JPH10168023A - 3,5,5−トリメチルシクロヘキサ−3−エン−1−オンの製法 - Google Patents

3,5,5−トリメチルシクロヘキサ−3−エン−1−オンの製法

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JPH10168023A
JPH10168023A JP9258395A JP25839597A JPH10168023A JP H10168023 A JPH10168023 A JP H10168023A JP 9258395 A JP9258395 A JP 9258395A JP 25839597 A JP25839597 A JP 25839597A JP H10168023 A JPH10168023 A JP H10168023A
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isophorone
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 3,5,5−トリメチルシクロヘキサ−3−
エン−1−オンの製法 【解決手段】 液相中、不均一系触媒の存在下に、3,
5,5−トリメチルシクロヘキサ−2−エン−1−オン
(α−イソホロン)を異性化する場合に、触媒として、
周期系の第IIa、VIII、Ib、IIIa及びVa
族の元素の酸化物又は混合酸化物又は前記の元素の実験
条件下で不溶性の塩を使用し、かつ異性化を、有機塩基
を添加せずに実施することにより、3,5,5−トリメ
チルシクロヘキサ−3−エン−1−オン(β−イソホロ
ン)を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液相中、不均一系
触媒の存在下に、3,5,5−トリメチルシクロヘキサ
−2−エン−1−オン(α−イソホロン)を異性化する
ことによる3,5,5−トリメチルシクロヘキサ−3−
エン−1−オン(β−イソホロン)の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】β−イソホロンは、多大な経済的重要性
を有している。それというのも、これは、カロチノイ
ド、ビタミン及び薬剤学的生成物を製造するための重要
な合成要素であるためである。殊に、β−イソホロン
は、ケトイソホロン(=2,6,6−トリメチルシクロ
ヘキセ−2−エン−1,4−ジオン)及びトリメチルヒ
ドロキノンのための前駆体として、従って、ビタミンE
の製造のために必要である。その他に、香料及び天然
物、例えばアスタキサンチン及びアブシジン酸及び誘導
体の合成で中心的である。
【0003】イソホロンの製造は、アセトン−三量化に
より、C3−成分の縮合下で行うことができる。生じる
異性体は主に、α−イソホロンである。それというの
も、β−異性体と異なり、α−イソホロンは、ケト官能
に共役された二重結合を有するためである。この理由か
ら、熱力学平衡はα−イソホロンの方にある;β−濃度
は僅か約1〜2%であり、かつ平衡調整は、非常にゆっ
くりと行われる。
【0004】原則的には、ケトイソホロンに達するため
の2つの異なるバッチ、即ち、α−イソホロン→ケトイ
ソホロンの直接酸化及び第一工程での異性化:α−イソ
ホロン→β−イソホロン及び引き続く酸化:β−イソホ
ロン→ケトイソホロンを介する経路とが存在するが、後
者の方法が、明らかに有利である。式1は、ケトイソホ
ロン−合成のためのこれらの過程を図示している: 式1:KIP(=ケトイソホロン=2,6,6−トリメ
チル−2−シクロヘキセン−1,4−ジオン)の生成の
ための一般的な合成原理
【0005】
【化1】
【0006】a=α−IPからβ−IPへの異性化 b=β−IPからKIPへの酸化 c=α−IPからKIPへの直接酸化 時が経るに従って、α−IPを異性化するための数多く
の方法が記載されてきたが、これらは、重大な欠点を有
している。比較的高い化学物質消費、劣悪な空時収率及
び後処理の困難さのような観点によりこれまで、より大
きい規模への実際的な方法の置き換えは、妨げられてい
た。
【0007】α−IPからのβ−IPの製法は、気相反
応と液相反応とに分類することができる。
【0008】原則的に、気相では、α−イソホロンの4
つの並行する反応が可能であり、これらは、相互に相反
し、かつ選択された温度範囲もしくは使用触媒の表面状
態に依り、種々異なる規模で進行する。
【0009】イソホロンは、気相中で触媒を付すと、次
