JPH10163070A5 - - Google Patents

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JPH10163070A5
JPH10163070A5 JP1996324260A JP32426096A JPH10163070A5 JP H10163070 A5 JPH10163070 A5 JP H10163070A5 JP 1996324260 A JP1996324260 A JP 1996324260A JP 32426096 A JP32426096 A JP 32426096A JP H10163070 A5 JPH10163070 A5 JP H10163070A5
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【発明の名称】電気化学装置およびその製造方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】板状のグリッドの一面又は両面にイオンを吸蔵・放出するイオン吸放層を設けてなる複数の電極を、イオン吸放層が対向するように配置し、各電極の間に電解質を介在させ、電解質への電圧の印加によってイオンを対応する電極のイオン吸放層に吸蔵させることによって電荷を保持する電気化学装置において、前記グリッドは、合成樹脂層と、該合成樹脂層と前記イオン吸放層との間に形成した電子伝導層とを備えることを特徴とする電気化学装置。
【請求項2】板状のグリッドを備える電極を対向させてなる電気化学装置を製造する方法において、合成樹脂層の表面に電子伝導層を形成して前記グリッドを作成する工程と、互いに対向させて配置した両電極を渦巻き状に捲回する工程と、渦巻き状に捲回した両電極を所要の形状に成形する工程とを含むことを特徴とする電気化学装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンデンサと電池との中間的な装置であって、イオンの吸蔵によって電荷を保持する電気化学装置,及び該電気化学装置に用いる電極、並びに前述した装置,コンデンサ及び電池等の電気化学装置を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、微弱電流を長時間放出する(又は、所定の電圧を長時間印加する)コンデンサとそれより大きい電流をそれより短い時間放出する電池との中間的な装置である従来の電気化学装置の要部構成を示す模式図であり、厚さ方向を拡大してある。電極52、53は、厚さが略20μmのアルミニウム箔又は銅箔のグリッド61、71を備えている。両グリッド61、71は対向するように配してあり、グリッド61、71にはリード55、56がそれぞれ接続してある。両グリッド61、71の両面には、カーボン及びバインダであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)の混合物を30〜200μmの厚さに塗布してなり、イオンを吸蔵・放出するイオン吸放層63、63、73、73が形成してある。また、両電極52、53の一方(図4では電極53)の両面には、25〜50μmの厚さであり紙又は不織布等,電気絶縁性のセパレータ54、54が配してある。
【0003】
電気化学装置は、このような構成の電極52、53及びセパレータ54、54を、例えば直方体殻状のケース内に次のように封入してある。前述した如く配置した帯状の電極52、53及びセパレータ54、54をケースの口径寸法に応じて長円渦巻き状に捲回し、それをケースに収納し、該ケース内に、例えばトリメチルアルキルアンモニウム四フッ化ホウ素,プロピレンカーボネート(PC)又はエチレンカーボネート(EC)等の電解液を注入して電解液をセパレータ54、54に含浸させ、ケースを蓋で封止する。
【0004】
このような電気化学装置にあっては、リード55、56から電極52、53に適宜の電圧を印加した場合、電極52、53の間に生じた電場に従ってセパレータ54、54に含浸させた電解質中のアニオン及びカチオンが対応する電極52、53へ移動し、電極52、53のイオン吸放層63、63、73、73に吸蔵される。これによって、電気化学装置に電荷が蓄積されると共に、両電極52、53間に電位差が形成される。そして、電気化学装置は、イオン吸放層63、63、73、73に吸蔵したアニオン及びカチオンを放出することによって、蓄積した電荷をグリッド61、71を介してリード55、56から外部へ放出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の電気化学装置にあっては、鉄製の釘を電気化学装置に貫通させる釘さし試験を行った場合、グリッドが金属箔で形成されているため、蓄積した電荷が零になるまで大電流が流れ、電気化学装置の内部温度及び内部圧力が急激に上昇して爆発する虞があった。また、外部圧力を加えて電気化学装置を圧壊する圧壊試験を行った場合、爆発的な音響を発生してグリッドが破断していた。一方、直方体状のケースに収納すべく電極を長円形状に捲回する場合、捲回に長時間を要していた。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところはグリッドが合成樹脂層と、該合成樹脂層とイオン吸放層との間に形成した電子伝導層とを備える構成にすることによって、内部短絡が生じた場合でも爆発する虞がなく、また圧壊しても爆発音が発生せず、更に製造の際に短時間で捲回し得る電気化学装置、及び該電気化学装置に使用する電極を提供することにある。また、所要形状のものを短時間で製造できる電気化学装置の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る電気化学装置は、板状のグリッドの一面又は両面にイオンを吸蔵・放出するイオン吸放層を設けてなる複数の電極を、イオン吸放層が対向するように配置し、各電極の間に電解質を介在させ、電解質への電圧の印加によってイオンを対応する電極のイオン吸放層に吸蔵させることによって電荷を保持する電気化学装置において、前記グリッドは、合成樹脂層と、該合成樹脂層と前記イオン吸放層との間に形成した電子伝導層とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る電気化学装置において、前記合成樹脂層は、前記電解質の熱分解温度より低い温度領域で熱可塑性を有する合成樹脂で形成してあることが好ましい。
