JPH10162852A - レドックスフロー電池用隔膜及びその製造方法 - Google Patents

レドックスフロー電池用隔膜及びその製造方法

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JPH10162852A
JPH10162852A JP8319932A JP31993296A JPH10162852A JP H10162852 A JPH10162852 A JP H10162852A JP 8319932 A JP8319932 A JP 8319932A JP 31993296 A JP31993296 A JP 31993296A JP H10162852 A JPH10162852 A JP H10162852A
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浩喜 平山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】5価バナジウムなどの強酸化剤を含有するよう
なレドックスフロー電池において、金属イオンの透過量
が小さく、充放電効率が高く、特に耐久性に優れ、安価
なレドックスフロー電池用隔膜を提供すること。 【解決手段】脂肪族炭化水素系単量体から導かれる実質
的に不飽和結合を有さない単量体単位とアクリロニトリ
ルに基づく単量体単位との共重合体、例えば水素添加し
たアクリロニトリルーブタジエン共重合体、及びイオン
交換性樹脂からなる樹脂組成物が、基材に付着されてな
るイオン交換膜よりなるレドックスフロー電池用隔膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は優れた耐久性を有す
るレドックスフロー電池用隔膜、特にバナジウム系レド
ックスフロー電池用隔膜に関する。
【0002】
【従来の技術】レドックスフロー電池とは、隔膜により
正極と負極を分離した正極室および負極室を有する液透
過型の電解槽に、正極および負極の電池活物質を流通せ
しめ、酸化還元反応を利用して充放電を行うものであ
る。一般には隔膜として金属イオンの透過を防ぐ目的の
ためイオン機能を有する膜、例えばイオン交換膜が使用
されている。電池活物質には、種々の金属種の適用が考
えられているが、最近、電池活物質にバナジウムを使用
するバナジウム系レドックスフロー電池(特開昭62−
186473号公報)が提案されている。
【0003】この電池は、従来検討されてきた鉄/クロ
ム系のレドックスフロー電池と比較して、起電力、電池
容量などに優れており、更に極液が一金属系であるため
隔膜を介して正、負極液が相互に混合しても充電によっ
て簡単に再生することができる等の利点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】通常、イオン交換膜と
しては、イオン交換基は導入されずにマトリックスとし
て機能する樹脂(以下、単にマトリックス樹脂という)
とイオン交換性樹脂との樹脂組成物が、基材に付着され
たものが広く知られている。ここで、上記マトリックス
樹脂としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体
やアクリロニトリル−ブタジエン共重合体等が使用され
ている。
【0005】レドックスフロー電池用隔膜として、この
ようなマトリックス樹脂を含むイオン交換膜を使用した
場合、レドックスフロー電池は酸化還元反応を利用する
ために、酸化性物質、例えば5価のバナジウムイオンや
3価の鉄イオンなどが、このイオン交換膜中のマトリッ
クス樹脂に作用して、イオン交換樹脂部分が変質し、該
イオン交換樹脂部分が部分的に基材から剥離する等の問
題が生じた。特に、5価のバナジウムイオンは酸化力が
強く、一般のイオン交換膜を隔膜に使用するには耐久性
において大きな問題を生じていた。
【0006】そこで、耐酸化性を有する隔膜としてパー
フルオロ系の膜やポリスルホン系の隔膜(特開平6−1
88005号公報)等が提案されている。
【0007】しかしながら、上記提案の隔膜も、その要
求される全ての機能を満足させるものではなく、工業的
なレドックスフロー電池用隔膜として用いた場合に、金
属イオンの透過量が小さく、充放電効率が高く、特に耐
久性に優れ、安価な隔膜が要望されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする手段】本発明者らは、上記し
た課題に鑑み鋭意研究した結果、マトリックス樹脂とし
て、脂肪族炭化水素系単量体から導かれる実質的に不飽
