JPH10171096A - 位相シフトマスク及び位相シフトマスクブランク - Google Patents

位相シフトマスク及び位相シフトマスクブランク

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JPH10171096A
JPH10171096A JP35270496A JP35270496A JPH10171096A JP H10171096 A JPH10171096 A JP H10171096A JP 35270496 A JP35270496 A JP 35270496A JP 35270496 A JP35270496 A JP 35270496A JP H10171096 A JPH10171096 A JP H10171096A
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film
phase shifter
bond
phase shift
shift mask
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JP35270496A
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Hideaki Mitsui
英明 三ッ井
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 露光波長の短波長化(100nm〜250n
m)に対応しうるハーフトーン型位相シフトマスク及び
位相シフトマスクブランクスを提供する。 【解決手段】 ハーフトーン型位相シフトマスクにおけ
る位相シフター部3が、少なくとも珪素、炭素、窒素を
主たる構成要素とし、Si−C結合、Si−N結合、C
−N結合、Si−C−N結合、C−Si−N結合、及び
Si−N−C結合を複合的に含有する材料からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位相シフトマスク
及びその素材としての位相シフトマスクブランク等に関
し、特に、ハーフトーン型の位相シフトマスク及び位相
シフトマスクブランク等に関する。
【0002】
【従来の技術】1Mbitに始まったDRAMの高集積
化も、今日では16MbitDRAMの量産体制が確立
されるまでに至っている。この技術革新の中で露光光源
は超高圧水銀灯のg線(436nm)からi線(365
nm)へと短波長化されてきた。そして現在もなお、さ
らなる高集積化のための露光波長の短波長化が検討され
ている。しかし、通常の光リソグラフィー法において
は、露光波長の短波長化は解像度を改善する反面、同時
に焦点深度の減少を招く。このことは露光光学系の設計
に対して負担を増大させるばかりでなく、プロセスの安
定性を著しく低下させ、しいては製品の歩留まりに悪影
響を及ぼすという問題をもたらす。
【0003】位相シフト法は、このような問題に対して
有効な超解像方法の一つである。位相シフト法では、微
細パターンを転写するためのマスクとして位相シフトマ
スクが使用される。
【0004】位相シフトマスクは、例えば、マスク上の
パターン部分を形成する位相シフター部と、位相シフタ
ーの存在しない非パターン部からなり、両者を透過して
くる光の位相を180°ずらすことで、パターン境界部
分において光の相互干渉を発生させ、この効果により転
写像のコントラストを向上させる。さらに、位相シフト
法を用いることにより、必要な解像度を得るための焦点
深度の増大を図ることが可能となり、クロム膜等からな
る一般的な遮光パターンを持つ通常のマスクを用いた転
写プロセスに比べ、同じ波長の光を用いながら解像度の
改善とプロセスの安定性及び適用性を同時に向上させる
ことが可能である。
【0005】位相シフトマスクは、位相シフター部の光
透過特性によって、完全透過型(渋谷・レベンソン型)
位相シフトマスクと、ハーフトーン型位相シフトマスク
とに、実用的には大別することができる。前者は、位相
シフター部の光透過率が非パターン部(光透過部)と同
等であり、露光波長に対してほぼ透明なマスクであっ
て、一般的にラインアンドスペースの転写に有効である
といわれている。一方、後者は、位相シフター部の光透
過率が非パターン部(光透過部)の数%から数十%程度
であって、半導体製造プロセスにおけるコンタクトホー
ルや孤立パターンの作製に有効であるといわれている。
【0006】図1にハーフトーン型位相シフトマスクブ
ランク、図2にハーフトーン型位相シフトマスクの基本
的な構造をそれぞれ示す。なお、リソグラフィープロセ
スにおいて使用される場合のある反射防止層やエッチン
グストップ層などについては割愛した。ハーフトーン型
位相シフトマスクブランクは透明基板1上に位相シフタ
ー膜2を形成したものであり、また、ハーフトーン型位
相シフトマスクは、マスク上のパターン部分を形成する
位相シフター部3、位相シフターの存在しない非パター
ン部4からなる。
【0007】ハーフトーン型位相シフトマスクのうちに
は、構造が簡単で製造が容易な単層型のハーフトーン型
位相シフトマスクがある。このような単層型のハーフト
ーン型位相シフトマスクとしては、例えば、特開平5−
127361号公報に記載のクロム系の材料からなる位
相シフターを有するものや、特開平6−332152号
公報に記載のMoSiO、MoSiON等のMoSI系
の材料からなる位相シフターを有するもの、特開平7−
181664号公報に記載のW、Ta、Cr等の遷移金
属とSiとを含有する位相シフターを有するもの、ある
いは、特開平7−261370号公報に記載のSiN系
又はSiO系の材料からなる位相シフターを有するもの
等がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような位相シフト
マスクとの併用により、露光波長の短波長化も進んでお
り、近年では、より短波長の光としてフッ化クリプトン
(KrF)の励起発光によるKrFエキシマレーザ光
(248nm)の使用が検討されている。また、さらな
る短波長化としてフッ化アルゴン(ArF)エキシマレ
ーザ光(193nm)あるいは塩化アルゴン(ArC
l)エキシマレーザ光(175nm)の使用も提唱され
ている。
【0009】このような露光波長の短波長化に伴い、使
用する波長域は、紫外から深紫外、さらには真空紫外領
域へと移行するといわれているが、これに対応する位相
シフトマスク及び位相シフトマスクブランクにおいて重
要となることは、使用する露光波長での透過率の制御で
