JPH10166712A - カラーインクジェット記録方法及び装置 - Google Patents

カラーインクジェット記録方法及び装置

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JPH10166712A
JPH10166712A JP8328781A JP32878196A JPH10166712A JP H10166712 A JPH10166712 A JP H10166712A JP 8328781 A JP8328781 A JP 8328781A JP 32878196 A JP32878196 A JP 32878196A JP H10166712 A JPH10166712 A JP H10166712A
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京太 明野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラーインクジェット記録方法に関し、リア
ルブラックにより近いコンポジットブラックを具現可能
な記録方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 少なくともイエロー、マゼンタ及びシア
ンの3色の記録液を使用してその重ね記録によりコンポ
ジットブラックの記録を行うに当たり、記録媒体の種類
あるいは記録液の色調に応じてイエロー、マゼンタ及び
シアンの重ね記録の順序を変更するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカラーインクジェッ
ト記録方法及び装置に関し、特に、イエロー、マゼンタ
及びシアンの3色の記録液からその重ね記録によりコン
ポジットブラックと称される黒色の記録を行う時にリア
ルブラックと称される黒色記録液に由来する本来の黒色
により近い色を容易に具現することのできるカラーイン
クジェット記録方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のカラーインクジェット記録装置で
は、より黒らしい黒、いわゆるリアルブラックを実現す
るため、イエロー、マゼンタ、シアン、そしてブラック
の4色の記録液を使用して記録を行っていた。しかし、
このような記録装置では、装置コストが高くなり、ま
た、装置の規模が大きくなるという欠点があった。
【0003】そこで最近では、コストダウン及びダウン
サイジングのため、イエロー、マゼンタ及びシアンの3
色の記録液(カラー記録液)のみを搭載したヘッドを専
用に使用し、ブラックの記録液のヘッドをオプションと
したモデルが多く市販されている。このタイプのカラー
インクジェット記録装置では、周知のように、イエロ
ー、マゼンタ及びシアンの3色の記録液からその重ね記
録によりコンポジットブラックと称される黒色の記録を
行っている。3色の記録液は、より黒に近い黒を引き出
すため、それが用いられる記録装置で予め定められた順
序で重ねて記録されるように設計されている。なお、上
記したような4色の記録液を使用する装置でも、カラー
画像などを記録する場合には、高品位記録を実現するた
めにコンポジットブラックを利用していることもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
カラーインクジェット記録方法に従い所定の順序でイエ
ロー、マゼンタ及びシアンの3色の記録液を重ね記録す
ることにより形成したコンポジットブラックでは、その
色調がリアルブラックからかけ離れている、記録濃度が
十分でない、あるいは、種々の記録媒体を使用した場
合、記録媒体ごとに色調が変化する、などの重要な問題
点がある。
【0005】ところで、インクジェット方式に限らず、
例えば電子写真方式などのような様々な画像形成方式に
おいて、複数の色調の記録材料を重ねて記録し、黒色
(コンポジットブラック)を表現することは、以前から
