JPH10170675A - Mox燃料集合体及び原子炉の炉心 - Google Patents

Mox燃料集合体及び原子炉の炉心

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JPH10170675A
JPH10170675A JP8330955A JP33095596A JPH10170675A JP H10170675 A JPH10170675 A JP H10170675A JP 8330955 A JP8330955 A JP 8330955A JP 33095596 A JP33095596 A JP 33095596A JP H10170675 A JPH10170675 A JP H10170675A
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秀充 嶋田
Junichi Koyama
淳一 小山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱的余裕を確保しつつ、可燃性毒物入り燃料棒
のペレット種類数を1種類とすることができるMOX燃
料集合体を提供する。 【解決手段】ウランとプルトニウムの混合酸化物を充填
した74本のMOX燃料棒3と2本の水ロッドとを9行
9列の正方格子状配列中に配置し、MOX燃料棒3のう
ち一部を可燃性毒物入りMOX燃料棒3(C1)とし、
水ロッド4を正方格子状配列中の中央部近傍に配置した
MOX燃料集合体において、正方格子状配列の最外周部
分にある外周側4辺(I行列〜列、IX行列〜
列、列I行〜IX行、列I行〜IX行)のうち、水ロッ
ド4が占める格子位置と行又は列が同じである格子位置
(I行列〜列、IX行列〜列、列IV行〜VI行、
列IV行〜VI行)のすべてに可燃性毒物入りMOX燃料
棒3(C1)を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、沸騰水型原子炉の
燃料集合体に係わり、特に、プルトニウムとウランの混
合酸化物を装荷したMOX燃料集合体及びそれを備えた
原子炉の炉心に関する。
【0002】
【従来の技術】原子炉の炉心は、所定の期間(=1サイ
クル)運転を実施した後に停止され、装荷されている燃
料集合体の一部が取り出されて新しい燃料集合体と交換
される。この交換時の新しい燃料集合体の燃料装荷量
は、原子炉を1サイクルの間臨界に保つために必要な核
分裂性物質量が装荷されるように設定されるが、運転期
間の末期においてちょうど臨界になるように、あらかじ
め余剰に設定される。つまり、運転末期以外では、原子
炉は臨界を超過した状態となる。したがって、沸騰水型
原子炉の炉心では、燃料集合体間に挿入される制御棒と
燃料棒に添加される可燃性毒物とによって、この余分に
発生した中性子を吸収し、これにより運転期間を通じて
臨界状態を維持している。また、沸騰水型原子炉では、
核分裂で発生する熱を除熱する冷却材として軽水(以下
適宜、冷却水という)を用いている。ここで燃料集合体
間には、前述した制御棒の挿入のための空間が予め確保
してあり、この燃料集合体間の空間にも冷却水が流れ
る。燃料集合体内を流れる冷却水は原子炉で発生する大
部分の熱の除熱を行うが、燃料集合体間の空間を流れる
冷却水はあまり除熱を行わないので、これら2つの冷却
水は、沸騰による気泡を内在する程度が異なり、密度差
が生じる。ここで、このような冷却水は、中性子の減速
材としての役割も果たしており、水密度の大きな方が中
性子をより減速する性質をもつ。したがって、燃料集合
体間の空間を流れる冷却水の減速効果のほうが、除熱を
行っている燃料集合体内の冷却水の中性子減速効果より
も大きい。すなわち、燃料集合体間の空間を流れる冷却
水近傍のほうが、燃料集合体内の冷却水近傍よりも熱中
性子束が大きくなる。そして一般に、核分裂性物質は、
熱中性子束が大きいほうが反応を起こしやすいことか
ら、燃料集合体間の空間を流れる冷却水に近いチャンネ
ルボックス側は燃料棒の出力が比較的高くなり、チャン
ネルボックスより遠い内側は燃料棒の出力が比較的低く
なるという具合に燃料集合体内で出力分布が生じる。
【0003】一方、原子炉の炉心に関する重要な量とし
て、燃料棒の単位長さ当たりの出力を表す線出力密度が
ある。この線出力密度は、燃料集合体全体の絶対的な出
力値である「燃料集合体出力」と、燃料集合体内の各軸
方向位置における出力の相対的分布を表す「燃料集合体
の軸方向相対出力」と、各燃料棒ごとの相対的出力分布
を表す「燃料棒相対出力」の3つの量の積で表され、そ
の量の原子炉内での最大値が最大線出力密度となる。こ
の最大線出力密度が過大となり所定値を超えると、燃料
棒中心温度が上がりすぎて燃料棒ペレットが溶融するこ
ととなるので、最大線出力密度がなるべく小さい方がこ
の所定値に対して熱的に余裕のある状態となる。一般
に、燃料集合体設計においては、燃料棒ペレットを複数
種類用意して濃縮度分布を適宜設け、3因子の1つであ
る「燃料棒相対出力」の最大値を抑制することにより、
最大線出力密度を低減し、炉心として熱的な余裕を確保
している。
【0004】原子炉の炉心設計においては、上記の臨界
を維持することと熱的な余裕を確保することの両方がと
もに重要なことであり、それぞれ独立に考えることはで
きない。例えば、臨界を維持するために可燃性毒物入り
燃料棒を多数本用いたとすると、可燃性毒物入り燃料棒
の出力が低出力であることからそれ以外の燃料棒出力が