和結合を有さない単量体単位とアクリロニトリルに基づ
く単量体単位との共重合体を用いることにより、上記し
た課題が解決できることを見出し、本発明を提案するに
至った。
【0009】即ち、本発明によれば、脂肪族炭化水素系
単量体から導かれる実質的に不飽和結合を有さない単量
体単位とアクリロニトリルに基づく単量体単位との共重
合体、及びイオン交換性樹脂からなる樹脂組成物が、基
材に付着されてなるイオン交換膜よりなるレドックスフ
ロー電池用隔膜が提供される。
【0010】本発明のレドックスフロー電池用隔膜は、
脂肪族炭化水素系単量体から導かれる実質的に不飽和結
合を有さない単量体単位とアクリロニトリルに基づく単
量体単位との共重合体を、イオン交換膜のマトリックス
樹脂として使用することが特徴である。このようにする
ことにより、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等
の不飽和結合を有するマトリックス樹脂を存在させた隔
膜に比べて、特に耐久性に優れた隔膜が得られる。
【0011】本発明において、上記脂肪族炭化水素系単
量体から導かれる実質的に不飽和結合を有さない単量体
単位とアクリロニトリルに基づく単量体単位との共重合
体としては、前記各構成単位からなる公知の化合物が何
等制限されることなく使用できる。脂肪族炭化水素系単
量体としては、不飽和脂肪族炭化水素、好適には炭素数
2〜9の不飽和脂肪族炭化水素が特に制限されることな
く使用される。その場合、不飽和脂肪族炭化水素として
は、具体的には、エチレン、プロピレン、ブチレン等の
オレフィンやブタジエン、イソプレン等の共役ジオレフ
ィンを用いるのが好ましい。なお、本発明において、マ
トリックス樹脂として使用する上記共重合体は、脂肪族
炭化水素系単量体から導かれる単量体単位が、共重合体
を構成した状態において、該単量体単位中に実質的に不
飽和結合を有さないものである。従って、共重合体成分
として、上記共役ジオレフィン等の複数の不飽和結合を
有する脂肪族炭化水素系単量体を使用した場合は、共重
合後、さらに水素添加処理を施して該単量体に基づく単
位中に残存する不飽和結合を消失させる必要がある。な
お、共重合の形態としては、いわゆるA−B型のジブロ
ックタイプ、A−B−A型のトリブロックタイプ、また
はランダムタイプなどいかなるものであっても良い。ま
た、ジビニルベンゼン、メタクリル酸、アクリル酸等の
第三単量体を微量含有するものであっても良い。
【0012】本発明において、最も好適に使用される上
記脂肪族炭化水素系単量体から導かれる実質的に不飽和
結合を有さない単量体単位とアクリロニトリルに基づく
単量体単位との共重合体としては、アクリロニトリルと
ブタジエンを共重合し、得られた共重合体をさらに水素
添加して得た樹脂が挙げられる。なお、このように不飽
和結合を有する共重合体に水素添加処理を施す場合、得
られる共重合体には若干の不飽和結合が残存しても良
い。通常、こうした残存する不飽和結合の数は、ヨウ素
価で10以下、好適には5以下であるのが好ましい。ヨ
ウ素価は、上記共重合体100gに吸収されるヨウ素の
グラム数で示される。ヨウ素価が10以上の場合、レド
ックスフロー電池溶液中に含まれる酸化力を有する化学
種、特に5価のバナジウムによる酸化反応によって劣化
される。
【0013】上記脂肪族炭化水素系単量体から導かれる
実質的に不飽和結合を有さない単量体単位とアクリロニ
トリルに基づく単量体単位との共重合体において、各構
成単位の含有量は、特に制限されるものではないが、ア
クリロニトリルに基づく単量体単位が共重合体の全重量
に対して10〜60重量%、好ましくは20〜50重量
%とするのが好適である。また、共重合体の分子量は、
特に制限されるものではないが、通常、1,000〜
1,000,000好ましくは50,000〜500,
000の範囲とするのが好適である。
【0014】本発明の膜において、樹脂組成物の成分と
して、こうした脂肪族炭化水素系単量体から導かれる実
質的に不飽和結合を有さない単量体単位とアクリロニト
リルに基づく単量体単位との共重合体がマトリックス樹
脂として使用されていることの確認は、例えば以下の方
法により行うことができる。即ち、本発明の膜をアセト
ンやテトラヒドロフラン等の有機溶媒でソックスレー抽
出等をすることにより、該樹脂を抽出し、これを赤外分
光分析等により分析することにより実施できる。上記共
重合体は、赤外分光分析で測定した場合、2850〜2
950cm-1付近、1440〜1460cm-1付近に炭
素−水素結合に由来するピークが存在し、2236cm
-1付近にニトリル基に由来するピークが存在する。その
