JPH10170822A - 撮像装置 - Google Patents

撮像装置

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JPH10170822A
JPH10170822A JP8330693A JP33069396A JPH10170822A JP H10170822 A JPH10170822 A JP H10170822A JP 8330693 A JP8330693 A JP 8330693A JP 33069396 A JP33069396 A JP 33069396A JP H10170822 A JPH10170822 A JP H10170822A
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diffractive optical
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一幸 田中
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勝啓 高田
Yorio Wada
順雄 和田
Tetsuya Ishii
哲也 石井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回折型光学素子を用いる場合の最適化波長以
外の波長に対する不要な次数の回折光による光学性能の
低下を有効に軽減でき、高精度の撮像ができる撮像装置
を提供する。 【解決手段】 対象物の像を結像光学系11により電子撮
像素子12上に結像させるようにした撮像装置において、
結像光学系11は、結像作用、もしくは、他のレンズ要素
との組み合わせにより結像性能を向上させる作用を有す
る回折型光学素子15と、この回折型光学素子15を経た光
の波長帯域を制限して、該回折型光学素子15による回折
光のうち、像形成に不要な次数の回折光の影響を低減す
るための波長帯域制限手段16とを有することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、対象物の像を結
像光学系により固体撮像素子や撮像管等の電子撮像素子
上に結像させるようにした撮像装置、特に、結像光学系
に回折型光学素子を含む撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】回折型光学素子には、複数の回折次数の
光路を分岐させる作用や、輪帯状の回折格子で回折光を
集光させる作用などを有することが知られている。例え
ば、集光作用を有するように構成した回折型光学素子
は、非球面波を容易に生成できるので、収差補正上大き
な効果があること、また実質的に厚みを持たないので、
構成上の自由度が高く、コンパクトな光学系の実現に有
効であること、さらに分散特性が、屈折レンズでいうア
ッベ数に相当する量が負の値となるので、屈折光学系と
の組み合わせにより、色収差の補正に大きな効果がある
ことなどが知られている。
【0003】このような特長を利用して、光学系の性能
を向上させることに関しては、例えば、Binary Optics
Technology: The Theory and Design of Multi-Level D
iffractive Optical Element, Gary J.Swanson, Techno
logy Report 854, MIT Lincoln Laboratory, August 19
89. に詳しく説明されている。また、例えば、特開平6
−331941号公報および特開平6−324262号
公報には、上記のような回折型光学素子を結像レンズと
して含むものが記載されている。さらに、回折型光学素
子が有する複数の回折次数光による光路の分岐作用を利
用するものとして、例えば、特開平4−9803号公報
には、電子撮像素子のモアレ除去のためのローパスフィ
ルタとして用いるものが、また、特許第2524569
号には、色分解光学系として用いるものがそれぞれ記載
されている。
【0004】一方、回折型光学素子に入射した光は、一
般に、複数の次数の回折光に分解されるが、例えば、回
折型光学素子をレンズ素子として構成する場合などは、
複数の次数の回折光が存在すると、複数の焦点が存在す
ることに相当するため、結像光学系としては、特殊な場