上昇し、炉心の熱的余裕が減少する。あるいは、臨界を
維持するために炉心内に多数本の制御棒を挿入したとす
ると、現在の炉心設計での主流であるコントロールセル
コア概念(=運転時に挿入される制御棒に隣接した燃料
集合体には、炉心内で比較的燃焼度の進んだ燃料集合体
を配置し、これにより、制御棒を引き抜いた後に、炉心
平均軸方向出力分布に与える影響を小さくする)に反す
ることとなり、好ましくない。したがって、前述したよ
うに、通常、臨界を維持するために、制御棒と可燃性毒
物とが併用される。
【0005】ここにおいて、従来の沸騰水型原子炉で
は、燃料として主にウランが用いられてきた。しかし、
近年、燃料資源の有効活用の観点から、ウランとプルト
ニウムの混合酸化物燃料(以下適宜、MOX燃料とい
う)を使用した原子炉が提唱されている。
【0006】ここにおいて、プルトニウムのほうがウラ
ンよりも吸収断面積が大きいことから、プルトニウムと
可燃性毒物との吸収断面積の差は、ウランと可燃性毒物
との吸収断面積の差よりも小さくなる。すなわち、プル
トニウムと可燃性毒物とが並存する場合に可燃性毒物が
吸収する中性子割合は、ウランと可燃性毒物とが並存す
る場合に可燃性毒物が吸収する中性子割合よりも少なく
なる。したがって、MOX燃料を用いる原子炉では、可
燃性毒物の反応度抑制効果が小さくなるので、ウラン燃
料を用いる原子炉に比べて可燃性毒物入り燃料棒をより
多く用いなければならない。このことは、他の燃料棒の
出力を増大させる結果となり、熱的余裕を減少させる。
【0007】このような問題を解決すべく、可燃性毒物
の効果を増大させた公知技術例として、例えば、特開昭
61−178693号公報や特開平7−301688号
公報がある。 特開昭61−178693号公報 この公知技術の図2及び図3には、正方格子状配列の制
御棒に面さない側の最外周部分と正方格子状配列の内側
部分とに、可燃性毒物入り燃料棒を配置する構造が開示
されている。 特開平7−301688号公報 この公知技術の図2には、正方格子状配列の4隅に隣接
する位置と、最外周部分における4隅から離れた中間位
置とに、可燃性毒物入り燃料棒を配置する構造が開示さ
れている。 上記公知技術においては、前述したように熱中性子
束が大きい正方格子状配列の最外周部分に可燃性毒物入
り燃料棒を配置することにより、可燃性毒物による熱中
性子吸収量を増加させている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記公知技術には、以
下の課題が存在する。すなわち、MOX燃料を用いる燃
料集合体(以下適宜、MOX燃料集合体という)では、
燃料集合体設計の簡素化の観点から、燃料棒のペレット
種類数の減少が望まれている。しかしながら、上記公知
技術においては、可燃性毒物入り燃料棒を、熱中性子
束が大きく異なる正方格子状配列の4隅と内側部分との
両方に配置することから、ウラン濃縮度又は可燃性毒物
濃度の違う複数種類の可燃性毒物入り燃料棒が用いられ
ている。つまり、可燃性毒物入り燃料棒のペレット種類
数を1種類とすることはできない。
【0009】一方、上記公知技術においては、可燃性
毒物入り燃料棒における可燃性毒物濃度は、1種類であ
るかどうかは特に示されていない。しかしながら、正方
格子状配列の4隅に隣接する位置の可燃性毒物入り燃料
棒(以下適宜、隅側燃料棒という)において可燃性毒物
が短時間で燃え尽きるのを防ぐためには可燃性毒物濃度
をある程度高くしなければならない。そして、もしこの
濃度と、最外周部分における4隅から離れた熱中性子束
が小さい中間位置の可燃性毒物入り燃料棒(以下適宜、
中間燃料棒という)の可燃性毒物濃度とを同一とする
と、中間燃料棒では可燃性毒物が燃焼末期まで燃え残る
こととなり、中性子の無駄な吸収が発生することとな
る。以上のように、隅側燃料棒と中間燃料棒との可燃性
毒物濃度を同一として可燃性毒物入り燃料棒のペレット
種類数を1種類に低減すると、中性子の有効利用を阻害
するという課題がある。またこのとき、この公知技術
においては、9行9列の正方格子状配列の最外周部分に
ある燃料棒の並びが形成する外周側4辺に、1辺あたり
3本の可燃性毒物入り燃料棒が配置されている。しか
し、外周側4辺のうち2辺(図2では上辺と左辺)は制
御棒と近接する位置であるので、可燃性毒物入り燃料棒
の本数が多いと、制御棒を挿入したときの中性子吸収効
果が薄れて制御棒価値が減少するという課題もある。
【0010】なお、上述したように、単に燃料棒ペレッ
トの種類数を減少し濃度分布を少なくすることは燃料棒
相対出力の最大値を増大させて最大線出力密度を増加さ
せ、ひいては熱的余裕を低減することとなるので、これ
を防止することにも配慮が必要である。
【0011】本発明の第1の目的は、熱的余裕を確保し
つつ、可燃性毒物入り燃料棒のペレット種類数を1種類
とすることができるMOX燃料集合体及び原子炉の炉心
を提供することにある。本発明の第2の目的は、中性子
の有効利用を阻害することなく、可燃性毒物入り燃料棒
のペレット種類数を1種類とすることができるMOX燃
料集合体及び原子炉の炉心を提供することにある。本発
明の第3の目的は、制御棒価値を減少させることなく、
可燃性毒物入り燃料棒のペレット種類数を1種類とする
ことができるMOX燃料集合体及び原子炉の炉心を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記第1及び第2の目的
