JPH10170888A - 液晶表示装置の駆動方法 - Google Patents

液晶表示装置の駆動方法

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JPH10170888A
JPH10170888A JP35195196A JP35195196A JPH10170888A JP H10170888 A JPH10170888 A JP H10170888A JP 35195196 A JP35195196 A JP 35195196A JP 35195196 A JP35195196 A JP 35195196A JP H10170888 A JPH10170888 A JP H10170888A
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Japan
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liquid crystal
period
voltage
selection
selection period
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JP35195196A
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English (en)
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Takaaki Tanaka
孝昭 田中
Yuzuru Sato
譲 佐藤
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 リセット期間後の液晶セル中央の液晶分子の
チルト角についての挙動を解析することにより、表示の
オン状態/オフ状態に対応する液晶の配列に制御できる
遅延期間を容易に設定できる駆動方法の提供。 【解決手段】 リセット期間にフレデリクス転移を生じ
させるためのしきい値以上のリセット電圧を液晶に印加
して、基板間のほぼ中央に位置する液晶分子の基板と平
行な面に対するチルト角をほぼ90°とする。リセット
期間と選択期間の間の遅延期間であって、液晶分子のチ
ルト角が、少なくとも100〜110°になるまでの間
に、遅延電圧を液晶に印加する。この後の選択期間は、
バックフロー後に一方の準安定状態に向けて緩和し始め
た時に開始され、この選択期間に、2つの準安定状態の
いずれか一方を選択するための選択電圧を液晶に印加
し、表示のオン状態/オフ状態に対応する液晶の配列に
制御する。選択期間に続く非選択期間では、非選択電圧
を液晶に印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はネマチック液晶を用
いたメモリ性を有する双安定の液晶表示装置の駆動方法
に関する。
【0002】
【背景技術】ネマチック液晶を用いた双安定性液晶表示
は特公平1−51818に既に開示されており、初期配
向条件、2つの安定状態、また、その安定状態の実現の
方法等が記述されている。
【0003】しかし、上記特公平1−51818に述べ
られている内容は、2つの安定状態の動作あるいは現象
を述べているだけで、それを表示体として実用に供する
手段は提示されていない。さらには、上記公報には、現
在最も表示体として応用実用性が高く、かつ表示能力が
高いマトリスク表示について何等記述が無く、その駆動
方法についても何等開示されていない。
【0004】そこで、本願出願人は先に出願した特開平
6−230751において、液晶セル内で発生するバッ
クフローをコントロールし、上記欠点を改良する方法を
提案した。この方法は、まず1ms程度の高電圧を印加
してフレデリクス転移を生じさせる期間と、それにすぐ
続く前記パルスと逆極性または同極性のしきい値以上の
定電圧パルスで0゜ユニフォーム状態を作るか、同様に
前記フレデリクス転移電圧にすぐ続くしきい値以下のパ
ルス期間を設け、360゜ツイストの状態を実現するも
のである。この方法ではマトリクス表示の1ライン当た
りの書き込み時間が400μsとされており、400ラ
イン以上の書き込みには計160ms(6.25Hz)
以上の時間が必要で、これは表示のフリッカーを伴うた
めまだ実用上は問題があった。
【0005】そこで、本願出願人はさらに、書き込み時
間の改良として特開平7−175041を出願した。こ
