JPH10160458A - 傾斜センサ - Google Patents

傾斜センサ

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JPH10160458A
JPH10160458A JP32309196A JP32309196A JPH10160458A JP H10160458 A JPH10160458 A JP H10160458A JP 32309196 A JP32309196 A JP 32309196A JP 32309196 A JP32309196 A JP 32309196A JP H10160458 A JPH10160458 A JP H10160458A
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fluid
inclination
tilt sensor
tilt
external force
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JP32309196A
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Takahito Murata
高人 村田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加速度や振動などの外力による誤検出を防
ぎ、計測すべき傾斜を表わす信号(傾斜成分)を取り出
す傾斜センサを提供する。 【解決手段】 上部電極と、下部電極と、該上部電極と
該下部電極との間に封入され傾斜に応じて変位する流動
体とを備え、該流動体の変位による出力信号の変化を取
り出すことによって傾斜角を計測する傾斜センサにおい
て、該流動体として、その粘性が外力の周波数に依存す
る物質を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は傾斜センサに関し、
特に、傾斜に応じた出力信号の変化を利用して傾斜角を
計測する傾斜センサに関する。
【0002】
【従来の技術】出力信号の変化を利用して傾斜角を計測
する傾斜センサとして、例えば、静電容量の変化を用い
るものがある。静電容量の変化を用いる傾斜センサにお
いては、一般に、上部電極及び下部電極を構成する密閉
容器の中に流動体が封入されている。このような流動体
としては、シリコンオイル(例えば、特開平6−174
535号公報に記載の重量計及び傾斜計)やケトン系の
液体が用いられる。尚、密閉容器は、通常、封入された
液体が容易に漏出しない構成を有する容器である。
【0003】密閉容器の内部には、流動体によって満た
されていない中空部分(空気)が存在する。傾斜センサ
が傾くと、封入された流動体は傾き量に応じて変位する
ため、対向する電極間に挟まれる流動体の配置が変化す
る。従って、傾き量に応じて電極間における流動体と空
気との分布が変化し、その結果、両電極間の静電容量が
変化する。この静電容量の変化を信号として検出するこ
とにより、傾斜を測定することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シリコ
ンオイルやケトン系の液体は粘性が低いため、傾斜セン
サに加わる振動や急激な加速度等の外力によっても容易
に変位する。従って、静的な傾斜量(例えば坂道におけ
る車体の傾斜等)を検出する目的で傾斜センサを構成し
た場合、実際に計測しようとする傾斜以外にも、このよ
うな振動や加速度による流動体の変位が信号として検出
されてしまう。このような信号はノイズ信号となり、正
しい傾斜の測定が妨げられる。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、(1)振動等の外力
による不要な信号成分を除くための信号処理回路を必要
とせず、測定すべき傾斜を表わす信号(傾斜成分)を検
出し、(2)振動などの外力が加わる状況下でも正しい
傾斜の測定が容易な傾斜センサを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による傾斜センサ
は、上部電極と、下部電極と、該上部電極と該下部電極
との間に封入され傾斜に応じて変位する流動体とを備
