JPH10168157A - 水分散性ブロックイソシアネート組成物、並びにこれを用いた水性塗料組成物及び水性接着剤組成物 - Google Patents

水分散性ブロックイソシアネート組成物、並びにこれを用いた水性塗料組成物及び水性接着剤組成物

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JPH10168157A
JPH10168157A JP9271241A JP27124197A JPH10168157A JP H10168157 A JPH10168157 A JP H10168157A JP 9271241 A JP9271241 A JP 9271241A JP 27124197 A JP27124197 A JP 27124197A JP H10168157 A JPH10168157 A JP H10168157A
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JP
Japan
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blocked isocyanate
composition
water
isocyanate
group
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Application number
JP9271241A
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English (en)
Inventor
Takeshi Morishima
剛 森島
Shogo Ito
正吾 伊藤
Shin Konishi
伸 小西
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Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗料やコーティング等の塗膜外観(特に、光
沢や鮮映性)に対する高度化した要求に適合するよう
に、水分散性ブロックイソシアネートの性能を向上させ
る。 【解決手段】 イソシアネート基末端前駆体と、該前駆
体の遊離イソシアネート基をブロックするブロック剤と
からなるブロックイソシアネート組成物。該イソシアネ
ート基末端前駆体は、有機ジイソシアネートと、低分子
グリコールと、活性水素基を1個以上有する親水性界面
活性剤とを少なくとも含み;且つ、該前駆体が、イソシ
アヌレート環構造を有し、 平均官能基数(f)が2.
0≦f≦4.2、低分子グリコールの含有量(X)が
0.5wt%≦X≦15wt%、親水性界面活性剤の含
有量(Y)が0.1wt%≦Y≦50wt%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水分散性ブロック
イソシアネート組成物、水性樹脂を主成分とする水性塗
料組成物および水性接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリマーの溶解性に優れる有
機溶剤を含有する塗料、接着剤ないしコーティング剤
が、広く用いられて来た。しかしながら、これら塗料等
に含有される有機溶剤は、人体への悪影響、爆発火災等
の安全衛生上の問題、また、大気汚染を始めとする公害
問題を引き起こす可能性がある。
【0003】したがって、近年では、有機溶剤の使用に
基づく上記の問題点を解消するため、実質的に有機溶剤
を使用しない「水系」システムの塗料等の開発が活発に
行われている。
【0004】水系システムにおいては、従来より、水溶
性高分子の水溶液、水分散性高分子を水に分散させた水
性ディスパージョン、水性エマルジョン、水性サスペン
ジョン等の水性樹脂が使用されているが、これら水性樹
脂のみを用いる水系システム(一液システム)では、上
記塗料等に要求される物性を発現できないことが多いた
め、通常は、耐候性、密着性向上等の目的で架橋剤が併
用されている。
【0005】このような架橋剤を使用する例として、遊
離イソシアネートを有する硬化剤と上記水性樹脂とを組
み合わせるシステム(二液システム)が知られている。
しかしながら、この二液システムにおいては、硬化剤と
上記高分子成分とを配合した後の可使時間(work life
またはpot life)が短いという制限があり、塗料等の作
業性の点で問題があった。
【0006】この二液システムの欠点を補う例として、
上記架橋剤として水分散性ブロックイソシアネートを使
用する方法が知られている。これは、塗料等の使用時に
加熱することによりブロック剤を解離し、遊離のイソシ
アネートを再生させて、水性樹脂の高分子成分の活性水
素と反応させて、該高分子を網状化するシステムであ
る。このような水分散性ブロックイソシアネートを使用
するシステムにおいては、イソシアネート基がブロック
されているため、上記した遊離イソシアネートを用いる
二液システムの場合と異なり、可使時間が制限されるこ
とがない。
【0007】該水分散性ブロックイソシアネートを使用
するシステムの具体例としては、特開昭61−3142
2号公報、特開平4−159260号公報記載のものが
挙げられるが、これらの中で使用されているブロックイ
ソシアネートには、水溶性高分子溶液ないし水性エマル
ジョンと混合した際の分散安定性改善のために、親水性
界面活性剤が導入されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近年、塗装等の結果物
に対する要求の高度化により、塗料やコーティング等の
塗膜外観(特に、光沢や鮮映性)に対する要求も高度化
しつつあり、このような点から、上記した特開昭61−
31422号公報および特開平4−159260号公報
記載の水分散性ブロックイソシアネートの更なる性能の
向上が要求されていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
の結果、水系二液システムにおける主剤(水性樹脂)を
構成する樹脂と、水分散性ブロックイソシアネート組成
物(特に、該イソシアネートの親水性界面活性剤部分)
との相溶性を向上させることが、塗膜外観の特性改善
(特に光沢や鮮鋭性の向上)に極めて効果的であること
を見出した。
【0010】このような知見に基づき更に研究を進めた
結果、本発明者らは、低分子グリコールと親水性界面活
性剤とを水分散性ブロックイソシアネートにバランス良
く導入するのみならず、該イソシアネートに更にイソシ
アヌレート環構造を導入することが、光沢や鮮鋭性に優
れた塗膜を与えるのみならず、該塗膜の耐候性および耐
熱性をも向上させることを見出した。
【0011】本発明の水分散性ブロックイソシアネート
は上記知見に基づくものであり、より詳しくは、イソシ
アネート基末端前駆体と、該前駆体の遊離イソシアネー
ト基をブロックするブロック剤とからなるブロックイソ
シアネート組成物であって;前記イソシアネート基末端
前駆体が、有機ジイソシアネートと、低分子グリコール
と、活性水素基を1個以上有する親水性界面活性剤とを
少なくとも含み;且つ、該前駆体が、イソシアヌレート
環構造を有し、平均官能基数(f)が2.0≦f≦4.
2、低分子グリコールの含有量(X)が0.5wt%≦
X≦15wt%、親水性界面活性剤の含有量(Y)が
0.1wt%≦Y≦50wt%、であることを特徴とす
るものである。
【0012】本発明によれば、更に、イソシアネート基
末端前駆体と、該前駆体の遊離イソシアネート基をブロ
ックするブロック剤とからなるブロックイソシアネート
組成物であって;前記イソシアネート基末端前駆体が、
有機ジイソシアネートと、低分子グリコールと、活性水
素基を1個以上有する親水性界面活性剤と、更に、活性
水素基を1個以上有する炭素数が7以上の疎水性有機化
合物を少なくとも含み;且つ、該前駆体が、イソシアヌ
レート環構造を有し、平均官能基数(f)が2.0≦f
≦4.2、低分子グリコールの含有量(X)が0.5w
t%≦X≦15wt%、親水性界面活性剤の含有量
(Y)が0.1wt%≦Y≦50wt%、疎水性有機化
合物の含有量(Z)が0wt%<Z≦30wt%である
ことを特徴とする水分散性ブロックイソシアネート組成
物が提供される。
【0013】本発明によれば、更に、イソシアネート基
末端前駆体と、該前駆体の遊離イソシアネート基をブロ
ックするブロック剤とからなるブロックイソシアネート
組成物であって;前記イソシアネート基末端前駆体が、
有機ジイソシアネートと、低分子グリコールと、活性水
素基を1個以上有する親水性界面活性剤とを少なくとも
含み;且つ、該ブロックイソシアネート組成物が、固形
分80%の有機溶剤の溶液の状態で、100〜100,
000mPa・s/25℃の粘度を有することを特徴と
する水分散性ブロックイソシアネート組成物が提供され
る。
【0014】本発明によれば、更に、イソシアネート基
末端前駆体と、該前駆体の遊離イソシアネート基をブロ
ックするブロック剤とからなるブロックイソシアネート
組成物であって;前記イソシアネート基末端前駆体が、
有機ジイソシアネートと、低分子グリコールと、活性水
素基を1個以上有する親水性界面活性剤とを少なくとも
含み;且つ、該ブロックイソシアネート組成物が、固形
分80%の有機溶剤の溶液の状態で、4.0〜15.0
wt%の有効NCO含量を有することを特徴とする水分
散性ブロックイソシアネート組成物が提供される。
【0015】本発明によれば、更に、イソシアネート基
末端前駆体と、該前駆体の遊離イソシアネート基をブロ
ックするブロック剤とからなるブロックイソシアネート
組成物であって;前記イソシアネート基末端前駆体が、
有機ジイソシアネートと、低分子グリコールと、活性水
素基を1個以上有する親水性界面活性剤とを少なくとも
含み;且つ、該ブロックイソシアネート組成物が、光沢
測定用塗料の状態で、入射角60゜反射角60゜の条件
で、60〜100の光沢を有することを特徴とする水分
散性ブロックイソシアネート組成物が提供される。
【0016】本発明によれば、更に、上述した「水分散
性ブロックイソシアネート組成物」のいずれかと、活性
水素基を含有する水性樹脂を少なくとも含む水性塗料組
成物であって;前記水分散性ブロックイソシアネート組
成物中のブロックされたイソシアネート基のモル数と、
水性樹脂を構成する該樹脂中の活性水素基のモル数との
比が、1:9〜9:1である水性塗料組成物が提供され
る。
【0017】本発明によれば、更に、上述した「水分散
性ブロックイソシアネート組成物」のいずれかと、活性
水素基を含有する水性樹脂とを少なくとも含む水性接着
剤組成物であって;前記水分散性ブロックイソシアネー
ト組成物中のブロックされたイソシアネート基のモル数
と、水性樹脂を構成する該樹脂中の活性水素基のモル数
との比が、1:9〜9:1である水性接着剤組成物が提
供される。
【0018】本発明者の知見によれば、上記した本発明