合を除き好ましくない。
【0005】このため、特定の次数の回折光を利用して
光学系を構成するにあたって、それ以外の次数の回折光
が悪影響を与える場合などは、特定の次数以外の回折光
を除去する必要が生じる。そのような課題に対しては、
従来、図16に示すように、使用する波長で透明な基材
1に形成する回折のためのレリーフパターン2の断面形
状を鋸歯状として(ブレーズ化して)、特定の次数の回
折光にエネルギーを集中させ、他の次数の回折光を発生
させないようにすることが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図16
に示すように、レリーフパターン2の断面形状を鋸歯状
に加工したとしても、鋸歯形状の溝の深さによって、エ
ネルギーを最大限に集中できる波長(以下最適化波長と
称する)が異なり、波長幅を有する帯域光のエネルギー
を特定次数の回折光に集中させることは不可能である。
このような現象は、例えばレーザ光のような、単色光源
を利用する場合などでは問題にならないが、例えば、カ
メラのように白色光を利用する撮像装置などでは、最適
化波長以外の波長において、回折効率が低下し、他の次
数の回折光にエネルギーが分散するという問題がある。
【0007】図17は、図16の断面形状を有する回折
型光学素子について、使用する1次回折効率と波長との
関係を示したものである。ここで、レリーフパターン
は、波長λ=500nmにおいて1次回折効率が100
%となるように溝深さを決め、BK7の基材に形成した
ものである。図17に示した波長帯域は、一般に可視波
長領域と見做せるλ=400nmからλ=700nmで
あるが、回折効率は最適化波長λ=500nmから離れ
るに従って低下することがわかる。
【0008】また、図18は、上記のように波長λ=5
00nmにおいて、1次回折効率が100%となるよう
に最適化した回折型光学素子の0次回折効率および2次
回折効率と波長とのそれぞれの関係を示すものである。
図18から明らかなように、1次回折光が低下する短波
長領域および長波長領域では、0次回折光および2次回
折光がそれぞれ増加することがわかる。
【0009】このため、このような回折型光学素子を、
例えば白色光を用いるカメラのレンズ素子として用いる
と、利用する特定回折光以外の次数の回折光が、色付き
をもったフレアーやゴーストとなって現れ、結像性能を
低下させる原因となる。このようなことから、結像レン
ズによる像形成を利用する撮像装置に回折型光学素子を
用いる場合には、最適化波長以外の波長に対する、利用
する特定回折次数光以外の次数を、除去もしくは影響を
低減する必要があるが、この点については従来提案され
ていない。
【0010】この発明は、かかる点に鑑みてなされたも
ので、回折型光学素子を用いる場合の最適化波長以外の
波長に対する不要な次数の回折光による光学性能の低下
を有効に軽減でき、高精度の撮像ができるよう適切に構
成した撮像装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は、対象物の像を結像光学系により電子撮
像素子上に結像させるようにした撮像装置において、前
記結像光学系は、結像作用、もしくは、他のレンズ要素
との組み合わせにより結像性能を向上させる作用を有す
る回折型光学素子と、この回折型光学素子を経た光の波
長帯域を制限して、該回折型光学素子による回折光のう
ち、像形成に不要な次数の回折光の影響を低減するため
の波長帯域制限手段とを有することを特徴とするもので
ある。
【0012】さらに、この発明は、対象物の像を結像光
学系により電子撮像素子上に結像させるようにした撮像
装置において、前記結像光学系は、輪帯状の回折格子を
有する回折型光学素子と、この回折型光学素子を経た光
の波長帯域を制限して、該回折型光学素子による回折光
のうち、像形成に不要な次数の回折光の影響を低減する
ための波長帯域制限手段とを有することを特徴とするも
のである。
【0013】さらに、この発明は、対象物の像を結像光
学系により電子撮像素子上に結像させるようにした撮像
装置において、前記結像光学系は、回折型光学素子と、
この回折型光学素子を経た光の波長帯域を制限して、該
回折型光学素子による回折光のうち、像形成に不要な次
数の回折光の影響を低減するための波長帯域制限手段と