一方で、1640cm-1付近、970cmー1付近にアル
ケンの炭素−炭素二重結合に由来するピークが実質的に
存在しない等の特徴を示す。
【0015】本発明のレドックスフロー電池用隔膜で
は、上記脂肪族炭化水素系単量体から導かれる実質的に
不飽和結合を有さない単量体単位とアクリロニトリルに
基づく単量体単位との共重合体、及びイオン交換性樹脂
からなる樹脂組成物が、基材に付着されて使用される。
このような膜は、上記構成のものであれば如何なる方法
により得られたものであっても良いが、通常は以下の方
法により得られる。即ち、イオン交換基が導入可能な官
能基またはイオン交換基を有する単量体、架橋剤、重合
開始剤および脂肪族炭化水素系単量体から導かれる実質
的に不飽和結合を有さない単量体単位とアクリロニトリ
ルに基づく単量体単位との共重合体からなる混合物を、
基材に付着して成形重合せしめた後、必要に応じてイオ
ン交換基を導入する方法である。
【0016】ここで、イオン交換基が導入可能な官能基
またはイオン交換基を有する単量体としては、従来公知
であるイオン交換膜の製造において用いられる単量体が
特に制限されずに使用される。具体的には、スチレン、
ビニルトルエン、ビニルキシレン、アセナフレン、ビニ
ルナフタレン、α−ハロゲン化スチレン等、α,β,
β’−トリハロゲン化スチレン、クロロスチレン類など
が挙げられる。特に陽イオン型レドックスフロー電池用
隔膜の場合には、α−ハロゲン化ビニルスルホン酸、
α,β,β’−ハロゲン化ビニルスルホン酸、メタクリ
ル酸、アクリル酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホ
ン酸、マレイン酸、イタコン酸、スチレンホスホニル
酸、無水マレイン酸、ビニルリン酸など、それらの塩
類、エステル類などが用いられる。また、陰イオン型レ
ドックスフロー電池用隔膜の場合には、ビニルピリジ
ン、メチルビニルピリジン、エチルビニルピリジン、ビ
ニルピロリドン、ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾ
ール、アミノスチレン、アルキルアミノスチレン、ジア
ルキルアミノスチレン、トリアルキルアミノスチレン、
メチルビニルケトン、クロルメチルスチレン、アクリル
酸アミド、アクリルアミド、オキシウム、スチレン、ビ
ニルトルエン等が用いられる。
【0017】また、架橋剤も、従来公知であるイオン交
換膜の製造において用いられる単量体が特に制限されず
に使用される。具体的には、例えば、m−、p−、o−
ジビニルベンゼン、ジビニルスルホン、ブタジエン、ク
ロロプレン、イソプレン、ジビニルナフタレン、ジアリ
ルアミン、トリアリルアミン、ジビニルピリジン類など
のジビニル化合物等やトリビニルベンゼン類等のトリビ
ニル化合物が挙げられる。
【0018】さらに、重合開始剤も、従来公知の重合開
始剤が特に制限されずに使用され、用いる基材、成形条
件にあわせて適宜選択すれば良い。例えば、ベンゾイル
パーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキ
サイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキ
サノエート、ラウリルパーオキサイド、ステアリルパー
オキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、
シクロヘキサンパーオキサイド、o−メチルベンゾイル
パーオキサイド、2,4,4−トリメチルペンチルパー
オキシ−フェノキシアセテート、α−クミルパーオキシ
ネオデカノエート、ジ−tert−ブチルパーオキシ−
ヘキサハイドロテレフタレート、tert−ブチルパー
オキシベンゾエート、ジイソプロピルベンゼンヒドロパ
ーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、
1,1−ビス−tert−ブチルパーオキシ−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン等が用いられる。
【0019】なお、本発明において、上記したイオン交
換基が導入可能な官能基またはイオン交換基を有する単
量体、架橋剤、重合開始剤および前記マトリックス樹脂
の混合物には、必要に応じて上記イオン交換基が導入可
能な官能基を有する単量体および架橋剤と共重合可能な
単量体として、例えば、スチレン、アクリロニトリル、
エチルスチレン、ビニルクロライド、アクロレイン、メ
チルビニルケトン、無水マレイン酸、その塩またはエス
