JPH10174403A - 直流機 - Google Patents

直流機

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JPH10174403A
JPH10174403A JP33342696A JP33342696A JPH10174403A JP H10174403 A JPH10174403 A JP H10174403A JP 33342696 A JP33342696 A JP 33342696A JP 33342696 A JP33342696 A JP 33342696A JP H10174403 A JPH10174403 A JP H10174403A
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JP
Japan
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armature coil
armature
coil group
magnetic pole
magnetic
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JP33342696A
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Akira Fukushima
明 福島
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電機子コイル25の巻線法として集中巻を用
いた集中巻直流電動機20において、電機子26のトル
クリップルの低減効果および整流子27の整流性の改善
効果を更に向上する。 【解決手段】 1スロット毎に2種類の電機子コイル群
1A〜1C、2A〜2Cを集中巻した電機子コイル25
をスロット数の2倍の6個の第1〜第6整流子セグメン
ト1〜6に波巻結線した。例えば第1整流子セグメント
1に結線された電機子コイル群1Aは第1ティース24
A廻りのスロットに右回りに複数回巻かれて第6整流子
セグメント6に接続され、第6整流子セグメント6に結
線された電機子コイル群2Bは第2ティース24B廻り
のスロットに左回りに複数回巻かれて第5整流子セグメ
ント5に接続される。以下、電機子コイル群1B、1
C、2A、2Cも、同様にして波巻条件を満たして結線
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば直流電動機
または直流発電機等の直流機に関し、例えば約3V〜2
4Vのバッテリーで駆動されるブラシ付小型直流モータ
に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電機子コアの外周に設けられ
た複数個のスロットに1スロットピッチで電機子コイル
を巻回(以下集中巻と称する)した直流機(以下、これ
を集中巻直流機と称する)は、電機子コイルのコイル端
の短縮と電機子コイルの占積率の向上に有利であっが、
電機子のトルクリップル(トルク変動)が大きく、しか
も整流子の整流性が劣るという問題が生じていた。
【0003】そこで、トルクリップルおよび整流性の問
題を解決することを目的として、例えば特開昭64−8
9944号公報に開示された直流電動機がある。この直
流電動機は、4極の磁極と、スロット数が5個の電機子
コアと、スロット数の3倍の15個の整流子片を有する
整流子とを備えたもので、電機子コアの5個のスロット
には重ね巻でも波巻でもない特殊な5相の電機子コイル
が巻回されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の特開
昭64−89944号公報に開示された直流電動機(従
来の技術)では、重ね巻でも波巻でもない特殊な5相の
電機子コイルを巻装しているため、電機子の5個の電機
子コイルに誘起される起電力ベクトルがスロット数と同
じ数の5個しか存在しない。このため、整流子片の個数
を増加した割には電機子のトルクリップルの低減効果お
よび整流子の整流性の改善効果が期待する程得られない
という問題が生じている。
【0005】
【発明の目的】本発明は、電機子コイルの巻線法として
集中巻を用いた直流機において、電機子のトルクリップ
ルの低減効果および整流子の整流性の改善効果を向上す
ることのできる直流機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、奇数個のスロット毎に集中巻された複数個の電
機子コイル群をスロットの整数倍の個数の整流子片と波
巻結線することにより、電機子コイルに誘起される起電
力ベクトルは、整流子片の個数だけ分割されて存在する
ことになり、電機子のトルクリップルの低減効果および
整流子の整流性の改善効果を向上できる。さらに、集中
巻による付帯効果として、2スロットピッチ以上巻いた
直流機に対し、電機子コイルのコイル端での電機子コイ
ル間の交差が回避でき、電機子コイル間の電気的な絶縁
が容易となり、直流機の低電圧機種を小さな変更で高電
圧化できるという効果がある。
【0007】請求項2に記載の発明によれば、電機子コ
イルに誘起される起電力ベクトルが、整流子片の個数と
等しい数の複数の起電力ベクトルに分割され、これらの
起電力ベクトルの位相が略等分割されており、且つそれ
らの起電力ベクトルの大きさが略同一であることによ
り、電機子のトルクリップルの低減効果および整流子の
整流性の改善効果を更に向上できる。
【0008】請求項3に記載の発明によれば、少なくと
も1個のスロットに集中巻される電機子コイル群の巻
数、あるいは第1の電機子コイル群が集中巻される第1
のスロットと第2の電機子コイル群が集中巻される第2
のスロットとの角度ピッチを選定することにより、電機
子コイル群に誘起される起電力ベクトルの位相と大きさ
を調整する余地が拡るため、複数の起電力ベクトルの位
相が略等分割され、且つそれらの起電力ベクトルの大き
さも略同一にでき、電機子のトルクリップルの低減効果
および整流子の整流性の改善効果を更に向上できる。
【0009】請求項4に記載の発明によれば、少なくと
も1個のスロットに集中巻される電機子コイル群の巻
数、あるいは第1の電機子コイル群が集中巻される第1
のスロットと第2の電機子コイル群が集中巻される第2
のスロットとのスロットピッチを適値に選定し、電機子
コイル群に誘起される起電力ベクトルの電気的位相差の