え、該流動体の変位による出力信号の変化を取り出すこ
とによって傾斜角を計測する傾斜センサであって、該流
動体として、その粘性が外力の周波数に依存する物質を
用いており、このことにより上記目的が達成される。
【0007】前記流動体は、所定周波数以上の外力に対
して、所定粘度以上を示す物質であることが好ましい。
【0008】前記下部電極は複数部分に分割されていて
もよい。
【0009】1つの実施態様においては、前記出力信号
は、前記流動体の変位に基づく静電容量の変化を示す信
号である。
【0010】もう1つの実施態様においては、前記出力
信号は、前記流動体の変位に基づく抵抗の変化を示す信
号である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照しながら
本発明を実施の形態によって説明する。
【0012】(実施形態1)図1(a)及び(b)は、
実施形態1による傾斜センサ100の外観を示してお
り、図1(a)はその下面図、図1(b)は側面図であ
る。図2は、傾斜センサ100の断面構成を示してい
る。
【0013】まず、傾斜センサ100の概要を説明す
る。これらの図に示されるように、傾斜センサ100
は、上部電極12を有する上部部材10と、下部電極1
3(13a〜13d)を有する下部部材11とによって
密閉容器が形成されている。本実施形態においては、図
1(a)に示すように、下部電極13は複数の部分13
a〜13dに分割されている。以下の記載において、下
部電極13a〜13dをあわせて示す場合には下部電極
13として表記することにする。
【0014】密閉容器には、流動体17が封入されてい
る。流動体17は、上部電極12と下部電極13との間
に介在している。上部電極12と下部電極13は、密閉
容器によって形成される空間を挟んで実質的に対向して
おり、上部電極12と下部電極13との間の空間に存在
する物質によって上部電極12と下部電極13との間の
静電容量が決定される。図3に示すように、傾斜センサ
100が傾くと、その傾斜に応じて流動体17が変位す
る。流動体17の変位によって両電極間の静電容量が変
化する。この静電容量の変化を検出することによって傾
斜角を計測する。流動体17は、その粘性が流動体17
に加わる外力の周波数に依存する物質である。
【0015】次に、傾斜センサ100の構成及び動作を
より詳細に説明する。図1(b)に示されるように、上
部部材10は平板状の部材であり、その上に円盤状の上
部電極12が設けられている。下部部材11は、図1
(a)及び図2に示されるように、中央に丸く形成され
た湾曲部11aと、その周囲の平板部11bとを有して
いる。湾曲部11aの外側には、下部電極13が設けら
れている。下部電極13は、図1(a)に示されるよう
に、複数の部分13a〜13dから構成される。好まし
くは、下部電極13a〜13dは、湾曲部11aに沿っ
て形成された電極を4分割した形状に形成される。
【0016】また、上記の例では上部電極12及び下部
電極13をそれぞれ上部部材10及び下部部材の外側
(表側)に設けているが、上部電極12及び下部電極1
3は、どちらか一方、あるいは両方を、それぞれ上部部
材10及び下部部材の内側(裏側)に設けてもよい(図
4(a)〜(c))。
【0017】下部部材11の平板部11bを上部部材1
0に接合することによって密閉容器14が形成され、上
部部材10と下部部材11の湾曲部11bとによって形
成される空間に流動体17が封入されている。流動体1
7は密閉容器14の所定部分を満たすように封入され、
密閉容器14のうち、流動体17によって満たされてい
ない部分は中空となる。この中空部は、例えば、空気で
あってよい。なお、「密閉」容器とは、流動体13が容
易に漏出しない程度の密閉状態であればよく、完全な気
密状態である必要はない。また、密閉容器14の形状は
図示されるような湾曲部11aの形状に限られるもので
はなく、上部電極12と下部電極13とが実質的に対向
し、その間に空間が形成される形状であればよい。ま
た、後述するように傾斜の方向を計測する便宜上、湾曲
部11aの形状は、傾斜センサ100が水平状態におか
れた場合の鉛直軸について回転対称であることが好まし
い。
【0018】図1(b)に示されるように、上部電極1