を達成するために、本発明によれば、ウランとプルトニ
ウムの混合酸化物を充填したMOX燃料棒及びウラン酸
化物を充填したウラン燃料棒のうち、少なくとも前記M
OX燃料棒を含む複数本の燃料棒と、少なくとも1本の
水ロッドとを、N行N列の正方格子状配列中に配置し、
前記複数本の燃料棒のうち一部を、可燃性毒物が添加さ
れた可燃性毒物入り燃料棒とし、前記水ロッドを、前記
正方格子状配列中の中央部近傍に配置したMOX燃料集
合体において、前記正方格子状配列の最外周部分にある
燃料棒の並びが形成する外周側4辺のうち、前記水ロッ
ドが占める格子位置と行及び列のいずれか一方が同じで
ある格子位置のすべてに前記可燃性毒物入り燃料棒を配
置したことを特徴とする燃料集合体が提供される。また
上記第1及び第3の目的を達成するために、本発明によ
れば、ウランとプルトニウムの混合酸化物を充填したM
OX燃料棒及びウラン酸化物を充填したウラン燃料棒の
うち、少なくとも前記MOX燃料棒を含む複数本の燃料
棒と、少なくとも1本の水ロッドとを、N行N列の正方
格子状配列中に配置し、前記複数本の燃料棒のうち一部
を、可燃性毒物が添加された可燃性毒物入り燃料棒と
し、前記水ロッドを、前記正方格子状配列中の中央部近
傍に配置したMOX燃料集合体において、前記正方格子
状配列の最外周部分にある燃料棒の並びが形成する外周
側4辺のうち、前記水ロッドが占める格子位置と行及び
列のいずれか一方が同じである格子位置に、1辺あたり
少なくとも1本の前記可燃性毒物入り燃料棒を配置し、
前記外周側4辺より内周側の領域に、少なくとも1本の
前記可燃性毒物入り燃料棒を配置したことを特徴とする
MOX燃料集合体が提供される。すなわち、可燃性毒物
の反応度抑制効果は熱中性子束が大きい格子位置ほど高
くなるので、正方格子状配列の最外周部分は内側よりも
効果が高く、さらに最外周部分の中でも4隅に近いほど
高くなる。このとき、最外周部分の各格子位置における
熱中性子束の分布は、4隅から離れた中央部近傍の格子
位置ではあまり変わらないが、4隅に近づくほど急激に
増大する。したがって、4隅近傍は反応度抑制効果を最
大限高めることができるものの、同一可燃性毒物濃度の
同一種類ペレットからなる燃料棒を複数本配置すること
を考える場合には、以下のような不都合を生じる。すな
わち、例えば4隅とその隣接位置では熱中性子束が大き
く異なり、可燃性毒物の燃焼期間に大きな差が生じる
が、可燃性毒物濃度を4隅隣接位置に適した濃度に統一
すると4隅において早期に毒物が燃えきってしまい、反
応度抑制が不十分となる。したがって、可燃性毒物濃度
は4隅に適した濃度に合わせざるを得ないが、その場合
には逆に隣接位置での毒物が燃焼末期まで燃え残って不
要な吸収が生じ、かえって中性子の有効利用を妨げる。
そこで本発明においては、まず一つの手段として、最外
周部分の4辺のうち水ロッドと行又は列が同じすべての
格子位置、すなわち中央部近傍の複数箇所に可燃性毒物
入り燃料棒を配置する。上記したように最外周部分は毒
物による反応度抑制効果が比較的高く、しかも中央部近
傍の格子位置は熱中性子束分布があまり変わらないの
で、前述したような毒物の燃え残りによる不都合がほと
んど発生しない。したがって、中性子の有効利用を図り
つつ、可燃性毒物入り燃料棒のペレット種類を1種類と
する構成を実現可能とすることができる。一方、上記の
手段では、4辺のうち水ロッドと行又は列が同じすべて
の格子位置に可燃性毒物入り燃料棒が配置されることか
ら、最外周部分の4辺のうち制御棒側の2辺において制
御棒を挿入したときの中性子吸収効果が薄れて制御棒価
値が減少する懸念がある。そこで本発明においては、も
う1つの手段として、最外周部分の4辺のうち水ロッド
と行又は列が同じ格子位置に可燃性毒物入り燃料棒を少
なくとも1本配置するとともに、外周側4辺より内周側
にも可燃性毒物入り燃料棒を配置する。すなわち、外周
側4辺のうち4隅から離れた中央部近傍の格子位置は、
外周側4辺の中では最も熱中性子束が低く、外周側4辺
より内周側の領域における熱中性子束との差はそれほど
大きくない。したがって、外周側4辺の中央部分近傍と
内周側領域との両方に可燃性毒物入り燃料棒を配置する
ことにより、熱中性子束の差による毒物の燃え残りによ
る不都合の発生を最小限にするとともに外周側4辺の可
燃性毒物入り燃料棒本数を低減して制御棒価値の減少を
防止しつつ、可燃性毒物入り燃料棒のペレット種類を1
種類とする構成を実現可能とすることができる。なお、
上記いずれの手段においても、外周側4辺における可燃
性毒物入り燃料棒より4隅側格子位置に、可燃性毒物入
り燃料棒よりも低富化度又は低濃縮度の燃料棒を適宜配
置することにより、最大線出力密度を低減して熱的余裕
を確保することができる。さらに、一般に、燃料集合体
においては、燃焼初期には最外周燃料棒の燃焼が比較的
進行するため、燃焼後期では内側燃料棒の出力が大きく
なる。ここで、本実施形態においては、外周側4辺にあ
る燃料棒に可燃性毒物を添加することで燃焼初期におけ
る出力を抑制できその分これらの富化度をあらかじめ増
加できるので、そのほかの格子位置すなわち外周側4辺
の4隅付近や外周側4辺より内側部分の富化度を減少さ
せることができる。したがって、燃焼初期や燃焼後期に
おける最大線出力密度を低減し、さらに熱的余裕を向上
することができる。
【0013】好ましくは、前記MOX燃料集合体におい
て、前記外周側4辺は、それぞれに備えられる前記可燃
性毒物入り燃料棒の本数が互いに異なる隣り合う2辺を
