JPH1017309A - 亜酸化窒素の製造方法 - Google Patents

亜酸化窒素の製造方法

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JPH1017309A
JPH1017309A JP17261296A JP17261296A JPH1017309A JP H1017309 A JPH1017309 A JP H1017309A JP 17261296 A JP17261296 A JP 17261296A JP 17261296 A JP17261296 A JP 17261296A JP H1017309 A JPH1017309 A JP H1017309A
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進 吉永
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アンモニア酸化法において、NOx の副生が少
なく、また高濃度の亜酸化窒素を高収率で製造する方法
を提供する。 【解決手段】水蒸気の存在下、アンモニアおよび酸素を
反応させて亜酸化窒素を製造する方法において、アンモ
ニア、酸素および水蒸気からなる原料ガスを反応が開始
するまで予熱して触媒帯に供給し、触媒帯内の温度差を
120℃以下に抑制して反応を行う亜酸化窒素の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は亜酸化窒素の製造方法に
関する。詳しくは、アンモニアを水蒸気の存在下に酸素
で酸化してNOxの副生が少ない亜酸化窒素を製造する
方法に関する。亜酸化窒素は麻酔ガスやロケット燃料用
支燃剤あるいは半導体洗浄剤として有用な化合物であ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、亜酸化窒素の製造方法としては、
(a) アンモニア酸化法、(b) 硝酸アンモニウム分解法、
(c) スルファミン酸と硝酸との反応による方法等が知ら
れている。この内、アンモニア酸化法(a) は原料が安価
なアンモニアと酸素であり、また、高収率が得られるた
めに工業的には好ましい方法である。
【0003】この方法は酸素あるいは空気を使用して金
属酸化物触媒上でアンモニアを200〜500℃で酸化
し、亜酸化窒素を製造する方法であり、使用する触媒は
劣化することが知られている。この対策として、触媒の
再生方法(特公昭30−1225号)が提案されてい
る。また、触媒調製時の硝酸アンモニウムを完全に洗浄
して劣化しにくい実用的な触媒調製方法(工業化学雑
誌、64,11,1879(1961))等が知られて
いる。
【0004】反応は通常、アンモニア―酸素系において
爆発領域を避けるためにアンモニアの濃度が10vol
%以下になるように酸素で希釈して反応が行われる。し
かし、この方法をそのまま実施しても未反応の酸素が存
在するので反応器出口の亜酸化窒素濃度は数%にすぎな
い。そこで、酸素濃度を80vol%以上使用し、その
反応生成ガスを循環し、アンモニアだけを分割供給する
方法(特公昭46−33210号)が提案されている
が、この場合における反応器出口の亜酸化窒素濃度も4
0vol%程度が得られているに過ぎないだけでなく、
NOx(主としてNOとNO2 )副生量は数%に達す
る。
【0005】アンモニア酸化法において、水蒸気を共存
させてアンモニアを酸化する方法が知られている。この
方法によれば、(1) 活性の劣化がないこと、(2) 水蒸気
を水に凝縮するだけで80%以上の高濃度の亜酸化窒素
を得る事ができること、(3)酸素あるいは窒素で爆発限
界を避ける方法に比べ安全領域が大きく、より安全に運
転できること、(4) 水蒸気の熱容量が窒素や酸素よりも
大きいため反応の温度制御が容易であるという長所があ
る(特開平5−58607号)。
【0006】また、上記の方法においてNOxの副生が
少ない方法として、反応器の供給口における酸素/アン
モニアのモル比が0.5〜1.5になるように酸素およ
びアンモニアを反応器へ供給する方法(特開平6−12
2505号)、および反応帯域の圧力を0.8〜10k
g/cm2-Gで反応を行うことを特徴とする方法(特開
平6−122507号)が知られている。これらの方法
