JPH10172805A - 過電流保護回路素子 - Google Patents

過電流保護回路素子

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JPH10172805A
JPH10172805A JP33390296A JP33390296A JPH10172805A JP H10172805 A JPH10172805 A JP H10172805A JP 33390296 A JP33390296 A JP 33390296A JP 33390296 A JP33390296 A JP 33390296A JP H10172805 A JPH10172805 A JP H10172805A
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JP
Japan
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conductive
circuit element
conductive composite
conductive composition
protection circuit
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JP33390296A
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Kihachiro Nishiuchi
紀八郎 西内
Minoru Takenaka
稔 竹中
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Otsuka Chemical Co Ltd
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Otsuka Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】室温で低い抵抗率を示し、かつ、良好なスイッ
チング比を有し、繰り返し使用に対して安定で、かつ、
再現性の良好なPTC効果を有する過電流加熱保護のた
めの回路素子を提供する。 【解決手段】導電性組成物と導電性組成物に接触した少
なくとも2つの電極を有してなる過電流保護回路素子で
あって、前記導電性組成物がオレフィン系樹脂及び導電
性物質を有効成分とし、当該導電性物質を10〜75重
量%含有すること、前記導電性組成物が電子線照射され
ていること及び前記電極がニッケル箔であることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PTC(Positive
Temperature Coefficient:正温度係数)特性を示す
導電性組成物(以下「PTC導電性組成物」という)を
用いた過電流保護回路素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】PTC導電性組成物には、Y2 3 を微
量添加したチタン酸バリウム(BaTiO3 )等の無機
組成物、結晶性有機ポリマーマトリックスに導電性粒子
を分散した有機組成物(後者の例として、特開昭46−
2724号公報参照)等が知られている。
【0003】有機組成物においては、ポリマーマトリッ
クスの結晶融点よりも低い温度にある間は、導電性粒子
はポリマーマトリックスの非結晶領域のみに存在し、導
電性粒子相互に接続された鎖を通って移動する電子によ
り低い抵抗率を示す。温度が上昇し、ポリマーマトリッ
クスが融解し始めると、ポリマーマトリックスの粘度を
保ったまま非結晶相の体積が相対的に増加するため、非
結晶相の導電性粒子の濃度が部分的に減少し、その結果
抵抗率が上昇する(正温度特性)。さらに温度が上昇す
ると、ポリマーマトリックスの粘度が減少し、導電性粒
子は全体的に非結晶になった中を自由に動き回り、再配
列して十分な導電性を示すようになる(負温度特性)。
【0004】PTC導電性組成物に関する基礎的な文献
としては、例えば、ポリマー・エンジニアリング・アン
ド・サイエンス,Vol 13, No.6 November, 1973 が
あり、製造方法まで詳細に記述した文献としては、例え
ば、特公昭64−3322号公報が挙げられる。特公昭
64−3322号公報では、導電性粒子としてカーボン
