JPH10168473A - 液状潤滑剤 - Google Patents

液状潤滑剤

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JPH10168473A
JPH10168473A JP33433496A JP33433496A JPH10168473A JP H10168473 A JPH10168473 A JP H10168473A JP 33433496 A JP33433496 A JP 33433496A JP 33433496 A JP33433496 A JP 33433496A JP H10168473 A JPH10168473 A JP H10168473A
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JP
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polymer
carbon black
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segment
weight
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JP33433496A
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English (en)
Inventor
Yoshinobu Asako
佳延 浅子
Teruhisa Nagashima
輝久 永島
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極圧性や耐摩擦性、耐磨耗性等の潤滑特性に
優れ、かつ、カーボンブラックの液状物質中への分散安
定性に優れる液状潤滑剤を提供する。 【解決手段】 カーボンブラックの表面に長鎖アルキル
側鎖型、ブロック型、およびグラフト型からなる群より
選ばれる少なくとも一種の重合型の重合体を物理的好ま
しくは化学的に結合させ、液状物質に混合、分散させて
液状潤滑剤とする。該重合体がカーボンブラックに親和
性を有するセグメント(I)と液状物質に対して親和性
の高いセグメント(II) とを備えることで、セグメント
(I)がカーボンブラック側に配向すると共に、セグメ
ント(II) が外側に露出するように配向されているの
で、該カーボンブラックは、液状物質にサブμm単位の
平均粒子径で均一に分散することができる。従って、上
記液状潤滑剤は、極圧性、耐磨耗性、耐摩擦性等の潤滑
特性に特に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液状潤滑剤に関す
るものであり、さらに詳しくは、極圧性、耐磨耗性、耐
摩擦性等の潤滑特性に優れ、かつ、カーボンブラックの
液状物質中への分散安定性に優れる液状潤滑剤に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】潤滑剤とは、運動する2つの物体(機
材)の相対面に損傷が起こらないように上記相対面間に
存在し、運動の円滑な状態を存続させるために用いられ
るものである。潤滑剤には、液状、固体状、半固体状の
ものがあり、そのなかでも、液状のものが最もよく用い
られている。一般に、液状潤滑剤は、鉱油系、合成油
系、エマルジョン系、水ベース系、液体金属系に分類さ
れる。また、固体状潤滑剤としてはグラファイトや二硫
化モリブデン等が、半固体状潤滑剤としてはグリース等
が知られている。
【0003】上記潤滑剤に求められる機能としては、例
えば、冷却、摩擦低減、磨耗低減、焼き付けの抑制、密
閉効果、錆止め、清浄分散等が挙げられる。しかしなが
ら、上記機能を全て同時に必要とすることは稀であり、
潤滑剤の使用場所、機械の設計状況等によって、その都
度、潤滑剤に主要に求められる役割が定められる。この
ため、潤滑剤の使用場所、機械の設計状況等に応じて、
例えば潤滑剤の潤滑特性を向上すべく、種々の添加剤が
用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般
に、固体粒子を含む潤滑剤、とりわけ固体潤滑剤は、該
固体粒子あるいは固体潤滑剤よりも柔らかい材料を前記
相対面に有するものに対しては潤滑機能を充分に発揮す
ることができない。このため、例えばカーボンブラック
が、カーボンブラックよりも硬い材料であるセラミクス
材料の摺動において優れた潤滑性を示す(特開平 8-536
84号公報)との報告はあるが、一般に、カーボンブラッ
クは、極圧性や耐摩擦性、耐磨耗性等の潤滑特性を低下
させるものとして知られている。また、カーボンブラッ
クのように粒子同士の凝集力が大きな固体粒子を液状物
質に分散させた場合、該固体粒子を液状物質中に安定し
て分散させることは困難であり、極圧性や耐摩擦性、耐
磨耗性等の潤滑特性の低下を引き起こす。
【0005】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、極圧性や耐摩擦性、耐磨耗
性等の潤滑特性に優れ、かつ、カーボンブラックの液状
物質中への分散安定性に優れる液状潤滑剤を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、上記目
的を達成すべく鋭意検討した結果、長鎖アルキル側鎖
型、ブロック型、およびグラフト型からなる群より選ば
れる少なくとも一種の重合型の重合体と、カーボンブラ
ックと、液状物質とを含む液状潤滑剤が、極圧性、耐磨
耗性、耐摩擦性等の潤滑特性に優れ、かつ、カーボンブ
ラックの液状物質中への分散安定性に優れることを見い
だして本発明を完成させるに至った。
【0007】即ち、請求項1記載の発明の液状潤滑剤
は、上記の課題を解決するために、長鎖アルキル側鎖
型、ブロック型、およびグラフト型からなる群より選ば
れる少なくとも一種の重合型の重合体と、カーボンブラ
ックと、液状物質とを含むことを特徴としている。
【0008】請求項2記載の発明の液状潤滑剤は、上記
の課題を解決するために、請求項1記載の液状潤滑剤に
おいて、上記重合体が、カーボンブラックに親和性の高
いセグメントと液状物質に親和性の高いセグメントとを
有していることを特徴としている。
【0009】請求項3記載の発明の液状潤滑剤は、上記
の課題を解決するために、請求項1または2記載の液状
潤滑剤において、上記カーボンブラックと重合体とが化
学的に結合していることを特徴としている。
【0010】上記の構成によれば、本発明の液状潤滑剤
が、長鎖アルキル側鎖型、ブロック型、およびグラフト
型からなる群より選ばれる少なくとも一種の重合型の重
合体と、カーボンブラックと、液状物質とを含むこと
で、極圧性や耐摩擦性、耐磨耗性等の潤滑特性に優れ、
かつ、カーボンブラックの液状物質中への分散安定性に
優れる液状潤滑剤を提供することができる。この場合、
上記重合体が、カーボンブラックに親和性の高いセグメ
ントと液状物質に親和性の高いセグメントとを有するこ
とで、重合体におけるカーボンブラックに親和性の高い
セグメントがカーボンブラック側に配向すると共に、液
状物質に親和性の高いセグメントが外側に露出するよう
に配向されているので、上記カーボンブラックは、サブ
μm単位で液状物質により安定して均一に分散できる。
【0011】以下に本発明について詳しく説明する。本
発明にかかる液状潤滑剤は、カーボンブラック、重合
体、および液状物質を含んでなる。本発明において、上
記カーボンブラックとは、上記液状潤滑剤の原料として
用いられるカーボンブラック(A)からなるカーボンブ
ラックである。また、上記重合体とは、上記液状潤滑剤
の原料として用いられる重合体(B)からなる重合体で
ある。本発明において、上記重合体(B)はカーボンブ
ラック(A)の周りに隣接して存在し、カーボンブラッ
ク(A)表面に物理的、好ましくは化学的に結合されて
いる。従って、本発明にかかる液状潤滑剤は、上記カー
ボンブラック(A)と重合体(B)とが物理的に結合し
ている場合には、上記カーボンブラックとしてカーボン
ブラック(A)を、上記重合体として重合体(B)を含
む。また、本発明にかかる液状潤滑剤は、上記カーボン
ブラック(A)と重合体(B)とが化学的に結合してい
る場合には、上記カーボンブラックとしてカーボンブラ
ック(A)に由来するカーボンブラックを、上記重合体
として重合体(B)に由来する重合体を含む。
【0012】本発明の液状潤滑剤に用いられる液状物質
としては、液体であれば特に制限はなく、水や公知の油
状物質等を用いることができる。上記液状物質として
は、水単独、あるいは油状物質単独であってもよいが、
水と油状物質との混合物であってもよい。この場合、上
記油状物質は水中に溶解していてもよいし、分散あるい
は乳化していてもよい。逆に、水が油状物質中に溶解し
ていてもよいし、分散あるいは乳化していてもよい。但
し、上記液状物質が水を含む場合には、上記液状潤滑剤
を介して運動する機材の相対面、つまり、該液状潤滑剤
との接触面が金属であれば、該液状物質に防錆剤を添加
することが好ましい。
【0013】本発明において用いることができる上記油
状物質としては、特に限定されず、例えば、癸生川寶著
の「石油・潤滑剤・石油化学製品シリーズII潤滑油(第
