JPH1017599A - 抗繊維芽細胞増殖因子5モノクローナル抗体 - Google Patents

抗繊維芽細胞増殖因子5モノクローナル抗体

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JPH1017599A
JPH1017599A JP8169821A JP16982196A JPH1017599A JP H1017599 A JPH1017599 A JP H1017599A JP 8169821 A JP8169821 A JP 8169821A JP 16982196 A JP16982196 A JP 16982196A JP H1017599 A JPH1017599 A JP H1017599A
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fibroblast growth
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浩之 滝本
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茂樹 増居
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聡 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 FGF5を抗原として特異的に認識するモノ
クローナル抗体を提供する。 【解決手段】 FGF5のアミノ酸配列のうち、FGF
ファミリーに属する他のメンバーのアミノ酸配列と相同
性の低い領域のアミノ酸配列を有するペプチドを抗原に
用いて哺乳動物を免疫し、その哺乳動物の脾細胞と培養
細胞とを融合してハイブリドーマを作製し、そのハイブ
リドーマを培養してその培養液からモノクローナル抗体
を採取する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維芽細胞増殖因
子5(以下、「FGF5」という。)の検知に有用な抗
FGF5モノクローナル抗体及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】繊維芽細胞増殖因子(以下、「FGF」
という。)ファミリーについては、該ファミリーに属す
るメンバーのうち現在9番までクローニングされている
が、初めて1985年にクローニングされたFGF1
(aFGF)およびFGF2(bFGF)は、生体内で
発生、細胞分化、細胞増殖、形態形成、ガン化等の非常
に重要な生命現象に関与していることが明らかになって
いる(今村亨ら、臨床科学25, 1012-1021(1989);三井
洋司ら、蛋白核酸酵素36(7), 1237-1246(1991))。ま
た、ごく最近10番目のメンバーが見い出されたが、そ
の詳細はまだ明かではない。近年、その他のメンバー
も、生体内での重要な機能が徐々に明らかとなりつつあ
る(R. F. Tutrone et al., J. Urol. 149, 633-639 (1
993); B. Feldman, Science 267, 246-249 (1995); Jea
n M. Hebert et al., Cell 78, 1017-1025(1994); F. C
oulier et al.,Prog. Growth Factor Res. 5, 1-14 (19
94); S. Werner et al., J. Invest. Dermatol. 105, 5
79-584 (1995); H.Ohuchi et al.,Biochem. Biophys. R
es. Commun. 204(2), 882-888 (1994))。
【0003】その中で、FGFファミリーの5番目のメ
ンバーであるFGF5は、毛周期の制御因子としての機
能を持っていること(Jean M. Hebert et al., Cell, 7
8, 1017-1025 (1994))、また、皮膚の再生において誘
導していることが遺伝子レベルで明らかとなっている
(S. Werner et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89,
6896-6900 (1992))。
【0004】一方、ごく最近では、FGF5が脳の発生
過程において何らかの機能を持っていること、脳内で定
常的に発現していること等も遺伝子レベルで明らかとな
りつつある(小沢和夫ら、生化学 67(7), 569(199
5))。これらの事実は、生体内でのFGF5の異常が種
々の疾病を引き起こす原因になりうることを遺伝子レベ
ルで示唆するものである。従って、FGF5の挙動をタ
ンパク質レベルで捉えてそれを解析することは、これら
の疾病の原因解明や診断にとって重要であると言うこと
ができる。
【0005】FGFファミリーは、各メンバーの間で約
30%の相同性があり、FGF5の組換えタンパクを抗
原として抗体を作製した場合、作製された抗体はFGF
ファミリーの他のメンバーと交差反応する可能性が高
い。さらに、FGF5はマウスFGF5との相同性が約
93%もあるため、FGF5の組換えタンパクは免疫対
象であるマウス内での抗原性が非常に弱く、抗体を形成
しないばかりか、大量投与はマウスのショック死を引き
起こす可能性も考えられる。
【0006】FGF5を特異的に認識するポリクローナ
ル抗体は既に作製されているが(B.Bates et al., Mol.