ブラックを用い、ポリマーマトリックスとして例えば、
ポリエチレン、エチレン/アクリル酸コポリマー、ポリ
プロピレン、ポリビニリデンフルオリド等の結晶性熱可
塑性ポリマーを用いたPTC導電性組成物が開示されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
PTC導電性組成物はマトリックスの温度による体積変
化が大きいため、温度が変わると、マトリックスの中で
の導電性粒子の接触状態や配列状態に変化を生じる。こ
の傾向は繰り返し使用することによって、時として一層
顕著に現われ、その結果、設定した特性が経年変化し
て、抵抗率が上昇を始める温度(スイッチング温度とい
う)が変わったり、スイッチング温度以下での室温抵抗
率が上昇して、素子の温度制御機能が低下するといった
問題がある。
【0006】また、従来のPTC導電性組成物に電極を
接触させた回路素子においては、その製造工程でのわず
かな膜厚のバラツキ、導電性粒子の分散のバラツキ、硬
化乾燥条件のバラツキ等で抵抗値や特性に変化を生じ、
多くの不良が発生し、歩止りが悪いという問題点もあ
る。従って、サーミスタ等の回路素子としての利用には
難点があり、従来では、面状発熱体(特開平6−157
827号公報参照)等の限られた用途にしか展開できな
かったが、PTC導電性組成物を利用したサーミスタ等
の回路素子が、小型で肉薄に製造することができ、電流
容量も大きいことから、電池の内部に組み込んで電池の
過放電を防止するという用途への適用が検討され、動作
の安定したものが望まれている。
【0007】本発明の目的は、室温で低い抵抗率を示
し、かつ、良好なスイッチング比を有する過電流加熱保
護のための回路素子を提供することにある。さらに本発
明の他の目的は、繰り返し使用に対して安定で、かつ、
再現性の良好なPTC効果を有する過電流加熱保護のた
めの回路素子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めの本発明の過電流保護回路素子は、導電性組成物と導
電性組成物に接触した少なくとも2つの電極を有してな
る過電流保護回路素子であって、(1)前記導電性組成
物がオレフィン系樹脂及び導電性物質を有効成分とし、
当該導電性物質を10〜75重量%含有すること、
(2)前記導電性組成物が電子線照射されていること及
び(3)前記電極がニッケル箔であることを特徴とする
過電流保護回路素子である。
【0009】
【発明の実施の態様】本発明の過電流保護回路素子は、
過電流による過加熱を保護する保護回路素子であるか
ら、常温での抵抗は通常の発熱素子よりさらに低抵抗に
する必要がある。本発明の過電流保護回路素子の常温
(25℃)における固体抵抗率は10Ω・cmよりも小
さく、好ましくは5Ω・cmよりも小さいものを必要と
する。そのためには、PTC導電性組成物の選択、及び
電極の選択が大きな要素となる。
【0010】本発明において使用する導電性組成物は、
オレフィン系樹脂及び導電性物質を有効成分とし、前記
導電性物質を、組成物全量を基準として通常10〜75
重量%、好ましくは20〜75重量%、より好ましくは
60〜75重量%含有する組成物である。ここで、前記
導電性物質の含有量が10重量%未満では、常温(25
℃)における所望の固体抵抗率(10Ω・cm)が得ら
れず、十分なPTC機能が発現しない恐れがある。一方
75重量%を越えると、導電性組成物の成形(例えば、
シート化)が困難になったり、ニッケル箔との接着性が
不良になったりする恐れがある。
【0011】本発明において、オレフィン系樹脂として
は特に制限されず公知のものが使用できる。例えば、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。
更にオレフィン類とこれに共重合可能な他のモノマーと
の共重合体も用いることができる。当該共重合体として
は、例えば、エチレン・ビニルアセテート共重合体(E
VA)、エチレン・アクリル酸エステル共重合体(EE
A)、エチレン・アクリル酸アセテート共重合体(EA
A)等を挙げることができる。オレフィン系樹脂は、1
種を単独で又は2種以上を混合して使用できる。
【0012】前記導電性物質としては、特に制限はなく
公知のものを使用できるか、無定形炭素粒子である導電
性カーボンブラック、結晶性炭素粒子である黒鉛、膨張
黒鉛、繊維状黒鉛等の導電性粒子が好ましい。前記導電
