JPH10159634A - 車両用故障診断装置 - Google Patents

車両用故障診断装置

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JPH10159634A
JPH10159634A JP8318923A JP31892396A JPH10159634A JP H10159634 A JPH10159634 A JP H10159634A JP 8318923 A JP8318923 A JP 8318923A JP 31892396 A JP31892396 A JP 31892396A JP H10159634 A JPH10159634 A JP H10159634A
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Hiroshi Umehara
啓 梅原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサ
の検出値に基づいて排気エミッションを支配する部品の
故障診断を精度良く行う。 【解決手段】 エンジン始動後、EGR装置21が作動
する以前のアイドル運転期間中に、酸素濃度センサ17
の検出値が異常な値を示せば、酸素濃度センサ17の故
障と診断する。また、EGR装置21が作動する以前の
アイドル運転期間中にEGR装置21を短時間作動さ
せ、その前後の酸素濃度センサ17の検出値の変化量に
基づいてEGR装置21の故障診断を行う。更に、EG
R装置21とターボ過給機13の双方が作動していない
時に、故障診断の対象となる1つの気筒(診断気筒)で
燃料噴射量を増量し、他の気筒の燃料噴射量を診断気筒
の燃料噴射量の増量分をキャンセルするように減量補正
し、その時の酸素濃度センサ17の検出値に基づいて診
断気筒のインジェクタ22の故障診断を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気中の酸素濃度
を検出する酸素濃度検出手段の検出値を利用して排気エ
ミッションを支配するエンジン制御システム構成部品の
故障の有無を診断する機能を備えた車両用故障診断装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ガソリンエンジンでは、排気管
中に酸素濃度センサを設置して、この酸素濃度センサの
出力信号に基づいて空燃比をストイキ(理論空燃比)に
フィードバック制御することで、排気管中に設置した三
元触媒の排気浄化効率を高めるようにしている。近年、
この酸素濃度センサの出力信号から酸素濃度センサの故
障診断や、排気還流装置(EGR)の故障診断を行うも
のが提案されている。
【0003】酸素濃度センサの故障診断は、特公平6−
35848号公報に示すように、空燃比補正係数の減量
・増量の積分値から判定したり、特公平4一52385
公報に示すように、エンジン回転数変動から判定した
り、特開昭61−212643号公報に示すように、所
定時間の酸素センサの変動幅から判定するものが提案さ
れている。
【0004】また、EGRの故障診断は、特開昭62−
159756号公報に示すように、EGRをオン、オフ
した時の酸素濃度センサの出力信号のシフト量から判定
するものが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した技術は、いず
れもガソリンエンジンについて提案されたものであが、
最近、ディーゼルエンジンについても、排気浄化率向上
等を狙って、排気管に酸素濃度センサを設置し、この酸
素濃度センサの出力に基づいてEGR等の制御を行うこ
とが考えられている。従って、ディーゼルエンジンにつ
いても、上述したガソリンエンジンにおける故障診断技
術をそのまま転用できれば、ディーゼルエンジンの故障
診断システムを容易に構築できる。
【0006】しかし、ガソリンエンジンは、酸素濃度セ
ンサの検出値に基づいて空燃比をストイキ状態に制御す
るため、故障発生時には酸素濃度センサの検出値の変動
によって比較的故障を検知しやすい特徴を持つのに対
し、ディーゼルエンジンは、後述する表1に示すよう
に、運転状態が変化する毎に、酸素濃度センサの検出値
が大きく変動するために、その検出値の変動だけでは故
障を判定できない。しかも、ディーゼルエンジンは、ガ
ソリンエンジンに比べ、低負荷でEGRが作動する特有
の問題のために、酸素濃度センサの検出値のみでは酸素
濃度センサの故障かEGRの故障かを判別できない。以
上のことから、従来のガソリンエンジンの故障診断技術
をそのままディーゼルエンジンに転用することはできな
い。
【0007】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、ディーゼルエンジン
等の内燃機関において、酸素濃度検出手段の検出値に基
づいて、エンジン制御システム構成部品の故障診断を精
度良く行うことができる車両用故障診断装置を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の車両用故障診断装置は、内燃機
関の始動後、排気還流手段が作動する以前のアイドル運
転期間中に、排気還流手段を短時間作動させ、その前後
の酸素濃度検出手段の検出値の変化量に基づいて前記排
気還流手段の故障の有無を排気還流系故障診断手段によ
って診断する。つまり、排気還流手段が作動する以前の
アイドル運転期間中は、燃料噴射量が少なく、燃料噴射
の影響による排気中の酸素濃度の変動が比較的少ない安
定した運転領域であり、しかも、比較的多量の排気還流
を行える運転領域である。従って、このアイドル運転期
間中に排気還流手段を短時間作動させて、一時的に多量
の排気還流を行うと、排気中の酸素濃度が一時的に大き
く低下するが、排気還流手段が故障して排気の還流が行
われない場合には、排気還流による酸素濃度低下は起こ
らない。従って、このアイドル運転期間中に排気還流手
段を短時間作動させて、その前後の酸素濃度検出手段の