行われている。また、この従来の重ね記録において、各
色の記録材料を重ねる順序により、得られるコンポジッ
トブラックの色調が変化し得るということも知られてい
る。これに対して、例えば、記録する色の順序を常に一
定にすることにより、いずれの記録においても同じ色調
のコンポジットブラックを再現することが試みられてい
る。
【0006】しかし、インクジェット方式での記録材料
であるインクは、液体であり、記録媒体に対する浸透作
用を有しているので、複数のインクを重ねて記録した時
の混色の予測が極めて困難である。また、インクは、記
録媒体に応じて浸透の度合いも異なるので、同じ記録液
と記録方法を用いても、得られる色調が記録媒体ごとに
大きく変動するという問題がある。特に、OHPフィル
ム、バックプリントフィルムなどの特殊な専用記録媒
体、表面にセルロース繊維が露出した紙、すなわち、い
わゆる「普通紙」(本願明細書でも、「普通紙」なる語
は、この種の紙を意味する)、インク受容のためのコー
ト層を設けたコート紙、いわゆるインクジェット専用紙
の間で、コンポジットブラックの色調の変化が顕著であ
る。
【0007】上記したような物性上の問題点を考慮し
て、例えば、特開平1−127352号公報は、記録面
と観察面が異なるバックプリントフィルムとその他の記
録媒体とで記録順序を逆にすることを教示している。し
かし、この記録方法は、記録面と観察面が異なる記録媒
体においてのみ有効で、例えば、普通紙やインクジェッ
ト専用紙などでは満足し得る効果を得ることができな
い。また、特開昭62−271778号公報は、バック
プリントフィルムなどの特殊な専用記録媒体において、
インク浸透度の大きい順に記録を行うことを開示してい
る。しかし、この記録方法は、特殊な専用記録媒体にお
いてのみ有効で、例えば、普通紙やインクジェット専用
紙などでは満足し得る効果を得ることができない。さら
に、上記した2つの記録方法の場合、主に中間色(赤、
緑、青など)の色再現を向上させ得るに留まり、よりリ
アルブラックに近いコンポジットブラックを形成するま
でに至っていない。
【0008】本発明の目的は、上記したような従来の技
術の問題点を克服して、使用する記録媒体の種類及び記
録液の組成等に影響されることなくよりリアルブラック
に近いコンポジットブラックを形成することが容易に可
能なカラーインクジェット記録方法を提供することにあ
る。本発明のもう1つの目的は、上記したようなカラー
インクジェット記録方法を実施するのに有用なカラーイ
ンクジェット記録装置を提供することにある。
【0009】本発明のその他の目的は、以下の詳細な説
明から容易に理解することができるであろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、少なく
ともイエロー、マゼンタ及びシアンの3色の記録液を使
用して、インクジェット方式により記録媒体上に記録を
行う方法であって、前記3色の記録液からその重ね記録
によりコンポジットブラックの記録を行うに当たり、前
記記録媒体の種類に応じて前記イエロー、マゼンタ及び
シアンの重ね記録の順序を変更することを特徴とするカ
ラーインクジェット記録方法が提供される。
【0011】また、本発明によれば、少なくともイエロ
ー、マゼンタ及びシアンの3色の記録液を使用して、イ
ンクジェット方式により記録媒体上に記録を行う方法で
あって、前記3色の記録液からその重ね記録によりコン
ポジットブラックの記録を行うに当たり、前記記録液の
それぞれの色調に応じて前記イエロー、マゼンタ及びシ
アンの重ね記録の順序を変更することを特徴とするカラ
ーインクジェット記録方法が提供される。
【0012】さらに、本発明によれば、少なくともイエ
ロー、マゼンタ及びシアンの3色の記録液を使用して、
インクジェット方式により記録媒体上に記録を行う装置
であって、前記記録液が充填されたインクカートリッジ
と、前記イエロー、マゼンタ及びシアンの3色の記録液