2には電圧が印加されており、下部電極13a〜13d
の各々から、上部電極12に対する電位VA〜VDが検出
される。図2に示されるように、傾斜センサ100が水
平な状態(傾斜が無い状態)では、流動体17は密閉容
器内において対称に存在し、所定の静電容量(基準値)
を示す。図3に示すように、傾斜センサ100が傾く
と、流動体17が一方に移動し、流動体17の変位量に
応じて、上部電極12と下部電極13との間に存在する
流動体17と中空部(空気)15との割合が変化する。
従って、両電極間の静電容量は、傾斜センサ100が水
平状態にある場合の基準値から変化する。この変化量を
検出することにより、傾斜角を計測することができる。
【0019】また、下部電極13が13a〜13dに分
割されている場合には、傾斜センサ100が水平状態に
あるとき、上部電極12と下部電極13との間に形成さ
れる静電容量は、下部電極13a〜13dのいずれにつ
いても等しくなる(基準値)。傾斜センサ100が傾く
と、上述のように流動体17が変位するため、全体の静
電容量が変化すると同時に、上部電極12と下部電極1
3a〜13dのそれぞれとの間に形成される静電容量に
も違いが生じる。各下部電極13a〜13dについての
静電容量の変化を検出することにより、あるいは各下部
電極13a〜13dから検出される静電容量を比較する
ことによって、傾斜角と同時に傾斜方向をも検出でき
る。
【0020】以下、静電容量の検出について更に詳しく
説明する。
【0021】一般に、面積Sを有する2つの電極が間隔
dで配置され、両電極間に誘電体εの媒体が存在する場
合、両電極間の静電容量Cは、C=ε(S/d)で求め
られる。傾斜センサ100においては、上部電極12及
び下部電極13は一定の間隔で平行に配置されているわ
けではないが、両電極に挟まれた微小部分について、上
述の2つの平行電極の場合があてはまるとする。従っ
て、傾斜センサ100の場合、微小部分について、面積
Sの電極間に、誘電率ε1、厚さd1の第1の媒体(流動
体17)と、誘電率ε2、厚さd2の第2の媒体(空気)
とが挟持されているとする。この場合両電極間の静電容
量C’は、 C’=S/(d1/ε1+d2/ε2) で与えられる。
【0022】傾斜センサ100の場合、流動体17及び
空気の誘電率ε1及びε2がそれぞれ所定の値であるとす
ると、傾斜センサ100が水平状態の場合(図2)、流
動体17は湾曲部11aに一様に満たされ、流動体17
の水準面は上部電極12(上部部材10)に対して平行
となる。従って、空気部分の厚さd2は流動体17の量
に応じた一定値となり、流動体17の厚さd1は密閉容
器(湾曲部11a)の形状に応じ、湾曲部11a上の位
置xに依存する所定の関数d1(x)で定められる。この微
小部分における値を加算(即ち位置xについて積分)す
ることにより、上部電極12および下部電極13間の静
電容量が求められる。より実用的には、図1(b)に示
されるように、水平状態における各下部電極13a〜1
3dからの出力電圧VA〜VDを測定し、傾斜角計測の基
準電圧を求める。本実施形態における電極配置では、水
平状態において、各下部電極13a〜13dからの出力
電圧VA〜VDはそれぞれ等しくなる。
【0023】傾斜センサ100が傾斜すると(図3)、
傾斜に応じて流動体17は湾曲部11aの片側に変位
し、流動体17の水準面は上部電極12に対してある角
度(傾斜角θ)をなす。従って、流動体17の厚さd1
および空気部分の厚さd2共に、位置xおよび傾斜角θ
の関数となる。例えば、図3に示されるように、傾斜角
θに応じて、上部電極12と下部電極13との間におけ
る流動体17の配置が変化するため、両電極間の静電容
量C(位置xについて積分した上部電極12及び下部電
極13間の静電容量)は、傾斜角θの関数となる。この
ように、静電容量Cの変化から傾斜角θを求めることが
できる。
【0024】また、図3に示されるように、傾斜センサ
100が図中左側に傾いた場合、上部電極12と下部電
極13dとによって挟まれる領域は、ほぼ流動体17に
よって満たされるが、反対側の上部電極12と下部電極
13aとによって挟まれる領域は中空部分15が多くな
る。従って、上部電極12及び下部電極13aによって
