JPH10165800A - ジェットバブリングリアクター - Google Patents

ジェットバブリングリアクター

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JPH10165800A
JPH10165800A JP8330766A JP33076696A JPH10165800A JP H10165800 A JPH10165800 A JP H10165800A JP 8330766 A JP8330766 A JP 8330766A JP 33076696 A JP33076696 A JP 33076696A JP H10165800 A JPH10165800 A JP H10165800A
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liquid
jet bubbling
tube
pipe
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洋 柳岡
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Chiyoda Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来に比べて更に気液接触効率が高くなるよ
うなジェットバブリングリアクターを提供する。 【解決手段】 本JBR50は、ガス冷却部52と、空
間部62と、デッキ板64から垂下するジェットバブリ
ング管66と、デッキ板上の気液分離室58とを備えて
いる。全てのジェットバブリング管が高い気液接触効率
を維持するように、空間部62には、JBRの槽体の周
方向に見て一様な半径方向流速でジェットバブリング管
に向け排煙を導入する気体導入リング76が設けてあ
る。排煙脱硫処理に適用した場合、ガス冷却部で冷却さ
れた排煙は、吸収反応液を同伴して空間部に流入し、吸
収反応液をそこで分離する。よって、従来のように、固
形物がデッキ板等に付着するようなことが生じない。ジ
ェットバブリング管は、排煙の圧力バランスにより管内
に吸収反応液を収容し、下部開口から排煙を著しく高速
で導入してスーパージェットバブリング層を管内に形成
するので、気液接触効率が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気体と液体とを高
い接触効率で接触させて、気体と液体とを反応させた
り、気体を液体に吸収させたり、気体を液体で増湿冷却
したりする気液接触法及びその装置に関し、更に詳細に
は新規なジェットバブリング方式を利用した気液接触装
置、即ちジェットバブリングリアクターに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】気体を液体に吸収させたり、気体と液体
とを反応させたりする際に、従来から採用されている気
液接触機構の主なるものは、充填層方式の気液接触機構
及びスプレー方式の気液接触機構である。充填層方式の
気液接触機構では、塔又は槽に充填材を充填して充填層
を形成し、通常、充填層の上部から液体を下向きに流
し、充填層の下部から気体を上向きに流して、充填層内
で気液接触させている。スプレー方式の気液接触機構で
は、塔上部にスプレーノズルを設け、塔下部から気体を
上向きに流す一方、スプレーノズルから液体を気体に向
け噴霧して、噴霧した液体と気体とを塔内で気液接触さ
せている。
【0003】しかし、充填層方式の気液接触機構は、気
液接触効率が比較的高いものの、偏流等の問題から大規
模な装置には不向きである。一方、スプレー方式の気液
接触機構は、構造が簡単なものの、気液接触の効率が低
いために気液接触部の容積が大きくなるという欠点があ
る。しかも、両者とも、充填層の面積当たり大きな流量
で液体を流下させたり、また気液接触部の面積当たり大
きな流量で液体をスプレーしたり必要があるので、大型
の液体送入ポンプを必要とし、設備費と動力費が嵩み、
更に液体としてスラリーを使用する場合には、摩耗によ
るトラブルが発生し易い。
【0004】そこで、高い気液接触効率を達成するため
に、スプレー方式や充填層方式の気液接触機構のような
ガス連続相気液接触機構とは異なり、液側が連続相であ
ることを特長とするジェットバブリング方式の気液接触
機構を本発明者らは、開発し、実用化している。以下
に、ジェットバブリング方式の気液接触機構を備えたリ
アクター、即ちジェットバブリングリアクター(以下、
簡単にJBRと言う)について例を挙げて説明する。J
BR10は、図7に示すように、上から順にそれぞれ槽
体を横断するように設けられた気体出口室12及び気体
入口室14と、液体を収容する下部の液体収容室16と
に区画されている。気体出口室12と気体入口室14と
は、槽体を横断して水平に伸びる上部デッキ板18によ
って仕切られ、気体入口室14と液体収容室16とは、
上部デッキ板18にほぼ平行に伸びる下部デッキ板20
によって仕切られている。下部デッキ板20は、液体2
2の液面より上方に位置し、その間に気体流出用の空間
部24を形成している。
【0005】気体出口室12は出口ダクト26に接続
し、その下の気体入口室14は入口ダクト28に接続し
ている。また、液体と接触した後の気体(以下、液接触
気体と言う)を空間部24から気体出口室12に流入さ
せるガスライザとして、複数本のパイプ状の連通管30
(図7では、簡単に3本のみ図示)が気体入口室14を
貫通して、空間部24と気体出口室12とを連通させて
いる。多数のガス吹込み管(ガススパージャー)32
が、上端部で気体入口室14に連通し、下端部で液体2