2回)基油(上)」ペトロテック第18巻第6号 479〜 4
85頁(1995)」および「石油・潤滑剤・石油化学製品シリ
ーズII潤滑油(第3回)基油(下)」ペトロテック第18
巻第7号 584〜 587頁(1995)」に記載の従来公知の潤滑
油等を用いることができる。
【0014】具体的には、上記油状物質としては、例え
ば、パラフィン系炭化水素を多く含む原油から精製され
るパラフィン系鉱油;所謂混合基原油/中間基原油から
生産される混合基系鉱油;シクロパラフィンを多く含む
ナフテン系鉱油;鯨油、牛脂、豚脂等単独またはこれら
の油が石油系に混合されてなる動物油;菜種油、大豆
油、椰子油等の植物油;メチルエチルケトン等の溶剤を
用いて希釈、濾過し、低温で溶解し難いろう分を分離し
てなる溶剤脱ろう油;ゼオライト系触媒を用いて長分子
のワックスを上記触媒の細孔に選択的に捕捉し、切断す
ることで、分離廃棄せず、有効成分に構造転換させてな
る触媒脱ろう油が挙げられる。
【0015】また、他の油状物質としては、例えば、多
環芳香族や多環ナフテン成分、硫黄化合物等を溶剤相に
抽出、除去してなる溶剤精製油;水素と反応性に富む硫
黄、窒素化合物を除去したり、不飽和成分を改質するこ
とにより色素安定性や熱安定性、酸化安定性等を向上さ
せてなる水素仕上げ油;高温、高圧で水素化して硫黄や
窒素化合物を除去すると共に、多環芳香族の分解、開
環、側鎖の脱アルキル、芳香族の核水添等によりシクロ
パラフィン化あるいは直鎖成分の異性化によりイソパラ
フィン化してなる水素化分解油が挙げられる。
【0016】さらに、他の油状物質としては、例えば、
ワックス分解またはエチレン重合により、末端に二重結
合を有する炭素数6〜14のα−オレフィンをフリーデル
クラフツ触媒の存在下で重合、水素化し、低分子を蒸留
除去したポリαーオレフィン;灯油油分の脱水素、ワッ
クス熱分解、またはエチレン重合でのオレフィンでベン
ゼン環をアルキル化したアルキル芳香族;ナフサC4
分からブタジエンを抽出後に残るC4 成分のブタン、ブ
チレンを利用し、フリーデルクラフツ触媒の存在下で重
合し、アルカリ洗浄等で触媒を分離すると共に低分子を
除去してなるポリブテン;石油系アルコールと、例えば
牛脂、大豆オレイン酸、椰子油、パーム油等に含まれる
カプリル酸/カプリン酸等の動植物油系有機酸とを原料
とする、2塩基有機酸と1価アルコールとのジエステル
や1塩基有機酸と多価アルコールのポリオールエステル
等のエステル系合成油が挙げられる。
【0017】さらに他の油状物質としては、例えば、無
機酸であるリン酸化合物と芳香族フェノール誘導体との
エステルであって、例えばオキシ塩化リンとフェノール
類とを反応させ、中和洗浄により触媒を除去し、蒸留と
洗浄にて加水分解不純物を除き、脱色、脱水等の精製を
経て製品化されるリン酸エステル;低級アルコールとエ
チレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレ
ンオキサイドとを開環重合させたり、モノエーテル型の
末端水酸基をアルカリ金属化した後、ハロゲン化アルキ
ルと反応させてなるポリグリコールが挙げられる。
【0018】さらに他の油状物質としては、炭化水素塩
素化物とケイ素とを反応させることにより、中間体とし
て、一般式R3 SiClまたはR2 SiCl2 で表され
るオルガノクロロシランを調製し、該オルガノクロロシ
ランを加水分解して得られる(R3 Si)2 O、(R2
SiO)n を、その割合を調整した後、酸またはアルカ
リ触媒の存在下で重合させてなるシリコーン系合成油;
銅系触媒で芳香族ハロゲン化物とフェノール類アルカリ
金属塩との反応で合成されるポリフェノールが挙げられ
る。
【0019】さらに他の油状物質としては、塩化アルミ
ニウム等の触媒でα−オレフィンとフェニルエーテルと
をフリーデルクラフツ反応させてなるアルキルフェニル
エーテル;三フッ化塩化エチレンを低重合したり、ポリ
グリコール構造の水素をフッ素置換してなるフッ素系ポ
リエーテル;等が挙げられる。
【0020】また、本発明において用いられる上記油状
物質としては、上記例示の化合物以外にも、従来公知の
有機溶剤を用いることができる。該有機溶剤としては、
例えば、ブタノールやプロパノール等のアルコール類;
メチルエチルケトン、メチルブチルケトン等のケトン
類;オクタンやデカン等の飽和脂肪族炭化水素類;ベン
ゼン、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類;エチ
ルグリコール、ブチルグリコール等のグリコール誘導
体;クロロメチレン、クロロベンゼン等の有機塩化物;
等が挙げられる。上記油状物質は、それぞれ単独で用い
てもよいし、適宜、二種類以上を混合して用いてもよ
い。
【0021】また、本発明の液状潤滑剤に用いられる上
記カーボンブラック(A)としては、特に制限はなく、
例えば、サーマルブラック、チャネルブラック、ファー
ネスブラック、アセチレンブラック、カラーブラック等
を挙げることができる。そして、これらカーボンブラッ
ク(A)の中でも、その表面にカルボキシル基、ヒドロ
キシル基等の官能基を有するものが、上記官能基の存在
によりカーボンブラック(A)と重合体(B)とが強く
相互作用し、該カーボンブラック(A)あるいは該カー
ボンブラック(A)に由来するカーボンブラックが液状
物質中で優れた分散安定性を示すことから、好ましい。
【0022】上記カーボンブラック(A)中の炭素原子
含有量は、85重量%以上であることが好ましく、87重量
%〜99重量%の範囲内にあることがさらに好ましい。上
記炭素原子含有量が85重量%未満である場合には、極圧
性に優れた液状潤滑剤が得られない虞れがある。
【0023】また、上記カーボンブラック(A)の平均
粒子径は、0.0005μm〜 0.5μmの範囲内であることが
好ましく、 0.001μm〜 0.1μmの範囲内であることが
さらに好ましい。上記平均粒子径が0.0005μm未満の場
合、得られた液状潤滑剤が極圧性や耐摩擦性、耐磨耗性
等に劣ることがある。また、平均粒子径が0.5 μmを越
える場合、カーボンブラック(A)あるいは該カーボン
ブラック(A)に由来するカーボンブラックの液状物質
での分散安定性が得られないことがある。
【0024】上記カーボンブラック(A)中のC/H比
(炭素原子数を水素原子数で割った商)は、2.0 〜100
の範囲内であることが好ましく、3.0 〜50の範囲内であ
ることがさらに好ましい。上記C/H比が 2.0未満の場
合、極圧性に優れた液状潤滑剤が得られないことがあ
る。一方、C/H比が 100を越えると、耐摩擦性に優れ
た液状潤滑剤が得られない虞れがある。
【0025】また、本発明において用いられる重合体
(B)とは、長鎖アルキル側鎖型、ブロック型、および
グラフト型からなる群より選ばれる少なくとも一種の重
合型の重合体である。本発明において、ブロック型重合
体とは、化学的性質の異なる2種類以上のポリマーから
なる各成分ブロックが線状に共有結合でつながり、長い
連鎖状の分子構造を有している重合体を示す。
【0026】上記ブロック型重合体の製造方法として
は、特に制限されず、例えば、(i) リビング重合可能な
成分モノマーを逐次反応系内に添加して合成する方法、
(ii)リビング重合、官能性重合開始剤、連鎖移動剤、重
縮合、重付加等により水酸基、カルボキシル基、アミノ
基、イソシアナート基等の適当な官能基が片末端または
両末端に導入された高分子(プレポリマー)同士を、重
縮合または重付加させる方法、(iii) 潜在的重合開始基
を用いて段階的にラジカル重合を行う方法等、従来公知
のブロック共重合を用いることができる。
【0027】また、本発明において、グラフト型重合体
とは、異種の化学構造を有するポリマー(枝ポリマー)
が幹ポリマーに化学的に結合した分岐ポリマーを示す。
【0028】上記ブロック型重合体の製造方法として
は、特に制限されず、例えば、(i) 重合体への連鎖移動
反応を利用する方法、(ii)幹ポリマーを酸化することに
よって導入したペルオキシ酸、あるいは側鎖のアミノ基
をジアゾ化して導入したジアゾ基等を分解して遊離基を
生成するような分解性基を重合開始点として利用する方
法、(iii) γ線等の放射線照射による重合開始反応や光
化学反応を利用する方法、(iv)側鎖の水酸基やチオール
基とセリウム(IV)塩等の金属イオンとのレドックス機構
による重合開始反応を利用する方法、(v)水酸基、アミ
ノ基、カルボキシル基等の側鎖の活性基によるエポキ
シ、ラクタム、極性ビニルモノマー等の重合開始反応を
利用する方法等、従来公知のグラフト反応、グラフト共
重合を用いることができる。また、原料に重合性高分子
量体を含む重合性混合物を用いると、簡便にグラフト型
重合体を得ることができる。
【0029】また、本発明において、長鎖アルキル側鎖
型重合体とは、側鎖に長鎖アルキル基を有する重合体を
示す。
【0030】上記長鎖アルキル側鎖型重合体の製造方法
としては、特に限定されず、例えば、長鎖アルキル基を
含有するスチレン系モノマーや長鎖アルキル基を含有す
る(メタ)アクリレート系モノマー等をその他のモノマ
ーと共重合する方法やヒドロキシル基やイソシアナート
基を含むポリマーとそれらの基と反応し得る基および長
鎖アルキル基を含有する化合物を反応させる方法等があ
