JPH10169559A - ピストン用アルミニウム合金材料およびピストンの製造方法 - Google Patents

ピストン用アルミニウム合金材料およびピストンの製造方法

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JPH10169559A
JPH10169559A JP32552796A JP32552796A JPH10169559A JP H10169559 A JPH10169559 A JP H10169559A JP 32552796 A JP32552796 A JP 32552796A JP 32552796 A JP32552796 A JP 32552796A JP H10169559 A JPH10169559 A JP H10169559A
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JP
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piston
aluminum alloy
compressor
strength
alloy material
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JP32552796A
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Inventor
Hiroshi Kageyama
博 影山
Tsutomu Fujikura
努 藤倉
Hiroyasu Nadamoto
浩康 灘本
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Marelli Corp
Original Assignee
Calsonic Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストでしかも品質の良好なピストンを製
造し得る「ピストン用アルミニウム合金材料およびピス
トンの製造方法」を提供する。 【解決手段】 一端に連結部材が揺動自在にかしめ結合
され圧縮機のシリンダ内を往復動するピストンを製造す
るには、Siを9.5〜13.5%含有するアルミニウ
ム合金を素材として、これを溶体化処理後に冷間加工を
行い、さらに人工時効硬化処理を施す。この後に切削加
工を行い、次いで前記連結部材にかしめ結合をする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は斜板式圧縮機のピス
トンロッドの先端に取り付けられるピストンを製造する
ためのピストン用アルミニウム合金材料およびピストン
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】斜板式圧縮機としては、例えば、図4に
示すようなものがあり、ケーシング1には複数のピスト
ン2が軸方向に摺動自在に設けられており、ピストン2
の往復動によって吸入ポート3から吸入された流体は、
吐出ポート4から加圧されて流出するようになってい
る。
【0003】ピストン2を駆動するため駆動軸5が回転
自在にケーシング1に取り付けられており、駆動軸5に
は回転駆動部材9が設けられている。この回転駆動部材
9には、ピン10を支点として駆動斜板11が駆動軸5
に対して傾斜して揺動し得るように連結され、駆動軸5
の回転力が回転駆動部材9およびピン10を介して駆動
斜板11に伝達するようになっている。この駆動斜板1
1には、スラスト軸受およびラジアル軸受を介して、非
回転のソケットプレート7が摺動自在に取り付けられて
いる。一方、駆動軸5にはスリーブ6が嵌挿されてお
り、このスリーブ6は、左右一対の連結ピン12を介し
て駆動斜板11に連結され、該駆動斜板11の揺動と連
動して軸方向にスライドできるように構成されている。
【0004】ソケットプレート7には球状のジョイント
部13を介して複数のピストンロッド8が円周方向等間
隔に取り付けられており、このピストンロッド8の他端
には球状のジョイント部14を介してピストン2が連結
されている。
【0005】したがって、駆動軸5を回転すると、回転
駆動部材9が駆動軸5と一体に回転し、駆動斜板11が
駆動軸5に対して所定の傾斜角を持ったままで回転運動
することによって、ピストン2がピストンロッド8を介
して軸方向に往復動することになり、吐出ポート4から
加圧流体が流出することになる。
【0006】このような斜板式圧縮機を自動車用空気調
和装置の冷媒加圧用のコンプレッサとして使用する場合
には、エンジンによって駆動軸5が回転される。斜板式
圧縮機を構成するピストン2は、従来より、JIS H 4140
に規定されるアルミニウム合金A4032を用いて鍛造
加工により製造されている。鍛造加工が完了した後のピ
ストン2は、筒部と頂部とを有し断面U字形状となった
ピストン本体とこの内部に形成された筒状のかしめ部2
2とを有し、ピストンロッド8はその端部に設けられた
球状のジョイント部14においてピストン2の筒部にか
しめにより連結されている。このかしめによりピストン
2とピストンロッド8とを連結する方法としては、例え
ば、特開平7-12050 号公報に記載されるようなものがあ
る。
【0007】従来では、ピストン2をピストンロッド8
にかしめる前に、鍛造加工後のピストン2を均一な固溶
体となる範囲まで加熱した後に急冷して溶体化処理を行
い、次いで人工時効硬化処理を行う。そして所定の機械
加工を行った後にメッキ処理を行っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような処理を行う
ことにより、ピストン2として必要な次のような品質を
確保するようにしている。すなわち、スティッフネス
(ピストンロッドの倒れ力、つまり球面軸受の摩擦抵抗
力に相当する)とラッシュ(締結部のガタ量)とが所定