の水分散性ブロックイソシアネート組成物においては、
低分子グリコールおよび親水性界面活性剤(更には、必
要に応じて適度な鎖長を有する疎水鎖)がバランス良く
導入されているため、該水性樹脂(主剤)中のブロック
イソシアネート分子の分散性向上に基づき均一な配合液
が調製できるのみならず、該主剤とブロックイソシアネ
ート分子骨格との相溶性が飛躍的に向上するため、塗膜
の光沢や鮮映性が劇的に改善するものと推定される。
【0019】本発明者の知見によれば、本発明のブロッ
クイソシアネート組成物においては、加熱等によりイソ
シアネート基の該ブロック剤が外れた場合にも、他のイ
ソシアネート基に結合している親水基(適度な鎖長を有
する疎水鎖をも導入した態様においては、親水基および
/又は疎水基)が実質的にイソシアネート基から外れな
いと推定される。これにより、本発明のブロックイソシ
アネートは、塗料等の主剤を構成する水性樹脂に対し
て、脱ブロック後であっても、好適な親水性/疎水性の
バランスを維持できると推定される。
【0020】これに対して、本発明者の知見によれば、
親水性界面活性剤のみを導入してなる従来の水分散性ブ
ロックイソシアネートが、光沢や鮮鋭性に劣る塗膜外観
を与えていたのは、主剤(水性樹脂)を構成する樹脂
と、該水分散性ブロックイソシアネートとの相溶性が低
かったことに基づくものと推定される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に説明
する。以下の記載において量比を表す「部」および
「%」は、特に断らない限り重量基準とする。
【0022】(水分散性ブロックイソシアネート)本発
明の水分散性ブロックイソシアネートは、イソシアネー
ト基末端前駆体と、該前駆体の遊離イソシアネート基を
ブロックするブロック剤とからなるブロックイソシアネ
ートである。
【0023】(イソシアネート基末端前駆体)本発明に
おいて、前記イソシアネート基末端前駆体は、有機ジイ
ソシアネート部分、低分子グリコール部分、および活性
水素基を1個以上有する親水性界面活性剤部分を少なく
とも含むイソシアネート基末端前駆体である。
【0024】(有機ジイソシアネ−ト)本発明に使用可
能な上記有機ジイソシアネ−トとしては、2,4−トリ
レンジイソシアネ−ト、2,6−トリレンジイソシアネ
−ト、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、
2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、2,
2′−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、4,4′−
ジフェニルエ−テルジイソシアネ−ト、2−ニトロジフ
ェニル−4,4′−ジイソシアネ−ト、2,2′−ジフ
ェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネ−ト、3,
3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシ
アネ−ト、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネ
−ト、m−フェニレンジイソシアネ−ト、p−フェニレ
ンジイソシアネ−ト、ナフチレン−1,4−ジイソシア
ネ−ト、ナフチレン−1,5−ジイソシアネ−ト、3,
3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネ
−ト等の芳香族イソシアネ−ト;ヘキサメチレン−1,
6−ジイソシアネ−ト(以下、「HDI」と略称す
る)、1,4−テトラメチレンジイソシアネ−ト、2−
メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、リジンジ
イソシアネ−ト等の脂肪族イソシアネ−ト;キシリレン
−1,4−ジイソシアネ−ト、キシリレン−1,3−ジ
イソシアネ−ト等の芳香脂肪族(aralkyl)ジイソシア
ネ−ト;イソホロンジイソシアネ−ト(以下「IPD
I」と略称する)、水素添加トリレンジイソシアネ−
ト、水素添加キシレンジイソシアネ−ト、水素添加ジフ
ェニルメタンジイソシアネ−ト、水素添加テトラメチル
キシレンジイソシアネ−ト等の脂環族ジイソシアネ−ト
等が挙げられる。
【0025】これらの有機ジイソシアネートは、単独あ
るいは2種以上の混合物のいずれの形態で用いてもよ
い。更には、これらの有機ジイソシアネートの種々の変
性体、例えば、アダクト変性体、ビュレット変性体、カ
ルボジイミド変性体、ウレトジオン変性体、ウレトイミ
ン変性体等を、必要に応じて使用してもよい。
【0026】上記した有機ジイソシアネートの中でも、
水分散安定性、水分散後の耐候性等の点からは、無黄変
イソシアネートであるHDI(ヘキサメチレンジイソシ
アネート)またはその変性体(特に、HDIのイソシア
ヌレート変性体)がより好適に使用可能である。
【0027】本発明に使用可能な低分子グリコールは、
水分散性ブロックイソシアネート組成物に適当な有効N
CO含量を持たせるために、その分子量が62〜500
(更には75〜250)のものが好ましい。なお、本発
明における有効NCO含量とは、ブロックイソシアネー
ト組成物において、ブロック剤を除去した後に残存する
ポリイソシアネートのNCO含量を示す。
【0028】本発明に好適に使用可能な低分子グリコー
ルの例としては、エチレングリコ−ル、1,2−プロパ
ンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタ
ンジオ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタン
ジオ−ル、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−
1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペン
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オ
クタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチ
ルグリコ−ル、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジ
オ−ル、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパ
ンジオ−ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタ
ンジオ−ル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオ−ル、
2−n−ヘキサデカン−1,2−エチレングリコ−ル、
2−n−エイコサン−1,2−エチレングリコ−ル、2
−n−オクタコサン−1,2−エチレングリコ−ル、水
素添加ビスフェノ−ルA、ジエチレングリコール、ジプ
ロピレングリコ−ル、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチ
ルプロピル−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピ
オネ−ト等が挙げられる。これらのグリコールは、必要
に応じて、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0029】上記した低分子グリコールの中でも、水性
樹脂の相溶性の点からは、側鎖を有する低分子グリコー
ルが特に好適に使用可能である。このような側鎖を有す
る低分子グリコールとしては、例えば、1,2−プロパ
ンジオール、1,2−ブタンジオ−ル、1,3−ブタン
ジオ−ル、ネオペンチルグリコール、2−n−ブチル−
2−エチル−1,3−プロパンジオ−ル等が挙げられ
る。
【0030】また、本発明には、グリセリン、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール等、分子量50
0以下で3官能以上のポリオールを用いることもできる
が、その使用量は、J.P.Flory、Khun等が
理論的に計算しているゲル化理論や、反応基の反応性比
を考慮することが好ましい。
【0031】上記の低分子グリコールは、その分子骨格
内に炭化水素基を有しており、該低分子グリコールのイ
ソシアネート分子への導入により、該イソシアネートと
水性樹脂を構成する樹脂の分子骨格との相溶性が向上す
るため、該イソシアネート分子を塗膜化した際の光沢や
鮮映性が良好となる。加えて、低分子グリコールは、2
官能性であることから、自己乳化型ポリイソシアネート
分子の末端ではなく、分子鎖の中心(に近い)部分に導
入されるため、この面からも相溶性向上に寄与する。
【0032】本発明において、水分散性ブロックイソシ
アネートにイソシアヌレート環構造を導入する際は、例
えば、低分子グリコールをウレタン化反応させたイソシ
アネート基末端プレポリマーをイソシアヌレート化する
ことが好ましい。このような場合、イソシアヌレ−ト化
反応に対してウレタン結合による触媒効果が生じて、系
全体が均一に反応するため、部分ゲル化物(高分子体)
を生成することなく、反応を円滑に進行させることが可
能となるからである。
【0033】(親水性界面活性剤)本発明において用い
る親水性界面活性剤は特に制限されず、公知のものから
1種以上を適宜選択して使用することが可能である。よ
り具体的には例えば、該親水性界面活性剤としては、ポ
リ(オキシアルキレン)エーテル等のノニオン系の親水
性界面活性剤;−COOM、−SO3M (Mはアルカリ
金属、アンモニウム基、有機アミンを示す)等のアニオ
ン系の親水性界面活性剤;4級アンモニウム等のカチオ
ン系の親水性界面活性剤が挙げられる。
【0034】(ノニオン系の親水性界面活性剤)上記ノ
ニオン系の親水性界面活性剤としては、例えば、活性水
素基を1個以上含有するポリ(オキシアルキレン)エー
テル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル等が挙げら
れる。
【0035】上記ポリ(オキシアルキレン)エーテルの
製造に際して開始剤として使用可能な活性水素基含有化
合物としては、例えば、メタノール、n−ブタノール、
シクロヘキサノール、フェノール、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、アニリン、トリメチロール
プロパン、グリセリン等が挙げられる。中でも、イソシ
アネートの分散安定性の点からは、メタノール、エタノ
ール、エチレングリコール等の分子量がより小さい(好
ましくは、分子量が80以下の)アルコールを用いて、
親水性をより高くすることが好ましい。