を有し、前記電子撮像素子には、その出力信号を処理し
て、前記対象物の色情報を補正する信号処理手段を結合
したことを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】物体の像を結像レンズを経て、例
えば、一枚の固体撮像素子、または複数枚の固体撮像素
子上に結像させ、電子撮像素子の出力信号を処理してカ
ラー画像信号を得る撮像装置においては、通常、電子撮
像素子の物体側に、3原色である赤(R)、緑(G)、
青(B)、またはそれらの補色であるシアン(C)、マ
ゼンダ(M)、イエロー(Y)の帯域の光を透過する吸
収フィルタや干渉フィルタなどの波長帯域制限手段を配
置して、RGBの3原色またはCMYの補色の映像信号
を得るようにしている。このような撮像装置において、
例えば、RGB3原色の波長帯域の像を形成してカラー
画像信号を得る場合、撮像素子で受ける光強度の分光特
性は、光源の分光分布、代表的なレンズの分光透過率、
撮像素子の分光感度を考慮すると、一般には、図19に
示すようになる。
【0015】ここで、図19に示す分光特性を有する撮
像装置において、撮像光学系に、例えば図17に示した
1次光回折効率を有する回折型光学素子を用いると、そ
の1次回折光に対する分光特性は図20に示すようにな
る。また、その場合の像形成に不要な0次および2次の
回折光の分光特性は、図21のようになる。
【0016】図21から明らかなように、RGB3原色
のうちGの波長帯域では、像形成に不要な0次および2
次の回折光量が、Gの波長帯域での全光量の1%程度と
なり、無視できるレベルとなる。しかし、Rの波長帯域
では、像形成に不要な0次および2次の回折光量が、R
の波長帯域での全光量の13%程度となり、また、Bの
波長帯域では、分光特性が実際には400nmより短い
波長に対しても、像形成に寄与しているため、像形成に
不要な0次および2次の回折光量が、Bの波長帯域での
全光量の10%を超える程度となる。このため、このよ
うな撮像装置においては、像の品質劣化が無視できなく
なる。
【0017】上述したように、回折型光学素子では、最
適化波長から離れると、それに従って不要な次数の回折
光量が増加する。そこで、この発明の一実施形態では、
利用する次数の回折光の最適化波長よりも短波長領域お
よび長波長領域において、像形成に寄与する波長帯域を
制限する。このようにすれば、対象とする波長帯域での
全光量に比較して、像形成に不要な次数の回折光の光量
が占める割合を低くできるので、像形成に与える影響を
低減することが可能となる。例えば、前述したように、
RGB3原色のフィルタを用いてカラー画像信号を得る
場合には、Bの像を得る波長帯域の短波長領域を、また
Rの像を得る波長帯域の長波長領域を、波長帯域制限手
段を用いてカットすれば、像形成に不要な次数の回折光
による影響を低減することが可能となる。
【0018】なお、この場合、本来のカラー画像を得る
のに必要な、RGBそれぞれの光量が減り、波長帯域が
狭くなるので、好ましくは、撮像素子の出力信号を、R
GBそれぞれの信号強度の正規化や表現する色をシフト
させるなどの方法により、物体のカラー情報が損なわれ
ないように補正する。
【0019】また、波長帯域を制限する波長帯域制限手
段は、具体的には、像形成に不要な次数の回折光量が無
視できないレベルとなる対象波長帯域において、該対象
波長帯域における全光量(Aa )に対する像形成に不要
な次数の回折光の光量(A0)が、 A0 /Aa <0.1 (1) を満足するよう構成するのが好ましい。この条件式
(1)を満たせば、像形成に不要な次数の回折光による
像品質の劣化を有効に無視することが可能となる。
【0020】さらに具体的には、最適化波長λo よりも
短波長領域において、波長帯域を制限する場合には、光
量を50%カットする波長λs が、以下の条件式(2)
を満足することが望ましい。 0.7<λs /λo <0.95 (2)
【0021】また、最適化波長λo よりも長波長領域に
おいて、波長帯域を制限する場合には、光量を50%カ
ットする波長λL が、以下の条件式(3)を満足するこ
とが望ましい。 1.2<λL /λo <1.5 (3)
【0022】ここで、λs /λo が、条件式(2)の下
限値を越えて小さな値となったり、λL /λo が、条件
式(3)の上限値を越えて大きな値となると、不要な次