る。
【0031】また、上記重合体(B)は、カーボンブラ
ック(A)に親和性の高いセグメント(I)と、液状物
質に対して親和性の高いセグメント(II)(換言すれ
ば、セグメント(I)よりもカーボンブラック(A)に
対する親和性の低いセグメント(II))とを有している
ことが好ましい。
【0032】上記重合体(B)がセグメント(I)を有
さない場合、該重合体(B)とカーボンブラック(A)
との相互作用が弱くなる。この結果、カーボンブラック
(A)あるいは該カーボンブラック(A)に由来するカ
ーボンブラックの液状物質中への分散安定性が劣ること
がある。一方、上記重合体(B)がセグメント(II)を
有さない場合、該重合体(B)と液状物質との相互作用
が弱くなる。従って、この場合にも、カーボンブラック
(A)あるいは該カーボンブラック(A)に由来するカ
ーボンブラックの液状物質中への分散安定性が劣ること
がある。
【0033】また、上記重合体(B)において、上記セ
グメント(I)とセグメント(II)とはそれぞれ局在化
していることが好ましい。上記セグメント(I)とセグ
メント(II)とが局在化していない場合、カーボンブラ
ック(A)あるいは該カーボンブラック(A)に由来す
るカーボンブラックの液状物質中での分散安定性に劣る
ことがある。
【0034】そして、上記セグメント(I)は、炭素−
炭素結合を有する主鎖を含有するものであることが好ま
しい。セグメント(I)が、炭素−炭素結合を有する主
鎖を含有しない場合、重合体(B)とカーボンブラック
(A)との相互作用が弱くなる。この結果、カーボンブ
ラック(A)あるいは該カーボンブラック(A)に由来
するカーボンブラックの液状物質中への分散安定性が劣
ることがある。
【0035】また、セグメント(I)は、さらに、重合
鎖中に芳香族環を含有するものであることが好ましい。
重合鎖中に芳香族環を含有しない場合、重合体(B)と
カーボンブラック(A)との相互作用が弱くなる。この
結果、カーボンブラック(A)あるいは該カーボンブラ
ック(A)に由来するカーボンブラックの液状物質中へ
の分散安定性が劣ることがある。
【0036】そして、セグメント(II)は、さらに、ポ
リシロキサン系構造、ポリ(メタ)アクリル系構造、ポ
リエーテル系構造、ポリ(メタ)アクリロニトリル系構
造、ポリエステル系構造、ポリアルキレン系構造、ポリ
アミド系構造、ポリイミド系構造およびポリウレタン系
構造からなる群から選ばれた少なくとも1種の構造を有
するものであることが好ましい。セグメント(II)が上
記の群より選ばれた少なくとも1種の構造を有していな
い場合には、得られた液状潤滑剤が、耐摩擦性に劣るこ
とがある。
【0037】本発明において、重合体(B)としてカー
ボンブラック(A)に親和性の高いセグメント(I)と
液状物質に対して親和性の高いセグメント(II)とを有
する、長鎖アルキル側鎖型、ブロック型、およびグラフ
ト型からなる群より選ばれる少なくとも一種の重合型の
重合体を得る方法としては、特に限定されず、前述した
ような公知の種々のブロック型、グラフト型ないし長鎖
アルキル側鎖型の重合体の重合技術と、反応性ポリマー
の製造技術を適当に組み合わせることで製造することが
できる。
【0038】グラフト型重合体を得る方法としては、例
えば、グラフト鎖となる高分子量体の存在下に、重合開
始剤および重合性単量体を溶液重合、乳化重合、塊状重
合または懸濁重合して主鎖となる重合体を重合する方法
が知られている。しかしながら、前記高分子量体がラジ
カル重合性官能基を有しないものであると、得られるグ
ラフト共重合体には多量のグラフト化されていない重合
体が含まれており、グラフト化効率が低いという欠点を
備えている。それゆえ、上記方法では、当該高分子量体
としてラジカル重合性高分子量体を用いて行うことが好
ましい。
【0039】このようなラジカル重合性高分子量体は、
一般に、「マクロモノマー」と称され、片末端にラジカ
ル重合性基、例えば、(メタ)アクロイル基、スチリル
基などを有する高分子量体であり、例えば、有機溶媒中
で片末端カルボキシル基を有する重合体とグリシジル基
を有するラジカル重合性単量体とを反応されることによ
り得られるものである。
【0040】例えば、特公昭43-11224号公報には、有機
溶媒中でラジカル重合性単量体をメルカプト酢酸の存在
下で、ラジカル重合させて得られるプレポリマーとグリ
シジルメタクリレートをジメチルラウリルアミン触媒の
存在下で反応させて得る方法が開示されている。
【0041】従って、例えば、本発明にかかるグラフト
共重合体を得るには、上記セグメント(II)を形成する
成分としてラジカル重合性高分子量体を用い、該ラジカ
ル重合性高分子量体の存在下で、セグメント(I)の骨
格を形成する、カーボンブラック(A)に対して親和性
の高い重合性単量体(a)(以下、単量体(a)と記
す)を、必要によりその他の重合性単量体(b)(以
下、単量体(b)と記す)と重合すればよい。
【0042】この場合、上記重合反応には、上述したよ
うに、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法または懸濁
重合法等を用いることができるが、そのなかでも、開始
剤としてラジカル重合開始剤を用いての溶液重合法が好
ましい。
【0043】上記ラジカル重合開始剤としては、特に限
定されるものではなく、通常、ビニル単量体の重合に用
いられている常用のものを用いることができる。代表的
には、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,
2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等
のアゾ系化合物;ベンゾイルパーオキシド、ジ−tert−
ブチルパーオキシド、tert−ブチルパーオクトエート、
tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等
の過酸化物系化合物等が挙げられる。
【0044】これら開始剤の使用量は、通常、単量体 1
00重量部当たり0.2 重量部〜10重量部、好ましくは0.5
重量部〜5重量部の範囲内で使用される。また、溶剤と
しては、用いられる単量体、ラジカル重合性高分子量体
の種類に応じて適宜選択される。
【0045】本発明においてセグメント(I)の骨格を
形成するために用いることができる上記単量体(a)と
しては、セグメント(II)を形成する成分としてのラジ
カル重合性高分子量体と共重合し得るものであれば特に
限定されるものではない。
【0046】上記条件を満たす単量体(a)としては、
具体的には、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、
m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチル
スチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブチルス
チレン、p−フェニルスチレン、o−クロロスチレン、
m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等の芳香族環
を含有するスチレン系モノマー;(メタ)アクリル酸;
等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を
用いることができる。上記例示の単量体のなかでも、ス
チレン系モノマーが特に好ましい。
【0047】また、本発明においてセグメント(I)の
骨格を形成するために必要に応じて用いることができる
単量体(b)としては、前記単量体(a)並びにセグメ
ント(II)を形成する成分としてのラジカル重合性高分
子量体と共重合し得るものであれば特に限定されるもの
ではない。
【0048】上記条件を満たす単量体(b)としては、
具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレ
ート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル
(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸系モノマ
ー;エチレン、プロピレン、ブチレン、塩化ビニル、酢
酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリ
ルアミド、N−ビニルピロリドン等が挙げられ、これら
の1種または2種以上を用いることができる。
【0049】また、本発明においてセグメント(II)の
骨格を形成するために用いられるラジカル重合性高分子
量体としては、所望の重合鎖、例えば、ポリシロキサン
系構造、ポリ(メタ)アクリル系構造、ポリアルキレン
グリコール等のポリエーテル系構造、ポリエステル系構
造、ポリアルキレン系構造、ポリアミド構造、ポリイミ
ド構造、ポリウレタン構造等の重合鎖の片末端に反応性
基を有するものであればよい。
【0050】例えば、セグメント(II)をポリシロキサ
ン系構造を有するものとする場合、当該ポリシロキサン
系構造としては、ポリジメチルシロキサン基、部分アル
キル基置換のポリジメチルシロキサン基、部分アリール
基置換のポリジメチルシロキサン基、トリス(トリアル