【0036】他方、上記ポリオキシアルキレン脂肪酸エ
ステルの製造に使用可能な脂肪酸としては、酢酸、プロ
ピオン酸、酪酸などが挙げられる。中でも、分散安定性
の点からは、低級(好ましくは、炭素数が4以下の)脂
肪酸を用いて、親水性をより高くすることが好ましい。
【0037】該ポリ(オキシアルキレン)エーテル、ポ
リオキシアルキレン脂肪酸エステル等に存在するポリエ
ーテルの重合度は、3〜90、更に5〜50であること
が好ましい。該ポリエーテルとしては、純粋なエチレン
オキサイド鎖および/又は混合アルキレンオキサイド鎖
(好ましくは、全アルキレンオキサイドユニット中でエ
チレンオキサイドユニットを70(モル)%以上含む)
のいずれも使用可能である。
【0038】(アニオン系の親水性界面活性剤)前述の
アニオン系の親水性界面活性剤は、通常、活性水素基を
1個以上有する有機酸類と、中和剤とからなる。該有機
酸類および中和剤としては、それぞれ単独又は2種以上
の混合物のいずれも使用可能である。
【0039】該有機酸類としては、例えば、α−オキシ
プロピオン酸、オキシコハク酸、ジオキシコハク酸、ε
−オキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸、ヒド
ロキシ酢酸、α−ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシステアリ
ン酸、リシノール酸、リシノエライジン酸、リシノステ
アロール酸、サリチル酸、マンデル酸等のヒドロキシ脂
肪酸;オレイン酸、リシノール酸、リノール酸等の不飽
和脂肪酸をヒドロキシル化したヒドロキシ脂肪酸;グル
タミン、アスパラギン、リジン、ジアミノプロピオン
酸、オルニチン、ジアミノ安息香酸、ジアミノベンゼン
スルホン酸等のジアミン型アミノ酸;グリシン、アラニ
ン、グルタミン酸、タウリン、アミノカプロン酸、アミ
ノ安息香酸、アミノイソフタル酸、スルファミン酸等の
モノアミン型アミノ酸;又は、2,2−ジメチロールプ
ロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメ
チロール吉草酸等のカルボン酸含有ポリオール;イミノ
ジ酢酸とグリシドールの付加物、5−ヒドロキシスルホ
イソフタル酸を用いたポリエステルポリオール、カルボ
ン酸含有ポリオールを開始剤としたポリカプロラクトン
ポリオール、ポリエステルポリオール又はポリカーボネ
ートポリオールとカルボン酸含有ポリオールとのエステ
ル交換物等が挙げられる。
【0040】上記した有機酸類としては数平均分子量5
00超〜10,000の、高分子ポリオール類(ポリエ
ステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカー
ボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール等)、
前述の低分子グリコール、トリメチロールプロパン、グ
リセリン等の低分子ポリオール類、ポリアミン類等と、
ポリカルボン酸無水物とを反応させて得られる(カルボ
キシル基を含有する)ハーフエステル混合物やハーフア
ミド混合物も使用可能である。
【0041】例えば、無水ピロメリット酸等の二無水物
にポリオールを付加させた場合、2個のカルボン酸基が
生成するため、ポリエステルポリオールの分子鎖内に親
水性極性基を導入できる。その他本発明に使用可能なア
ニオン性親水基としては、リン酸等が挙げられる。
【0042】上記した高分子ポリオールの1種たるポリ
エステルポリオールは、例えば、前述した低分子ポリオ
ール類と、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コ
ハク酸、マロン酸、シュウ酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、マレイン酸、フマル酸、トリメリット酸、ピロメリ
ット酸等のポリカルボン酸又はこれらの酸無水物とか
ら、公知の方法で得ることができる。
【0043】ポリエーテルポリオールとしては、例え
ば、前記の低分子ポリオールやポリアミン類等の活性水
素基を2個以上有する化合物類の単独又は2種以上の混
合物と、アルキレンオキサイドとの付加重合反応によっ
て得られたものが挙げられる。
【0044】ポリカーボネートポリオールとしては、例
えば、前記ポリエステルポリオールに使用可能な低分子
ポリオールと、ジフェニルカーボーネートとの脱フェノ
ール反応で得られるポリオールや、前記低分子ポリオー
ルとジアルキルカーボネートとの脱アルコール反応で得
られるポリオール等が挙げられる。
【0045】ポリオレフィンポリオールとしては、例え
ば、水酸基含有ポリブタジエン、水酸基含有ポリイソプ
レン、水酸基含有水素添加ポリブタジエン、水酸基含有
水素添加ポリイソプレン、水酸基含有塩素化ポリエチレ
ン、水酸基含有塩素化ポリプロピレン等が挙げられる。
【0046】上記した有機酸類とともにアニオン系の界
面活性剤を構成する上記「中和剤」としては、アンモニ
ア、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリ
エタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N
−フェニルジエタノールアミン、モノエタノールアミ
ン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールア
ミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−アミノ
−2−エチル−1−プロパノール等の有機アミン類;リ
チウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属;水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ類;等
が挙げられる。中でも、塗膜乾燥後の耐候性や耐水性を
向上させる点からは、熱によって容易に解離する揮発性
の高いもの、例えばアンモニア、または有機基の合計炭
素数が9以下の低級アミン(トリメチルアミン、トリエ
チルアミン等)が好ましい。
【0047】(カチオン系の親水性界面活性剤)上記し
たカチオン系の親水性界面活性剤は、通常、イソシアネ
ート基と反応しうる活性水素基を1個以上含有する化合
物(カチオン性親水性極性基含有化合物)とからなる。
該カチオン性親水性極性基含有化合物は、例えば、3級
アミンと、無機酸、有機酸、4級化剤のいずれから選択
される1種以上のものからなる。
【0048】該3級アミンとしては、例えば、N−メチ
ルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン
又は炭素数が2より大きいアルキル鎖を有するN−アル
キルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールア
ミン、N−フェニルジプロパノールアミン、N−メチル
ジイソプロパノールアミン、N,N′−ジヒドロキシエ
チルプロパノールアミン、トリエタノールアミン、N,
N′−ジメチルエタノールアミン、N−メチル−ビス−
(3−アミノプロピル)−アミン、N−メチル−ビス−
(2−アミノプロピル)−アミン等が挙げられる。
【0049】上記無機ないし有機酸としては、例えば、
塩酸、酢酸、乳酸、シアノ酢酸、燐酸および硫酸等が挙
げられる。4級化剤としては、硫酸ジメチル、塩化ベン
ジル、ブロモアセトアミド、クロロアセトアミド、また
は、臭化エチル、臭化プロピル、臭化ブチル等のハロゲ
ン化アルキルが挙げられる。また、その他のカチオン性
親水性極性基含有化合物としては、第1級アミン塩、第
2級アミン塩、第3級アミン塩、ピリジニウム塩等のカ
チオン性化合物が挙げられる。
【0050】また、両性化合物、例えば第3級アミン含
有ポリオールとスルホベタインとの反応物等も、上記4
級化剤として使用可能である。
【0051】親水性界面活性剤は、分子骨格内に親水基
を有しており、本発明のブロックイソシアネートに水分
散性を付与する効果を有する。水分散性ブロックイソシ
アネート中のイソシアネート基の反応性や安定性の点か
らは、親水性界面活性剤はノニオン系であることが好ま
しい。
【0052】(炭素数が7以上の疎水性有機化合物)本
発明の水分散性ブロックイソシアネート組成物に必要に
応じて導入されるべき「活性水素基を1個以上有する炭
素数が7以上の疎水性有機化合物」としては、例えば、
ヘプチルアルコール、ベンジルアルコール、オクチルア
ルコ−ル、2−エチル−ヘキサノール、メチルベンジル
アルコール、カプリルアルコ−ル、ノニルアルコ−ル、
デシルアルコ−ル、ウンデシルアルコ−ル、ラウリルア
ルコ−ル、トリデシルアルコ−ル、ミリスチルアルコ−
ル、ペンタデシルアルコ−ル、セチルアルコ−ル、シン
ナミルアルコ−ル等の炭素数が7以上の高級アルコール
類;ヘプチルアミン、オクチルアミン、ベンジルアミ
ン、2−エチル−ヘキシルアミン、メチルベンジルアミ
ン、カプリルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウ
ンデシルアミン、ラウリルアミン、トリデシルアミン、
ミリスチルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミ
ン、シンナミルアミン、N−メチルヘプチルアミン、N
−メチルオクチルアミン、N−メチルベンジルアミン等
の炭素数7以上のモノアミン類;α−オキシプロピオン
酸、オキシコハク酸、ジオキシコハク酸、ε−オキシプ
ロパン−1,2,3−トリカルボン酸、ヒドロキシ酢
酸、α−ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシステアリン酸、リ
シノ−ル酸、リシノエライジン酸、リシノステアロール
酸、サリチル酸、マンデル酸等のオキシカルボン酸と、
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノ
ール、ブタノール、sec−ブタノール、ter−ブタ
ノール等のモノアルコールとからなり、且つ、炭素数の
和が7以上である水酸基含有エステル;「有機酸類、な
いし高分子ポリオール類(ポリエステルポリオール、ポ
リエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオー
ル、)ポリオレフィンポリオール」の項で前述した高分
子ポリオール類等が挙げられる。
【0053】上記した疎水性有機化合物は、分子骨格内
に炭化水素鎖を有しており、該疎水性有機化合物を導入
した水分散性ブロックイソシアネートと、水溶液および
/叉は水性エマルジョンに含まれる水溶性高分子の分子
骨格との相溶性が向上するため、該イソシアネートを水
性塗料等として塗膜化した際の光沢や鮮映性が良好とな
る。したがって、この疎水性有機化合物に含まれる「炭