数の回折光による影響を十分低減することができず、像
性能の劣化を防ぐことが困難となる。また、λs /λo
が、条件式(2)の上限値を越えて大きな値となった
り、λL /λo が、条件式(3)の下限値を越えて小さ
な値となると、制限する波長帯域が最適化波長λo に接
近しすぎて、カラー画像を形成する波長帯域幅が狭くな
り、十分な色再現性を保つことができず、好ましくな
い。
【0023】さて、前述したように、回折型光学素子の
波長に対する回折効率は、最適化する波長に対して、短
波長側にも長波長側にも低下する。このため、良好な色
再現性を保ち、かつ像形成に不要な次数の回折光の影響
を十分低減するには、最適化波長λo は、使用する波長
帯域λ1 <λ<λ2 に対して、 |C1 −C2 |<20% (4) を満足するように定めることが望ましい。ただし、
1 ,C2 は、波長λo で利用する回折次数が最適化さ
れたときの、それぞれ波長λ1 ,λ2 における利用する
回折次数光の回折効率(%)を示す。
【0024】ここで、利用する回折次数を1次とする
と、最適化波長λo に対して、任意波長λでのm次回折
効率Cm は、以下の式(5)で計算することができる。
【数1】
【0025】したがって、例えば、石英ガラス上に作成
した回折型光学素子を、1次回折光を利用して、波長帯
域400nm<λ<700nmで使用すると、(4)を
満足する最適化波長λo は、おおよそ、 475nm<λo <540nm (6) の範囲で定めることが望ましい。
【0026】ここで、上記の|C1 −C2 |を、条件式
(4)の上限値を越えて大きな値とすると、短波長領域
または長波長領域での不要な回折次数光が増加して、像
の品質低下が著しくなるため、上記のように波長帯域の
制限をすると、カラーバランスを保つことが困難とな
る。
【0027】なお、この発明において、像品質をさらに
向上させるためには、上記の条件式(1)の代わりに下
記の条件式(7)を、条件式(2)の代わりに下記の条
件式(8)を、条件式(3)の代わりに下記の条件式
(9)を、条件式(4)の代わりに下記の条件式(1
0)を満たすようにすることが望ましい。 Ao /Aa <0.05 (7) 0.8<λs /λo <0.95 (8) 1.2<λL /λo <1.4 (9) |C1 −C2 |<10% (10)
【0028】さらに望ましくは、条件式(10)の代わ
りに、下記の条件式(11)を満たすようにすることが
望ましい。 |C1 −C2 |<5% (11)
【0029】以下、この発明の実施の形態について、図
面を参照して説明する。図1は、この発明の第1実施形
態における撮像装置の構成を模式的に示すものである。
この撮像装置は、対象物の像を結像光学系11を経て固
体撮像素子12の光電変換面上に結像させ、この固体撮
像素子12の出力信号を信号処理回路13で処理して映
像信号を得るようにしたものである。結像光学系11
は、レンズ群14、回折型光学素子15および光学部材
16を有する。なお、図1では、これらレンズ群14、
回折型光学素子15および光学部材16を模式的に配置
してある。
【0030】回折型光学素子15は、この実施形態で
は、図2(a)および(b)に平面図および断面図を示
すように、平行平板状の光学材料基板21上に同心円状
にレリーフパターン22を形成して構成する。ここで、
レリーフパターン22は、1次回折光を利用するよう
に、また、他のレンズ素子との相互関係により結像性能
が最適となるように形成する。また、光学部材16に
は、ローパスフィルタを設けると共に、図3に示す分光
透過率を有する波長帯域制限手段を構成する波長帯域制
限フィルタを設ける。さらに、撮像素子12には、その
光電変換面上に、図4に示す分光特性を有するRGB3
原色のモザイク状の色フィルタを設ける。
【0031】このようにして、固体撮像素子12におい
て、結像光学系11を経て結像された物体の像を、その
光強度に応じて電気信号に変換して信号処理回路13に
供給し、ここで所要に応じてRGBそれぞれの信号強度
の正規化や表現する色をシフトさせるなどの方法によ
り、物体のカラー情報が損なわれないように補正してカ
ラー映像信号に変換し、図示しないメモリに書き込んだ
り、パソコンや表示装置、あるいはプリンタなどの外部
に出力する。なお、このような処理は、外部の制御装置