相対誤差を−5%以上5%以下の範囲内に設定し、起電
力ベクトルの大きさの相対比を0.95以上1.05以
下の範囲内に設定することにより、電機子のトルクリッ
プルの低減効果および整流子の整流性の改善効果を更に
向上できる。
【0010】請求項5に記載の発明によれば、スロット
数をN、磁極数をMとしたとき、N=2n+1(但しn
は2以上の整数)、M=N−1、またはM=N+1の関
係を満足するようにスロット数Nと磁極数Mとを適値に
選定することにより、スロット数Nと磁極数Mとの関係
が電機子起磁力を有効に利用できる組み合わせになるた
め、直流機の効率が向上し、小型化する上で有利にな
る。
【0011】請求項6に記載の発明によれば、2個以上
の第1磁極の少なくとも1個の第1磁極は永久磁石磁極
を利用し、2個以上の第2磁極の少なくとも1個の第2
磁極は軟磁性材磁極を利用することにより、永久磁石の
使用量を減らすことができ、製造コストを低減できる。
また、直流機の小型化のため、本発明からなる集中巻と
多極化を組み合わせた場合、永久磁石の部品点数が増え
ることになるが、第2磁極を安価な軟磁性材料としたの
で、多極化による磁石コストの増加を相殺できる。
【0012】請求項7に記載の発明によれば、軟磁性材
磁極として継鉄の一部を電機子コア側に変形加工した突
条の磁極を用いることにより、特別な軟磁性材磁極を追
加することなく、低コストで磁極を製造できる。また、
軟磁性材磁極の端面を永久磁石の端面を当接させる位置
決め部材として用いることにより位置決めが容易にな
り、製作工程を簡素化できる。
【0013】請求項8に記載の発明によれば、第2磁極
の磁極弧残部と第1磁極の磁極弧部との間に無着磁部を
挟んで同一の磁極部材により一体化した磁極を、継鉄の
一部を変形加工してなる軟磁性材磁極に隣接させること
により、第2磁極の一部を安価な軟磁性材料とし、永久
磁石の部品点数および永久磁石の使用量を低減できる。
これにより、直流機の性能を維持しつつ磁石コストを抑
制できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
〔第1実施例の構成〕図1ないし図3は本発明の直流機
を、最も簡素な2極3スロット6セグメントの集中巻直
流電動機に適用した第1実施例を示したもので、図1お
よび図2は2極3スロット6セグメントの集中巻直流電
動機の波巻の巻線図で、図3は電機子の逆起電力(電機
子起磁力)ベクトル示した説明図である。
【0015】本実施例の集中巻直流電動機20は、2極
3スロット6セグメントのブラシ付小型直流モータであ
って、図示しない固定部材に固定された後記する界磁装
置と、この界磁装置の内周側で回転自在に支持され、薄
い強磁性体を軸方向に積層した積層コアである電機子コ
ア(電機子鉄心とも言う)24、およびこの電機子コア
24の外周に形成された複数個(本例では3個)のスロ
ットに巻回された電機子コイル(電機子巻線とも言う)
25を有する電機子(アーマチャとも言う)26と、互
いに電気的に絶縁された複数個(本例では6個)の第1
〜第6整流子セグメント(整流子片に相当する)1〜6
よりなる整流子27と、この整流子27の表面に接触し
て電気的に接続する2個の正極側、負極側ブラシ31、
32とから構成されている。
【0016】界磁装置は、略円弧形状の断面を有する2
個のN極、S極磁極21、22、および内周面に2個の
N極、S極磁極21、22を接着剤等により固定すると
共に、磁気回路の一部を形成するヨーク(継鉄に相当す
る)23を有している。N極磁極21は磁極弧がN極に
着磁された永久磁石(例えばフェライト磁石)磁極であ
り、S極磁極22は磁極弧がS極に着磁された永久磁石
(例えばフェライト磁石)磁極であり、ヨーク23は例
えば鉄等の軟磁性材料により円筒形状に形成されてい
る。また、電機子26の電機子コア24の外周には、3
個の第1〜第3ティース(外径側突出極)24A〜24
CがN極、S極磁極21、22側に突出するように形成
されている。
【0017】本実施例の電機子コイル25は、隣設する
2個のティース間に形成される1スロット毎に2種類
(2個)の電機子コイル群を集中巻したコイルで、整流
子27に波巻結線されている。ここで、2個の電機子コ
イル群1A、2Aは1個の第1ティース24Aの廻りの
スロットに集中巻されたコイルで、2個の電機子コイル
群1B、2Bは1個の第2ティース24Bの廻りのスロ
ットに集中巻されたコイルで、2個の電機子コイル群1
C、2Cは1個の第3ティース24Cの廻りのスロット
に集中巻されたコイルである。
【0018】本実施例は、図1の巻線図(展開図)に示
したように、スロット毎に集中巻した6個の電機子コイ
ル群をスロット数の2倍の6個の第1〜第6整流子セグ
メント1〜6に波巻結線したものであり、6個の電機子
コイル群1A〜1C、2A〜2Cの巻線は、図示のよう
に右回り走行、左進行の波巻となっている。
【0019】先ず、第1整流子セグメント1に結線され
た電機子コイル群1Aは、第1ティース24A廻りのス
ロットに右回りに複数回(n回:例えば10回〜20
回)巻かれて、第6整流子セグメント6に接続される。
すなわち、電機子コイル群1Aの合成ピッチは5(セグ
メント)で、全セグメント数(6)−1であり、波巻条
件を満たして結線されている。
【0020】そして、第6整流子セグメント6に結線さ
れた電機子コイル群2Bは、第2ティース24B廻りの
スロットに左回りに複数回(n回:例えば10回〜20
回)巻かれ、第5整流子セグメント5に接続される。こ
の電機子コイル群2Bの合成ピッチは、一見1(セグメ
ント)のようにも見えるが、5(セグメント)と等価で
あり、上と同様にして、波巻条件を満たしている。
【0021】そして、第5整流子セグメント5に結線さ
れた電機子コイル群1Cは、第3ティース24C廻りの
スロットに右回りに複数回(n回:例えば10回〜20
回)巻かれ、第4整流子セグメント4に接続される。こ
の電機子コイル群1Cの合成ピッチも、5(セグメン
ト)と等価であり、上と同様にして、波巻条件を満たし
ている。
【0022】そして、第4整流子セグメント4に結線さ
れた電機子コイル群2Aは、第1ティース24A廻りの
スロットに左回りに複数回(n回:例えば10回〜20
回)巻かれて、第3整流子セグメント3に接続される。
この電機子コイル群2Aの合成ピッチも、5(セグメン
ト)と等価であり、上と同様にして、波巻条件を満たし
ている。
【0023】そして、第3整流子セグメント3に結線さ