2に浸漬するように下部デッキ板20から下方に下降し
ている。その下端部には多数の小さな開口が設けてあ
る。
【0006】気体は、気体入口室14を経て、ガス吹込
み管32から液体内に吹き込まれ、ガス吹き込み管32
の外側の液体内に微細な気泡となって流出し、液連続相
気液接触領域であるジェットバブリング層を形成し、そ
こで気液接触する。その後、気体は、ガスライザー30
及び気体出口室12を経由して系外に流出する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、気液接触を
伴う反応を進行させる反応器、気液接触を伴う吸収を進
行させる吸収塔をよりコンパクトな構造にするために
は、より気液接触効率の高い気液接触機構を開発するこ
とが必要である。そこで、本発明の目的は、従来に比べ
て、更に気液接触効率が高くなるような気液接触機構を
備えたジェットバブリングリアクターを提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、研究と実
験を重ねた末に、気液接触効率の高い新規なジェットバ
ブリング方式を開発し、本発明を完成するに到った。
【0009】本発明に係るジェットバブリングリアクタ
ー(以下、JBRと言う)は、槽体と、槽体を横断する
ように延在し、槽体の内部を上下に区画するデッキ板と
を備え、槽体が、デッキ板と液面との間に空間部を確保
するようにしてデッキ板から下方に液体を収容すると共
に、空間部に連通して気体を空間部に流入させる気体流
入口及び液体の注入口を備える液収容室と、デッキ板の
上にあって、気液分離空間と気体流出口とを有し、気体
から同伴液体を分離する気液分離室とにデッキ板によっ
て区画され、加えて、上部及び下部に開口を有し、上部
でデッキ板を貫通して気液分離室に連通し、下部で液体
に浸漬して液収容室の空間部を上下方向に延在する管体
で形成され、管体の内側に液体を導入し、かつ管体の外
側から下部の開口を介して管体の内側の液体に気体を流
入させ、ジェットバブリング層を管体の内側に形成する
ようにしたジェットバブリング管と、最外列のジェット
バブリング管を側方から取り囲むようにして、槽体の側
壁と最外列のジェットバブリング管との間の空間部に配
置された筒状体で形成され、かつ筒状体を貫通する孔を
備えた気体導入リングと、上端部でデッキ板を貫通して
気液分離室と連通し、下端部でジェットバブリング管よ
り深く液体に浸漬するように上下方向に配設された管体
で形成され、気液分離室で気体から分離された同伴液体
を液収容室に戻す液下降管とを備えたことを特徴として
いる。
【0010】本発明に係るジェットバブリングリアクタ
ーでは、気体と液体との種類を問わず、気体と液体とを
気液接触させることにより、目的に応じて、気体と液体
とを反応させたり、気体を液体に吸収したり、気体を液
体で増湿、冷却したり、気体を液体で減湿したりする。
本発明では、液体を収容したジェットバブリング管の外
側から管下部の開口を介して気体を従来に比べて高速で
管内側に導入して管内にスーパージェットバブリング層
を形成させる。管内の好適な気体の流量は、管体の単位
断面積当たり4,000Nm3 /m 2/h〜15,000
Nm3 /m 2/hの範囲である。スーパージェットバブリ
ング層を形成している領域から上方の気体域に流出する
気体は液体を同伴するので、上方の気体域で気体から液
体を分離し、気体を系外へ送り出す。一方、分離された
液体は、液体層に戻す。
【0011】気体導入リングは、好適には、上端がデッ
キ板に連結され、下端がジェットバブリング管の下端よ
り下方に延びて、運転中液体に浸漬しているようにす
る。断面形状は、円形でも多角形でも良い。気体導入リ
ングと槽体側壁との間隔は、気体の流速を考慮して決め
れば良く、好適には、気体流入口から離れるにつれて狭
くなるようにするが、実用的には同じ間隔で良い。ま
た、気体導入リングと最外列のジェットバブリング管と
の間は、最外列のジェットバブリング管への気体の流入
に支障がない限り、特に制約はない。貫通孔の寸法、個
数及び分布は、気体が槽体の周方向に見てジェットバブ
リング管に向かって半径方向に一様な速度分布で流入す
るようにするば良く、必ずしも一様な分布で貫通孔を設
ける必要はない。気体導入リングの上下方向の貫通孔の
位置も、制約はなく、空間部の気液分離機能、ジェット
バブリング管への流入の良否等を考慮して決定すれば良
い。貫通孔の形状も、制約はなく、円形でも楕円形で
も、角形でも良い。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、実施例を挙げ、添付図面
を参照して、本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に説
明する。
【実施例】全体的構成 本発明に係るJBRは、気体を液体中に従来に比べて高
速(スーパー)吹き込み(ジェットバブリング)して液
連続相で気液接触を行わせる。以下に、ボイラー排煙を
気体とし、石灰石スラリーを液体(以下、吸収反応液と
言う)として気液接触させ、排煙中の亜硫酸ガスなどの
有害物質を除去する場合のJBRの構成の一例を挙げ
て、本発明に係るJBRを説明する。本JBR50は、
図1に示すように、排煙中の亜硫酸ガスなどの有害物質
を吸収するスーパージェットバブリング吸収部54(以
下、簡単に吸収部54と言う)と、吸収反応液を収容
し、吸収部54で吸収した亜硫酸を中和、酸化し、石膏
に転化する吸収反応液部56(以下、簡単に反応液部5
6と言う)と、気液分離部58とを備える。
【0013】吸収部54は、吸収反応液の液面上に設け
られたデッキ板64に上端が取り付けられ、下端が吸収