ある。可視から近紫外領域の場合とは異なり、波長が2
50nmより短い領域では多くの物質において、光吸収
の度合いが著しく大きくなるため所望する透過率に制御
することが難しくなる。位相シフターにおける透過率の
設定は、パターン転写において使用されるレジストの感
度やマスクの形式(透過型かハーフトーン型か)にもよ
るが、例えばハーフトーン型位相シフトマスクの場合、
露光光の位相を所定の角度シフトさせる位相シフターの
膜厚において露光光の透過率を4%から20%の範囲で
制御できることが望ましい。
【0010】一方、露光波長の短波長化は同時に、単位
時間当たりに照射されるエネルギー密度が増大すること
を意味する。これに対応して、位相シフター層を形成す
る膜材料には、高エネルギーの光照射によるダメージで
位相シフトマスクとしての機能を損なわないことが要求
される。ここでいうダメージとは、光照射によるシフタ
ー膜の光特性(屈折率、透過率など)の変化や色欠陥の
発生、膜厚変化、膜質劣化等を意味する。例えば、深紫
外域に波長を有するエキシマレーザを照射した場合、二
光子過程による膜中物質の励起が起こり、これが膜の光
学特性や膜質の変化につながるともいわれているが、そ
の詳細はまだ明らかにされていない。いずれにせよ、露
光波長の短波長化に伴う高エネルギー光の照射におい
て、位相シフター膜が高い照射耐性を有していること
も、必要不可欠な条件の一つである。
【0011】さらに、マスク材料という観点からシフタ
ー膜の材質を考えた場合、マスク作製プロセスにおける
酸やアルカリによる洗浄によって膜が変質したり、溶解
してはならない。すなわち、露光波長の長短によらず、
位相シフター膜には化学的耐久性が要求される。
【0012】また、位相シフトマスクは微細加工を行う
ための道具であるという観点から見れば、位相シフトマ
スクブランクの加工(パターンニング、エッチングな
ど)をより高精度に達成しうる微細加工性が必要であ
り、そのためには位相シフター膜が均質で、かつ膜中に
欠陥がないことが要求される。今後、露光波長の短波長
化とともにマスクパターンのさらなる微細化が進むとい
われており、位相シフター膜中の欠陥はパターン転写の
信頼性を左右する重要な問題となる。ここでいう欠陥と
は、位相シフター膜を成膜する際に膜内部に取り込まれ
る微粒子などを指しており、基板上に付着したダスト
や、成膜装置から発生するダスト(メカニカルダスト、
膜剥がれ物質など)に起因する場合が多い。この場合、
基板や装置から発生するダストを抑えることが有効な解
決策であることは言うまでもない。しかし一方で、マス
クブランク作製法として最も一般的であるスパッタ成膜
法においては、スパッタ中に発生する異常放電とこれに
より発生する微小飛散粒子が位相シフター膜中の欠陥の
数を急増させるともいわれており、装置構造、電源、タ
ーゲット作製方法、スパッタガスなどの制御による異常
放電減少の努力がなされてきた。異常放電そのものにつ
いてはスパッタ中チャンバー内壁やターゲット表面に堆
積、付着する絶縁(酸化)物のチャージアップがその原
因であると指摘する説もあり、電源の機能によってチャ
ージアップを改善しようとする試みもあるが、確実な方
法とは言い難い。いずれにせよ今後の位相シフトマスク
ブランクの作製では、量産ベースにおいて位相シフター
膜中に欠陥を導入するような不具合があってはならな
い。
【0013】しかしながら、従来のハーフトーン型位相
シフトマスク及びそのブランクにおいては、露光波長の
短波長化に対応した上述した課題への取り組みが十分に
なされていなかった。
【0014】本発明は上述した背景の下になされたもの
であり、上述した課題(要求特性)をすべて満たし、し
たがって、露光波長の短波長化に対応しうるハーフトー
ン型位相シフトマスク及びそのブランクの提供を目的と
する。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の位相シフトマスクは、(構成1)微細パター
ンの露光、転写を施す際に用いる転写マスクであって、
露光光を透過させる光透過部と、該光透過部を通過した
光に対して光の位相を所定量シフトさせる位相シフター
部とを有し、前記光透過部と位相シフター部との境界部
近傍にて各々を透過した光が互いに打ち消し合うように
光学特性を設計することで、被露光体表面に転写される
パターン境界部のコントラストを良好に保持、改善でき
るようにした位相シフトマスクにおいて、前記位相シフ
ター部が光透過部に対して光の位相を所定量だけシフト
させる厚さを有するとともに、前記位相シフター部が露
光光に対して所定量の光透過率を有し、かつ、位相シフ
ター部の構成成分が少なくとも珪素、炭素、窒素を主た
る構成要素とし、Si−C結合、Si−N結合、C−N
結合、Si−C−N結合、C−Si−N結合、及びSi
−N−C結合を同時に含有する材料からなることを特徴
とする構成とし、
【0016】また、前記構成の態様として、(構成2)
位相シフター部の材料として、さらに酸素又は水素のう
ち少なくとも一方を含有することを特徴とする構成と
し、
【0017】また、前記構成1〜2の態様として、(構
成3)位相シフター部を構成する物質として、各々原子
百分率(at%)において、珪素を5%〜65%、炭素
をを5%〜70%、窒素を10%〜80%、酸素を0%
〜30%、水素を0%〜30%に規定される範囲で含有
し、さらにこれらの合量が位相シフター部を構成する組
成全体の少なくとも80%以上を占めることを特徴とす
る構成とし、
【0018】また、前記構成1〜3の態様として、(構
成4)位相シフター部を構成する物質として、硼素、リ
ン、モリブデン、タングステン、タンタル、チタン、ク
ロム及び他の遷移金属から選ばれる少なくともいずれか
一種を含有することを特徴とする構成とし、
【0019】また、前記構成1〜4の態様として、(構
成5)露光光に対する位相シフター部の透過率が、4%
〜20%の範囲であることを特徴とする構成とし、
【0020】また、前記構成1〜5の態様として、(構
成6)露光光の波長が100nm以上250nm以下の
波長に対して使用することのできるように設計された位
相シフター部を有することを特徴とする構成とし、
【0021】また、前記構成1〜6の態様として、(構
成7)露光光の波長が150nm以上200nm以下の
波長に対して使用することのできるように設計された位
相シフター部を有することを特徴とする構成としてあ
る。
【0022】また、本発明の位相シフトマスクブランク
は、(構成8)前記構成1〜7のいずれかに記載の位相