れた電機子コイル群1Bは、第2ティース24B廻りの
スロットに右回りに複数回(n回:例えば10回〜20
回)巻かれ、第2整流子セグメント2に接続される。こ
の電機子コイル群1Bの合成ピッチも、5(セグメン
ト)と等価であり、上と同様にして、波巻条件を満たし
ている。
【0024】そして、第2整流子セグメント2に結線さ
れた電機子コイル群2Cは、第3ティース24C廻りの
スロットに左回りに複数回(n回:例えば10回〜20
回)巻かれ、第1整流子セグメント1に接続される。こ
の電機子コイル群2Cの合成ピッチも、5(セグメン
ト)と等価であり、上と同様にして、波巻条件を満たし
ている。
【0025】〔第1実施例の作用および効果〕次に、集
中巻直流電動機20として作動させる場合の電機子コイ
ル25に流れる電流、および電機子コイル25に誘起さ
れる起電力ベクトルの状態について図1ないし図3に基
づいて説明する。
【0026】最初に、電機子コイル25に流れる電流の
経路を図1の波巻の巻線図(展開図)に基づいて説明す
る。先ず、電流の第1の経路は、図1中に矢印で示した
ように、図示しない直流電源の正極側に接続された正極
側ブラシ31と接触する第1整流子セグメント1から電
機子コイル群1Aを右回りに巻数回(n回)流れて第6
整流子セグメント6に至り、この第6整流子セグメント
6から電機子コイル群2Bを左回りに巻数回(n回)流
れて第5整流子セグメント5に至り、この第5整流子セ
グメント5から負極側ブラシ32を通って図示しない直
流電源の負極側に至る電流経路である。
【0027】また、電流の第2の経路は、図1中に矢印
で示したように、正極側ブラシ31と接触する第2整流
子セグメント2から電機子コイル群1Bを左回りに巻数
回(n回)流れて第3整流子セグメント3に至り、この
第3整流子セグメント3から電機子コイル群2Aを右回
りに巻数回(n回)流れて第4整流子セグメント4に至
り、この第4整流子セグメント4から負極側ブラシ32
に至る電流経路である。
【0028】なお、N極磁極21の中央に位置する第3
ティース24C廻りにn回巻かれた電機子コイル群1
C、2Cは、整流子27を介して各々正極側ブラシ31
および負極側ブラシ32にて短絡されており、電流の流
れる方向を反転させる整流作用を行う整流期間となって
いる。
【0029】次に、図1に対し電機子26が1セグメン
ト分回転した場合の電機子コイル25に流れる電流の経
路を図2の波巻の巻線図(展開図)に基づいて説明す
る。先ず、電流の第1の経路は、図2中に矢印で示した
ように、正極側ブラシ31と接触する第2整流子セグメ
ント2から電機子コイル群2Cを左回りに流れて第1整
流子セグメント1に至り、この第1整流子セグメント1
から電機子コイル群1Aを右回りに流れて第6整流子セ
グメント6に至り、この第6整流子セグメント6から負
極側ブラシ32に至る電流経路である。
【0030】また、電流の第2の経路は、図2中に矢印
で示したように、正極側ブラシ31と接触する第3整流
子セグメント3から電機子コイル群2Aを右回りに流れ
て第4整流子セグメント4に至り、この第4整流子セグ
メント4から電機子コイル群1Cを左回りに流れて第5
整流子セグメント5に至り、この第5整流子セグメント
5から負極側ブラシ32に至る電流経路である。
【0031】なお、S極磁極22の中央に位置する第2
ティース24B廻りにn回巻かれた電機子コイル群1
B、2Bは、整流子27を介して各々正極側ブラシ31
および負極側ブラシ32にて短絡されており、電流の流
れる方向を反転させる整流作用を行う整流期間となって
いる。
【0032】以上のことから、電機子巻線法として波巻
を利用した集中巻直流電動機20は、電機子26の回転
位置に関わらず、N極、S極磁極21、22の中央に位
置するティース廻りに巻かれた電機子コイル25が整流
期間となっており、逆起電力の小さな電機子コイル25
が整流される結果、少ない個数のティースに集中巻して
も、良好な整流作用を行うことができる。
【0033】次に、集中巻直流電動機20が作動してい
る場合の電機子コイルに誘起される逆起電力(電機子起
磁力)ベクトルの状態を図3に基づいて説明する。図3
中の起電力ベクトルA、B、Cは、電機子コイル群1
A、1B、1Cに左回り方向に発生する逆起電力(図面
鉛直下向きの電機子起磁力に対応)を表し、ベクトル図
の中心Oから遠ざかる方向を正方向としている。他方、
図3中の起電力ベクトル−A、−B、−Cは、電機子コ
イル群2A、2B、2Cに右回り方向に発生する逆起電
力(図面鉛直上向きの電機子起磁力に対応)を表し、同
じくベクトル図の中心Oから遠ざかる方向を正方向とし
ている。
【0034】前述の図1に対応する合成逆起電力(電機
子起磁力)は、図3中に一点鎖線のベクトルで表すこと
ができ、電機子コイル群1Aの成分Aと電機子コイル群
2Bの成分−B、および電機子コイル群2Bの成分−
(−A)と電機子コイル群2Bの成分−Bとの合成値=
2(A−B)である。また、前述の図2に対応する合成
逆起電力(電機子起磁力)も、図3中に一点鎖線のベク
トルで表すことができ、電機子コイル群1Aの成分Aと
電機子コイル群1Cの成分−C、および電機子コイル群
2Aの成分−(−A)と電機子コイル群2Cの成分−C
との合成値=2(A−C)である。さらに、図2に対し
電機子26が1セグメント分回転した場合の合成逆起電
力(電機子起磁力)も、図3中に一点鎖線のベクトルで
表すことができ、電機子コイル群1Bの成分Bと電機子
コイル群1Cの成分−C、および電機子コイル群2Bの
成分−(−B)と電機子コイル群2Cの成分−Cとの合
成値=2(B−C)である。
【0035】以上のように、合成逆起電力(電機子起磁
力)は、各電機子コイル群の成分から効率良く合成さ
れ、電機子26が1セグメント分(電気角60゜)回転
すると合成逆起電力(電機子起磁力)ベクトルは同じ大
きさで、電機子26の回転方向と逆方向へ60゜電気角
だけ回転する。すなわち、合成逆起電力(電機子起磁
力)ベクトルは、セグメント数だけ等分割されており、
図1および図2で説明したように、N極、S極磁極2
1、22の中央に位置するスロットに巻かれた逆起電力
の小さな電機子コイル群を整流でき、良好な整流が可能
となる。
【0036】また、電機子26の起磁力ベクトルの大き
さは、各電機子コイル群の巻数を何れもn(例えば10
〜20)回に設定したので略同一であり、電機子26の
一回転で、電機子起磁力の合成ベクトルの軌跡は図3中