反応液中に浸漬するように垂直に配設された多数のジェ
ットバブリング管66から成り、これらのジェットバブ
リング管66の下端部には開口68が設けられている。
排煙は、ジェットバブリング管66の外側の空間部62
から開口68を経て高速でジェットバブリング管66の
内側の吸収反応液へ流入し、その内部で気泡を多数発生
させ、高性能気液接触領域であるスーパージェットバブ
リング層をジェットバブリング管66の内側に形成す
る。排煙中の亜硫酸ガスなどの有害物質が、このスーパ
ージェットバブリング層で吸収、除去される。排煙は、
図1に示すように、更に後で図5及び図6を参照して詳
述するように、気泡状となってジェットバブリング管6
6内の管壁近傍を上昇し、ジェットバブリング管66の
上端でスーパージェットバブリング層から離脱し、気液
分離室58を経て清浄なガスとしてJBR50の外に排
出される。
【0014】一方、吸収された亜硫酸を含む吸収反応液
は、気液分離室58で清浄化ガスから分離され、図1に
矢印で示すように、ジェットバブリング管66内の中央
部及び液下降管70を下降して反応液部56に戻る。反
応液部56は、適当な攪拌手段72を有する固体懸濁液
層であり、ここには石灰石スラリーが吸収剤として石灰
石スラリーポンプ(図示せず)によって石灰石スラリー
供給管71を経由して供給される。更に、空気が酸化剤
として気泡状で空気吹き込み管74から供給される。排
煙から吸収反応液に吸収された亜硫酸は、反応液部56
に収容された吸収反応液内で、石灰石と空気により、中
和、酸化されて石膏となり、生成した石膏は上記攪拌手
段72で懸濁層中で緩やかに流動されつつ成長を続け
る。
【0015】各部の詳細 空間部 空間部62は、デッキ板64と吸収反応液の液面との間
の空間を言い、天井面はデッキ板64で、側面はJBR
50の側壁及びジェットバブリング管の管壁で、下面は
吸収反応液の液面で、それぞれ規定される空間であっ
て、ジェットバブリング管66(以下、原則として符号
66は省略する)がこの空間部62を上下方向に延びて
いる。排煙導入ダクト34を経由して流入する排煙は、
空間部62により各ジェットバブリング管に対して一様
な流速分布に分散され、ジェットバブリング管下端の開
口68からジェットバブリング管の内側に高速で流入
し、管内に泡出してスーパージェットバブリング層を形
成する。
【0016】気体導入リング 入口ダクト34から空間部62を介してジェットバブリ
ング管66に排煙を導入する際、JBRの水平断面に対
して排煙をできるだけ均一に分布するには、JBRの外
周から排煙をリング状にJBR内に導き、数カ所から均
等にジェットバブリング管に向け流入させることが望ま
しい。そこで、本実施例では、図2(a)及び(b)に
示すように、円形の貫通孔78を有する円筒状の気体導
入リング76をジェットバブリング管群を包囲し、上端
でデッキ板64に連結し、下端で運転中常時吸収反応液
に浸漬するようにして、槽体と最外列のジェットバブリ
ング管の間の空間部62に設けている。ガス導入リング
の形状は、これに限ることなく、断面多角形でも良く、
また、更に多数の貫通孔を設けても良い。
【0017】ガス冷却部 排煙が高温の場合には、入口ダクト34とJBR50の
排煙導入口との間にガス冷却部52を設け、そこで予め
排煙を増湿冷却することもできる。ガス冷却部52は、
緩やかに断面積が拡大するガス導管で形成され、導管内
にスラリー状の吸収反応液をスプレーするスプレーノズ
ル60を備えている。ガス冷却部52では、高温の排煙
とスプレーされた吸収反応液とが接触し、吸収反応液中
の水が排煙中に蒸発して、排煙はほぼ飽和温度の40〜
60℃まで増湿冷却される。増湿冷却された排煙は、蒸
発しなかった残部の吸収反応液を同伴して空間部62へ
流入する。残部吸収反応液は、空間部62で排煙から分
離されて落下し、反応液部56の吸収反応液層に即座に
混合され、冷却された排煙のみが吸収部54に入る。固
形物を含む吸収反応液が、従来のように水平なデッキ板
上を流れることなく、直接に反応液部56へ流下するの
で、従来のように、固形物がデッキ板上に付着、堆積す
るという問題は生じない。
【0018】気液分離室 気液分離室58でより効果的に気液分離を行うには、図
2(a)に示すように、ジェットバブリング管の上方に
キャップなどの気液分離板79を配設し、重力による気
液分離の前に衝突による気液分離を行わせることもでき
る。気液分離板の形状は、これに限らず平板でも、傘型
でも良い。また、気液分離板の位置、大きさにも限定は
ない。この気液分離室58の天井部には、図1に示すよ
うに、スプレーノズルを多数配した洗浄装置59が設け
られ、水平なデッキ板64を清澄な液で洗浄し、固形物
(若しあれば)をスラリー化して流動化し、液下降管7
0へ流し込むようにしている。液下降管70は、下端部
がジェットバブリング管の開口68より下方に達し、運
転時には、吸収反応液に浸漬され、液シールがなされて
いる。JBR50の気液分離室58を出た清浄なガス
は、更にミストエリミネーターを経由してガス中の液滴
を最終的に除去して煙突に送られ、大気へ放出される。
【0019】ジェットバブリング管 空間部62の内部に垂直に配設されるジェットバブリン
グ管は、上下端とも開放の管で形成されている。ところ
で、空間部62に排煙が流入しない状態では、ジェット
バブリング管の下部を、好適には下端から上方に高さ約
100〜600mmまでの部分を吸収反応液に浸漬させる
程度の液量の吸収反応液が反応液部56に収容されてい
るので、流体的にはジェットバブリング管の下端が閉じ
られ、かつジェットバブリング管の内外の液面は等し
い。次に、排煙が空間部62に充満するにつれて、空間
