロ化合物類、アセトニトリル(3
7.5)、プロピオノニトリル(27.2)、ブチロニ
トリル(20.3)、ベンゾニトリル(25.2)、ナ
フトニトリル(16.0)、シアノ酢酸エチル(27.
7)等のニトリル化合物、エチレンカーボネート(8
9.6)、プロピレンカーボネート(69.0)等のカ
ーボネート類、ジメチルスルホキシド(48.9)、ス
ルホラン(43.3)等のスルホキシド類が挙げられ
る。また、含窒素有機溶剤としては、メチルアミン、エ
チルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチル
アミン、ヘキシルアミン及びそれらの2級、3級アミン
等の脂肪族アミン類、アニリン、N−メチルアニリン、
N,N−ジメチルアニリン、トルイジン、ピロール、ピ
リジン、ピコリン、ルチジン、キノリン、イソキノリン
等の芳香族アミン類、シクロヘキシルアミン、ジシクロ
ヘキシルアミン、ピペラジン、ピペリジン、ピロリジ
ン、モルホリン、イミダゾール、イミダゾリジノン等の
環式アミン類、ホルムアミド、N−メチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチル
ホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、2−
ピロリドン、N−メチルピロリドン、カプロラクタム等
のラクタム類が挙げられる。これら有機溶剤の中で、沸
点が70℃以上のものが好ましく、100℃以上のもの
が更に好ましい。沸点が70℃以下の上記有機溶剤でも
加水分解反応は進行するが、反応時間を多く必要とす
る。また、誘電率10以上の極性溶剤の中では、エチレ
ンカーボネート(89.6)、プロピレンカーボネート
(69.0)等のカーボネート類、ジメチルスルホキシ
ド(48.9)、スルホラン(43.3)等にスルホキ
シド類が好ましく、含窒素有機溶剤の中では、ヘキシル
アミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミ
ン、モルホリン、キノリン、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリド
ン、N−メチルピロリドン、カプロラクタムが好まし
い。
【0011】加水分解反応に必要な水の量としては、反
応理論モル量以上あれば特に限定はないが、好ましくは
処理溶剤(上記有機溶剤+水)に対して30wt%以
下、更に20wt%以下が好ましい。処理溶剤(上記有
機溶剤+水)の量としては、ハロゲン化シリコンフタロ
シアニン化合物1重量部に対して0.5〜1000重量
部、好ましくは1〜800重量部、更に好ましくは5〜
300重量部である。
【0012】加水分解反応時の加熱温度としては、用い
る有機溶媒によって異なるが、0〜250℃の範囲で行
い、好ましくは70〜200℃、更に好ましくは100
〜200℃である。また、処理時間としては0.5〜1
00時間程度である。このようにして処理されたジヒド
ロキシシリコンフタロシアニン化合物は、処理溶剤から
単離、洗浄、乾燥することにより得られる。本製造法で
は、酸、実質的な量のアルカリ等の無機物は使用しない
ため、従来法に見られるような過剰の酸、アルカリを取
り除くための洗浄操作が必要なく、容易にしかも生産性
良くジヒドロキシシリコンフタロシアニン化合物が製造
できる。又、アルカリを添加するとジヒドロキシシリコ
ンフタロシアニン化合物の結晶型の制御が難しくなる。
尚、実質的な量のアルカリとは、従来法に必要とされる
過剰のアルカリを取り除くための洗浄操作が必要とされ
る程度の量である。
【0013】次に、本発明の製造法により製造されたジ
ヒドロキシシリコンフタロシアニン化合物を感光層にお
ける光導電材料として使用した電子写真感光体について
説明する。本発明の電子写真感光体において、導電性支
持体上に被覆される感光層は、単層型構造からなるもの
であっても、あるいは電荷発生層および電荷輸送層から
なる積層型構造であっても良い。また、導電性支持体と
感光層との間に下引き層を形成してもよく、単層型構造
では感光層上に、積層型構造では電荷輸送層上に表面保
護層を設けていても良い。
【0014】導電性支持体としては、電子写真感光体と
して使用することができるものならばいかなるものでも
良い。具体的には例えば、アルミニウム、銅、ニッケル
等の金属ドラム、シートあるいはこれら金属箔のラミネ
ート物、蒸着物が挙げられる。さらに、金属粉末、カー
ボンブラック、ヨウ化銅、高分子電解質等の銅電物質を
適当なバインダーとともに塗布して導電処理したプラス
チックフィルム、プラスチックドラム、紙等が挙げられ
る。また、金属粉末、カーボンブラック、炭素繊維等の