あるいは撮像装置に組み込まれたCPUにより制御す
る。
【0032】図5は、図1に示す構成において、光学部
材16に波長帯域制限フィルタを設けない場合に、固体
撮像素子12に入射する回折型光学素子15における2
次回折光および0次回折光の分光特性を示すものであ
る。また、図6は、この実施形態において、上述したよ
うに光学部材16に図3に示す分光特性を有する波長帯
域制限フィルタを設けた場合の2次回折光および0次回
折光の分光特性を示すものである。図5および図6から
明らかなように、この実施形態によれば、結像に不要な
次数の回折光の強度を、無視できる程度に低減すること
ができる。
【0033】なお、この実施形態では、波長帯域制限フ
ィルタを光学部材16に設けるようにしたが、レンズ群
14の前に配置したり、レンズ群14から撮像素子12
の光電変換面に至る結像光路の任意の位置に配置して
も、同様の効果を得ることができる。特に、撮像素子1
2の光電変換面を保護するカバーガラスを、波長帯域制
限フィルタで構成すれば、部品点数の削減、光学システ
ムの小型化の点で効果的である。
【0034】この発明の第2実施形態では、図1に示す
構成において、光学部材16に、波長帯域制限フィルタ
に代えて、図7に示す分光透過率を有する赤外カットフ
ィルタを設け、また、回折型光学素子15のレリーフパ
ターンを形成した面とは反対側の面には、多層膜をコー
ティングして、図8に示すような分光透過率特性を有す
る波長帯域制限手段を設ける。ここで、多層膜は、回折
型光学素子15の基板側から順に、それぞれSiO2
66.46nm、TiO2 :28.62nm、Si
2 :53.06nm、TiO2 :42.47nm、S
iO2 :68.16nm、TiO2 :35.44nm、
SiO2 :55.57nm、TiO2 :38.89n
m、の厚みで重ねて構成する。このようにして、有害な
赤外光と、結像に不要な次数の回折光を同時に制限す
る。
【0035】図9は、この実施形態において、固体撮像
素子12に入射する回折型光学素子15における2次回
折光および0次回折光の分光特性を示すものである。こ
の実施形態においても、図5との比較から明らかなよう
に、第1実施例と同様に、結像に不要な次数の回折光の
強度を、無視できる程度に低減することができる。
【0036】なお、この実施形態では、回折型光学素子
14に波長帯域制限手段を構成する多層膜を設けたが、
レンズ群14を構成するレンズ素子の屈折面や、光学部
材16、あるいは撮像素子12の光電変換面を保護する
カバーガラスに、同様の多層膜をコーティングしても、
同じ効果を得ることができる。
【0037】この発明の第3実施形態では、図1に示す
構成において、光学部材16に波長帯域制限フィルタを
設けるのではなく、撮像素子12の光電変換面上に設け
るRGB3原色のモザイク状の色フィルタを、図10に
示す分光特性を有するように構成することにより、該色
フィルタを波長帯域制限手段としても作用させるように
したものである。
【0038】図11は、この実施形態において、固体撮
像素子12に入射する回折型光学素子15における2次
回折光および0次回折光の分光特性を示すものである。
この実施形態においても、図5との比較から明らかなよ
うに、結像に不要な次数の回折光の強度を、無視できる
程度に低減することができる。
【0039】なお、この実施形態でのRGBの色フィル
タは、RGBそれぞれのフィルタの分光感度が、図10
に示す特性となるような、透過型フィルタや干渉型フィ
ルタなどで構成することはもちろん、例えば、図4に示
した一般的な分光感度を有するフィルタと、図3に示す
ような分光特性を有するフィルタとの2層構造で構成す
ることもできる。また、特に、短波長域での不要次数光
の影響を低減するために、撮像素子12の光電変換面の
表層に設けられる短波長域の透過率を制御するためのS
iO2 と多結晶Siとの多層膜の厚みを調整したり、暗
電流除去のためのP型不純物注入層を厚くして、短波長
域の分光特性を制御することもでき、これにより同様の
効果を達成することができる。
【0040】上述した第1〜3実施形態において、結像
光学系11は、例えば、図12に示すように、第1レン
ズ25、絞り26、第2レンズ27、第3レンズ28、
第4レンズ29、第5レンズ30および第6レンズ31
をもって構成することができる。表1は、焦点距離7.