少なくとも1組含んでいることを特徴とするMOX燃料
集合体が提供される。すなわち例えば、外周側4辺のう
ち、制御棒側の辺における可燃性毒物入り燃料棒の本数
を、制御棒側でない辺における可燃性毒物入り燃料棒の
本数よりも減らすことにより、さらに確実に制御棒価値
の減少を防止できる。
【0014】また好ましくは、上記MOX燃料集合体に
おいて、前記燃料棒は複数本の前記ウラン燃料棒を含
み、前記可燃性毒物入り燃料棒のすべては該ウラン燃料
棒であることを特徴とするMOX燃料集合体が提供され
る。すなわち、可燃性毒物をウラン燃料棒に添加するこ
とは、現在の軽水炉で行われている技術であるため、可
燃性毒物をMOX燃料棒に添加するよりも容易な技術で
ある。
【0015】また好ましくは、上記MOX燃料集合体に
おいて、前記可燃性毒物入り燃料棒のすべては前記MO
X燃料棒であることを特徴とするMOX燃料集合体が提
供される。これにより、ウラン酸化物燃料を減少できる
ので、燃料集合体1体のプルトニウム装荷量を増大する
ことができる。つまり、ある量のプルトニウムから製造
するMOX燃料集合体の数を低減できる。このことによ
り、輸送するMOX燃料集合体の数を低減できる。
【0016】また好ましくは、前記MOX燃料集合体に
おいて、すべての前記可燃性毒物入り燃料棒は、可燃性
毒物濃度及びプルトニウム富化度が互いに等しいことを
特徴とするMOX燃料集合体が提供される。
【0017】また上記第1〜第3の目的を達成するため
に、本発明によれば、核分裂性物質が充填された複数の
燃料棒をそれぞれ装荷した複数の燃料集合体と、前記燃
料集合体の間に挿入される少なくとも1つの制御棒と、
計測手段をそれぞれ備えた複数の炉内計装管とを有する
原子炉の炉心において、前記複数の燃料集合体は、上記
MOX燃料集合体を含むことを特徴とする原子炉の炉心
が提供される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照しつつ説明する。以下説明する実施形態はいずれ
も、図2に横断面が示されるような一般的な炉心、すな
わち、核分裂性物質が充填された複数の燃料棒503及
び水ロッド504をそれぞれ装荷した複数の燃料集合体
500と、燃料集合体500の間に挿入される少なくと
も1つの制御棒501と、計測手段をそれぞれ備えた複
数の炉内計装管(図示せず)とを有する沸騰水型原子炉
の炉心に適用されるものである。本発明の第1の実施形
態を図1及び図2により説明する。図1は、本実施形態
によるMOX燃料集合体の構造を表す横断面図である。
この図1において、MOX燃料集合体は、ウランとプル
トニウムの混合酸化物を充填した74本のMOX燃料棒
3と、MOX燃料棒3の7本分のスペースに配置された
2本の水ロッド4とを、9行9列(I行〜IX行及び列
〜列)の正方格子状に配列し、その周囲をチャンネル
ボックス2で取り囲んで構成されている。
【0019】2本の水ロッド4,4は、9行9列の正方
格子状配列のうち中央部近傍に配置されている。
【0020】MOX燃料棒3は、ペレットに含まれる核
分裂性物質の重量割合(=核分裂性物質重量が全燃料重
量中に占める割合、以下適宜「富化度」という)が互い
に異なる3種類が配置されており、それぞれ燃料棒番号
A1,B1,C1で表す。これら3つの燃料棒番号は、
A1>C1>B1>の順にMOX燃料棒3の富化度が高
いことを表している。このとき、燃料集合体横断面平均
(すなわち全ての燃料棒の平均)の核分裂性物質重量割
合に対し、燃料棒番号A1,C1のMOX燃料棒3の富
化度はこれより高く、燃料棒番号B1のMOX燃料棒3
の富化度はこれより低くなっている。なお、富化度が3
つの中間であるMOX燃料棒3(燃料棒番号C1)に
は、可燃性毒物(例えばガドリニア)が添加されてい
る。
【0021】このようなMOX燃料棒3は、各燃料棒番
号ごとに、A1が42本、B1が20本、C1が12
本、それぞれ図示のように配置されている。すなわち、
9行9列の格子状配列の最外周部分にある燃料棒の並び
が形成する外周側4辺(I行列〜列、IX行列〜
列、列I行〜IX行、列I行〜IX行)のうち、水ロッ
ドが占める格子位置と行又は列が同じである格子位置の
すべて(I行列〜列、IX行列〜列、列IV行〜
VI行、列IV行〜VI行)に、12本の可燃性毒物入りの
MOX燃料棒3(燃料棒番号C1)を配置し、外周側4
辺のそれ以外の格子位置には最も富化度が低いMOX燃
料棒3(燃料棒番号B1)を配置している。
【0022】次に、以上のように構成した本実施形態の
作用を図3により説明する。前述したように、燃料集合
体間の空間を流れる冷却水近傍のほうが、燃料集合体内
の冷却水近傍よりも熱中性子束が大きくなる。したがっ
て、格子状配列外周側4辺は特に熱中性子束が大きくな
るが、さらにその外周側4辺の中でも、燃料集合体の隅
になるほど大きな水ギャップ領域が近くに存在すること
から熱中性子束は格子状配列の4隅位置が最も大きく、
これより離れて中央部に近づくほど熱中性子束は小さく
なる。これを図3に示す。
【0023】図3は、9行9列の最外周部分である外周
側4辺の一例としてI行列〜列における熱中性子束
の分布を示したものである。横軸には列〜列の行方
向格子位置をとり、縦軸には中央部に相当するI行列
での熱中性子束を1とした場合の相対値を示している。
この図3において、I行列から離れ4隅(I行列及
び列)側に向かうほど熱中性子束は高くなっている。
そしてその増加割合は、I行列より離れるほど急激に