挟まれた部分の静電容量と、上部電極12及び下部電極
13dによって挟まれた部分の静電容量とに差異が生じ
る。この差異は傾斜角θと同時に傾斜の方向(例えば、
方位角)に依存する。即ち、各傾斜角θについて、その
傾斜の方向によって、上部電極12とそれぞれの下部電
極13a〜13dとの間に形成される静電容量に差異が
生じることになる。この下部電極13a〜13d間の静
電容量の差異は、下部電極13a〜13dからの出力電
圧VA〜VDの差異として検出され、これらの出力電圧V
A〜VDから傾斜の方向を求めることができる。このよう
に、下部電極13を複数に分割しておくことにより、傾
斜角θ及び傾斜の方向を計測することができる。
【0025】実用上は、例えば、傾斜角θ及びその傾斜
の方向をいろいろに変化させた場合について、下部電極
13a〜13dからの出力電圧VA〜VDをあらかじめ測
定し、実測値に基づくテーブルを作成しておく。このよ
うなテーブルを例えばROMに記憶しておき、テーブル
を参照することにより検出された出力電圧から傾斜角θ
及びその方向を求めればよい。
【0026】次に、本実施形態において用いる流動体1
7について説明する。上述のように、傾斜センサ100
は、傾斜角θに応じた流動体17の変位による静電容量
の変化に基づいて傾斜角θを測定している。ここで、傾
斜センサ100における流動体17の動作を考える。傾
斜センサ100が水平状態にある場合、流動体17は密
閉容器内においてその位置エネルギーが最小(極小)の
状態にある(図2)。傾斜センサ100が傾斜すると、
流動体17は、密閉容器壁面との摩擦や流動体17の慣
性などにもよるが、傾斜した密閉容器につれて移動す
る。従って、密閉容器内における流動体17の配置は、
その最小エネルギー状態からずれることになる。流動体
17は、流動体17に作用する重力加速度(即ち外力、
あるいは荷重)に従って密閉容器内で変形し、傾斜した
密閉容器内における最小位置エネルギーを与える所定の
位置に納まる(図3の状態)。
【0027】このように、傾斜によって流動体17に作
用する外力は、重力加速度に基づく力である。従って、
力の大きさは単位体積当り実質的に定常であり、傾斜の
変化によってその方向のみが変化する。例えば、車載用
の傾斜センサの場合、車両が走行する道路の傾斜の変化
(坂道)によって、傾斜センサに加わる外力がそれ程急
激に変化することはなく、傾斜による外力は低周波数の
荷重となる。一方、路面の凹凸などによる車体の振動や
急加速等によって加わる外力は、比較的高周波数の荷重
である。
【0028】本出願人は、傾斜による外力と、それ以外
の振動などによる外力との周波数の違いに着目し、流動
体17として、その粘度が外力の周波数に依存する物質
を用いることに想到した。即ち、流動体17として、ど
れくらい急激に外力が変化するかによってその粘性抵抗
が異なり、外力に対する応答性(変位・変形のし易さ)
が外力の周波数に依存する物質を用いることにした。特
に、所定周波数以上の外力に対して、その粘度が所定以
上になる物質が好ましい。
【0029】このような物質として、例えば、バンシン
グパテを素材としたリバースフォームを用いることがで
きる。リバースフォームは、緩やかな荷重に対しては、
その衝撃を吸収して変形するが、急激な力に対しては変
形せずに弾性を示す物質である。例えば、ある種のスポ
ーツシューズの踵部分に使用されているものである。リ
バースフォームのポリマーは、擬似結合と呼ばれるゆる
い結合を有している。この擬似結合は、緩慢な力(低周
波のエネルギー刺激)に対しては切れ易く、ポリマー同
士が滑るように動く。また、急激な力(高周波のエネル
ギー刺激)に対しては強い結合力を示す。また、一旦切
れた結合は時間とともに再び形成される。図5に、リバ
ースフォームの擬似結合の一例を示す。図5において、
Siは珪素、Oは酸素、Bはホウ素、Rは有機基(メチ
ル基)を示す。ポリマー同士をつなぐ酸素Oとホウ素B
との結合が擬似結合である。
【0030】図6は、リバースフォームに用いられるバ
ンシングパテの外力に対する応答の周波数依存性を模式
的に示している。図6において、バンシングパテの周波
数依存性は、曲線60によって示している。また、比較
のため、高減衰(ダンピング)シリコンゴム(曲線6