化水素鎖」は、ある程度の大きさを有した方がより有効
であり、より具体的には、該炭化水素鎖の炭素数は7以
上、更には12以上であることが好ましい。
【0054】更には、イソシアネート基と反応すべき該
疎水性有機化合物の「活性水素基」の部位は、疎水性有
機化合物の末端よりも、疎水性有機化合物分子の中心付
近に存在するほうが好ましい。この理由は、本発明者の
知見によれば、ブロック剤が外れた後に水が系中に存在
するような場合に、水からの攻撃を立体障害的な効果に
より、イソシアネート基を保護する性能が更に向上する
ためと推定される。
【0055】(低分子グリコール等の含有量)本発明に
おいて、低分子グリコールの含有量ないし導入量(X)
は、イソシアネート基末端前駆体を基準として、0.1
wt%≦X≦15wt%、更には0.3wt%≦X≦1
0wt%、特に0.5wt%≦X≦5wt%であること
が好ましい。
【0056】上記低分子グリコールの導入量(X)が
0.1wt%未満の場合は、水溶性高分子溶液ないし水
性エマルジョンとの相溶性不良の問題、あるいはブロッ
クイソシアネートの合成時に部分ゲル化物を生ずる等の
問題点が生じ易くなる傾向がある。逆に、低分子グリコ
ールの導入量(X)が15wt%を越える場合は、ブロ
ックイソシアネートにおいてイソシアヌレ−ト構造の特
徴を充分に発揮することができず、耐候性および耐熱性
向上が不充分となり易くなる傾向がある。
【0057】親水性界面活性剤の含有量ないし導入量
(Y)は、イソシアネート基末端前駆体を基準として、
0.1wt%≦Y≦50wt%、更には0.5wt%≦
Y≦45wt%、特に1wt%≦Y≦40wt%である
ことが好ましい。親水性界面活性剤の導入量(Y)が
0.1wt%未満の場合は、水溶性高分子溶液ないし水
性エマルジョンに対する分散安定性が悪くなり、沈降等
の現象が生じ易くなる傾向がある。逆に、親水性界面活
性剤の導入量(Y)が50wt%を越える場合は、イソ
シアヌレ−ト構造の特徴を充分に発揮することができ
ず、耐候性および耐熱性向上が不充分となる傾向があ
る。
【0058】疎水性化合物を導入すると、水性樹脂との
相溶性が向上するが、有効NCOがその分減少すること
になるので、これらを考慮して導入量を決定することが
好ましい。
【0059】疎水性有機化合物の含有量ないし導入量
(Z)は、イソシアネート基末端前駆体を基準として、
0wt%≦Z≦30wt%、更には0wt%≦Z≦25
wt%、特に0wt%≦Z≦20wt%であることが好
ましい。疎水性有機化合物の導入量(Z)が30wt%
を越える場合は、水分散性不良およびイソシアヌレ−ト
構造の特徴を充分に発揮することができず、耐候性およ
び耐熱性向上が不充分となる傾向がある。
【0060】このように、本発明の水分散性ブロックイ
ソシアネートにおいては、有機イソシアネートに親水性
界面活性剤を導入し、更に低分子グリコール(必要に応
じて、脂肪族化合物または脂肪酸エステル等からなる疎
水性有機化合物)をバランス良く導入することにより、
分散安定性と、水溶性高分子溶液ないし水性エマルジョ
ンの分子骨格との相溶性を兼ね備えた水分散性ブロック
イソシアネートを得ることが可能となる。
【0061】本発明の水分散性ブロックイソシアネート
における(平均)官能基数(f)は、2.0〜4.2、
更には2.2〜4.0であることが好ましい。この官能
基数(f)が2.0未満の場合は、架橋効率が低下する
傾向がある。逆に、該官能基数(f)が4.2を越える
場合は、官能基が多すぎて、主剤の樹脂の分子間に架橋
するのではなく、分子内に架橋してしまう傾向が強ま
り、やはり架橋効率が低下する傾向がある。
【0062】この官能基数(f)は、以下のような方法
で好適に測定可能である。
【0063】1.ブロックイソシアネート組成物を不活
性ガスの雰囲気下で加熱して、ブロック剤や溶媒などを
除去する。
【0064】2.残存したポリイソシアネートのNCO
含量を測定する。
【0065】3.残存したポリイソシアネートの数平均
分子量をGPC(ポリスチレン検量線)にて測定する。
【0066】4.得られたNCO含量測定値、数平均分
子量測定値を以下の式に当てはめて平均官能基数を算出
する。
【0067】 f=NCO(wt%)/42×1/100×Mn =NCO(wt%)×Mn/4200 f :平均官能基数(「前駆体の数平均分子量」を、
「NCO基1個当たりの数平均分子量」で割った値) NCO:NCO含量測定値(wt%) Mn :数平均分子量測定値 100×42/NCO:NCO基1個当たりの数平均分
子量
【0068】(イソシアネート基末端前駆体の製法)本
発明において、イソシアネート基末端前駆体を得るため
の製造方法としては、例えば、以下の方法が使用可能で
ある。
【0069】(A)有機イソシアネ−トに低分子グリコ
ールを付加させて得られるイソシアネート基末端プレポ
リマ−に、イソシアヌレ−ト化触媒を加えてイソシアヌ
レ−ト環構造を導入した後、親水性界面活性剤(および
必要に応じて疎水性有機化合物)を反応させる方法。
【0070】(B)有機イソシアネ−トに低分子グリコ
ールを付加させると同時に、イソシアヌレ−ト化触媒を
加えてイソシアヌレ−ト環構造を導入した後、親水性界
面活性剤(および必要に応じて疎水性有機化合物)を反
応させる方法。
【0071】(C)有機イソシアネ−トに低分子グリコ
ールと親水性界面活性剤(および必要に応じて疎水性有
機化合物)を反応させた後に、イソシアヌレ−ト化触媒
を加えてイソシアヌレ−ト環構造を導入する方法。
【0072】(D)有機イソシアネ−トに低分子グリコ
ールと親水性界面活性剤(および必要に応じて疎水性有
機化合物)を反応させると同時に、イソシアヌレ−ト化
触媒を加えてイソシアヌレ−ト環構造を導入する方法。
【0073】ただし、水分散性ブロックイソシアネート
の粘度が低いほうが好ましい場合、例えば、組み合わせ
るべき水溶性高分子溶液および/または水性エマルジョ
ンの粘度が低く、自己乳化型ポリイソシアネ−トの粘度
が高いと分散性が悪くなって作業性に悪影響を及ぼす場
合等は、上記(C)の方法のように、使用する全ての活
性水素化合物を有機イソシアネートに反応させた後、イ
ソシアヌレ−ト環構造を導入する方が、水分散性ブロッ
クイソシアネートの粘度が低くなるため望ましい。
【0074】イソシアネート基と低分子グリコールの反
応や、イソシアネート基と親水性界面活性剤や疎水性有
機化合物の反応は、通常のウレタン化反応の条件で行う
ことができる。反応温度は20〜150℃の範囲が適当
である。
【0075】イソシアヌレート化反応は、例えば、イソ
シアヌレ−ト化触媒である第3級アミン類、アルキル置
換エチレンイミン類、第3級アルキルフォスフィン類、
アセチルアセトン金属塩類、各種有機酸の金属塩類等を
単独であるいは組み合わせて使用し、必要に応じて助触
媒、例えばフェノ−ル性ヒドロキシル基含有化合物、ア
ルコール性ヒドロキシル基含有化合物等を用い、通常0
〜90℃の反応温度で、溶剤不存在下、またはポリウレ
タン工業に常用の不活性溶剤、例えばトルエン、キシレ
ン等の芳香族系、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン等のケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエ
ステル系、プロピレングリコ−ルメチルエ−テルアセテ
−ト、ジエチレングリコールブチルエーテルアセテー
ト、エチル−3−エトキシプロピオネ−ト等のグリコ−
ルエ−テルエステル系の存在下、あるいは必要に応じ
て、反応温度では液状を呈するポリオ−ルまたはDOP
(ジオクチルフタレート)等の可塑剤中において行うこ
とができる。
【0076】上記のイソシアヌレート化反応後、停止
剤、例えばリン酸、パラトルエンスルホン酸メチル、硫
黄等を使用することにより、上記触媒を不活性化して、
反応を停止させることができる。
【0077】(ブロック剤)本発明に用いるブロック剤
は、特に制限されず、公知のものから適宜1種以上を選
択して使用することができる。該ブロック剤としては、
例えば、フェノール系、アルコール系、活性メチレン
系、メルカプタン系、酸アミド系、ラクタム系、酸イミ
ド系、イミダゾール系、尿素系、オキシム系、アミン系
化合物等が使用できる。
【0078】より具体的には例えば、上記ブロック剤と
して、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブ
チルフェノール等のフェノール系化合物;2−ヒドロキ
シピリジン、ブチルセロソルブ、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、エチレングリコール、ベンジルア
ルコール、メタノール、エタノール、n−ブタノール、
イソブタノール、2−エチルヘキサノール等のアルコー
ル系化合物;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、ア
セト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン
等の活性メチレン系化合物;ブチルメルカプタン、ドデ
シルメルカプタン等のメルカプタン系化合物;アセトア
ニリド、酢酸アミド等の酸アミド系化合物、ε−カプロ
ラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム等
のラクタム系化合物;コハク酸イミド、マレイン酸イミ
ド等の酸イミド系化合物、イミダゾール、2−メチルイ
ミダゾール等のイミダゾール系化合物;尿素、チオ尿
素、エチレン尿素等の尿素系化合物;ホルムアルドオキ
シム、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチ
ルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシ
ム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム系化合物;
ジフェニルアニリン、アニリン、カルバゾール、エチレ
ンイミン、ポリエチレンイミン等のアミン系化合物が挙
げられる。
【0079】上記したブロック剤の中でも、汎用性、製
造の簡易さ、作業性の点からは、メチルエチルケトオキ
シム、ε−カプロラクタム、2−エチルヘキサノールが
特に好ましく使用可能である。
【0080】(ブロック剤と前駆体との反応)本発明の
水分散性ブロックイソシアネート組成物は、例えば、上
述したイソシアネート基末端前駆体と、ブロック剤とを
反応させる(ブロック化反応)ことにより得ることがで
きる。このようなブロック剤とイソシアネート基末端前
駆体との反応は、20〜200℃の通常のブロック化反
応条件に従って行うことができる。
【0081】ブロック化反応を促進させるため、ブロッ
ク剤の仕込量は、遊離のイソシアネート基に対して1.