シフトマスクの素材として用いられる位相シフトマスク
ブランクであって、透明基板上に、珪素、炭素、窒素を
主たる構成要素とし、Si−C結合、Si−N結合、C
−N結合、Si−C−N結合、C−Si−N結合、及び
Si−N−C結合を同時に含有する材料からなる薄膜を
形成したことを特徴とする構成としてある。
【0023】また、本発明のパターン転写方法は、(構
成9)前記構成1〜7のいずれかに記載の位相シフトマ
スクを用いてパターン転写を行うことを特徴とする構成
としてある。
【0024】なお、本発明において、Si−C結合、S
i−N結合、C−N結合、Si−C−N結合、C−Si
−N結合、及びSi−N−C結合で表される各結合種に
おける「−」の記号は、原子間の結合を意味するもので
あって、単結合に限らず多重結合や、それ以外の結合状
態(例えば、単結合と二重結合の中間の結合)等も含ま
れる。
【0025】
【作用】本発明の基本的条件は、紫外から深紫外までの
露光波長領域に対して使用が可能であることであり、し
たがって、位相シフター膜は、所望の露光光波長、例え
ばフッ化クリプトンエキシマレーザの発振波長である2
48nm、あるいはフッ化アルゴンエキシマレーザの発
振波長である193nmあるいはそれ以外の波長に対し
て、光半透過性を有し、かつ膜作製においてこの光半透
過性を制御できなければならない。また、光半透過性の
他にも光学的屈折率を有し、光半透過性と同様に制御で
きなければならない。屈折率は位相シフターの膜厚と相
関して、位相シフトマスクの重要な要件である位相シフ
ト角を定める。例えば、屈折率が2の場合、位相シフト
角180°が得られる膜厚は、波長248nmでは12
4nm(×N:自然数)であり、同様に波長193nm
では96.5nm(×N:自然数)となる。したがっ
て、所望の光半透過率も実際には、設定された位相シフ
ト角を達成する膜厚条件を満たすことを前提として要求
されるため、これらの数値を制御できることが非常に重
要となる。
【0026】これに対して上記構成1によれば、位相シ
フター膜の構成成分を珪素、炭素、窒素をその主たる構
成要素とすることによって、位相シフター膜として要求
される上記基本的条件を満たし、光学的屈折率を有しな
がら所望の波長域においても光半透過性を有するハーフ
トーン型位相シフター用の膜材料を提供することが可能
となる。
【0027】さらに、位相シフター膜中に、Si−C結
合、Si−N結合、C−N結合、Si−C−N結合、C
−Si−N結合、及びSi−N−C結合を複合的に有
し、かつ、これらの結合が膜中においてマトリックスを
構成することで、膜の微細な構造を堅固とし、膜の緻密
さを向上させるため、短波長の露光光照射で問題となる
高エネルギー光に対する膜のダメージの発生を抑制する
ことが可能となる。ここで、膜の構成要素とその効果に
ついて詳述すると、珪素は炭素、窒素と結合(Si−
C、Si−N、C−Si−Nもしくはこれに類する結
合)し、膜構造における主たるマトリックスを形成す
る。また、珪素を含む構造が膜の主たる構成要素である
ことから、下地基板として用いられる石英やガラス基板
などに対して良好な密着性を有する膜を得ることが可能
となる。同じように、炭素は主に珪素と結合する。これ
により形成される炭化珪素(Si−C)からなるユニッ
トは膜の化学的耐久性を向上させる。化学的耐久性は、
例えばマスク製造プロセスにおける酸やアルカリを使用
した洗浄工程に対して有効である。また、このユニット
は導電率の向上にも寄与する。炭素はこの他にもSi−
C−N結合を形成し、膜の構造を緻密かつ堅固なものと
する。一方、窒素は膜中の珪素あるいは炭素と結合す
る。珪素と結合した窒化珪素(Si−N)からなるユニ
ットは、露光光に対する膜の透過性を向上させる。ま
た、Si−Nからなるユニットは、一般的なドライエッ
チング条件において、石英基板に比べてエッチングが容
易であり、すなわち、石英基板と比較した場合の膜のド
ライエッチング選択比を向上させる。また、窒素は膜中
で遊離した炭素と一部で結合し、珪素と直接的に結合し
ていない炭素を膜のマトリックス中に固定する(C−N
結合、C−N−Si結合)。さらに、本発明の位相シフ
ター膜はその作製条件を任意に制御することが可能であ
り、容易にアモルファス状態の膜を得ることが可能であ
る。膜構造がアモルファスであるということは、膜内に
発生する応力を所望の値に適宜制御できるだけでなく、
最終的にパターニングによりマスクを作製するリソグラ
フィー工程において、微細パターンの加工性を顕著に向
上させる。
【0028】上記位相シフター膜の作製方法については
一般的な成膜方法として、スパッタ成膜法、熱やプラズ
マなどを利用した化学気相成長法(CVD)、イオンビ
ーム堆積法、蒸着法、電子線蒸着法等の各種薄膜形成方
法が使用できる。いずれの成膜方法を採用するかは基本
的に、材料の種類や性状、あるいは所望する膜質に応じ
て適宜選択すればよいが、膜質の制御性の広さや量産性
を考慮した場合、現在のところスパッタ法が好適であ
る。
【0029】スパッタ成膜法の場合、ターゲットとスパ
ッタガスとの組合せにより、実質的な膜成分を定めるこ
とが可能である。その組合せは多岐に及ぶが、例えば上
記本発明の位相シフター膜を作製する場合には、スパッ
タターゲットとして珪素又は珪素を含むターゲットを用
い、スパッタガスとして、炭素を含むガス、例えばメタ
ン、エタン、プロパン、エチレン、アセチレンなどと、
窒素を含むガス、例えば窒素、一酸化窒素、二酸化窒
素、一酸化二窒素、笑気ガス、アンモニアガスなどと、
アルゴン、キセノンや、水素、酸素、あるいは水素や酸
素を含むガスなどと、を適宜混合したスパッタガスを用
いることが可能である。また、スパッタターゲットとし
て、炭素を含むターゲットや窒化珪素を含むターゲッ
ト、あるいは炭化珪素を含むターゲット、さらにはこれ
らの素材の複合ターゲットを用いることも可能であり、
その際のスパッタガスとしては、スパッタ効率と最終的
に目的とする膜組成に見合った成分が添加できるような
ガス種を選択、混合して用いればよい。また、スパッタ
の際の電力印加方式、スパッタ出力、ガス圧、基板加熱
の有無等に関しては用いる材料系、目的とする膜特性に
応じて適宜選択すればよい。
【0030】上記構成2によれば、上記構成1で示した
珪素、炭素、窒素を主たる構成要素とする位相シフター
膜中に、さらに酸素又は水素のうち少なくとも一方を含
有することにより、その光学的特性制御の幅が広がる。
位相シフター膜中の酸素は、成膜後に膜表面に形成され
る酸化膜を除けば、そのほとんどが成膜中に膜の外部よ