なる。すなわち、I行列の近くのI行列及び列は
熱中性子束は約1.02、I行列及び列は約1.0
7とあまり増加しないが、さらに4隅側のI行列及び
列までくると約1.24まで増加し、4隅であるI行
列及び列になると一気に約1.74に達する。な
お、外周側4辺より燃料集合体内部側の各燃料棒の中性
子束分布はほぼ平坦で、その熱中性子束は約0.5(I
行列の約50%)である。
【0024】前述したように、可燃性毒物の反応度抑制
効果は熱中性子束が大きい格子位置ほど高くなるので、
上記図3により、正方格子状配列の外周側4辺に可燃性
毒物を配置する場合は燃料集合体内部側に配置する場合
よりも反応度抑制効果が高く、さらに外周側4辺の中で
も4隅に近い位置に配置するほど反応度抑制効果が高く
なり、4隅では反応度抑制効果を最大限に高めることが
できる。しかしながら、燃料集合体の設計単純化を図る
ために同一可燃性毒物濃度の同一種類ペレットからなる
燃料棒を複数本配置する場合には、この構成では以下の
ような不都合を生じる。すなわち、図3において、例え
ば4隅(I行列及び列)とその隣接位置(I行列
及び列)では熱中性子束の差が0.5と大きく、同一
可燃性毒物濃度とすると可燃性毒物の燃焼期間に大きな
差が生じる。したがって、可燃性毒物濃度を4隅隣接位
置(I行列及び列)に適した濃度に統一すると4隅
(I行列及び列)において早期に毒物が燃えつきて
しまい、反応度抑制が不十分となる。したがって、可燃
性毒物濃度は4隅(I行列及び列)に適した高濃度
に合わせざるを得ないが、その場合には逆に4隅隣接位
置(I行列及び列)での毒物が燃焼末期まで燃え残
って不要な吸収が生じ、かえって中性子の有効利用を妨
げる。これは、I行列〜列のみならず、9行9列の
格子状配列の外周側4辺の他の部分(IX行列〜列、
列I行〜IX行、列I行〜IX行)にあっても同様と考
えられる。
【0025】そこで、本実施形態においては、最外周部
分である外周側4辺(I行列〜列、IX行列〜
列、列I行〜IX行、列I行〜IX行)のうち水ロッド
と行又は列が同じすべての格子位置(I行列〜列、
IX行列〜列、列IV行〜VI行、列IV行〜VI行)に
可燃性毒物入り燃料棒を配置する(図3の例ではI行
列〜列が対応する)。上記したように外周側4辺は毒
物による反応度抑制効果が比較的高く、しかもこれらの
格子位置は熱中性子束分布が互いにあまり違わない(図
3によれば1〜1.07であるので最大でも7%)の
で、前述したような毒物の燃え残りによる不都合がほと
んど発生しない。したがって、中性子の有効利用を図り
つつ、可燃性毒物入り燃料棒のペレット種類を1種類と
することができるので、燃料集合体の設計を単純化する
ことができる。また、外周側4辺において、可燃性毒物
入りMOX燃料棒3(燃料棒番号C1)より4隅側格子
位置(I行列〜列及び列〜列、IX行列〜列
及び列〜列、列I行〜III行及びVII行〜IX行、
列I行〜III行及びVII行〜IX行)に、可燃性毒物入りM
OX燃料棒3(燃料棒番号C1)よりも低富化度のMO
X燃料棒3(燃料棒番号B1)を配置していることによ
り、これら2つの富化度の差を適宜調整すれば、最大線
出力密度を低減して熱的余裕を確保することができる。
さらにこのとき、一般に、燃料集合体においては、燃焼
初期には最外周燃料棒の燃焼が比較的進行するため、燃
焼後期では内側燃料棒の出力が大きくなる。ここで、本
実施形態においては、外周側4辺にあるI行列〜
列、IX行列〜列、列IV行〜VI行、列IV行〜VI行
のMOX燃料棒3に可燃性毒物を添加することで燃焼初
期における出力を抑制できその分これらの富化度をあら
かじめ増加できるので、そのほかの格子位置すなわち外
周側4辺の4隅付近や外周側4辺より内側部分の富化度
を減少させることができる。したがって、燃焼初期や燃
焼後期における最大線出力密度を低減し、さらに熱的余
裕を向上することができる。また、9行9列の格子状配
列をMOX燃料棒3及び水ロッド4のみで構成するとと
もに可燃性毒物はMOX燃料棒3(燃料棒番号C1)に
添加することとし、ウラン燃料棒を配置しないので、プ
ルトニウムの装荷量を増大することができる。これによ
り、ウラン酸化物燃料を減少できるので、燃料集合体1
体のプルトニウム装荷量を増大することができる。つま
り、ある量のプルトニウムから製造するMOX燃料集合
体を低減できる。このことにより、輸送するMOX燃料
集合体の数を低減できる。
【0026】なお、上記第1の実施形態においては、す
べての燃料棒をMOX燃料棒3としたが、これに限られ
ない。すなわち、可燃性毒物が添加される燃料棒番号C
1のMOX燃料棒3を、適宜所定の濃縮度のウラン酸化
物燃料を充填したウラン燃料棒に置き換えてもよい。こ
の場合も、ほぼ同様の熱的余裕を確保しつつ、同様の効
果を得る。さらにこの場合、可燃性毒物をウラン燃料棒
に添加することは、現在の軽水炉で行われている技術で
あるため、可燃性毒物をMOX燃料棒に添加するよりも
容易な技術である。
【0027】本発明の第2の実施形態を図4により説明
する。本実施形態は、第1の実施形態の構成において異
なる形状の水ロッドを用いた場合の実施形態である。第
1の実施形態と同等の部材には同一の符号を付す。図4
は、本実施形態によるMOX燃料集合体の構造を表す横
断面図である。この図4において、本実施形態のMOX
燃料集合体が第1の実施形態と特に異なる点は、横断面
正方形でより大断面積の水ロッド204を用いたことで