キルシロキサン)シリルプロピル基等のポリオルガノシ
ロキサンを含有する構造等が例示できる。
【0051】従って、ポリシロキサン系構造を有するラ
ジカル重合性高分子量体としては、例えば、(メタ)ア
クリロイル基含有ポリジメチルシロキサン、スチリル基
含有ポリジメチルシロキサン、(メタ)アクリロイル基
含有部分オクチル置換ポリジメチルシロキサン、スチリ
ル基含有部分オクチル置換ポリジメチルシロキサン、ト
リス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)ア
クリレート等の重合性ポリシロキサン類が挙げられ、こ
れらの1種または2種以上を用いることができる。
【0052】そして、これらポリシロキサン系構造を有
するラジカル重合性高分子量体のなかでも、下記の一般
【0053】
【化1】
【0054】(式中、Dは−COO−基またはフェニレ
ン基を表し、R1 は水素原子またはメチル基を表し、R
2 は炭素数1〜6のアルキレン基を表し、R3 〜R13
それぞれ独立してアリール基、炭素数1〜6のアルキル
基または炭素数1〜10のアルコキシル基を表し、a、b
はそれぞれ独立して0または1〜10の正数を表し、rは
0または1〜200 の正数を表す)で示される化合物が特
に好ましい。
【0055】また、セグメント(II)をポリ(メタ)ア
クリル系構造を有するものとする場合に用いることがで
きるラジカル重合性高分子量体としては、例えば、下記
の一般式
【0056】
【化2】
【0057】(式中、R14、R15はそれぞれ独立して水
素原子またはメチル基を表し、R16は炭素数1〜25のア
ルキル基を表し、Wは任意の連結鎖を表し、Yは開始末
端または水素原子を表し、dは0または1〜500 の正数
を表す)で示される化合物;下記の一般式
【0058】
【化3】
【0059】(式中、R17、R18、R20はそれぞれ独立
して水素原子またはメチル基を表し、R19、R21はそれ
ぞれ独立して炭素数1〜25のアルキル基を表し、Wは任
意の連結鎖を表し、Yは開始末端または水素原子を表
し、e、fはそれぞれ独立して0または1〜500 の正数
を表す)で示される化合物;下記の一般式
【0060】
【化4】
【0061】(式中、R22、R23、R25はそれぞれ独立
して水素原子またはメチル基を表し、R24は炭素数1〜
25のアルキレン基を表し、R26は炭素数1〜25のアルキ
ル基を表し、Wは任意の連結鎖を表し、Yは開始末端ま
たは水素原子を表し、g、hはそれぞれ独立して0また
は1〜500 の正数を表す)で示される化合物等が挙げら
れ、これらの1種または2種以上を用いることができ
る。
【0062】尚、上記連結鎖Wについては、例えば、
「マクロモノマーの化学と工業」(山下雄也監修、平成
元年9月20日、株式会社アイビーシー発行)に記載の連
結鎖の何れをも用いることができる。
【0063】また、セグメント(II)をポリアルキレン
系構造を有するものとする場合に用いることができるラ
ジカル重合性高分子量体としては、例えば、下記の一般
【0064】
【化5】
【0065】(式中、R27、R28、R29はそれぞれ独立
して水素原子またはメチル基を表し、jは0または1〜
500 の正数を表す)で示される化合物;下記の一般式
【0066】
【化6】
【0067】(式中、R30、R31、R32、R33はそれぞ
れ独立して水素原子またはメチル基を表し、k、pはそ
れぞれ独立して0または1〜500 の正数を表す)で示さ
れる化合物等が挙げられ、これらの1種または2種以上
を用いることができる。
【0068】さらに、セグメント(II)をポリスチレン
系構造を有するものとする場合に用いることができるラ
ジカル重合性高分子量体としては、例えば、下記の一般
【0069】
【化7】
【0070】(式中、R34は水素原子またはメチル基を
表し、Wは任意の連結鎖を表し、Yは開始末端または水
素原子を表し、Zは水素原子、ハロゲン置換基または炭
素数1〜8のアルキル基を表し、qは0または1〜500
の正数を表す)で示される化合物等が挙げられる。
【0071】本発明で用いることができるグラフト型重
合体を得る別の方法としては、例えば、カーボンブラッ
ク(A)に対する親和性基を有する化合物を、該化合物
と反応し得る基をセグメント(I)に有し、かつ、この
セグメント(I)にセグメント(II)がグラフトしてな
る前駆重合体に反応させて上記反応性基を上記前駆重合
体中に導入する方法が挙げられる。
【0072】また、ブロック型重合体を得る方法として
は、前述のリビング重合法、例えばアニオンリビング重
合法やカチオンリビング重合法、イニファータ法等が挙
げられる。
【0073】さらに、ブロック型重合体を得る他の方法
としては、セグメント(I)またはセグメント(II)
(セグメント(I)に反応性基を導入する場合には好ま
しくはセグメント(II))の骨格を形成する単量体をラジ
カル重合する際に、チオールカルボン酸、あるいは2−
アセチルチオエチルチオール、10−アセチルチオデカン
チオール等の分子内にチオエステルとチオール基とを含
有する化合物を共存させて重合して得られた重合体を水
酸化ナトリウムやアンモニア等のアルカリで処理するこ
とにより、片末端にチオール基を有する重合体とし、該
重合体の存在下で他方のセグメントの骨格を形成する単
量体成分をラジカル重合する方法が挙げられる。
【0074】従って、本発明にかかる重合体(B)とし
てブロック型重合体を得るには、上述したような公知の
方法を適宜変更し、前記グラフト型重合体を得る場合と
同様に、セグメント(I)の骨格を形成する単量体とし
て、少なくともその一部に、前記反応性基を有する単量
体(a)を用いて、重合時にセグメント(I)に反応性
基を導入するか、あるいは、重合後に、前記反応性基を
セグメント(I)に導入すればよい。
【0075】具体的には、アニオンリビング法による合
成方法として、例えば、4−ビニルベンジルリチウムを
用い、テトラヒドロフランに窒素気流下でスチレンを添
加して重合した後、低温下でメタクリル酸メチルをさら
に重合させることにより、図2(a)に示すような
(I)−(II) ブロック型の(スチレン−メタクリル酸
メチル)共重合体を得、その後、セグメント(I)の開
始末端のビニル基を3−クロロ過安息香酸を用いてエポ
キシ基に変換することによってセグメント(I)に、カ
ーボンブラック(A)と反応する反応性基を導入すれば
よい。
【0076】また、4−ビニルベンジルリチウムを用
い、テトラヒドロフランに窒素気流下でスチレンを添加
して重合することによりセグメント(I)部分を形成し
た後、反応系にグリシジルメタクリレートを添加してセ
グメント(I)に反応性基を導入し、その後、低温下で
メタクリル酸メチルをさらに重合させる方法を用いるこ
ともできる。
【0077】また、長鎖アルキル側鎖型重合体を得る方
法としては、長鎖アルキル基を有する単量体の存在下
に、重合開始剤およびその他の重合性単量体を溶液重
合、乳化重合、塊状重合または懸濁重合して主鎖となる
重合体を重合する方法が知られている。即ち、前記した
グラフト型重合体を得る方法において用いられたラジカ
ル重合性高分子量体のかわりに、ラジカル重合性の長鎖
アルキル基を有する単量体を用いれば、グラフト型重合
体と同様の方法で簡便に長鎖アルキル側鎖型重合体を得
ることができる。
【0078】本発明でいう長鎖アルキル基とは、炭素数
が11以上のアルキル基であり、なかでも、炭素数が12〜
18のアルキル基であることが好ましい。このような長鎖
アルキル基としては、具体的には、例えば、ウンデシル
基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘプ
タデシル基、ノナデシル基、ヘンエイコシル基等が挙げ
られる。
【0079】本発明で用いることができるいラジカル重
合性の長鎖アルキル基を有する単量体としては、例え
ば、ドデシルスチレン、ノナデシルスチレン等の長鎖ア
ルキル基を含有するスチレン系モノマー;ウンデシル
(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレー
ト、ノナデシル(メタ)アクリレート等の長鎖アルキル
基を有するアクリレート系モノマー等を挙げることがで
き、これらの中から一種または二種以上を用いることが
できる。
【0080】長鎖アルキル側鎖型重合体を、ラジカル重
合性の長鎖アルキル基を有する単量体とその他の重合性
単量体の混合物との共重合により得る場合、該混合物中
でラジカル重合性の長鎖アルキル基を有する単量体を10
重量%〜90重量%の割合で用いることが好ましく、20重
量%〜80重量%の割合で用いることがさらに好ましい。
上記ラジカル重合性の長鎖アルキル基を有する単量体の
使用割合が10重量%未満であれば、耐摩擦性に優れた液
状潤滑剤が得られないことがある。一方、上記ラジカル
重合性の長鎖アルキル基を有する単量体の使用割合が90
重量%を越えると、本発明にかかるカーボンブラック、
即ち、カーボンブラック(A)または該カーボンブラッ
ク(A)に由来するカーボンブラックが充分に分散しな
いことがある。
【0081】本発明の液状潤滑剤において、上記カーボ
ンブラック(A)と重合体(B)との割合は、前者 100
重量部に対して後者10重量部〜 3,000重量部の範囲内に