のように反応しうる: a.)異性化してβ−イソホロンに b.)還元してトリメチルシクロヘキサジエンに(この
ために必要な水素は、コークス化現象に付随するIP−
分解によりもたらされる) c.)メタンのβ−除去により3,5−キシレノールに d.)メシチレン−発生 次の式2に、気相中で不均一系触媒を付してのα−IP
の触媒反応を図示した: 式2:不均一系気相触媒中でのα−IPの反応性
【0010】
【化2】
【0011】ヨーロッパ特許(EP)第0488045
B1号明細書は、気相(300〜450℃)中で不均一
系触媒を介しての異性化方法を開示している。触媒とし
て、それ自体活性であるか、又はγ−酸化アルミニウム
−担体(比表面積1〜50m2/g)上に施与されてい
るMg(Gr.IIa)、Al(IIIa)、Si(I
Va)及びNi(VIII)の酸化物及び混合酸化物を
使用する。触媒1リットル当たりα−IP1〜10kg
を使用し、中間で得られる溶液の濃度は、β−IP〜9
%であり、真空蒸留後の最終濃度は、β−IP97%で
ある。NiOの顆粒化を、Luviskol K901%(−ポリビ
ニルピロリドン)を用いて行う。この結果は、使用触媒
量及び時間に関して、触媒1リットル及び1時間当た
り、 Y=β−IP0.308kgの収量に相応する。
この場合の欠点は、1時間当たりβ−IP−混合物が9
%しか生じないことである。使用エダクト容量に対し
て、空時収量は、Y(空時収量)=β−IP0.09l
/時/溶液l(例1)である。
【0012】加えて、取り出し速度は低く、このこと
は、工業規模でのこの方法を、魅力的なものとしていな
い。
【0013】L.F.Korzhova、Y.V.Churkin及びK.M.Vaisb
erg、Petrol.Chem Vol.31、1991、678には、300〜8
00℃、不均一系触媒の存在下でのα−IPの反応が記
載されている。触媒系として、γ−酸化アルミニウム、
酸化マグネシウム及び石英が考慮されている。
【0014】生成物スペクトルが、温度及び触媒により
観察されている。β−IP、トリメチルシクロヘキサジ
エン、3,5−キシレノール及びメシチレンの生成が相
互に比較されている(図2参照、工程a.、b.、
c.、d.)。例えば、550℃以上で、殆ど成長して
いない触媒表面(石英)でα−IPを熱反応させると、
組成c>>a>>d及びb=0の混合物が生ずる。40
0℃でMgO−触媒を付しての反応は、明らかにより低
い温度で、同様の生成物生成、即ちc>>a>d>bを
示す。特徴的な塩基−酸性表面構造を有する酸化アルミ
ニウム触媒の存在下で、この反応は、300℃で、シク
ロヘキサジエン生成物の明らかな優位を伴って、即ちb
>>c>dで行われる。
【0015】これらのことから分かるように総じて、多
重方法での触媒気相異性化は完全に不利である:通常、
生成物形成が、かなりの副産物形成を伴うか、又は空時
収率(絶対β−IP生成/時/触媒kg)が低すぎるた
めに、これらの方法は不利であるといえる。
【0016】更に、一連の刊行物が、液相中での異性化
に関している。最近の従来技術は、次の文献に代表され
る: D1=A.Heymes et al., Recherches 1971, 18, 104 D2=フランス特許(FR−A)第1446246号明
細書 D3=ドイツ特許公開(DE−OS)第2457157
号明細書 D4=米国特許(US−A)第4005145号明細書 D5=ヨーロッパ特許(EP−A)第0312735号
明細書 D6=特開昭(JP)62−33019号公報(HEI
−1−175954、1989年7月12日)。
【0017】D1は、化学量論的量のMeMgX(X=
ハロゲン)グリニャール化合物を用いてのα−IPから
β−IPへの異性化を開示している。メタン遊離下、触
媒量のFeCl3の存在下に、β−IP73%が得られ
る。機械論的考えは、グリニャール化合物は塩基として
反応し、かつカルバニオンの伝達物質としては働かない
ことから出発している。過剰のMgは、還元的金属二量
化から生ずる二量体混合物の生成をもたらす。しかし、
触媒量のFeCl3の存在下でのα−イソホロンとモル
量のメチルヨウ化マグネシウムとの反応、引き続く、加
水分解及び蒸留後処理は、化学物質に経費がかかること
と同様に、複雑である。
【0018】D2は、触媒量のp−トルエンスルホン酸
及び一般に芳香族スルホン酸、殊にアニリンスルホン酸
の存在下でのα−IPからβ−IPへの異性化に関す