1)、炭素含有の天然ゴム(曲線62)、及び通常のシ
リコンゴム(曲線63)の周波数依存性を共に示してい
る。また、図6に示されるデータは、各物質を丸棒状に
形成し、外力として捻れ力を加えた場合の結果である
(室温25度C)。図6のグラフの横軸は外力(捻れ
力)の周波数、縦軸は外力の周波数に対する各物質の剪
断弾性率(tanδ)である。ここで、δは、捻り力に
対する丸棒の捻れ角の大きさに対応する。即ち、δが大
きいほど変形し易く、粘性が低いことを示している。
尚、グラフの縦軸、横軸ともに対数スケールである。
【0031】曲線60からわかるように、バンシングパ
テは、外力の周波数が低いとき、即ちゆっくりと捻った
場合には非常に“柔らかく”、外力に従って容易に変形
する(粘性が低い)。外力の周波数が増加するにつれ
て、バンシングパテの応答は“固く”なる(粘性が高
い)。曲線60で示されるように、バンシングパテの粘
性は、外力の周波数が0.1Hz〜100Hzの間で、
対数スケールで約30倍程度変化する。曲線61〜63
からわかるように、他のゴム材料においては、このよう
な外力に対する粘性の周波数依存性は見られない。尚、
この値は一例であり、バンシングパテの周波数に対する
粘性の変化の割合は、その材料の組成に応じて変化させ
ることができる。
【0032】従って、このようなバンシングパテを素材
としたリバースフォームを傾斜センサ100の流動体1
7として用いることにより、振動や急加速などによる早
い荷重に対しては変位が少なく、傾斜による遅い荷重に
対してはその荷重(即ち傾斜角)に応じた変位を得るこ
とができる。このことにより、傾斜センサ100によっ
て振動や急激な加速度成分を除いた純粋な傾斜成分のみ
を検出することができる。
【0033】例えば、傾斜センサ100を車載用センサ
として用いる場合には、走行中の車両に特徴的な振動数
(例えば、0.1H〜1Hz)の範囲で高粘性を示すよ
うに流動体17(例えばリバースフォーム)の組成等を
設定することにより、振動による影響を除き、正確な傾
斜角の測定を行うことができる。
【0034】また、流動体としてケトン系溶液を用いる
従来の重量/傾斜センサは、ケトン系溶液の沸点が低い
ため、その使用温度が約80度C以下に限られていた。
リバースフォームの場合、シリコンオイルと同様その沸
点がかなり高いため、広範囲の温度状況下で傾斜角を計
測することが可能となる。
【0035】上述のように、本実施形態によれば、傾斜
センサ100の流動体17として周波数依存性のある粘
性を示す物質(例えばリバースフォーム)を用いること
により、振動や急加速などによる不要な信号成分を除く
ための信号処理回路を必要とせず、測定すべき傾斜を表
わす信号(傾斜成分)を選択的に検出することができ
る。
【0036】また、車両制御においても、例えば傾斜に
応じたエンジン出力の制御やブレーキの制御に応用でき
る。特に、ブレーキ制御(ABS等)は走行中に行われ
るため、本発明の傾斜センサが有効である。例えば、本
発明による傾斜センサによって傾斜を測定することによ
り、下り坂においては、アンチブロック制御において
も、ブレーキをあまり弱めすぎないようにする等の制御
が可能である。
【0037】(実施形態2)図7(a)及び(b)は、
本発明の他の実施形態による傾斜センサ200の断面構
成を示している。図7(a)は傾斜センサ200が水平
な状態、図7(b)は傾斜センサ200が傾斜した状態
を示している。傾斜センサ200の基本的な構造は、実
施形態1による傾斜センサ100の構造と同様であり、
詳細な説明は省略する。傾斜センサ100と同様の構成
要素には同一の符号を付している。傾斜センサ200に
おいては、上部部材10と下部部材11とによって形成
される密閉容器中に、流動体17だけでなく、更に、可
動部材18が封入されている。可動部材18は、例え
ば、金属球など、密閉容器14内で動き易くかつ比重の
大きい部材である。
【0038】リバースフォームの比重は約0.3程度で
あるため、比較的重い可動部材18を入れることにより
傾斜センサ200の慣性力を高めることができる。可動
部材18と流動体17との相乗効果により、傾斜に対す
る感度を高くすることができる。例えば、慣性の大きい
可動部材18により、微小な振動などによる小さな外力