部62に接する吸収反応液の液面が下方に押し下げら
れ、ジェットバブリング管の外側の液面が下がるととも
に管内の液面が上がる。更に、空間部62内の排煙の圧
力が増大し、圧力が吸収反応液の液柱単位で浸漬深さに
なると、排煙がジェットバブリング管下部の開口68か
ら内側に流れ始める(図1で左端のジェットバブリング
管を参照)。この時、ジェットバブリング管内に存在す
る液柱の深さ、つまりガス泡出時の浸液深、Hb((図
5(b)参照)は、下記の式で表される。 Hb=(1+Ao/Ai)Hs (1) ここに、Hs=静止時の浸液深(図5(a)参照)、A
i=ジェットバブリング管全体の総断面積、Ao=空間
部62の横断面積である。また、この時に必要な排煙の
圧力、Poは、 Po=ρl(1+Ai/Ao)Hs (2) となる。ここにρl=吸収反応液の密度である。
【0020】更に、空間部62内の排煙の圧力が増大す
ると、液面がジェットバブリング管の下端から下方に押
し下げられ、排煙の流路深が確保されて、所定の流量の
排煙が流入する。この時、ジェットバブリング管の下端
開口から管内の液柱側へのガスジェット流量、即ちジェ
ットバブリング管外側から内側へのガス流量Qは、ガス
入口速度分布が下端開口の周縁に沿って均一であるとし
て、下記の式で表現される。 Q={( ρl −ρv )/ρv)}0.5 ∫ c{2g(H−X)}0.5Lp(x)dx(3) ここに、ρl =吸収反応液の密度、ρv =排煙の密度、
c =定数、g =重力加速度、H =ガス流路深、X =ガス
流路内での管下端からX 距離、Lp(x)=ガス流路幅
(xの関数)であり、積分範囲は、ガス流路が下端開放
の場合は0〜H までであり、下端にスカートがある時
は、hs(スカート高さ)〜H +hsである。
【0021】緊密に混合してなるジェットバブリング層
の形成 さて、ジェットバブリング管内に緊密に混合してなる、
安定したジェットバブリング層(以下、緊密に混合して
なる、安定したジェットバブリング層を、単に「安定し
たジェットバブリング層」と言う)を形成するには、先
ず、吸収反応液が圧力の高い管内から開口を通じて管の
外側へ戻ろうとするのを外から内に押し返すだけのエネ
ルギーを、排煙が保有しなければならない。つまり、空
間部62内の排煙の圧力が、(2)式のPoより高いこ
とが必要である。実験研究を続けた結果、安定なジェッ
トバブリング層を形成する条件として、上述の排煙の圧
力条件に加えて、更に本発明者らが見出した第一の条件
は、従来のように多孔質の散気板を用いて初めから小さ
な気泡を生成させるのでなく、排煙を大きなガス塊にし
て噴出し、これを吸収反応液と衝突させて多数の小さな
気泡に分散させることこそが、安定なジェットバブリン
グ層を得る要諦であるということである。特に、スラリ
ーのように固形物を含んでいる液にガスを気泡状に吹き
込む時には、大きな開口面積にもかかわらず小さな気液
が生ずるこのジェットバブリング方式が効果的であるこ
とは容易に納得できるであろう。ガス塊の径は気液の性
状にある程度依存するのであるが、排煙脱硫の場合で
は、一般に、分散した気泡径が約2〜3mmになることか
ら、ガス塊は当然これより数倍大きい径となる。つま
り、気泡の5倍の径、即ち径10〜15mm程度の開口径
を有しておれば良い。
【0022】ジェットバブリング現象では、気泡のみな
らず吸収反応液の微粒子も発生するので、安定なジェッ
トバブリング層形成のためには、第二の条件として、比
重差から管外へ戻ろうとする微粒液滴を管外から管内へ
戻すエネルギーを排煙が持っていなければならないこと
である。第二の条件を満足するエネルギーは、ガスの液
滴同伴速度6〜8m/sとして知られている。
【0023】ジェットバブリング管の開口 いま、ガス開口が、図3(d)に示すように、円管形ジ
ェットバブリング管の下端管口で構成されるとすると、
理論的には、ジェットバブリング管の下端開口の周縁全
長に沿って、流路深さHのドーナツ状ガス塊が生じる。
管口で下端開口を構成した場合、計算によれば、上記二
つの条件は、ほぼ満足されているので、管口で下端開口
を構成した円管の形状が、機構的に最も単純なジェット
バブリング管であると言える。
【0024】実際には、ドーナツ形状のガス塊は不安定
であるから、ガス流路幅は、ガス流路深さと同じオーダ
ーであることが望ましく、下端開口は、いわゆる櫛形形
状の開口部として形成されることが望ましい。取り扱う
排煙の性状や吸収反応液の性状には幅があり、特にスラ
リーを吸収反応液として使用する場合には、閉塞のおそ
れがあるから、大きな寸法の開口が実際的であり、櫛形
の場合、ジェットバブリング管の下端開口深さ、H(図
3(a)参照)は、H=0.025m程度とするのが望
ましい。
【0025】ジェットバブリング管の開口部の形状、寸
法は、前述した第1の条件及び第2の条件を満足してお
れば良く、好ましくは、開口径は前述のように10〜1
5mmの相当径を有しておれば良く、形状的には排煙によ
るジェットバブリング現象を発生させることができる限
り、本発明では特に限定する必要はない。形状について
は、管底面が開口した、いわゆる櫛形のスロット形状の
開口68a(図3(a)参照)に加えて、例えば管壁を
貫通するように設けられた貫通孔状の開口68b(図3
(b)参照)があり、開口68bの下方にスカート68
c(図3(c)参照)を有するものでもよい。図3
(d)に示すように、単に管を切断したような開口でも
良い。スカート68cは、その長さLを例えば100〜
500mmと適当に長くして、ジェットバブリング管の下
端より排煙が流出しないようにすれば、排煙の吹き出し
速度は、開口の下端でも上記の臨界速度(6〜8m/