からその重ね記録によりコンポジットブラックの記録を
行う時に前記記録媒体の種類あるいは前記記録液の色調
に応じて前記イエロー、マゼンタ及びシアンの重ね記録
の順序を変更するが可能な記録順序変更手段とを含んで
なることを特徴とするカラーインクジェット記録装置も
提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるカラーインク
ジェット記録方法及び装置をその好ましい実施形態を参
照して説明する。本発明はしかし、これらの実施形態に
のみ限定されるものではないことを理解されたい。本発
明は、上記したように、イエロー、マゼンタ及びシアン
の3色の記録液を少なくとも使用してかつ、従って、必
要に応じて、その他の色調、例えばブラックなどの記録
液を併せて使用して、インクジェット方式により記録媒
体上に記録を行う方法及び装置に関する。
【0014】本発明によるカラーインクジェット記録方
法は、その1つの面において、イエロー、マゼンタ及び
シアンの3色の記録液からその重ね記録によりコンポジ
ットブラックの記録を行うに当たり、使用する記録媒体
の種類に応じてイエロー、マゼンタ及びシアンの重ね記
録の順序を変更することを特徴とする。特に、バックプ
リントフィルム、OHPフィルム、普通紙、コート紙
(インクジェット専用紙)など、それぞれ特性を異にす
る記録媒体ごとに重ね記録の順序を変更することを特徴
とする。
【0015】特に、記録媒体が普通紙及びコート紙であ
る場合、それぞれの記録媒体ごとにイエロー、マゼンタ
及びシアンの重ね記録の順序を変更することが好まし
い。本発明者らの知見によれば、このような重ね記録の
順序の変更は、それが逆転するように行うことが特に好
ましい。また、上記のようにしてコンポジットブラック
の記録に用いられるイエロー、マゼンタ及びシアンの記
録液は、それぞれ、単色で普通紙上に印字率100%の
パターンを記録した時に0.9以上のステータスA濃度
を呈示するものであることが好ましい。0.9以上のス
テータスA濃度を呈示するような記録液を使用してコン
ポジットブラックを形成することにより、その光学反射
濃度も0.9以上とすることができる。
【0016】本発明によるカラーインクジェット記録方
法は、そのもう1つの面において、イエロー、マゼンタ
及びシアンの3色の記録液からその重ね記録によりコン
ポジットブラックの記録を行うに当たり、記録液のそれ
ぞれの色調に応じてイエロー、マゼンタ及びシアンの重
ね記録の順序を変更することを特徴とする。ここで、用
いられる記録媒体が普通紙である場合、イエローの記録
液の色調が、CIE(国際照明学会)が1976年に定
めたCIEL* * * 表色系のa * 値で表した時に、
正の値を示すときには重ね記録の最後にシアンを記録
し、また、a* 値が負であるときには重ね記録の最後に
イエローを記録することが好ましい。また、この記録方
法でも、コンポジットブラックの記録に用いられるイエ
ロー、マゼンタ及びシアンの記録液は、それぞれ、単色
で普通紙上に印字率100%のパターンを記録した時に
0.9以上のステータスA濃度を呈示するものであるこ
とが好ましい。
【0017】本発明によるカラーインクジェット記録装
置は、少なくともイエロー、マゼンタ及びシアンの3色
の記録液が充填された、従って、必要に応じてブラック
等の記録液がさらに充填されていてもよいインクカート
リッジと、イエロー、マゼンタ及びシアンの3色の記録
液からその重ね記録によりコンポジットブラックの記録
を行う時に用いられる記録媒体あるいは用いられる記録
液の色調に応じて前記イエロー、マゼンタ及びシアンの
重ね記録の順序を変更するが可能な記録順序変更手段と
を含んでなることを特徴とする。
【0018】インクカートリッジは、その記録ヘッドに
各色の記録液を噴射するためのノズルを装備している。
ここで、用いられる記録方式がシリアル方式で、記録ヘ
ッドが記録媒体の搬送方向に関して垂直な方向で走査さ