導電性物質を含有し、導電性となったプラスチックシー
トやドラムあるいは酸化スズ、酸化インジウム等の導電
性金属酸化物層を表面に有するプラスチックフィルムな
どが挙げられる。
【0015】下引き層は、導電性支持体からの不必要な
電荷の注入を阻止するために有効であり、感光層の帯電
を高める作用がある。さらに、感光層と導電性支持体と
の密着性を高める作用もある。下引き層を構成する材料
としては、アルミニウム陽極酸化皮膜、酸化アルミニウ
ム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、表面処理酸化チ
タン等の無機物、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポ
リビニルピロリドン、ポリアクリル酸、セルロース類、
ゼラチン、デンプン類、ポリウレタン、ポリイミド、ポ
リアミド等の有機層、その他、有機ジルコニウム化合
物、チタニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシ
ド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング
剤等が挙げられる。下引き層の膜厚は0.1〜20μm
の範囲が好ましく、0.1〜10μmの範囲で使用する
のが最も効果的である。
【0016】電子写真感光体が積層型構造を有する場
合、電荷発生層は前記ジヒドロキシシリコンフタロシア
ニン化合物および結着樹脂から構成される。本発明では
前記ジヒドロキシシリコンフタロシアニン化合物の他に
さらに他の電荷発生物質を併用しても良い。併用できる
電荷発生物質は、チタニルフタロシアニン、ガリウムフ
タロシアニン、インジウムフタロシアニン、無金属フタ
ロシアニン等が挙げられる。また、上記以外のフタロシ
アニン系化合物、アゾ系化合物、アントラキノン系化合
物、ペリレン系化合物、多環キノン系化合物、スクアリ
ック酸メチン系化合物等が挙げられるがこれらに限定さ
れるものではない。結着樹脂は広範な絶縁性樹脂から選
択することができる。好ましい結着樹脂としては、スチ
レン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アク
リル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミ
ド、アクリロニトリル、ビニルアルコール、エチルビニ
ルエーテル、ビニルピリジン等のビニル化合物の重合体
および共重合体、フェノキシ樹脂、ポリスルホン、ポリ
ビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリカーボ
ネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、セ
ルロースエステル、セルロースエーテル、エポキシ樹
脂、ケイ素樹脂、アルキッド樹脂、ポリアリレート等が
挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0017】電荷発生層は、上記結着樹脂を有機溶剤に
溶解した溶液に前記ジヒドロキシシリコンフタレートシ
アニン化合物を分散(一部溶解しても良い)させて塗布
液を調整し、それを導電性支持体上に塗布し、乾燥する
ことによって形成することができる。分散処理する方法
としては、公知の方法、例えば、ボールミル、サンドグ
ラインドミル、遊星ミル、ロールミル、ペイントシェー
カー等の方法を用いることができる。その場合、前記ジ
ヒドロキシシリコンフタロシアニン化合物と結着樹脂と
の割合は、特に制限されないが、前記ジヒドロキシシリ
コンフタロシアニン化合物100重量部に対して結着樹
脂1〜1000重量部、好ましくは10〜400重量部
の範囲である。ジヒドロキシシリコンフタロシアニン化
合物の比率が高すぎる場合には、塗布液の安定性が低下
し、低すぎる場合は、残留電位が高くなるので、組成比
は上記範囲が適当である。使用する有機溶剤としては、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール
モノメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチル
エチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、モノクロロベンゼ
ン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素、
塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエ
タン、トリクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水
素、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のア
ルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスル
ホキシド類等が挙げられる。塗布液は、ディップコーテ
ィング法、スプレーコーティング法、スピナーコーティ
ング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティ
ング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティン
グ法、カーテンコーティング法、リングコーティング法
等のコーティング法により塗布することができる。塗布
後の乾燥は、25〜250℃の温度で5分〜3時間の範
囲で静止または送風下で行うことができる。また、形成
される電荷発生層の膜厚は、通常0.1〜5μmの範囲
が適当である。
【0018】電荷輸送層は電荷輸送材料および結着樹
脂、場合によって酸化防止剤等の添加物より構成され
る。電荷輸送材料は一般に電子輸送材料とホール輸送材
料の2種に分類されるが、本発明の電子写真感光体はい
ずれも使用することができ、また、その混合物も使用で
きる。電子輸送材料としては、ニトロ基、シアノ基、エ
ステル基等の電子吸引性基を有する電子吸引性化合物、
例えば、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,
4,5,7−テトラニトロフルオレノン等のニトロ化フ
ルオレノン、テトラシアノキノジメタン、あるいはジフ
ェノキノン等のキノン類が挙げられる。また、ホール輸
送材料としては、電子供与性の有機光電性化合物、例え
ば、カルバゾール系、インドール系、イミダゾール系、
オキサゾール系、チアゾール系、オキサジアゾール系、
ピラゾール系、ピラゾリン系、チアジアゾール系、ベン
ゾオキサゾール系、ベンゾチアゾール系、ナフトチアゾ
ール系等の複素環化合物、ジフェニルメタンなどのジア
リールアルカン誘導体、トリフェニルメタンなどのトリ
アリールアルカン誘導体、トリフェニルアミンなどのト
リアリールアミン誘導体、フエニレンジアミン誘導体、
N−フェニルカルバゾール誘導体、スチルベンなどのジ
アリールエチレン誘導体、ヒドラゾン系誘導体、ジアル
キルアミノ基、ジフェニルアミノ基のような置換アミノ
基、あるいはアルコキシ基、アルキル基のような電子供
与基、あるいはこれらの電子供与基が置換した芳香族環
基が置換した電子供与性の大きな化合物が挙げられる。
また、ポリビニルカルバゾール、ポリグリシジルカルバ
ゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルフェニルアント
ラセン、ポリビニルアクリジン、ピレン−ホルムアルデ
ヒド樹脂等、上記化合物からなる基を主鎖もしくは側鎖
に有する重合体も挙げられる。また、結着樹脂として
は、前記した電荷発生層に使用されるものと同様の絶縁
性樹脂が使用できる。電荷輸送材料と結着樹脂との割合
は、特に制限されないが、前記電荷輸送材料100重量
部に対して結着樹脂20〜3000重量部、好ましくは
50〜1000重量部の範囲である。電荷輸送層は、上
記電荷輸送材料および結着樹脂を前記した電荷発生層に
使用されるものと同様の有機溶剤を用いて塗布液を調整
した後、前記と同様の方法により塗布し、乾燥すること
によって形成することができる。また、電荷輸送層の膜
厚は、通常5〜50μmの範囲が適当である。
【0019】電子写真感光体が単層型構造を有する場合
は、感光層は前記ジヒドロキシシリコンフタロシアニン
化合物、電荷輸送材料、結着樹脂から構成され、電荷輸
送材料および結着樹脂は、前記と同様なものが使用され
る。感光層には必要に応じて酸化防止剤、増感剤等の各
種添加物を含んでいても良い。ジヒドロキシシリコンフ
タロシアニン化合物および電荷輸送材料と結着樹脂との
割合は、ジヒドロキシシリコンフタロシアニン化合物お
よび電荷輸送材料10重量部に対して結着樹脂2〜30
0重量部、ジヒドロキシシリコンフタロシアニン化合物
と電荷輸送材料との割合は、ジヒドロキシシリコンフタ
ロシアニン化合物1重量部に対して電荷輸送材料0.0
1〜100重量部の範囲が適当である。そして、前記と
同様に塗布液を調整した後、塗布、乾燥することによっ
て感光層が得られる。
【0020】
【実施例】以下、実施例によって、本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り以
下の実施例によって制限されるものではない。