る。触媒の使用量は、使用α−IPに対して0.1〜
0.2%である。しかし、比較的低い変換率と、比較的
高い副産物形成により、D2の方法の工業的適用は妨げ
られる。
【0019】D3では、β−IPの製造を、トリエタノ
ールアミン中でのα−IPの多段階沸騰、分留、酒石酸
及び食塩溶液での留出物の洗浄により行う。この場合に
も、化学物質消費が高い。
【0020】D4では、触媒として、pK=2〜5及び
β−IP(沸点β−IP=186℃/760mmHg)
より高い沸点を有する酸を使用する。特許請求により次
のものが、明らかに液相で保護されている:脂肪族及び
芳香族アミノ酸、アジピン酸、p−メチル−安息香酸、
4−ニトロ−m−メチル安息香酸、4−ヒドロキシ安息
香酸、3,4,5−トリメトキシ安息香酸、吉草酸、4
−トリフルオルメチル−安息香酸、3−ヒドロキシ−4
−ニトロ安息香酸及びシクロヘキサンカルボン酸及び誘
導体。触媒使用は、0.1〜20モル%である。β−I
Pの収率(使用α−IPに対して)は、74.5%であ
る。これは、所定の条件下に、使用触媒量及び時間に基
づき算出して、Y=β−IP0.218リットル(触媒
1キロ及び1時間当たり)の収量に相応する。
【0021】僅かに解離する酸を用いてのα−IP→β
−IPの均一系触媒による異性化は、化学物質消費に関
して改善をもたらし、その際、β−IPは、連続的に平
衡から除去される。例えば、α−IP約0.5kgの使
用量で、β−IP11ml/時のような僅かな取り出し
速度で、Y=β−IP0.24kg/触媒kg・時の空
時収率及びβ−IP−生成は低すぎて、工業的には使用
できない。
【0022】同様の原理で、D5に進展する。π−結合
転移触媒(Bindungsverschiebungskatalysatoren)とし
て、遷移金属のアセチルアセトネートを使用する。Al
(acac)も、触媒活性を示す。触媒の使用を、0.
01〜10重量%で行う。第IVb(Ti/Zr/H
f)、Vb(V/Nb/Ta)、VIb(Cr、Mo、
W)、VIIb(Mn/Tc/Re)族、第VIII族
の全て及びアルミニウムの金属触媒が特許されている。
当初生じる留出物は、β−IP−含有率94%を有し、
更なるヴィグロウ蒸留により、β−IP−含有率は、9
9%に富化される。
【0023】この結果は、触媒使用量及び時間に関し
て、触媒1キロ及び1時間当たり、Y=β−IP9.4
lの収量に相応する。使用エダクト溶液に関して、これ
は、Y(空時収量)=β−IP0.0376l/時/溶
液lの収量に相応する。
【0024】空時収量は低く、かつ副産物形成が著しい
こととは別に、均一系触媒系を使用すると、触媒及び蒸
留残留物を、もはや分離することはできない。従って、
時々、廃棄が必要であり、それというのも、蒸留塔底の
温度が、高くなりすぎるであろうためである。このよう
に、温度の「引き直し」が必要である。
【0025】D6では、異性化を、液相中、温度200
℃で行う。触媒として、シリカゲルを、次の式:
【0026】
【化3】
【0027】のアルキル置換されたイミダゾリンの添加
を伴って、又は伴わずに使用する。
【0028】典型的な実験条件:α−IP300g及び
SiO225.7gを、特殊鋼の存在下に52時間蒸留
すると、純度99.9%を有するβ−IP230g(=
収率76.6%)が生ずる。この結果は、触媒使用量及
び時間に関して、触媒1リットル及び1時間当たり、Y
=β−IP0.174lの収量に相応する。
【0029】しかし、有機塩基のプレパラートは高価で
あり、かつ方法の空時収率は低い;Y=β−IP0.1
74l/触媒l・時間の特性値では、この方法も、工業
的規模に置き換えることはできない。使用エダクト溶液
の容量に対して、収量は、Y(空時収量)=β−IP
0.0149l/時/溶液lである。
【0030】加えて、記載の方法は、絶対β−IP−形
成が低いために不利である。特に、バッチ法実施及び1
つの工程での異性化及びβ−IPの精製蒸留の実施は、
不利である。蒸留装置中での高い反応温度により、かな
りの規模で、β−IPからα−IPへの逆異性化が起こ
ることが分かっている。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】ここに引用され、かつ
検討された従来技術を考慮して、本発明の課題は、従来
方法の前記の欠点を回避し、かつ技術的に有利に、3,
5,5−トリメチルシクロヘキサ−3−エン−1−オン
を、その異性体である3,5,5−トリメチルシクロヘ