れるような場合、各色ごとのノズル又はそれを有するヘ
ッドを、記録ヘッドの走査方向と同一となるように配置
するのが好ましい。また、記録ヘッドの走査時、その走
査の往路あるいは復路のいずれか一方の行程において記
録を行うことが好ましい。
【0019】記録順序変更手段は、記録装置(ここでは
特に「印字装置」とも記載する)内に記録順序を記憶す
るメモリを設け、そのデータを印字制御部に引き渡すよ
うに構成することが好ましい。さらに、本発明の記録装
置には、最初に、可能な記録順序の組み合わせのすべて
を用いてコンポジットブラックを形成し、次いで、実際
に使用する記録媒体に応じて、ユーザーが記録順序を選
択することができるような手段を設けることが好まし
い。
【0020】以上に本発明の好ましい実施形態の概要を
説明した。引き続いて、本発明によるカラーインクジェ
ット記録方法及び装置をさらに具体的に説明することに
する。通常、カラーインクジェット記録装置の製品仕様
を作成する場合には、設計の段階で、コンポジットブラ
ックの形成に最も良いイエロー、マゼンタ及びシアンの
組み合わせを見い出すことによってこれを行っている。
しかしながら、実際には、ユーザーが使用する記録媒体
は上記したように多岐に及び、また、媒体ごとにインク
の浸透の度合い等が異なるので、製品仕様で予め設定さ
れた記録順序でコンポジットブラックの形成を行って
も、リアルブラックに最も近い黒色を表現することはで
きない。すなわち、本発明者らは、イエロー、マゼンタ
及びシアンの重ね記録により実際に最高のコンポジット
ブラックを形成することのできる記録順序は、製品仕様
の記録手順とは異なるものであるという知見を得、鋭意
研究の結果、従来においてはまったく予想さえもできな
かったことであるが、本発明のように記録媒体あるいは
記録液の色調に応じて記録順序を変更することにより、
カラー記録液のみで、リアルブラックの色調により近
く、かつ高濃度のコンポジットブラックを形成すること
ができるということを見い出した。
【0021】記録媒体によってカラー記録液の記録順序
を変更するわけであるが、特に本発明者らは、普通紙と
コート紙、すなわち、インクジェット専用紙で、記録順
序を変更することについて着目した。なぜなら、普通紙
とインクジェット専用紙では、以下に示すように、記録
液の浸透過程が大きく異なるからである。インクとして
用いられる記録材料が液体であるため、それを用いて記
録を実施した場合、記録媒体ではその深さ方向に関して
色分布ができる。そこで、商業的に入手可能な一般的な
普通紙とインクジェット専用紙について、可能なすべて
の記録順序の組み合わせを使用して、コンポジットブラ
ックの印字を試みた。その結果、普通紙では一番最後に
記録を行ったインクの色が、また、インクジェット専用
紙では一番最初に記録を行ったインクの色が、それぞれ
コンポジットブラックの色調に大きく影響していること
が判明した。このことから、インクジェット専用紙上で
理想的な黒色を再現できる各色インクの記録順序でも、
普通紙上では、不満足な黒色しか再現できず、それとは
異なる記録順序で記録を行ったほうが、より良好な黒色
を実現できるということがわかった。これは、普通紙で
は、その表面から内部にかけてセルロース繊維が連通し
ているために、普通紙の表面に記録されたインクが次か
ら次へと深さ方向に浸透していき、後から記録されたイ
ンクが表面に残りやすくなるからであると考えられる。
反対に、インクジェット専用紙では、その表面にインク
受容のためのコート層が設けてあるので、最初に表面に
記録されたインクが、内部に浸透することなく、インク
受容層に最も多く留まることが可能であるからであると
考えられる。
【0022】また、普通紙記録においては、イエロー、
マゼンタ及びシアンの3色のうちイエローの色調が非常
に重要であることを見い出した。CIEL* * *
色系のL* * * 空間上におけるイエローの値a*