れは同公報の図2または図4に示したように、フレデリ
クス転移を起こすリセットパルスの後に遅延時間を設
け、その後にONまたはOFFの選択信号を印加するも
のである。こうすると書き込み時間は従来の数倍の速さ
の例えば50μsが実現できた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特開平7−
175041では、選択パルスを印加すべきタイミング
を、2つの準安定状態に遷移する際の遷移点付近とする
ことが分かっていたが、実際にはこの遷移点を検証する
ことは不可能であったため、遅延期間、選択期間を変え
た各種の実験を行って、表示のオン状態/オフ状態に対
応する液晶の配列を制御でるき否かを確認していた。
【0007】従って、1フレーム当たりの駆動画素数か
ら求められるデューティ比に基づいて設定した選択期間
に対して、遅延期間をどのように設定するかは、遅延期
間を変えた各種の実験を行って、表示のオン状態/オフ
状態に対応する液晶の配列を制御できるかを検証せざる
を得なかった。
【0008】そこで、本発明の目的とするところは、リ
セット期間後の液晶セル中央の液晶分子のチルト角につ
いての挙動を解析することによって、遅延期間の長さを
容易に設定でき、もって表示のオン状態/オフ状態に対
応する液晶の配列を制御できる選択期間の開始時期を適
切に設定できる液晶表示装置の駆動方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、基板
間に封入された液晶分子が初期状態にて所定のねじれ角
を有し、フレデリクス転移を生じさせる電圧を印加した
後の緩和状態として、初期状態とは異なる2つの準安定
状態をもつ液晶を用い、1フレーム期間中に少なくとも
リセット期間、選択期間及び非選択期間を設定して液晶
を駆動する液晶表示装置の駆動方法において、(a)前
記リセット期間に前記フレデリクス転移を生じさせるた
めのしきい値以上のリセット電圧を前記液晶に印加し
て、前記基板間のほぼ中央に位置する前記液晶分子の前
記基板と平行な面に対するチルト角をほぼ90°とし、
(b)前記リセット期間と前記選択期間の間の遅延期間
であって、前記基板間のほぼ中央に位置する前記液晶分
子の前記チルト角が、少なくとも100〜110°にな
るまでの間に、遅延電圧を前記液晶に印加し、(c)前
記遅延期間の後の前記選択期間に、前記2つの準安定状
態のいずれか一方を選択するための選択電圧を前記液晶
に印加し、(d)前記選択期間に続く非選択期間に、非
選択電圧を前記液晶に印加することを特徴とする。
【0010】本発明者等が液晶セル中央に位置する液晶
分子の挙動を解析した結果、以下のことが判明した。ま
ず、リセット期間での電圧印加により、液晶セル中央の
液晶分子のチルト角はほぼ90°となり、基板に対して
ほぼ垂直に立つ状態となる。その後、この液晶分子のチ
ルト角はリセット時の90°からさらに大きいチルト角
となるようにバックフローを始める。この挙動の結果、
2つの準安定状態に向けて遷移し始める遷移点に相当す
るチルト角よりも大きいチルト角までバックフローし、
その最大角度は、その液晶材料によって幅があるとして
も、100〜110°であることが判明した。
【0011】従って、本発明では、リセット期間後の遅
延期間は、液晶セル中央の液晶分子のチルト角が、少な
くとも100〜110°となる時期まで継続させてい
る。この遅延期間の直後に設定される選択期間の開始時
には、液晶セル中央の液晶分子のチルト角は、必ずその
遷移点に相当するチルトより大きくなり、その遷移点に
到達する前の適切な時期に選択期間を開始させることが
できる。これにより、表示のオン状態/オフ状態に対応
する液晶の配列を制御可能な遅延期間を確実に設定でき
る。
【0012】請求項2の発明は、請求項1において、前
記選択期間は、前記液晶分子の前記チルト角が、ほぼ9
5°となる時期を含んで設定されることを特徴とする。
【0013】本発明者等の解析によれば、液晶セル中央
の液晶分子が遷移点に至ったときのチルト角が、ほぼ9
5°となることが分かった。従って、リセット期間後の
遅延期間を、液晶セル中央の液晶分子のチルト角が、少
なくとも100〜110°となる時期まで継続させ、そ
の後の選択期間を、液晶セル中央の液晶分子のチルト角
がほぼ95°となる時期まで継続させれば、必ず遷移点
の付近で選択電圧を液晶に印加することができる。この