【0009】
本発明に係る電気化学装置において、前記合成樹脂層は捲回可能になしてあることが好ましい。
【0010】
本発明に係る電気化学装置において、前記電子伝導層は金属で形成してあることが好ましい。
【0011】
第2発明に係る電気化学装置の製造方法は、板状のグリッドを備える電極を対向させてなる電気化学装置を製造する方法において、合成樹脂層の表面に電子伝導層を形成して前記グリッドを作成する工程と、互いに対向させて配置した両電極を渦巻き状に捲回する工程と、渦巻き状に捲回した両電極を所要の形状に成形する工程とを含むことを特徴とする。
【0012】
第1発明にあっては、電極のグリッドを、合成樹脂層及びイオン吸放層との間に形成した電子伝導層で構成しており、合成樹脂層によって例えばカーボン及びバインダからなるイオン吸放層を支持し、電子伝導層によってイオン吸放層と外部との間の電子の授受を行う。
【0013】
このような電極を備える電気化学装置にあっては、対向する電極を介して、両電極間に介在させた電解質に電圧を印加したときに、内部短絡が生じて温度が上昇した場合、合成樹脂層が変形して電子伝導層が破断するため短絡電流が遮断され、更なる温度上昇及び内部圧力の上昇が防止され、安全性が高い。
【0014】
本発明にあっては、合成樹脂層は電解質の熱分解温度より低い温度で熱可塑性を有する合成樹脂で形成して置くことにより、電解質の熱分解が発生する前に合成樹脂層が変形又は溶融して電子伝導層が断線し、安全性が更に向上する。
【0015】
本発明にあっては、常温で柔軟な合成樹脂又は適宜の可塑剤を添加した合成樹脂を用いて合成樹脂層を形成し、合成樹脂層を捲回可能にすることが好ましい。このように合成樹脂層が柔軟であるため、電気化学装置を製造する場合、渦巻状に捲回することによって高速に捲回した後、所要の形状に成形することができる。一方、合成樹脂層が柔軟であるため、圧壊試験を行った場合、合成樹脂層が変形・延展した後に破断し、爆発的な音響が生じない。
【0016】
本発明にあっては、蒸着法,メッキ法,ラミネート法又はそれらを組み合わせた方法によって、導電性の金属を合成樹脂層上に固着して電子伝導層を形成することが好ましい。これによって、電子伝導層の厚さを薄くして機械的強度を低下させ、合成樹脂層の変形又は溶融によって電子伝導層を確実に破断する一方、所要の導電量を確保する。
【0017】
第2発明にあっては、合成樹脂層の表面に電子伝導層を形成して電極を構成する板状のグリッドを作成し、電解液を含浸させた紙又は不織布等のセパレータを介装させて、2つの電極を互いに対向させて配置し、それらを渦巻き状に捲回する。このとき、張力を均一に加えることができるため、長手方向への捲回時に張力を加えることができない長円渦巻き状に捲回する場合より、捲回速度が速い。そして、渦巻き状に捲回した両グリッドを所要の形状に成形する。このとき、電極のグリッドが合成樹脂であるため、電極は破断することなく所要の形状に容易に成形される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。図1は本発明に係る電気化学装置の構成を示す分解斜視図である。また、図2は、図1に示した電気化学装置の要部構成を示す模式図であり、厚さ方向を拡大してある。更に、図3は、図1に示した電気化学装置の製造手順の一部を示す模式図である。電気化学装置1の電極2、3は厚さが12〜20μmであり帯状であるグリッド20、30を備えており、両グリッド20、30は対向するように配置されている。
【0019】
グリッド20、30は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)又はポリエチレン(PE)等、略100℃〜280℃で熱可塑性を有する合成樹脂、又はそれらに適宜の可塑剤を添加した合成樹脂層21、31の両面に、アルミニウム、ニッケル、又は銅等の金属を1〜4μmの厚さになるように、メッキ法,蒸着法,ラミネート法又はこれらを組み合わせた方法によって形成した電子伝導層22、22、32、32を設けてなり、電子伝導層22、22、32、32にはリード5、6がそれぞれ接続してある。両グリッド20、30の両面には、例えばカーボンとバインダであるPVdFとの混合物を30〜200μmの厚さになるようにコーターで塗布・乾燥してなり、イオンを吸蔵・放出するイオン吸放層23、23、33、33がそれぞれ形成してある。
【0020】
なお、電極2、3は、熱可塑性合成樹脂層の一方の面に前述同様に電子伝導層及びイオン吸放層を設けたものを2つ用意しておき、それらを合成樹脂層が互いに対向するように張り合わせたものでもよい。
【0021】