りもたらされる。特にスパッタ成膜中にもたらされる酸
素は、ターゲット表面や装置内壁に絶縁酸化物を形成
し、異常放電を誘起する。酸素自体は、膜中において珪
素と結合し、特に可視域付近での光透過性を向上させる
が、より膜中欠陥の少ない良質な膜を作製するために
は、意図的にスパッタ用ガスとして導入する場合も含め
極力抑えた方がよい。水素も光透過性改善、微細加工性
改善等の点で有用ではあるが、膜中における熱的安定
性、光化学的安定性を考慮してその導入量を決定する必
要がある。
【0031】透明基板表面に所望の位相シフターパター
ンが配置されるようなマスク設計(マスク構造)におい
て、リソグラフィー法によって位相シフトマスクブラン
ク上の位相シフター層に微細加工を施すことで所望の光
学設計を満たしたハーフトーン型位相シフトマスを容易
に作製できる。リソグラフィー法としては、一般的なマ
スク製造プロセスに用いられる方法が適用できるが、例
えば、位相シフトマスクブランク上の位相シフター層の
パターニングについては、CF4、C26、CHF3、S
6、NF3などのフッ素を含むガスや、Cl2、CH2
2などの塩素を含むガス、さらにO2、O3、H2Oなど
の酸素を含むガス等のエチングガスを適宜混合して用い
たドライエッチング方式を好適に使用できる。なお、ド
ライエッチングにおいて、アルゴン、水素、ヘリウム、
あるいはその他のガスを上記エチングガスに混合して用
い、エッチング特性の制御を行うことも有効である。
【0032】上記構成3によれば、構成3に示した各構
成元素の割合の範囲において、所望かつ好適な膜材料を
得ることが可能となる。すなわち、珪素が5%未満の場
合、珪素と炭素、窒素等との結合が少なく、膜の緻密さ
を向上することが難しくなり、また、珪素が65%より
多いと、膜中に単体で存在する珪素の割合が多くなり、
膜の化学的耐久性や光学的特性が低下する恐れがある。
また、炭素が5%未満の場合、珪素と炭素の結合が少な
くなり、化学的耐久性が低下し、また、炭素が70%よ
り多いと、光学係数の制御性が低下する恐れがある。さ
らに、窒素が10%未満の場合、透過率の向上に寄与す
ることができなくなり、また、窒素が80%より多い
と、膜中の余剰窒素の割合が増加し、膜中で不安定化
し、膜中の窒素が抜けてしまう原因となる恐れがある。
【0033】さらに、酸素又は水素のうち少なくとも一
方を含有する場合にあっては、酸素が30%より多い
と、膜中の欠陥を誘発する異常放電の原因となりやすく
なる。また、水素が30%より多いと、膜中で不安定化
し、膜中の水素が抜けてしまう原因となる恐れがある。
【0034】上記構成4によれば、位相シフター膜を構
成する物質として、上記主構成材料以外の物質として、
硼素、リン、モリブデン、タングステン、タンタル、チ
タン、クロム及び他の遷移金属から選ばれる少なくとも
いずれか一種を含有することによって、膜特性の改善、
例えば、金属の添加による膜の導電性の向上や、可視光
域(検査光波長域)での透過率の改善やその他光学特性
の制御に効果的であり、したがって、さらに好適な膜材
料を得ることが可能となる。
【0035】上記構成5によれば、露光光に対する位相
シフター膜の透過率を、4%〜20%の範囲にすること
によって、ハーフトーン型位相シフトマスクとして十分
なものが得られる。
【0036】上記構成6によれば、露光光の波長が10
0nm〜250nmの波長に対して使用することのでき
るように設計された位相シフター膜を有することによっ
て、前述したフッ化クリプトンエキシマレーザや、フッ
化アルゴンエキシマレーザ、塩化アルゴンエキシマレー
ザ等の短波長光源を光源とする光リソグラフィー用のハ
ーフトーン型位相シフトマスクとして好適に用いること
が可能となり、特に、露光光の波長が150nm〜20
0nmにおいて上述したすべての効果が最大限に発揮さ
れる。
【0037】上記構成8によれば、上述した短波長領域
で使用可能な位相シフトマスクの製造に適した位相シフ
トマスクブランクが得られ、また、上記構成9によれ
ば、上述した短波長の露光光を用いたパターン転写を実
現できる。
【0038】
【実施例】以下、実施例にもとづき本発明をより具体的
に説明する。
【0039】実施例1 実施例1では、Si34粉末と単結晶Si粉末とを重量
比にして約4対1の割合で混合し焼結したものをスパッ
タ用ターゲットとして用い、ArとN2とCH4とを約2
対3対4の割合で混合したガスをスパッタガスとして用
いた。スパッタガスの導入条件は、混合ガスの総導入量
を40SCCMとした上で、排気ポンプ直上の圧力調整
器にてスパッタ時の装置内圧力が3mTorrとなるよ
うに設定した。
【0040】ハーフトーン位相シフター膜の成膜は、石
英基板上に直流スパッタ放電によって行った。直流放電
を実施するためには、スパッタターゲットがある程度の
導電性を有することが必要条件であるが、ターゲットを
構成する材料が半絶縁体、あるいは不導体(非導電体)
のように直流放電が難しい場合には、最終的に形成され
たハーフトーン位相シフター膜としての特性に特に支障
のない範囲で、ターゲットに導電性を付与するような材
料、例えば硼素などを若干量添加してもよい。放電方式
に関しては直流放電以外にも、プラズマ放電がターゲッ
トの導電性に影響されにくい高周波放電方式や、交流放
電方式を用いることも実質的に可能である。ただし、い
ずれの場合においても、所望する膜を作製するにあたり
膜中の欠陥を極力低減させることが重要である。
【0041】スパッタに用いるガスとしては、上記の物
質及び混合比率に限定されるものではなく、例えば、A
rの代わりにXeガスを、N2の代わりにNH3、N
2O、NO2、NOなどの窒素を含むガスを、CH4の代
わりにC24、C22、CO、CO2などの炭素を含む
ガスを、あるいは、これらの不活性ガス、窒素を含むガ
ス及び炭素を含むガスを適宜選択し、混合して用いるこ
とが可能である。ただし、先に述べたように、スパッタ
放電中に形成される絶縁酸化物の堆積量を低減し、これ
により誘引される異常放電を抑制して欠陥の少ない膜を
得るためには、酸素含有率を極力抑えるような混合ガス
系を使用することが望ましい。
【0042】このようにして石英基板上に作製したハー
フトーン位相シフター膜について、膜厚を触針法で、透
過率を分光光度計を用いて測定したところ、膜厚は67
5オンク゛ストローム(図2)であり、193nmにおける分光
透過率は7.2%であった(図3)。また、同じく、分
光光度計を用いて測定した膜の反射率、透過率、膜厚か
ら屈折率(n)を計算したところ、屈折率(n)は2.