ような遅延期間、選択期間の設定により、表示のオン状
態/オフ状態に対応する液晶の配列の制御が可能とな
る。
【0014】請求項3の発明は、請求項1又は2におい
て、前記遅延期間の長さを、210μsec〜700μ
secとしたことを特徴とする。
【0015】本発明者等の解析によれば、遅延期間の長
さによって、液晶の飽和値電圧Vsatとしきい値電圧
Vthとが変化し、その差電圧|Vsat−Vth|も
変化することが分かった。ところで、表示のオン状態に
対応する液晶の配列とするには、液晶に印加されるオン
電圧がVsatよりも大きく、表示のオフ状態に対応す
る液晶の配列とするには、液晶に印加されるオフ電圧が
Vthよりも小さくする必要があり、この両条件を同時
に満足するには、差電圧|Vsat−Vth|が小さい
ことが要求され、上述の遅延期間に設定すべきことが判
明した。従って、上述の通り遅延期間の長さを設定する
ことで、表示のオン状態/オフ状態に対応する液晶の配
列の制御が可能となる。
【0016】請求項4の発明は、請求項3において、前
記遅延期間の長さを、280μsec〜560μsec
としたことを特徴とする。
【0017】上述のオン/オフ電圧を低くするには、差
電圧|Vsat−Vth|がさらに小さいことが要求さ
れ、また、液晶の飽和値電圧Vsatとしきい値電圧V
thは環境温度によっても変化することから、ある程度
の温度マージンを設定することも必要となる。上述した
範囲で遅延期間を設定すると、差電圧|Vsat−Vt
h|はさらに小さくなり、環境温度が変化しても低電圧
駆動にて、表示のオン状態/オフ状態に対応する液晶の
配列を制御することができる。
【0018】請求項5の発明は、請求項1又は2におい
て、前記選択期間の長さを1H=ほぼ70μsecとし
たとき、前記遅延期間の長さを、3H〜10Hとしたこ
とを特徴とする。
【0019】デューティーが1/240のときに等に設
定される選択期間として1H=ほぼ70μsecとした
とき、遅延期間の長さを3H〜10Hとすることで、請
求項3にて説明した範囲に遅延期間を設定できる。
【0020】請求項6の発明は、請求項5において、前
記遅延期間の長さを、4H〜8Hとしたことを特徴とす
る。
【0021】選択期間として1H=ほぼ70μsecと
したとき、遅延期間の長さを4H〜8Hとすることで、
請求項4にて説明した範囲に遅延期間を設定できる。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して本発明の実
施例を説明する。
【0023】液晶セルの構造 後述する各実施例に用いた液晶材料は、ネマチック液晶
(例えば、E.Merck 社製ZLI−3329)に光学活性
剤(例えば、E.Merck 社製S−811)を添加すること
により、液晶のヘリカルピッチを3〜4μmに調整した
ものである。図1に示すように、上下のガラス基板5,
5上にITOからなる透明電極4のパターンを形成し、
その上に各々ポリイミド配向膜(例えば、東レ社製SP
−740)2を塗布した。そして、各ポリイミド配向膜
2に対して、相互に所定角度φ(実施例ではφ=180
°)異なる方向にラビング処理を施して、セルを構成し
た。上下のガラス基板5,5の間にはスペーサを挿入し
て基板間隔を均一化し、例えば基板間隔(セル間隔)を
2μm以下とした。したがって、液晶層厚/ねじれピッ
チの比は0.5±0.2となる。
【0024】このセルに液晶を注入すると、液晶分子1
のプレチルト角θ1,θ2は数度となり、初期配向が1
80°のツイスト状態となる。この液晶セルを、図1に
示す偏光方向の異なる2枚の偏光板7,7で挟み込み、
表示体を形成した。なお、3は絶縁層、6は平坦化層、
8は画素間の遮光層、9は液晶分子1のダイレクターベ
クトルである。平坦化層6、遮光層8は必要に応じて形
成でき、これらに代えて、基板5上に透明電極を形成し
ても良い。
【0025】なお、一方の基板5には、透明電極4とし
て例えばその行方向に沿って伸びる複数の行電極(走査
信号電極とも言う)が形成され、他方の基板5の透明電
極4として例えばその列方向方向に沿って伸びる列電極
(データ信号電極とも言う)が形成され、両電極に供給
される信号の差電圧が液晶層に印加されて、表示のオン
状態/オフ状態に対応する液晶の配列に制御する駆動が
行われる。
【0026】液晶表示装置の説明 図7は、図1に示す液晶セルを用いた単純マトリクス型
液晶表示装置を示している。図7において、この液晶表