検出値の変化量を見ることで、排気還流手段の故障診断
を精度良く行うことができる。
【0009】ところで、燃料噴射制御手段の故障診断を
行う際に、排気還流手段が作動していると、排気中の酸
素濃度が排気還流による影響を受けて変動するため、燃
料噴射制御手段の故障診断を行うことはできない。
【0010】そこで、請求項2では、燃料噴射系故障診
断手段は、排気還流手段が作動していない運転状態の時
に、次のようにして燃料噴射制御手段の故障診断を行
う。故障診断の対象となる1つの気筒(以下「診断気
筒」という)で燃料噴射量を増量又は減量し、他の気筒
の燃料噴射量を前記診断気筒の燃料噴射量の増減分をキ
ャンセルするように補正し、その時の酸素濃度検出手段
の検出値に基づいて前記診断気筒の燃料噴射制御手段の
故障の有無を診断し、この故障診断を、診断気筒を順番
に替えて全気筒について行う。
【0011】この故障診断時には、全気筒の燃料噴射量
が気筒別に増減されるが、全気筒の燃料噴射制御手段が
正常に機能している場合には、全気筒の燃料噴射量合計
値は一定に保たれ、エンジン出力の変動が抑えられると
共に、全気筒の燃料噴射が一巡するクランク軸2回転
(720℃A)間で平均して見れば、排気中の酸素濃度
も変化しない。しかし、診断気筒の燃料噴射制御手段が
故障していると、その診断気筒の燃料噴射量を増量又は
減量しようとしても、それが実行できない。この場合で
も、診断気筒以外の気筒の燃料噴射量は、診断気筒の故
障とは関係なく、補正されるため、全気筒の燃料噴射量
合計値が変化して、全気筒の燃料噴射が一巡する間の平
均的な排気中の酸素濃度が変化する。このような特性を
利用することで、燃料噴射量増減補正後の酸素濃度検出
手段の検出値に基づいて診断気筒の燃料噴射制御手段の
故障の有無を精度良く診断することができる。
【0012】また、排気還流手段と吸気過給手段(過給
機)の双方を搭載した車両では、燃料噴射制御手段の故
障診断を行う場合、排気還流手段が作動していなくて
も、吸気過給手段が作動していると、排気中の酸素濃度
が過給空気による影響を受けて変動するため、燃料噴射
制御手段の故障診断を精度良く行うことはできない。
【0013】従って、この場合には、請求項3のよう
に、排気還流手段及び吸気過給手段の双方が作動してい
ない運転状態の時に、燃料噴射制御手段の故障診断を実
施することが好ましい。このようにすれば、排気還流手
段と吸気過給手段の双方を搭載した車両でも、酸素濃度
検出手段の検出値に基づいて燃料噴射制御手段の故障診
断を精度良く行うことができる。
【0014】更に好ましくは、請求項4のように、排気
還流手段及び吸気過給手段の双方が作動していない運転
状態で且つ高負荷低回転の時に、燃料噴射制御手段の故
障診断を実施すると良い。つまり、高負荷低回転の時に
は、燃料噴射量が多く(高負荷のため)、診断気筒の燃
料噴射量の増減幅を大きく取れると共に、高回転時と比
較して、低回転時の方が各気筒の燃料噴射と酸素濃度検
出手段の検出値との関係を把握しやすい。従って、高負
荷低回転の時に、燃料噴射制御手段の故障診断を実施す
れば、故障診断精度を更に向上することができる。
【0015】この場合、請求項5のように、故障診断時
に酸素濃度検出手段の検出値の平均値に基づいて診断気
筒の燃料噴射制御手段の故障の有無を診断しても良い。
前述したように、全気筒の燃料噴射制御手段が正常に機
能している場合には、全気筒の燃料噴射量合計値は一定
に保たれるが、診断気筒が故障している場合には、全気
筒の燃料噴射量合計値が変化する。この燃料噴射量合計
値は酸素濃度検出手段の検出値の平均値で評価できるた
め、酸素濃度検出手段の検出値の平均値に基づいて診断
気筒の燃料噴射制御手段の故障診断を精度良く行うこと
ができる。
【0016】また、排気還流手段と吸気過給手段の双方
を搭載した車両では、請求項6のように、排気還流手段
が作動しない運転領域で、吸気過給手段が作動している
時に酸素濃度検出手段の検出値に基づいて吸気過給手段
の故障の有無を吸気過給系故障診断手段により診断する
ようにしても良い。つまり、吸気過給手段が正常に機能
している場合には、過給時の排気中の酸素濃度は過給効
果により上昇し且つ比較的安定しているが、吸気過給手
段が故障している場合には、このような過給効果による
酸素濃度上昇は起こらず、吸入空気量が変動して排気中
の酸素濃度の変動幅が大きくなる傾向がある。従って、
排気還流手段が作動しない運転領域で、吸気過給手段が
作動している時に、排気中の酸素濃度を酸素濃度検出手
段で検出して、その検出値に基づいて吸気過給手段の故
障の有無を診断すれば、従来の三元触媒を用いるガソリ
ンエンジンでは行うことができなかった吸気過給手段の
故障診断を精度良く行うことができる。
【0017】更に、請求項7のように、内燃機関の始動
後、排気還流手段が作動する以前のアイドル運転期間中
に、酸素濃度検出手段の検出値を判定値と比較すること
で、該酸素濃度検出手段の故障の有無を酸素濃度検出系
故障診断手段により診断するようにしても良い。つま
り、排気還流手段が作動する以前のアイドル運転期間中
は、燃料噴射量が少なく、燃料噴射の影響による排気中
の酸素濃度の変動が比較的少ない安定した運転領域であ
る。従って、排気還流手段が作動する以前のアイドル運
転期間中に、酸素濃度検出手段の検出値が異常な値を示
せば、それを酸素濃度検出手段の故障と診断することが
できる。
【0018】以上説明した排気還流手段、燃料噴射制御
手段、吸気過給手段、酸素濃度検出手段についての各故
障診断の順序は種々考えられるが、請求項8のように、
酸素濃度検出手段の故障診断を行った後、排気還流手段
の故障診断を行うことが好ましい。つまり、酸素濃度検
出手段の検出値に基づいて故障診断を行うため、酸素濃
度検出手段が故障していたのでは、排気還流手段の故障
診断を行うことができない。それ故に、最初に、酸素濃
度検出手段の故障診断を行い、その後に、排気還流手段
の故障診断を行えば、故障診断の信頼性を向上できる。
