JPH10158770A - 耐食性に優れた熱交換器用ブレージングシートおよび該ブレージングシートを使用した熱交換器 - Google Patents

耐食性に優れた熱交換器用ブレージングシートおよび該ブレージングシートを使用した熱交換器

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JPH10158770A
JPH10158770A JP8331496A JP33149696A JPH10158770A JP H10158770 A JPH10158770 A JP H10158770A JP 8331496 A JP8331496 A JP 8331496A JP 33149696 A JP33149696 A JP 33149696A JP H10158770 A JPH10158770 A JP H10158770A
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core
clad
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Yoshiharu Hasegawa
義治 長谷川
Haruhiko Miyaji
治彦 宮地
Koji Hirao
幸司 平尾
Yuji Suzuki
祐治 鈴木
Hiroshi Ikeda
洋 池田
Hirokazu Tanaka
宏和 田中
Takahiro Koyama
高弘 小山
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Denso Corp
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Denso Corp
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐食性に優れ、クラッド圧延性も良好な熱交
換器用アルミニウム合金ブレージングシートおよび該ブ
レージングシートを組み込んだアルミニウム合金製熱交
換器を提供する。当該ブレージングシートは、自動車用
アルミニウム合金製熱交換器の流体通路構成材として適
し、ドロンカップ型熱交換器のコアプレート材としてと
くに好適に使用できる。 【解決手段】 芯材の片面に中間材をクラッドし、中間
材と芯材の他の面にAl−Si−Mg系のろう材をクラ
ッドした4層クラッドのブレージングシートであって、
芯材は、Mn:0.5〜1.6 %、Cu:0.15 〜0.35%、M
g:0.05 〜0.50%、Ti:0.06 〜0.30%を含有し、残部
Alおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金で
構成され、中間材は、Zn:1〜5 %、Mg:0.5〜1.2 %
を含み、残部Alおよび不可避的不純物からなる。ろう
付け後の熱交換器において、中間材と芯材の境界部のZ
n量を0.5 〜2.5 %、芯材の板厚中心から芯材とろう材
との境界までにおける芯材中の平均Zn量を0.3 %以下
に規制するのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐食性に優れた熱
交換器用ブレージングシート、とくに自動車用熱交換
器、例えばカーエアコンのエバポレータ、インタークー
ラなど、真空ろう付けにより接合される熱交換器の流体
通路構成材として適し、ドロンカップ型熱交換器の流体
通路構成材料として最も好適に使用されるアルミニウム
合金のブレージングシートおよび該ブレージングシート
を使用した熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】オイルクーラ、インタークーラ、ヒー
タ、エアコンのエバポレータ、コンデンサなどの自動車
用熱交換器、油圧機器や産業機械のオイルクーラなどに
は各種タイプのアルミニウム合金製熱交換器が使用され
ている。例えば、一時、コンデンサ、エバポレータの主
流となったコルゲートフィン型の熱交換器は、コルゲー
ト加工されたブレージングシートフィン材とサーペンタ