00mm、Fナンバー2.9としたときの各レンズの一
例のデータを示すものである。なお、図12において、
第3レンズ28は、回折型光学素子を示す。また、表1
において、♯はレンズ番号、rは屈折面の曲率半径、d
はレンズ中心の厚みまたはレンズ間隔、ndはd線の屈
折率、νdはd線のアッベ数を示し、*が付いている面
は、非球面を表わしている。
【0041】
【表1】
【0042】また、上記の非球面は、例えば、表2に示
す非球面係数を有するように形成する。
【0043】
【表2】 表1および表2から明らかなように、第3レンズ28を
構成する回折型光学素子は、屈折率が1001、アッベ
率が約−3.45のいわゆる高屈折率近似として扱って
いる。
【0044】なお、回折型光学素子は、図2に示したよ
うに、平板状の基板21にレリーフパターン22を形成
したものに限らず、球面基板や、非球面基板上にレリー
フパターン22を形成して構成することもできるし、レ
リーフパターン22も同心円状に限らず、結像光学系1
1の機能に応じて、例えば、回転非対称な結像性能を必
要とする場合には、楕円状のパターンとしたり、シリン
ドリカルレンズと同等の機能を有するように平行パター
ンとすることもできる。なお、実施形態においては、回
折光学素子の設計次数に1次光を用いたが、さらに高次
の次数を用いてもよい。
【0045】また、以上の各実施形態では、撮像素子1
2の前にモザイク状のRGBフィルタを配置した、いわ
ゆる原色単板式撮像装置を構成するようにしたが、もち
ろんCMYGフィルタをモザイク状に配置した、いわゆ
る補色単板式撮像装置を構成することもできるし、撮影
光束を色分解プリズムなどで波長帯域の異なる光束に分
岐して、例えばRGB3枚の撮像素子でカラー画像を得
る、いわゆる3板式撮像装置に代表される多板式撮像装
置を構成することもできる。
【0046】図13は、この発明の第4実施形態の要部
の構成を示すものである。この実施形態は、3板式撮像
装置を示すもので、対象物の像を結像光学系41により
RGBに分解して、対応する固体撮像素子42R,42
G,42Bに結像させるようにしたものである。結像光
学系41は、図2に示したような回折型光学素子を含む
レンズ系43と、このレンズ系43による撮影光束をR
GBに分解する色分解プリズム44とを有する。ここで
色分解は、ダイクロイック膜を用いて行うことが、光の
高率の利用高率の点からも一般的である。
【0047】この実施形態では、色分解プリズム44の
ダイクロイック膜に、図14に示すような分光透過率特
性を持たせることにより、該色分解プリズム44を、レ
ンズ系43に含まれる回折型光学素子からの不要次数の
回折光を低減する波長帯域制限手段としても作用させ
る。なお、この実施形態において、回折型光学素子は、
波長530nmで最適化されている。
【0048】図15は、この実施形態において、撮像素
子42R,42G,42Bにそれぞれ入射する回折型光
学素子における2次回折光および0次回折光の分光特性
を示すものである。図15から明らかなように、この実
施形態においても、上述した実施形態と同様に、結像に
不要な次数の回折光の強度を、無視できる程度に低減す
ることができる。
【0049】なお、この実施形態においては、色分解プ
リズム44のRの分光透過率特性を長波長域まで広げる
と共に、撮像光路中に赤外カットフィルタを配置して、
色分解プリズム44と赤外カットフィルタとの両方の作
用で、図14に示す分光透過率特性を得るよう構成する
こともできる。
【0050】以上の各実施形態では、電子撮像素子とし
て固体撮像素子を用いたが、撮像管を用いる場合でも、
この発明を有効に適用することができ、同様の効果を得
ることができる。
【0051】付記項 1.対象物の像を結像光学系により電子撮像素子上に結
像させるようにした撮像装置において、前記結像光学系
は、輪帯状の回折格子を有し、結像作用、もしくは、他
のレンズ要素との組み合わせにより結像性能を向上させ
る作用を有する回折型光学素子と、この回折型光学素子
を経た光の波長帯域を制限して、該回折型光学素子によ
る回折光のうち、像形成に不要な次数の回折光の影響を
低減するための波長帯域制限手段とを有することを特徴
とする撮像装置。 2.対象物の像を結像光学系により電子撮像素子上に結