の影響を少なくすることができる。大きな振動や急加速
などの高周波数の外力によって可動部材18が急激に動
こうとした場合には、流動体17の高い粘性抵抗によっ
て可動部材の動きが阻止される。また、測定すべき傾斜
角による低周波数の外力が加わった場合には、流動体1
7は低い粘性を示すため、可動部材18と共に外力(傾
斜)に応じて変位する。
【0039】流動体17中に可動部材18を入れること
により、上部電極12及び下部電極13間に形成される
静電容量の計算は複雑にはなるが、理論的に計算可能で
ある。より実用的には、実施形態1の場合と同様に、様
々な傾斜角θ及びその傾斜の方向について、下部電極1
3a〜13dから検出される電圧値を実測して参照テー
ブルを作成しておくことにより、より容易に傾斜角及び
傾斜方向を求めることができる。
【0040】(実施形態3)図8は、本発明のもう1つ
の実施の形態による傾斜センサ300の断面構成を示し
ている。傾斜センサ300の基本的な構造は、実施形態
1による傾斜センサ100の構造と同様であり、詳細な
説明は省略する。傾斜センサ100と同様の構成要素に
は同一の符号を付している。
【0041】傾斜センサ300においては、上部部材1
0と下部部材11とによって形成される密閉容器中に、
流動体17の代わりに流動体19が封入されている。流
動体19は、流動体17と同様の媒体(例えばリバース
フォーム等の物質)に、金属粉や強誘電体粉を分散させ
たものである。
【0042】まず、流動体19として、媒体中に金属粉
(例えば、Fe粉、Al粉等)を分散させたものを用い
る場合について説明する。この場合、流動体19が導電
性を示すため、上部電極12及び下部電極13間の抵抗
を測定し、その変化を検出することにより傾斜量が検出
できる。従って、傾斜角計測のための信号処理回路を簡
素化することができる。
【0043】なお、両電極(上部電極12及び下部電極
13a〜13d)間の抵抗値と各傾斜角及び傾斜の方向
との関係については、上記の実施態様と同様、予め測定
を行い参照テーブルを作成しておくことができる。
【0044】また、流動体19として、媒体中に強誘電
体粉(例えば、SiO2粉、Ta粉等)を分散させたも
のを用いる場合には、流動体19の誘電率を高くするこ
とができる。従って、傾斜角の変化に対する上部電極1
2及び下部電極13間の静電容量の変化がより大きくな
るため、傾斜角検出の分解能を高めることができる。こ
の場合も、上記と同様に、両電極(上部電極12及び下
部電極13a〜13d)間の静電容量と各傾斜角及び傾
斜の方向との関係については、予め測定を行うことによ
って参照テーブルを作成することができる。
【0045】(実施形態4)上記の実施形態1〜3にお
いては、周波数依存性のある粘性を示す物質として、あ
る振動数の範囲で高粘性を示す流動体を用いた傾斜セン
サを説明してきた。本発明はこの例に限られるものでは
なく、以下に示すような実施の形態によっても加速度や
振動などの外力による御検出を防ぐことができる。
【0046】例えば、粘性の周波数依存性が異なる物質
を用いた2つの傾斜センサを組み合わせて使用する。即
ち、外力の周波数に拘らず、その粘性が略一定である第
1の流動体を用いた第1傾斜センサと、外力の周波数が
増加するにつれてその粘性が低くなる第2の流動体を用
いた第2傾斜センサとを組み合わせて用いるのである。
第1及び第2傾斜センサの基本的な構造は、上述の実施
形態第1〜3の傾斜センサと同様の構成とすることがで
きる。第1及び第2傾斜センサからは、それぞれの流動
体の変位に応じた出力信号(検出値)が得られる。
【0047】第1傾斜センサの流動体は周波数依存性が
ほとんどない物質(実質的に粘性一定)であるため、第
1傾斜センサの出力信号は、真の傾斜角を表わす傾斜角
信号と、加速度や振動などの外力による信号とが混在す
る信号となる。一方、第2傾斜センサの流動体は周波数
が高くなるにつれて低粘性となるため、加速度や振動な
どによる高周波の変位には良く応答するが、傾斜角によ
る低周波の変位には応答しない。従って、第2傾斜セン
サの出力信号は、実質的に、加速度や振動などの外力に
よる信号のみとなる。第1傾斜センサの出力信号から、
第2傾斜センサの出力信号を減算することにより、真の