Cel. Biol. 11(4), 1840-1845 (1991))、ポリクロー
ナル抗体は動物をその都度免疫し、その血中より調製し
なければならないために、ロットごとの抗体価のばらつ
きが大きく再現性に乏しいという欠点がある。これらの
欠点は、モノクローナル抗体を作製することによって解
決することができるが、現在のところFGF5を特異的
に認識するモノクローナル抗体は存在していない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、FGFファ
ミリーの他のメンバーを抗原として認識せず、FGF5
を特異的に認識するモノクローナル抗体、及びその製造
方法並びにこのモノクローナル抗体を用いてFGF5を
検知する方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、FGF5のア
ミノ酸配列のうち、FGFファミリーの他のメンバーの
配列と相同性が低い配列を有するペプチドを免疫原とし
て用いることにより、FGFファミリーの他のメンバー
に結合せず、FGF5に結合するモノクローナル抗体が
得られることを見いだし、本発明を完成させた。
【0009】すなわち、本発明は、下記性質を有する抗
繊維芽細胞増殖因子5モノクローナル抗体を提供する。 (a)繊維芽細胞増殖因子5に結合する。 (b)繊維芽細胞増殖因子ファミリーに属するメンバー
であって且つ前記繊維芽細胞増殖因子5以外のものに、
結合しない。
【0010】また、本発明は、繊維芽細胞増殖因子5の
アミノ酸配列のうち、繊維芽細胞増殖因子ファミリーに
属するメンバーであって且つ前記繊維芽細胞増殖因子5
以外のもののアミノ酸配列と相同性の低い領域を抗原と
して認識する前記抗繊維芽細胞増殖因子5モノクローナ
ル抗体を提供する。
【0011】また、本発明は、前記領域が、配列表配列
番号1に示すアミノ酸配列の少なくとも一部であること
を特徴とする前記抗繊維芽細胞増殖因子5モノクローナ
ル抗体を提供する。
【0012】また、本発明は、繊維芽細胞増殖因子5の
アミノ酸配列のうち、繊維芽細胞増殖因子ファミリーに
属するメンバーであって且つ前記繊維芽細胞増殖因子5
以外のもののアミノ酸配列と相同性の低い領域のアミノ
酸配列の少なくとも一部を有するペプチドと担体との結
合物を用いて哺乳動物を免疫した後前記哺乳動物の脾細
胞を取り出し、前記脾細胞と培養細胞とを融合してハイ
ブリドーマを作製し、前記ハイブリドーマを培養してそ
の培養物から抗体蛋白を採取する工程を含む、請求項1
記載のモノクローナル抗体の製造方法を提供する。
【0013】また、本発明は、モノクローナル抗体を用
いた免疫学的方法により繊維芽細胞増殖因子5を検知す
る方法において、前記モノクローナル抗体を用いる方
法、好ましくは毛髪の鑑定法または脳機能の鑑定法を提
供する。
【0014】なお、本明細書において、「FGF5に特
異的に結合する」とは、ヒトFGF5と反応して該FG
F5を抗原として特異的に認識し、且つFGFファミリ
ーに属する前記FGF5以外のメンバーには結合しない
ことをいう。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。FGF5
を含むFGFファミリーのcDNA配列は既に知られて
おり(M.Jayeet al., Science, 251, (1986); J. A. Ab
raham et al., EMBO J., 5, 2523-2528(1986); R. Moor
e et al., EMBO J., 5, 919-924(1986); P. Delli-Bovi
et al., Cell, 50, 729-737 (1987); X. Zhan et al.,
Mol Cel Biol., 8, 3487-3495 (1988); I. Marics et
al., Oncogene, 4, 335-340 (1989); J. S. Rubinet a
l., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 86, 802-806 (198
9); A. Tanaka et al., FEBS Lett., 363(3), 226-230
(1995); M. Miyamoto et al., Mol. Cel. Biol., 13, 4
251-4259 (1993))、推定上のアミノ酸配列も既に知ら
れている。
【0016】本発明者らは、これらのcDNA配列をア
ミノ酸配列に翻訳し、比較した(図1〜図8)。その結
果、FGF5のアミノ酸配列のうち、配列表配列番号1
に示したアミノ酸配列を有する部分が、FGFファミリ
ーに属するメンバーであって且つFGF5以外のもの
(FGFファミリーの他のメンバー)と相同性が低いこ
とを見いだした。また、この部分の近隣には糖鎖の付加
する推定上の配列があり(図1)、この部分がFGF5
のタンパク表面に出ている可能性が高いことも見いだし
た。尚、図1〜8中の「*」はアミノ酸が一致している
部分、アンダーラインは抗原として選定した部分を示し
ており、また各図中、上段はFGF5のアミノ酸配列
を、下段はFGFファミリーの他のメンバーのアミノ酸
配列を示している。
【0017】本発明者らはこれらの点に注目し、上記配
列を有するペプチド(以下、「FGF5に特異的なペプ
チド」ともいう。)の合成をTANA LABORATORIES, L. C.