43であり、膜厚675オンク゛ストロームにおいて193nm
の波長の光の位相を180°シフトさせるのに十分であ
ることを確認した。
【0043】作製したハーフトーン位相シフター膜の化
学的耐久性については、酸への浸漬及び浸漬前後の膜質
変化により評価した。膜厚が675オンク゛ストローム、193
nmにおける分光透過率が7.2%であった上記ハーフ
トーン位相シフター膜を、90℃に加熱した熱濃硫酸へ
120分間浸漬した後、上記と同様に測定したところ、
膜厚は672オンク゛ストローム、193nmにおける分光透過
率は7.3%であり、酸への浸漬によってもたらされる
位相シフト角のずれは1°以内と十分な熱濃硫酸に対す
る耐性を有していた。浸漬前後の膜質の変化もなかっ
た。同様に、過酸化水素水と硫酸とを1対4の割合で混
合した過水硫酸溶液に、120℃で120分間浸漬した
場合についても、十分な薬液耐性を有していることを確
認した。
【0044】作製したハーフトーン位相シフター膜の光
照射耐性に関しては、193nmに発振波長を有するA
rFエキシマレーザを照射し、照射前後における膜の透
過率、屈折率、膜厚を評価した。その結果、単パルス当
たりの照射エネルギー密度が13.5mJ/cm2であ
るArFエキシマレーザを10000パルス照射した前
後において、透過率、屈折率、膜厚に優位な変化は見ら
れず、ハーフトーン位相シフター膜としてその特性は非
常に安定していた。
【0045】作製したハーフトーン位相シフター膜のエ
ッチングは、反応性イオンエッチングにより行った。こ
の際、エッチングガスとしてC26と酸素を流量比にて
1対3の割合で混合したガスを用いた。この結果、石英
基板に対して5〜6倍のエッチング選択比を有しながら
良好にエッチングできることを確認した。また、膜構造
がアモルファスであるため、エッチングパターンの側壁
も滑らかであった。なお、位相シフター膜のエッチング
は、上記の方法に限定されず、エッチング方式や、エッ
チングガス、さらには詳細なエッチング条件等を最適に
選択設定すればよい。
【0046】以上の実施例1に示したごとく、ハーフト
ーン位相シフター膜として良好な膜質と、光学特性を兼
ね備えた薄膜の作製が容易に可能であった。
【0047】実施例2 実施例2では、スパッタ用ターゲットとしてSiCとC
からなるターゲットを用い、スパッタガスとしてArと
2とを約1対6の割合で混合したガスを用いた。スパ
ッタガスの導入条件は、混合ガスの総導入量を40SC
CMとした上で、排気ポンプ直上の圧力調整器にてスパ
ッタ時の装置内圧力が3mTorrとなるように設定し
た。
【0048】ハーフトーン位相シフター膜の成膜は、石
英基板上に直流スパッタ放電によって行った。なお、放
電方式やスパッタガスに関しては、上記のものに限定さ
れず、実施例1と同様に、適宜選択できる。例えば、放
電方式に関しては、高周波スパッタ方式や交流スパッタ
方式等を使用することが可能である。また、スパッタガ
スに関しても、Arの代わりにXeガスを、N2の代わ
りにNH3、N2O、NO2、NOなどの窒素を含むガス
を、あるいは、これらの不活性ガス、及び窒素を含むガ
スについて酸素分率を極力低下させるという観点から適
宜選択し、混合して用いることが可能である。したがっ
て、目的を達成するために最適なスパッタ方式、スパッ
タガス素材を用いればよい。
【0049】このようにして石英基板上に作製したハー
フトーン位相シフター膜について、膜厚を触針法で、透
過率を分光光度計を用いて測定したところ、膜厚は80
4オンク゛ストロームであり、193nmにおける分光透過率は
6.0%であった。また、同じく分光光度計を用いて測
定した膜の反射率、透過率、膜厚から屈折率(n)を計
算したところ、屈折率(n)は2.20であり、膜厚8
04オンク゛ストロームにおいて193nmの波長の光の位相を
180°シフトさせるのに十分であることを確認した。
【0050】作製したハーフトーン位相シフター膜の化
学的耐久性については、実施例1と同様に、酸への浸漬
前後における膜質及び光学特性の変化により評価した。
その結果、熱濃硫酸及び過水硫酸溶液へのいずれの浸漬
においても、もたらされる位相シフト角のずれは2°以
下であり、かつ、透過率の変化も0.5%以下であり、
十分な薬液耐性を有していることを確認した。
【0051】作製したハーフトーン位相シフター膜の光
照射耐性に関しては、実施例1と同様に、193nmに
発振波長を有し、単パルス当たりの照射エネルギー密度
が13.5mJ/cm2であるArFエキシマレーザを
10000パルス照射した前後において、透過率、屈折
率、膜厚の変化を測定したが測定値に優位差は見られ
ず、ハーフトーン位相シフター膜としてその特性は非常
に安定していた。
【0052】作製したハーフトーン位相シフター膜のエ
ッチングは、実施例1と同様に、反応性イオンエッチン
グにより行った。この際、エッチングガスとしてCHF
3と酸素を流量比にて1対2.5の割合で混合したガス
を用いた。この結果、石英基板に対して4〜7倍のエッ
チング選択比を有しながら良好にエッチングできること
を確認した。なお、位相シフター膜のエッチングは、上
記の方法に限定されず、エッチング方式や、エッチング
ガス、さらには詳細なエッチング条件等を最適に選択設
定すればよい。
【0053】以上の実施例2に示したごとく、実施例2
においても実施例1と同様に、ハーフトーン位相シフタ
ー膜として良好な膜質と、光学特性を兼ね備えた薄膜の
作製が容易に可能であった。
【0054】実施例3 実施例3では、スパッタ用ターゲットとしてSiからな
るターゲットを用い、スパッタガスとしてArとN2
CH4とを約1対5対5の割合で混合したガスを用い
た。スパッタガスの導入条件は、混合ガスの総導入量を
40SCCMとした上で、排気ポンプ直上の圧力調整器
にてスパッタ時の装置内圧力が3mTorrとなるよう
に設定した。
【0055】ハーフトーン位相シフター膜の成膜は、石
英基板上に直流スパッタ放電によって行った。なお、放
電方式やスパッタガスに関しては、上記のものに限定さ
れず、実施例1と同様に、適宜選択できる。例えば、放
電方式に関しては、高周波スパッタ方式や交流スパッタ
方式等を使用することが可能である。また、スパッタガ
スに関しても、Arの代わりにXeガスを、N2の代わ
りにNH3、N2O、NO2、NOなどの窒素を含むガス
を、CH4の代わりにC24、C22、CO、CO2など
の炭素を含むガスを、あるいは、これらの不活性ガス、
窒素を含むガス及び炭素を含むガスについて酸素分率を
極力低下させるという観点から適宜選択し、混合して用
いることが可能である。したがって、目的を達成するた