においてはNOxの副生量は数10〜100ppm程度
であり、酸素で希釈する方法と比較してNOxの副生量
は少ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】アンモニアの酸化反応
は発熱反応であるので、その発熱量を系外へ除熱する必
要があるが、反応器容積あたりの亜酸化窒素の生産量を
実用的な量まで増加させると、たとえ、除熱してもNO
xの副生量が急増することがわかった。NOxの副生量
を減少させるために反応温度を下げると、亜酸化窒素の
生産量が急減することもわかった。NOxは毒性が強い
ため徹底的に除去する必要があり、例えば、亜酸化窒素
を医療用として使用するには亜酸化窒素中のNOx含有
量は0.1ppm以下まで除去する必要がある。このよ
うにNOxの副生量が多いという事は経済性を損なう大
きな要因であり、したがって、アンモニア酸化法におい
て、反応容積あたりの亜酸化窒素の生産量を高いまま、
かつ、NOxの副生が少なく、また高濃度の亜酸化窒素
を高収率で製造する方法が望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】アンモニア酸化法におい
て、NOx副生量を抑制する方法を鋭意検討した結果、
触媒の存在下では 亜酸化窒素とNOxが生成するため
に必要な温度がそれぞれ異なり、亜酸化窒素の生成のた
めの温度の方がNOx副生のための温度よりも低いこと
を見出し、本発明を完成したものである。すなわち、本
発明の方法は、水蒸気の存在下、アンモニアおよび酸素
を反応させて亜酸化窒素を製造する方法において、アン
モニア、酸素および水蒸気からなる原料ガスを反応が開
始するまで予熱して触媒帯に供給し、触媒帯内の温度差
を120℃以下に抑制して反応を行う亜酸化窒素の製造
方法である。
【0009】
【発明実施の形態】本発明で使用する触媒は、アンモニ
ア酸化用触媒として知られている公知の触媒を使用する
ことができる。驚くべきことに、水を添加すると、今ま
で触媒の劣化が認められた触媒においても、その劣化は
極めて少ない。おそらく触媒上の硝酸痕のような被毒物
質の洗浄効果あるいは触媒の酸化状態の保持効果のため
と推測される。このような触媒の例としては、CuO-MnO2
系、Bi2O3 系、Fe2O3-Bi2O3-MnO2系、MnO2-CoO-NiO系、
Ba2O-CuO系、MnO2系、Pr2O3-Nd2O3-CeO3系、Pt系が挙げ
られる。この中でもMn含有触媒が高活性であり好まし
い。さらに調製が容易なCuO-MnO2系が特に好ましい。
【0010】本発明は水蒸気の存在下にアンモニアを酸
素で酸化する。反応器内の水蒸気濃度が50vol%以
上において特に触媒活性の劣化を抑制する効果があり望
ましい。また、水蒸気濃度は少なくとも60vol%以
上にすればアンモニアあるいは酸素のモル比にかかわら
ず爆発領域を回避できる。水蒸気濃度が60vol%以
上であればアンモニア爆発領域を避けるために希釈用と
しての余分な窒素等の不活性ガスは必要がなく、反応ガ
スを凝縮するだけで容易に高濃度の亜酸化窒素を分離す
ることができる。したがって、好ましい水蒸気の使用量
は反応器入り口濃度で50vol%以上、さらに好まし
くは60vol%以上である。
【0011】本発明の方法で使用するアンモニアは純粋
なアンモニアは勿論のこと、アンモニア水溶液を用いる
こともできる。アンモニアの反応器入り口の濃度は上記
したように、爆発領域を避けるために10vol%以下
が好ましいが、水蒸気の使用量を60vol%以上にす
ることでその制限はなく、反応器入り口におけるアンモ
ニアの濃度は1〜30vol%であり、好ましくは1〜
20vol%の範囲である。
【0012】本発明で使用する酸化源としての酸素は純
粋な酸素は勿論のこと、窒素等の不活性ガスを含んだ酸
素や空気を用いることもできるが、上述したように、こ
れ以上の窒素などで希釈された酸素を用いることは反応
生成ガス中の亜酸化窒素濃度がさらに低くなるため避け
るべきであり、好ましい酸素の使用量はアンモニア1モ
ルに対し0.3〜3モルの範囲であり、さらに好ましく
は0.5〜1.5モルの範囲である。
【0013】反応帯域の圧力は特に制限はないが、好ま
しくは0〜10kg/cm2-Gであり、さらに好ましく