【0019】更に、請求項9のように、燃料噴射制御手
段の故障診断を行った後、吸気過給手段の故障診断を行
うようにすると良い。吸気過給手段の作動領域は、高負
荷高回転領域であり、燃料噴射量が多い領域で吸気過給
手段の故障診断を行うため、燃料噴射制御手段の動作不
良があると、その影響が大きい。従って、燃料噴射制御
手段の故障診断を行って、燃料噴射制御手段が正常に機
能していることを確認してから吸気過給手段の故障診断
を行えば、故障診断の信頼性を向上できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。まず、図1に基づいてエンジン制
御システム全体の概略構成を説明する。内燃機関である
ディーゼルエンジン11の吸気管12には、吸気過給手
段としてターボ過給機13の吸気タービン14が設置さ
れている。このターボ過給機13の吸気タービン14と
連結された排気タービン15がディーゼルエンジン11
の排気管16内に設置され、この排気タービン15を排
気ガスの運動エネルギによって回転駆動することで、吸
気タービン14を回転させて過給圧を発生させる。排気
タービン15の下流側の排気管16内には、排気中の酸
素濃度を検出する酸素濃度検出手段として限界電流式の
酸素濃度センサ17が設置されている。
【0021】吸気タービン14の下流側の吸気管12に
は、電子スロットル方式の吸気絞り弁18が設けられて
いる。この吸気絞り弁18の下流側の吸気管12と排気
タービン15の上流側の排気管16との間にはEGR配
管19が接続され、このEGR配管19の途中に電子制
御式のEGR弁20が設置され、このEGR弁20の弁
開度を調整することで、EGR配管19を通過するEG
R流量が制御される。これらEGR配管19、EGR弁
20及び吸気絞り弁18から排気還流手段である排気還
流装置(EGR装置)21が構成されている。EGR流
量を制御するEGR弁20は、電子制御式のものであれ
ば良く、その駆動源は、バキュームポンプの負圧、ステ
ップモータ等のいずれであっても良い。
【0022】尚、吸気絞り弁18は、アクセル操作とは
連動せず、エンジン停止時の振動を低減する目的で、燃
料をカットする前に吸気絞り弁18を閉鎖して吸入空気
量を大幅に減少させ、噴射した燃料が失火してディーゼ
ルエンジン11が停止してから燃料がカットされる。ま
た、EGR装置21で多量のEGR流量を吸気系へ戻す
場合には、吸気絞り弁18の開度を小さくして吸入空気
量を減少させ、EGR率を増加させる。ディーゼルエン
ジン11の各気筒には、燃料噴射制御手段としてインジ
ェクタ22が取り付けられている。
【0023】ディーゼルエンジン11の運転状態は、エ
ンジン回転数センサ、アクセルセンサ、車速センサ、エ
ンジン水温センサ等のエンジン運転状態検出手段25に
よって検出され、このエンジン運転状態検出手段25と
酸素濃度センサ17の出力信号は、エンジン制御用コン
ピュータ26と故障診断用コンピュータ27とに読み込
まれる。エンジン制御用コンピュータ26は、エンジン
運転状態検出手段25で検出したエンジン運転状態に基
づいて、各気筒の燃料噴射量や噴射時期を算出して、そ
の噴射信号を各気筒のインジェクタ22に出力して燃料
噴射制御を実行すると共に、酸素濃度センサ17で検出
した排気中の酸素濃度が目標酸素濃度と一致するように
EGR装置21のEGR流量(EGR弁20と吸気絞り
弁18の弁開度)を制御して、NOx排出量を低減す
る。
【0024】一方、故障診断用コンピュータ27に内蔵
されたROM(記憶媒体)には、図2乃至図6に示す故
障診断用のプログラムが記憶されている。故障診断用コ
ンピュータ27は、これらの故障診断用のプログラムを
実行することで、酸素濃度センサ17の出力信号に基づ
いて、EGR装置21、ターボ過給機13、インジェク
タ22及び酸素濃度センサ17の故障診断を行う。この
故障診断用コンピュータ27にはデータベース記憶手段
28が接続され、このデータベース記憶手段28には、
故障診断に用いる各種の判定値や、この判定値を算出す
るための基礎データが記憶されている。このデータベー
ス記憶手段28は、外付けでも良いが、故障診断用コン
ピュータ27に内蔵させても良い。
【0025】更に、故障診断用コンピュータ27には、
警告表示器、警告音発生器等の警告手段29が接続さ
れ、故障検出時には、警告手段29で故障の警告を行う
と共に、故障診断用コンピュータ27に内蔵されたバッ
クアップRAM等の書込み可能な不揮発性メモリ(図示
せず)に故障データが記憶される。
【0026】以下、この故障診断用コンピュータ27が
実行する図2乃至図6の故障診断用の各プログラムの内
容を説明する。
【0027】[故障診断メインプログラム]図2に示す
故障診断メインプログラムは、故障診断の順序を制御す
るプログラムであり、イグニッションスイッチ(図示せ
ず)のオン後に所定時間毎又は所定クランク角毎に繰り
返し実行される。この故障診断メインプログラムが起動
されると、まずステップ100で、後述する図3の酸素
濃度検出センサ故障診断プログラムを実行する。次のス
テップ200で、後述する図4のEGR故障診断プログ
ラムを実行した後、ステップ300で、後述する図5の
インジェクタ故障診断プログラムを実行する。そして、
最後のステップ400で、後述する図6のターボ過給機
故障診断プログラムを実行する。
【0028】以上の順序で各故障診断プログラムを実行
することで、酸素濃度検出センサ17の故障診断→EG
R装置21の故障診断→インジェクタ22の故障診断→
ターボ過給機13の故障診断の順序で故障診断が行われ
る。いずれの故障診断も、酸素濃度センサ17の検出値
に基づいて故障を判定するため、酸素濃度センサ17が
故障していたのでは、EGR装置21等の故障診断を行
うことができない。それ故に、この実施形態では、最初
に、酸素濃度センサ17の故障診断を行い、その後に、
EGR装置21等の故障診断を行うことで、故障診断の
信頼性を向上させる。