性カーボンブラックは、例えばケッチンブラック、アセ
チレンブラック、ファーネスブラック等である。
【0013】前記黒鉛は、例えば球状黒鉛、鱗片状黒
鉛、膨張黒鉛、繊維状黒鉛等である。膨張黒鉛は黒鉛を
加熱することによって黒鉛の体積を膨張させたもので通
常2〜100μm又はそれ以下の粒径に粉砕して用いら
れる。鱗片状黒鉛は、嵩密度が低く抑えられ、表面積も
小さいので、分散性や濡れ性がよく、極めて均質なPT
C導電性組成物を得ることができるので、薄肉の過電流
保護回路素子を実現することが期待できる。繊維状黒鉛
粒子は一般に黒鉛ウィスカーが用いられるが、これはカ
ーボンファイバーを短く切断又は粉砕した後、2000
℃以上の非酸化雰囲気で黒鉛化したもの等である。当該
黒鉛粒子は、抵抗値が低くバラツキが小さいものが用い
られる。
【0014】これらの導電性粒子は1種を単独で使用で
き又は2種以上を併用できる。当該導電性粒子の粒径は
0.1μm〜100μm程度であり、好ましくは0.3
μm〜50μm程度である。本発明に用いられる導電性
粒子は、i)そのままオレフィン樹脂と複合化した組成
物として用いられるか、ii)オレフィン樹脂によって被
覆されたカプセルとして用いられるか、或いは iii)オ
レフィン樹脂以外の適当なカプセル化用素材により被覆
されたカプセルをオレフィン樹脂と複合化した組成物と
して用いられる。
【0015】導電性粒子のカプセルは、加熱により体積
膨張し、ごく短時間でPTC導電性組成物を絶縁体に変
換するという作用を奏するとともに、主にカプセル化用
素材の表面張力により、温度変化が起こってもその形状
を保ち、導電性粒子を離すことがない。従って、当該カ
プセルを組み入れた導電性組成物は、導電性素材を単に
樹脂マトリックスに分散させたPTC導電性組成物より
も更に優れた温度制御特性及び経時安定性を得ることが
できる。
【0016】導電性粒子のカプセル化は、公知の方法
(例えば、特開平6−157827号公報参照)に従っ
て導電性粒子をカプセル化素材のごく薄い被膜により被
覆したものである。より具体的なカプセル化方法として
は、例えば、(1)カプセル化用素材と導電性粒子とを
適当な溶剤に溶融又は分散させて噴霧する方法、(2)
カプセル化用素材を加熱により溶解し、これに導電性粒
子を加えて練り混み、粉体化する方法、(3)界面重合
法等を挙げることができる。当該カプセルの寸法は特に
制限されず、使用目的、使用原体等に応じて適宜選択す
ればよいが、通常粒径が1μm〜200μm程度、好ま
しくは5μm〜100μm程度とすればよい。カプセル
化用素材の具体例としては、例えば、各種軟質樹脂、ゴ
ム、エラストマー、高級脂肪酸、エステル等を挙げるこ
とができる。軟質樹脂としては、例えば、シリコン樹
脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、ウレタン樹脂、
ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、酢酸ビニル樹
脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイソプレ
ン樹脂及び前記樹脂類の変性体、共重合体を挙げること
ができる。ゴムとしては、例えば、フッ素ゴム、シリコ
ンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、環化天然ゴム、
ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンラテッ
クス、アクリロニトリルブタジエンゴムラテックス、ア
クリルプタジエンラテックス等を挙げることができる。
エラストマーとしては、例えば、ポリエステルエラスト
マー、ウレタンエラストマー等を挙げることができる。
当該導電性粒子とカプセル化用素材の配合割合は特に制
限はなく広い範囲から適宜選択できるが、当該カプセル
に要求される働き(自己温度制御を鋭敏にする働き及び
電流を流す導電性素材としての働き)を考慮すると、導
電性粒子100重量部に対して通常カプセル化用素材を
5〜50重量部程度、好ましくは10〜40重量部程度
配合するのがよい。
【0017】また本発明では、導電性組成物として、触
媒成分で予備処理した導電性粒子を充填材及び触媒とし
て作用させてオレフィン重合を行うことにより得られる