に破線で示すような正六角形となり、トルクリップルの
比較的少ない滑らかな回転が可能となる。
【0037】次に、本実施例の比較例として用いた2極
3スロット6セグメント重ね巻直流電動機30を図4の
重ね巻の巻線図(展開図)に基づいて説明する。この重
ね巻直流電動機30の電機子26の場合、図4に示した
ように、スロット毎に集中巻した2個の電機子コイル群
1A〜1C、2A〜2Cをスロットの個数の2倍の6個
の第1〜第6整流子セグメント1〜6に結線した右回り
走行、右進行の重ね巻となっている。
【0038】例えば第1整流子セグメント1に繋がった
電機子コイル群1Cは、第3ティース24C廻りのスロ
ットに右回りに複数回(n回)巻かれて第2整流子セグ
メント2に接続される。続いて、第2整流子セグメント
2から電機子コイル群2Cは、第3ティース24C廻り
のスロットに右回りに複数回(n回)巻かれて第3整流
子セグメント3に接続される。すなわち、電機子コイル
群1C、2Cの合成ピッチは1(セグメント)であり、
重ね巻条件を満たして結線されている。以下、同様にし
て、残りの電機子コイル群1A、1B、2A、2Bが重
ね巻条件を満たして巻かれている。
【0039】次に、重ね巻直流電動機30として作動さ
せる場合の電機子コイル25に流れる電流の状態につい
て図4に基づいて簡単に説明する。先ず、電流の第1の
経路は、図4中に矢印で示したように、正極側ブラシ3
1と接触する第2整流子セグメント2から電機子コイル
群2Cを右回りに巻数回(n回)流れて第3整流子セグ
メント3に至り、この第3整流子セグメント3から電機
子コイル群1Aを右回りに巻数回(n回)流れて第4整
流子セグメント4に至り、この第4整流子セグメント4
から負極側ブラシ32に至る電流経路である。
【0040】また、電流の第2の経路は、図4中に矢印
で示したように、正極側ブラシ31と接触する第1整流
子セグメント1から電機子コイル群2Bを左回りに巻数
回(n回)流れて第6整流子セグメント6に至り、この
第6整流子セグメント6から電機子コイル群1Bを左回
りに巻数回(n回)流れて第5整流子セグメント5に至
り、この第5整流子セグメント5から負極側ブラシ32
に至る電流経路である。
【0041】なお、図4中、N極磁極21の右側に位置
する第3ティース24C廻りの電機子コイル群1Cは、
整流子27を介して正極側ブラシ31にて短絡されてお
り、整流期間となっている。また、図4中、S極磁極2
2の左側に位置する第1ティース24A廻りの電機子コ
イル群2Aは、整流子27を介して負極側ブラシ32に
て短絡されており、整流期間となっている。
【0042】以上のように、本実施例と同じ2極3スロ
ット6セグメントでも比較例のように重ね巻直流電動機
30の場合、N極、S極磁極21、22の中央から左右
に外れた位置のスロットに巻かれた電機子コイル25
が、整流期間となっており、本実施例で用いた集中波巻
に対し逆起電力の大きな電機子コイル25が整流され
る。この結果、スロットに集中巻した場合、例えセグメ
ント数を増やしても原理的に良好な整流が困難であるこ
とが分かる。
【0043】〔第2実施例〕図5ないし図8は本発明の
直流機を、4極5スロット15セグメントの集中巻直流
電動機に適用した第2実施例を示したもので、図5は集
中巻直流電動機の全体構成を示した構成図で、図6は集
中巻直流電動機の波巻の巻線図で、図7は電機子の逆起
電力(電機子起磁力)ベクトルを示した説明図である。
【0044】集中巻直流電動機20の電機子26は、回
転中心に設けたシャフト29の外周に圧入された積層コ
アである電機子コア24と、この電機子コア24の外周
に形成された5個の第1〜第5ティース24A〜24E
と、各ティース毎に集中巻された複数個の電機子コイル
群1A〜5A、1B〜5B、1C〜5C、1D〜5D、
1E〜5Eと、シャフト29の外周に圧入された整流子
27とから構成されている。この整流子27は、互いに
絶縁されており、それぞれが電機子コイル群に電気的に
接続されている15個の第1〜第15整流子セグメント
1〜15を円筒形に組み立てて、その表面を2個の正極
側、負極側ブラシ31、32(図6参照)が摺接する。
【0045】また、集中巻直流電動機20は、図5に示
したように、電機子26の外周に空隙を介して2個のN
極磁極33、34と2個のS極磁極35、36が交互に
配設され、これらのN極、S極磁極33〜36を外側か
ら固定し、磁気回路の一部を形成するヨーク23が配設
されている。なお、図5ではブラシは省略した。そし
て、2個のN極磁極33、34の磁極弧はN極に着磁さ
れており、2個のS極磁極35、36の磁極弧はS極に
着磁されている。
【0046】本実施例は、図6の巻線図(展開図)に示
したように、スロット毎に集中巻した5個の電機子コイ
ル群をスロット数の3倍の15個の第1〜第15整流子
セグメント1〜15に波巻結線したものであり、巻線
は、図示のように右回り走行、左進行の波巻となってい
る。
【0047】ここで、5個の電機子コイル群1A〜5A
は第1ティース24Aの廻りに集中巻されたコイルで、
5個の電機子コイル群1B〜5Bは第2ティース24B
の廻りに集中巻されたコイルで、5個の電機子コイル群
1C〜5Cは第3ティース24Cの廻りに集中巻された
コイルで、5個の電機子コイル群1D〜5Dは第4ティ
ース24Dの廻りに集中巻されたコイルで、5個の電機
子コイル群1E〜5Eは第5ティース24Eの廻りに集
中巻されたコイルである。
【0048】例えば第1整流子セグメント1に繋がる一
連の電機子コイル群を図6中、太線で区別して説明す
る。第1整流子セグメント1に繋がった電機子コイル群
1Aは、第1ティース24A廻りのスロットに右回りに
複数回(n1回)巻かれて、第8整流子セグメント8に
接続される。すなわち、電機子コイル群1Aの合成ピッ
チは7(セグメント)で、下記の数1の式の波巻条件を
満たして結線されている。
【数1】合成ピッチ(7)×極対数(2)=全セグメン
ト数(15)−1
【0049】続いて、第8整流子セグメント8に繋がっ
た電機子コイル群2Aは、第1ティース24A廻りのス
ロットに右回りに複数回(n2回)巻かれ、第2ティー
ス24Bを迂回し、電機子コイル群3Cが第3ティース
24C廻りのスロットに右回りに複数回(n3回)巻か
れ、第15整流子セグメント15に接続される。これら
の電機子コイル群2Aおよび電機子コイル群3Cからな
る電機子コイル群の合成ピッチは同じく、7(セグメン