示装置は、液晶セル11の背面にバックライト12を配
置した透過型である。液晶セル11の一方の基板5に形
成された走査信号電極(行電極)には走査駆動回路13
が接続され、この走査駆動回路13は走査制御回路15
により制御される。一方、液晶セル11の他方の基板5
に形成されたデータ信号電極(列電極)には信号駆動回
路14が接続され、この信号駆動回路14は信号制御回
路16により制御される。走査駆動回路13と信号駆動
回路14とには、電位設定回路17から所定の印加電圧
が供給される。また、走査制御回路15と信号制御回路
16とには、線順次走査回路18から基準クロック信号
と所定のタイミング信号とが供給される。
【0027】液晶駆動原理 図2に示す信号COM(i)は、i行目の走査信号電極
に供給される走査信号の波形を示している。図2に示す
信号SEG(j)は、j列目のデータ信号電極に供給さ
れるデータ信号の波形を示している。図2のCOM
(i)−SEG(j)は、走査信号とデータ信号との差
信号の波形を示している。この差信号の電圧が、i番目
の走査信号ラインとj番目のデータ信号ラインとの交差
点に位置する画素(i,j)の液晶に印加される。
【0028】図2に示す駆動波形には、リセット期間T
1,遅延期間T2,選択期間T3および非選択期間T4
が含まれている。この各期間T1,T2,T3,T4を
加算した期間が1フレーム期間Tである。この実施例で
は、リセット期間T1=1msec、遅延期間T2=2
10μsec、選択期間T3=70μsecに設定され
ている。また、1フレーム期間中に駆動される画素数は
240であり、デューティ=1/240であるので、1
フレーム期間T=70μsec×240=16.7ms
ecである。
【0029】走査信号C0M(i)は、リセット期間で
は15V以上例えば25Vのリセット電位VRであり、
選択期間T3では例えば4Vの選択電位Vwである。遅
延期間T3はリセット期間T1の終了後選択期間T3が
開始されるのを遅延させるためのものであり、その期間
の遅延電位は0Vである。また、選択期間T3に液晶層
に充電された電圧を保持するための非選択期間T4の電
位も0Vとなっている。
【0030】データ信号SEG(j)は、表示状態に応
じた電圧が設定され、図2に示すフレームでは、オフ駆
動のための例えば1Vのオン電位(Vd)と、オン駆動
のための例えば−1Vのオフ電位(−Vd)とを含んで
いる。
【0031】なお、1フレーム毎に走査信号C0Mの電
位を、データ信号の中間電位(本実施例では0V)を基
準に、正負で反転させて極性反転駆動することもでき、
この場合の負極性駆動時にはVdがオン電位となり、−
Vdがオフ電位となる。なお、この極性反転駆動は、1
フレーム毎に限らず、選択期間の長さを1Hとしたと
き、m(mは整数)H毎であってもよい。
【0032】図2において、液晶に印加される差信号C
OM(i)−SEG(j)は、下記の各種電圧を含んで
いる。リセット期間T1には、ネマチック液晶にフレデ
リクス転移を生じさせるためのしきい値以上のリセット
電圧100が印加される。このリセット電圧100は、
本実施例では24V又は26Vとなる。遅延期間T2で
は、遅延電圧110として例えば±1Vの電圧が印加さ
れる。選択期間T3に液晶セルに印加される選択電圧1
20は、ネマチック液晶の2つの準安定状態、例えば3
60°ツイスト配向状態と0°ユニフォーム配向状態の
いずれかを生ずる臨界値を基準として選択される電圧で
ある。この選択電圧120として、本実施例の場合、選
択電圧120がネマチック液晶のしきい値電圧Vthの
絶対値未満のオフ電圧Voff(本実施例では3V)で
あると、360°ツイスト配向状態が得られる。一方、
選択電圧120としてネマチック液晶の飽和電圧Vsa
tの絶対値を越えるオン電圧Von(本実施例では5
V)を液晶セルに印加すると、0°ユニフォーム配向状
態が得られる。また、非選択期間T4には、2つの準安
定状態を維持できるしきい値以下の非選択電圧130
(本実施例では±1V)が印加され、選択期間T3にて
選択された液晶の状態が維持されるようになっている。
【0033】図3は、ネマチック液晶の各種状態を説明
するための説明図である。
【0034】この液晶は、初期配向状態にあっては、上
述のラビング処理により180°ツイスト配向状態とな
っている。この初期配向状態の液晶に、リセット期間T
1にてリセット電圧100を印加すると、図3に示す通