【0029】この故障診断は、次の表1に示すようなエ
ンジン回転数、トルク(負荷)、EGR装置21のオン
/オフ、酸素濃度センサ17の検出値の関係を利用して
行われる。
【0030】
【表1】
【0031】図7に示すように、酸素濃度センサ17の
検出値は、ある変動幅を持って変動し、その平均検出値
と変動幅は、気筒内部での燃料の燃焼条件により変動す
る。つまり、酸素濃度センサ17の平均検出値と変動幅
は、エンジン回転数、トルク、燃料噴射量の変化によっ
て変動することはもとより、気筒内の酸素濃度を低下さ
せて燃焼温度を低下させるために作動されるEGR装置
21の作動状態や、吸入空気量を増加させるターボ過給
機13の作動状態によっても大きく変化する(表1参
照)。同じエンジン回転数で、トルクが増加した場合、
その必要トルクを得るために、インジェクタ22の燃料
噴射量が増加するため、酸素濃度センサ17の平均検出
値が低下し、変動幅は増加する。また、EGR装置21
がオンされると、同様に酸素濃度センサ17の平均検出
値が低下し、変動幅は増加する。このようにエンジン運
転条件によって排気中の酸素濃度が大きく変化する現象
は、三元触媒を用いるために排気の空然比を一定に制御
するガソリンエンジンでは有り得ない。
【0032】この実施形態では、エンジン運転条件によ
って排気中の酸素濃度が大きく変化する現象を利用し、
酸素濃度センサ17の検出値に基づいて、排気エミッシ
ョンを支配する全てのエンジン制御システム構成部品の
故障診断を行うものである。 [酸素濃度検出センサ故障診断プログラム]図3に示す
酸素濃度検出センサ故障診断プログラムは、特許請求の
範囲でいう酸素濃度検出系故障診断手段としての役割を
果たし、エンジン始動後、EGR装置21が作動する以
前のアイドル運転期間中に、酸素濃度センサ17の検出
値に基づいて該酸素濃度センサ17の故障の有無を診断
する。つまり、エンジン始動後、EGR装置21が作動
する以前のアイドル運転期間(アイドル運転期間はター
ボ過給機13が作動しない)では、ある程度の暖機が行
われてエンジン回転数が低回転で安定した後は、燃料噴
射量が少なく、燃料噴射の影響による排気中の酸素濃度
の変動が比較的少なく安定している(表1参照)。従っ
て、EGR装置21が作動する以前のアイドル運転期間
中に、酸素濃度センサ17の検出値が異常な値を示せ
ば、それを酸素濃度センサ17の故障と診断することが
できる。これを利用し、酸素濃度検出センサ故障診断プ
ログラムは、EGR装置21が作動する以前のアイドル
運転期間中に酸素濃度センサ17の故障診断を行うもの
である。
【0033】以下、この酸素濃度検出センサ故障診断プ
ログラムの処理の流れを図3のフローチャートに従って
説明する。本プログラムが起動されると、まずステップ
101で、エンジン始動後のエンジン暖機状態を判定す
るために、エンジン冷却水温が例えば60℃以上である
か否かを判定し、60℃未満であれば、60℃以上にな
るまで待機する。その後、エンジン冷却水温が60℃以
上になった時点で、ステップ101からステップ102
に進み、アクセルがオフか否か、すなわちアイドル運転
中か否かを判定し、アクセルが踏み込まれていれば、ア
クセルがオフになるまで待機する。
【0034】アクセルがオフであれば、ステップ103
に進み、車速ゼロ(停車中)であるか否かを判定し、車
速ゼロでなければ、ステップ102に戻って、アクセル
オフ、車速ゼロになるまで待機する。アクセルオフ、車
速ゼロの場合には、ステップ104に進み、EGR装置
21がオフ(作動停止)か否かを判定し、既にEGR装
置21がオン(作動中)であれば、以降の故障診断処理
を行うことなく、本プログラムを終了する。
【0035】一方、EGR装置21がオフ(作動停止)
であれば、ステップ105に進み、故障診断の判定値を
設定する。ここで、判定値の設定方法としては、現在の
エンジン運転状態から予測される酸素濃度センサ17の
検出値の範囲(予測検出値の最小値と最大値)を判定値
として設定する。この判定値は、データベース記憶手段
28に記憶されている記憶値を読み込んで設定したり、
エンジン運転状態検出手段25で検出した運転状態から
算出したり、或は、エンジン運転状態検出手段25とデ
ータベース記憶手段28の双方の信号から算出しても良
い。
【0036】このようにして予測検出値の最小値と最大
値を判定値として設定した後、ステップ106に進み、
酸素濃度センサ17の検出値(平均検出値が好ましい)
をステップ105で設定した最小値と最大値の判定値と
比較し、酸素濃度センサ17の検出値が2つの判定値の
範囲内であるか否かを判定する。もし、酸素濃度センサ
17の検出値が2つの判定値の範囲内にあれば、ステッ
プ107に進み、酸素濃度センサ17が正常と判定し
て、本プログラムを終了する。
【0037】これに対し、ステップ106で、酸素濃度
センサ17の検出値が2つの判定値の範囲から外れてい
ると判定された場合には、酸素濃度センサ17が排気中
の酸素濃度に対応する出力を発生しない状態、すなわち
故障状態になっているので、ステップ108に進み、酸
素濃度センサ17が故障と判定し、次のステップ109
で、警告手段29で故障の警告を行うと共に、故障診断
用コンピュータ27に内蔵されたバックアップRAM等
の書込み可能な不揮発性メモリ(図示せず)に酸素濃度
センサ17の故障データを記憶して、本プログラムを終
了する。
【0038】以上説明した処理では、予測検出値の最小
値と最大値の双方を判定値としたが、いずれか一方のみ
を判定値としても良い。この判定値と比較する酸素濃度
センサ17の検出値は、平均値が好ましいが、平均値で
なくても良い。
【0039】[EGR故障診断プログラム]図4に示す
EGR故障診断プログラムは、特許請求の範囲でいう排
気還流系故障診断手段としての役割を果たし、上述した
図3の酸素濃度検出センサ故障診断プログラムを終了し
た後に、実行される。
【0040】まず、EGR装置21の故障診断の概要を
説明する。エンジン始動後のEGR装置21が作動して
