JPH10159856A - 樹脂製転がり軸受 - Google Patents

樹脂製転がり軸受

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JPH10159856A
JPH10159856A JP32150396A JP32150396A JPH10159856A JP H10159856 A JPH10159856 A JP H10159856A JP 32150396 A JP32150396 A JP 32150396A JP 32150396 A JP32150396 A JP 32150396A JP H10159856 A JPH10159856 A JP H10159856A
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Tetsuya Oda
徹也 小田
Kazunori Hayashida
一徳 林田
Shoji Eguchi
正二 江口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】樹脂製転がり軸受において、荷重に対する軌道
輪軌道面の変形を抑制すること。 【解決手段】樹脂製の軌道輪2,3を有する樹脂製転が
り軸受1であって、軌道輪2,3の外部露出部に、弾性
変形を許容するとともに弾性変形する部分の逃げとなる
撓み許容部5,6が設けられている。この場合、軌道輪
2,3の外部露出部が撓み許容部5,6の存在によって
弾性変形して荷重や応力を分散するようになるととも
に、撓み許容部5,6が弾性変形した部分の逃げ場所と
なるので、前記弾性変形が軌道輪2,3の軌道面に伝達
されずに済む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂製の軌道輪を
有する樹脂製転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂製転がり軸受とは、一般的に、内・
外輪などの軌道輪を合成樹脂で形成し、転動体を金属、
合成樹脂、セラミックス、ガラスなどで形成したものを
言い、例えば特開平8−135662号公報などに示さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな樹脂製転がり軸受は、主として軽負荷の回転部に使
用する軽量な軸受として有用なものであるが、軌道輪の
素材である樹脂の物性に起因して下記するような不具合
が指摘される。
【0004】 樹脂製の軌道輪の弾性率が小さいため
に、金属製転がり軸受に比較して剛性が低く、また、外
力を受けた際の弾性変形も大きい。このように弾性変形
した部分はその逃げ場所がないので、それによって軌道
面が盛り上がるなど悪影響を受けやすく、転動体それぞ
れの転がり円滑性が低下するなど、軸受性能が損なわれ
る。
【0005】 軌道輪を成形により製作する場合に
は、成形収縮により寸法精度が低下しやすいために、実
装時の嵌め合い不良が発生しやすくなる。
【0006】 熱伝導率が小さいために、蓄熱しやす
いなど、軌道面が変形するおそれがある。
【0007】なお、上記公報例では、軌道輪を軸方向両
側から挟持固定する場合などにかかるアキシャル荷重で
軌道面が湾曲変形するのを緩和する対策が講じられてい
るものの、実際の軸受使用状況では、アキシャル荷重や
ラジアル荷重のいずれか一方が軸受に対して純粋に働く
ことが少なく、多くにおいてアキシャル荷重やラジアル
荷重が複合して働くため、種々な軸受使用状況を考慮す
ると、不十分な対策であると言え、改良の余地がある。
しかも、上記公報例では、上記不具合やについての
対策が見られない。
【0008】したがって、本発明は、樹脂製転がり軸受
において、荷重に対する軌道面の変形を抑制することを
目的としている。また、本発明は、先の目的に加えて、
嵌め合い部で寸法誤差を吸収できるようにすることや、
さらに、放熱性を向上できるようにすることを目的とし
ている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の樹脂製転がり軸
受は、樹脂製の軌道輪を有するもので、軌道輪の外部露
出部に弾性変形を許容するとともに弾性変形する部分の
逃げとなる撓み許容部が設けられている。
【0010】なお、前述の外部露出部とは、軌道輪の軸
方向端部、軌道輪の嵌め合い部、あるいは軌道輪の軸方
向端部および嵌め合い部のいずれも含む。また、前述の
撓み許容部は、複数の凹部または突起とされる。この凹
部や突起は、筋状とすることができる。
【0011】上記本発明の構成では、アキシャル荷重と
ラジアル荷重が働いたとき、撓み許容部の存在によって
軌道輪の軸方向端部や嵌め合い部が局部的に弾性変形さ
れやすくなり、前述の荷重による応力が分散されること
になるとともに、嵌め合い面での嵌め込み応力が緩和さ
れることになる。しかも、このように弾性変形したとき
に、この弾性変形した部分が撓み許容部で吸収するか
ら、転動体を案内する軌道面に変形が伝達されにくくな
る。
【0012】また、撓み許容部を凹部または突起とした
場合では、これらによって軌道輪の外部露出部の表面積
が増すから、熱の放散が促進される。
【0013】さらに、凹部または突起を筋状とした場合
では、その弾性変形が一層容易となる他、熱が放散され