正の場合には、得られるコンポジットブラックの色調は
山吹色(赤みがかかったイエロー)となり、また、反対
にa* が負の場合には、得られる色調はレモン色(青み
がかかったイエロー)となる。そのため、イエローの値
* が正の場合には、青みの要素であるシアンの記録を
最も影響の大きい最後の段階で記録することによって、
よりリアルに黒色を再現することができる。
【0023】以上のような記録順序の変更を行うという
ことは、記録装置に装備された記録ヘッドを記録媒体の
搬送方向とは垂直の方向に走査するタイプの、いわゆる
シリアル方式のカラーインクジェット記録の場合、図1
に示すように、各記録液ごとのノズル2又はこれを有す
る記録ヘッド1が、ヘッド1の走査方向Aと同一方向で
あることが望ましい。なお、図中、Cはシアン記録液用
ヘッド、Mはマゼンタ記録液用ヘッド、そしてYはイエ
ロー記録用ヘッドであり、また、Bは記録媒体の搬送方
向である。記録ヘッド1の配置がヘッドの走査方向Aと
同一方向であることが望ましい理由は、シリアル方式の
場合、ノズル又はこれを有するヘッドの配置が、ヘッド
の走査方向に対して垂直であり、記録媒体の搬送方向が
順方向(1方向)のみであれば、物理的に記録順序が決
定されてしまうからである。
【0024】図2は、本発明によるインクジェット記録
装置の好ましい1態様を示した斜視図である。図示の装
置では、矢印Bの方向に搬送される記録媒体5の上を、
所定の記録部位において、インクカートリッジ3の前面
に取り付けられた記録ヘッド1が矢印Aの方向に走査可
能である。ここで、記録ヘッドの色ごとの配置が図1を
参照して説明したようにヘッドの走査方向と垂直に並ん
でいれば、記録媒体の搬送順に各色の記録を行わなけれ
ばならない。記録媒体の搬送手順が双方向であれば、記
録順序を変更することは可能であるが、明らかなよう
に、搬送手順が複雑になるばかりか、その際の記録媒体
の位置合わせに高い精度が要求される。
【0025】また、普通紙とインクジェット専用紙とで
はそれらの記録媒体に浸透するインクの浸透の度合いに
明確な差異があるので、これらの記録媒体に対する記録
順序を反対に設定し、記録媒体に応じ、ヘッド走査方向
の往路あるいは復路の一方向のみで記録を行えば、容易
に記録順序を変更できるばかりでなく、1走査で1行印
字が可能となる。
【0026】次に、主観評価や他社製のインクジェット
記録装置の調査などの結果、黒色の記録濃度について、
インクジェット方式では、普通紙上での光学反射濃度
(印字率100%のパターンの光学反射濃度)が0.9
以上であれば許容可能であることがわかった。また、イ
エロー、マゼンタ及びシアンの3色のインクを重ねて記
録してコンポジットブラックを形成する場合には、上記
のような0.9以上の記録濃度を得る手段として、各色
インクの単色でのステータスA濃度が0.9以上である
ことが必要であるということも見い出された。
【0027】さらに、本発明の記録装置に組み込まれる
べき適当な記録順序変更手段としては、以下に説明する
ものに限定されるわけでばないけれども、図3に示すよ
うな構成を挙げることができる。図示の記録装置(印字
装置)は、その装置内に記録順序を記憶するメモリを有
しており、そのデータを制御部の印字制御部に引き渡す
ことができる。印字制御部は、同じく制御部に含まれる
紙送り制御部と協同しつつ、メモリからの指示にそって
ヘッドを駆動させ、所望の印字を実現することができ
る。記録順序の変更の手順は、例えば、図4にフローチ
ャートで示すような手順であることができる。すなわ
ち、図示のようにユーザーが記録順序を選択できるよう
にしておくことで、いかなる記録媒体に対しても、常に
ユーザーが望むところのより良好な黒色を表現すること
ができる。
【0028】本発明では、コンポジットブラックを構成
する3色の単色でのステータスA濃度が、同様の印字パ
ターンにおいて、普通紙上で全色0.9以上であれば、
コンポジットブラックの光学反射濃度も普通紙上で0.