キサ−2−エン−1−オンから製造することができる方
法を提供することである。殊に、液相中での不均一系触
媒方法の発見が、本発明の主な目的である。
【0032】
【課題を解決するための手段】これらの課題並びに更に
詳細には記載されていない課題は、冒頭に記載の種類の
方法で、請求項1の特徴部分に記載の手段により解決さ
れる。
【0033】触媒として、周期系の第IIa、VII
I、Ib、IIIa及びVa族の元素の酸化物又は混合
酸化物を使用し、かつ異性化を、有機塩基を添加せずに
実施することにより、予期せぬ方法で、α−イソホロン
の異性化によるβ−イソホロンの製造での空時収率を、
工業適用に好適な水準まで引き上げ、かつ同時に、従来
技術から公知の方法を明らかに簡単にすることができ
る。
【0034】本発明の方法は、使用触媒1kg及び1時
間当たり、α−イソホロン約9kgの範囲で高い変換率
を可能にし、このことにより、従来技術で公知の方法を
凌駕する。更に本発明により、副産物の形成が減少し、
更に使用エダクト溶液の容量に対する空時収率も改善さ
れる。総じて、本発明の不均一系触媒の使用は、どの場
合にも有利であるといえる。
【0035】本発明では、α−イソホロンを、その異性
体β−イソホロンに変換し、その際、不均一系触媒を液
相中で使用する方法を用いる。
【0036】反応及び生成物単離を、同一の容器中で行
わない方法が特に有利である。異性化−ユニット中で、
先ずα−IP及びβ−IPの混合物を製造し、次いで、
真空中で精製蒸留を実施することにより、空時収率が明
らかに上昇し得るが、これは、常圧及び沸点186℃で
のβ−IPの濃縮では、部分的に逆異性化が起こるため
であり、これは、反応室からの反応混合物の迅速な除去
により阻止される。
【0037】本発明の意味での不均一系触媒として、元
素周期系の第IIa、VIII、Ib、IIIa及びV
a族の元素の酸化物又は混合酸化物又は試験条件下で不
溶性の前記の元素の塩、例えば殊に炭酸塩又はハロゲン
化物を使用する。元素周期系の主族及び副族の別は、IU
PAC、Pure and Appl. Chem., 66, 2423-2444, 1994によ
る名称に従う。従って、第IIa族には、金属Be、M
g、Ca、Sr、Ba及びRaが該当する。第VIII
族には、金属Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、O
s、Ir及びPtが該当する。第Ib、IIIa及びV
a族には、元素Cu、Ag、Au、B、Al、Ga、I
n、Tl、N、P、As、Sb及びBiが該当する。
【0038】本発明で不均一系触媒として使用可能な化
合物には、前記の元素の酸化物又は混合酸化物が該当す
る。この場合、混合酸化物とは、酸素と1種を上回る前
記の元素とが結合している化合物のことである。
【0039】本発明の範囲で使用可能な酸化物には、B
eo、MgO、CaO、SrO、BaO、TiO2、Z
rO2、MoO3、Fe3O4、Fe2O3、CoO、Co3
O4、NiO、PdO2、PtO2、ZnO、Al2O3、
SiO2が該当する。
【0040】本発明の範囲で使用可能な混合酸化物に
は、前記の酸化物の混合化合物と並んで、殊に、種々様
々なモジュールのAl2O3/SiO2及びゼオライト、
例えばH−ZSM−5も該当する。
【0041】前記の酸化物又は混合酸化物のうちで殊
に、周期系の第IIa又はVIII族の元素を含有する
ものが有利である。
【0042】本発明の範囲では、カルシウム及び/又は
マグネシウムの酸化物又は混合酸化物を使用するのが、
極めて有利である。
【0043】本発明方法のもう1つの実施態様では、コ
バルト及び/又はニッケルの酸化物又は混合酸化物を使
用するのが有利である。
【0044】殊に、Co3O4並びにMgO及びCaO
が、極めて有利な酸化物である。
【0045】更に特に有利な触媒は、γ−Al2O3であ
る。
【0046】場合により水和物の形の炭酸コバルト及び
炭酸ニッケルが、特に好適である。
【0047】α−イソホロンをβ−イソホロンに異性化
するために、本発明の不均一系触媒として酸化物又は混
合酸化物を使用することの他に、良好な結果を伴って、
元素金属をドーピングされた元素周期系の第IIa、V
III、Ib、IIIa及びVa族の酸化物又は混合酸
化物を使用することもできる。ドーピングのために、周
期系の同一の群からの元素、殊に金属を使用することが
できる。有利に使用されるドーピング金属には、殊に、