0〜1.5倍モル量が好ましい。このブロック化反応
は、溶剤の存在の有無にかかわらず行うことができる
が、必要に応じて、ウレタン工業で公知ないし常用の不
活性溶剤、触媒等を使用することもできる。
【0082】上述したように、ブロック剤は、(イソシ
アネート基末端前駆体の構成要素たる)親水性界面活性
剤や疎水性有機化合物と同時に反応させることもでき
る。また、イソシアネート基末端プレポリマーにブロッ
ク剤を反応させた後、親水性界面活性剤や疎水性有機化
合物を導入することもできる。
【0083】本発明の水分散性ブロックイソシアネート
組成物には、必要に応じて公知の添加剤、例えば顔料、
分散安定剤、粘度調節剤、レベリング剤、ゲル化防止
剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐熱性向上
剤、無機および有機充填剤、可塑剤、滑剤、帯電防止
剤、補強材、触媒などを添加することができる。
【0084】(水性樹脂)本発明の水分散性ブロックイ
ソシアネート組成物と組み合わせて使用できる水性樹脂
は、水溶性高分子の水溶液、水分散性高分子を水に分散
させた水性ディスパージョン、水性エマルジョン、水性
サスペンジョン等のタイプが挙げられる。本発明で好ま
しい水性樹脂のタイプは、イソシアネート基との反応性
を考慮すると、分散質(溶質)が液体である水溶性高分
子の水溶液、水分散性高分子を水に分散させた水性ディ
スパージョン、水性エマルジョンが好ましい。
【0085】なお、溶液、ディスパージョン、エマルジ
ョン、サスペンジョンとは以下に示す状態である。
【0086】・溶液:溶質が溶媒に完全に溶解したも
の。
【0087】・ディスパージョン:溶質は溶媒に溶解せ
ず分散したもので、分散質の平均粒径が0.001〜
0.1μm程度であり、かつ、分散質が液体であるも
の。
【0088】・エマルジョン:溶質は溶媒に溶解せず分
散したもので、分散質の平均粒径が0.1μm程度以上
であり、かつ、分散質が液体であるもの。
【0089】・サスペンジョン:溶質は溶媒に溶解せず
分散したもので、かつ、分散質が固体であるもの。
【0090】(水溶性高分子)本発明の水分散性ブロッ
クイソシアネート組成物と組み合わせて使用可能な水溶
性高分子溶液を構成する高分子は、公知の水溶性高分子
から、特に制限なく1種または2種以上を適宜選択する
ことができる。
【0091】汎用性の点からは、ポリビニルアルコ−
ル、水溶性エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレ
ンオキサイド、水溶性アクリル樹脂、水溶性エポキシ樹
脂、水溶性セルロ−ス誘導体、水溶性ポリエステルおよ
び水溶性リグニン誘導体等が、上記水溶性高分子として
好適に使用可能である。
【0092】(水性エマルジョン)本発明に使用可能な
水性エマルジョンは、公知の水性エマルジョン(例え
ば、いわゆるラテックス、エマルジョンと表現されるも
の)から、特に制限なく1種または2種以上を適宜選択
することができる。
【0093】該水性エマルジョンとしては、例えば、ス
チレンブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリ
ルブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタアクリレ
−トブタジエン共重合体ラテックス、クロロプレンラテ
ックス、ポリブタジエンラテックス等のゴム系ラテック
ス、ポリアクリル酸エステルラテックス、ポリ塩化ビニ
リデンラテックス、ポリブタジエンラテックス、あるい
はこれらのラテックスをカルボキシル変性したもの等が
挙げられる。またポリ塩化ビニルエマルジョン、ウレタ
ンアクリルエマルジョン、シリコンアクリルエマルジョ
ン、酢酸ビニルアクリルエマルジョン、ウレタンエマル
ジョン、アクリルエマルジョン等も使用可能である。
【0094】また、優れた耐候性、耐汚染性を有するフ
ッ素(樹脂)エマルジョンは、非架橋のため(単独で使
用した場合には)耐溶剤性は乏しいが、本発明の水分散
ブロックイソシアネートを併せて使用することにより、
耐候性、耐汚染性を更に向上できることはもちろんのこ
と、耐溶剤性も改善することができる。
【0095】(水性ディスパージョン、水性サスペンジ
ョン)その他、本発明には、活性水素基を有しているも
のならば、公知の水性ディスパージョン、水性サスペン
ジョンと呼ばれるものも使用可能である。
【0096】本発明の水性塗料組成物、水性接着剤組成
物においては、耐候性等の物性面の点からは、水分散性
ブロックイソシアネ−ト組成物中のブロック剤により封
鎖されたイソシアネート基と、水性樹脂の固形分中の活
性水素基のモル比は、(イソシアネート基のモル数):
(活性水素基のモルのモル数)=1:9〜9:1、更に
は4:6〜6:4の比率であることが好ましい。
【0097】なお、水分散性ブロックイソシアネート組
成物は、主剤(水性樹脂)に直接添加してもよく、ある
いは必要に応じて、該水分散性ブロックイソシアネート
組成物を一旦水に分散した形、又はウレタン工業で常用
の溶剤で希釈した形で該主剤に添加してもよい。
【0098】本発明の水性塗料組成物ないし水性接着剤
組成物は、極めて多岐に渡る用途に使用可能である。こ
のような用途としては、例えば金属、木工、プラスチッ
ク、繊維、木質材料、紙、多孔質無機材料の塗料や接着
剤等が挙げられる。
【0099】(粘度)作業性の点からは、本発明の水分
散性ブロックイソシアネート組成物は、(固形分80%
の有機溶剤の溶液の状態で)100〜100,000m
Pa・s/25℃、更には150〜80,000mPa
・s/25℃、特に200〜50,000mPa・s/
25℃の粘度範囲を示すことが好ましい。
【0100】上記粘度は、以下の測定方法により測定す
ることが好ましい。
【0101】<粘度測定方法>回転粘度計を用い、JI
S K5400−1990に準じた方法により測定す
る。該測定方法の概略は、以下の通りである。
【0102】すなわち、温度を25℃に調整した粘度を
測定すべき試料を500ml程度のビーカー(内径85
mm程度、深さ120mm程度)に、試料の深さが10
0mm以上になるまで入れる。次いで、該ビーカー内の
試料の粘度を、単一円筒回転粘度計(SB型粘度計、例
えば、トキメック社製、商品名:デジタルビスコメータ
ー DVL−BII)を用いて測定する。選択すべきロー
ターの番定およびトルクないし回転数は、JIS K5
400−1990に準じて決定される。この際、回転粘
度計の指針が、回転中の目盛り板の一定の位置に静止し
た位置の目盛り指度θ(誤差を少なくするため、指針が
20〜100%程度の位置にあることが好ましい)を読
みとり、JIS K5400−1990の(表10)に
規定する換算乗数K(ローター番号と、ローター回転数
によって決まる)から、以下の式によって粘度η(mP
a・s{cP})を算出する。
【0103】η=K×θ (有効NCO含量)耐候性等の物性面の点からは、本発
明の水分散性ブロックイソシアネート組成物は、(固形
分80%の有機溶剤の溶液の状態で)4.0〜15.0
wt%、更には4.5〜14.5wt%、特に5.0〜
14.0wt%の有効NCO含量範囲を有することが好
ましい。この有効NCO含量は、所定の加熱により脱ブ
ロック化されるNCO基を含めた全NCO基を示してい
る。
【0104】この有効NCO含量は、以下の測定方法で
測定することが好ましい。
【0105】<有効NCO含量の測定方法> (1)有効NCO含量を測定すべき試料約1.0〜2.
0gを、「摺り合わせ」開口を有する三角フラスコ(内
容積300ml)に精秤する。
【0106】(2)上記三角フラスコに、0.5mol
/lのジブチルアミン−モノクロルベンゼン溶液25m
lを加え、溶剤と沸石を入れた後、該フラスコの開口に
適合する「摺り合わせ」球管冷却器を取り付ける。この
際、上記溶剤としては、下記のものを用いる。
【0107】<溶剤の選択> ブロック剤がMEK(メチルエチルケトン)オキシムの
場合:キシレン ε−カプロラクタムの場合:オルト−ジクロロベンゼン 1−オクタノールの場合 :エトキシブチルアセテート (3)あらかじめ用意した加熱板上に、上記三角フラス
コを乗せて、該フラスコ中の溶剤が沸騰を始めてから3
0分間反応させる。
【0108】(4)その後、三角フラスコを加熱板上か
ら外し、室温まで冷却した後、摺り合わせ球管冷却器の
上から20〜30mlのメタノールを注ぎ、該冷却器の
内壁部を該メタノールで洗い流す。
【0109】(5)上記冷却器を三角フラスコから外し
た後、該三角フラスコにメタノール100mlと、ブロ
モフェノール・ブルー指示薬1滴とを入れ、フラスコの
内容物に対して、0.5mol/lの塩酸標準液を用い
た逆滴定を行う。この際、試料の滴定に要した上記の塩
酸標準液の滴定量をA(ml)とする。
【0110】(6)上記した加熱を行わない以外は、上
記(1)〜(4)と同様の操作を行って、「ブランク」
試料を得る。該ブランクは、上記(5)と同様に滴定す
る。この際、ブランクの滴定に要した上記の塩酸標準液
の滴定量をB(ml)とする。
【0111】(7)滴定の終点は、ブロモフェノール・
ブルー指示薬の藍色が黄色に変わる点とする。
【0112】(8)下記の計算式を用いて、有効NCO
含量を算出する。
【0113】有効NCO含量(wt%)= {(B−A)
×42×0.5×f} × 100÷( S×1000) 上記式中、 A:試料の滴定に要した0.5mol/lの塩酸標準液
の滴定量(ml) B:ブランクの滴定に要した0.5mol/lの塩酸標
準液の滴定量(ml) f:0.5mol/lの塩酸標準液のファクター S:試料採取量(g)を、それぞれ示す。
【0114】(分散安定性)塗膜外観、作業性の点から
は、本発明の水分散性ブロックイソシアネート組成物
は、該イソシアネートを水中に分散させてから30分静
置した後、その外観を肉眼で観察した場合に、沈殿を生
じることなく均一であるという分散安定性を有すること
が好ましい。
【0115】<分散安定性測定法> (1)分散安定性を測定すべき水分散性ブロックイソシ
アネート組成物の試料と、該イソシアネートと同重量の
蒸留水とを同一容器(ガラス製フラスコ)に入れる。
【0116】(2)スターラを用いて、100rpm×
60秒の条件で、上記フラスコの内容物を素速く攪拌し
て、イソシアネートを水中に分散させる。
【0117】(3)上記の分散が終了した後30分間静
置して、その後分散液の外観を肉眼で確認する。
【0118】(4)上記肉眼観察において、分散液に沈
殿が見られず、均一な溶液ないし分散液となっている場
合に、「分散安定性あり」とする。
【0119】(光沢)塗膜外観の点からは、本発明の水