9以上になる。
【0029】
【実施例】引き続いて、本発明をその実施例を参照して
説明する。なお、下記の実施例では、イエロー、マゼン
タ及びシアンの3色の記録液を使用して記録媒体上に記
録を行う例を示すけれども、この3色の記録液にブラッ
クの記録液を追加した4色の記録液系でも、本発明に従
いイエロー、マゼンタ及びシアンの3色の記録液を重ね
て記録して良好なコンポジットブラックを実現すること
が可能である。例1 下記の条件を満たす3種類のインクA、B及びC(それ
ぞれ、シアンC、マゼンタM及びイエローYを含む3色
カラーインク)を常法に従って調製した。
【0030】 試作インク 設定された条件 A Yの色調a* の値が負でありかつ単色でのステータス A濃度が普通紙上で全色0.9以上。 B Yの色調a* の値が正でありかつ単色でのステータス A濃度が普通紙上で全色0.9以上。
【0031】 C 単色でのステータスA濃度が普通紙上でM,Cで0. 9以上、Yで0.9未満。 さらに、記録媒体として、X社製のコピー用普通紙及び
C社製のインクジェット専用紙(コート紙)を用意し
た。シリアルタイプのインクジェット式印字装置(ドロ
ップ・オン・デマンド型、解像度360dpi 、インク粒
量=約50pl)にそれぞれの記録媒体をセットし、それ
ぞれの記録媒体について、すべての記録順序の組み合わ
せで、試作インクAでコンポジットブラックを印字し
た。十分に乾燥させた後、得られた印字の色調及び光学
反射濃度を測色計で測定した。得られたコンポジットブ
ラックの測色結果を次の第1表に示す。次の表及びそれ
に続けて記載するその他の表において、例えばC−M−
Yは、シアンC、マゼンタM及びイエローYの順序で印
字を行ったことを示している。また、次式(1)により
表される黒色の色調:
【0032】
【数1】
【0033】は、理想的にはゼロ(0)である。
【0034】
【表1】
【0035】上記第1表において、普通紙では、M−C
−YやC−M−Yの黒色の色調(1)がより0に近い値
を示しているが、インクジェット専用紙では、Y−M−
CとY−C−Mがより0に近い値を示している。すなわ
ち、この表に記載の結果から、より黒色に近いコンポジ
ットブラックを印字する場合、普通紙とインクジェット
専用紙とでは記録順序を変更するのが好ましいことがわ
かる。例2 前記例1に記載の手法を繰り返した。本例では、先に調
製した試作インクBと記録媒体としての普通紙(X社
製)を使用した。得られたコンポジットブラックの測色
結果を下記の第2表に示す。
【0036】さらに、試作インクA及びBを使用して、
前記例1に記載の手法を繰り返した。本例では、しか
し、イエロー、マゼンタ及びシアンの単色で、普通紙
(X社製)上にそれぞれの色を印字した。得られた測色
結果を次の第3表に示す。
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】前記例1の第1表及び上記第2表の結果を
比較するに、同じ普通紙であっても、試作インクBの場
合には、記録順序Y−M−C、M−Y−C及びM−C−
Yにおいて、前式(1)により表される黒色の色調の値
がより小さい。Y−M−CとM−C−Yの色調(1)の
値はほぼ同じであるが、L* の値は、Y−M−Cの方が
低いので、よりリアルブラックに近い黒色であると判断
することができる。コンポジットブラックの形成におい
て、前記例1の試作インクAの好ましい記録順序とは明
らかに異なっている。
【0040】さらに、上記第3表に記載の結果から、試
作インクAとBとでは、マゼンタ及びシアンの色調はそ
れほど相違しないけれども、イエローのそれは明瞭に異
なっている。そして、イエローのa* が、試作インクA
では負であり、試作インクBでは正であることがわか
る。以上のような結果から、普通紙記録では、イエロー
のa* が正の値であれば、シアンを最後に記録すること
が最もよい黒の色調を表現する方法であること、そし
て、イエローのa* が負の値であれば、イエローを最後
に記録することが最もよい黒の色調を表現する方法であ
ること、がわかる。例3 記録濃度を評価するため、前記例1及び例2に記載の手
法を試作インクCを使用して繰り返した。得られた記録
濃度測定結果を次の第4表に示す。なお、標柱の濃度
は、単色の欄がステータスA濃度、コンポジットブラッ
クの欄が光学反射濃度(OD)である。
【0041】
【表4】
【0042】前記例1の第1表に記載の濃度と上記第4
表に記載の濃度とを比較するに、試作インクAでは、イ
エロー、マゼンタ及びシアンの3色ともステータスA濃
度が0.9以上であり、コンポジットブラックの光学反
射濃度も0.9以上の値を示している。一方、試作イン
クCでは、3色のうち2色は、ステータスA濃度が0.