導電性組成物を使用することもできる(請求項2)。以
下このようにして得られる導電性組成物を、「ポリオレ
フィン重合充填化導電性組成物」という。前記ポリオレ
フィン重合充填化導電性組成物は、本発明の導電性組成
物の中でも特に好ましいものである。
【0018】このポリオレフィン重合充填化導電性組成
物は、前記したような従来の方法に従って導電性粒子を
カプセル化用素材により極く薄く被覆(カプセル化)し
たものとは異なり、導電性粒子に予め触媒を接触処理
し、そこにオレフィンのガス状物質を接触させて重合す
るので、導電性粒子の凹凸の中まで重合し、なおかつ導
電性粒子個々に比較的均質な薄膜を形成することができ
る。当該薄膜の厚さは任意に調整できる。
【0019】このように、触媒成分で予備処理した充填
材を触媒として作用させてポリオレフィンの重合を行わ
せる組成物の製造方法自体は、特公平1−16402号
公報に示されているが、本発明では、充填材に導電性粒
子を用いてPTC特性を実現し、かつそのPTC導電性
組成物を電子線照射し、ニッケル箔の電極を採用した過
電流保護回路素子に用いたことに特徴がある。
【0020】前記オレフィンの重合化は、例えば、以下
のようにして達成される。すなわち、 1)脂肪酸のマグネシウム塩又はマンガン塩と長鎖のア
ルキル基を有するアルコールとの反応で得られる高級ア
ルコール塩、 2)リン酸と多価アルコールとのジエステル、及び 3)アルキルマグネシウムリン酸塩 から選ばれる少なくとも1種の化合物とハロゲン化チタ
ン化合物又はハロゲン化バナジウム化合物とを、十分に
乾燥させた導電性粒子と接触処理し、さらに有機アルミ
ニウム化合物を加え、エチレンと重合させるか又はエチ
レンと他のα−オレフィンと共重合させればよい。ポリ
オレフィン処理量は、通常2〜75重量%程度、好まし
くは5〜50重量%程度である。
【0021】本発明においては、電極として、ニッケル
箔、より好ましくは粗面化ニッケルメッキを施したニッ
ケル箔(以下「粗面化ニッケル箔」という)を用いる
(請求項3)。この粗面化ニッケル箔は、従来過電流保
護回路素子には用いられていなかった電極素材である。
粗面化ニッケル箔とは、例えば厚さ10〜300μm程
度、好ましくは15〜80μm程度のニッケル箔の片面
又は両面、好ましくは片面に、ニッケルメッキを施して
凹凸をつけたものである。凹凸があるために表面の指触
ではばらつきを感じ、目視では暗黒色である。この処理
電極を用いることにより、PTC導電性組成物と電極と
の接触面積を大きくでき、密着性が良好になるために従
来よりも低抵抗の過電流保護回路素子が得られる。
【0022】粗面化ニッケルメッキは、例えば、ニッケ
ル箔面に金網、パンチングメタル、スクリーン印刷に用
いる樹脂シート等を密着させて固定し、電気メッキ法又
は化学メッキ法でニッケルメッキを施すことにより、実
施できる。前記金網、パンチングメタル、スクリーン印
刷に用いる樹脂シート等は、あらかじめインキや塗料で
空隙率(全体の面積に対する孔の面積の割合)を調整し
ておいてもよい。
【0023】電気メッキ法は、硫酸ニッケル、塩化ニッ
ケル、ホウ酸の水溶液や、硫酸ニッケル、塩化アンモニ
ウム、ホウ酸等の水溶液の浴を調整して、酸性、所定温
度条件下で、電流を流して行う。より具体的には、浴と
しては、例えば、硫酸ニッケル220〜380g/リッ
トル、塩化ニッケル30〜60g/リットル、ホウ酸3
0〜40g/リットルを含む水溶液、硫酸ニッケル15
0g/リットル、塩化アンモニウム15g/リットル、
ホウ酸15g/リットルを含む水溶液等を挙げることが
できる。浴のpHは通常4〜5程度とすればよい。温度
及び電流密度は特に制限されず、適宜選択できるが、通
常40〜55℃程度の温度下にて、電流密度1〜8A/
cm2 の電流を流して行えばよい。
【0024】化学メッキ法は、硫酸ニッケル、次亜リン
酸ナトリウム、場合により乳酸、プロピオン酸、クエン
酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムを少量
添加した化学メッキ浴で酸性又はアルカリ性、所定温度
の条件下で行う。より具体的には、浴として、例えば、
硫酸ニッケル20g/リットル、次亜リン酸ナトリウム
10〜25g/リットルを含み、場合により乳酸、プロ
ピオン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化