(Texas, USA) に委託した。入手したペプチドを用いて
哺乳動物を免疫した後、脾細胞を取り出し、これを培養
細胞と融合することによりハイブリドーマを作製し、こ
のハイブリドーマにFGF5と特異的に結合するモノク
ローナル抗体を生産させることに成功した。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて、FGF5に特異的なモノクローナル抗体及びその
製造法を中心に製造手順に沿って説明する。
【0019】<1>抗原 哺乳動物を免疫する際に用いるFGF5に特異的なペプ
チドは、そのアミノ酸配列として配列表配列番号1に示
す配列が挙げられるが、FGF5のアミノ酸配列のう
ち、FGFファミリーの他のメンバーのアミノ酸配列と
相同性の低い領域のアミノ酸配列の少なくとも一部を有
していれば、本発明に使用することができる。このよう
なペプチドは、例えばFGF5の酵素分解物から単離す
ることにより、部分的に得ることができるが、常法によ
り化学合成することが好ましい。例えば、市販されてい
るペプチドシンセサイザーを用いて上記配列を入力すれ
ば、上記ペプチドを得ることができる。また、ペプチド
の受託合成サービスを行っている会社に委託して入手し
てもよい。
【0020】かくして得られるペプチド(以下、「合成
ペプチド」ともいう。)は、そのまま抗原としても用い
ることができるし、キーホールリンペットヘモシアニン
(KLH:Keyhole Limpet Hemocyanin)、ウシ血清アルブ
ミン(BSA:Bovine SerumAlbumin)、卵白アルブミ
ン(OVA:Ovalbumin)等の担体と結合させて用いる
こともできる。このような担体を用いると、ペプチドの
みでは抗原性が低い場合、あるいは抗原性がない場合で
も抗原性を上げることができる。なお、この場合は担体
に対する抗体もできるが、それらはハイブリドーマを選
択する段階で取り除くことができる。
【0021】<2>哺乳動物の免疫 上記抗原で免疫する哺乳動物は、免疫実験に通常用いら
れている哺乳動物であれば特に制限がなく、マウス、ラ
ット、ウサギ等が例示できる。また、免疫する方法は、
通常の免疫の手法に則って行えば良く、例えば、合成ペ
プチド或いは担体に結合させた合成ペプチドを、フロイ
ントの完全アジュバントまたは不完全アジュバントとと
もに1〜2週間毎に数回投与を繰り返し、最終投与の2
週間以上後に、合成ペプチドのみを投与して最終免疫を
行う方法が挙げられる。
【0022】このときの合成ペプチドあるいは担体に結
合させた合成ペプチドの投与量は、1回当たり0.5m
g/kg〜50mg/kg程度が適当である。投与量が
0.5mg/kg未満では抗体を十分に生成しないこと
がある。また、50mg/kgを越えても更なる免疫効
果は期待できず、さらに、生体内で免疫抑制が生じ、目
的とする抗体が得られない恐れがある。
【0023】<3>ハイブリドーマの作製 上記のようにして免疫した動物を、最終免疫後3〜4日
後に屠殺し、脾臓を摘出し、脾細胞を取り出す。この細
胞と、融合相手である培養細胞とを融合促進剤の存在下
で融合し、得られた融合細胞を選別することにより脾細
胞−培養細胞ハイブリドーマを得ることができる。
【0024】融合相手の培養細胞としては、脾細胞と融
合するものであれば特に制限はないが、一般には、ミエ
ローマ細胞(骨髄腫細胞)が適当である。また、細胞融
合の後に未融合細胞と融合細胞とを区別できるようにす
るために、特定の選別用の薬物マーカーを有するものが
好ましい。
【0025】例えば、ヒポキサンチン・グアニン・ホス
ホリボシルトランスフェラーゼ欠損したものが挙げられ
る。このような細胞は、ヒポキサンチン・アミノプテリ
ン及びチミジンを添加した培地(HAT培地)中で生育
できないが、この細胞と正常細胞との融合細胞はHAT
培地中でも生育できるようになり、未融合細胞と区別す
ることができる。具体的には、P3X63Ag8.65
3株、P3/NSI/1−AG4−1株、FO株、SP
2/0−Ag14株等のミエローマ細胞の市販株が挙げ
られるが、これらには限定されない。
【0026】細胞融合は通常RPMI1640、MEM
等の培地中で、抗体産生細胞(脾細胞)とミエローマ細
胞とを10:1〜2:1の混合比で、融合促進剤ととも
に混合することにより行われる。融合促進剤としては、
細胞融合実験で通常用いられている融合剤であれば特に
制限はなく、具体的には、センダイウイルスや平均分子
量500〜7000のポリエチレングリコールが例示で
きる。また電気パルスによって融合させてもよい。細胞
融合を終えた細胞は、例えばRPMI1640あるいは
MEM培地などで希釈し、遠心分離により洗浄した細胞
をHAT培地等の選択培地に浮遊させ、マルチプレート
等に分注して培養を行い、ハイブリドーマのみを生育さ
せる。