ト)であり、上と同様にして波巻条件を満たしている。
【0050】続いて、第15整流子セグメント15に繋
がった電機子コイル群4Aは、第1ティース24A廻り
のスロットに右回りに複数回(n3回)巻かれ、第2テ
ィース24Bを迂回し、電機子コイル群5Cが第3ティ
ース24C廻りのスロットに右回りに複数回(n2回)
巻かれ、第7整流子セグメント7に接続される。これら
の電機子コイル群4Aおよび電機子コイル群5Cからな
る電機子コイル群の合成ピッチは同じく、7(セグメン
ト)であり、上と同様に波巻条件を満たしている。図6
中の太線以外の残りの電機子コイル群も同様にして、波
巻条件を満たして巻かれている。
【0051】次に、集中巻直流電動機20として作動さ
せる場合の電機子コイルに流れる電流の状態について図
6に基づいて説明する。先ず、電流の第1の経路は、図
6中に矢印で示したように、図示しない直流電源の正極
側に接続された正極側ブラシ31と接触する第1整流子
セグメント1から電機子コイル群1Aを右回りに巻数回
(n1回)流れて第8整流子セグメント8に至り、この
第8整流子セグメント8から電機子コイル群2Aを右回
りに巻数回(n2回)流れ、第2ティース24Bを迂回
し、電機子コイル群3Cを右回りに巻数回(n3回)流
れて第15整流子セグメント15に至る。
【0052】そして、この第15整流子セグメント15
から電機子コイル群4Aを右回りに巻数回(n3回)流
れ、第2ティース24Bを迂回し、電機子コイル群5C
を右回りに巻数回(n2回)流れて第7整流子セグメン
ト7に至る。そして、この第7整流子セグメント7から
電機子コイル群1Cを右回りに巻数回(n1回)流れて
第14整流子セグメント14に至り、この第14整流子
セグメント14から電機子コイル群2Cを右回りに巻数
回(n2回)流れ、第4ティース24Dを迂回し、電機
子コイル群3Eを右回りに巻数回(n3回)流れ、第6
整流子セグメント6から負極側ブラシ32を通って、直
流電源の負極側に至る電流経路である。
【0053】また、電流の第2の経路は、図6中に矢印
で示したように、正極側ブラシ31と接触する第2整流
子セグメント2から電機子コイル群1Dを左回りに巻数
回(n1回)流れて第10整流子セグメント10に至
り、この第10整流子セグメント10から電機子コイル
群5Dを左回りに巻数回(n2回)流れ、第3ティース
24Cを迂回し、電機子コイル群4Bを左回りに巻数回
(n3回)流れて第3整流子セグメント3に至る。そし
て、この第3整流子セグメント3から電機子コイル群3
Dを左回りに巻数回(n3回)流れ、第3ティース24
Cを迂回し、電機子コイル群2Bを左回りに巻数回(n
2回)流れて第11整流子セグメント11に至る。
【0054】そして、この第11整流子セグメント11
から電機子コイル群1Bを左回りに巻数回(n1回)流
れて第4整流子セグメント4に至り、この第4整流子セ
グメント4から電機子コイル群5Bを左回りに巻数回
(n2回)流れ、第1ティース24Aを迂回し、電機子
コイル群4Eを左回りに巻数回(n3回)流れて第12
整流子セグメント12に至る。そして、この第12整流
子セグメント12から電機子コイル群3Bを左回りに巻
数回(n3回)流れ、第1ティース24Aを迂回し、電
機子コイル群2Eを左回りに巻数回(n2回)流れて第
5整流子セグメント5から負極側ブラシ32に至る電流
経路である。
【0055】また、電機子コイル群の巻数n1〜n3
は、図7を用いて後述する理由により下記の数2の式の
関係となっている。
【数2】n1:n2:n3=3:2:1
【0056】なお、図6中の電流の流れ方向を表す矢印
は、電機子コイル群の巻数の関係に対応させて、3個、
2個、1個の矢印で区別した。また、N極磁極33の中
央に位置する第5ティース24E廻りの電機子コイル群
1E、5Eは、整流子27および電機子コイル群4Cを
介して負極側ブラシ32にて短絡されており、整流期間
となっている。
【0057】以上のように、本実施例の電機子巻線法に
よれば、第1実施例と同じように、磁極中央に位置する
ティースの電機子コイル群が、整流期間となっており、
逆起電力の小さな電機子コイルが整流される結果、ティ
ースに集中巻きしても良好な整流が可能となる。一方、
正極側ブラシ31にて短絡され、整流期間にある電機子
コイル群5A、4D、3A、2Dは、何れも第5ティー
ス24Eに隣接する第1、第4ティース24A、24D
廻りに少ない巻数n2、n3で巻かれているため、比較
的逆起電力も小さく、良好な整流が可能である。
【0058】次に、集中巻直流電動機20が作動してい
る場合の電機子コイルに誘起される電機子起磁力ベクト
ルの状態を図7に示す。図7中の起電力ベクトルA、
B、C、D、Eは、各々、前述した電機子コイル群1
A、1B、1C、1D、1Eに右廻りに巻数回(n1
回)流れる電流によって生じる紙面鉛直下向きの電機子
起磁力を表し、ベクトル図中心Oから遠ざかる方向を正
方向としている。また、起電力ベクトル間の位相差は機
械角で約2π/5である。一方、添字を付した起電力ベ
クトルA1 〜E3 は、後述するように2個の電機子コイ
ル群により生じる電機子起磁力の合成値を表しており、
以下に起電力ベクトルA3 と起電力ベクトルB1 を例に
して説明する。
【0059】起電力ベクトルA3 は、第1ティース(第
1のスロットに相当する)24Aに集中巻された電機子
コイル群(第1の電機子コイル群に相当する)3Aに右
回りに巻数回(n3回)流れる電流によって生じる紙面
鉛直下向きの起磁力成分a2と、第2ティース(第2の
スロットに相当する)24Bに集中巻された電機子コイ
ル群(第2の電機子コイル群に相当する)2Dに右回り
に巻数回(n2回)流れる電流によって生じる紙面鉛直
下向きの起磁力成分d1 の合成値であり、起電力ベクト
ルA3 の大きさは後述する理由により起電力ベクトルA
と略同一であり、起電力ベクトルAと起電力ベクトルA
3 との位相差は機械角で約2π/15である。
【0060】一方、起電力ベクトルB1 は、第2ティー
ス(第1のスロットに相当する)24Bに集中巻された
電機子コイル群(第1の電機子コイル群に相当する)4
Bに右回りに巻数回(n3回)流れる電流によって生じ
る紙面鉛直下向きの起磁力成分b3 と、第4ティース
(第2のスロットに相当する)24Dに集中巻された電
機子コイル群(第2の電機子コイル群に相当する)5D
に右回りに巻数回(n2回)流れる電流によって生じる
紙面鉛直下向きの起磁力成分d4 の合成値であり、同様