第VIII並びにIb族の金属が該当する。特別な変法
では、本発明の方法は、周期系の第VIII族からの金
属をドーピングされている触媒を使用することを特徴と
する。更に第VIII族の中では、金属のコバルト及び
/又はニッケルが、ドーピング金属として特に有利であ
る。
【0048】ドーピングのために使用される金属の量
は、それ自体は特に厳密ではなく、従って、広い範囲で
変動可能である。ドーピング金属を、酸化物又は混合酸
化物に対して0.1〜50重量%の量(wt/wt)で
使用するのが有利である。ニッケル及び/又はコバルト
をドーピングされたγ−Al2O3又はCo3O4を使用す
ると、特に有利な触媒が得られる。
【0049】更に、該触媒もしくは金属でドーピングさ
れた触媒は、純粋な形で存在して良いか、又は担体材料
上に固定されて、又は担体と混合されていてよく、その
際、担体材料は、記載の触媒のいずれかであってよい。
その他の担体材料は、当業者に公知である。これには、
α−Al2O3、γ−Al2O3、種々様々なモジュールの
SiO2/Al2O3、アルミニウム塩、例えば、ケイ酸
アルミニウム及びリン酸アルミニウム、活性炭等のよう
な担体が該当する。
【0050】異性化に使用される触媒の量も、原則的に
は、比較的広い範囲で変動可能である。この場合、触媒
を、α−イソホロンに対して0.01〜30重量%(w
t/wt)の割合で使用するのが有利である。特に有利
な実施変法では、本発明方法は、触媒を、α−イソホロ
ンに対して0.2〜10重量%(wt/wt)の割合で
使用することを特徴とする。
【0051】更に、もう1つの特に有利な実施様態で
は、α−イソホロンに対する触媒の割合は、0.5〜5
重量%(wt/wt)の範囲である。
【0052】本発明の方法を、温度範囲100〜300
℃で実施する。150〜260℃の温度範囲が有利であ
る。
【0053】希釈剤又は溶剤の添加は確かに、可能では
あるが、不可欠ではない。
【0054】10ミリバール〜過圧3バールの圧力で、
反応を実施するのが有利である。極めて有利な異性化パ
ラメーターは、α−イソホロンの沸点と組み合わせた〜
100ミリバール〜常圧(約1hPa)である。
【0055】本発明の方法は良好に、連続的に運転する
ことができる。有利な実施形では、異性化と精製蒸留と
をそれぞれ分ける。異性体を含有する液相を、α−イソ
ホロンとβ−イソホロンとに分けるために分離した後
に、真空下に蒸留する。
【0056】その際、蒸留を、熱による逆異性化が充分
に回避される温度で行う。
【0057】その際、蒸留の塔底生成物を、異性化工程
に再循環させるのが有利であると判明している。
【0058】α−イソホロンの供給は、α−IP2.3
〜70l/時・触媒kgであり、その際、異性化ユニッ
トの頭部で、5〜60%混合物β−IP/α−IPが取
り出される。引き続き、この混合物を真空蒸留すると、
純度>97%のβ−IP−生成物が生ずる。カラムの塔
底生成物を、精製することなく異性化ユニットに戻し導
入する。この方法で、換算してβ−IP9.182kg
/触媒kg・時を製造することができる。この結果は、
これまで記載された方法を上回っている。副産物形成
(例えば、化学量論的量のグリニャール化合物が消費さ
れるD1と比較して)及びエダクト溶液の容量に対する
空時収率に関して、新規の方法は、従来技術よりも明ら
かに優れている。不均一系触媒の使用により、触媒材料
の高沸点物質の分離除去の際に、かなりの利点が付加的
にもたらされる。この場合、公知の方法(例えば、ヨー
ロッパ特許(EP)第312735号明細書)は、本発
明の方法では生じない欠点を示す。濾過及び少量の溶剤
(例えば、α−IP自体)を用いての後処理もしくは再
生で、全く充分である。
【0059】
【実施例】
例1:Merck社の市販品Co3O4(酸化Co(II/I
II))を使用する。この場合、触媒使用形は粉末状だ
が、顆粒形も、触媒活性である。触媒の予備処理は必要
ない。異性化を実施するための装置は、2つの電気供給
式スティック状挿入物により加熱される循環ヒーターか
らなる。工業用α−イソホロン(Atochem社、>98
%)700mlを予め挿入し、Co3O425gを添加す
る。循環ヒーターの後に、直径4mmのV4Aラシヒリ
ングが充填されている長さ1.2m及び内径25mmの
蒸留塔が存在する。この懸濁液を、常圧で沸点まで加熱
し、かつTelabポンプを介して供給されたα−IPの量
と、取り出された留出物の量とを合わせる。取り出し速