ある。なお、MOX燃料棒3の燃料棒番号A2,B2,
C2は、第1の実施形態の燃料棒番号A1,B1,C1
に相当する。これらの本数もほぼ同様に対応している
が、水ロッド204が大断面積となって燃料棒9本分の
スペースが必要となったことに伴い、燃料棒番号A2の
MOX燃料棒3は燃料棒番号A1のMOX燃料棒3より
も2本減って40本となっている。その他の構造は、第
1の実施形態とほぼ同様である。本実施形態によって
も、第1の実施形態と同様の効果を得る。
【0028】本発明の第3の実施形態を図5により説明
する。本実施形態は、格子状配列の外周側4辺とこれよ
り内周側の領域との両方に可燃性毒物入り燃料棒を配置
した場合の実施形態である。第1及び第2の実施形態と
同等の部材には同一の符号を付す。図5は、本実施形態
によるMOX燃料集合体の構造を表す横断面図である。
この図5において、MOX燃料集合体は、第1の実施形
態同様、ウランとプルトニウムの混合酸化物を充填した
74本のMOX燃料棒3と、MOX燃料棒3の7本分の
スペースに配置された2本の水ロッド4とを、9行9列
の正方格子状に配列し、その周囲をチャンネルボックス
2で取り囲んで構成されており、2本の水ロッド4,4
は、9行9列(I行〜IX行及び列〜列)の正方格子
状配列のうち中央部近傍に配置されている。
【0029】MOX燃料棒3は、燃料棒番号がA3>C
3>B3の順に富化度が大きい、異なる3種類が配置さ
れている。このとき、第1の実施形態同様、燃料集合体
横断面平均核分裂性物質重量に対し、燃料棒番号A3,
C3のMOX燃料棒3の富化度はこれより高く、燃料棒
番号B3のMOX燃料棒3の富化度はこれより低くなっ
ている。そして、燃料棒番号C3のMOX燃料棒3に
は、可燃性毒物(例えばガドリニア)が添加されてい
る。
【0030】このようなMOX燃料棒3は、各燃料棒番
号ごとにA3が38本、B3が24本、C3が12本、
それぞれ図示のように配置されている。すなわち、9行
9列の格子状配列の最外周部分にある燃料棒の並びが形
成する外周側4辺(I行列〜列、IX行列〜列、
列I行〜IX行、列I行〜IX行)のうち一部の格子位
置(I行列、IX行列〜列、列V行、列IV行〜
VI行)に、8本の可燃性毒物入りのMOX燃料棒3(燃
料棒番号C1)を配置している。これらはいずれも、水
ロッドが占める格子位置と行又は列が同じである格子位
置であるが、外周側4辺のうちの制御棒側1の2辺(I
行列〜列及び列I行〜IX行)は可燃性毒物入りの
MOX燃料棒3(燃料棒番号C1)が各辺1本のみであ
るのに対し、制御棒側でない2辺(IX行列〜列及び
列I行〜IX行)は各辺3本ずつとなっている。この結
果、外周側4辺は、それぞれに備えられる前記可燃性毒
物入り燃料棒の本数が互いに異なる隣り合う2辺を2組
含んでいる。また、外周側4辺より内周側の領域(以下
適宜、内周側領域という)にある格子位置(II行列及
び列、列III行及びVII行)にも、4本の可燃性毒物
入りのMOX燃料棒3(燃料棒番号C1)を配置してい
る。
【0031】以上のように、本実施形態の構成において
第1の実施形態と特に異なる点は、制御棒1側の外周側
2辺(I行列〜列及び列I行〜IX行)における可
燃性毒物入りのMOX燃料棒3(燃料棒番号C1)の本
数を減らし、その分を内周側領域に移した構造にある。
この差異により、以下のような作用を奏する。すなわち
図1に示した第1の実施形態の構成では、外周側4辺
(I行列〜列、IX行列〜列、列I行〜IX行、
列I行〜IX行)のうち水ロッド4と行又は列が同じす
べての格子位置(I行列〜列、IX行列〜列、
列IV行〜VI行、列IV行〜VI行)に可燃性毒物入りMO
X燃料棒3(燃料棒番号C1)を配置したことから、外
周側4辺のうち制御棒側の2辺(I行列〜列及び
列I行〜IX行)において制御棒1を挿入したときの中性
子吸収効果が薄れて制御棒価値が減少する懸念がある。
これに対し、本実施形態においては、制御棒1側の外周
側2辺(I行列〜列及び列I行〜IX行)における
可燃性毒物入りのMOX燃料棒3(燃料棒番号C1)の
本数を減らし、その分をそれらの2辺より内周側領域に
移している。これは以下の理由による。すなわち、外周
側4辺(I行列〜列、IX行列〜列、列I行〜
IX行、列I行〜IX行)のうち4隅から離れた中央部近
傍の格子位置(例えばI行列〜列、IX行列〜
列、列IV行〜VI行、列IV行〜VI行)は、外周側4辺
の中では比較的熱中性子束が低く(第1の実施形態で説
明した図3参照)、内周側領域における熱中性子束との
差はそれほど大きくない(第1の実施形態で説明したよ
うに、例えば50%程度)。したがって、制御棒1側の
外周側2辺(I行列〜列及び列I行〜IX行)の中
央部分近傍の格子位置(I行列及び列V行)と内周
側領域(この場合はII行列及び列、列III行及びV
II行)とに可燃性毒物入りMOX燃料棒3(燃料棒番号
C3)を配置することにより、熱中性子束の差による毒
物の燃え残りによる不都合の発生を最小限にするととも
に制御棒1側の外周側2辺の可燃性毒物入りMOX燃料
棒3(燃料棒番号C3)の本数を低減して制御棒価値の
減少を防止しつつ、可燃性毒物入りMOX燃料棒3(燃
料棒番号C3)のペレット種類を1種類とすることがで
きる。なお、この場合も、第1の実施形態同様、外周側
4辺において、可燃性毒物入りMOX燃料棒3(燃料棒
番号C1)より4隅側格子位置(I行列〜列及び
列〜列、IX行列〜列及び列〜列、列I行〜
IV行及びVI行〜IX行、列I行〜III行及びVII行〜IX