9以上であるにもかかわらず、コンポジットブラックの
光学反射濃度は0.9を満たしていない。このような測
定結果から、コンポジットブラックの光学反射濃度を
0.9以上にするためには、単色での記録濃度が全色
0.9以上あることが必要であることがわかる。その他の測定結果 本発明者らは、印字特性の評価のため、次のような商業
的に入手可能な記録媒体及びインクジェット用インクな
らびに試作インクを使用して一連の印字実験を行った。 使用した記録媒体: コピー用普通紙(X社製) 普通紙(すかし入り書簡紙) コピー用再生普通紙(X社製) インクジェット専用紙(C社製) インクジェット専用紙(E社製) インクジェット専用紙(K社製) 使用したインクジェット用インク: 試作インク C社製インクA E社製インクA E社製インクB 但し、試作インク及びE社製インクAの普通紙上でのY
のa* 値は負、C社製インクAの普通紙上でのYのa*
値は正である。得られた結果を下記の第5表〜第10表
に示す。表中、VOはコンポジットブラックの光学反射
濃度、CO,MO及びYOはそれぞれ単色C,M,Yの
ステータスA濃度である。
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】
【表7】
【0046】
【表8】
【0047】
【表9】
【0048】
【表10】
【0049】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、少なくともイエロー、マゼンタ及びシアンの3色の
記録液を使用してその重ね記録によりコンポジットブラ
ックの記録を行うに当たり、記録媒体あるいは記録液の
色調に応じてイエロー、マゼンタ及びシアンの重ね記録
の順序を変更するように構成したので、記録媒体ごとの
より黒色に近い色調のコンポジットブラックを形成する
ことができる。特に、バックプリントフィルム、OHP
フィルム、普通紙、インクジェット専用紙など、それぞ
れ特性を異にする記録媒体ごとに重ね記録の順序を変更
することで、より大きな色調改善効果を得ることができ
る。
【0050】また、普通紙に記録を行う場合、イエロー
の記録液の色調がCIEL* * * 表色系のa* 値で
表した時に正の値を示すときには重ね記録の最後にシア
ンを記録しかつa* 値が負であるときには重ね記録の最
後にイエローを記録するようにしたので、より良好なコ
ンポジットブラックを形成することができる。また、各
色ごとのノズル又はそれを有するヘッドを記録ヘッドの
走査方向と同一となるように配置したので、記録順序の
変更時における記録媒体の搬送が簡単になり、かつ普通
紙とインクジェット専用紙との記録順序を反対にするこ
とで、ヘッド走査方向の往路又は復路のどちらか一方の
みで印字でき、一行印字が可能となる。
【0051】さらに、記録液として、単色で普通紙上に
印字率100%のパターンを記録した時に0.9以上の
ステータスA濃度を呈示するような記録液を使用してコ
ンポジットブラックを形成することにより、その光学反
射濃度も0.9以上とすることができる。さらにまた、
最初に、可能な記録順序の組み合わせのすべてを用いて
コンポジットブラックを形成し、次いで、実際に使用す
る記録媒体に応じて、ユーザーが記録順序を選択するこ
とにより、すべての記録媒体について、最も良好な黒色
を表現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施において用いられるインクジェッ
トヘッドのノズルの配置を示した略示図である。
【図2】本発明によるインクジェット記録装置の好まし
い1態様を示した斜視図である。
【図3】本発明によるインクジェット記録装置の好まし
い1構成例を示した系統図である。
【図4】本発明によるインクジェット記録方法における
記録順序設定の好ましい1方法を示したフローチャート
である。
【符号の説明】
1…記録ヘッド 2…ノズル 3…インクカートリッジ 5…記録媒体 A…ヘッドの走査方向 B…記録媒体の搬送方向 C…シアン記録液用ヘッド M…マゼンタ記録液用ヘッド Y…イエロー記録液用ヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 重治 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 境 志野 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 明野 京太 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 上田 裕男 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともイエロー、マゼンタ及びシア