いないアイドル運転期間(アイドル運転期間はターボ過
給機13が作動しない)では、ある程度の暖機が行われ
てエンジン回転数が低回転で安定した後は、燃料噴射量
が少なく、燃料噴射の影響による排気中の酸素濃度の変
動が比較的少なく、しかも、比較的多量の排気還流を行
うことが可能である。従って、この運転領域でEGR装
置21を短時間作動させて、一時的に多量の排気還流を
行うと、排気中の酸素濃度が一時的に大きく低下するが
(表1参照)、EGR装置21が故障して排気の還流が
行われない場合には、排気還流による酸素濃度低下は起
こらない。この性質を利用し、酸素濃度検出センサ故障
診断プログラムは、アイドル運転期間中の所定時期にE
GR装置21を短時間作動させて、その前後の酸素濃度
センサ17の検出値の変化量を見ることで、EGR装置
21の故障診断を行うものである。
【0041】以下、このEGR故障診断プログラムの処
理の流れを図4のフローチャートに従って説明する。ス
テップ201〜204の処理は、図3のステップ101
〜104の処理と全く同じである。すなわち、エンジン
始動後、エンジン冷却水温が例えば60℃以上で、且つ
アクセルオフ、車速ゼロの場合に、EGR装置21がオ
フ(作動停止)か否かを判定し、既にEGR装置21が
オン(作動中)であれば、以降の故障診断処理を行うこ
となく、本プログラムを終了する。
【0042】一方、EGR装置21がオフ(作動停止)
であれば、ステップ205に進み、EGR装置21をオ
ンし、EGR弁20を開放し吸気絞り弁18を指定量閉
じて排気の還流を行う。この後、ステップ206に進
み、現在のエンジン運転状態に対応する故障診断の判定
値を設定する。ここで、判定値は、EGR装置21が正
常な場合にEGR装置21をオフからオンに切り換えた
時の酸素濃度センサ17の検出値(平均検出値が好まし
い)の変化量の最小値に相当する値に設定する。この判
定値は、データベース記憶手段28に記憶されている記
憶値を読み込んで設定したり、エンジン運転状態検出手
段25で検出した運転状態から算出したり、或は、エン
ジン運転状態検出手段25とデータベース記憶手段28
の双方の信号から算出しても良い。
【0043】このようにして判定値を設定した後、ステ
ップ207に進み、EGR装置21をオフからオンに切
り換えた時の酸素濃度センサ17の検出値(平均検出値
が好ましい)の変化量を上記判定値と比較して、検出値
の変化量が判定値以上であれば、ステップ208に進
み、EGR装置21が正常と判定し、続くステップ21
1で、EGR装置21をオフして本プログラムを終了す
る。
【0044】これに対し、ステップ207で、酸素濃度
センサ17の検出値の変化量が判定値より小さいと判定
された場合には、EGR流量が流れない状態、すなわち
故障状態になっているので、ステップ209に進み、E
GR装置21が故障と判定し、次のステップ210で、
警告手段29で故障の警告を行うと共に、故障診断用コ
ンピュータ27に内蔵された書込み可能な不揮発性メモ
リ(図示せず)にEGR装置21の故障データを記憶
し、続くステップ211で、EGR装置21をオフして
本プログラムを終了する。
【0045】尚、上記ステップ205では、EGR装置
21をオンしてEGR弁20と吸気絞り弁18の双方を
同時に作動させて排気の還流を行うようにしたが、EG
R弁20と吸気絞り弁18とを別々に開放、指定量閉じ
て、EGR弁20と吸気絞り弁18の各々について故障
診断を上述と同様の方法で行うようにしても良い。この
ようにすれば、EGR装置21の故障発生時に、その故
障箇所がEGR弁20と吸気絞り弁18のいずれである
か特定できる。この場合、EGR弁20と吸気絞り弁1
8の双方を同時に作動させてEGR装置21の故障診断
を行い、故障と診断された時にEGR弁20と吸気絞り
弁18とを別々に開放して故障診断して、故障箇所を特
定するようにしても良い。
【0046】但し、本発明は、吸気絞り弁18を省略し
て、EGR弁20のみでEGR流量を制御する構成とし
ても良いことは言うまでもない。
【0047】[インジェクタ故障診断プログラム]図5
に示すインジェクタ故障診断プログラムは、特許請求の
範囲でいう燃料噴射系故障診断手段としての役割を果た
し、上述した図4のEGR故障診断プログラムを終了し
た後に、実行される。インジェクタ22の故障診断を行
う場合、EGR装置21やターボ過給機13が作動して
いると、排気中の酸素濃度が排気還流や過給による影響
を受けて変動するため、インジェクタ22の故障診断を
行うことはできない。
【0048】そこで、このインジェクタ故障診断プログ
ラムでは、まずステップ301で、EGR装置21とタ
ーボ過給機13の双方が作動しない運転領域であるか否
かを判定し、もし、EGR装置21やターボ過給機13
が作動していれば、以降の故障診断処理を行うことな
く、本プログラムを終了する。
【0049】一方、ステップ301でEGR装置21と
ターボ過給機13の双方が作動しない運転領域であると
判断された場合には、ステップ302に進み、高負荷低
回転領域であるかを判定し、高負荷低回転領域でない場
合には、以降の故障診断処理を行うことなく、本プログ
ラムを終了し、高負荷低回転領域の場合に限り、ステッ
プ303以降の処理によってインジェクタ22の故障診
断を行う。
【0050】ここで、高負荷低回転領域で故障診断を行
う理由は、高負荷低回転領域では、燃料噴射量が多く
(高負荷のため)、故障診断の対象となる1つの気筒の
燃料噴射量の増加量(ひいては他の気筒の燃料噴射量の
減少量)を大きく取れると共に、高回転時と比較して、
低回転時の方が各気筒の燃料噴射と酸素濃度センサ17
の検出値との関係を把握しやすいためである。更に、高
負荷時には、燃料噴射量が多くなることで、排気中の酸
素濃度が低くなるため、排気中の酸素濃度が高くなる低
負荷時と比較して、酸素濃度センサ17の検出精度が高
くなるという酸素濃度センサ17の検出特性もある。
【0051】ステップ303以降で行う故障診断処理