イン加工された多孔押出偏平管を、ろう付け接合してな
るものである。
【0003】また、より熱交換性能に優れ、とくにエバ
ポレータとして普及してきたドロンカップ型熱交換器
は、両面ろう材クラッドブレージングシートをプレス成
形してなるコアプレートを重ね、さらにコルゲート加工
したアルミニウム合金のフィン材を積層して、ろう付け
接合してなるものであり、重ねたコアプレート間に流体
通路が形成される。
【0004】コアプレートとしては、芯材がJIS30
03合金、3005合金など、Mnを主要合金成分とし
て含有するAl−Mn系、Al−Mn−Cu系、Al−
Mn−Mg系、Al−Mn−Cu−Mg系などの合金か
らなり、芯材の片面または両面にAl−Si−Mg系の
ろう材をクラッドしたブレージングシートを使用し、フ
ィン材としては、Al−Mn系、Al−Mn−Mg系、
Al−Mn−Cu系、Al−Mn−Zn系の材料を適用
する。コアプレートとフィン材との接合は、一般的には
真空ろう付けにより行われる。
【0005】耐食性についての問題点:しかしながら、
上記ブレージングシートにおいて、主要成分としてMn
を含有する芯材は耐孔食性が必ずしも十分ではなく、冷
媒用流体通路材として適用した場合、外側(空気側)か
らの孔食による貫通漏洩事故が発生することが少なくな
い。この対策として、例えばAl−Mn−Zn合金、A
l−Mn−Sn合金など、通路材より電位の卑なフィン
材を使用し、当該フィン材の犠牲陽極効果により流体通
路材を防食することが提案されている。
【0006】しかし、とくにエバポレータの場合、冷媒
が熱交換器内で蒸発して外気から熱を奪う際、熱交換器
の表面温度が低下して、外気中に含まれている水分が結
露してフィンに付着すると、この結露水は不純物をあま
り含まないため、導電率が極めて低くなり、フィンの犠
牲陽極効果によって発生する防食電流はフィン接合部近
傍にしか届かず、フィン接合部から少しでも離れると犠
牲陽極効果が及ばなくなる。また、軽油やガソリンなど
の自動車燃料の排気ガスや工場から排出されるS
4 2-、NO3 - などが結露水中に混入すると、孔食の
中に濃縮し、腐食の進行が著しく促進される。このため
コアプレートに貫通腐食が発生し、冷媒の漏れが生じ易
くなるという難点がある。
【0007】この問題を解決するために、芯材とろう材
との間に芯材より20〜100mV 卑な電位差を有するAl合
金の中間材を配設する4層クラッド材が提案されている
(特開昭60-251243 号公報)が、このクラッド材は、耐
食性の向上は期待できるものの、ろう付け後の強度が低
く、熱交換器としての耐圧性の確保が困難となる。さら
に、熱間圧延時の各層の接合が不完全となり易い。また
各層の強度や伸びが不均一であるため、クラッド板に反
りが生じ易く、またクラッド率にバラツキが生じるな
ど、製作上の問題もある。
【0008】ドロンカップ型熱交換器用コアプレート材
として、芯材を構成するAl−Mn系合金にCu、M
g、TiおよびSiを添加して、板厚方向に周期的なT
i化合物の濃度差を示す組織を形成させ、耐孔食性を向
上させる試みもなされている。この材料は海塩粒子が多
く飛来する地域においては良好な耐食性を示すものの、
排気ガスの多い地域では十分な耐孔食性の改善が期待で
きない。
【0009】ろう材にZnを添加してZnの犠牲陽極効
果による防食効果を期待する方法も試みられているが、
Znは犠牲陽極として有効であるものの、真空ろう付け
を行った場合、ろう付け温度におけるZnの蒸気圧がろ
う付け炉内の真空度より高いため、ろう付けの過程でZ
nがほとんど蒸発してプレート材中に残らず、犠牲陽極
効果が発揮されないという問題点がある。ろう付け後の
エバポレータにZnめっきを行い、その後亜鉛拡散のた
めに熱処理を行う方法もあるが、処理工程が多くなりコ
スト高となる。
【0010】クラッド圧延性についての問題点:芯材と
ろう材との間に中間材を配設する場合、中間材と芯材の
強度や伸びに差があると、熱間圧延時に板に反りが生じ
たり、各層の接合が不十分となり易く、またクラッド厚
さにバラツキを生じるなどの問題がある。反りの問題は