値以下であること、および抜け力(締結部の引き抜き強
度)が所定値以上であることが確保される。ここでピス
トン2の素材として従来よりA4032を使用するの
は、この材料が熱による変形が少ないこと、シリコンを
含むために摺動性が良く耐摩耗性に優れること、および
ある程度の強度があるのでピストンとして好適な材料だ
からである。
【0009】しかしながら、従来はピストン2をまず鍛
造によってその基本的形状を加工するようにしているた
めに製造コストが高くなるのみならず、前述したスティ
ッフネスが高くそのばらつきも大きいため規格内の製品
を得るための工程能力が低いという問題点があった。な
お、スティッフネスが高いと、連結部における面圧が上
昇して油膜切れを生じる虞れがある。
【0010】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて
なされたものであり、低コストでしかも品質の良好なピ
ストンを製造し得るようにすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明のピストン用アルミニウム合金材料は、一端に
連結部材が揺動自在にかしめ結合され、圧縮機のシリン
ダ内を往復動するピストンに用いられる圧縮機のピスト
ン用アルミニウム合金材料であって、Siを9.5〜1
3.5%含有するアルミニウム合金を素材として、これ
を溶体化処理後に冷間加工を行い、さらに人工時効硬化
処理を施すことにより、引っ張り強さを400MPa以
上、耐力を370MPa以上、伸びを6〜10%とした
ことを特徴とする。この発明にあっては、切削加工によ
りピストンの形状を加工することができ製造コストが低
減される。また、材料の耐力自体が高くなるとともに引
っ張り強さと耐力との差を小さくすることができ、かし
めを行なった後における連結部材とのガタの発生を抑制
し、しかも連結部材との連結強度および摺動特性に優れ
たピストンが得られる。
【0012】また、本発明のピストンの製造方法は、一
端に連結部材が揺動自在にかしめ結合され、圧縮機のシ
リンダ内を往復動するピストンに用いられる圧縮機のピ
ストンを製造するピストンの製造方法であって、Siを
9.5〜13.5%含有するアルミニウム合金を素材と
して、これを溶体化処理後に冷間加工を行い、さらに人
工時効硬化処理を施した後に切削加工を行い、前記連結
部材にかしめ結合するようにしたことを特徴とする。こ
のような工程によりピストンを製造すると、ピストンと
しての所望の機械的特性を有することによって、連結部
材とのガタの発生を抑制し、しかも連結部材との連結強
度および摺動特性に優れたピストンが得られる。また前
記人工時効硬化処理は、180±10℃で略7時間の処
理条件であることを特徴とする。このようにすれば、耐
力自体が高くなるとともに引っ張り強さと耐力との差が
小さくなってピストン品質の向上のために好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0014】図1は本発明のピストン用アルミニウム合
金材料を用いて切削加工により製造されたピストン20
を示す図であり、ピストン本体21は筒部21aとこれ
の軸方向端部に形成された頂部21bとを有し、ピスト
ン本体21の中心部には筒状のかしめ部22が一体に形
成されている。かしめ部22の頂部21b側には、ピス
ントロッド8の端部に形成された球状のジョイント部1
4が摺動自在に当接する球面部23が形成されている。
【0015】このような形状のピストン20を製造する
ための本発明のアルミニウム合金材料の素材には、耐熱
性、耐摩耗性に優れ、熱膨脹係数が小さくコンプレッサ
での使用環境に適したSiを9.5〜13.5%(重量
%をいう。本明細書中において同じ。)含有するアルミ
ニウム合金が用いられる。この場合に、JIS H 4140に規
定されるアルミニウム合金A4032を使用するのが品
質の確保および入手の容易性などから好ましいが、この
A4032に限定されるものではなく、例えば、以下の
表に示すようなアルミニウム合金A4032に対し、M
n,Zr,Sr 等を以下の表のように含有するA4032相
当品を使用してもよい。当該A4032相当品を用いれ
ば、Zr,Sr が含有されていることから、ピストン20
としての強度、靱性および延性に優れることが判明し
た。
【0016】
【表1】
【0017】このような素材を使用したピストン20
は、図2に示すような製造工程によって製造される。
【0018】まず、直接押し出し成形により棒状素材を
成形する。間接押し出しでは押し出し棒材は再結晶組織
であるのに対して、直接押し出しでは金属繊維組織が強
く発達することがわかっており、繊維組織の方が強度と
靱延性に優れている。
【0019】次に、520±6℃の温度で約1時間加熱
処理して均一な固容体とした後に水冷することにより、
溶体化処理を行う。次いで引抜き加工を行うことによ
り、素材は冷間加工される。この冷間加工によって素材
内部に加工歪が加えられ、共晶Si 粒子の周囲に極微小
なボイドが形成されることになる。したがって、冷間加
工の後に素材をピストン20の形状に切削加工した場合
に、切粉がボイドの部分で分断されることから、切粉は
微細となり、切削加工性つまり切粉処理性が向上する。
【0020】さらに、ピストン20は180±10℃で
7時間焼戻処理が行われ、放冷されて人工時効硬化処理
が終了する。図3に示すように、最適時効時間はピーク
強度を僅かに過ぎた7時間であり、この場合には、後述
するように耐力自体が高くなるとともに引っ張り強さと
耐力との差が小さくなってピストン品質の向上のために
好ましい。なお、時効時間は7時間前後の所定の範囲内
であればよい。この処理が完了した後に所定の部位の加
工を行い、次いでメッキ処理が行われる。
【0021】このようにして製造されたピストン20
は、以下の表に示すような機械的性質を有している。
【0022】
【表2】
【0023】そして、上記工程を経て製造されたピスト