行)に、可燃性毒物入りMOX燃料棒3(燃料棒番号C
1)よりも低富化度のMOX燃料棒3(燃料棒番号B
1)を配置していることにより、これら2つの富化度の
差を適宜調整すれば、最大線出力密度を低減して熱的余
裕を確保することができる。さらに、9行9列の格子状
配列をMOX燃料棒3及び水ロッド4のみで構成すると
ともに可燃性毒物はMOX燃料棒3(燃料棒番号C3)
に添加することとし、ウラン燃料棒を配置しないので、
プルトニウムの装荷量を増大することができる。これに
より、ウラン酸化物燃料を減少できるので、燃料集合体
1体のプルトニウム装荷量を増大することができる。つ
まり、ある量のプルトニウムから製造するMOX燃料集
合体を低減できる。このことにより、輸送するMOX燃
料集合体の数を低減できる。
【0032】なお、上記第3の実施形態においては、す
べての燃料棒をMOX燃料棒3としたが、これに限られ
ない。すなわち、可燃性毒物が添加される燃料棒番号C
3のMOX燃料棒3を、適宜所定の濃縮度のウラン酸化
物燃料を充填したウラン燃料棒に置き換えてもよい。こ
の場合も、ほぼ同様の熱的余裕を確保しつつ、同様の効
果を得る。可燃性毒物をウラン燃料棒に添加すること
は、現在の軽水炉で行われている技術であるため、可燃
性毒物をMOX燃料棒に添加するよりも容易な技術であ
る。また、上記第3の実施形態においては、外周側4辺
の一部の格子位置(I行列、IX行列〜列、列V
行、列IV行〜VI行)に8本の可燃性毒物入りのMOX
燃料棒3(燃料棒番号C1)を配置し、内周側領域のう
ち一部の格子位置(II行列及び列、列III行及びV
II行)に4本の可燃性毒物入りのMOX燃料棒3(燃料
棒番号C1)を配置したが、これに限られない。すなわ
ち、外周側4辺のうち、水ロッド4が占める格子位置と
行及び列のいずれか一方が同じである格子位置に1辺あ
たり少なくとも1本の可燃性毒物入りMOX燃料棒3
(燃料棒番号C3)を配置し、内周側領域に少なくとも
1本の可燃性毒物入りMOX燃料棒3(燃料棒番号C
3)を配置するようにすればよい。そうすれば、適宜外
周側4辺における可燃性毒物入りMOX燃料棒3(燃料
棒番号C3)の本数を調整して、これにより、制御棒価
値の減少を防止しつつ、可燃性毒物入り燃料棒のペレッ
ト種類を1種類とすることができる。このとき例えば、
外周側4辺が、それぞれに備えられる可燃性毒物入りM
OX燃料棒3(燃料棒番号C3)の本数が互いに異なる
隣り合う2辺を少なくとも1組含むようにして、制御棒
1側の辺における可燃性毒物入りMOX燃料棒3(燃料
棒番号C3)の本数を制御棒1側でない辺における可燃
性毒物入りMOX燃料棒3(燃料棒番号C3)の本数よ
りも減らすのが好ましい。これにより、さらに確実に制
御棒価値の減少を防止できるという効果を得る。
【0033】本発明の第4の実施形態を図6により説明
する。本実施形態は、第3の実施形態の構成において異
なる形状の水ロッドを用いた場合の実施形態である。第
1〜第3の実施形態と同等の部材には同一の符号を付
す。図6は、本実施形態によるMOX燃料集合体の構造
を表す横断面図である。この図6において、本実施形態
のMOX燃料集合体が第3の実施形態と特に異なる点
は、第2の実施形態と同様の大断面積の水ロッド204
を用いたことである。なお、MOX燃料棒3の燃料棒番
号A4,B4,C4は、第3の実施形態の燃料棒番号A
3,B3,C3に相当する。これらの本数もほぼ同様に
対応しているが、水ロッド204が大断面積となって燃
料棒9本分のスペースが必要となったことに伴い、燃料
棒番号A4のMOX燃料棒3は燃料棒番号A3のMOX
燃料棒3よりも2本減って36本となっている。その他
の構造は、第3の実施形態とほぼ同様である。本実施形
態によっても、第3の実施形態と同様の効果を得る。
【0034】なお、上記第3及び第4の実施形態におい
ては、内周側領域のうち、外周側4辺に隣接する内周側
4辺(II行列〜列、VIII行列〜列、列II行〜
VIII行、列II行〜VIII行)に、可燃性毒物入りのMO
X燃料棒3(燃料棒番号C1)を配置したが、これに限
られない。すなわち、前述したように外周側4辺より燃
料集合体内部側の各燃料棒の中性子束分布はほぼ平坦で
あることから、内周側4辺よりも内側の領域に可燃性毒
物入りのMOX燃料棒3(燃料棒番号C1)を配置して
もよい。つまり、内周側領域のどこかに配置すれば足り
る。
【0035】また、上記第1〜第4の実施形態において
は、可燃性毒物が添加されたMOX燃料棒3(燃料棒番
号C1,C2,C3,C4)におけるMOXの燃料ペレ
ットを1種類とし、設計を単純化した。しかしながら、
これは必ずしも毒物入り燃料棒そのものの種類を1種類
とすることを意味しない。すなわち、MOX燃料ペレッ
ト以外に燃料棒の上下端近傍部分に天然ウランペレット
を用いるMOX燃料棒では、従来のウラン燃料棒の考え
方と同様に、この天然ウランの濃度に各燃料棒ごとに適
宜差をつけてもよい。この場合、複数種類の天然ウラン
ペレットと、1種類のMOX燃料ペレットとによってM
OX燃料棒3(燃料棒番号C1)が構成されるので、天
然ウランの濃度種類の分、厳密にはMOX燃料棒3(燃
料棒番号C1)が複数種類存在することとなる。しか
し、MOXペレットが1種類であるので、その分、設計
を単純化するという本来の効果を得ることができる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、最外周部分の4辺のう