分散性ブロックイソシアネート組成物は、入射角60
°、反射角60°での光沢が、60〜100、更には6
5〜100、特に70〜100の光沢範囲にあることが
好ましい。この光沢は、本発明のイソシアネートを以下
の方法で光沢測定用塗料とした後に、測定することが好
ましい。
【0120】(光沢測定法) (1)光沢を測定すべき本発明のブロックイソシアネー
ト組成物を硬化剤として用いて、光沢測定用の塗料を以
下の原料から作製する。
【0121】主剤:アルマテックス WA911(AL
MATEX WA911) 固形分=60wt% 酸価=29mgKOH/g(三井
東圧化学社製) 硬化剤:本発明のブロックイソシアネート組成物等 顔料 :酸化チタン(石原産業社製、商品名:タイペー
クR−970) 中和剤:3級アミン(トリエチルアミン;キシダ化学社
製、試薬1級) 希釈剤:水 (2)各成分の配合部の計算 主剤(溶液)の部(重量部)数をAとする。
【0122】顔料(部)=0.7×A 固形分換算の硬化剤(部)=1.1×A/有効NCO
(wt%) 中和剤(部)=A×主剤の酸価(mgKOH/g)×中
和剤の分子量/56 水(部)=1.2×A−中和剤(部) (3)上記の組成で調製した塗料をアルミ板(日本テス
トパネル工業社製、商品名:A1050P)に、乾燥後
の塗料の膜厚が30〜40μになるようにバーコーター
にて塗布した後、加熱処理する。(加熱条件は、ブロッ
ク剤の種類により変化する。具体的な加熱条件は、実施
例参照。)このようにして得られた塗膜の光沢を、光沢
測定器(エリクセン社製、商品名:ピコグロスマスター
モデル500)を用いて、入射角60°、反射角60
°の条件で測定する。
【0123】
【実施例】次に、本発明の実施例および比較例について
詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。また、特に断りのない限り、実施例中の
「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重
量%」を意味する。
【0124】合成例1 (イソシアネート基末端前駆体の合成)攪拌機、温度
計、窒素シ−ル管、および冷却器を装着した反応器(ガ
ラス製、内容積500ミリリットル)に、HDI(ヘキ
サメチレン−1,6−ジイソシアネ−ト)300部と、
1,3−ブタンジオ−ル2.8部とを入れた後、該反応
器内を窒素置換して、攪拌しながら反応温度80℃に加
温し、同温度で2時間反応させた。
【0125】この反応液のイソシアネ−ト基含有量を測
定したところ、48.6%であった。次に触媒としてカ
プリン酸カリウム0.06部、助触媒としてフェノ−ル
0.3部を加え、60℃で6時間イソシアヌレ−ト化反
応を行った。この反応液に停止剤としてリン酸を0.0
42部加え、反応温度で1時間攪拌後、遊離HDIを1
20℃、0.01Torrの条件下で薄膜蒸留により除
去した。得られたイソシアネート末端前駆体は、淡黄色
透明液体、イソシアネート基含有量20.8%、粘度2
500cP/25℃、遊離HDI含有量0.3%、官能
基数3.8、低分子グリコール含有量2.6%であり、
FT−IR(パーキンエルマー社製、商品名:FT−I
R1600シリーズ)および13C−NMR(バリアン社
製、商品名:FT−NMR ユニティ500)からイソ
シアネ−ト基、イソシアヌレ−ト基およびウレタン基の
存在が確認された。収率は35%であった。
【0126】合成例2 合成例1で用いたものと同様の反応器に、HDI 30
0部と、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパ
ンジオ−ル4.0部とを入れ、該反応器内を窒素置換し
た後、攪拌しながら反応温度80℃に加温し、同温度で
2時間反応させた。得られた反応液のイソシアネ−ト基
含有量を測定したところ、48.6%であった。
【0127】次に、触媒としてカプリン酸カリウムを
0.06部、助触媒としてフェノ−ルを0.3部加え、
60℃で4.5時間反応(イソシアヌレ−ト化反応)さ
せた。次いで、得られた反応液に停止剤としてリン酸を
0.042部加え、上記反応温度(80℃)で更に1時
間攪拌した後、遊離HDIを120℃、0.01Tor
rの圧力下で薄膜蒸留により除去した。
【0128】得られたイソシアネート基末端前駆体は、
淡黄色透明液体、イソシアネート基含有量21.3%、
粘度2600cP/25℃、遊離HDI含有量0.5
%、官能基数3.6、低分子グリコール含有量5.3%
であり、FT−IRおよび13C−NMRからイソシアネ
−ト基、イソシアヌレ−ト基およびウレタン基の存在が
確認された。収率は25%であった。
【0129】合成例3 合成例1で用いたものと同様の反応器に、HDI 30
0部と、ネオペンチルグリコール0.7部とを入れ、反
応器内を窒素置換した後、攪拌しながら反応温度80℃
に加温し、同温度で2時間反応させた。この反応液のイ
ソシアネ−ト基含有量を測定したところ、49.6%で
あった。
【0130】次に、触媒としてカプリン酸カリウム0.
06部、助触媒としてフェノ−ル0.3部を加え、60
℃で4.5時間イソシアヌレ−ト化反応を行った。この
反応液に停止剤としてリン酸を0.042部加え、上記
反応温度(80℃)で更に1時間攪拌した後、遊離HD
Iを120℃、0.01Torrの条件下で薄膜蒸留に
より除去した。
【0131】得られたイソシアネート基末端前駆体は、
淡黄色透明液体、イソシアネート基含有量21.2%、
粘度2300cP/25℃、遊離HDI含有量0.4
%、官能基数3.8、低分子グリコール含有量0.8%
であり、FT−IRおよび13C−NMRからイソシアネ
−ト基、イソシアヌレ−ト基およびウレタン基の存在が
確認された。収率は30%であった。
【0132】合成例4 合成例1で用いたものと同様の反応器に、HDI 30
0部と、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジ
オ−ル3.9部と、ポリオキシエチレンメチルエ−テル
(水酸基価140mgKOH/g、東邦千葉工業製;以
下「メトキシPEG#400」と略称する。)16部と
を入れ、該反応器内を窒素置換した後、攪拌しながら反
応温度80℃に加温し、同温度で2時間反応させた。こ
の反応液のイソシアネ−ト基含有量を測定したところ、
45.6%であった。
【0133】次に、触媒としてカプリン酸カリウム0.
06部、助触媒としてフェノ−ル0.3部を加え、60
℃で4.5時間イソシアヌレ−ト化反応を行った。この
反応液に停止剤としてリン酸を0.042部加え、上記
反応温度(80℃)で更に1時間攪拌した後、遊離HD
Iを120℃、0.01Torrの条件下で薄膜蒸留に
より除去した。
【0134】得られたイソシアネート基末端前駆体は、
淡黄色透明液体、イソシアネート基含有量17.2%、
粘度730cP/25℃、遊離HDI含有量0.4%、
官能基数3.4、低分子グリコール含有量3.0%、親
水性界面活性剤の含有量が12.4%であり、FT−I
Rおよび13C−NMRからイソシアネ−ト基、イソシア
ヌレ−ト基およびウレタン基の存在が確認された。収率
は40%であった。
【0135】実施例1 (水分散性ブロックイソシアネートの合成)合成例1で
用いたものと同様の反応器に、合成例1で得たイソシア
ネート基末端前駆体を100部、メトキシPEG#40
0を16部を加え、75℃まで昇温し、該温度(75
℃)を保持しながら3時間反応させたところ、NCO含
有量16.5%、粘度2730cP/25℃、官能基数
3.5、低分子グリコールの含有量が2.2%、親水性
界面活性剤の含有量が13.7%のイソシアネート基末
端前駆体が得られた。
【0136】このイソシアネート基末端前駆体を100
部と、メチルエチルケトン(以下MEKと略称する)3
3.7部とを室温で混合した。更に、メチルエチルケト
オキシム34.9部を滴下ロートに入れ、上記イソシア
ネート基末端前駆体/ MEKに対して、撹拌下に30
分かけて滴下した後、70℃で2時間反応させたとこ
ろ、有効NCO含量9.8%、粘度650cP/25
℃、固形分80%、淡黄色透明の水分散性ブロックイソ
シアネートWBI−1が得られた。
【0137】実施例2 合成例1で用いたものと同様の反応器に、合成例1で得
たイソシアネート基末端前駆体100部と、メトキシP
EG#400 12部と、リシノレイン酸メチルエステ
ル(水酸基価166、小倉合成工業社製;以下「K−P
ON 180」と略称する。)4部とを加え、75℃ま
で昇温し、該温度(75℃)を保持しながら3時間反応
させたところ、NCO含有量16.4%、粘度2920
cP/25℃、官能基数3.5、低分子グリコールの含
有量が2.2%、親水性界面活性剤の含有量が10.3
%、脂肪族化合物の含有量が3.4%のイソシアネート
基末端プレポリマーが得られた。
【0138】このイソシアネート基末端プレポリマーを
100部と、MEK33.7部とを室温で混合した。得
られた混合物に対して、メチルエチルケトオキシム3
4.7部を滴下ロートから30分かけて滴下した後、7
0℃で2時間反応させたところ、有効NCO含量9.7
%、粘度670cP/25℃、固形分80%、淡黄色透
明の水分散性ブロックイソシアネートWBI−2が得ら
れた。
【0139】実施例3 合成例1で用いたものと同様の反応器に、合成例1で得
たイソシアネート基末端前駆体100部と、メトキシP
EG#400を20部と、K−PON180を18部と
を加え、75℃まで昇温し、該温度(75℃)を保持し
ながら3時間反応させたところ、NCO含有量11.9
%、粘度3050cP/25℃、官能基数3.0、低分
子グリコールの含有量が1.9%、親水性界面活性剤の
含有量が14.5%、脂肪族化合物の含有量が13.0
%のイソシアネート基末端プレポリマーが得られた。
【0140】このイソシアネート基末端プレポリマーを
100部と、MEK33.4部と、ε−カプロラクタム
33.7部とを加え、撹拌混合しながら70℃に加熱し
た。70℃で3時間反応させた後、ジブチルチンジラウ
レート(以下「DBTDL」と略称する。)を0.01
部添加し、70℃で10時間反応させたところ、有効N
CO含量7.1%、粘度1,000cP/25℃、固形
分80%、淡黄色透明の水分散性ブロックイソシアネー
トWBI−3が得られた。
【0141】実施例4 合成例1で用いたものと同様の反応器に、合成例1で得
たイソシアネート基末端前駆体100部と、メトキシP
EG#400を24部と、K−PON180を21.6
部とを加え、75℃まで昇温し、該温度(75℃)を保
持しながら3時間反応させたところ、NCO含有量1
0.7%、粘度3500cP/25℃、官能基数2.