は、次のようにして行われる。まず、ステップ303
で、故障診断の対象となる1つの気筒(以下「診断気
筒」という)のみ燃料噴射量を所定量Fだけ増量し、他
の5気筒(6気筒エンジンの場合)の燃料噴射量をそれ
ぞれF/5ずつ減量する。一般に、N気筒エンジンで、
1気筒のみ燃料噴射量を所定量Fだけ増量する場合に
は、他の(N−1)気筒の燃料噴射量をそれぞれF/
(N−1)ずつ減量する。
【0052】これにより、全気筒の燃料噴射量が気筒別
に増減されるが、全気筒のインジェクタ22が正常に機
能している場合には、全気筒の燃料噴射量合計値は一定
に保たれ、エンジン出力の変動が抑えられると共に、全
気筒の燃料噴射が一巡するクランク軸2回転(720℃
A)間で平均して見れば、排気中の酸素濃度も変化しな
い。しかし、診断気筒のインジェクタ22が故障してい
ると、その診断気筒の燃料噴射量を増量しようとして
も、それが実行できない。この場合でも、診断気筒以外
の気筒の燃料噴射量は、診断気筒の故障とは関係なく、
減量補正されるため、全気筒の燃料噴射量合計値が減少
して、全気筒の燃料噴射が一巡する間の平均的な排気中
の酸素濃度が増加する。このような特性を利用すること
で、燃料噴射量増減補正後の酸素濃度センサ17の検出
値に基づいて診断気筒のインジェクタ22の故障の有無
を精度良く診断するものである。
【0053】前述したように、ステップ303で、各気
筒の燃料噴射量を増減した後、ステップ304で、酸素
濃度センサ17の平均検出値が現在のエンジン運転状態
から予測される許容範囲内であるか否かを判定する。こ
こで、平均検出値(検出値の平均値)を用いる理由は、
次の通りである。すなわち、全気筒のインジェクタ22
が正常に機能している場合には、ステップ303で、各
気筒の燃料噴射量を増減しても、全気筒の燃料噴射量合
計値は一定に保たれるが、診断気筒が故障している場合
には、全気筒の燃料噴射量合計値が変化する。この燃料
噴射量合計値はインジェクタ22の平均検出値で評価で
きるため、図7に示すように、各気筒毎に酸素濃度セン
サ17の検出値(燃料噴射量)が変動しても、その平均
検出値(燃料噴射量合計値に対応)を用いることで、診
断気筒のインジェクタ22の故障診断を精度良く行うこ
とができる。
【0054】尚、上述した現在のエンジン運転状態から
予測される許容範囲は、データベース記憶手段28に記
憶されている記憶値を読み込んで設定したり、エンジン
運転状態検出手段25で検出した運転状態から算出した
り、或は、エンジン運転状態検出手段25とデータベー
ス記憶手段28の双方の信号から算出しても良い。
【0055】前述したステップ304で、酸素濃度セン
サ17の平均検出値が許容範囲外と判定された場合に
は、燃料噴射量合計値が変化したことを意味し、燃料噴
射量合計値の変化は、診断気筒のインジェクタ22の故
障を意味するため、この場合には、ステップ305に進
み、診断気筒のインジェクタ22が故障と判定し、続く
ステップ306で、警告手段29で故障気筒の警告を行
うと共に、故障診断用コンピュータ27に内蔵された書
込み可能な不揮発性メモリ(図示せず)に故障気筒のデ
ータを記憶する。
【0056】一方、前述したステップ304で、酸素濃
度センサ17の平均検出値が許容範囲内と判定された場
合には、燃料噴射量合計値が一定であることを意味する
ため、ステップ307に進み、診断気筒のインジェクタ
22が正常と判定する。このようにして、診断気筒のイ
ンジェクタ22の正常/故障を判定した後、ステップ3
08に進み、全気筒の故障診断が終了したか否かを判定
し、終了していなければ、ステップ301に戻り、EG
R装置21とターボ過給機13の双方が作動していない
運転状態で且つ高負荷低回転の時に、診断気筒を替えて
インジェクタ22の故障診断を繰り返す。この後、全気
筒の故障診断が終了した時、又は、ステップ301,3
02のいずれかの判定が「No」となった時に、本プロ
グラムを終了する。
【0057】尚、上記ステップ303では、診断気筒の
燃料噴射量を増量するようにしたが、これを減量し、他
の気筒の燃料噴射量を診断気筒の燃料噴射量の減量分を
キャンセルするように増量補正するようにしても良い。
【0058】また、上記ステップ304では、酸素濃度
センサ17の平均検出値が許容範囲内であるか否かで、
正常/故障の判定を行うようにしたが、酸素濃度センサ
17の平均検出値を判定値と比較して正常/故障の判定
を行うようにしても良い。この場合、判定値の設定方法
としては、現在のエンジン運転状態から予測される酸素
濃度センサ17の平均検出値の最小値(診断気筒の燃料
噴射量を減量する場合には予測平均検出値の最大値)を
判定値として設定すれば良い。この判定値は、データベ
ース記憶手段28に記憶されている記憶値を読み込んで
設定したり、エンジン運転状態検出手段25で検出した
運転状態から算出したり、或は、エンジン運転状態検出
手段25とデータベース記憶手段28の双方の信号から
算出しても良い。
【0059】また、酸素濃度センサ17の平均検出値を
用いたが、酸素濃度センサ17の検出値の積分値(積算
値)を用いても、同様の効果が得られる。
【0060】[ターボ過給機故障診断プログラム]図6
に示すターボ過給機故障診断プログラムは、特許請求の
範囲でいう吸気過給系故障診断手段としての役割を果た
し、上述した図5のインジェクタ故障診断プログラムを
終了した後に、実行される。
【0061】まず、ターボ過給機13の故障診断の概要
を説明する。ターボ過給機13が正常に機能している場
合には、過給時の排気中の酸素濃度は過給効果により上
昇し且つ比較的安定しているが、ターボ過給機13が故
障している場合には、このような過給効果による酸素濃
度上昇は起こらず、吸入空気量が変動して排気中の酸素
濃度の変動幅が大きくなる傾向がある。従って、EGR
装置21が作動しない運転領域、つまりEGR装置21
の影響を受けない領域で、ターボ過給機13が作動して
いる時に、排気中の酸素濃度を酸素濃度センサ17で検