圧延速度を低くすることで多少は軽減されるが、生産効
率が低下し、量産には不適当となる。
【0011】芯材への溶融ろうの浸透についての問題
点:ドロンカップ型の熱交換器においては、プレート材
として焼鈍材(O材)を使用し、プレス成形したのち、
互いにろう付け接合することにより流体通路を形成する
が、プレス加工により導入された歪は、その後のろう付
け過程で再結晶し、歪は消失する。しかしながら、Al
−Mn系合金の場合、再結晶温度が高くなるために、加
えられた歪が少ないと、ろうが溶融する温度でも完全に
は歪が消失せず、歪が回復して形成されるサブグレイン
粒界が残ったままの状態となる。サブグレイン粒界では
拡散が容易に起こるため、Siろうが多量に芯材中に拡
散し、接合に必要なろうが不足して、ろう切れが生じ
る。ろうが浸透した部分では耐食性が劣り、強度も低下
する。この問題を解決するために、芯材の均質化処理を
高温で行ったり、最終焼鈍を高温、長時間で行う方法も
提案されているが、十分な対策とはなっていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】発明者らは、アルミニ
ウム合金製熱交換器の流体通路材における上記従来の問
題点を解消する芯材、中間材、ろう材からなる4層クラ
ッドの真空ろう付け用ブレージングシートを得るため
に、優れた耐食性を与え、且つクラッド材製作上の問題
をなくすための中間材について種々の観点から実験、検
討を行った結果、中間材にZnを添加した場合、以下の
現象が生じることを知見した。
【0013】すなわち、クラッド材の表面に近い部分で
はZnがろう材側に拡散し、ろう付け時に蒸発するが、
表面から遠い芯材側の部分では蒸発することなく残留
し、芯材中にもZnが拡散するために、Zn濃度は中間
材と芯材の境界近傍がピークとなり、ろう材側にも芯材
側にも濃度が低くなるような分布となる。そのため、芯
材の電位分布は、中間材との境界部が最も卑となり、芯
材の内部に向かうに従って次第に貴となるから、中間材
のない側(ろう材側)の芯材に対して、中間材および中
間材側の芯材が犠牲陽極となって、貫通腐食の発生が抑
制される。
【0014】本発明は、上記の知見と、優れたクラッド
圧延性を得るための芯材の組成と中間材の組成との組合
わせについて実験、検討を重ねた結果としてなされたも
のであり、その目的は、耐食性およびクラッド圧延性に
優れ、真空ろう付けにより組み立てられる熱交換器用ア
ルミニウム合金ブレージングシート、とくにドロンカッ
プ型熱交換器のコアプレート材として好適に使用できる
ブレージングシートおよび当該ブレージングシートを使
用した熱交換器を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による耐食性に優れた熱交換器用ブレージン
グシートは、芯材の片面に中間材をクラッドし、中間材
と芯材の他の面にAl−Si−Mg系のろう材をクラッ
ドしたアルミニウム合金ブレージングシートであって、
芯材は、Mn:0.5〜1.6 %、Cu:0.15 〜0.35%、M
g:0.05 〜0.50%、Ti:0.06 〜0.30%を含有し、残部
アルミニウムおよび不可避的不純物からなるアルミニウ
ム合金で構成され、中間材は、Zn:1〜5 %、Mg:0.5
〜1.2 %を含有し、残部アルミニウムおよび不可避的不
純物からなることを構成上の特徴とする。
【0016】本発明による熱交換器は、プレス成形した
上記のブレージングシート同士を、中間材が外側となる
よう重合し、ろう付け接合することにより流体通路を形
成するアルミニウム合金製熱交換器において、ろう付け
後における中間材と芯材との境界部のZn濃度を0.5 〜
2.5 %とし、芯材の板厚中心から芯材とろう材との境界
までにおける芯材中の平均Zn濃度を0.3 %以下とした
ことを特徴とする。
【0017】本発明における合金成分の意義およびその
限定理由について説明すると、芯材中のMnは、芯材の
強度を向上させるとともに、芯材の電位を貴にして、中
間材、ろう材、フィン材との電位差を大きくして耐孔食
性を高めるよう機能する。好ましい含有範囲は0.5 〜1.