めに最適なスパッタ方式、スパッタガス素材を用いれば
よい。
【0056】このようにして石英基板上に作製したハー
フトーン位相シフター膜について、膜厚を触針法で、透
過率を分光光度計を用いて測定したところ、膜厚は71
0オンク゛ストロームであり、193nmにおける分光透過率は
5.7%であった。また、同じく分光光度計を用いて測
定した膜の反射率、透過率、膜厚から屈折率(n)を計
算したところ、屈折率(n)は2.36であり、膜厚7
10オンク゛ストロームにおいて193nmの波長の光の位相を
180°シフトさせるのに十分であることを確認した。
【0057】作製したハーフトーン位相シフター膜の化
学的耐久性については、実施例1と同様に、酸への浸漬
前後における膜質及び光学特性の変化により評価した。
その結果、熱濃硫酸及び過水硫酸溶液へのいずれの浸漬
においても、もたらされる位相シフト角のずれは2°以
下であり、かつ、透過率の変化も0.5%以下であり、
十分な薬液耐性を有していることを確認した。
【0058】作製したハーフトーン位相シフター膜の光
照射耐性に関しては、実施例1と同様に、193nmに
発振波長を有し、単パルス当たりの照射エネルギー密度
が13.5mJ/cm2であるArFエキシマレーザを
10000パルス照射した前後において、透過率、屈折
率、膜厚の変化を測定したが測定値に優位差は見られ
ず、ハーフトーン位相シフター膜としてその特性は非常
に安定していた。
【0059】作製したハーフトーン位相シフター膜のエ
ッチングは、実施例1と同様に、反応性イオンエッチン
グにより行った。この際、エッチングガスとしてC26
と酸素を流量比にて1対3の割合で混合したガスを用い
た。この結果、石英基板に対して4倍以上のエッチング
選択比を有しながら良好にエッチングできることを確認
した。なお、位相シフター膜のエッチングは、上記の方
法に限定されず、エッチング方式や、エッチングガス、
さらには詳細なエッチング条件等を最適に選択設定すれ
ばよい。
【0060】以上の実施例3に示したごとく、実施例3
においても実施例1と同様に、ハーフトーン位相シフタ
ー膜として良好な膜質と、光学特性を兼ね備えた薄膜の
作製が容易に可能であった。
【0061】実施例4 実施例4では、スパッタ用ターゲットとしてSi34
SiCとからなるターゲットを用い、スパッタガスとし
てArとN2とCH4とを約1対1対1の割合で混合した
ガスを用いた。スパッタガスの導入条件は、混合ガスの
総導入量を40SCCMとした上で、排気ポンプ直上の
圧力調整器にてスパッタ時の装置内圧力が3mTorr
となるように設定した。
【0062】ハーフトーン位相シフター膜の成膜は、石
英基板上に直流スパッタ放電によって行った。なお、放
電方式やスパッタガスに関しては、上記のものに限定さ
れず、実施例1と同様に、適宜選択できる。例えば、放
電方式に関しては、高周波スパッタ方式や交流スパッタ
方式等を使用することが可能である。また、スパッタガ
スに関しても、Arの代わりにXeガスを、N2の代わ
りにNH3、N2O、NO2、NOなどの窒素を含むガス
を、CH4の代わりにC24、C22、CO、CO2など
の炭素を含むガスを、あるいは、これらの不活性ガス、
窒素を含むガス及び炭素を含むガスについて酸素分率を
極力低下させるという観点から適宜選択し、混合して用
いることが可能である。したがって、目的を達成するた
めに最適なスパッタ方式、スパッタガス素材を用いれば
よい。
【0063】このようにして石英基板上に作製したハー
フトーン位相シフター膜について、膜厚を触針法で、透
過率を分光光度計を用いて測定したところ、膜厚は59
6オンク゛ストロームであり、193nmにおける分光透過率は
8.5%であった。また、同じく分光光度計を用いて測
定した膜の反射率、透過率、膜厚から屈折率(n)を計
算したところ、屈折率(n)は2.62であり、膜厚5
96オンク゛ストロームにおいて193nmの波長の光の位相を
180°シフトさせるのに十分であることを確認した。
【0064】作製したハーフトーン位相シフター膜の化
学的耐久性については、実施例1と同様に、酸への浸漬
前後における膜質及び光学特性の変化により評価した。
その結果、熱濃硫酸及び過水硫酸溶液へのいずれの浸漬
においても、もたらされる位相シフト角のずれは2°以
下であり、かつ、透過率の変化も0.8%以下であり、
十分な薬液耐性を有していることを確認した。
【0065】作製したハーフトーン位相シフター膜の光
照射耐性に関しては、実施例1と同様に、193nmに
発振波長を有し、単パルス当たりの照射エネルギー密度
が13.5mJ/cm2であるArFエキシマレーザを
10000パルス照射した前後において、透過率、屈折
率、膜厚の変化を測定したが測定値に優位差は見られ
ず、ハーフトーン位相シフター膜としてその特性は非常
に安定していた。
【0066】作製したハーフトーン位相シフター膜のエ
ッチングは、実施例1と同様に、反応性イオンエッチン
グにより行った。この際、エッチングガスとしてC26
と酸素を流量比にて1対3の割合で混合したガスを用い
た。この結果、石英基板に対して4倍以上のエッチング
選択比を有しながら良好にエッチングできることを確認
した。なお、位相シフター膜のエッチングは、上記の方
法に限定されず、エッチング方式や、エッチングガス、
さらには詳細なエッチング条件等を最適に選択設定すれ
ばよい。
【0067】以上の実施例4に示したごとく、実施例4
においても実施例1と同様に、ハーフトーン位相シフタ
ー膜として良好な膜質と、光学特性を兼ね備えた薄膜の
作製が容易に可能であった。
【0068】実施例5 実施例5では、スパッタ用ターゲットとしてSiとSi
Cとからなるターゲットを用い、スパッタガスとしてA
rとN2とを約1対4の割合で混合したガスを用いた。
スパッタガスの導入条件は、混合ガスの総導入量を40
SCCMとした上で、排気ポンプ直上の圧力調整器にて
スパッタ時の装置内圧力が3mTorrとなるように設
定した。
【0069】ハーフトーン位相シフター膜の成膜は、石
英基板上に直流スパッタ放電によって行った。なお、放
電方式やスパッタガスに関しては、上記のものに限定さ
れず、実施例1と同様に、適宜選択できる。例えば、放
電方式に関しては、高周波スパッタ方式や交流スパッタ
方式等を使用することが可能である。また、スパッタガ
スに関しても、Arの代わりにXeガスを、N2の代わ
りにNH3、N2O、NO2、NOなどの窒素を含むガス
を、あるいは、これらの不活性ガス、及び窒素を含むガ
スについて酸素分率を極力低下させるという観点から適
宜選択し、混合して用いることが可能である。したがっ