の理由により、起電力ベクトルB1 の大きさは起電力ベ
クトルA、Bと略同一であり、起電力ベクトルBと起電
力ベクトルB1 との位相差は機械角で約2π/15であ
る。以上により起電力ベクトルA3 と起電力ベクトルB
1 とは、起電力ベクトルA、B間を均等に3分割してい
ることが分かる。また、起電力ベクトルA3 と起電力ベ
クトルB1 もベクトル図中心Oから遠ざかる方向を正方
向としている。
【0061】さて、起電力ベクトルA3 の大きさは、ベ
クトル成分a2 、d1 の大きさが巻数比の関係から各
々、下記の数3の式の関係であること、
【数3】|a2 |=|A|/3 |d1 |=|A|×2/3 さらに、ベクトル成分a2 、d1 のなす角がπ−π/5
であることに着目すると、余弦定理により下記の数4の
式のように求まる。
【0062】
【数4】|A3 |=0.957×|A| 他の起電力ベクトルも同様であり、したがって起電力ベ
クトルA1 〜E3 および起電力ベクトルA〜Eの大きさ
の相対比を0.95〜1.05の範囲内に収めることが
できる。
【0063】また、起電力ベクトルAと起電力ベクトル
A3 のなす角θは、以下のように求められる。起電力ベ
クトルA3 とベクトル成分d1 のなす角をαとし、起電
力ベクトルA3 、ベクトル成分d1 とベクトル成分a2
からなる三角形に正弦定理を適用することにより、前記
αが下記の数5の式のように求まる。
【0064】
【数5】α=11.8deg これより、起電力ベクトルAと起電力ベクトルA3 のな
す角θは、下記の数6の式のように求まる。
【0065】
【数6】θ=π/5−α=24.2deg 他の起電力ベクトルも同様であり、360゜を15分割
した角度(24deg)の対する相対誤差は−1%〜1
%の範囲内に収めることができる。
【0066】以上のように、電機子コイル群の巻数と電
機子コイルを巻くスロットの角度ピッチを所定の関係を
満たすように選定することにより、1個のスロットに集
中巻された電機子コイル25を流れる電機子電流により
誘起された起磁力ベクトルA〜E、および第1のスロッ
トに集中巻された第1の電機子コイル群と第2のスロッ
トに集中巻された第2の電機子コイル群とを連ねて結線
した電機子コイル25を流れる電機子電流により誘起さ
れた起磁力ベクトルA1 〜E3 の大きさの相対比、およ
び角度の相対誤差を所定範囲内に収めることができる。
そのため、電機子26の一回転で、起電力ベクトルの軌
跡は、略正15角形となり、トルクリップルの少ない滑
らかな回転が可能になる。
【0067】なお、以上の説明は、図7に基づき機械的
ベクトルの観点から説明したが、電気的位相差は磁極が
4(2極対)のため電気的に2倍にされる作用と、本実
施例の電機子コイル25が奇数セグメントに波巻結線さ
れ、起磁力ベクトルA〜E、A1 〜E3 が360゜を奇
数(15)分割していることから電気的に2分割される
作用とが相殺され、前記起磁力ベクトル間の電気的相対
角度(電気的位相差)は同じく24゜であり、以上の説
明は電気角でも成立する。
【0068】次に、図8の巻線模式図を用いて電機子コ
イル群の電機子コア24への配設方法について説明す
る。図8中の四角で囲んだ部分は、電機子コイル群の断
面を模式的に表しており、以下に第1ティース24A廻
りに巻かれている電機子コイル群1A〜5Aを例にして
説明する。
【0069】第1ティース24A廻りのスロットにn1
回(例えば12回)集中巻された電機子コイル群1Aの
下部に電機子コイル群3A、4Aがn3回(例えば4
回)集中巻されて配設されており、さらに電機子コイル
群1A、3A、4Aの外側に電機子コイル群2A、5A
がn2回(例えば8回)集中巻されて配設されている。
また、図8中では省略したが、各電機子コイル群と電機
子コア24との間には、絶縁紙や樹脂粉体被膜からなる
絶縁部材を介装する等の処理が施されている。
【0070】以上のように、1個のティースに合計5種
類の電機子コイル群が巻かれており、第1の電機子コイ
ル群1Aは起磁力ベクトルAを受持ち、第2の電機子コ
イル群2Aは起磁力ベクトルC3 の一部(図7中のベク
トル成分a1 )を受持ち、第3の電機子コイル群3Aは
起磁力ベクトルA3 の一部(図7中のベクトル成分a2
)を受持ち、第4の電機子コイル群4Aは起磁力ベク
トルA1 の一部(図7中のベクトル成分a3 )を受持
ち、第5の電機子コイル群5Aは起磁力ベクトルD1 の
一部(図7中のベクトル成分a4 )を受け持っている。
【0071】次に、起磁力ベクトルを1ティース当たり
どのようにして3分割しているかを起磁力ベクトルA、
A1 、A3 に対応させて説明する。先ず、起磁力ベクト
ルAは、上述の通り、1個の第1ティース24Aに集中
巻した電機子コイル群1Aが受け持つ。そして、起磁力
ベクトルA1 は、第1ティース24Aに巻いた電機子コ
イル群4A(図7中のベクトル成分a3 )と第3ティー
ス24Cにn2回巻いた電機子コイル群5C(図7中の
ベクトル成分c4 )が受け持つ。
【0072】そして、起磁力ベクトルA3 は、第1ティ
ース24Aに巻いた電機子コイル群3A(図7中のベク
トル成分a2 )と第4ティース24Dにn2回巻いた電
機子コイル群2D(図7中のベクトル成分d1 )が受け
持つ。以上のように区分けした電機子コイル群の中で起
磁力ベクトルを合成するのに適した角度位置にある(電
気的位相の近い)電機子コイル群を所定の巻数ずつ連結
することにより、1ティース当たり3つの起磁力ベクト
ルに分割している。
【0073】なお、本実施例では、1ティース当たり3
個の起磁力ベクトルに分割しているが、同じような手法
により、1ティース当たり4個以上の起磁力ベクトルに
も分割することができ、磁極数とスロット(ティース)
数が決められていた時、波巻条件に合致するようにベク
トル分割数、すなわち、セグメント分割数を選定するこ
とにより、種々の条件の直流機に本実施例の電機子巻線
法を用いた電機子コイルが適用できる。
【0074】〔第3実施例〕図9は本発明の直流機を、
4極5スロット15セグメントの集中巻直流電動機に適
用した第3実施例を示したもので、図9は集中巻直流電
動機の全体構成を示した構成図である。
【0075】本実施例の集中巻直流電動機20の界磁装
置は、電機子26の外周に空隙を介して配設された2個
のN極磁極(第1磁極に相当する)33、34と2個の
S極磁極(第2磁極に相当する)41、42と、これら