度に依り、次のβ−IP−含有量が、当初留出物で生ず
る。
【0060】
【表1】
【0061】異性化の塔底温度を反応時間中、216〜
217℃に一定に保持する。生じた当初留出物を、5ミ
リバール〜100ミリバールの減圧下に操作される蒸留
塔に供給する。12ミリバールで生ずる塔頂生成物は、
沸点55〜58℃を有し、>97%までがβ−イソホロ
ンからなる。実験の記載の規模では、1時間当たり、β
−イソホロン50gが生ずる。塔底生成物として未反応
のα−イソホロンを、残留−β−含有率<3%で、異性
化ユニットに戻し導入する。変換率に対する選択率は、
>98%である。使用触媒量に対する収量は、Y=β−
IP1.98l/時/触媒kgである。異性化される溶
液の容量に対する空時収量は、Y(空時収量)=β−I
P0.0707l/時/溶液lである。
【0062】例2 酸化マグネシウム触媒25gを、前記の装置中に充填す
る。同様の連続処理法(例1参照)で、異性化ユニット
の頭部で、それぞれの取り出し速度により、次の組成の
当初留出物が取り出される:
【0063】
【表2】
【0064】取り出し速度を更に高めることにより、絶
対生成β−IP−量を最適化することができる。異性化
の塔底温度は、反応時間の間、216〜217℃で一定
である。使用触媒量に対する収量は、Y=β−IP2.
064l/時/触媒kgである。使用エダクト溶液に対
する空時収量は、Y(空時収量)=β−IP0.073
7l/時/溶液lである。
【0065】例3:前記の装置(例1と同じ異性化規
模)中で、α−IP1.160lを、Co3O4−触媒
4.4gを付して反応させる(コバルト土Co3O4;分
子量=240.8g/モル;4.4g=18.3ミリモ
ル)(IP=138.21g/モル;1.160ml=
8.393ミリモル)。取り出し速度に依り、次のβ−
IP含有量の当初留出物が得られた:
【0066】
【表3】
【0067】異性化ユニットの塔底温度は、216〜2
17℃で一定である。使用触媒量に対する収量は、Y=
β−IP9.363l/時/触媒kgである。使用エダ
クト溶液に対する空時収量は、Y(空時収量)=β−I
P0.0588l/時/溶液lである。
【0068】例4:例3からの酸化コバルト−触媒の代
わりに、α−酸化アルミニウム(Hoffmann社、La Roche
A2)を、異性化ユニット中で使用する。反応を、例1と
同様に実施する。連続的な取り出しで、次の組成を有す
る混合物α−IP/β−IPが得られる:
【0069】
【表4】
【0070】異性化を、一定の塔底温度216〜217
℃で実施する。使用触媒量に対する収量は、Y=β−I
P0.78l/時/触媒kgである。使用エダクト溶液
に対する空時収量は、Y(空時収量)=β−IP0.0
278l/時/溶液lである。
【0071】例5:触媒としてCo3O4(Merck社)を、
予備処理なしに使用する。装置の規模は、前記の例と同
様であり、触媒/α−IPの化学量論的比は、例1の条
件に等しい。異性化ユニットの圧力及び温度を変動さ
せ、120ml/時の一定の取り出し速度で、塔の頭頂
部で生ずる当初留出物のβ−IP−含有率を検査する。
相応する圧力に合わせた異性化温度を、表に記載してい
る。
【0072】
【表5】
【0073】例6:例1〜5に記載の装置を半連続的に
運転し(未反応のα−IPを、改めて触媒と接触させな
い)、かつ異性化ユニットに、Co3O4(Merck社)25
gを充填する。その際、Telab−実験室用ポンプを用い
て連続的に、全部で11lの工業用α−IPを配量導入
し、その際、約20流量%−β−IP/α−IP−混合
物が、当初留出物として生ずる。異性化ユニットの塔底
温度は、反応時間の間、216〜217℃に一定に保持
される。取り出し速度は、〜250ml/時であり、こ
れは、50[β−IPml/時]のβ−IP−生成に相応
する。塔底生成物として、117g(12.9%)まで
が過縮合物からなり、87.1%までが回収可能なα−
IPからなる薄い油状物905gが残留する。従って、
反応したα−IPに対する副産物生成率は、5.3%で
ある。
【0074】例7:例1〜5に記載の装置を連続的に運
転する。異性化ユニットは、Telabポンプを介して蒸留
塔と接続している。蒸留ユニットの底部に生ずるα−I
Pを、溢流容器を介して取り出し、かつ再び異性化に供
給する。蒸留塔の頭頂部で、純度>97%のβ−イソホ
ロンが取り出される。この方法で、α−IP(Atoche
m:>98%GC)3.7lが反応する。触媒として、