s)を超えさせることが可能で(櫛形のスロット形状で
は水平方向のガス流速に2次曲線近似の分布があり、開
口の下端では流速がゼロとなることに注目のこと)、ジ
ェットバブリング層にスロッシングなどの液の揺動が起
こらない利点はある。もっとも、スカートの部分はデッ
ドゾーンになるので長期的には固形物が沈着するという
欠点もあるので、トレードオフを考慮する必要がある。
スロット状の櫛形開口及び貫通孔状開口の場合、開口そ
のものの形状は、長孔で、隅については適当なアールを
とったものが実用的であるが、丸孔、三角(上部にアー
ルをとった台形を含む)孔、四角孔など、また、開口の
配列も、上下には単段のほかに、二段あるいは三段な
ど、左右には等間隔ピッチ配列の他に複数ピッチの採用
などもあるが、これらは当業者の選択の範囲であって本
発明では特に限定するものではない。
【0026】ジェットバブリング管の下端開口深さH
(図3(a)参照)を25mmとした場合、排煙は、ジェ
ットバブリング管下端の開口から深さ約25mmの排煙塊
となってほぼ水平方向に管内に流入し、吸収反応液が充
満している管内では排煙の浮力によって垂直方向に反転
する。従って、管内側下部ではほぼ25mm径のガス塊が
存在する。このガス塊は、浮力によって管内を管壁に沿
って上昇しながら多くの気泡に分裂、分散する。気泡の
径は、液の表面張力や粘度などによって定まり、約2〜
3mmのものが大部分であるが、液との混合が十分に行わ
れる前のものは、過渡的に不定形のガス塊の形状を示
す。
【0027】ジェットバブリング層の高さ 生成した多くの気泡は、自己の浮力によって、あるいは
排煙の圧力によってドライブされて吸収反応液を伴いな
がら管内を吹き上がる。管内の液の高さは気泡が含まれ
る分だけ動的に膨張して高くなるので、ジェットバブリ
ング層の高さ、Hjは、 Hj=Hb/(1−Ф) (4) となる。ここに、Hb=ガス泡出時の浸液深、Ф=気泡
のホールドアップである。Фはジェットバブリング層で
は平均して0.4〜0.6である。この時に、ジェット
バブリング管の外側で必要な排煙の圧力Poは、管内のジ
ェットバブリング層が動的に膨張しても、相変わらず液
相連続であるから、 Po=ρl {(1+Ai/Ao)Hs+(Ai/Ao)H}+HjФρv (5) となり、泡出時に比べて少し大きくなる。
【0028】ジェットバブリング相の流動状態 水平方向に管内に流入した約25mmの排煙塊は、吸収反
応液が充満している管内で浮力によって上方へ方向を転
じ、当初の排煙塊の径より2〜3倍大きい径のジェット
バブリング塊(約50〜75mm)となって吹き上がり、
次いで2〜mm径の気泡に分裂する。気泡は、管内ジェッ
トバブリング層の高さHjに到達すると、ジェットバブ
リング相から分離し、ジェットバブリング層上方の気液
分離室58に集められる。気泡に同伴された吸収反応液
は、ここで気泡と別れ、下方に比重差で流下する。液の
流れにはジェットバブリング流の約10%の流路断面積
を与えることが液の円滑な下降に必要である。そのため
には、ジェットバブリング管の横断面で見て、管壁面に
沿った幅50〜75mmの円環部分がジェットバブリング
本体とすると、円環の内側の径約50mmの円形部が液流
部として機能する(図4参照)。従って、ジェットバブ
リング本体部と液流部とを考慮すると、ジェットバブリ
ング管の直径は約150〜200mmとするのが望まし
い。
【0029】ジェットバブリング管の断面形状 一般的には、ジェットバブリング管の横断面形状は円形
であるが、それは材料の入手容易性及び経済性が大きな
理由であって、本発明はジェットバブリング管を特定の
形状に限定するものではない。本発明では、例えば、ジ
ェットバブリング管の横断面は、円の他に、楕円や卵形
の曲線輪郭断面、あるいは三角形、正方形、五角形、六
角形など多角形輪郭断面、更には溝(トラフ)形状の平
板構造など任意の形状を採用することができる。ジェッ
トバブリング管の断面積が円形でない場合は、相当管径
(=4×断面積/浸辺長)を円管の直径とすることによ
り、円管と同様に取り扱うことができる。例えば、幅W
の平板構造は、相当管径は4×W/2=2Wとなり、同
じ間隙を有する円管に比べて性能的には粗な基本気液接
触手段であると言える。
【0030】ジェットバブリング管の標準的寸法 以上の説明から、本発明の基本気液接触機構の単位手
段、即ちジェットバブリング管は、標準的には、直径約
150〜200mmの円管で、下端から下方に25mmのと
ころをガス流路深さとして、排煙が流速約10Nm/sで
水平に管内の吸収反応液に噴出するものである。実用規
模の排煙脱硫装置は、多数のジェットバブリング管が必
要であって、これらのジェットバブリング管をデッキ板
から下方に延在させるようにデッキ板に配列することに
なる。ジェットバブリング管は、その上端のところで水
平なデッキ板を貫通して保持され、デッキ板上が気液分
離室58となる。
【0031】ジェットバブリング管の配置 円管からなるジェットバブリング管を水平なデッキ板上
に配置するには、正三角形及び正方形配置の二つが標準
的である。デッキ板の直径Dsと、管配置のピッチPT
と、管の数Nとの間には、管配置の際のデッドスペース
などを考慮した上で次の関係がある。 N=C(DS /PT 2 (6) ここに、C=0.86(正三角形配置)、0.75(正
方形配置)である。管を最密に配置した場合は、PT
Dj(ジェットバブリング管の径)であるが、取付け上
の制約もあり、実用的にはこのような配列は難しく、P
T =1.25Djとなることが普通である。なお、PT
=1.25Djの時のジェットバブリング管の総面積と
JBRの断面積の比は、簡単な計算から0.48〜0.