のN極、S極磁極33、34、41、42を外側から接
着剤等により固定する円筒形状のヨーク23とを有して
いる。なお、2個のN極磁極33、34には、例えばフ
ェライト磁石等の永久磁石材料により製作した、円弧形
状の断面を有する永久磁石磁極が利用されている。2個
のS極磁極41、42には、例えば鉄等の軟磁性材料に
より製作した、円弧形状の断面を有する軟磁性材磁極が
利用されている。
【0076】したがって、本実施例の集中巻直流電動機
20の界磁装置は、第2実施例に対して永久磁石の使用
量を半分に減らすことができるので、コスト面で有利に
なり、界磁装置の製造コストを低減することができる。
また、直流機の小型化のため、本発明からなる集中巻と
多極化とを組み合わせた場合には、永久磁石の部品点数
が増えることになるが、N極磁極またはS極磁極のうち
の一方の片側磁極を安価な軟磁性材磁極とすることによ
り、多極化による磁石コストの増加を相殺できる。
【0077】〔第4実施例〕図10は本発明の直流機
を、4極5スロット15セグメントの集中巻直流電動機
に適用した第4実施例を示したもので、図10は集中巻
直流電動機の全体構成を示した構成図である。
【0078】本実施例の集中巻直流電動機20の界磁装
置では、軟磁性材磁極として、軟磁性材料(例えば鉄)
よりなるヨーク23の対向する2箇所を内径側(電機子
26側)に突出するようにプレス成形等により変形加工
した突条のS極磁極(第2磁極に相当する)43、44
を利用している。また、S極磁極43、44の磁極弧の
両端面には、ヨーク23より内径側(電機子26側)に
突出するように垂下された立壁部45、46が形成され
ている。
【0079】したがって、本実施例の集中巻直流電動機
20の界磁装置は、S極磁極43、44がヨーク23と
一体成形されているので、第3実施例のように、ヨーク
23に対して別途設けられた特別なS極磁極41、42
をヨーク23の内周面に組み付ける組付作業が不要にな
り、界磁装置の製造コストを更に低減することができ
る。また、ヨーク23からS極磁極43、44に連なる
立壁部45、46の形状を図10に示した形状にすれ
ば、ヨーク23の横幅を小さくでき、一般に横幅が小さ
い2極小型直流モータの形状に近付けることができる。
これにより、2極小型直流モータと4極の集中巻直流電
動機20との取付互換性を持たせることも可能である。
【0080】〔第5実施例〕図11は本発明の直流機
を、4極5スロット15セグメントの集中巻直流電動機
に適用した第5実施例を示したもので、図11は集中巻
直流電動機の全体構成を示した構成図である。
【0081】本実施例の集中巻直流電動機20の界磁装
置は、両端面に立壁部50、51が設けられた2個の軟
磁性材S極磁極(軟磁性材磁極に相当する)52、53
と、これらの軟磁性材S極磁極52、53の立壁部5
0、51に隣接する2個のS極着磁部(第2磁極の磁極
弧残部に相当)54、55と、軟磁性材S極磁極52、
53と異なる極性の2個のN極着磁部(第1磁極の磁極
弧部に相当)56、57と、S極着磁部54、55とN
極着磁部56、57との間に配設され、着磁されない無
着磁部58、59とを備えている。
【0082】そして、本実施例では、S極着磁部54、
55とN極着磁部56、57との間に無着磁部58、5
9を挟んで同一磁極部材(樹脂または焼結材)により一
体化することにより、軟磁性材S極磁極52、53の立
壁部50、51に隣接する永久磁石磁極61、62を構
成している。永久磁石磁極61、62を1個の極対にて
説明すると、永久磁石磁極61はN極着磁部56、無着
磁部58、S極着磁部54の順に同一磁極部材を2極に
着磁形成したものである。
【0083】また、図示のようにS極着磁部54、55
の磁極弧は、N極着磁部56、57の磁極弧の約半分と
なっており、電機子起磁力による減磁側の磁束をS極着
磁部54、55が受け持っている。一方、電機子起磁力
による増磁側の磁束を軟磁性材S極磁極52、53が受
け持っている。
【0084】本実施例によれば、第3、第4実施例に比
べて、増磁側を軟磁性材S極磁極52、53が受け持
ち、減磁側の磁束をS極着磁部54、55に受け持たせ
る磁極構成としたことにより、集中巻直流電動機20の
モータ性能を維持しつつ、磁石コストを抑制できる。ま
た、軟磁性材S極磁極52、53の立壁部50、51の
端面を永久磁石磁極61、62の端面を当接させる位置
決め部材として用いるので、永久磁石磁極61、62の
位置決めが容易となり、界磁装置の製作工程を簡素化で
きる効果もある。
【0085】〔他の実施例〕以上、磁極数=2、スロッ
ト数=3の集中巻直流電動機20の場合を第1実施例
で、磁極数=4、スロット数=5の集中巻直流電動機2
0の場合を第2〜第5実施例で説明したが、これ以外の
組合せも可能であり、以下に有効な磁極数M、スロット
(ティース)数Nの組合せ実施例を説明する。
【0086】磁極の磁束をどれだけ有効利用できるか
は、交流機の短節巻係数と分布巻係数の両方の考え方で
本来検討すべきであるが、簡便のため短節巻係数だけを
用いて説明する。短節巻係数をkpとすると、kpと磁
極数M、スロット数Nには下記の数7の式(関係式)が
成り立つ。
【数7】kp=sin{(π/2)×(M/N)} 上記の数7の式をもとに磁極数M=2〜10、スロット
数=3〜11の範囲で短節巻係数kpを計算した結果を
表1の枠内上側に示す。
【表1】 上記の表1から短節巻係数kpは、表の対角線に近い
M、Nの組合せで大きいのが分かる。なお、表1で斜線
は、M/Nが整数となり、波巻条件を満たすセグメント
数がない組合せを表す。また、横線は、M/N>2、M
/N<0.5で磁束有効利用率が悪い組合せを表す。
【0087】そこで、表1から磁束有効利用率が大き
く、短節巻係数kpが0.9以上に該当するM、Nの組
合せを抽出すると、(M,N)=(4,5)、(6,
5)、(6,7)、(8,7)、(8,9)、(10,
9)、(10,11)となり、何れもkp≧0.95で
ある。因みに(M,N)=(4,5)は、第2〜5実施
例に該当し、kp=0.95であり、分布巻係数kd
は、概算値0.96である。これより、kp×kd=
0.91となり、磁極の90%以上の磁束を有効利用で
きることが分かる。(なお、kdは前記起電力ベクトル
A3 の大きさの計算と同じ方法によった。)
【0088】以上より、短節巻係数kpが0.95以上
に該当し、磁束有効利用率が良好なM、Nの組合せを整
理すると、スロット(ティース)数Nが、N=2n+1