テル類、イタコン酸、その塩またはエステル類などを適
宜混合しても良い。また、ジオクチルフタレート、ジブ
チルフタレート、リン酸トリブチル、アセチルクエン酸
トリブチルあるいは脂肪族酸、芳香族酸のアルコールエ
ステル等の可塑剤、されには単量体を希釈するための溶
媒等を適宜添加しても良い。
【0020】本発明において、上記した各成分の配合割
合は、特に制限されるものではないが、一般には、イオ
ン交換基が導入可能な官能基またはイオン交換基を有す
る単量体100重量部に対して、架橋剤を1〜100重
量部、前記脂肪族炭化水素系単量体から導かれる実質的
に不飽和結合を有さない単量体単位とアクリロニトリル
に基づく単量体単位との共重合体を2〜200重量部の
範囲で、また、重合開始剤を全単量体量100重量%に
対して0.1〜30重量部の範囲で配合するのが好まし
い。
【0021】以上により得られる単量体混合物は、基材
に付着され重合される。ここで、該基材としては、従来
イオン交換膜の基材として用いられているポリ塩化ビニ
ル、ポリオレフィン等を素材樹脂とするものが何等制限
されることなく使用される。形状としては、織布、不織
布、網、あるいはそれらの多孔性シート等も制限なく用
いられる。
【0022】これらの基材の厚さは、特に制限されるも
のではないが10〜200μmの範囲、特に50〜12
0μmのものが好適である。
【0023】単量体混合物を上記したような基材に付着
した後、重合する際には、一般に常温から加圧下で昇温
されるが、その昇温速度は特に制限されるものではなく
適宜選択すれば良い。こうした重合条件は、関与する重
合開始剤の種類、単量体混合液の組成、基材の種類によ
っても左右されるものであり、一概に決めることはでき
ないが最適なレドックスフロー電池用隔膜の性能を考慮
して適宜選択すれば良い。なお、このペースト状物を基
材に付着する方法は、例えば塗布または含浸、浸漬等の
公知の方法を適宜採択すれば良い。
【0024】以上により重合されて得られる膜状高分子
体は、必要に応じてこれを、公知の例えばスルホン化、
クロロスルホン化、クロロメチル化およびアミノ化、第
4級アンモニウム塩基化、第4級ピリジニウム塩基化、
ホスホニウム化、スルホニウム化、加水分解、プロトネ
ーション等の処理により所望のイオン交換基を導入し
て、レドックスフロー電池用隔膜とすることができる。
これらのイオン交換基の導入量は特に制限されないが、
通常、イオン交換容量が1〜20mmol/g−乾燥
膜、好ましくは2〜6mmol/g−乾燥膜の範囲であ
るのが好適である。また、イオン交換膜の厚さは、所望
の充放電効率、電気抵抗、機械的強度、耐久性等にも関
係するが、一般には10〜200μm好ましくは50〜
120μmの範囲であるのが好適である。
【0025】本発明において、上記により得られるイオ
ン交換膜は、レドックスフロー電池用隔膜として使用さ
れる。ここで言うレドックスフロー電池とは、隔膜によ
り正極と負極を分離した正極室および負極室を有する液
透過型の電解槽に、正極および負極の電池活物質を流通
せしめ、酸化還元反応を利用して充放電を行うものであ
る。電池活物質の組み合わせとしては、鉄/クロム系、
バナジウム/バナジウム系、クロム/臭素系、バナジウ
ム/チタン系、バナジウム/鉄、亜鉛/鉄系などが考え
られている。特に本発明のレドックスフロー電池用隔膜
は、バナジウムを含む電池系で耐久性に優れている。
【0026】
【発明の効果】本発明のレドックスフロー電池用隔膜
は、膜を構成するマトリックス樹脂として、アクリロニ
トリルに基づく単量体単位と特定の脂肪族炭化水素系単
位との共重合体を用いることにより、従来の充放電効率
を落とすことなく極めて優れた耐久性を付与することが
できる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例を示す
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0028】実施例1 4ビニルピリジン100重量部、架橋剤として純度約5
7%のジビニルベンゼン5重量部、重合開始剤としてベ
ンゾイルパーオキサイド2重量部、マトリックス樹脂と
してヨウ素価が4である水素添加したアクリロニトリル
−ブタジエン共重合体20重量部を混合して得たペース
ト状混合物をポリ塩化ビニルの織布に塗布し、ポリエス
テルフィルムを剥離材として被覆した後、75℃で6時
間加熱重合を行った。
【0029】次いで、得られた膜状高分子体を40重量
%ヨウ化メチルのヘキサン溶液を用いて、30℃、24
時間のメチル化を行い、厚さ100μm、交換容量3.