像させるようにした撮像装置において、前記結像光学系
は、結像作用、もしくは、他のレンズ要素との組み合わ
せにより結像性能を向上させる作用を有する回折型光学
素子と、この回折型光学素子を経た光の波長帯域を制限
して、該回折型光学素子による回折光のうち、像形成に
不要な次数の回折光の影響を低減するための波長帯域制
限手段とを有し、前記電子撮像素子には、その出力信号
を処理して、前記対象物の色情報を補正する信号処理手
段を結合したことを特徴とする撮像装置。 3.対象物の像を結像光学系により電子撮像素子上に結
像させるようにした撮像装置において、前記結像光学系
は、輪帯状の回折格子を有する回折型光学素子と、この
回折型光学素子を経た光の波長帯域を制限して、該回折
型光学素子による回折光のうち、像形成に不要な次数の
回折光の影響を低減するための波長帯域制限手段とを有
し、前記電子撮像素子には、その出力信号を処理して、
前記対象物の色情報を補正する信号処理手段を結合した
ことを特徴とする撮像装置。 4.請求項1,2または3記載の撮像装置において、前
記条件式(1)〜(4)の少なくとも一つを満足する撮
像装置。 5.請求項1,2または3記載の撮像装置において、前
記条件式(7)〜(10)の少なくとも一つを満足する
撮像装置。 6.付記項4または5記載の撮像装置において、前記条
件式(4)または(10)として、前記条件式(11)
を用いることを特徴とする撮像装置。 7.請求項1,2または3記載の撮像装置において、前
記結像光学系は、波長帯域を制限するフィルタを有する
ことを特徴とする撮像装置。 8.請求項1,2または3記載の撮像装置において、前
記波長帯域制限手段を、前記電子撮像素子の光電変換面
を保護するカバーガラスに設けたことを特徴とする撮像
装置。 9.請求項1,2または3記載の撮像装置において、前
記波長帯域制限手段は、前記結像光学系を構成する光学
部材の表面に設けた多層膜をもって構成したことを特徴
とする撮像装置。 10.請求項1,2または3記載の撮像装置において、
前記波長帯域制限手段は、カラー画像を得るために、前
記電子撮像素子の光電変換面に到達する波長帯域を制限
する機能を併せ持つ波長帯域制限フィルタをもって構成
したことを特徴とする撮像装置。 11.付記項7または10記載の撮像装置において、前
記フィルタまたは波長帯域制限フィルタは、色素を含む
フィルタよりなることを特徴とする撮像装置。 12.付記項7または10記載の撮像装置において、前
記フィルタまたは波長帯域制限フィルタは、干渉型フィ
ルタよりなることを特徴とする撮像装置。 13.付記項10記載の撮像装置において、前記電子撮
像素子を1枚として、カラー画像を得るよう構成したこ
とを特徴とする撮像装置。 14.付記項10記載の撮像装置において、前記電子撮
像素子を複数枚として、カラー画像を得るよう構成した
ことを特徴とする撮像装置。 15.付記項13または14記載の撮像装置において、
前記カラー画像を得るのに用いるフィルタが、前記波長
帯域制限手段をも構成することを特徴とする撮像装置。 16.付記項13または14記載の撮像装置において、
前記カラー画像を得るのに用いるフィルタが、カラー画
像を得るために、前記電子撮像素子の光電変換面に到達
する波長帯域を制限する機能を有するフィルタ部材と、
像形成に不要な次数の回折光の影響を低減するためのフ
ィルタ部材とからなることを特徴とする撮像装置。 17.請求項1,2または3記載の撮像装置において、
前記波長帯域制限手段を、前記電子撮像素子の光電変換
面上に設ける短波長吸収層をもって構成したことを特徴
とする撮像装置。 18.付記項7〜17のいずれか記載の撮像装置におい
て、前記条件式(1)〜(4)の少なくとも一つを満足
する撮像装置。 19.付記項7〜17のいずれか記載の撮像装置におい
て、前記条件式(7)〜(10)の少なくとも一つを満
足する撮像装置。 20.付記項18または19記載の撮像装置において、
前記条件式(4)または(10)として、前記条件式
(11)を用いることを特徴とする撮像装置。
【0052】
【発明の効果】この発明によれば、回折型光学素子を用
いる場合の最適化波長以外の波長に対する不要な次数の