ち水ロッドと行又は列が同じすべての格子位置に可燃性
毒物入り燃料棒を配置するので、中性子の有効利用を図
りつつ、可燃性毒物入り燃料棒のペレット種類を1種類
とする構成を実現することができる。また、最外周部分
の4辺のうち水ロッドと行又は列が同じ格子位置に可燃
性毒物入り燃料棒を少なくとも1本配置するとともに、
外周側4辺より内周側の領域にも可燃性毒物入り燃料棒
を配置するので、制御棒価値の減少を防止しつつ、可燃
性毒物入り燃料棒のペレット種類を1種類とする構成を
実現することができる。そしてこのとき、外周側4辺に
おける可燃性毒物入り燃料棒より4隅側格子位置に、可
燃性毒物入り燃料棒よりも低富化度又は低濃縮度の燃料
棒を適宜配置すれば、最大線出力密度を低減して熱的余
裕を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態によるMOX燃料集合
体の構造を表す横断面図である。
【図2】本発明の各実施形態による燃料集合体の適用対
象となる炉心の一例を表す横断面図である。
【図3】9行9列の最外周部分の一例としてI行列〜
列における熱中性子束の分布を示した図である。
【図4】本発明の第2の実施形態によるMOX燃料集合
体の構造を表す横断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態によるMOX燃料集合
体の構造を表す横断面図である。
【図6】本発明の第4の実施形態によるMOX燃料集合
体の構造を表す横断面図である。
【符号の説明】
1 制御棒 2 チャンネルボックス 3 MOX燃料棒 4 水ロッド 204 水ロッド 501 制御棒 503 MOX燃料棒 504 水ロッド
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G21C 3/32 GDBE

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウランとプルトニウムの混合酸化物を充填
    したMOX燃料棒及びウラン酸化物を充填したウラン燃
    料棒のうち、少なくとも前記MOX燃料棒を含む複数本
    の燃料棒と、少なくとも1本の水ロッドとを、N行N列
    の正方格子状配列中に配置し、 前記複数本の燃料棒のうち一部を、可燃性毒物が添加さ
    れた可燃性毒物入り燃料棒とし、 前記水ロッドを、前記正方格子状配列中の中央部近傍に
    配置したMOX燃料集合体において、 前記正方格子状配列の最外周部分にある燃料棒の並びが
    形成する外周側4辺のうち、前記水ロッドが占める格子
    位置と行及び列のいずれか一方が同じである格子位置の
    すべてに前記可燃性毒物入り燃料棒を配置したことを特
    徴とする燃料集合体。
  2. 【請求項2】ウランとプルトニウムの混合酸化物を充填
    したMOX燃料棒及びウラン酸化物を充填したウラン燃
    料棒のうち、少なくとも前記MOX燃料棒を含む複数本
    の燃料棒と、少なくとも1本の水ロッドとを、N行N列
    の正方格子状配列中に配置し、 前記複数本の燃料棒のうち一部を、可燃性毒物が添加さ
    れた可燃性毒物入り燃料棒とし、 前記水ロッドを、前記正方格子状配列中の中央部近傍に
    配置したMOX燃料集合体において、 前記正方格子状配列の最外周部分にある燃料棒の並びが
    形成する外周側4辺のうち、前記水ロッドが占める格子
    位置と行及び列のいずれか一方が同じである格子位置
    に、1辺あたり少なくとも1本の前記可燃性毒物入り燃
    料棒を配置し、 前記外周側4辺より内周側の領域に、少なくとも1本の
    前記可燃性毒物入り燃料棒を配置したことを特徴とする
    MOX燃料集合体。
  3. 【請求項3】請求項2記載のMOX燃料集合体におい
    て、前記外周側4辺は、それぞれに備えられる前記可燃
    性毒物入り燃料棒の本数が互いに異なる隣り合う2辺を
    少なくとも1組含んでいることを特徴とするMOX燃料
    集合体。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項記載のMOX
    燃料集合体において、前記燃料棒は複数本の前記ウラン
    燃料棒を含み、前記可燃性毒物入り燃料棒のすべては該
    ウラン燃料棒であることを特徴とするMOX燃料集合
    体。
  5. 【請求項5】請求項1〜3のいずれか1項記載のMOX
    燃料集合体において、前記可燃性毒物入り燃料棒のすべ
    ては前記MOX燃料棒であることを特徴とするMOX燃
    料集合体。
  6. 【請求項6】請求項4又は5記載のMOX燃料集合体に
    おいて、すべての前記可燃性毒物入り燃料棒は、可燃性
    毒物濃度及びプルトニウム富化度が互いに等しいことを
    特徴とするMOX燃料集合体。
  7. 【請求項7】核分裂性物質が充填された複数の燃料棒を
    それぞれ装荷した複数の燃料集合体と、前記燃料集合体
    の間に挿入される少なくとも1つの制御棒と、計測手段
    をそれぞれ備えた複数の炉内計装管とを有する原子炉の
    炉心において、 前記複数の燃料集合体は、請求項1〜3のいずれか1項
    記載のMOX燃料集合体を含むことを特徴とする原子炉
    の炉心。
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