【0021】合成例 「ジクロロシリコンフタロシアニンの合成」1,3−ジ
イミノイソインドリン43.5gおよび四塩化ケイ素7
3.5gをキノリン500ml中に添加し、窒素雰囲気
下、210〜220℃で1時間反応させた。生成物を1
80℃で熱ろ過し、キノリン、アセトンの順で洗浄し
た。次いで、アセトン300ml中で加熱還流した後、
結晶をろ別し、乾燥してジクロロシリコンフタロシアニ
ン38.7gを得た。構造解析はマススペクトル(ネガ
ティブ測定)、IR(KBr法)元素分析で行った。図
1にジクロロシリコンフタロシアニンのマススペクトル
を、図2にIRスペクトルを示す。マススペクトルでは
m/z:610にジクロロシリコンフタロシアニンのピ
ークが確認された。m/z:575は塩素原子が一つは
ずれたフラグメントピークである。IRスペクトルでは
1533、1079、1060cm-1にジクロロシリコ
ンフタロシアニン特有の吸収が見られた(E.Cili
berto et al.,J.Am.Chem.So
c.,106,7748(1984)参照)。元素分析
の結果も以下に示すが、計算値とほぼ一致している。こ
れにより合成物はジクロロシリコンフタロシアニンと確
認された。 C(%) H(%) N(%) Si(%) Cl(%) 実測値 62.65 2.58 18.12 4.48 12.21 計算値 62.85 2.62 18.33 4.58 11.62
【0022】実施例1 合成例で合成したジクロロシリコンフタロシアニン10
gを水5gとN−メチルピロリドン95g(95%NM
P水溶液)に添加し、130℃で8時間反応させた。生
成物を熱ろ過し、NMP、アセトンの順で洗浄した。次
いで、アセトン50ml中で室温撹拌した後、結晶をろ
別し、乾燥してジヒドロキシシリコンフタロシアニン
8.4gを得た。構造解析はマススペクトル(ネガティ
ブ測定)、IR(KBr法)、元素分析で行った。図3
にジヒドロキシシリコンフタロシアニンのマススペクト
ルを、図4にIRスペクトルを示す。マススペクトルで
はm/z:574にジヒドロキシシリコンフタロシアニ
ンのピークが確認された。m/z:557は水酸基が一
つはずれたフラグメントピークである。IRスペクトル
では1519、1066、839cm-1にジヒドロキシ
シリコンフタロシアニン特有の吸収が見られた(上記論
文参照)。元素分析の結果も以下に示すが、計算値とほ
ぼ一致している。これにより合成物はジヒドロキシシリ
コンフタロシアニンと確認された。 C(%) H(%) N(%) Si(%) Cl(%) 実測値 62.70 3.10 19.10 4.94 0.03 計算値 66.89 3.16 19.50 4.89 0
【0023】実施例2 合成例で合成したジクロロシリコンフタロシアニン10
gを水10gとN,N−ジメチルホルムアミド90g
(90%DMF水溶液)に添加し、120℃で10時間
反応させた。生成物を熱ろ過し、DMF、アセトンの順
で洗浄した。次いで、アセトン50ml中で室温撹拌し
た後、結晶をろ別し、乾燥してジヒドロキシシリコンフ
タロシアニン8.4gを得た。構造解析はマススペクト
ル(ネガティブ測定)、IR(KBr法)で行った結
果、実施例1と同様のスペクトルが得られジヒドロキシ
シリコンフタロシアニンと確認された。図5にIRスペ
クトルを示す。
【0024】実施例3〜6 合成例で合成したジクロロシリコンフタロシアニン5g
を下記表に示す各処理溶剤で処理した。生成物は熱ろ過
し、DMF、アセトンの順で洗浄した。次いで、アセト
ン50ml中で室温撹拌した後、結晶をろ別し、乾燥し
てジヒドロキシシリコンフタロシアニンを得た。いずれ
も構造解析をマススペクトル(ネガティブ測定)、IR
(KBr法)で行った結果、実施例1と同様のスペクト
ルが得られジヒドロキシシリコンフタロシアニンと確認
された。
【0025】
【表1】 表 1 ──────────────────────────────────── 処理溶剤 処理条件 ────────────── ───────────── 有機溶剤 水 温度(℃) 時間(hr) ──────────────────────────────────── 実施例3 モルホリン(40g) 10g 100 10 実施例4 シクロヘキシルアミン 15g 100 18 (35g) 実施例5 DMSO(45g) 5g 120 8 実施例6 スルホラン(45g) 5g 130 5 ────────────────────────────────────
【0026】比較例1(従来技術1:J.B.Davision et
al., Macromol., 1978,11,186 ) 合成例で合成したジクロロシリコンフタロシアニン4.