55となる。
【0032】ジェットバブリング管内の気液接触作用 以下、上下端で開口した径200mmの円筒管を用いた最
も簡単なジェットバブリング管を例にして、ジェットバ
ブリング管内部における気液接触作用を詳述する。図5
(a)は排煙導入前のジェットバブリング管内外の吸収
反応液の状態を示す(排煙の流入量、Gsは、Gs=
0)。円筒管内外の液面は同じ高さにあって、ジェット
バブリング管の下端は液面からHsの深さにある。図5
(b)は少量の排煙(Gs=約60Nm3 /m2 /h)を
導入した時の管内の状態を示している。管の外側の液面
は、排煙の圧力によって管の下端より上に数mmの高さま
で押し下げられ、排煙は、一旦、吸収反応液内に潜り、
下端から径数mm程度の気泡群となって管内に上昇する。
気泡群は、管の下端から内壁面近傍を旋回して上昇し、
しかも、吸収反応液の中を相互に独立してゆっくり上昇
するので、管内の吸収反応液は、ほとんど静止した状態
を示す。Hbは、管の内外の液面の差を示す。
【0033】図6(c)は、更にガス量を増加させた時
(Gs=約400Nm3 /m2 /h)の管内の状態を示し
ている。管の外側の液面は、管下端より数cm下方に押し
下げられ、排煙は下端周辺長の一部から径数cm程度の気
泡塊となって管内に吹き込まれる。気泡塊は、管の下端
面で圧力により押し潰され、径数mmの気泡がたくさん集
まった気泡群となる。気泡群は、管壁の内壁面近傍を旋
回して上昇しつつ、吸収反応液を吸引する。この吸収反
応液の液流は、L=約500m3 /m2 /h程度の単位
断面積当たりの流量Lで、矢印で示すように、最初は気
泡と共に管内を上昇し、次いで気泡が上方のガス層へ離
脱するにつれて下方に流れを転じ、管内の中央部に液下
降流を形成する。下降した液流は、再び噴出気泡群に吸
引され、液循環回路を管内に形成する。この状態は、従
来的な気泡層に近い流動である。
【0034】図6(d)は、更にガス量を増加させた時
(Gs=約4,200Nm3 /m2 /h)の管内の状態を
示している。管の外側の液面は、管下端より数cm下方に
押し下げられ、排煙は下端周辺長のほぼ全長から径数cm
程度の気泡塊となって管内に吹き込まれる。気泡塊は、
管の下端面で圧力により押し潰され、径数mmの気泡群と
なる。気泡群は、管壁の内壁面近傍を急速に上昇する。
上昇する気泡群には液がより一層強く吸引され、一方気
泡群はこの液の流れに衝突して、気泡が更に小さく分裂
する。この際、一部の気泡は合一するが、また液流と衝
突して再分裂する。液の流れは、L=約8,400m3
/m2 /h程度の単位断面積当たりの流量Lで、気泡と
の衝突のために乱されて気泡群の中で液の上昇と下降を
繰り返して、明快な液循環回路を形成しない。一方、気
泡も一部が下降する液流に伴われる。従って、管内の気
液の循環は不規則である。少量、例えば約200mg/Nm
3 程度の液滴が排煙に同伴されるが、気液分離室58で
分離され、デッキ板64に開口している液降下管70か
ら再び反応液部56へ戻される。この段階の気液接触現
象は、従来的なジェットバブリング現象とほぼ同じであ
る。
【0035】図6(e)は更に一層ガス流量を増加させ
た時(Gs=約14,100Nm3 /m2 /h)の管内の
状態を示している。吸収反応液の液面は管の下端より下
数cmに押し下げられ、排煙は、下端周辺長のほぼ全長か
ら気柱状ないし連続した気体塊の流れとなって管内に吹
き込まれる。気柱塊は、管の下端面で圧力により押し潰
され、数cmの気泡塊となる。気泡塊は、管内を急速に上
昇する。上昇する気泡塊は吸収反応液に衝突して分裂
し、多量の気泡群となる。一方、吸収反応液は、多量の
気泡群により一層吸引されて、L=約53,400m3
/m2 /h程度の単位断面積当たりの流量Lになる。気
泡群はこの液の流れに衝突して、気泡が更に小さく分裂
する。この際、一部の気泡は合一するが、また液流と衝
突して再分裂する。吸収反応液の流れは、気泡との衝突
のために乱されるが、気泡群の上昇速度が大きいので、
液は管内では下降せず、大部分が排煙と一緒に管内を上
昇して気液分離室58に流出する。気液分離室58で
は、排煙の流速が急速に低下するので、排煙に同伴した
吸収反応液は、排煙流から分離されて、一部が液降下管
70から流れ落ち、残部がジェットバブリング管内下部
に戻り、矢印で示すように、大きな液循環回路を形成す
る。これが本発明のスーパージェットバブリング現象で
ある。
【0036】以上の吸収反応液と排煙の混合層の状態
は、主として排煙の流量Gsによって定まるが、管下端
のガス入口の形状によっても影響される。排煙が管内に
流入する開口の開口縁が上述のように簡単な直線状の場
合は、大気泡塊が出来やすく、大気泡塊が上昇した後、
吸収反応液がその空間に入り込み、排煙の出口が閉じら
れるため、排煙の管内への吹き出し方が間欠的になり、
管内のジェットバブリング層も周期的な動きをし勝ちで
ある。この現象は、開口縁を櫛形にし、始めから小さな
気泡塊を作り、更に開口での排煙の流速を上げることに
より、軽減される傾向にある。ところで、本発明のジェ
ットバブリング管内に拘束されたスーパージェットバブ
リング層では、この周期的な動きの波長は、ジェットバ
ブリング管の直径の2倍程度の大きさに限定されるの
で、ジェットバブリング管が数多くあるJBRでは、全
体としては振動数としては大きくなり、準安定な流動性
が達成される。逆にこの振動によって気液動きが激しく
なるので、気液の接触効率が向上するという利点も存在
する。
【0037】従って、本発明のジェットバブリング・リ
アクターは、排煙の脱硫反応のみならず、気液の接触を