5mmol/g−乾燥膜の陰イオン型レドックスフロー
電池用隔膜を得た。このレドックスフロー用隔膜を、テ
トラヒドロフランを溶剤として、40℃、3日間ソック
スレー抽出を行い、得られた抽出物を赤外分光法を用い
て分析を行った。その結果、2850〜2950cm-1
付近、1440〜1460cm-1付近に炭素−水素結合
に由来するピークが存在し、2236cm-1付近にニト
リル基に由来するピークが存在し、一方で、1640c
-1付近、970cmー1付近には、アルケンの炭素−炭
素二重結合に由来するピークが実質的に認められなかっ
た。
【0030】次に、得られたレドックスフロー電池用隔
膜を、正極液として2mol/lのVOSO4+2mo
l/l硫酸混合溶液を、負極液として2mol/lのV
2(SO43+2mol/l硫酸混合溶液を用いて、電
流密度60mA/cm2で充放電を行い、充放電効率を
求めた。その結果を表1に示した。更に、耐久性を調べ
るために加速試験として60℃の1mol/lの5価バ
ナジウム硫酸溶液に3ヶ月浸漬した。浸漬膜はブランク
膜と比較して形状をに変化はなかった。そして該浸漬膜
の充放電効率を測定した結果も表1に示した。
【0031】比較例1 マトリックス樹脂としてヨウ素価が250である水素添
加していないアクリロニトリル−ブタジエン共重合体を
使用する以外は実施例1と同じ条件で、イオン交換容量
3.5mmol/g−乾燥膜、膜厚100μmの陰イオ
ン型レドックスフロー電池用隔膜を得た。
【0032】実施例1と同様な条件でソックスレー抽出
を行い、抽出物の赤外分光分析を行ったところ、285
0〜2950cm-1付近、1440〜1460cm-1
近に炭素−水素結合に由来するピークが存在し、223
6cm-1付近にニトリル基に由来するピークが存在し、
さらに、1640cm-1付近、970cmー1付近には、
アルケンの炭素−炭素二重結合に由来するピークが存在
していた。
【0033】この膜も実施例1と同じ条件で充放電効率
を測定した。その結果を表1に示した。また、耐久性を
調べるために、実施例1と同じ条件で浸漬した結果、樹
脂成分が一部剥離していた。該浸漬膜の充放電効率も表
1に示した。
【0034】実施例2 スチレン100重量部、ジビニルベンゼン3重量部、ア
クリロニトリル20重量部、ジブチルフタレート20重
量部、ベンゾイルパーオキサイド2重量部、そしてマト
リックス樹脂としてヨウ素価が4である水素添加したア
クリロニトリルーブタジエン共重合体15重量部を混合
して得たペースト状混合物をポリ塩化ビニルの布に塗布
し、ポリエステルフィルムを剥離材として被覆した後、
100℃で5時間加熱重合を行った。
【0035】次いで、得られた膜状高分子体を98%濃
硫酸と純度90%以上のクロルスルホン酸の1:1の混
合物中に60分間、40℃で浸漬して、厚さ100μ
m、交換容量3.1mmol/g−乾燥膜の陽イオン型
レドックスフロー電池用隔膜を得た。このレドックスフ
ロー電池用隔膜を、テトラヒドロフランを溶剤として、
40℃、3日間ソックスレー抽出を行い、得られた抽出
物を赤外分光法を用いて分析を行った。その結果、28
50〜2950cm-1付近、1440〜1460cm-1
付近に炭素−水素結合に由来するピークが存在し、22
36cm-1付近にニトリル基に由来するピークが存在
し、一方で、1640cm-1付近、970cmー1付近に
は、アルケンの炭素−炭素二重結合に由来するピークが
実質的に認められなかった。
【0036】次に、得られたレドックスフロー電池用隔
膜の充放電効率を実施例1と同じ条件で測定し、その結
果を表1に示した。更に、耐久性を調べるために60℃
の0.2mol/lの5価バナジウム硫酸溶液に1ヶ月
間浸漬を行った。1ヶ月後においても、浸漬膜自体に何
等変化は認められなかった。該浸漬膜の充放電効率も表
1に示した。
【0037】比較例2 マトリックス樹脂としてヨウ素価が250である水素添