りフレデリクス転移が生ずる。この後に、選択期間T3
にて選択電圧120としてオン電圧Vonを液晶に印加
すると0°ユニフォーム配向状態が得られ、オフ電圧V
offを印加すると360°ツイスト配向状態が得られ
る。その後、図3に示すように、ある時定数に従って上
記の2つのいずれかの状態から初期状態に自然緩和す
る。ここで、この時定数は表示に必要な時間に比較して
十分長くできる。従って、非選択期間T4にて印加され
る非選択電圧130が、フレデリクス転移を起こすため
に必要な電圧に比べて十分に低い電圧に保たれている限
り、次のフレームでのリセット期間T1までの間は、選
択期間T3にて設定された状態をほぼ維持できる。これ
により、液晶表示が可能となる。
【0035】ここで、本発明者等は、図4に示すよう
に、2つの基板5,5間のほぼ中央位置、すなわち、2
つの基板5,5間のギャップをdとすると、一方の基板
5からd/2の位置にある、液晶セル中央の液晶分子1
の挙動について着目した。
【0036】図5は、横軸を時間とし、縦軸は液晶セル
中央の液晶分子1のチルト角θmを示している。ここ
で、図4及び図5に示すチルト角θmとは、基板5と平
行な水平線を0°とし、紙面と平行な面内での反時計方
向への回転角を正のチルト角とする。なお、図5では、
2つの基板に隣接する上下の液晶分子のチルト角が0°
として図示されているが、実際にはラビング処理によっ
てある程度の正のチルト角となる。
【0037】図5において、フレデリクス転移を生じさ
せるためのしきい値以上のリセットパルス100を液晶
に印加すると、液晶セル中央の液晶分子1のチルト角θ
mはほぼ90°となり、基板5に対して垂直に立った状
態(ホメオロトロピックの配向状態)となる。
【0038】そして、図5に示すように、リセットパル
ス100の切れた時から、液晶セル中央の液晶分子1
は、チルト角θmが90°を越える方向に倒れ始める。
この現象をバックフローと称する。
【0039】その後、液晶セル中央の液晶分子1は、図
5に示す遷移点Aを境にして、再びチルト角θmが90
゜になる方向に戻り始め、その後は印加電圧の大きさに
よって、チルト角θmが0°となる方向に向かって進む
ものと、チルト角θmが180゜となる方向に動くもの
に分かれる。前者は0゜ユニフォーム配向状態への遷移
であり、後者はこのチルト角θmの変化の他にツイスト
も加わるので360゜ツイスト配向状態への遷移に相当
する。
【0040】ところで、この図で明らかなように0゜ユ
ニフォーム配向状態への遷移にしても、360゜ツイス
ト配向状態への遷移にしても、リセットパルス100の
切れた直後は、液晶のバックフローという同一の過程を
経て遷移点Aに至る点では全く挙動が同じである。すな
わち、セル中央の液晶分子1のバックフローにより、遷
移点Aに相当するチルト角θmよりも大きいチルト角θ
mとなる期間が必ず存在する。
【0041】ここで重要なことは、液晶がバックフロー
を起こした後のトリガー(選択電圧)を付与すべきタイ
ミングである遷移点Aとなる時を含んで選択期間T3が
設定されることであり、遷移点Aとなる時よりも早く選
択期間が終了しても、あるいは遷移点Aとなる時よりも
遅く選択期間が開始しても、液晶のオン、オフ駆動はで
きない。
【0042】また、遷移点Aとなる時を含んで選択期間
T3が設定されるとしても、選択期間T3の開始を過度
に早めれば、選択期間の長さが長くなって、1ラインの
画素数が多く、デューティが小さい液晶表示装置での高
速駆動が不可能となっしまう。
【0043】このためには、選択期間T3が確実に遷移
点Aの少し前から始まることを補償することが重要とな
り、すなわち遅延期間T2をいつ終了するかが重要とな
る。
【0044】本実施例では、リセット期間T1の終了
後、液晶セル中央の液晶分子のバックフローによって遷
移点Aに相当するチルト角θmよりも大きいチルト角θ
mとなるまで、遅延期間T2を継続させている。この結
果、この遅延期間T2の後に開始される選択期間T3
は、液晶セル中央の液晶分子が、遷移点Aに相当するチ
ルト角θmよりも大きいチルト角θmとなっている時に
必ず開始されることになる。
【0045】本発明者等によれば、遷移点Aに相当する
チルト角θmよりも大きいチルト角θmは、その液晶材
料によって幅があるとしても、100〜110°である
ことが判明した。
【0046】従って、本実施例では、リセット期間T1
後の遅延期間T2は、液晶セル中央の液晶分子のチルト