6 %であり、0.5 %未満ではその効果が小さく、1.6%
を越えて含有すると、鋳造時に粗大な化合物が生成し、
圧延加工性が害される結果、健全な板材が得難い。Mn
のさらに好ましい含有量は0.7 〜1.4 %の範囲である。
【0018】Cuは、芯材の強度を向上させるととも
に、芯材の電位を貴にし、中間材、ろう材との電位差、
およびフィン材との電位差を大きくして、犠牲陽極効果
による防食効果を向上させるよう機能する。Cuの好ま
しい含有量は0.15〜0.35%の範囲であり、0.15%未満で
はその効果が小さく、0.35%を越えると、ブレージング
シートの伸びが低下してプレス成形時に割れが生じ易く
なる。
【0019】Mgは、芯材の強度を向上させる効果を有
する。またCuと共存して芯材の耐食性を向上させるよ
う機能する。Mgの好ましい含有範囲は0.05〜0.50%で
あり、0.05%未満ではその効果が十分でなく、0.5 %を
越えると、Mgの偏在が生じて耐食性が低下するととも
に、ろう付け時、ろうの浸透が生じ易くなる。Mgのさ
らに好ましい含有量は0.1 〜0.3 %の範囲である。
【0020】Tiは、材料の厚さ方向に濃度の高い領域
と低い領域とに分かれ、それらが交互に分布する層状組
織となり、Ti濃度の低い領域が高い領域に比べて優先
的に腐食することにより腐食形態を層状にする効果を有
し、それによって厚さ方向への腐食の進行を妨げて材料
の耐孔食性を向上させる。Tiの好ましい含有量は0.06
〜0.30%の範囲で、0.06%未満では効果が十分でなく、
0.30%を越えると、鋳造時に巨大な晶出物が生成し易く
なり、健全な材料の製造が難しくなる。なお、芯材中
に、0.20%以下のSi、0.30%以下のFe、0.15%以下
のCr、0.15%以下のZrが含有しても芯材の特性に影
響を与えることはない。
【0021】中間材のZnは、電位を卑にして犠牲陽極
効果を高める。真空ろう付け時の蒸発も考慮したZnの
好ましい含有量は1 〜5 %の範囲であり、1 %未満では
その効果が小さく、5 %を越えると、ろう付け後、芯材
の板厚中心から芯材とろう材との境界までにおける芯材
中の平均Zn濃度が0.3 %を越えるようになるため、犠
牲陽極効果が大きくなり過ぎ、守られるべき貴な芯材が
減少して貫通腐食を確実に防止するのが難しくなるとと
もに、ろう付け時に蒸発するZn量が多くなり炉の汚染
の問題が生じる。真空ろう付けにおいては、ろう材から
蒸発したMgが炉壁に付着するが、ろう付け後このまま
の状態で大気を導入すると、Mgが空気中の酸素と反応
して発火する危険性があるため、通常、Mgと同様、真
空ろう付け時に蒸発し易いZnをフィン材に少量添加し
て、MgとZnの化合物として炉壁に付着させ、空気中
の酸素との反応性を抑えることが行われている。
【0022】本発明においては、真空ろう付け時に中間
材から蒸発したZnは、ろう材から蒸発したMgととも
に炉壁に付着するため、従来のようにフィン材に対する
Znの添加は不必要となり、フィン材として3003合
金や3203合金がそのまま使用できるため、特殊なZ
n添加フィン材を使用する必要がなくなり、コスト低減
が可能となる。
【0023】Mgは、Mnと同様、強度の向上に寄与
し、芯材との強度差を少なくして、クラッド圧延時の反
りを減少させクラッド圧延性を向上させる。真空ろう付
けにおいて、表層部に近い部分のMgは蒸発するが、芯
材に近い部分においては残留するため、ろう付け後の強
度も向上し耐圧強度が高められる。また中間材の自然電
極電位を卑にして犠牲陽極効果を向上させる機能も有す
る。Mgの好ましい含有量は0.5 〜1.2 %の範囲であ
り、0.5 %未満ではその効果が小さく、1.2 %を越えて
含有すると、ろう付け後の結晶粒が細かくなり、ろう付
け時に溶融ろうが結晶粒界に浸透し、ろう付け不良が生
じ易くなる。また、熱間圧延時に表面酸化が生じクラッ
ド接合性を低下させる。
【0024】本発明の中間材は、Znを添加することに
より自然電極電位を卑に維持するとともに、Mgを添加
することにより強度を高めて芯材との強度差を小さく
し、安定したクラッド熱間圧延を可能とするものであ
る。本発明の中間材はMnを含有しないため、再結晶温
度がAl−Mn系材料より低く、従って、プレス加工度