あることが好ましく、50重量部〜 1,000重量部の範囲内
にあることがさらに好ましい。上記重合体(B)の割合
が10重量部未満の場合、得られた液状潤滑剤が耐磨耗性
に劣ることがある。一方、上記重合体(B)の割合が
3,000重量部を超える場合、得られた液状潤滑剤が耐摩
擦性や耐磨耗性に劣ることがある。
【0082】本発明において、上記重合体(B)におけ
るセグメント(I)およびセグメント(II)の分子量
は、特に限定されるものではなく、これらのセグメント
を構成する重合鎖の種類等にもよるが、セグメント
(I)を数平均分子量300 〜100,000 の範囲内とするこ
とが好ましく、5,000 〜50,000の範囲内とすることがよ
り好ましい。
【0083】さらに、上記重合体(B)の分子量、即
ち、長鎖アルキル側鎖型、ブロック型、およびグラフト
型からなる群より選ばれる少なくとも一種の重合型の重
合体の分子量は、特に制限されないが、数平均分子量
(Mn)1,000 〜 1,000,000の範囲内とすることが好ま
しく、5,000 〜 100,000の範囲内とすることがより好ま
しい。
【0084】本発明において、上記カーボンブラック
(A)と重合体(B)とは、前述したように、物理的に
結合されていてもよいが、化学的に結合されていること
が好ましい。上記重合体(B)とカーボンブラック
(A)とが化学的に結合していない場合には、カーボン
ブラック(A)の液状物質中への分散安定が劣ったり、
得られた液状潤滑剤が極圧性や耐摩擦性、耐磨耗性に劣
ることがある。
【0085】本発明において、上記重合体(B)とカー
ボンブラック(A)とが化学的に結合したものは、カー
ボンブラックグラフトポリマーと捉えることができる。
本発明にかかるカーボンブラックグラフトポリマーと
は、カーボンブラック(A)表面に重合体(B)がグラ
フト化により化学的に結合されたものであり、カーボン
ブラック(A)に由来するカーボンブラックと重合体
(B)に由来する重合体とを備えている。
【0086】本発明において用いることができるカーボ
ンブラックグラフトポリマーは、特に限定されるもので
はなく、例えば、特公昭42-22047号公報、特公昭44−38
26号公報、特公昭45-17248号公報、特公昭46-26970号公
報、特公平2-24868号公報等に記載のカーボンブラック
グラフトポリマーが挙げられる。
【0087】本発明でいうグラフト化とは、ドネ(Donn
et)が、その著書「カーボンブラック」にて定義してい
るように、カーボンブラックのような基質に対する重合
体の不可逆的な付加反応のことである。不可逆的な付加
反応であるグラフト化を行うことにより、カーボンブラ
ック粒子表面へ重合体を化学結合させることができ、こ
れにより、両者を確実に結合させることができる。グラ
フト化の反応として用いることができる付加反応には、
求電子付加反応、ラジカル付加反応、求核付加反応、付
加環化反応がある。
【0088】上記カーボンブラックグラフトポリマーの
平均粒子径は、0.0005μm〜 0.5μmの範囲内にあるこ
とが好ましい。平均粒子径が0.0005μm未満のものは調
製が困難であり、また、極圧性に優れた潤滑剤を得るこ
とができない虞れがある。一方、平均粒子径が 0.5μm
を越える場合、耐磨耗性や耐摩擦性に優れた潤滑剤を得
ることができない虞れがある。
【0089】また、上記カーボンブラックグラフトポリ
マーの重合体部分、つまり上記重合体(B)に由来する
重合体としては、重合体(B)の説明において上述した
ように、主鎖に炭素−炭素結合を有することが好まし
い。上記重合体部分が主鎖に炭素−炭素結合を有すると
き、重合体部分がカーボンブラック(A)に由来するカ
ーボンブラック部分に化学的に結合したカーボンブラッ
クグラフトポリマーを効率良く製造することができる。
一方、上記重合体部分が主鎖に炭素−炭素結合を有しな
い場合、効率よくグラフト化が進行せず、本発明に好適
なカーボンブラックグラフトポリマーが得られないこと
がある。
【0090】このようにカーボンブラックグラフトポリ
マーが効率良く製造できる理由としては、前記重合体
(B)が多くの炭素原子を主鎖に有しており、カーボン
ブラック(A)と上記重合体(B)との親和性が大きい
ため、上記カーボンブラック(A)に重合体(B)が、
より効率良くグラフト化できるためであると考えられ
る。
【0091】そして、上記重合体(B)としては、主鎖
に炭素−炭素結合を有する重合体の中でも、ビニル系単
量体の重合により得られた主鎖を含有するものであるこ
とが好ましい。ビニル系単量体の重合により得られる重
合体は、炭素−炭素結合のみからなる主鎖を有し、カー
ボンブラック部分との親和性が大きいため、グラフト化
を効率良く行うことができる。また、ビニル系単量体
は、グラフト化を行うための反応性基を有する単量体が
数多く知られている。
【0092】一方、重合体(B)がビニル系単量体の重
合により得られた主鎖を含有しない場合、カーボンブラ
ック(A)に対し、重合体(B)が有効にグラフト化し
ないことがある。
【0093】本発明の液状潤滑剤がカーボンブラックグ
ラフトポリマーを含む場合には、上記重合体(B)とし
て、反応性基を有し、かつ、長鎖アルキル側鎖型、ブロ
ック型、およびグラフト型からなる群より選ばれる少な
くとも一種の重合型の重合体(以下、説明の便宜上、重
合体(B)のなかでも反応性基を有するもののみを指し
て特に重合体(B')と記す) を用いることが好ましい。
つまり、上記カーボンブラックグラフトポリマーは、反
応性基を有し、かつ、長鎖アルキル側鎖型、ブロック
型、およびグラフト型からなる群より選ばれる少なくと
も一種の重合型の重合体(B')とカーボンブラック
(A)とを反応させることにより得られるものであるこ
とが好ましい。
【0094】カーボンブラック(A)と上記重合体
(B')とを反応させることにより、カーボンブラック
(A)の表面官能基と、重合体(B')中の反応性基とが
効率よく反応して化学結合を形成することで、本発明に
好適なカーボンブラックグラフトポリマーが得られる。
上記重合体(B)として反応性基を有しない重合体を用
いた場合、重合体のカーボンブラックへのグラフト化が
有効に生じず、得られた潤滑剤が耐磨耗性に劣ることが
ある。
【0095】また、本発明の液状潤滑剤がカーボンブラ
ックグラフトポリマーを含む場合には、上記カーボンブ
ラック(A)としては、pH7未満、特にpH1〜5の
酸性カーボンブラックを用いることが好ましい。特に、
表面のカルボキシル基の量が、0.05mg当量/g以上のカ
ーボンブラック(A)を用いると、上記重合体(B')と
の反応を温和な条件で行うことができ、しかも高いグラ
フト化効率が得られるので好ましい。カルボキシル基を
有するカーボンブラック(A)は酸性カーボンブラック
として容易に入手できるが、中性あるいは塩基性のカー
ボンブラックを酸化処理することにより得られたカーボ
ンブラックも、本発明にかかるカーボンブラック(A)
として好適に用いることができる。一方、上記カーボン
ブラック(A)がカルボキシル基等の官能基を有してい
ない場合、あるいはpH7以上である場合、グラフト化
が有効に行われないことがある。尚、カーボンブラック
(A)のpHの測定は、JIS K 6211に準じる
ものとする。
【0096】また、本発明で用いることができる重合体
(B')としては、分子内にカーボンブラック(A)の表
面官能基と反応できる反応性基を有する重合体であれ
ば、特に制限はなく、例えばビニル系重合体、ポリエス
テル、ポリエーテル、ポリオルガノシロキサン等を挙げ
ることができる。
【0097】また、上記の反応性基としては、上記カー
ボンブラック(A)の表面官能基と反応して当該重合体
(B')のカーボンブラック(A)へのグラフト化に寄与
できるものであれば特に限定されるものではなく、各種
の反応性基を利用することができる。
【0098】但し、グラフト化をより確実かつ安定なも
のとするためには、重合体(B')が共有結合を介してカ
ーボンブラック(A)に結合していることが望まれる。
特に、この結合は、エステル結合、チオエステル結合、
アミド結合、アミノ結合、エーテル結合、チオエーテル
結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合、およびス
ルホニル結合からなる群より選ばれる少なくとも1種の
結合、さらには、エステル結合、チオエステル結合、お
よびアミド結合よりなる群から選ばれる少なくとも1種
の結合であることが望まれる。
【0099】従って、このような点も考慮すると、重合
体(B')が有する反応性基としては、エポキシ基、チオ
エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、およびN
−ヒドロキシアルキルアミド基よりなる群から選ばれる
少なくとも1種の基であることが好ましい。カーボンブ
ラック(A)の表面官能基と反応し得る基としては、必
ずしも上記例示の反応性基のみに限られるものではない
が、これらの反応性基以外の基を有する重合体を用いる
場合、使用できるカーボンブラック(A)の種類に制限
を受けたり、反応に先立ってカーボンブラック(A)を
予め処理しておく工程を必要とすることがある。カーボ