ナトリウムを少量添加した浴等を挙げることができる。
浴のpHは、通常4〜6程度又は8〜9.5程度とすれ
ばよい。温度は広い範囲から適宜選択でき、通常30〜
90℃程度とすればよい。
【0025】メッキ施工後、前記金網、パンチングメタ
ル、スクリーン印刷に用いる樹脂シート等を剥がす。こ
の結果、ニッケル箔面に細かな凹凸が付着し、光を乱反
射させるようになる。この凹凸のピッチは、前記金網、
パンチングメタル、スクリーン印刷に用いる樹脂シート
等の孔のピッチで決まり、このピッチは、22μm〜5
mm、好ましくは3〜850μm程度である。また、凹
凸の深さは2〜15μm、好ましくは3〜8μm、より
好ましくは5μm程度である。
【0026】本発明の過電流保護回路素子は、導電性組
成物を140〜220℃程度の温度下にカレンダー加工
又は押し出し加工して、厚さ150〜300μm程度の
シートに成形し、このシートを2枚のニッケル箔の間に
挟み、140〜220℃で圧着して製造する。前記導電
性組成物に電子線照射して架橋させることは、導電性組
成物をシート化した後又はシートとニッケル箔を圧着し
た後に行えばよい。電子線は、通常5〜200M(メ
ガ)rad程度、好ましくは10〜150Mrad照射
する(radは「物質1gについて100エルグのエネ
ルギーを吸収する時の線量」)。電子線架橋を行うこと
によって、120℃を越える温度でも、過電流保護回路
素子の2つの電極間の抵抗値は増加する。
【0027】
【実施例】以下に参考例及び実施例を挙げながら、本発
明の過電流保護回路素子の製造方法を具体的に説明す
る。参考例1 n−ヘプタン200mリットル、ステアリン酸マグネシ
ウム15.0g及び4塩化チタン0.5gをアルゴン置
換した容器に入れ、昇温リフラックスして3時間反応さ
せ、チタン系触媒を合成した。
【0028】n−ヘキサン200mリットル、乾燥黒鉛
40g及び前記チタン系触媒0.010ミリモルをアル
ゴン置換容器に入れ、昇温リフラックスして混合物を製
造した。前記混合物のスラリー溶液全量とn−ヘキサン
400mリットルをアルゴン置換3リットル容器オート
クレーブに入れ、更にトリエチルアルミニウム1.5ミ
リモル、ジエチルアルミニウムモノクロライド1.5ミ
リモルを添加し、80℃に昇温後、水素を5kg/cm
2 になるまで供給し、さらに全圧が10kg/cm2
なるようにエチレンモノマーを連続的に供給しながら、
30分間重合を行い、ポリエチレン重合充填化導電性組
成物79.0g(黒鉛含量:50重量%)を製造した。
なお、ポリエチレンの分離は認められなかった。
【0029】更に前記と同様にして、黒鉛含量:70重
量%のポリエチレン重合充填化導電性組成物を製造し
た。更に前記と同様にして、黒鉛含量:29.8重量%
のポリエチレン重合充填化導電性組成物を製造した。更
に黒鉛に代えてカーボンブラックを使用する以外は、前
記と同様にして、カーボンブラック含量:65重量%の
ポリエチレン重合充填化導電性組成物を製造した。参考例2 (粗面化ニッケル箔の製造) 厚さ20μmのニッケル箔の片面にスクリーン印刷で用
いる樹脂シートを密着させて固定し、もう一方の面には
凹凸のない樹脂シートを貼着した。これをメッキ浴(硫
酸ニッケル300g/リットル、塩化ニッケル40g/
リットル、ホウ酸35g/リットルを含み、pH4.5
の浴)に入れ、50℃の温度下で電流密度5A/cm2
の電流を流してニッケルメッキを施した後、樹脂シート
を剥がし、厚さ約5μmの表面の粗い片面粗面化ニッケ
ルを製造した。実施例1 黒鉛含量70重量%のポリエチレン重合充填化導電性組
成物100gを、170℃加熱カレンダーロールでシー
ト化し、厚さ約280μmのシートを製造した。このシ
ートに電子線を20Mrad照射した後、粗面化ニッケ
ル箔2枚で粗面を内側にしてサンドイッチ状にし、18
0℃で3分間圧着し、1cm角に打ち抜き、本発明の過
電流保護回路素子を製造した。実施例2 ポリエチレン30重量部及び黒鉛70重量部を、混練押
出機で180℃でシート状に押出しを行い、厚さ約26
0μmのシートを製造した。このシートを実施例1と同
様に処理し、本発明の過電流保護回路素子を製造した。実施例3 ポリエチレン35重量部及びカーボンブラック65重量
部を、実施例2と同様に処理し、本発明の過電流保護回
路素子を製造した。実施例4 カーボンブラック含量65重量%のポリエチレン重合充