は0.3〜5kg/cm2-Gの範囲である。反応帯域の
圧力が10kg/cm2-Gを越すと装置が高価になり不
経済であり、またアンモニアの爆発領域が広くなり、安
全性が低下して好ましくない。これらのアンモニア、酸
素および水蒸気等の混合ガスの供給速度は、通常0℃、
1気圧の状態に換算して空間速度100〜100,00
0/hr、好ましくは1,000〜50,000/hr
の範囲であるが、反応器容積(触媒)あたりの亜酸化窒
素の収量を増やす場合は2,000〜50,000/h
rが好ましい。
【0014】本発明の方法では発熱を抑制するために熱
交換器を付帯した反応器を使用する。反応器および熱交
換器は公知の装置を使用することができる。たとえば、
反応器として、固定床型反応器、流動床型反応器のいず
れも使用することができ、また、熱交換器も冷却管を直
接触媒帯へ挿入した形式、あるいは触媒帯を外から熱交
換するジャケット式のいずれも使用することができる。
前記の触媒を反応器に充填し、アンモニア、酸素および
水蒸気からなる原料ガスを200〜450℃、好ましく
は250〜380℃に予熱して供給する。この温度まで
予熱された原料ガスは反応器内の触媒帯に達すると反応
が開始され発熱する。管型反応器の場合には充填した触
媒の一部を予熱のために使用してもよい。この反応開始
温度で次の反応式〔1〕および〔2〕にしたがって亜酸
化窒素と窒素が生成する。この反応は併発反応であり、
両者を制御することは難しい。この反応温度ではNOx
の副生は極めて少なく、NOxは酸素分圧と反応温度の
影響を大きく受けることがわかった。
【0015】通常、この発熱量に相当する熱量を除熱す
るが、触媒帯と除熱のための冷却装置との間には温度差
を生じる。NOxの副生はこの最高温度の領域でほとん
ど生成される(反応式〔3〕、〔4〕)。条件がさらに
過酷になるとNO2 の副生量が増加する(反応式
〔5〕)。亜酸化窒素の生成量を最大にしてNOx副生
を抑制するにはこの触媒帯の最高温度と予熱温度(反応
開始温度)の温度差を120℃以下に抑制することが必
要である。すなわち、反応ガスの温度を予熱温度よりも
120℃を超えないように冷却する。この温度差を12
0℃よりも小さくすることはNOx副生を抑制するには
好ましいが、30℃未満に抑制しても大きな効果はな
く、むしろ、冷却のための費用が増大するだけである。
したがって、実質的に30〜120℃の温度差が好まし
い。
【0016】
【化1】 NH3+O2 → 1/2N20+3/2H2O 〔1〕
【0017】
【化2】 NH3+3/4O2 → 1/2N2+3/2H2O 〔2〕
【0018】
【化3】 NH3+5/4O2 → NO+3/2H2O 〔3〕
【0019】
【化4】 N2+O2 → 2NO+3/H2O 〔4〕
【0020】
【化5】 NO+1/2O2 → NO2 〔5〕
【0021】また、反応ガスと予熱温度との差が120
℃を超えないように多段で冷却する方法も好ましい。こ
の場合、触媒帯内は予熱温度と120℃を超えない温度
が繰り返されることになる。また、一部、特殊な滞留領
域が生じ、120℃を超える領域が発生しても本発明を
限定するものではない。このようにして反応を行って得
た反応生成ガス中には副生するNOx が殆どなく、次い
で水の沸点以下に冷却し、亜酸化窒素、酸素および窒素
等の非凝縮性ガスと水およびアンモニアとに分離され、
さらに精製工程を経て微量のNOx は完全に除去され
る。微量のNOx の除去方法としては、例えば、これら
の非凝縮性ガスを過マンガン酸カリウムの水酸化ナトリ
ウム水溶液および硫酸水溶液で洗浄する方法が挙げられ
る。さらに酸素、窒素が分離されて高純度の亜酸化窒素
が製造される。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。
【0023】実施例1 円管部の内径が2.8cmの二重管式熱交換器型反応器
にCuO-MnO2触媒500gを充填し、環状部に熱媒体とし
てモノエチルビフェニルを強制循環させた。この反応器
に、アンモニア4.0vol%、酸素4.1vol%、
水蒸気92.0vol%の割合で原料ガスを300℃に
予熱して供給し、空間速度7500/hr、反応圧力
0.5kg/cm2-Gで反応させた。触媒帯では発熱を