ンブラック(A)との反応に際し、重合体(B)として
前記反応性基を有する重合体(B')を用いることが好ま
しい理由は、使用するカーボンブラック(A)の種類や
状態に関わらず、温和な条件においてもカーボンブラッ
ク(A)と、反応性基を有する重合体(B')とが非常に
高いグラフト化効率で反応し、本発明の潤滑剤として好
適なカーボンブラックグラフトポリマーが得られるとこ
ろにある。
【0100】従って、本発明にかかる液状潤滑剤がカー
ボンブラックグラフトポリマーを含む場合には、重合体
(B)における前記セグメント(I)が、反応性基を有
することが好ましい。つまり、上記重合体(B')は、反
応性基を有し、かつ、カーボンブラック部分を形成する
カーボンブラック(A)に親和性の高いセグメント
(I)と、液状物質に対して親和性の高い前記セグメン
ト(II)との長鎖アルキル側鎖型、ブロック型またはグ
ラフト型であることが好ましい。
【0101】上記重合体(B')が、反応性基を有し、か
つ、カーボンブラック(A)に親和性の高いセグメント
(I)と、反応性基を有さず、液状物質に対して親和性
の高いセグメント(II)とを有する、長鎖アルキル側鎖
型、ブロック型、およびグラフト型からなる群より選ば
れる少なくとも一種の重合型の重合体であれば、該重合
体(B')をカーボンブラック(A)にグラフト化させる
際に、図1に示すように、セグメント(I)がカーボン
ブラック(A)側に配向するため、セグメント(I)に
存在する反応性基がカーボンブラック(A)表面に有効
にグラフト化される。これにより、得られたカーボンブ
ラックグラフトポリマー表面に結合した鎖は、液状物質
に対して親和性の高いセグメント(II)が外側に露出す
るように配向されているので、液状物質に対して高い親
和性を示す。この結果、得られたカーボンブラックグラ
フトポリマーは、サブμm単位で液状物質により安定し
て分散できる。
【0102】また、本発明では、上記重合体(B')が、
上記反応性基を有するセグメント(I)と、液状物質に
対して親和性の高いセグメント(II)とを有すること
で、液状物質中において、カーボンブラック(A)に、
上記した反応性基を有する重合体(B')を反応させた場
合には、セグメント(II)がカーボンブラック粒子表面
を取り囲み、カーボンブラック(A)と重合体(B)と
がグラフト化するのに好適な反応場が提供されるため、
有効なグラフト化がなされる。
【0103】尚、上記重合体(B')が、反応性基を有
し、かつカーボンブラック(A)に親和性の高いセグメ
ント(I)と、液状物質に対して親和性の高いセグメン
ト(II)とを有する、長鎖アルキル側鎖型、ブロック
型、およびグラフト型からなる群より選ばれる少なくと
も一種の重合型の重合体でない場合、カーボンブラック
(A)に重合体(B')が有効にグラフト化しないことが
ある。
【0104】本発明において、重合体(B)として重合
体(B')を得る方法としては、特に限定されるものでは
なく、従来公知の種々の方法を用いることができる。例
えば、前記した重合体(B)の製造方法において、前記
単量体(a)、単量体(b)、ラジカル重合性高分子量
体、あるいはラジカル重合性の長鎖アルキル基を有する
単量体以外に、前記したエポキシ基、チオエポキシ基、
アジリジン基、オキサゾリン基、およびN−ヒドロキシ
アルキルアミド基よりなる群から選ばれる少なくとも1
種の基を分子内に有する重合性単量体(c)(以下、単
量体(c)と記す)を共重合成分として用いる方法を挙
げることができる。
【0105】上記単量体(c)としては、例えば、下記
の化学式
【0106】
【化8】
【0107】
【化9】
【0108】にて示されるエポキシ基含有重合性単量体
を挙げることができる。尚、上記化学式において、R1
は水素原子またはメチル基を表し、nは0または1〜20
の正数を表す。
【0109】また、上記単量体(c)としては、下記の
化学式
【0110】
【化10】
【0111】
【化11】
【0112】で示されるチオエポキシ基含有重合性単量
体を挙げることができる。尚、上記化学式において、R
1 は水素原子またはメチル基を表し、nは0または1〜
20の正数を表す。
【0113】さらに、上記単量体(c)としては、下記
の化学式
【0114】
【化12】
【0115】
【化13】
【0116】
【化14】
【0117】
【化15】
【0118】
【化16】
【0119】
【化17】
【0120】で示されるアジリジン基含有重合性単量体
を挙げることができる。
【0121】さらに、上記単量体(c)としては、オキ
サゾリン基含有重合性単量体を挙げることができる。上
記オキサゾリン基含有重合性単量体としては、2−ビニ
ル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−
オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾ
リン、2−ビニル−4−エチル−2−オキサゾリン、2
−ビニル−5−エチル−2−オキサゾリン、2−イソプ
ロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4
−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5
−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4
−エチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5
−エチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−
4,5−ジメチル−2−オキサゾリン等を挙げることが
できる。
【0122】さらに、上記単量体(c)としては、N−
ヒドロキシアルキルアミド基含有重合性単量体を挙げる
ことができる。上記N−ヒドロキシアルキルアミド基含
有重合性単量体としては、N−ヒドロキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリルアミド、N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリル
アミド、N−ヒドロキシイソブチル(メタ)アクリルア
ミド、N−ヒドロキシ−2-エチルヘキシル(メタ)アク
リルアミド、N−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)ア
クリルアミド等が挙げられる。上記単量体(c)として
は、上記各単量体からなる群から選ばれる1種または2
種以上の混合物を用いることができる。
【0123】上記重合体(B')としては、例えば、下記
の一般式
【0124】
【化18】
【0125】(式中、Rは炭素数1〜30のアルキル基、
アリール基、アルキルアリール基またはハロゲン化アリ
ール基を表し、xはエポキシ基、チオエポキシ基、アジ
リジン基、オキサゾリン基またはN−ヒドロキシアルキ
ルアミド基を表し、mは1〜50の正数を表す)で示され
る化合物等を挙げることができる。
【0126】本発明の重合体(B)として重合体(B')
を得る場合にも、上記重合体(B')におけるセグメント
(I)およびセグメント(II)の分子量は、特に限定さ
れるものではなく、これらのセグメントを構成する重合
鎖の種類等にもよるが、カーボンブラック(A)に対す
るグラフト効率の面からすると、セグメント(I)は数
平均分子量300 〜100,000 の範囲内とすることが好まし
く、5,000 〜50,000の範囲内とすることがさらに好まし
い。
【0127】さらに、上記セグメント(I)が有する反
応性基の数としても特に限定されるものではなく、重合
体(B')1分子当たり平均して50個〜1個、より好まし
くは20個〜1個程度有することが望まれる。
【0128】そして、上記重合体(B)として重合体
(B')を得る場合には、上記重合体(B')の数平均分子
量は、カーボンブラック(A)に対するグラフト化の効
果や、カーボンブラック(A)との反応時の作業性を考
慮すると、500 〜1,000,000 の範囲内とすることが好ま
しく、 1,000〜 100,000の範囲内とすることがさらに好
ましい。
【0129】以上のようにして得られた本発明にかかる
重合体(B)、重合体(B')としては、例えば、図2
(a)あるいは図2(b)に示すように単純な構造を有
するブロック共重合体あるいはグラフト共重合体の他
に、例えば、図2(c)に示すようにセグメント(I)
とセグメント(II)とが交互に結合されたよりブロック
鎖状の長いブロック共重合体や、図2(d)に示すよう
に複数のセグメント(II)がセグメント(I)にグラフ
トしてなる櫛形のグラフト共重合体、さらには図2
(e)に示す星型状のグラフト共重合体等が挙げられ
る。尚、図中、Xは反応性基を表すが、反応性基Xは必
ずしも必要としない。
【0130】また、図2(f)は例えば図2(a)〜図
2(e)に示すような各種の重合体(B')がカーボンブ
ラック粒子(CB)表面に結合した状態を表すものであ
る。但し、上記重合体(B')の形態としては、これに限
定されず、いかなる形態を有するものであってもよい。
【0131】さらに、上記重合体(B)、重合体(B')