(n≧2)で、磁極数Mが、M=N−1、または、M=
N+1の場合となる。スロット(ティース)数Nと磁極
数Mの関係が以上の組合せの場合、電機子起磁力を有効
に利用できるため、効率が向上し、例えば約3V〜24
Vの直流電源(バッテリー)で駆動されるブラシ付小型
直流モータなどの集中巻直流電動機20または直流発電
機等の直流機を小型化する上で有利になる。なお、セグ
メント数sは、磁極数M、スロット(ティース)数Nに
対し、前述の波巻条件を満たす場合に成立可能であり、
可能なセグメント数sを表1の枠内下側に示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】集中巻直流電動機の波巻の電機子の展開図(第
1実施例)。
【図2】集中巻直流電動機の波巻の電機子の展開図(第
1実施例)。
【図3】電機子の逆起電力ベクトルを示した説明図(第
1実施例)。
【図4】集中巻直流電動機の重ね巻の電機子の展開図
(比較例)。
【図5】集中巻直流電動機の全体構成を示した構成図
(第2実施例)。
【図6】集中巻直流電動機の波巻の電機子の展開図(第
2実施例)。
【図7】電機子の逆起電力ベクトルを示した説明図(第
2実施例)。
【図8】集中巻直流電動機の電機子を示した巻線模式図
(第2実施例)。
【図9】集中巻直流電動機の全体構成を示した構成図
(第3実施例)。
【図10】集中巻直流電動機の全体構成を示した構成図
(第4実施例)。
【図11】集中巻直流電動機の全体構成を示した構成図
(第5実施例)。
【符号の説明】
1 第1整流子セグメント(整流子片) 2 第2整流子セグメント(整流子片) 3 第3整流子セグメント(整流子片) 4 第4整流子セグメント(整流子片) 5 第5整流子セグメント(整流子片) 6 第6整流子セグメント(整流子片) 20 集中巻直流電動機(直流機) 21 N極磁極 22 S極磁極 23 ヨーク(継鉄) 24 電機子コア 25 電機子コイル 26 電機子 27 整流子 31 正極側ブラシ 32 負極側ブラシ 1A 電機子コイル群 2A 電機子コイル群 1B 電機子コイル群 2B 電機子コイル群 1C 電機子コイル群 2C 電機子コイル群 24A 第1ティース 24B 第2ティース 24C 第3ティース

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数個の磁極を連結する継鉄と、前記複数
    個の磁極と相対回転運動を行う電機子と、この電機子へ
    の給電を行うブラシとを備えた直流機であって、 前記電機子は、前記複数個の磁極と対向する側に、奇数
    個のスロットを有する電機子コアと、 前記スロットの個数の2倍以上で、且つ整数倍の個数の
    整流子片を有し、表面に前記ブラシが摺接する整流子
    と、 前記スロット毎に1スロットピッチで集中巻され、前記
    スロットの個数よりも多い複数個の電機子コイル群から
    なり、前記整流子に波巻結線される電機子コイルとを具
    備したことを特徴とする直流機。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の直流機において、 前記複数個の電機子コイル群は、前記整流子片の個数と
    等しく分割されて結線されており、 前記電機子コイルに誘起される起電力ベクトルは、前記
    整流子片の個数と等しい数の複数の起電力ベクトルに分
    割されており、 前記複数の起電力ベクトルの位相は略等分割され、前記
    複数の起電力ベクトルの大きさは略同一であることを特
    徴とする直流機。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の直流機に
    おいて、 前記電機子コイル群は、少なくとも1個のスロットに集
    中巻された電機子コイルからなるか、 あるいは第1のスロットに集中巻された第1の電機子コ
    イル群と第2のスロットに集中巻され、第1の電機子コ
    イル群と電気的位相の近い第2の電機子コイル群とを連
    ねて結線した電機子コイルからなることを特徴とする直
    流機。
  4. 【請求項4】請求項2または請求項3に記載の直流機に
    おいて、 前記複数の起電力ベクトルの電気的位相差の相対誤差は
    −5%以上5%以下の範囲内にあり、前記複数の起電力
    ベクトルの大きさの相対比は0.95以上1.05以下
    の範囲内にあることを特徴とする直流機。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項4のいずれかに記載
    の直流機において、 スロット数をN、磁極数をMとしたとき、 N=2n+1(但しnは2以上の整数)、 M=N−1、またはM=N+1 の関係を満足することを特徴とする直流機。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の直流機において、 前記複数個の磁極は、2個以上の第1磁極と、隣設する
    2個の第1磁極間に配設され、前記2個以上の第1磁極
    と極性が異なる2個以上の第2磁極とを具備し、 前記2個以上の第1磁極の少なくとも1個の第1磁極
    は、永久磁石により形成された永久磁石磁極であり、 前記2個以上の第2磁極の少なくとも1個の第2磁極
    は、軟磁性材料により形成された軟磁性材磁極であるこ
    とを特徴とする直流機。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の直流機において、 前記軟磁性材磁極は、前記継鉄の一部を前記電機子コア
    側へ突出するように変形加工してなる突条の磁極である
    ことを特徴とする直流機。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の直流機において、 前記複数個の磁極のうちの1個の磁極は、前記軟磁性材
    磁極に隣接すると共に、前記軟磁性材磁極と同一の極性
    の前記第2磁極の磁極弧残部と、前記軟磁性材磁極と異
    なる極性の第1磁極の磁極弧部と、前記磁極弧残部と前
    記磁極弧部との間に設けられ、着磁されない無着磁部と
    を同一の磁極部材により一体化したことを特徴とする直
    流機。
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