が低くても、ろう材が溶融する前に再結晶が完了するか
ら、ろうの粒内浸透が生じ難くなり、ろうの不足による
ろう付け不良の発生、強度低下の問題が解消され、十分
な耐食性が保持される。なお、中間材中には、0.2 %以
下のSi、0.30%以下のFe、0.2 %以下のCr、Zr
またはTiが含有されておいても本発明のブレージング
シートの特性に影響を与えることはない。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の熱交換器用アルミニウム
合金ブレージングシートは、芯材、中間材およびろう材
を構成するアルミニウム合金を、例えば半連続鋳造によ
り造塊し、均質化処理したのち、中間材およびろう材に
ついては、それぞれ所定厚さまで熱間圧延する。つい
で、各材料を組合わせ、常法に従って、熱間圧延により
クラッド材とし、最終的に所定厚さまで冷間圧延した
後、最終的に焼鈍を行う工程を経て製造される。
【0026】本発明のブレージングシートを、例えばド
ロンカップ型熱交換器のコアプレートに成形し、成形し
たコアプレート同士を、中間材が外側となるよう重合
し、エバポレータなど、自動車用のドロンカップ型アル
ミニウム製熱交換器の組立てに使用する場合には、重合
したコアプレートの外側の中間材側にアルミニウム合金
のフィンを組合わせ、ろう付け炉中において真空ろう付
けを行う。
【0027】そのために、本発明のブレージングシート
においては、真空ろう付けのためのAl−Si−Mg系
ろう材がクラッドされる。この場合、真空ろう付け用ろ
う材として、基本的にSi:6〜13%、Mg:0.5〜3.0 %
を含むAl−Si−Mg合金が適用される。ろう材に
は、ろう付け性を改善するために、Bi:0.2%以下、B
e:0.2%以下のうちの1種または2種を含有させること
もできる。
【0028】真空ろう付けにより得られるアルミニウム
製熱交換器の犠牲陽極効果は、真空ろう付け後に残留す
るZnの分布に依存する。ろう付け時、中間材のZnは
ろう材中および芯材中に拡散する。ろう材中に拡散した
Znはろう付け時に蒸発するが、芯材中に拡散したZn
は蒸発しないため、Znの濃度は中間材と芯材との界面
付近で最大となり、ろう材側および芯材側にZnの濃度
勾配が生じる。本発明においては、ろう付け後における
中間材と芯材の境界部(境界面とその近傍)のZn濃度
を0.5 〜2.5 %、芯材の板厚中心から芯材とろう材との
境界までにおける芯材中の平均Zn濃度を0.3 %以下に
するのが好ましい。
【0029】中間材と芯材の境界部のZn濃度が0.5 %
未満では、電位の勾配が少なく十分な犠牲陽極効果が発
揮され難い。2.5 %を越えると、芯材に多量のZnが拡
散し、芯材の消耗が速くなり貫通寿命が低下し易い。芯
材の板厚中心から芯材とろう材との境界までにおける芯
材中の平均Zn濃度が0.3 %を越えると、中間材および
中間材側の芯材の犠牲陽極効果が大きくなり過ぎて、守
られるべき貴な芯材が減少し、貫通腐食を確実に抑制し
難くなる。本発明においては、芯材中にCuが含まれて
いるため、このCuがろう付け時に中間材と反対側のろ
う材中に拡散し、ろう材側の芯材の電位を貴にする。こ
のCuによる電位分布と上記Znによる電位分布の相乗
効果によって芯材と中間材との電位差は一層大きくな
り、十分な犠牲陽極効果が与えられる。従って、フィン
の犠牲陽極効果がほとんど期待できないような高導電率
希薄溶液環境下においても、きわめて良好な耐食性を得
ることが可能となる。
【0030】
【実施例】
実施例1 連続鋳造により、表1に示す組成を有する芯材用アルミ
ニウム合金、表2に示す組成を有する中間材用アルミニ
ウム合金を造塊し、均質化処理を行った。中間材につい
ては所定厚さに熱間圧延した。また、ろう材用合金(JI
S BA4104、Si:10 %、Mg:1.5%、Bi:0.1%)を同
様に造塊し、面削後480 ℃で熱間圧延し、クラッド率が
10%となるような厚さのろう材を準備した。芯材、中間
材およびろう材を、ろう材−中間材−芯材−ろう材とな
るように重ね合わせ、480 ℃の温度で熱間クラッド圧延
を行い、厚さ3mm のクラッド板(ブレージングシート)
を得た。さらに冷間圧延、焼鈍処理を行って、厚さ0.5m