て、目的を達成するために最適なスパッタ方式、スパッ
タガス素材を用いればよい。
【0070】このようにして石英基板上に作製したハー
フトーン位相シフター膜について、膜厚を触針法で、透
過率を分光光度計を用いて測定したところ、膜厚は77
2オンク゛ストロームであり、193nmにおける分光透過率は
5.5%であった。また、同じく分光光度計を用いて測
定した膜の反射率、透過率、膜厚から屈折率(n)を計
算したところ、屈折率(n)は2.25であり、膜厚7
72オンク゛ストロームにおいて193nmの波長の光の位相を
180°シフトさせるのに十分であることを確認した。
【0071】作製したハーフトーン位相シフター膜の化
学的耐久性については、実施例1と同様に、酸への浸漬
前後における膜質及び光学特性の変化により評価した。
その結果、熱濃硫酸及び過水硫酸溶液へのいずれの浸漬
においても、もたらされる位相シフト角のずれは1.7
°以下であり、かつ、透過率の変化も0.6%以下であ
り、十分な薬液耐性を有していることを確認した。作製
したハーフトーン位相シフター膜の光照射耐性に関して
は、実施例1と同様に、193nmに発振波長を有し、
単パルス当たりの照射エネルギー密度が13.5mJ/
cm2であるArFエキシマレーザを10000パルス
照射した前後において、透過率、屈折率、膜厚の変化を
測定したが測定値に優位差は見られず、ハーフトーン位
相シフター膜としてその特性は非常に安定していた。
【0072】作製したハーフトーン位相シフター膜のエ
ッチングは、実施例1と同様に、反応性イオンエッチン
グにより行った。この際、エッチングガスとしてC26
と酸素を流量比にて1対3の割合で混合したガスを用い
た。この結果、石英基板に対して4倍以上のエッチング
選択比を有しながら良好にエッチングできることを確認
した。なお、位相シフター膜のエッチングは、上記の方
法に限定されず、エッチング方式や、エッチングガス、
さらには詳細なエッチング条件等を最適に選択設定すれ
ばよい。
【0073】以上の実施例5に示したごとく、実施例5
においても実施例1と同様に、ハーフトーン位相シフタ
ー膜として良好な膜質と、光学特性を兼ね備えた薄膜の
作製が容易に可能であった。
【0074】実施例6 実施例6では、スパッタ用ターゲットとしてSi34
Taとからなるターゲットを用い、スパッタガスとして
ArとN2とCH4とを約1対2対2の割合で混合したガ
スを用いた。スパッタガスの導入条件は、混合ガスの総
導入量を40SCCMとした上で、排気ポンプ直上の圧
力調整器にてスパッタ時の装置内圧力が3mTorrと
なるように設定した。
【0075】ハーフトーン位相シフター膜の成膜は、石
英基板上に直流スパッタ放電によって行った。なお、放
電方式やスパッタガスに関しては、上記のものに限定さ
れず、実施例1と同様に、適宜選択できる。例えば、放
電方式に関しては、高周波スパッタ方式や交流スパッタ
方式等を使用することが可能である。また、スパッタガ
スに関しても、Arの代わりにXeガスを、N2の代わ
りにNH3、N2O、NO2、NOなどの窒素を含むガス
を、CH4の代わりにC24、C22、CO、CO2など
の炭素を含むガスを、あるいは、これらの不活性ガス、
窒素を含むガス及び炭素を含むガスについて酸素分率を
極力低下させるという観点から適宜選択し、混合して用
いることが可能である。したがって、目的を達成するた
めに最適なスパッタ方式、スパッタガス素材を用いれば
よい。
【0076】このようにして石英基板上に作製したハー
フトーン位相シフター膜について、膜厚を触針法で、透
過率を分光光度計を用いて測定したところ、膜厚は63
9オンク゛ストロームであり、193nmにおける分光透過率は
4.0%であった。また、同じく分光光度計を用いて測
定した膜の反射率、透過率、膜厚から屈折率(n)を計
算したところ、屈折率(n)は2.51であり、膜厚6
39オンク゛ストロームにおいて193nmの波長の光の位相を
180°シフトさせるのに十分であることを確認した。
【0077】作製したハーフトーン位相シフター膜の化
学的耐久性については、実施例1と同様に、酸への浸漬
前後における膜質及び光学特性の変化により評価した。
その結果、熱濃硫酸及び過水硫酸溶液へのいずれの浸漬
においても、もたらされる位相シフト角のずれは1.5
°以下であり、かつ、透過率の変化も0.5%以下であ
り、十分な薬液耐性を有していることを確認した。
【0078】作製したハーフトーン位相シフター膜の光
照射耐性に関しては、実施例1と同様に、193nmに
発振波長を有し、単パルス当たりの照射エネルギー密度
が13.5mJ/cm2であるArFエキシマレーザを
10000パルス照射した前後において、透過率、屈折
率、膜厚の変化を測定したが測定値に優位差は見られ
ず、ハーフトーン位相シフター膜としてその特性は非常
に安定していた。
【0079】作製したハーフトーン位相シフター膜のエ
ッチングは、実施例1と同様に、反応性イオンエッチン
グにより行った。この際、エッチングガスとしてSF6
と酸素を流量比にて1対3の割合で混合したガスを用い
た。この結果、石英基板に対して5倍以上のエッチング
選択比を有しながら良好にエッチングできることを確認
した。なお、位相シフター膜のエッチングは、上記の方
法に限定されず、エッチング方式や、エッチングガス、
さらには詳細なエッチング条件等を最適に選択設定すれ
ばよい。
【0080】以上の実施例6に示したごとく、実施例6
においても実施例1と同様に、ハーフトーン位相シフタ
ー膜として良好な膜質と、光学特性を兼ね備えた薄膜の
作製が容易に可能であった。
【0081】なお、いずれの実施例においても本発明は
容易に工程化することができ、位相シフトマスクブラン
ク及び位相シフトマスクの製造においても十分に高い量
産性を具備することが確認された。
【0082】図4〜6は、上記実施例にて作製したハー
フトーン位相シフター膜のESCA(Electron Spectro
scopy for Chemical Analysis)分析の結果である。ま
ず、図4にて窒素に着目しその特性ピーク(N1s)から
結合エネルギーと結合状態を同定すると、397.4e
Vにピークを有するSi34が検出できる。また、ピー
クの広がりはいわゆるSi−Nの状態で表される珪素と
窒素の結合種の存在を示唆する。図5にて珪素の特性ピ
ーク(Si2p)に着目した結果、このピークは、10
1.6eVに存在するSi34と、100.4eVに存
在するSiCと、各々の前後に分布するナイトライド、
カーバイド及びこれらを結合種として有するSi−C−
N結合、C−Si−N結合、Si−N−C結合、さらに