ン20は、図1に示すように、かしめポンチ15によ
り、当該ピストン20の筒状のかしめ部22をかしめ加
工することによって、ピストンロッド8の端部に設けら
れた球状のジョイント部14において連結されることに
なる。
【0024】このように本実施の形態のピストン用アル
ミニウム合金材料では、材料の応力−歪の特性における
耐力が従来に比して高くなるとともに、引っ張り強さと
耐力との差が小さくなる。これにより、かしめ作業時に
かしめ荷重に若干のばらつきがあっても、応力−歪の特
性における降伏点つまり耐力と引っ張り強さとの差が小
さいので、所定のかしめ荷重を確保しさえすればこのば
らつきを吸収して一定の形状に精度良く筒状のかしめ部
22をかしめ加工することができ、一方において、耐力
が従来に比して高くなったので頂部21b側の球面部2
3近傍にまで塑性変形が及んで残留ひずみを生じてしま
うような事態を回避することができるものと考えられ、
したがって、このような優れた機械的特性に基づいて、
スティフネスつまりピストンロッドの倒れ力、ラッシュ
つまり締結部のガタ量、および抜け力つまり締結部の強
度に関する品質が向上したものと推測される。
【0025】アルミニウム合金を構造体のような強度部
材として使用する場合には、通常は降伏点以内で使用す
るために降伏点以上の応力の特性は特に問題とされない
が、ピストンと連結部材とをボールジョイントを介して
接続するような場合には、ジョイント部での抜け強度に
加えて摺動部におけるなめらかな摺動特性等が要求され
る一方で、かしめ加工に塑性変形を伴うことから、本実
施の形態のピストン用アルミニウム合金材料のような塑
性域での特性が重要となるのである。
【0026】このように本実施の形態にあっては、低コ
スト化を図ることができるとともに、ピストンのジョイ
ン部での抜け力の強度を充分に確保しつつ、摺動部にお
ける摺動特性を向上させることができる。
【0027】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、切
削加工によりピストンの形状を加工することができ、製
造コストを低減することが可能となった。また、材料の
耐力自体が高くなるとともに引っ張り強さと耐力との差
を小さくすることができ、かしめを行なった後における
連結部材とのガタの発生を抑制し、しかも連結部材との
連結強度および摺動特性に優れたピストンを得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るピストンの形状をかしめポンチ
と共に示す断面図である。
【図2】 本発明に係るピストンの製造工程を示す工程
図である。
【図3】 時効時間に対する耐力および引張強さを示す
グラフである。
【図4】 斜板式圧縮機の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
8…ピストンロッド、 13,14…ジョイント部、 20…ピストン、 22…かしめ部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端に連結部材が揺動自在にかしめ結合
    され、圧縮機のシリンダ内を往復動するピストンに用い
    られる圧縮機のピストン用アルミニウム合金材料であっ
    て、Siを9.5〜13.5%含有するアルミニウム合
    金を素材として、これを溶体化処理後に冷間加工を行
    い、さらに人工時効硬化処理を施すことにより、引っ張
    り強さを400MPa以上、耐力を370MPa以上、
    伸びを6〜10%としたことを特徴とするピストン用ア
    ルミニウム合金材料。
  2. 【請求項2】 一端に連結部材が揺動自在にかしめ結合
    され、圧縮機のシリンダ内を往復動するピストンに用い
    られる圧縮機のピストンを製造するピストンの製造方法
    であって、Siを9.5〜13.5%含有するアルミニ
    ウム合金を素材として、これを溶体化処理後に冷間加工
    を行い、さらに人工時効硬化処理を施した後に切削加工
    を行い、前記連結部材にかしめ結合するようにしたこと
    を特徴とするピストンの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のピスントの製造方法であ
    って、前記人工時効硬化処理は180±10℃で略7時
    間の処理条件であることを特徴とするピストンの製造方
    法。
JP32552796A 1996-12-05 1996-12-05 ピストン用アルミニウム合金材料およびピストンの製造方法 Pending JPH10169559A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1088990A3 (en) * 1999-09-29 2002-06-12 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Composite swash plate compressor piston
US6675475B2 (en) 2001-05-10 2004-01-13 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Method of producing shoe for swash plate type compressor
DE10136799B4 (de) * 2000-07-31 2008-06-19 Denso Corp., Kariya Verfahren zum dichtenden Verstemmen eines zylindrischen Teils in einem Loch
KR101044899B1 (ko) 2009-09-11 2011-06-28 주식회사 센트랄 알루미늄 단조 방법

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