コバルト土(Merck社)25gを使用し、取り出し速度
は、240〜250ml/時であり、異性化温度は、2
16〜217℃である。当初混合物は、20〜22%の
β−IP−含有率を有する。反応時間中、触媒は老化を
示さず、かつ反応の終了時に、濾過によりほぼ完全に回
収することができる(Co3O423.3g)。反応の終
了後に、循環蒸発器中に、蒸留により問題なく分離する
ことができるα−IP555g及び高沸点物質60gが
残留する。留出物として、β−IP3.07kg(純度
〜98%)が得られる。従って、変換率に対する収率
は、97.6%、副産物形成率は、1.9%である。残
りは、α−IP−二量化(=縮合)により生じるか、も
しくは反応中の工業用エダクトによる水からなる。
【0075】例8:KPG−撹拌機を有し、かつ120
cm−ヴィグロウカラムを備えた2l−三頸フラスコ中
に、触媒としてのCaO50gをいれ、かつα−イソホ
ロン1.5lを予め挿入する。装置の圧力を350ミリ
バールに低めると、液体は、内部温度175〜180℃
で沸騰し始める。
【0076】三頸フラスコは、α−IPの連続的な添加
を可能にする滴下漏斗を付加的に備えれられている。新
規−α−IPの添加は、ヴィグロウカラムの塔頂部で取
り出されたα−IP/β−IP−混合物の量に等しい。
連続的に、β−含有率が、約21〜22重量%である異
性体混合物200mlを取り出す。生じた混合物を真空
下に蒸留し、精製蒸留の塔底で生じたα−IPを再び、
触媒に配量導入する。精製蒸留の頭頂部で、純度>98
%のβ−IP−生成物を取り出すことができる。この処
理法で、α−IP3kgを反応させると、>98%−β
−IP−生成物2850gが得られる。反応したα−I
Pに対する選択率は、>95%である。触媒は、濾過及
びα−IPを用いての洗浄による再生の後になお活性で
あり、更なるサイクルのために使用することができる。
使用触媒量に対する収量は、Y=β−IP0.88l/
時/触媒kgである。使用エダクト溶液に対する空時収
量は、Y(空時)=β−IP0.0293l/時/溶液
lである。
【0077】例9 例1〜6に記載の装置中で非連続的に運転する。触媒と
して、シリカゲル60(Merk 7734)25gを使用し、
異性化容器に、α−イソホロン300g(325ml)
を充填する。異性化ユニットの塔頂部で、取り出し速度
により、次の組成のα−IP/β−IP−混合物が生ず
る:
【0078】
【表6】
【0079】反応を、常圧及び塔底温度216〜217
の温度で実施する。前記の実験装置で、使用触媒量に対
する収量は、Y=β−IP1.2l/時/触媒kgであ
る。使用エダクト溶液に対する空時収量は、Y(空時)
=β−IP0.0923l/時/溶液lである。
【0080】特開平01−175954号公報の記載
(α−IP300g;SiO225.7g、取り出し速
度5g/時)と同様に処理し、かつ触媒としてSiO2
を使用して、89%β−IP/α−IP混合物/時を取
り出すと、触媒量に対する収量は、Y=β−IP0.1
74l/時/触媒kgである。使用エダクト溶液に対す
る空時収量は、Y(空時)=β−IP0.0149l/
時/溶液lである。
【0081】例10 例9で記載されたものと同様の装置を使用し、かつ触媒
として、CoCO3(炭酸コバルト、AMG Kokkola社)5
重量%を使用する。使用α−IP混合物25容量%の取
り出し速度で、β−IP形成率は、67g/時/lであ
る。生じた高沸点物質分の定量により、S=98%の選
択率が測定される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 クラウス フートマッハー ドイツ連邦共和国 ゲルンハウゼン レル ヒェンヴェーク 18 (72)発明者 フランク ヒュプナー ドイツ連邦共和国 オーバー−ラムシュタ ット フライヘル−フォム−シュタイン− シュトラーセ 21 (72)発明者 ヘルベルト タンナー ドイツ連邦共和国 ハナウ ヴィルダウシ ュトラーセ 20

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液相中、不均一系触媒の存在下に、3,
    5,5−トリメチルシクロヘキサ−2−エン−1−オン
    (α−イソホロン)を異性化することによる3,5,5
    −トリメチルシクロヘキサ−3−エン−1−オン(β−
    イソホロン)の製法において、触媒として、周期系の第