m のクラッド板( O材、ブレージングシート)とした。
中間材の厚さは全板厚の15%である。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】クラッド板(ブレージングシート)から円
環状の板材を切り出し、図1に示すように、この円環状
の板材1について、中間材が凸側となるようプレス成形
を行い、得られたカップ状のプレス成形品2を、図2に
示すように交互に積層して真空ろう付けして、ろう付け
成形品3とした。真空ろう付けは、真空度5 ×10-5Torr
以下、温度600 ℃、保持時間3 分の条件で行った。ろう
付け後のろう付け部Aの詳細断面を図3に示す。
【0034】ろう付け成形品について、凝縮水を模擬し
た腐食試験を行った。腐食液としては、Cl- を10ppm
、SO4 2 - を200ppm含む水溶液を使用し、この腐食液
を連続噴霧した。腐食液以外の条件は塩水噴霧試験(JIS
Z 2371)に準じて行い、試験時間を3000時間として、漏
れ発生の有無を観察した。また、プレス成形を行わない
単板を、上記の真空ろう付け条件下で加熱して得た板材
についても、同一の腐食試験を行い、最大腐食深さを測
定した。
【0035】さらに、ろう付け前のクラッド板およびプ
レス成形を行わない単板を真空ろう条件下で加熱して得
た板材について引張試験を行い、ろう付け成形品につい
て、断面組織の顕微鏡観察を行い、ろうの浸食状況を調
べた。ろう付け前およびろう付け後の引張性能、芯材へ
のろうの浸食状況、中間材と芯材境界部および芯材中央
部のZn濃度、腐食試験の結果を表3に示す。表3に示
すように、本発明に従う試験材はいずれも、クラッド熱
間圧延時に反りを生じることがなく健全なクラッド板が
製造でき、ろう付け時、ろうの浸食が生じることなく、
ろう付け後の引張強度に優れ、カップ形状へのプレス成
形においても割れが生じることなく、腐食試験において
も、最大腐食深さはいずれも0.2mm 以下で、ろう付け成
形品にも漏れを生じることのない優れた耐食性を示し
た。
【0036】
【表3】 《表注》芯材のろう材側のZn濃度:芯材の板厚中心か
ら芯材とろう材との境界までにおける芯材中の平均Zn
濃度
【0037】比較例1 連続鋳造により、表4に示す組成を有する芯材用アルミ
ニウム合金、表5に示す組成の中間材用アルミニウム合
金、およびろう材用合金(JIS BA4104) を造塊し、実施
例1と同一の条件により、熱間クラッド圧延で3mm 厚さ
のクラッド板とした。一部のものについては健全なクラ
ッド板を得ることができなかったが、クラッド板が得ら
れたものについては、その後冷間圧延、焼鈍処理して最
終的に厚さ0.5mm のクラッド板(O材、ブレージングシ
ート、中間材厚さは全板厚の15%とした)を作製した。
得られたクラッド板材について、実施例1と同じ方法で
プレス成形、真空ろう付けを行い、プレス成形の可否を
調べ、実施例1と同じ条件で引張試験、腐食試験、ミク
ロ組織観察、プレス成形品の漏れ発生の有無の調査を行
った。これらの試験、観察および調査結果を表6に示
す。なお、表4〜6において本発明の条件を外れたもの
には下線を付した。
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】 《表注》芯材のろう材側のZn濃度:芯材の板厚中心か
ら芯材とろう材との境界までにおける平均Zn濃度 プレス成形 ○:可 ×:割れ発生 ろうの浸食 ○:浸食無し ×:浸食有り ろう付け成形品の漏れ ○:漏れ無し ×:漏れ発生
【0041】表6にみられるように、試験材No.15 は芯
材のMn量が少ないため、ろう付け後の強度が劣る。試
験材No.16 は芯材のMn量が多過ぎるため、鋳造時に粗
大な晶出物が形成され良好なクラッド材の製造ができな
かった。試験材No.17 は芯材のCu量が少ないため、芯
材に深い腐食が発生し、ろう付け成形品に貫通孔が生じ
た。試験材No.18 は芯材のCu量が多いため素材の伸び
が小さく、良好なプレス成形ができなかった。試験材N
o.19 は芯材のMg量が少ないため、腐食深さが大き
い。試験材No.20 は、芯材のMg量が多いため、ろうの
浸透が激しい。試験材No.21 は芯材のTi量が少ないた