出して、その検出値の変動幅に基づいてターボ過給機1
3の故障の有無を診断すれば、従来の三元触媒を用いる
ガソリンエンジンでは行うことができなかったターボ過
給機13の故障診断を精度良く行うことができる。
【0062】以下、このターボ過給機故障診断プログラ
ムの処理の流れを図6のフローチャートに従って説明す
る。本プログラムが起動されると、まずステップ401
で、エンジン始動後のエンジン暖機状態を判定するため
に、エンジン冷却水温が例えば80℃以上であるか否か
を判定し、80℃未満であれば、80℃以上になるまで
待機する。その後、エンジン冷却水温が80℃以上にな
った時点で、ステップ401からステップ402に進
み、ターボ過給機13の作動領域であるか否かを判断す
るために、エンジン回転数が例えば2000rpm以上
であるか否かを判定し、2000rpm未満の場合には
2000rpm以上になるまで待機する。
【0063】その後、2000rpm以上になれば、ス
テップ403に進み、EGR装置21がオフ(作動停
止)か否かを判断し、EGR装置21がオン(作動中)
であれば、ステップ402に戻り、2000rpm以上
で且つEGR装置21がオフとなるまで待機する。
【0064】その後、2000rpm以上で且つEGR
装置21がオフになれば、ステップ404に進み、現在
のエンジン運転状態に対応する故障診断の判定値を設定
する。ここで、判定値は、ターボ過給機13が正常な場
合の酸素濃度センサ17の検出値の変動幅の最大値に相
当する値に設定する。この判定値は、データベース記憶
手段28に記憶されている記憶値を読み込んで設定した
り、エンジン運転状態検出手段25で検出した運転状態
から算出したり、或は、エンジン運転状態検出手段25
とデータベース記憶手段28の双方の信号から算出して
も良い。
【0065】このようにして判定値を設定した後、ステ
ップ405に進み、酸素濃度センサ17の検出値の変動
幅(図7に示す検出値の最大値と最小値の差)を上記判
定値と比較して、検出値の変動幅が判定値以下であれ
ば、ステップ408に進み、ターボ過給機13が正常と
判定し、本プログラムを終了する。
【0066】これに対し、ステップ405で、酸素濃度
センサ17の検出値の変動幅が判定値を越えていると判
定された場合には、ステップ406に進み、ターボ過給
機13が故障と判定し、次のステップ407にて、警告
手段29で故障の警告を行うと共に、故障診断用コンピ
ュータ27に内蔵された書込み可能な不揮発性メモリ
(図示せず)にターボ過給機13の故障データを記憶し
て本プログラムを終了する。
【0067】尚、上記ステップ405では、酸素濃度セ
ンサ17の検出値の変動幅が判定値を越えているか否か
で、ターボ過給機13の故障/正常を判定するようにし
たが、酸素濃度センサ17の平均検出値が現在のエンジ
ン運転状態から予測される許容範囲内であるか否かで、
ターボ過給機13の正常/故障を判定するようにしても
良い。また、酸素濃度センサ17の平均検出値と変動幅
を用いて判定し、いずれか一方が許容範囲、判定値を越
えた場合にターボ過給機13が故障と判定するようにし
ても良い。勿論、平均検出値と変動幅の双方が許容範
囲、判定値を越えた場合にターボ過給機13が故障と判
定するようにしても良い。
【0068】ところで、ターボ過給機13の作動領域
は、高負荷高回転領域であり、燃料噴射量が多い領域
で、ターボ過給機13の故障診断を行うため、インジェ
クタ22の動作不良があると、その影響が大きい。
【0069】この点を考慮し、本実施形態では、インジ
ェクタ22の故障診断を行って、インジェクタ22が正
常に機能していることを確認してからターボ過給機13
の故障診断を行なうので、ターボ過給機13の故障診断
の信頼性を向上できる。
【0070】以上説明したように故障診断を行えば、酸
素濃度センサ17の検出値に基づいて、排気エミッショ
ンを支配する全てのエンジン制御システム構成部品の故
障診断が可能となる。
【0071】尚、故障診断の順序は、上述した酸素濃度
検出センサ17→EGR装置21→インジェクタ22→
ターボ過給機13の順序が最も精度良く故障診断できる
が、これと異なる順序で故障診断を行うようにしても良
い。また、必ずしも、これら全て部品の故障診断を行う
必要はなく、一部でも実施可能である。
【0072】また、図3〜図6の各故障診断プログラム
は、1回でも故障と判定すると、直ちに故障の警告が行
われるが、故障の判定が所定回数連続した時に、最終的
に故障と診断して故障の警告を行うようにしても良い。
【0073】また、図1のシステム構成例では、エンジ
ン制御用コンピュータ26と故障診断用コンピュータ2
7とを別々に設けたが、1つのコンピュータにエンジン
制御と故障診断の双方の機能を持たせても良い。
【0074】その他、本発明を適用可能な内燃機関は、
ディーゼルエンジンに限定されず、筒内噴射(直噴)式
ガソリンエンジン、ガソリンリーンバーンエンジン等に
も適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すエンジン制御システ
ム全体の構成図
【図2】故障診断メインプログラムの処理の流れを示す
フローチャート
【図3】酸素濃度センサ故障診断プログラムの処理の流
れを示すフローチャート
【図4】EGR故障診断プログラムの処理の流れを示す
フローチャート
【図5】インジェクタ故障診断プログラムの処理の流れ
を示すフローチャート
【図6】ターボ過給機故障診断プログラムの処理の流れ
を示すフローチャート
【図7】酸素濃度センサの出力波形を示すタイムチャー
【符号の説明】
11…ディーゼルエンジン(内燃機関)、12…吸気
管、13…ターボ過給機(吸気過給手段)、16…排気
管、17…酸素濃度センサ(酸素濃度検出手段)、18
…吸気絞り弁、19…EGR配管、20…EGR弁、2
1…EGR装置(排気還流手段)、22…インジェクタ
(燃料噴射制御手段)、25…エンジン運転状態検出手
段、26…エンジン制御用コンピュータ、27…故障診