4gをNaOH1.1g、水100ml、ピリジン26
mlの混合液に添加し、還流加熱で1時間反応させた。
生成物を熱ろ過し、ピリジン、アセトン、水の順で洗浄
した。次いで、水50ml中で室温撹拌を数回繰り返し
た後、中性を確認し、結晶をろ別、乾燥してジヒドロキ
シシリコンフタロシアニン3.2gを得た。構造解析を
マススペクトル(ネガティブ測定)、IR(KBr法)
で行った結果、実施例1と同様のスペクトルが得られジ
ヒドロキシシリコンフタロシアニンと確認された。図6
にIRスペクトルを示す。
【0027】比較例2(従来技術2:特開平6−214
415 合成例10) 合成例で合成したジクロロシリコンフタロシアニン3g
を濃硫酸80gに5℃にて溶解した後、0℃の水450
g中に徐々に滴下して結晶を析出させた。その後、水、
希アンモニア水、水で順次洗浄し、乾燥してジヒドロキ
シシリコンフタロシアニン2.6gを得た。構造解析を
マススペクトル(ネガティブ測定)、IR(KBr法)
で行った結果、実施例1と同様のスペクトルが得られジ
ヒドロキシシリコンフタロシアニンと確認された。この
ジヒドロキシシリコンフタロシアニン2.5gを1mm
φのガラスビーズ100gとともにメチレンクロライド
60g中で24時間ボールミルした後、ろ別した。次い
で、メチレンクロライドで洗浄し、乾燥してジヒドロキ
シシリコンフタロシアニン1.8gを得た。
【0028】「電子写真感光体の作成」 評価例1 実施例1で製造したジヒドロキシシリコンフタロシアニ
ン0.4gを4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノ
ン30gとともに、サンドグラインドミルで6時間粉
砕、微粒子化分散処理を行った。次に、ポリビニルブチ
ラール(電気化学工業(株)製、デンカブチラール#6
000C)0.1gとフエノキシ樹脂(ユニオンカーバ
イド(株)製、UCAR)0.1gの10%4−メトキ
シ−4−メチル−2−ペンタノン溶液と混合して分散液
を調整した。この分散液をアルミニウム蒸着されたポリ
エステルフィルム上にバーコータにより乾燥後の膜厚が
0.4μmとなるように電荷発生層を設けた。次にこの
電荷発生層の上に、下記に示すヒドラゾン化合物5.6
gと
【0029】
【化2】
【0030】およびポリカーボネート樹脂(三菱化学
(株)、ノバレックス7030A)10gをTHF62
gに溶解させた溶液をアプリケーターにより塗布し、乾
燥後の膜厚が20μmとなるように電荷輸送層を設け
た。
【0031】評価例2 評価例1において用いたジヒドロキシシリコンフタロシ
アニンに代えて、実施例2で製造したジヒドロキシシリ
コンフタロシアニンを用いた他は評価例1と同様にして
電子写真感光体を作成した。
【0032】比較評価例1 評価例1において用いたジヒドロキシシリコンフタロシ
アニンに代えて、比較例1で製造したジヒドロキシシリ
コンフタロシアニンを用いた他は評価例1と同様にして
電子写真感光体を作成した。
【0033】比較評価例2 評価例1において用いたジヒドロキシシリコンフタロシ
アニンに代えて、比較例2で製造したジヒドロキシシリ
コンフタロシアニンを用いた他は評価例1と同様にして
電子写真感光体を作成した。
【0034】「評価」得られた感光体を静電複写紙試験
装置(川口電気製作所製、モデルEPA−8100)を
用いて初期電気特性(帯電電位、暗減衰、半減露光量感
度、残留電位)を評価した。評価法としては、暗所でコ
ロナ電流が22μAになるように設定した印加電圧でコ
ロナ放電により感光体を負帯電させ(この時の表面電位
を帯電電位とする)、2.4秒後に780nmの単色光
(1.0μW/cm2 )を10秒間連続的に露光し表面
電位の減衰を測定した(露光10秒後の表面電位を残留
電位とする)。暗減衰は帯電1秒後に低下した電位と
し、半減露光量感度は表面電位が−450Vから−22
5Vに減少するのに要した露光量(E1/2)で求め
た。結果を表2に示す。
【0035】
【表2】 表 2 ─────────────────────────────────── 帯電電位 暗減衰 感度 残留電位 (−V) (−V) (μJ/cm2 ) (−V) ─────────────────────────────────── 評価例1 841 26 0.31 13 評価例2 758 23 0.44 18 比較評価例1 150 -- ---- -- 比較評価例2 80 -- ---- -- ───────────────────────────────────
【0036】表2より同じジヒドロキシシリコンフタロ
シアニンでも製造法の違いで電気特性が著しく異なるこ
とがわかる。すなわち、本発明の製造法により製造され
たジヒドロキシシリコンフタロシアニンは帯電性、暗減