は、例えば、セグメント(I)あるいはセグメント(I
I)に分類されるものとして複数種のセグメントを有す
るものであってもよい。また、上記重合体(B)、重合
体(B')は、セグメント(I)とセグメント(II)とは
異なる性質、例えば、セグメント(I)とセグメント
(II)との中間的な性質や、グラフト鎖を延長する機能
あるいはグラフト鎖の液状物質中での「ゆらぎ(運動
性)」を高めたり低下させる機能を付する別種のセグメ
ント(III)を、セグメント(I)とセグメント(II)と
の中間に配したものであってもよい。上記セグメント
(III)は、反応性基を有するものであっても有さないも
のであってもよいが、反応性基を有さないものである方
が、グラフト効率を高める上で好ましい。
【0132】さらに、場合によっては、上記セグメント
(III)に、相互に架橋し得るような反応性基を導入して
おくことも可能である。尚、説明の便宜上、上記性質の
異なるセグメントをセグメント(III)と称したが、該セ
グメント(III)も大きく分ければ、上述したセグメント
(I)かセグメント(II)の何れかに分類されるもので
ある。
【0133】また、本発明において、上記カーボンブラ
ック(A)と重合体(B')とを反応させる際には、0℃
〜350 ℃の温度範囲で攪拌、混合することが好ましい。
この方法を用いれば、原料に用いた二次凝集状態にある
カーボンブラック(A)が攪拌、混合により重合体
(B')と反応する際に、効率良く解砕されて微細かつ均
一な粒子径となる。しかも、上記の方法を用いれば、反
応の効率も向上する。従って、上記の方法を用いて得ら
れたカーボンブラックグラフトポリマーは、本発明の液
状潤滑剤に好適なものとなる。しかしながら、反応温度
が350 ℃を越える場合には、カーボンブラックグラフト
ポリマーの重合体部分が変質し、潤滑性を示さないこと
がある。
【0134】また、上記カーボンブラック(A)と重合
体(B')との反応は、液状物質中で行うことが好まし
い。カーボンブラック(A)と重合体(B')との反応を
液状物質中で行うことにより、カーボンブラックグラフ
トポリマーを液状物質に分散させた液状潤滑剤を直接得
ることができる。このため、サブμm以下の超微粒子で
あるカーボンブラックポリマーを取り出したり、液状物
質に分散させるという工程を省略することができ、安価
かつ容易に液状潤滑剤を製造することができる。また、
上記の方法によれば、液状物質が一種の反応媒体として
反応系に存在するため、カーボンブラック(A)と重合
体(B')との反応が速やかに行われる。このため、上記
の方法によれば、重合体(B')がより有効にグラフト化
され、かつ、より優れた分散性を有するので、反応後に
得られた分散液は、本発明にかかる液状潤滑剤として極
めて良好な潤滑性を示すと共に、カーボンブラックグラ
フトポリマー中のカーボンブラックの含有量を多くする
ことができる。
【0135】また、本発明の液状潤滑剤において、液状
物質に対するカーボンブラック(A)および重合体
(B)、重合体(B')の合計量は、液状物質 100重量部
に対して1重量部〜10,000重量部の範囲内であることが
好ましく、10重量部〜 1,000重量部の範囲内であること
がさらに好ましく、50重量部〜 500重量部の範囲内であ
ることが特に好ましい。
【0136】上記液状物質に対するカーボンブラック
(A)および重合体(B)、重合体(B')の合計量が1
重量部未満であれば、極圧性、耐磨耗性、耐摩擦性等の
潤滑特性に優れた液状潤滑剤を得ることができなくなる
虞れがある。一方、上記液状物質に対するカーボンブラ
ック(A)および重合体(B)、重合体(B')の合計量
が10,000重量部を越えると、耐摩擦性に優れた液状潤滑
剤を得ることができなくなる虞れがある。
【0137】また、本発明の液状潤滑剤には、必要に応
じて被膜形成性成分として、光重合性化合物に相溶性の
ある有機高分子重合体を配合することが可能であり、こ
のような有機高分子重合体としては、ポリアクリル酸エ
ステルまたはその部分加水分解物、ポリメタクリル酸エ
ステルまたはその部分加水分解物、ポリ酢酸ビニルまた
はその加水分解物、ポリスチレン、ポリビニルブチラー
ル、ポリクロロプレン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエ
チレン、塩素化ポリプロピレン、ポリビニルピロリド
ン、スチレンと無水マレイン酸の共重合体またはハーフ
エステル等が挙げられる。
【0138】以上のように、本発明によれば、極圧性、
耐磨耗性、耐摩擦性等の潤滑特性に優れ、かつ、カーボ
ンブラックの液状物質中への分散安定性に優れる液状潤
滑剤を提供することができる。本発明にかかる液状潤滑
剤が以上のように優れた性能を有する理由としては、例
えば、以下の理由が挙げられる。
【0139】カーボンブラック(A)は、通常、数nm
〜数百nmの粒子径を有しているが、粒子同士の凝集力
が大きいため、通常、数μm以上の粒子径を有する凝集
体となる。また、カーボンブラック(A)同士の凝集力
は、カーボンブラック(A)と例えば液状物質等の他の
媒体との親和性に比べて著しく大きく、カーボンブラッ
ク(A)を単独でサブμm単位で液状物質中に分散させ
ることは非常に困難である。
【0140】しかしながら、本発明の液状潤滑剤は、カ
ーボンブラック(A)の粒子間に重合体(B)が有効に
入り込んでいるため、カーボンブラック(A)同士の凝
集力を弱めることができる。このため、本発明にかかる
液状潤滑剤において、カーボンブラック(A)あるいは
カーボンブラック(A)に由来するカーボンブラック
は、液状物質等に均一に分散することができる。しか
も、本発明にかかる液状潤滑剤において、上記カーボン
ブラック(A)あるいはカーボンブラック(A)に由来
するカーボンブラックは、サブμm単位の平均粒子径で
分散しているため、機材を傷付けることもない。従っ
て、本発明の液状潤滑剤は、極圧性、耐磨耗性、耐摩擦
性等の潤滑特性に特に優れている。
【0141】従って、本発明にかかる液状潤滑剤は、セ
ラミックスや金属等、機材の材料によらず、また、例え
ば、屋外使用機械、印刷機械、撚線機、電動機器または
自動車部品等の各種軸受け等、種々の用途分野において
好適に用いることができる。
【0142】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定
されるものではない。また、液状潤滑剤の諸性能は、以
下の方法で測定した。
【0143】(a)安定性 先ず、得られた液状潤滑剤を、それぞれ高さ150mm 、直
径15mmの試験管に、該試験管の底から 100mmの高さまで
充填した。その後、この試験管を室温で所定時間放置
し、カーボンブラックグラフトポリマーあるいはカーボ
ンブラックの安定性を追跡した。安定性は以下の基準に
基づいて評価した。液状潤滑剤を充填した試験管を10日
間放置後、カーボンブラックグラフトポリマーあるいは
カーボンブラックの沈降が起こらず、試験管内の液状潤
滑剤が均一な分散状態を保っているものを◎で表す。ま
た、カーボンブラックグラフトポリマーあるいはカーボ
ンブラックの均一分散体が全く得られなかったものを×
で表す。
【0144】(b)極圧性 極圧性は、改定版潤滑ハンドブック(日本潤滑剤学会
編)の 394頁に記載のいわゆる曽田式四球試験標準法に
より評価した。つまり、極圧性の評価は、JIS K2519
−1980にて定められている曽田式四球試験機を用いて、
積み重ねられた球を回転数200rpmにて回転させ、負荷油
圧を毎分0.5kgf/cm2の割合で焼付けを起こすまで上昇さ
せ、合格限界(油圧)を測定することにより行った。
【0145】(c)耐摩擦性 耐摩擦性は、いわゆる振り子II型式摩擦試験により評価
した。つまり、耐摩擦性の評価は、振り子型油性摩擦試
験機(神鋼造機株式会社製)を用い、初期振幅を0.5 ラ
ジアン、振り子縦軸重鐘の重量を40g、振り子横軸重鐘
の重量を80g、振り子縦軸重鐘の取り付け位置を支点か
ら100mm 、振り子横軸重鐘の取り付け位置を支点から34
0mm とする標準試験条件にて、振り子の振れ角が5回一
致したときの振れ角を読み取り、該振れ角から動摩擦係
数を算出することにより行った。
【0146】(d)耐磨耗性 耐磨耗性は、FALEX試験(ASTM D2670)
により評価した。但し、負荷は300Lbs、試験時間は30分
間とした。
【0147】〔実施例1〕攪拌機、不活性ガス導入管、
還流冷却管、滴下ロート、および温度計を備えたフラス
コにトルエン 200重量部を仕込んだ。一方、ドデシルメ
タクリレート 120重量部、スチレン30重量部、およびグ
リシジルメタクリレート10重量部からなる重合性単量体
にアゾビスイソブチロニトリル6重量部を溶解させて単
量体混合物を調製し、該単量体混合物を滴下ロートに仕
込んだ。次に、該単量体混合物を2時間かけて滴下ロー
トから上記フラスコ内に滴下して反応液とした。
【0148】次いで窒素ガスを吹き込みながら上記反応
液を80℃に加熱し、この温度で6時間撹拌を続けて重合
反応を行った後、上記フラスコ内の内容物を冷却した。
続いて、上記重合反応により得られた重合体溶液をろ
過、洗浄した後、乾燥して反応性基としてエポキシ基を
分子内に有する重合体(1)を得た。この重合体(1)
の数平均分子量(Mn)は、GPC(Gel Permeation C