め、腐食深さが大きくなり、ろう付け成形品に貫通孔が
生じた。試験材No.22 は芯材のTi量が多いため、粗大
な晶出物が生成し、健全なクラッド板が得られなかっ
た。
【0042】試験材No.23 は中間材のMg量が少ないた
め中間材の強度が低く、クラッド圧延時に板が大きく反
り返り、ブレージングシートが得られなかった。試験材
No.24 は中間材のMg量が多いため、ろう付け不良が生
じた。試験材No.25 は中間材のZn量が少ないため、中
間材と芯材の境界部のZn量が少なくなって、犠牲陽極
効果が減少したため、腐食深さが大きい。試験材No.26
は中間材のZn量が多過ぎるため、適切なZnの濃度勾
配が形成されず、腐食深さが大きい。また、ろう付け時
に多量のZnが蒸発して炉壁に付着した。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、耐食性に優れ、クラッ
ド圧延性にも優れた熱交換器用アルミニウム合金ブレー
ジングシートおよび該ブレージングシートを組み込んだ
アルミニウム合金製熱交換器が提供される。当該ブレー
ジングシートは、自動車用アルミニウム合金製熱交換器
の流体通路構成材として適し、ドロンカップ型熱交換器
のコアプレート材してとくに好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プレス成形品の説明図である。
【図2】プレス成形品をろう付け接合してなるろう付け
成形品の断面図である。
【図3】ろう付け部Aの詳細を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 円環状の板材 2 プレス成形品 3 ろう付け成形品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平尾 幸司 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 鈴木 祐治 東京都港区新橋5丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内 (72)発明者 池田 洋 東京都港区新橋5丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内 (72)発明者 田中 宏和 東京都港区新橋5丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内 (72)発明者 小山 高弘 東京都港区新橋5丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯材の片面に中間材をクラッドし、中間
    材と芯材の他の面にAl−Si−Mg系のろう材をクラ
    ッドしたアルミニウム合金ブレージングシートであっ
    て、芯材は、Mn:0.5〜1.6 %(重量%、以下同じ)、
    Cu:0.15 〜0.35%、Mg:0.05 〜0.50%、Ti:0.06
    〜0.30%を含有し、残部アルミニウムおよび不可避的不
    純物からなるアルミニウム合金で構成され、中間材は、
    Zn:1〜5 %、Mg:0.5〜1.2 %を含有し、残部アルミ
    ニウムおよび不可避的不純物からなることを特徴とする
    耐食性に優れた熱交換器用ブレージングシート。
  2. 【請求項2】 プレス成形した請求項1記載のブレージ
    ングシート同士を、中間材が外側となるように重合し、
    ろう付け接合することにより流体通路を形成するアルミ
    ニウム合金製熱交換器において、ろう付け後における中
    間材と芯材との境界部のZn濃度を0.5 〜2.5 %とし、
    芯材の板厚中心から芯材とろう材との境界までにおける
    芯材中の平均Zn濃度を0.3 %以下としたことを特徴と
    する熱交換器。
JP8331496A 1996-08-08 1996-11-27 耐食性に優れた熱交換器用ブレージングシートおよび該ブレージングシートを使用した熱交換器 Pending JPH10158770A (ja)

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