8、低分子グリコールの含有量が1.8%、親水性界面
活性剤の含有量が16.5%、脂肪族化合物の含有量が
14.8%のイソシアネート基末端プレポリマーが得ら
れた。
【0142】このイソシアネート基末端プレポリマーを
100部と、MEK32.6部と、ε−カプロラクタム
30.3部とを加え、撹拌混合しながら70℃まで加熱
し、該温度(70℃)で3時間反応させた後、DBTD
Lを0.01部添加し、70℃で10時間反応させたと
ころ、有効NCO含量6.6%、粘度880cP/25
℃、固形分80%、淡黄色透明の水分散性ブロックイソ
シアネートWBI−4が得られた。
【0143】実施例5 合成例1で用いたものと同様の反応器に、合成例2で得
られたイソシアネート基末端プレポリマーを100部
と、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
(以下PMA」と略称する)36.1部と、トリエチル
アミン4.4部と、ジメチロールプロピオン酸5.8部
と、K−PON180 2部と、2−エチルヘキシルア
ルコール56.7部とを加え、撹拌混合しながら75℃
まで加熱した。該温度(75℃)を保持しながら3時間
反応させたところ、有効NCO含有量8.5%、粘度1
2100cP/25℃、固形分80%、ブロック剤がす
べて解離したときのイソシアネート基末端前駆体の官能
基数が3.9、低分子グリコールの含有量が4.9%、
親水性界面活性剤の含有量が5.4%、脂肪族化合物の
含有量が1.8%の水分散性ブロックイソシアネートW
BI−5が得られた。
【0144】実施例6 合成例1で用いたものと同様の反応器に、合成例3で得
られたイソシアネート基末端プレポリマーを100部
と、PMA44.3部と、ポリカプロラクトントリオー
ル(PLACCEL305、水酸基価305、ダイセル
化学工業社製)と無水マレイン酸との1:1(モル比)
反応物27.8部と、2−エチルヘキシルアルコール5
7.0部とを加え、撹拌混合しながら75℃まで加熱
し、75℃を保持しながら3時間反応させた。更にN,
N′−ジメチルエタノールアミン1.9部を加え、70
℃で30分撹拌したところ、有効NCO含有量7.6
%、粘度5,300cP/25℃、固形分80%、ブロ
ック剤がすべて解離したときのイソシアネート基末端前
駆体の官能基数が4.1、低分子グリコールの含有量が
0.6%、親水性界面活性剤の含有量が21.8%の水
分散性ブロックイソシアネートWBI−6が得られた。
【0145】実施例7 合成例1で用いたものと同様の反応器に、合成例4で得
られたイソシアネート基末端前駆体を100部と、ブチ
ルカルビトールアセテート37.2部と、ε−カプロラ
クタム48.6部とを加え、撹拌混合しながら70℃ま
で加熱し、該温度(70℃)で3時間反応させた後、D
BTDLを0.01部添加し、70℃で10時間反応さ
せたところ、有効NCO含量9.3%、粘度1200c
P/25℃、固形分80%、ブロック剤がすべて解離し
たときのイソシアネート基末端前駆体の官能基数が3.
4、低分子グリコールの含有量が3.0%、親水性界面
活性剤の含有量が12.4%の淡黄色透明の水分散性ブ
ロックイソシアネートWBI−7が得られた。
【0146】比較例1 1,3−ブタンジオールを用いなかった以外は、実施例
1と同様の合成操作を行い、水分散性ブロックイソシア
ネートWBI−8を得た。
【0147】比較例2 合成例1で用いたものと同様の反応器に、合成例3で得
られたイソシアネート基末端前駆体を100部と、メト
キシPEG#400を105部とを加え、75℃まで昇
温し、該温度(75℃)を保持しながら3時間反応させ
たところ、NCO含有量5.0%、粘度4100cP/
25℃、官能基数1.8、低分子グリコールの含有量が
0.4%、親水性界面活性剤の含有量が51.2%のイ
ソシアネート基末端プレポリマーが得られた。
【0148】このイソシアネート基末端プレポリマーを
100部と、MEK12.3部とを室温で混合した。更
に、該混合物に対して、メチルエチルケトオキシム1
0.6部を滴下ロートから30分かけて滴下した後、7
0℃で2時間反応させたところ、有効NCO含量4.1
%、粘度830cP/25℃、固形分90%、淡黄色透
明の水分散性ブロックイソシアネ−トWBI−9が得ら
れた。
【0149】上述した実施例1〜7、および比較例1、
2で得られた結果を、下記の(表1)および(表2)に
まとめて示す。
【0150】
【表1】
【0151】
【表2】 上記(表1)および(表2)における略号の意味は、以
下の通りである。
【0152】Mo:メチルエチルケトンオキシム Cp:ε−カプロラクタム Oc:2−エチルヘキシルアルコール実施例8〜14、および比較例3、4 (水系塗料組成物の調製)上述した実施例1〜7および
比較例1、2で得られた水分散性ポリイソアシネーを用
いて、下記の(表3)および(表4)に示す水系塗料組
成物を調製した。
【0153】
【表3】
【0154】
【表4】 上記の(表3)および(表4)における略号の意味は、
以下の通りである。
【0155】 アルテマックス WA911:アクリル樹脂の水溶液(三井東圧化学社製) DMEA : N,N−ジメチル−N−エタノールアミン TEA :トリエチルアミン [塗膜試験]上記(表3)および(表4)に示した「塗
料」組成物を、アルミ板(日本テストパネル工業社製、
商品名:A1050P)に塗布し、バ−コ−タ−で乾燥
塗膜30〜40μmになるように塗装した後、各水分散
性ポリイソシネートに適する条件で加熱処理した。該各
水分散性ブロックイソシネート組成物を用いた塗料組成
物の加熱処理条件は、以下の通りである。
【0156】<加熱処理の条件> 実施例8、9および比較例3、4 140℃×20分 実施例10、11、14 160℃×20分 実施例12、13 180℃×20分 上記塗膜の光沢は、光沢計を用いて、入射角60度、反
射角60度における鏡面光沢度を測定した。該塗膜の耐
水性は、20℃の水道水に1日間浸漬した後の塗面状態
を肉眼により観察した。得られた結果を上記(表4)に
示す。
【0157】上記の(表4)を見れば、自己乳化型ポリ
イソシアネ−トに低分子グリコールを導入することによ
り、主剤中の樹脂との相溶性が向上し、光沢は良好とな
ったことが理解されよう。
【0158】
【表5】 上記(表5)における各記号の意味は、以下の通りであ
る。
【0159】
【0160】実施例15 [水系接着剤組成物の調製] (ウレタンエマルジョンの製造)攪拌機、温度計、窒素
シ−ル管、冷却器を装着した反応器(ガラス製、内容積
2000ml)に、ニッポラン980N(ポリカ−ボネ
−ト系ポリオール、数平均分子量2000、日本ポリウ
レタン工業製)252.3部と、IPDI61.1部と
を仕込み、75℃まで昇温し、該温度(75℃)を保持
しながら1時間反応させた。次いで、得られた反応液を
40℃まで冷却した後、ジメチロ−ルプロピオン酸1
6.8部と、トリエチルアミン12.7部と、アセトン
128.8部とを加えて3時間反応させ、NCO含有量
0.45%の反応液を得た。
【0161】更に、この反応液にアセトン191.8部
と、モノエタノ−ルアミン3.1部とを加えて、30℃
で20分間反応させた。得られた反応液に、水777.
7部とを加えて高速攪拌し、W/O型からO/W型に相
転換させた。次いで、この液からロータリーエバポレー
ター(ヤマト科学製、商品名:RE47)を用いて、温
度:50℃、減圧度:150〜300Torrでアセト
ンを留去して、固形分30.0%、粘度540cP/2
5℃のウレタンエマルジョンを得た。
【0162】上記で得たウレタンエマルジョンと、実施
例および比較例2で得られた水分散性ブロックイソシネ
ートとを用いて、下記(表6)に示す水系接着剤組成物
を調製した。
【0163】
【表6】
【0164】[接着強度評価]厚さ3mmのアルミ板、
および厚さ3mmのボンデ鋼板を、トリクロロエチレン
で脱脂し、これらの板の上に、上記(表5)に示した組
成物を乾燥膜厚が40〜50μmになるように塗布し
た。
【0165】次いで、80℃で5分間予備乾燥して、気
泡が入らないように同一種類の上記の各板を重ね合わせ
(重ね合わせた一方の板にのみ、上記組成物を塗布し
た)、25kg/cm2 で圧着下、各水分散性ポリイソ
シネートに適する条件で加熱処理した。該各水分散性ブ
ロックイソシアネート組成物を用いた接着剤の加熱条件
は、以下の通りである。
【0166】<加熱処理の条件> 実施例15および比較例5 140℃×20分 実施例16 160℃×20分 その後、乾燥後の各板を25mm幅にカットし、JIS
K6854に準じて、引張強度試験器(オリエンテッ
ク社製、商品名:テンシロンUTM−500)を使用
し、引張速度=100mm/minの条件で接着強度
(kgf/25mm)を測定した。得られた結果を下記
(表7)に示す。
【0167】
【表7】
【0168】上記(表7)を見れば、水分散性ブロック
イソシアネ−ト組成物に低分子グリコールをバランスよ
く導入することにより、接着強度が大きくなったこと
が、容易に理解されよう。
【0169】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、イソシ
アネート基末端前駆体と、該前駆体の遊離イソシアネー
ト基をブロックするブロック剤とからなるブロックイソ
シアネート組成物であって;前記イソシアネート基末端
前駆体が、有機ジイソシアネートと、低分子グリコール
と、活性水素基を1個以上有する親水性界面活性剤とを
少なくとも含み;且つ、該前駆体が、イソシアヌレート
環構造を有し、平均官能基数(f)が2.0≦f≦4.