断用コンピュータ(排気還流系故障診断手段,燃料噴射
系故障診断手段,吸気過給系故障診断手段,酸素濃度検
出系故障診断手段)、28…データベース記憶手段、2
9…警告手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02M 65/00 308 F02M 65/00 308 (72)発明者 竹本 英嗣 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関から排出される排気中の酸素濃
    度を検出する酸素濃度検出手段と、排気の一部を吸気系
    へ還流させる排気還流手段とを備えた車両に搭載される
    車両用故障診断装置において、 前記内燃機関の始動後、前記排気還流手段が作動する以
    前のアイドル運転期間中に、前記排気還流手段を短時間
    作動させ、その前後の前記酸素濃度検出手段の検出値の
    変化量に基づいて前記排気還流手段の故障の有無を診断
    する排気還流系故障診断手段を備えていることを特徴と
    する車両用故障診断装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関から排出される排気中の酸素濃
    度を検出する酸素濃度検出手段と、排気の一部を吸気系
    へ還流させる排気還流手段と、前記内燃機関の各気筒毎
    に燃料噴射量を制御する燃料噴射制御手段とを備えた車
    両に搭載される車両用故障診断装置において、 前記排気還流手段が作動していない運転状態の時に、故
    障診断の対象となる1つの気筒(以下「診断気筒」とい
    う)で燃料噴射量を増量又は減量し、他の気筒の燃料噴
    射量を前記診断気筒の燃料噴射量の増減分をキャンセル
    するように補正し、その時の前記酸素濃度検出手段の検
    出値に基づいて前記診断気筒の燃料噴射制御手段の故障
    の有無を診断し、この故障診断を、診断気筒を順番に替
    えて全気筒について行う燃料噴射系故障診断手段を備え
    ていることを特徴とする車両用故障診断装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の車両用故障診断装置に
    おいて、 前記内燃機関の吸気系に過給圧を作用させる吸気過給手
    段を備え、 前記燃料噴射系故障診断手段は、前記排気還流手段及び
    前記吸気過給手段の双方が作動していない運転状態の時
    に、前記燃料噴射制御手段の故障診断を実施することを
    特徴とする車両用故障診断装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の車両用故障診断装置に
    おいて、 前記燃料噴射系故障診断手段は、前記排気還流手段及び
    前記吸気過給手段の双方が作動していない運転状態で且
    つ高負荷低回転の時に、前記燃料噴射制御手段の故障診
    断を実施することを特徴とする車両用故障診断装置。
  5. 【請求項5】 請求項2乃至4のいずれかに記載の車両
    用故障診断装置において、 前記燃料噴射系故障診断手段は、故障診断時に前記酸素
    濃度検出手段の検出値の平均値に基づいて前記診断気筒
    の燃料噴射制御手段の故障の有無を診断することを特徴
    とする車両用故障診断装置。
  6. 【請求項6】 内燃機関から排出される排気中の酸素濃
    度を検出する酸素濃度検出手段と、排気の一部を吸気系
    へ還流させる排気還流手段と、前記内燃機関の吸気系に
    過給圧を作用させる吸気過給手段とを備えた車両に搭載
    される車両用故障診断装置において、 前記排気還流手段が作動しない運転領域で、前記吸気過
    給手段が作動している時に、前記酸素濃度検出手段の検
    出値に基づいて前記吸気過給手段の故障の有無を診断す
    る吸気過給系故障診断手段を備えていることを特徴とす
    る車両用故障診断装置。
  7. 【請求項7】 内燃機関から排出される排気中の酸素濃
    度を検出する酸素濃度検出手段と、排気の一部を吸気系
    へ還流させる排気還流手段とを備えた車両に搭載される
    車両用故障診断装置において、 前記内燃機関の始動後、前記排気還流手段が作動する以
    前のアイドル運転期間中に、前記酸素濃度検出手段の検
    出値を判定値と比較することで、該酸素濃度検出手段の
    故障の有無を診断する酸素濃度検出系故障診断手段を備
    えていることを特徴とする車両用故障診断装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の車両用故障診断装置に
    おいて、 前記内燃機関の始動後、前記排気還流手段が作動する以
    前のアイドル運転期間中に、前記排気還流手段を短時間
    作動させ、その前後の前記酸素濃度検出手段の検出値の
    変化量に基づいて前記排気還流手段の故障の有無を診断
    する排気還流系故障診断手段を備え、 前記酸素濃度検出系故障診断手段により前記酸素濃度検
    出手段の故障診断を行った後、前記排気還流系故障診断
    手段により前記排気還流手段の故障診断を行うことを特
    徴とする車両用故障診断装置。
  9. 【請求項9】 請求項3乃至5のいずれかに記載の車両
    用故障診断装置において、 前記排気還流手段が作動しない運転領域で、前記吸気過
    給手段が作動している時に、前記酸素濃度検出手段の検
    出値に基づいて前記吸気過給手段の故障の有無を診断す
    る吸気過給系故障診断手段を備え、 前記燃料噴射系故障診断手段により前記燃料噴射制御手
    段の故障診断を行った後、前記吸気過給系故障診断手段
    により前記吸気過給手段の故障診断を行うことを特徴と
    する車両用故障診断装置。
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