傾斜角を表わす傾斜角信号のみを抽出することができ
る。
【0048】尚、第1及び第2傾斜センサからの2つの
出力信号の減算においては、外力による信号が効果的に
除去されるように各出力信号を調整しておく、あるいは
必要に応じ、各出力信号に重みを付けて減算を行うこと
ができる。
【0049】
【発明の効果】上述のように、本発明の傾斜センサによ
れば、加速度や振動などの外力による不要な信号成分を
除くための信号処理回路を必要とせず、測定すべき傾斜
を表わす信号(傾斜成分)を正確に検出することができ
る。
【0050】また、本発明の傾斜センサによれば、加速
度や振動などの外力による誤検出を防ぐことができるの
で、傾斜以外に外力が加わる状況下においても使用可能
である。例えば、車載用の傾斜センサとして用いる場
合、走行中の車両においても傾斜を計測することができ
る。特に、粗い路面を走行中であっても傾斜の計測が可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による傾斜センサの外観を示す図であっ
て、(a)は下部平面図、(b)は側面図である。
【図2】本発明の1つの実施形態による傾斜センサが水
平状態にあるときを示す断面図である。
【図3】本発明の1つの実施形態による傾斜センサが傾
斜した状態にあるときを示す断面図である。
【図4】(a)〜(c)は、本発明の傾斜センサにおけ
る電極配置の例を示す図である。
【図5】本発明の傾斜センサの流動体に用いる物質(リ
バースフォーム)の組成の一例を示す図である。
【図6】本発明の傾斜センサの流動体に用いる物質(リ
バースフォーム)の粘性の、外力の周波数に対する依存
性を模式的に示す図である。
【図7】(a)及び(b)は、本発明の他の実施形態に
よる傾斜センサの断面(水平状態及び傾斜した状態)を
示す図である。
【図8】本発明のもう1つの実施形態による傾斜センサ
の断面を示す図である。
【符号の説明】
100、200、300 傾斜センサ 10 上部部材 11 下部部材 11a 湾曲部 11b 平板部 12 上部電極 13(13a〜13d) 下部電極 14 密閉容器 15 中空部 17 流動体 18 可動部材 19 流動体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部電極と、下部電極と、該上部電極と
    該下部電極との間に封入され傾斜に応じて変位する流動
    体とを備えており、 該流動体の変位による出力信号の変化を取り出すことに
    よって傾斜角を計測する傾斜センサであって、 該流動体として、その粘性が外力の周波数に依存する物
    質を用いる傾斜センサ。
  2. 【請求項2】 前記流動体は、所定周波数以上の外力に
    対して、所定粘度以上を示す物質である、請求項1に記
    載の傾斜センサ。
  3. 【請求項3】 前記下部電極が複数部分に分割されてい
    る、請求項1に記載の傾斜センサ。
  4. 【請求項4】 前記出力信号は、前記流動体の変位に基
    づく静電容量の変化を示す信号である、請求項1に記載
    の傾斜センサ。
  5. 【請求項5】 前記出力信号は、前記流動体の変位に基
    づく抵抗の変化を示す信号である、請求項1に記載の傾
    斜センサ。
JP32309196A 1996-12-03 1996-12-03 傾斜センサ Withdrawn JPH10160458A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1307403C (zh) * 2000-02-25 2007-03-28 株式会社大光设备 倾斜传感器
JP2008261695A (ja) * 2007-04-11 2008-10-30 Tokai Rika Co Ltd 傾斜角センサ装置
JP2010096725A (ja) * 2008-10-20 2010-04-30 Keio Gijuku 傾斜センサ
KR101275235B1 (ko) * 2010-11-18 2013-06-14 센서텍(주) 각도 변위 측정을 위한 경사각 센서

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