やすくなる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の詳細について、図1ない
し図6に示す種々な実施形態を用いて説明する。いずれ
の実施形態でもラジアル玉軸受を例に挙げている。
【0015】図1および図2は本発明の実施形態1にか
かり、図1は、樹脂製転がり軸受の一部を切り欠いた斜
視図、図2は、上半分の縦断面図である。
【0016】図例の樹脂製転がり軸受1は、内・外輪
2,3を合成樹脂で形成し、多数の転動体4を金属で形
成したもので、内・外輪2,3において外部に露出する
軸方向両端部には弾性変形を許容するとともに弾性変形
する部分の逃げとなる撓み許容部5,6を設けている。
【0017】内・外輪2,3の素材とする合成樹脂は、
例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリア
ミド(PA6,PA66)、ポリイミド(PI)、ポリ
アミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン
(PEEK)などが挙げられる。また、転動体4の素材
は、例えば軸受鋼、上記合成樹脂、セラミックス、ガラ
スなどが挙げられる。
【0018】前述の撓み許容部5,6は、内輪2および
外輪3の軸方向両端部の円周数箇所に軸方向から陥没す
る部分円弧状の凹部とされている。また、この凹部の深
さは、内・外輪2,3において転動体4の存在する領域
にまで到達しないように設定されており、内・外輪2,
3の軌道面の剛性が著しく低下するのを防止するように
なっている。
【0019】このような樹脂製転がり軸受1では、内・
外輪2,3の軸方向両端部での弾性変形が容易となると
ともに、内・外輪2,3の軸方向両端部での表面積が増
大して熱の放散を促進することになる。
【0020】このため、この樹脂製転がり軸受1を、例
えば図示しないが、ケースに対して回転軸を回転支持す
るために用いた場合だと、回転軸の若干の傾きによるモ
ーメント荷重を受けたとき、内・外輪2,3の軸方向両
端部が凹部からなる撓み許容部5,6の存在によって弾
性変形して、前記荷重による応力が分散されることにな
る。しかも、この弾性変形した部分は凹部からなる撓み
許容部5,6で吸収されるので、内・外輪2,3の軌道
面に変形が伝達されなくなる。したがって、軌道面での
転動体4の転がり特性が安定し、所期の軸受性能を発揮
できるようになる。
【0021】この他、アキシャル荷重を受けたときも、
あるいはアキシャル荷重とラジアル荷重を複合して受け
たときも、前述と同様の作用、効果を発揮することにな
る。図3および図4は本発明の実施形態2にかかり、図
3は、樹脂製転がり軸受の一部を切り欠いた斜視図、図
4は、上半分の縦断面図である。
【0022】この実施形態では、内輪2の軸方向両端部
および内周部と、外輪3の軸方向両端部および外周部と
に、撓み許容部5,6を設けている。
【0023】この実施形態での撓み許容部5,6は、筋
状の凹凸とされている。つまり、内輪2の撓み許容部5
は、内輪2の軸方向両端部に放射方向に沿って形成され
る多数の径方向溝5aと、内輪2の内周部(嵌め合い
部)に軸方向に沿って形成される多数の軸方向溝5bと
からなり、これら径方向溝5aと軸方向溝5bの一つ一
つがそれぞれ連続されている。外輪3の撓み許容部6
は、外輪3の軸方向両端部に放射方向に沿って形成され
る多数の径方向溝6aと、外輪3の外周部(嵌め合い
部)に軸方向に沿って形成される多数の軸方向溝6bと
からなり、これら径方向溝6aと軸方向溝6bの一つ一
つがそれぞれ連続されている。
【0024】このような樹脂製転がり軸受1では、上記
実施形態1の作用、効果に加えて、内輪2の内周部や外
輪3の外周部での弾性変形が容易となるとともに、内・
外輪2,3の表面積がさらに増大して熱の放散を促進す
ることになる。
【0025】特に、この実施形態2では、主としてラジ
アル荷重を受けたときにも、内・外輪2,3の軌道面に
対して変形を伝達することがなくなり、結局、アキシャ
ル荷重やラジアル荷重が複合的に作用する場合などに有
効に対応できるなど、軸受使用状況での実用性において
優れている。この他、図示しないケースなどに対する内
・外輪2,3の嵌め合い部において、寸法誤差などによ
り過大な嵌め込み応力が発生してもそれを吸収、緩和す
ることができて、嵌め合い不良を回避できるようにな
る。しかも、内・外輪2,3の嵌め合い部で弾性変形し
た部分は凹部からなる撓み許容部5,6で吸収されるの
で、内・外輪2,3の軌道面に変形が伝達されなくな
る。
【0026】図5および図6は本発明の実施形態3にか
かり、図5は、樹脂製転がり軸受の一部を切り欠いた斜
視図、図6は、上半分の縦断面図である。
【0027】この実施形態では、内輪2の軸方向両端部
および内周部と、外輪3の軸方向両端部および外周部と
に、撓み許容部5,6を設けている。
【0028】この実施形態での撓み許容部5,6は、マ
トリクス状に互いに独立する複数の凹部とされており、
凹部の形状としてもディンプル状とされている。
【0029】このような樹脂製転がり軸受1では、上記
実施形態2の作用、効果とほぼ同様の作用、効果を発揮
する。但し、この場合、内・外輪2,3の軸方向両端部
や嵌め合い部が撓み許容部5,6の存在によって弾性変
形するとき、その弾性変形の方向が無くなるので、荷重
の作用方向に対して最も有効な形態で弾性変形しうるこ
とになり、応力分散が良好に行われることになる。