加していないアクリロニトリル−ブタジエン共重合体で
ある以外は実施例2と同じ条件で、厚さ100μm,交
換容量3.1mmol/g−乾燥膜のレドックスフロー
電池用隔膜を得た。この膜も実施例1と同じ条件で充放
電効率を測定した。その結果を表1に示した。また、耐
久性を調べるために、実施例2と同じ条件で浸漬した結
果、樹脂成分が一部剥離していた。該浸漬膜の充放電効
率も表1に示した。
【0038】実施例3 2ビニルピリジン50重量部、4ビニルピリジン50重
量部、架橋剤として純度約57%のジビニルベンゼン1
0重量部、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド
2重量部、マトリックス樹脂としてヨウ素価が4である
水素添加したアクリロニトリル−ブタジエン共重合体2
0重量部を混合して得たペースト状混合物をポリ塩化ビ
ニルの織布に塗布し、ポリエステルフィルムを剥離材と
して被覆した後、75℃で6時間加熱重合を行った。
【0039】次いで、得られた膜状高分子体をヨウ化メ
チル40重量%のヘキサン溶液を用いて、30℃、24
時間のメチル化を行い、厚さ100μm、交換容量3.
0mmol/g−乾燥膜の陰イオン型レドックスフロー
電池用隔膜を得た。このレドックスフロー電池用隔膜
を、テトラヒドロフランを溶剤として、40℃、3日間
ソックスレー抽出を行い、得られた抽出物を赤外分光法
を用いて分析を行った。その結果、2850〜2950
cm-1付近、1440〜1460cm-1付近に炭素−水
素結合に由来するピークが存在し、2236cm-1付近
にニトリル基に由来するピークが存在し、一方で、16
40cm-1付近、970cmー1付近には、アルケンの炭
素−炭素二重結合に由来するピークが実質的に認められ
なかった。
【0040】このレドックスフロー電池用隔膜を、実施
例1と同じ条件で充放電を行い、充放電効率を求めた。
結果を表1に示した。更に、耐久性を調べるために実施
例1と同じ条件で3ヶ月浸漬した。浸漬膜はブランク膜
と比較して形状をに変化はなかった。そして充放電効率
を測定した結果も表1に示した。
【0041】比較例3 マトリックス樹脂としてヨウ素価が250である水素添
加していないアクリロニトリル−ブタジエン共重合体で
ある以外は実施例3と同じ条件で、厚さ100μm、交
換容量3.0mmol/g−乾燥膜のレドックスフロー
電池用隔膜を得た。この膜も実施例1と同じ条件で充放
電効率を測定した。その結果を、表1に示した。また耐
久性を調べるために、実施例1と同じ条件で浸漬した結
果、樹脂成分が一部剥離していた。該浸漬膜の充放電効
率も表1に示した。
【0042】
【表1】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脂肪族炭化水素系単量体から導かれる実質
    的に不飽和結合を有さない単量体単位とアクリロニトリ
    ルに基づく単量体単位との共重合体、及びイオン交換性
    樹脂からなる樹脂組成物が、基材に付着されてなるイオ
    ン交換膜よりなるレドックスフロー電池用隔膜。
  2. 【請求項2】レドックスフロー電池がバナジウム系レド
    ックスフロー電池であることを特徴とする請求項1に記
    載のレドックスフロー電池用隔膜。
  3. 【請求項3】イオン交換基が導入可能な官能基またはイ
    オン交換基を有する単量体、架橋剤、重合開始剤および
    脂肪族炭化水素系単量体から導かれる実質的に不飽和結
    合を有さない単量体単位とアクリロニトリルに基づく単
    量体単位との共重合体からなる混合物を、基材に付着し
    て成形重合せしめた後、必要に応じてイオン交換基を導
    入することを特徴とする請求項1記載のレドックスフロ
    ー電池用隔膜の製造方法。
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