回折光による光学性能の低下を有効に軽減できるので、
高精度の撮像装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態の概略構成図である。
【図2】図1に示す回折型光学素子の構成を示す図であ
る。
【図3】第1実施形態で用いる波長帯域制限フィルタの
分光特性を示す図である。
【図4】第1実施形態で用いるRGB色フィルタの分光
特性を示す図である。
【図5】第1実施形態において波長帯域制限を受けない
ときの像形成に不要な回折光の分光特性を示す図であ
る。
【図6】第1実施形態で波長帯域制限を受けたときの像
形成に不要な回折光の分光特性を示す図である。
【図7】この発明の第2実施形態で用いる赤外カットフ
ィルタの分光透過率特性を示す図である。
【図8】第2実施形態で用いる多層膜の分光透過率特性
を示す図である。
【図9】第2実施形態で波長帯域制限を受けたときの像
形成に不要な回折光の分光特性を示す図である。
【図10】この発明の第3実施形態で用いるRGB色フ
ィルタの分光特性を示す図である。
【図11】第3実施形態で波長帯域制限を受けたときの
像形成に不要な回折光の分光特性を示す図である。
【図12】回折型光学素子を含む結像光学系の一例の構
成を示す図である。
【図13】この発明の第4実施形態を示す概略構成図で
ある。
【図14】第4実施形態で用いるダイクロイック膜の分
光透過率特性を示す図である。
【図15】第4実施形態で波長帯域制限を受けたときの
像形成に不要な回折光の分光特性を示す図である。
【図16】ブレーズ化さたレリーフパターンを示す図で
ある。
【図17】1次回折光に対して最適化された回折型光学
素子の波長と1次回折光の回折効率との関係を示す図で
ある。
【図18】1次回折光に対して最適化された回折型光学
素子の波長と、0次回折光および2次回折光との回折効
率の関係を示す図である。
【図19】カラー画像を形成する撮像装置の分光特性を
示す図である。
【図20】回折型光学素子を用いたときの像形成に寄与
する回折光の分光特性を示す図である。
【図21】回折型光学素子を用いたときの像形成に不要
な回折光の分光特性を示す図である。
【符号の説明】
11 結像光学系 12 固体撮像素子 13 信号処理回路 14 レンズ群 15 回折型光学素子 16 光学部材 21 基板 22 レリーフパターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 哲也 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象物の像を結像光学系により電子撮像
    素子上に結像させるようにした撮像装置において、 前記結像光学系は、結像作用、もしくは、他のレンズ要
    素との組み合わせにより結像性能を向上させる作用を有
    する回折型光学素子と、この回折型光学素子を経た光の
    波長帯域を制限して、該回折型光学素子による回折光の
    うち、像形成に不要な次数の回折光の影響を低減するた
    めの波長帯域制限手段とを有することを特徴とする撮像
    装置。
  2. 【請求項2】 対象物の像を結像光学系により電子撮像
    素子上に結像させるようにした撮像装置において、 前記結像光学系は、輪帯状の回折格子を有する回折型光
    学素子と、この回折型光学素子を経た光の波長帯域を制
    限して、該回折型光学素子による回折光のうち、像形成
    に不要な次数の回折光の影響を低減するための波長帯域
    制限手段とを有することを特徴とする撮像装置。
  3. 【請求項3】 対象物の像を結像光学系により電子撮像
    素子上に結像させるようにした撮像装置において、 前記結像光学系は、回折型光学素子と、この回折型光学
    素子を経た光の波長帯域を制限して、該回折型光学素子
    による回折光のうち、像形成に不要な次数の回折光の影
    響を低減するための波長帯域制限手段とを有し、 前記電子撮像素子には、その出力信号を処理して、前記
    対象物の色情報を補正する信号処理手段を結合したこと
    を特徴とする撮像装置。
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