角θmが、少なくとも100〜110°となる時期まで
継続させている。この遅延期間T2の直後に設定される
選択期間T3の開始時には、液晶セル中央の液晶分子の
チルト角θmは、必ずその遷移点Aに相当するチルト角
θmより大きくなり、適切な時期に選択期間T3を開始
させることができる。
【0047】さらに本発明者等によれば、液晶セル中央
の液晶分子が遷移点Aに至ったときのチルト角θmが、
ほぼ95°となることが分かった。従って、リセット期
間T1後の遅延期間T2を、液晶セル中央の液晶分子の
チルト角θmが、少なくとも100〜110°となる時
期まで継続させ、その後の選択期間T3を、液晶セル中
央の液晶分子のチルト角θmがほぼ95°となる時期ま
で継続させれば、必ず遷移点Aの付近で選択パルス12
0を印加することができる。
【0048】ここで、選択期間T3に印加される選択パ
ルス120は、一定の実効値以上であることが必要とさ
れ、選択パルスの電圧値が低い場合には印加時間を長く
し、逆にその電圧値が高い場合には印加時間は短くて済
む。
【0049】以上の考察から、選択期間T3としては、
液晶セル中央の液晶分子のチルト角θmが少なくとも1
00〜110°となる時期以降の図5に示す期間t内に
設定することができ、かつ、遷移点Aが必ず選択期間T
3内に含まれることが条件とされる。
【0050】次に、遅延期間T2の長さについて考察す
る。図6は、ネマチック液晶の飽和値Vsat、しきい
値Vthと、遅延期間T2との関係を示す特性図であ
る。液晶の飽和値Vsat、しきい値Vthは、遅延期
間T2の長さによって変化する。この液晶の飽和値Vs
at、しきい値Vthは、所定の長さに遅延期間T2が
設定された時に共に最低値となり、その点を境に異なる
変化率にて増大している。従って、図6から明らかなよ
うに、液晶の飽和値Vsatとしきい値Vthとの電圧
差|Vsat−Vth|も、遅延期間T2の長さによっ
て変化し、図6の範囲Bで示すように電圧差|Vsat
−Vth|が小さい条件が存在する。
【0051】ここで、ネマチック液晶をオンさせるため
のオン電圧Vonは、 Von=Vw+Vd>Vsat を満足する必要があり、同時に、ネマチック液晶をオフ
させるためのオフ電圧Voffは、 Voff=Vw−Vd<Vth を満足する必要がある。
【0052】表示のオン状態/オフ状態に対応する液晶
の配列に制御するには、上記の2つの条件を同時に満足
しなければならず、一般に電圧平均化法により設定され
る走査電位Vw、データ電位Vdによって両条件を満足
するには、遅延期間T2の長さに範囲があることが分か
る。たとえば、本実施例ではVw=4×Vdであるた
め、Von=5×Vd>VsatでかつVoff=3×
Vd<Vthを満足するには、少なくとも|Vsat−
Vth|<2×Vdとする必要があり、この不等式が成
立する|Vsat−Vth|の値を満足する遅延時間T
2を選択する必要がある。
【0053】本発明者等によれば、選択期間T3の長さ
を70μsecとし、これを1Hと定義すると、遅延期
間T2の好ましい範囲は、3H〜10Hであることが分
かった。この下限を下回るたとえば2H、あるいは上限
を上回るたとえば11Hを遅延期間T2としたとき、液
晶の飽和値Vsatとしきい値Vthとの電圧差|Vs
at−Vth|が大きすぎて、両条件を満足させること
はできなかった。
【0054】さらに好ましくは、液晶の飽和値Vsat
としきい値Vthとの電圧差|Vsat−Vth|がほ
ぼ最小値となる範囲で遅延期間T2を定めると、この遅
延期間T2は4H〜8Hとなる。この範囲で遅延期間を
設定すると、電圧差|Vsat−Vth|が小さいこと
から、温度によって液晶の飽和値Vsatとしきい値V
thが変動したとしても、上述の2つの条件を満足させ
る温度マージンが広がる。また、電圧差|Vsat−V
th|が小さいことから、オン/オフ電圧を小さくでき
る利点もある。
【0055】以上のことを、遅延期間T2の絶対時間で
定義すると、好ましくは210μsec〜700μse
cであり、さらに好ましくは、280μsec〜560
μsecとなる。なお、選択期間T3の長さを70μs
ec以外に設定した場合でも、上述の絶対時間で表した
遅延期間T3を適用することができる。
【0056】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶表示装置の実施例の液晶セル