    IIa、VIII、Ib、IIIa及びVa族の元素の
    酸化物又は混合酸化物又は実験条件下で不溶性の前記の
    元素の塩を使用し、かつ異性化を、有機塩基を添加せず
    に実施することを特徴とする、3,5,5−トリメチル
    シクロヘキサ−3−エン−1−オン(β−イソホロン)
    の製法。
  2. 【請求項2】 周期系の第IIa及びVIII族の元素
    の酸化物又は混合酸化物を使用する、請求項1に記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 Ca及び/又はMgの酸化物又は混合酸
    化物を使用する、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 Co及び/又はNiの酸化物又は混合酸
    化物を使用する、請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 Co3O4を使用する、請求項4に記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 周期系の第VIII族からの金属をドー
    ピングされた触媒を使用する、請求項1から5のいずれ
    かに記載の方法。
  7. 【請求項7】 Ni及び/又はCoをドーピングされた
    触媒を使用する、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 ドーピング金属を、酸化物又は混合酸化
    物に対して、0.1〜50重量%(wt/wt)の量で
    使用する、請求項6又は7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 Ni及び/又はCoをドーピングされた
    γ−Al2O3又はCo3O4を使用する、請求項6から8
    のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記の元素の炭酸塩又はハロゲン化物
    を使用する、請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 炭酸コバルト又は炭酸ニッケル又はそ
    れらの水和物を使用する、請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 触媒を、α−イソホロンに対して、
    0.01〜30重量%(wt/wt)の割合で使用す
    る、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
  13. 【請求項13】 触媒を、α−イソホロンに対して、
    0.2〜10重量%(wt/wt)の割合で使用する、
    請求項10に記載の方法。
  14. 【請求項14】 触媒を、α−イソホロンに対して、
    0.5〜5重量%(wt/wt)の割合で使用する、請
    求項11に記載の方法。
  15. 【請求項15】 温度100〜<300℃で異性化し、
    その際、圧力を、液相が保持されるように調節する、請
    求項1から14のいずれかに記載の方法。
  16. 【請求項16】 常圧(約1hPa)及びα−イソホロ
    ンの沸点で異性化する、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 異性化された液相を、α−イソホロン
    とβ−イソホロンとに分離するために蒸留する、請求項
    1から16のいずれかに記載の方法。
  18. 【請求項18】 蒸留の塔底生成物を、異性化に再循環
    させる、請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 方法を連続的に行う、請求項17に記
    載の方法。
  20. 【請求項20】 異性化を、温度150〜260℃及び
    圧力1000〜1.5×105Paで実施し、連続的に
    反応混合物を取り出し、これを圧力100〜3×104
    Paで蒸留し、かつ蒸留塔底物を、場合により異性化に
    戻し導入する、請求項1から19のいずれかに記載の方
    法。
  21. 【請求項21】 反応混合物を、5〜95重量%/時の
    量で取り出す、請求項20に記載の方法。
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