両電極2、3の一方(図1では電極3)の両面には、25〜50μmの厚さの紙又は不織布等,電気絶縁性のセパレータ4、4が配してあり、該セパレータ4、4によって両電極2、3を捲回した場合の短絡を防止している。そして、図3(a)に示した如く、電極2、セパレータ4、電極3、セパレータ4をこの順に積層したものを、電極3を内側にして円形渦巻き状に捲回した後、図3(b)に示した如く、外圧を加えて長円形に成形し、電極部を得る。このように、電極2、3及びセパレータ4、4を円形渦巻き状に捲回するため、長円渦巻き状に捲回する場合より捲回速度が速く、短時間で捲回することができる。一方、電極2、3のグリッド20、30がPET、PP又はPE等、常温で柔軟な合成樹脂層21、31によって形成してあるため、所要の形状に成形しても電極2、3が破断することなく、容易に成形することができる。
【0022】
この電極部を、一端が開口した直方体殻形のケース8内に挿入し、蓋10に設けてある端子11とリード6とを接続し、またケース8の他端に設けてある端子とリード5とを接続した後、蓋10によって開口を封止し、ケース8の側面に開設してある孔9から例えばテトラエチルアンモニウム四フッ化ホウ素塩を含むPC、EC、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート又はジメチルエーテル等の電解液又はそれらを組み合わせた電解液を注入して、セパレータ4、4に電解液を含浸させる。
【0023】
このような電気化学装置1にあっては、リード5、6から電極2、3に適宜の電圧を印加した場合、セパレータ4、4に含浸させた電解質中のアニオン及びカチオンが、対応する電極2、3のイオン吸放層23、23、33、33に吸蔵される。これによって、電気化学装置に電荷が蓄積されると共に、両電極2、3間に電位差が形成される。そして、電気化学装置は、イオン吸放層23、23、33、33に吸蔵したアニオン及びカチオンを放出することによって、蓄積した電荷をグリッド20、30の電子伝導層22、22、32、32からリード5、6へ流出する。
【0024】
さて、上述した電気化学装置1に内部短絡が生じた場合、電極2、3の短絡部に短絡電流が通流して発熱し、短絡部の周囲の合成樹脂層21、31が変形又は溶融する。これによって電子伝導層22、22、32、32が破断し、短絡電流が遮断されて発熱が止まり、内部温度及び内部圧力の上昇が制される。一方、電気化学装置1にそれが圧壊するまで外部圧力を加えても、合成樹脂層21、31が外部圧力に応じて変形・延展した後に破断するため、破断直前の合成樹脂層21、31が薄く、従って爆発的な音響が発生しない。
【0025】
なお、図1に示した電気化学装置にあっては、帯状の2枚の電極を捲回してあるが、本発明はこれに限らず、複数の板状の電極を積層するようにしてもよいことはいうまでもない。また、図3では、対向する2電極間に介在させた電解質中のイオンを電極に備えられたイオン吸放層に吸蔵することによって電荷を蓄積する電気化学装置の製造方法について示してあるが、本発明に係る電気化学装置の製造方法はこれに限らず、対向する2電極間に介在させた誘電体によって静電的に電荷を蓄積するコンデンサ、及び対向する2電極間に介在させた電解質と電極との電気化学反応を利用する一次電池又は二次電池の製造にも適用できる。
【0026】
【実施例】
次に、本発明に係る電気化学装置及び従来の電気化学装置について比較試験を行った結果について説明する。比較試験は、電気化学装置に直径が2.5mmの鉄製の釘を貫通させる釘刺し試験、及び直径が15mmの丸棒で電気化学装置を圧壊する圧壊試験に付いて行った。それらの結果を次の表1及び表2に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
表1及び表2から明らかな如く、本発明に係る電気化学装置は、釘刺し試験及び圧壊試験において従来の電気化学装置より安全性が高い。
【0030】
【発明の効果】
以上詳述した如く、第1発明にあっては、内部短絡が生じて温度が上昇した場合、合成樹脂層が変形して電子伝導層が断線するため、更なる温度上昇及び内部圧力の上昇が防止され、安全性が高い。
【0031】
また、合成樹脂層は電解質の熱分解温度より低い温度領域で熱可塑性を有する合成樹脂で形成することにより、電解質の熱分解が発生する前に合成樹脂層が変形又は溶融して電子伝導層が断線し、安全性が更に向上する。
【0032】
さらに、合成樹脂層が柔軟であるため、電気化学装置を製造する場合、渦巻状に捲回することによって高速に捲回した後、所要の形状に成形することができる。一方、合成樹脂層が柔軟であるため、圧壊試験を行った場合、合成樹脂層が変形・延展した後に破断し、爆発的な音響が生じない。
【0033】
また、電子伝導層の厚さを薄くして機械的強度を低下させ、合成樹脂層の変形・溶融によって電子伝導層を確実に破断することができる一方、所要の導電量を確保することができる。
【0034】
第2発明にあっては、捲回速度を速くすることができると共に、破断することなく所要の形状に容易に成形することができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気化学装置の構成を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示した電気化学装置の要部構成を示す模式図である。
【図3】図1に示した電気化学装置の製造手順の一部を示す模式図である。
【図4】従来の電気化学装置の要部構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 電気化学装置
2 電極
3 電極
4 セパレータ
5 リード
6 リード
20 グリッド
21 合成樹脂層
22 電子伝導層
23 イオン吸放層
30 グリッド
31 合成樹脂層
32 電子伝導層
33 イオン吸放層
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