開始し、熱媒体の流量により反応帯域の最高温度362
℃に調節した。すなわち触媒帯の温度差を62℃で反応
を行った。得られた反応生成ガスを30℃に冷却し、そ
の気相部を分析した結果、亜酸化窒素72.3vol
%、窒素14.0vol%、酸素13.7vol%であ
り、NOxは気相部に28ppm(亜酸化窒素に対して
39ppm)検出された。一方、アンモニアは液相部か
ら検出された分析値からアンモニアの転化率は98.5
%であった。
【0024】実施例2 原料ガスの予熱温度を295℃、反応帯域の最高温度を
380℃に調節した以外は実施例1と同様に反応を行っ
た。すなわち,触媒帯の温度差85℃で反応を行った。
得られた反応生成ガスを30℃に冷却し、その気相部を
分析した結果、亜酸化窒素74.2vol%、窒素1
3.7vol%、酸素12.8vol%であり、 NO
xは気相部に38ppm(亜酸化窒素に対して51pp
m)検出された。一方、液相部から検出されたアンモニ
アから、アンモニアの転化率は99%であった。
【0025】実施例3 原料ガスの予熱温度を292℃、反応帯域の最高温度を
410℃に調節した以外は実施例1と同様に反応を行っ
た。すなわち、触媒帯の温度差を118℃で反応を行っ
た。得られた反応生成ガスを30℃に冷却し、その気相
部を分析した結果、亜酸化窒素74.3vol%、窒素
13.5vol%、酸素12.2vol%であり、NO
xは気相部に56ppm(亜酸化窒素に対して75pp
m)検出された。一方、液相部から検出されたアンモニ
アから、アンモニアの転化率は99%であった。
【0026】比較例1 原料ガスの予熱温度を290℃、反応帯域の最高温度を
422℃に調節した以外は実施例1と同様に反応を行っ
た。すなわち、触媒帯の温度差を132℃で反応を行っ
た。得られた反応生成ガスを30℃に冷却し、その気相
部を分析した結果、NOxは気相部に147ppm(亜
酸化窒素に対して196ppm)含まれており、一方、
アンモニアは液相部から痕跡量検出されたが、アンモニ
アの転化率は98%以上であった。
【0027】比較例2 原料ガスの予熱温度を270℃、反応帯域の最高温度を
420℃に調節した以外は実施例1と同様に反応を行っ
た。得られた反応生成ガスを30℃に冷却し、その気相
部を分析した結果、NOxは気相部に65ppm(亜酸
化窒素に対して196ppm)含まれており、NOxの
副生量は減少したが、液相からはアンモニアが検出さ
れ、アンモニアの転化率は96%まで減少した。
【0028】
【発明の効果】アンモニアを酸素で酸化して亜酸化窒素
を製造する方法において、水蒸気、アンモニア、酸素を
予熱して触媒に供給し、アンモニアを酸素を使用して亜
酸化窒素を製造する。この場合、原料ガスを予熱して反
応を開始させ、予熱温度よりも120℃を超えないよう
に冷却すると亜酸化窒素の生産量を減らさないで窒素酸
化物の副生量が少なくなる。すなわち、高純度の亜酸化
窒素を高い生産性で工業的に有利に製造し得る方法であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉永 進 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井東圧 化学株式会社内 (72)発明者 脇村 和生 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井東圧 化学株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水蒸気の存在下、アンモニアおよび酸素を
    反応させて亜酸化窒素を製造する方法において、アンモ
    ニア、酸素および水蒸気からなる原料ガスを反応が開始
    するまで予熱して触媒帯に供給し、触媒帯内の温度差を
    120℃以下に抑制して反応を行う亜酸化窒素の製造方
    法。
  2. 【請求項2】触媒帯が、酸化銅と酸化マンガンを主成分
    とするものである請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】反応器入り口の水蒸気濃度が50vol%
    以上である請求項1又は2記載の方法。
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