は低エネルギー側の珪素による信号が重畳したものであ
ることは明らかである。さらに、図6に示すように炭素
の特性ピーク(C1s)に着目して解析した結果、高エネ
ルギー側に分布するC−Nで表現される結合からの信号
と、炭素あるいはグラファイトあるいはC−Cで表現さ
れる結合からの信号と、283.3eVに存在するSi
−Cからの信号と、この近傍に存在するカーバイドある
いはSi−C−N結合、C−Si−N結合及びSi−N
−C結合からの信号が重畳していることが明らかであ
る。以上のように、本発明におけるハーフトーン位相シ
フター膜は、Si−N、Si−C及びC−Nで表される
結合種を有する膜であり、さらにこれらの結合種が膜中
に一定の割合で存在する膜である。
【0083】以上実施例をあげて本発明を説明したが、
上記で示した実施例は本発明を具体化する一例であり、
その条件及び実施内容によって本発明を制限するもので
はない。
【0084】例えば、実施例において、透明基板とし
て、石英基板の代わりに、蛍石、その他各種ガラス基板
(例えば、フッリン酸系ガラス、フッホウ酸系ガラス
等)などを用いてもよい。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、近
紫外〜極紫外領域において透過率及び屈折率の制御が可
能なハーフトーン位相シフター膜を得ることができ、さ
らに、本発明のハーフトーン位相シフター膜は、高エネ
ルギーの短波長光に対して安定であり、かつ、マスク製
造プロセスにいおて使用される薬品に対しても十分な耐
性を有し、膜中の欠陥が少なく微細加工性に優れ、した
がって、露光光の短波長化に対応した優れた位相シフト
マスク及びその素材としての位相シフトマスクブランク
を高い量産性の下で容易に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハーフトーン型位相シフトマスクブランクを示
す模式的断面図である。
【図2】ハーフトーン型位相シフトマスクを示す模式的
断面図である。
【図3】実施例1におけるハーフトーン位相シフター膜
の紫外から可視光領域における分光透過率を示す図であ
り、図3(b)は図3(a)の部分拡大図である。
【図4】実施例におけるハーフトーン位相シフター膜の
窒素に着目したESCA分析結果を示す図である。
【図5】実施例におけるハーフトーン位相シフター膜の
珪素に着目したESCA分析結果を示す図である。
【図6】実施例におけるハーフトーン位相シフター膜の
炭素に着目したESCA分析結果を示す図である。
【符号の説明】 1 透明基板 2 位相シフター膜 3 位相シフター部 4 非パターン部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微細パターンの露光、転写を施す際に用
    いる転写マスクであって、露光光を透過させる光透過部
    と、該光透過部を通過した光に対して光の位相を所定量
    シフトさせる位相シフター部とを有し、前記光透過部と
    位相シフター部との境界部近傍にて各々を透過した光が
    互いに打ち消し合うように光学特性を設計することで、
    被露光体表面に転写されるパターン境界部コントラスト
    を良好に保持、改善できるようにした位相シフトマスク
    において、 前記位相シフター部が光透過部に対して光の位相を所定
    量だけシフトさせる厚さを有するとともに、前記位相シ
    フター部が露光光に対して所定量の光透過率を有し、か
    つ、位相シフター部の構成成分が少なくとも珪素、炭
    素、窒素を主たる構成要素とし、Si−C結合、Si−
    N結合、C−N結合、Si−C−N結合、C−Si−N
    結合、及びSi−N−C結合を同時に含有する材料から
    なることを特徴とする位相シフトマスク。
  2. 【請求項2】 位相シフター部の材料として、さらに酸
    素又は水素のうち少なくとも一方を含有することを特徴
    とする請求項1に記載の位相シフトマスク。
  3. 【請求項3】 位相シフター部を構成する物質として、
    各々原子百分率において、珪素を5%〜65%、炭素を
    5%〜70%、窒素を10%〜80%、酸素を0%〜3
    0%、水素を0%〜30%に規定される範囲で含有し、
    さらにこれらの合量が位相シフター部を構成する組成全
    体の少なくとも80%以上を占めることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の位相シフトマスク。
  4. 【請求項4】 位相シフター部を構成する物質として、
    硼素、リン、モリブデン、タングステン、タンタル、チ
    タン、クロム及び他の遷移金属から選ばれる少なくとも
    いずれか一種を含有することを特徴とする請求項1〜3
    から選ばれるいずれか一項に記載の位相シフトマスク。
  5. 【請求項5】 露光光に対する位相シフター部の透過率
    が、4%〜20%の範囲であることを特徴とする請求項
    1〜4から選ばれるいずれか一項に記載の位相シフトマ
    スク。
  6. 【請求項6】 露光光の波長が100nm以上250n
    m以下の波長に対して使用することのできるように設計
    された位相シフター部を有することを特徴とする請求項
    1〜5から選ばれるいずれか一項に記載の位相シフトマ
    スク。
  7. 【請求項7】 露光光の波長が150nm以上200n
    m以下の波長に対して使用することのできるように設計
    された位相シフター部を有することを特徴とする請求項
    1〜6から選ばれるいずれか一項に記載の位相シフトマ
    スク。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の位相シ
    フトマスクの素材として用いられる位相シフトマスクブ
    ランクであって、 透明基板上に、珪素、炭素、窒素を主たる構成要素と
    し、Si−C結合、Si−N結合、C−N結合、Si−
    C−N結合、C−Si−N結合、及びSi−N−C結合
    を同時に含有する材料からなる薄膜を形成したことを特
    徴とする位相シフトマスクブランク。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれかに記載の位相シ
    フトマスクを用いてパターン転写を行うことを特徴とす
    るパターン転写方法。
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