衰、感度、残留電位ともに優れた特性を示す。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、ジヒド
ロキシシリコンフタロシアニン化合物の新規製造方法を
提供するものであり、さらに、このジヒドロキシシリコ
ンフタロシアニン化合物を感光層に用いた電子写真感光
体は、表2からも明らかなように、感度特性、電荷保持
性に優れており、プリンター、ファクシミリ、複写機に
有効に用いることができるものである。尚、本発明によ
り製造されるジヒドロキシシリコンフタロシアニン化合
物は、800nm〜1000nmに大きな吸収ピークを
有することから、近赤外吸収インク用として用いること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成例で得られたジクロロシリコンフタロシア
ニン化合物のマススペクトル図を示す。
【図2】合成例で得られたジクロロシリコンフタロシア
ニン化合物のIRスペクトル図を示す。
【図3】実施例1で得られたジヒドロキシシリコンフタ
ロシアニン化合物のマススペクトル図を示す。
【図4】実施例1で得られたジヒドロキシシリコンフタ
ロシアニン化合物のIRスペクトル図を示す。
【図5】実施例2で得られたジヒドロキシシリコンフタ
ロシアニン化合物のIRスペクトル図を示す。
【図6】比較例1で得られたジヒドロキシシリコンフタ
ロシアニン化合物のIRスペクトル図を示す。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン系シリコンフタロシアニン化合
    物を実質的にアルカリの不存在下、水並びに誘電率10
    以上の極性溶媒または含窒素有機溶媒中で加熱すること
    を特徴とするジヒドロキシシリコンフタロシアニン化合
    物の製造方法。
  2. 【請求項2】 誘電率10以上の極性溶媒がカーボネー
    ト類またはスルホキシド類であることを特徴とする請求
    項1記載のジヒドロキシシリコンフタロシアニン化合物
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 含窒素有機溶媒が、アミン系、アミド
    系、ラクタム系であることを特徴とする請求項1記載の
    ジヒドロキシシリコンフタロシアニン化合物の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 誘電率10以上の極性溶媒または含窒素
    有機溶媒の沸点が70℃以上であることを特徴とする請
    求項1乃至3記載のジヒドロキシシリコンフタロシアニ
    ン化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】 加水分解に必要な水の量が、処理溶媒
    (有機溶媒+水)に対して、30重量%以下であること
    を特徴とする請求項1乃至4記載のジヒドロキシシリコ
    ンフタロシアニン化合物の製造方法。
  6. 【請求項6】 処理溶剤(有機溶媒+水)の量が、ハロ
    ゲン化シリコンフタロシアニン化合物1重量部に対し
    て、1〜800重量部であることを特徴とする請求項1
    乃至5記載のジヒドロキシシリコンフタロシアニン化合
    物の製造方法。
  7. 【請求項7】 加水分解時の加熱温度が、70〜200
    ℃であることを特徴とする請求項1乃至6記載のジヒド
    ロキシシリコンフタロシアニン化合物の製造方法。
JP32521096A 1996-11-29 1996-12-05 ジヒドロキシシリコンフタロシアニン化合物の製造方法 Pending JPH10158535A (ja)

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EP97309565A EP0845502A3 (en) 1996-11-29 1997-11-27 Silicon phthalocyanine compound, method of producing the same and electrophotographic photoreceptor
US08/980,820 US6057071A (en) 1996-11-29 1997-12-01 Dihydroxysilicon compound and electrophotographic photoreceptor containing the compound

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6656652B2 (en) 2000-09-29 2003-12-02 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus

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