目的とするあらゆる処理操作に活用できる。例えば、硫
化水素、二酸化炭素などの酸性ガスの物理、化学吸収プ
ロセスとして利用できる。更に、芳香族炭化水素のアル
キレーションによるアルキルアロマの製造、メタノール
のカルボニル化による酢酸の製造、アルデヒドから酢酸
への空気酸化反応、ナフサの液相空気酸化による蟻酸、
酢酸、プロピオン酸の合成、アセチレンの塩素化重合に
よるクロロプレンの製造などを液相で実施する場合に
も、有効な方法である。この場合、触媒として均一系の
ものは勿論、不均一系のスラリー触媒を用いても差し支
えない。また、石炭の液化反応や液相メタノール合成を
行う場合も、有用な処理方式として採用することができ
る。
【0038】本JBRによる脱硫率 以上のように、本発明のスーパージェットバブリング気
液接触機構は優れた気液接触効率を有する。次に、スー
パージェットバブリング気液接触機構による脱硫率の向
上を説明する。本発明のような液相連続の気液接触層で
の脱硫率ηは、吸収反応液層での反応が速く、気相から
の亜硫酸ガスの吸収速度が律速の場合、例えば、199
6年1月丸善株式会社から刊行の「化学反応と反応器設
計」の342ページに記載の次式(7)により求めるこ
とができる(この記載を本明細書に参考文献として引用
する)。 η≒1−exp {−(KG aπ/GM )Zf } (7) ここに、KG =総括ガス容量係数(kgmol /m2 /h/
atm )、a=比表面積(m2 /m3 )、π=全圧(atm
)、GM =ガス流量(kgmol /m2 /h)、Zf=気液
接触層高さ(m)である。KG は、ガス/液に固有の物
質の拡散係数と、ガスと液の性状及び流動状態に影響さ
れる境膜厚さに依存し、GM が大きいと大きくなる。G
M が大きくなると、境膜の厚さが小さくなるからであ
る。本発明の場合は、KG ∞GM 0.5 程度であることが
測定されている。aは単位容積の中の気液接触面積の割
合を示し、単位容積中の気泡容積、つまり空隙率Φに比
例し、気泡の径Dp に反比例する。G M が小さい場合、
例えばGM ≦50Nm3 /m2 /hでは、ガスを送入す
るにつれて空隙率が比例的に増大し、一方気泡径はほぼ
一定に保たれるので、a∞GM程度となる。本発明のス
ーパージェットバブリング層ではジェットバブリング管
に小さな径の気泡が既に最大密度に近く存在するので、
a自体は大きな値であるが、GM への依存度は、それ程
大きくない。測定によれば、a∞GM 0.32程度であり、
全体としては、KG a∞GM 0.82程度である。(7)式
の(KG aπ/G M )の項は、GM -0.17 に比例し、ガ
ス流量の増大に従って、少しずつではあるが、小さくな
る。一方、本発明の場合、ジェットバブリング層がジェ
ットバブリング管一杯に充満して、上部で気液分離室に
連通するので、Zf は、ジェットバブリング管の高さに
対応している。ガス側の圧力損失は、ジェットバブリン
グ管の高さに空隙率Φを乗じた、ガス流量GM によらな
い一定値を示す。また、任意のガス流量GMに対して所
定のηを得るには、ジェットバブリング管の高さを
(7)式に従って変えれば良い。
【0039】本実施例のJBRを備えた排煙脱硫装置を
実際に運転して、亜硫酸ガスを2200ppm 含む温度1
20℃の105万Nm3 /hの排煙を処理したところ、計
算通り、脱硫率は約96%に達し、排煙の圧力損失は約
260mmH2 Oであった。排煙の増湿冷却に用いた工業
用水は約50m3 /h、石膏スラリーの抜き出し量は約
60m3 /h、石灰石スラリーの供給量は約30m3
hであった。酸化用空気は、モーター動力420kWの湿
式(ナッシュ式)空気圧縮機を用いて16,000Nm3
/hを水分飽和の状態でJBRへ挿入した。また、約2
00g/lの濃度で晶析した石膏を含有するスラリーを
JBRの下部から抜き出しポンプ36により抜き出し、
石灰石スラリー供給管71より石灰石スラリーポンプ
(図示せず)で連続的にJBRに補給した。このJBR
82を使用して、約11ヵ月にわたり連続的に運転した
結果では、排煙のガス損失の増加は、殆ど認められず、
また、1年後の開放点検において、JBR82内の固形
物の堆積、沈積及び閉塞も殆ど認められなかった。
【0040】本実施例のJBRの効果 以上、説明したように、本実施例のJBR50は、従来
の気液接触機構に比べて著しく高い気液接触効率で気体
と液体とを気液接触させるので、例えば排煙脱硫処理に
適用した場合、コンパクトな槽体で高い脱硫率を達成で
きる。また、気体導入リング76を設けることにより、
槽体の周方向に見て一様な半径方向流速でジェットバブ
リング管に向け排煙を導入できるので、ジェットバブリ
ング管の気液接触効率をJBR全体にわたり一様に高い
効率に維持できる。また、気液接触領域がジェットバブ
リング管66内に限定され、相互に独立しているので、
変動が少なく、安定した脱硫率を達成できる。更には、
吸収反応液等により排煙を予め冷却する場合、排煙は気
液分離空間として機能する空間部62(デッキ板と吸収
反応液の液面との空間)に先ず導入されるので、従来の
ように、水平なデッキ板上等に固形物が堆積して排煙の
流路が狭くなり、排煙の圧力損失が増大するなどの問題
がない。
【0041】
【発明の効果】本実施例の記載を含めて本発明に関する
以上の詳細な説明から明らかなように本発明のJBR
は、新規な構成のジェットバブリング機構を備え、以下
に挙げるような利点を有し、効果を奏する。第1には、
従来型のスプレー塔や充填塔とは異なって大型の液体循
環ポンプを必要とせず、しかも気液接触領域の高さが低