    ンの3色の記録液を使用して、インクジェット方式によ
    り記録媒体上に記録を行う方法であって、前記3色の記
    録液からその重ね記録によりコンポジットブラックの記
    録を行うに当たり、前記記録媒体の種類に応じて前記イ
    エロー、マゼンタ及びシアンの重ね記録の順序を変更す
    ることを特徴とするカラーインクジェット記録方法。
  2. 【請求項2】 前記記録媒体が普通紙及びコート紙であ
    る場合、それぞれの記録媒体ごとに前記イエロー、マゼ
    ンタ及びシアンの重ね記録の順序を変更することを特徴
    とする請求項1に記載のカラーインクジェット記録方
    法。
  3. 【請求項3】 前記イエロー、マゼンタ及びシアンの重
    ね記録の順序を逆転させることを特徴とする請求項2に
    記載のカラーインクジェット記録方法。
  4. 【請求項4】 コンポジットブラックの記録に用いられ
    るイエロー、マゼンタ及びシアンの記録液が、それぞ
    れ、単色で普通紙上に印字率100%のパターンを記録
    した時に0.9以上のステータスA濃度を呈示すること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカラ
    ーインクジェット記録方法。
  5. 【請求項5】 少なくともイエロー、マゼンタ及びシア
    ンの3色の記録液を使用して、インクジェット方式によ
    り記録媒体上に記録を行う方法であって、前記3色の記
    録液からその重ね記録によりコンポジットブラックの記
    録を行うに当たり、前記記録液のそれぞれの色調に応じ
    て前記イエロー、マゼンタ及びシアンの重ね記録の順序
    を変更することを特徴とするカラーインクジェット記録
    方法。
  6. 【請求項6】 前記記録媒体が普通紙である場合、前記
    イエローの記録液の色調がCIEL* * * 表色系の
    * 値で表した時に正の値を示すときには重ね記録の最
    後にシアンを記録しかつ上記a* 値が負であるときには
    重ね記録の最後にイエローを記録することを特徴とする
    請求項5に記載のカラーインクジェット記録方法。
  7. 【請求項7】 コンポジットブラックの記録に用いられ
    るイエロー、マゼンタ及びシアンの記録液が、それぞ
    れ、単色で普通紙上に印字率100%のパターンを記録
    した時に0.9以上のステータスA濃度を呈示すること
    を特徴とする請求項5又は6に記載のカラーインクジェ
    ット記録方法。
  8. 【請求項8】 少なくともイエロー、マゼンタ及びシア
    ンの3色の記録液を使用して、インクジェット方式によ
    り記録媒体上に記録を行う装置であって、前記記録液が
    充填されたインクカートリッジと、前記イエロー、マゼ
    ンタ及びシアンの3色の記録液からその重ね記録により
    コンポジットブラックの記録を行う時に前記記録媒体の
    種類あるいは前記記録液の色調に応じて前記イエロー、
    マゼンタ及びシアンの重ね記録の順序を変更するが可能
    な記録順序変更手段とを含んでなることを特徴とするカ
    ラーインクジェット記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0982138A3 (en) * 1998-08-28 2002-03-27 Seiko Epson Corporation Printer, printing method and ink cartridge
US7306311B2 (en) 2005-02-18 2007-12-11 Fujifilm Corporation Color ink deposition order determination method, and image forming method and apparatus
US7775653B2 (en) 2005-08-19 2010-08-17 Seiko Epson Corporation Inkjet recording method and recorded matter
JP2018020575A (ja) * 2017-10-02 2018-02-08 セイコーエプソン株式会社 印刷装置

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