hromatography)測定によりMn=4500であった。
【0149】次に、上記重合体(1)50重量部と「カー
ボンブラックMA−100R」(三菱化学株式会社製)
30重量部とを、ラボプラストミルを用いて 160℃、回転
数100rpmの条件下にて混練して反応させた後、その反応
生成物を粉砕してカーボンブラックグラフトポリマー
(1)を得た。
【0150】その後、上記カーボンブラックグラフトポ
リマー(1)10重量部を、「ダフニースーパータービン
オイル68」(出光興産株式会社製)90重量部にボール
ミルを用いて8時間混合、分散させて本発明にかかる液
状潤滑剤(1)を得た。該液状潤滑剤(1)の安定性、
概観、極圧性、耐摩擦性、耐磨耗性を上述した方法によ
り測定した。この結果を表1および表2に示す。
【0151】〔実施例2〕実施例1で得られたカーボン
ブラックグラフトポリマー(1)10重量部を、「ポリブ
テンPB−5H」(出光石油化学株式会社製)90重量部
にボールミルを用いて8時間混合、分散させて本発明に
かかる液状潤滑剤(2)を得た。該液状潤滑剤(2)の
安定性、極圧性、耐摩擦性、耐磨耗性を上述した方法に
より測定した。この結果を表1および表2に示す。
【0152】〔実施例3〕実施例1で用いたものと同様
のフラスコにトルエン 200重量部を仕込んだ。そこへ、
予め調整しておいた「サイラプレーンFM0721」
(チッソ株式会社製メタクリロイル基含有ポリジメチル
シロキサン、分子量約5000) 130重量部、スチレン60重
量部、およびグリシジルメタクリレート10重量部からな
る重合性単量体にアゾビスイソブチロニトリル10重量部
を溶解させてなる単量体混合物を仕込み、上記フラスコ
内の内容物を撹拌して均一な溶液とした。
【0153】次いで、この溶液を70℃に加熱し、この温
度で4時間撹拌を続けて重合反応を行った後、上記フラ
スコ内の内容物を冷却した。続いて、上記重合反応によ
り得られた重合体溶液中の溶媒を減圧下で留去して反応
性基としてエポキシ基を分子内に有する重合体(3)を
得た。この重合体(3)の数平均分子量(Mn)は、G
PC測定によりMn=15000 であった。
【0154】次に、温度計、攪拌羽根および冷却管を備
え付けたセパラブルフラスコに上記重合体(3)15重量
部、「カーボンブラックMA−100R」(三菱化学株
式会社製)15重量部、および「KF96−20CS」
(信越化学工業株式会社製シリコーンオイル)70重量部
を仕込み、 120℃、回転数600rpmの条件下にて6時間攪
拌して反応させることによりカーボンブラックグラフト
ポリマー(3)を含む本発明にかかる液状潤滑剤(3)
を得た。該液状潤滑剤(3)の安定性、極圧性、耐摩擦
性、耐磨耗性を上述した方法により測定した。この結果
を表1および表2に示す。
【0155】〔実施例4〕実施例1で用いたものと同様
のフラスコにトルエン 400重量部を仕込んだ。そこへ、
予め調整しておいたメチルメタクリレート34重量部、ス
チレン20重量部、ブチルアクリレート40重量部、および
グリシジルメタクリレート6重量部からなる重合性単量
体にベンゾイルパーオキサイド15重量部を溶解させてな
る単量体混合物を仕込み、上記フラスコ内の内容物を撹
拌して均一な溶液とした。
【0156】次いで、窒素ガスを吹き込みながら上記フ
ラスコ内の溶液を80℃に加熱し、この温度で6時間撹拌
を続けて重合反応を行った後、上記フラスコ内の内容物
を冷却した。続いて、上記重合反応により得られた重合
体溶液中の溶媒を減圧下で留去後、乾燥して反応性基と
してエポキシ基を分子内に有する重合体(4)を得た。
この重合体(4)の数平均分子量(Mn)は、GPC測
定によりMn=10000であった。
【0157】次に、上記重合体(4)40重量部と「カー
ボンブラックMA−7」(三菱化学株式会社製)20重量
部とを、ラボプラストミルを用いて 160℃、回転数100r
pmの条件下にて混練して反応させた後、その反応生成物
を粉砕してカーボンブラックグラフトポリマー(4)を
得た。
【0158】その後、上記カーボンブラックグラフトポ
リマー(4)4重量部を、「ポリブテンHV−15」
(日本石油株式会社製)96重量部にボールミルを用いて
8時間混合、分散させて本発明にかかる液状潤滑剤
(4)を得た。該液状潤滑剤(4)の安定性、極圧性、
耐摩擦性、耐磨耗性を上述した方法により測定した。こ
の結果を表1および表2に示す。
【0159】〔比較例1〕「カーボンブラックMA−1
00R」(三菱化学株式会社製)10重量部と「ダフニー
スーパータービンオイル68」(出光興産株式会社製)
90重量部とをボールミルを用いて8時間混合させ、比較
液状潤滑剤(1)を得た。該比較液状潤滑剤(1)の安
定性を上述した方法により測定した。この結果を表1に
示す。
【0160】〔比較例2〕「ダフニースーパータービン
オイル68」に代えて「ポリブテンPB−5H」(出光
石油化学株式会社製)90重量部を用いた以外は、比較例
1と同様の操作を行って比較液状潤滑剤(2)を得た。
該比較液状潤滑剤(2)の安定性を上述した方法により
測定した。この結果を表1に示す。
【0161】〔比較例3〕「ダフニースーパータービン
オイル68」に代えて「KF96−20CS」(信越化
学工業株式会社製シリコーンオイル)90重量部を用いた
以外は、比較例1と同様の操作を行って比較液状潤滑剤
(3)を得た。該比較液状潤滑剤(3)の安定性を上述
した方法により測定した。この結果を表1に示す。
【0162】〔比較例4〕「ダフニースーパータービン
オイル68」に代えて「ポリブテンHV−15」(日本
石油株式会社製)90重量部を用いた以外は、比較例1と
同様の操作を行って比較液状潤滑剤(4)を得た。該比
較液状潤滑剤(4)の安定性を上述した方法により測定
した。この結果を表1に示す。
【0163】
【表1】
【0164】
【表2】
【0165】表1に示すように、本発明の液状潤滑剤
(1)〜(4)中のカーボンブラックグラフトポリマー
は全く沈降せず、水性液中に均一に分散していることが
判る。一方、比較液状潤滑剤(1)〜(4)中のカーボ
ンブラック(カーボンブラック(A))は、液状物質中
に全く分散せず、潤滑剤として使用することができなか
った。また、表2の結果から、本発明の液状潤滑剤は、
優れた極圧性、耐摩擦性、および耐磨耗性を示すことが
判る。
【0166】
【発明の効果】請求項1記載の発明の液状潤滑剤は、以
上のように、長鎖アルキル側鎖型、ブロック型、および
グラフト型からなる群より選ばれる少なくとも一種の重
合型の重合体と、カーボンブラックと、液状物質とを含
む構成である。
【0167】請求項2記載の発明の液状潤滑剤は、以上
のように、請求項1記載の液状潤滑剤において、上記重
合体が、カーボンブラックに親和性の高いセグメントと
液状物質に親和性の高いセグメントとを有している構成
である。
【0168】請求項3記載の発明の液状潤滑剤は、以上
のように、請求項1または2記載の液状潤滑剤におい
て、上記カーボンブラックと重合体とが化学的に結合し
ている構成である。
【0169】上記の構成によれば、本発明の液状潤滑剤
がカーボンブラックと、ブロック型および/またはグラ
フト型の重合体と、液状物質とを含むことで、極圧性や
耐摩擦性、耐磨耗性等の潤滑特性に優れ、かつ、カーボ
ンブラックの液状物質中への分散安定性に優れる液状潤
滑剤を提供することができる。この場合、上記重合体
が、カーボンブラックに親和性の高いセグメントと液状
物質に親和性の高いセグメントとを有することで、重合
体におけるカーボンブラックに親和性の高いセグメント
がカーボンブラック側に配向すると共に、液状物質に親
和性の高いセグメントが外側に露出するように配向され
ているので、上記カーボンブラックは、サブμm単位で
液状物質により安定して均一に分散できるという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において用いられるカーボンブラックグ
ラフトポリマーのカーボンブラック表面近傍における状
態を模式的に示す図である。
【図2】(a)〜(e)は、本発明において用いられる
重合体の各種構造例を模式的に示す図であり、(f)
は、これら重合体がカーボンブラック粒子表面に結合し
た状態を模式的に示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10N 30:06 40:02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長鎖アルキル側鎖型、ブロック型、および
    グラフト型からなる群より選ばれる少なくとも一種の重
    合型の重合体と、カーボンブラックと、液状物質とを含
    むことを特徴とする液状潤滑剤。
  2. 【請求項2】上記重合体が、カーボンブラックに親和性
    の高いセグメントと液状物質に親和性の高いセグメント
    とを有していることを特徴とする請求項1記載の液状潤
    滑剤。
  3. 【請求項3】上記カーボンブラックと重合体とが化学的
    に結合していることを特徴とする請求項1または2記載
    の液状潤滑剤。
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