く、容積効率が高いというジェットバブリング方式の特
長を更に発揮できることである。すなわち、排煙を吸収
反応液に吹き込む際の単位断面積当たりの排煙開口面積
(開口幅×ガス塊深さ)をより大きくして、排煙導入速
度を従来より更に高速にすることが可能になり、これに
より気液接触効率の高いスーパージェットバブリング層
を形成することができるので、JBRの槽体の横断面積
を従来より小さくできる。また、スーパージェットバブ
リング層の高さが、従来のジェットバブリング層の高さ
1〜2m程度から3〜5m程度に高くなるので、気液の
滞留・接触時間がそれだけ増大し、よい小さい浸液深さ
で高い気液接触効率を得ることができ、気体の圧力損失
を減少させ、従って気体送風機の所要動力をそれだけ低
減させることができる。第2には、本JBRでは、スー
パージェットバブリング層がジェットバブリング管の内
側に形成されるので、液体の流動領域は、ジェットバブ
リング管内に局所化され、流動領域がJBRの全面に広
がっている従来のJBRに比べて著しく狭くなり、揺動
つまりスロッシング(仮に地震などで誘起されて起こる
ことがあっても)は従来に比して極めて小さく押さえら
れる。また、液体の流体的安定性があるので、気液接触
効率の変動も小さくなるという利点もある。第3には、
気体導入リングを設けることにより、槽体の周方向に見
て一様な半径方向流速でジェットバブリング管に向け排
煙を導入できるので、ジェットバブリング管の気液接触
効率をJBR全体にわたり一様に高い効率に維持でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るジェットバブリングリアクターの
一例の構成を示す模式図である。
【図2】図2(a)は図1のJBRと同じ構成を備え、
かつ導入リングと気液分離板を有するJBRの模式的縦
断面図、及び図2(b)は図2(a)の矢視I−Iでの
JBRの横断面図である。
【図3】図3(a)から(d)は、それぞれ、ジェット
バブリング管の下部開口の例を示す斜視図である。
【図4】ジェットバブリング管内の液下降領域を示す管
横断面図である。
【図5】図5(a)及び(b)は、図1に示すJBRの
運転時のジェットバブリング管内の状態を示す模式的縦
断面図である。
【図6】図6(c)から(e)は、図5(b)に続い
て、図1に示すJBRの運転時のジェットバブリング管
内の状態を示す模式的縦断面図である。
【図7】従来のJBRの構成を示す模式図である。
【符号の説明】
10 従来のジェットバブリングリアクター 12 気体出口室 14 気体入口室 16 液体室 18 上部デッキ板 20 下部デッキ板 22 液体 24 空間部 26 出口ダクト 28 入口ダクト 30 ライザー 32 ガス吹込み管 50 ジェットバブリングリアクター 52 冷却部 54 スーパージェットバブリング吸収部(吸収部) 56 吸収反応液部(反応液部) 58 気液分離部 59 洗浄装置 60 スプレーノズル 62 空間部 64 デッキ板 66 ジェットバブリング管 68 開口 70 液下降管 71 石灰石スラリー供給管 72 攪拌手段 74 空気吹き込み管 76 気体導入リング 78 貫通孔 79 気液分離板
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01D 53/77

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 槽体と、 槽体を横断するように延在し、槽体の内部を上下に区画
    するデッキ板とを備え、 槽体が、デッキ板と液面との間に空間部を確保するよう
    にしてデッキ板から下方に液体を収容すると共に、空間
    部に連通して気体を空間部に流入させる気体流入口及び
    液体の注入口を備える液収容室と、デッキ板の上にあっ
    て、気液分離空間と気体流出口とを有し、気体から同伴
    液体を分離する気液分離室とにデッキ板によって区画さ
    れ、 加えて、上部及び下部に開口を有し、上部でデッキ板を
    貫通して気液分離室に連通し、下部で液体に浸漬して液
    収容室の空間部を上下方向に延在する管体で形成され、
    管体の内側に液体を導入し、かつ管体の外側から下部の
    開口を介して管体の内側の液体に気体を流入させ、ジェ
    ットバブリング層を管体の内側に形成するようにしたジ
    ェットバブリング管と、 最外列のジェットバブリング管を側方から取り囲むよう
    にして、槽体の側壁と最外列のジェットバブリング管と
    の間の空間部に配置された筒状体で形成され、かつ筒状
    体を貫通する孔を備えた気体導入リングと、 上端部でデッキ板を貫通して気液分離室と連通し、下端
    部でジェットバブリング管より深く液体に浸漬するよう
    に上下方向に配設された管体で形成され、気液分離室で
    気体から分離された同伴液体を液収容室に戻す液下降管
    とを備えたことを特徴とするジェットバブリングリアク
    ター。
  2. 【請求項2】 ジェットバブリング管及び液下降管の総
    断面積が、槽体の断面積のそれぞれ40〜60%及び1
    〜10%であることを特徴とする請求項1に記載のジェ
    ットバブリングリアクター。
  3. 【請求項3】 液体を攪拌する攪拌手段が液収容室に設
    けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    ジェットバブリングリアクター。
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