の構造を示す概略断面図である。
【図2】本発明の駆動方法の一例を示す液晶駆動波形図
である。
【図3】本発明に用いる液晶費用時装置の液晶分子の挙
動を説明するための概略説明図である。
【図4】液晶セル中央の液晶分子のチルト角を説明する
ための概略説明図である。
【図5】図4で示す液晶セル中央の液晶分子の各期間に
おけるチルト角の変化を示す特性図である。
【図6】液晶の飽和値電圧及びしきい値電圧と、遅延期
間との関係を示す特性図である。
【図7】本発明に係る液晶表示装置の一例を示すブロッ
ク図である。
【符号の説明】
T1 リセット期間 T2 遅延期間 T3 選択期間 T4 非選択期間 Vsat 飽和値電圧 Vth しきい値電圧 1 液晶分子 2 ポリイミド配向膜 5 ガラス基板 7 偏光板 11 液晶セル 12 バックライト 13 走査駆動回路 14 信号駆動回路 15 走査制御回路 16 信号制御回路 17 電位設定回路 18 線順次走査回路 100 リセット電圧 110 遅延電圧 120 選択電圧 130 非選択電圧

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板間に封入された液晶分子が初期状態
    にて所定のねじれ角を有し、フレデリクス転移を生じさ
    せる電圧を印加した後の緩和状態として、初期状態とは
    異なる2つの準安定状態をもつ液晶を用い、1フレーム
    期間中に少なくともリセット期間、選択期間及び非選択
    期間を設定して液晶を駆動する液晶表示装置の駆動方法
    において、 (a)前記リセット期間に前記フレデリクス転移を生じ
    させるためのしきい値以上のリセット電圧を前記液晶に
    印加して、前記基板間のほぼ中央に位置する前記液晶分
    子の前記基板と平行な面に対するチルト角をほぼ90°
    とし、 (b)前記リセット期間と前記選択期間の間の遅延期間
    であって、前記基板間のほぼ中央に位置する前記液晶分
    子の前記チルト角が、少なくとも100〜110°にな
    るまでの間に、遅延電圧を前記液晶に印加し、 (c)前記遅延期間の後の前記選択期間に、前記2つの
    準安定状態のいずれか一方を選択するための選択電圧を
    前記液晶に印加し、 (d)前記選択期間に続く非選択期間に、非選択電圧を
    前記液晶に印加することを特徴とする液晶表示装置の駆
    動方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記選択期間は、前記液晶分子の前記チルト角が、ほぼ
    95°となる時期を含んで設定されることを特徴とする
    液晶表示装置の駆動方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、 前記遅延期間の長さを、210μsec〜700μse
    cとしたことを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 前記遅延期間の長さを、280μsec〜560μse
    cとしたことを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2において、 前記選択期間の長さを1H=ほぼ70μsecとしたと
    き、前記遅延期間の長さを、3H〜10Hとしたことを
    特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記遅延期間の長さを、4H〜8Hとしたことを特徴と
    する液晶表示装置の駆動方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかにおいて、 前記遅延電圧は、前記非選択期間に前記液晶に印加され
    る電圧と同等以下であることを特徴とする液晶表示装置
    の駆動方法。
JP35195196A 1996-12-11 1996-12-11 液晶表示装置の駆動方法 Withdrawn JPH10170888A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1295547C (zh) * 2001-11-30 2007-01-17 美能达株式会社 液晶显示元件的驱动方法、驱动装置及液晶显示装置

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