【0030】ところで、上記実施形態1〜3の撓み許容
部5,6は、内・外輪2,3を成形により製作するとき
に、成形金型から転写することにより得ることができる
他、内・外輪2,3を製作した後で適宜の機械加工また
は表面処理により得ることができる。特に、成形により
内・外輪2,3を製作する場合、内・外輪2,3の外周
面や内周面に成形収縮が発生して寸法精度が低下しやす
いが、特に実施形態2,3の場合だと、嵌め合い部での
寸法誤差を吸収できるので、嵌め込み応力を効果的に分
散、緩和できるようになる。
【0031】なお、本発明は、上記実施形態1〜3のみ
に限定されるものではなく、種々な応用や変形が考えら
れる。
【0032】(1) 撓み許容部5,6は、上述した各
実施形態での凹部や溝の他に、突起とすることができ
る。
【0033】(2) 上記各実施形態での撓み許容部
5,6としての凹部や溝の断面形状は、角形、三角形、
台形、半球形など、任意の形状を選択することができ
る。
【0034】(3) 上記実施形態2,3において、前
記撓み許容部5,6を周方向の複数領域に部分的に形成
することができる。
【0035】(4) 上記実施形態2において、両端面
の径方向溝5a,6aと、周面の軸方向溝5b,6bと
を連続させずに独立させていてもよいし、また、両端面
の径方向溝5a,6aと、周面の軸方向溝5b,6bと
を周方向に位相をずらして独立させていてもよい。さら
に、これらの溝は、軸方向でなく、周方向に形成しても
よい。
【0036】
【発明の効果】本発明の樹脂製転がり軸受では、樹脂製
の軌道輪の外部露出部に撓み許容部を設けて、これらの
存在によって弾性変形を容易にしているから、アキシャ
ル荷重やラジアル荷重あるいはモーメント荷重が作用し
たときの応力分散を図ることができ、軌道輪の軌道面の
変形を効果的に抑制できるようになる。したがって、軌
道輪の軌道面を転動する転動体の転がり特性を安定なも
のにでき、所期の軸受性能を発揮できるようになる。
【0037】また、軌道輪の嵌め合い部に撓み許容部を
設けている場合、例えば軌道輪を成形により製作すると
きに成形収縮が発生して寸法精度が低下していても、嵌
め合い部での寸法誤差を吸収できるので、嵌め込み応力
を分散、緩和できるようになるなど、嵌め合い不良を回
避できる。
【0038】さらに、撓み許容部を凹部や突起とするこ
とにより、軌道輪の表面積を増大できるようになるの
で、放熱効果が高めることができるなど、温度上昇の少
ない耐熱性に優れた樹脂製転がり軸受にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の樹脂製転がり軸受の一部
を切り欠いた斜視図
【図2】図1の樹脂製転がり軸受の上半分の縦断面図
【図3】本発明の実施形態2の樹脂製転がり軸受の一部
を切り欠いた斜視図
【図4】図3の樹脂製転がり軸受の上半分の縦断面図
【図5】本発明の実施形態3の樹脂製転がり軸受の一部
を切り欠いた斜視図
【図6】図5の樹脂製転がり軸受の上半分の縦断面図
【符号の説明】
1 樹脂製転がり軸受 2 内輪 3 外輪 5,6 撓み許容部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂製の軌道輪を有する樹脂製転がり軸
    受であって、軌道輪の外部露出部に、弾性変形を許容す
    るとともに弾性変形する部分の逃げとなる撓み許容部が
    設けられている、ことを特徴とする樹脂製転がり軸受。
  2. 【請求項2】 前記外部露出部は、軌道輪の軸方向端部
    である、請求項1に記載の樹脂製転がり軸受。
  3. 【請求項3】 前記外部露出部は、軌道輪の嵌め合い部
    である、請求項1に記載の樹脂製転がり軸受。
  4. 【請求項4】 前記外部露出部は、軌道輪の軸方向端部
    および嵌め合い部である、請求項1に記載の樹脂製転が
    り軸受。
  5. 【請求項5】 前記撓み許容部は、複数の凹部または突
    起である、請求項1ないし4のいずれかに記載の樹脂製
    転がり軸受。
  6. 【請求項6】 前記撓み許容部は、複数の筋状の凹部ま
    たは突起である、請求項1ないし4のいずれかに記載の
    樹脂製転がり軸受。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003004052A (ja) * 2001-06-20 2003-01-08 Koyo Seiko Co Ltd ポリマー潤滑剤封入軸受
JP2010276141A (ja) * 2009-05-29 2010-12-09 Hiihaisuto Seiko Kk 直動軸受
DE102014219705A1 (de) * 2014-09-29 2016-03-31 Aktiebolaget Skf Lagerring

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DE102014219705A1 (de) * 2014-09-29 2016-03-31 Aktiebolaget Skf Lagerring
DE102014219705B4 (de) 2014-09-29 2023-04-27 Aktiebolaget Skf Lagerring

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