填化導電性組成物100gを、実施例1と同様に処理
し、過電流保護回路素子を製造した。実施例5 ポリエチレン20重量部、エチレン・酢酸ビニル共重合
体10重量部及び黒鉛70重量部を、実施例2と同様に
処理し、本発明の過電流保護回路素子を製造した。実施例6 ポリエチレン75重量部及びカーボンブラック25重量
部を、実施例2と同様に処理し、本発明の過電流保護回
路素子を製造した。実施例7 実施例1〜6において、電子線の照射時期を、導電性組
成物のシートに粗面化ニッケル箔を圧着した後とし、か
つ電子線の照射量を60Mradとする以外は、同様に
処理し、それぞれ本発明の過電流保護回路素子を製造し
た。評価方法及び結果 前記実施例1〜7で製造された過電流保護回路素子に、
5秒以内に電流が低下し、30秒間通電しても発火しな
い状態を評価条件として、20Vで10Aの電流を通電
した結果、いずれも3秒以内に電流が低下し、30秒間
通電しても発火しなかった。
【0030】前記実施例1〜7で製造された過電流保護
回路素子は、常温から60±10℃付近になるまで抵抗
値が変化せず、100℃以上では少なくとも103 倍以
上の抵抗値の上昇を示し、120℃を越える温度でも抵
抗値が下降せず、温度の上昇、下降を繰り返しても、抵
抗値変化が安定していることが判った。特に、120℃
を越える温度でも抵抗値が下降しないという効果は、電
子線照射によるものと認められる。
【0031】
【発明の効果】本発明の過電流保護回路素子によれば、
導電性組成物に電子線を照射するとともに、ニッケル箔
電極を使用することによって、高温になると抵抗値が急
激に変化して高抵抗を示し、常温時との抵抗の差が大き
くなり、電流の暴走を防ぐという効果を得ることができ
る。また、ある程度経年使用しても、抵抗値変化が安定
している過電流保護回路素子を提供することができるの
で、信頼性の要求される各種電気・電子回路に組み込む
ことができる。特に形状が薄肉コンパクトにできるか
ら、一次電池又は二次電池の内部に組み込むことが容易
にでき、当該電池をコンパクトに設計することが可能に
なり、かつ、当該電池を使った回路の信頼性を向上させ
ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性組成物と導電性組成物に接触した少
    なくとも2つの電極を有してなる過電流保護回路素子で
    あって、(1)前記導電性組成物がオレフィン系樹脂及
    び導電性物質を有効成分とし、当該導電性物質を10〜
    75重量%含有すること、(2)前記導電性組成物が電
    子線照射されていること及び(3)前記電極がニッケル
    箔であることを特徴とする過電流保護回路素子。
  2. 【請求項2】前記導電性組成物が、触媒成分で予備処理
    した導電性粒子にオレフィンの重合を行わせた組成物で
    ある請求項1記載の過電流保護回路素子。
  3. 【請求項3】ニッケル箔と導電性組成物との接触面に、
    粗面化ニッケルメッキが施されている請求項1又は2記
    載の過電流保護回路素子。
JP33390296A 1996-12-13 1996-12-13 過電流保護回路素子 Pending JPH10172805A (ja)

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JP33390296A Pending JPH10172805A (ja) 1996-12-13 1996-12-13 過電流保護回路素子

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JP (1) JPH10172805A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008041724A (ja) * 2006-08-02 2008-02-21 Shin Etsu Polymer Co Ltd 過電流保護素子の製造方法
EP2049586B1 (en) 2006-08-08 2018-01-03 SABIC Global Technologies B.V. Improved thermal conductive polymeric ptc compositions

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