2、低分子グリコールの含有量(X)が0.5wt%≦
X≦15wt%、親水性界面活性剤の含有量(Y)が
0.1wt%≦Y≦50wt%、であることを特徴とす
る水分散性ブロックイソシアネート組成物が提供され
る。
【0170】本発明によれば、更に、イソシアネート基
末端前駆体と、該前駆体の遊離イソシアネート基をブロ
ックするブロック剤とからなるブロックイソシアネート
組成物であって;前記イソシアネート基末端前駆体が、
有機ジイソシアネートと、低分子グリコールと、活性水
素基を1個以上有する親水性界面活性剤と、更に、活性
水素基を1個以上有する炭素数が7以上の疎水性有機化
合物を少なくとも含み;且つ、該前駆体が、イソシアヌ
レート環構造を有し、平均官能基数(f)が2.0≦f
≦4.2、低分子グリコールの含有量(X)が0.5w
t%≦X≦15wt%、親水性界面活性剤の含有量
(Y)が0.1wt%≦Y≦50wt%、疎水性有機化
合物の含有量(Z)が0wt%<Z≦30wt%である
ことを特徴とする水分散性ブロックイソシアネート組成
物が提供される。
【0171】本発明によれば、更に、イソシアネート基
末端前駆体と、該前駆体の遊離イソシアネート基をブロ
ックするブロック剤とからなるブロックイソシアネート
組成物であって;前記イソシアネート基末端前駆体が、
有機ジイソシアネートと、低分子グリコールと、活性水
素基を1個以上有する親水性界面活性剤とを少なくとも
含み;且つ、該ブロックイソシアネート組成物が、固形
分80%の有機溶剤の溶液の状態で、100〜100,
000mPa・s/25℃の粘度を有することを特徴と
する水分散性ブロックイソシアネート組成物が提供され
る。
【0172】本発明によれば、更に、イソシアネート基
末端前駆体と、該前駆体の遊離イソシアネート基をブロ
ックするブロック剤とからなるブロックイソシアネート
組成物であって;前記イソシアネート基末端前駆体が、
有機ジイソシアネートと、低分子グリコールと、活性水
素基を1個以上有する親水性界面活性剤とを少なくとも
含み;且つ、該ブロックイソシアネート組成物が、固形
分80%の有機溶剤の溶液の状態で、4.0〜15.0
wt%の有効NCO含量を有することを特徴とする水分
散性ブロックイソシアネート組成物が提供される。
【0173】本発明によれば、更に、イソシアネート基
末端前駆体と、該前駆体の遊離イソシアネート基をブロ
ックするブロック剤とからなるブロックイソシアネート
組成物であって;前記イソシアネート基末端前駆体が、
有機ジイソシアネートと、低分子グリコールと、活性水
素基を1個以上有する親水性界面活性剤とを少なくとも
含み;且つ、該ブロックイソシアネート組成物が、光沢
測定用塗料の状態で、入射角60゜反射角60゜の条件
で、60〜100の光沢を有することを特徴とする水分
散性ブロックイソシアネート組成物が提供される。
【0174】本発明によれば、更に、上述した「水分散
性ブロックイソシアネート組成物」のいずれかと、活性
水素基を含有する水性樹脂を少なくとも含む水性塗料組
成物であって;前記水分散性ブロックイソシアネート組
成物中のブロックされたイソシアネート基のモル数と、
水性樹脂を構成する該樹脂中の活性水素基のモル数との
比が、1:9〜9:1である水性塗料組成物が提供され
る。
【0175】本発明によれば、更に、上述した「水分散
性ブロックイソシアネート組成物」のいずれかと、活性
水素基を含有する水性樹脂とを少なくとも含む水性接着
剤組成物であって;前記水分散性ブロックイソシアネー
ト組成物中のブロックされたイソシアネート基のモル数
と、水性樹脂を構成する該樹脂中の活性水素基のモル数
との比が、1:9〜9:1である水性接着剤組成物が提
供される。
【0176】本発明の水分散性ブロックイソシアネート
は、分散性向上のために親水性界面活性剤を導入する従
来の技術に加えて、低分子グリコールと必要に応じて適
度な鎖長を有する疎水性有機化合物がバランス良く導入
され、水溶性高分子溶液ないし水性エマルジョンの分子
骨格との相溶性向上が達成された。更に、耐候性および
耐熱性の良いイソシアヌレート環構造を導入される事に
より、結果として塗膜化したときの光沢や鮮映性と耐熱
性、耐候性がともに良好となる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソシアネート基末端前駆体と、該前駆
    体の遊離イソシアネート基をブロックするブロック剤と
    からなるブロックイソシアネート組成物であって;前記
    イソシアネート基末端前駆体が、有機ジイソシアネート
    と、低分子グリコールと、活性水素基を1個以上有する
    親水性界面活性剤とを少なくとも含み;且つ、該前駆体
    が、 イソシアヌレート環構造を有し、 平均官能基数(f)が2.0≦f≦4.2、 低分子グリコールの含有量(X)が0.5wt%≦X≦
    15wt%、 親水性界面活性剤の含有量(Y)が0.1wt%≦Y≦
    50wt%、であることを特徴とする水分散性ブロック
    イソシアネート組成物。
  2. 【請求項2】 イソシアネート基末端前駆体と、該前駆
    体の遊離イソシアネート基をブロックするブロック剤と
    からなるブロックイソシアネート組成物であって;前記
    イソシアネート基末端前駆体が、有機ジイソシアネート
    と、低分子グリコールと、活性水素基を1個以上有する
    親水性界面活性剤と、更に、活性水素基を1個以上有す
    る炭素数が7以上の疎水性有機化合物を少なくとも含
    み;且つ、該前駆体が、 イソシアヌレート環構造を有し、 平均官能基数(f)が2.0≦f≦4.2、 低分子グリコールの含有量(X)が0.5wt%≦X≦
    15wt%、 親水性界面活性剤の含有量(Y)が0.1wt%≦Y≦
    50wt%、 疎水性有機化合物の含有量(Z)が0wt%<Z≦30
    wt%であることを特徴とする水分散性ブロックイソシ
    アネート組成物。
  3. 【請求項3】 前記有機ジイソシアネートが、ヘキサメ
    チレンジイソシアネートであり、活性水素基を1個以上
    有する親水性界面活性剤が、重合度3〜90のポリ(オ
    キシエチレン)グリコールである請求項1または2記載
    の水分散性ブロックイソシアネート組成物。
  4. 【請求項4】 イソシアネート基末端前駆体と、該前駆
    体の遊離イソシアネート基をブロックするブロック剤と
    からなるブロックイソシアネート組成物であって;前記
    イソシアネート基末端前駆体が、有機ジイソシアネート
    と、低分子グリコールと、活性水素基を1個以上有する
    親水性界面活性剤とを少なくとも含み;且つ、 該ブロックイソシアネート組成物が、固形分80%の有
    機溶剤の溶液の状態で、100〜100,000mPa
    ・s/25℃の粘度を有することを特徴とする水分散性
    ブロックイソシアネート組成物。
  5. 【請求項5】 イソシアネート基末端前駆体と、該前駆
    体の遊離イソシアネート基をブロックするブロック剤と
    からなるブロックイソシアネート組成物であって;前記
    イソシアネート基末端前駆体が、有機ジイソシアネート
    と、低分子グリコールと、活性水素基を1個以上有する
    親水性界面活性剤とを少なくとも含み;且つ、 該ブロックイソシアネート組成物が、固形分80%の有
    機溶剤の溶液の状態で、4.0〜15.0wt%の有効
    NCO含量を有することを特徴とする水分散性ブロック
    イソシアネート組成物。
  6. 【請求項6】 イソシアネート基末端前駆体と、該前駆
    体の遊離イソシアネート基をブロックするブロック剤と
    からなるブロックイソシアネート組成物であって;前記
    イソシアネート基末端前駆体が、有機ジイソシアネート
    と、低分子グリコールと、活性水素基を1個以上有する
    親水性界面活性剤とを少なくとも含み;且つ、 該ブロックイソシアネート組成物が、光沢測定用塗料の
    状態で、入射角60゜反射角60゜の条件で、60〜1
    00の光沢を有することを特徴とする水分散性ブロック
    イソシアネート組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の水分散
    性ブロックイソシアネート組成物と、活性水素基を含有
    する水性樹脂を少なくとも含む水性塗料組成物であっ
    て;前記水分散性ブロックイソシアネート組成物中のブ
    ロックされたイソシアネート基のモル数と、水性樹脂を
    構成する該樹脂中の活性水素基のモル数との比が、1:
    9〜9:1である水性塗料組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載の水分散
    性ブロックイソシアネート組成物と、活性水素基を含有
    する水性樹脂とを少なくとも含む水性接着剤組成物であ
    って;前記水分散性ブロックイソシアネート組成物中の
    ブロックされたイソシアネート基のモル数と、水性樹脂
    を構成する該樹脂中の活性水素基のモル数との比が、
    1:9〜9:1である水性接着剤組成物。
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