【0027】<4>ハイブリドーマの選別 上記のようにして得られるハイブリドーマは、抗原に用
いたペプチドのうち異なる抗原決定部位に対するモノク
ローナル抗体や、担体に用いた蛋白に対するモノクロー
ナル抗体を産生するハイブリドーマ株の混合体であるの
で、これらの中から前記合成ペプチド、すなわちFGF
5に特異的なペプチドに結合するモノクローナル抗体を
産生するハイブリドーマを選別する。
【0028】この選別の方法としては、抗原に用いた合
成ペプチドを使用した酵素免疫測定法(ELISA法)
が好ましい。例えば、合成ペプチドをプラスチックプレ
ート等に固相化しておき、これにハイブリドーマ培養上
清、さらに酵素、蛍光物質或は発光物質の結合量から合
成ペプチドに結合する抗体量を知ることができる。或
は、ハイブリドーマが産生する抗体を固相化し、これに
合成ペプチド、酵素等で標識第二抗体と順次インキュベ
ートしてもよい。
【0029】さらに、合成ペプチドに結合するモノクロ
ーナル抗体を産生するハイブリドーマから、FGF5に
結合し、FGFファミリーに属するメンバーであって前
記FGF5以外のものに結合しないモノクローナル抗体
を産生するハイブリドーマを選択する。
【0030】このようにして得られたハイブリドーマの
1株は、平成8年6月7日より工業技術院生命工学工業
技術研究所(郵便番号305 日本国茨城県つくば市東
一丁目1番3号)に、FEPM P−15676として
寄託されている。
【0031】<5>FGF5に特異的に結合するモノク
ローナル抗体の調製 上記のようにして得られるハイブリドーマからFGF5
に特異的に結合するモノクローナル抗体を得るには、例
えば、適当な培地中で培養した抗体産生ハイブリドーマ
の培養上清、あるいは抗体産生ハイブリドーマをマウス
腹腔内で培養して得られた腹水を常法に従って硫安分
画、ゲルろ過、アフィニティークロマトグラフィー等で
精製すればよい。
【0032】<6>FGF5に特異的に結合するモノク
ローナル抗体の利用法 本発明のFGF5に特異的に結合するモノクローナル抗
体は、ヒトFGF5と特異的に反応するので、通常の抗
原抗体反応を用いた抗原の検知方法を適用することによ
り、FGF5を検知することができる。例えば、ウェス
タンブロットあるいはミクロオートラジオグラフィーに
おける染色用抗体、ヒト由来の培養細胞、皮膚組織等の
免疫染色における染色用抗体、さらには培養系に添加す
ることによりFGF5の作用を抑える中和抗体として使
用可能であり、FGF5の定性あるいは定量のための検
知用試薬として利用することによりFGF5を検知する
ことができる。従って、本発明の抗FGF5モノクロナ
ール抗体を用いることによって、毛成長におけるFGF
G5の役割を探求することができる。例えば、毛髪中の
FGF5を検知することにより毛髪の鑑定を行うことも
できる。さらに、脳などを本発明のモノクロナール抗体
を用いて染色し、例えば脳細胞中のFGF5を検知する
ことにより、脳機能の鑑定や脳におけるFGF5の役割
を探求することができる。
【0033】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。
【0034】<1>ハイブリドーマの作製 ペプチドの合成および担体(KLH)への結合は、TANA
LABORATORIES, L.C.(Texas,USA) に依頼した。
【0035】上記の担体結合合成ペプチド100mgを
生理食塩水100mlに溶かし、完全フロイントアジュ
バント(シグマ(SIGMA)社製)100mlと混合乳化し
たものを、8週令のBALB/cマウス(日本クレア)
の皮下に投与した。その後1週間目と2週間目に、上記
担体結合合成ペプチド−不完全フロイントアジュバント
等量混合乳化液200mlを腹腔内投与した。更に、3
回目の投与から2週間後に、50mgの合成ペプチドを
溶解した生理食塩水50mlを静脈注射した。
【0036】3日後、上記マウスから脾臓を摘出し、脾
細胞をRPMI1640培地に懸濁し、洗浄を行った。
一方、マウスミエローマ細胞株SP2/0−Ag14
(大日本製薬から購入)を、細胞融合に合わせて対数増
殖期になるように培養し、遠心分離により集めた。10
8個の脾細胞に対し、2×107個のミエローマを上記
培地中で混合し、遠心分離により細胞をペレットにし
た。上清を除いた後、37℃に保温した50%PEG4
000(シグマ社製:ポリエチレングリコール)を含む
RPMI1640培地1mlを1分間で徐々に滴下し、
1分間穏やかに撹拌した。更に、37℃のRPMI16
40培地2mlを2分間で、更に8mlを3分間で撹拌
しながら滴下した。
【0037】滴下終了後、遠心分離により上清を除いた
後、細胞ペレットをGIT培地(和光純薬製)40ml
に懸濁し、これを4枚の96ウェルプレート(住友ベー
クライト社製)に、1ウェルにつき100mlずつ分注
した。翌日25mlのHAT培地を添加し、更に4日後
25mlのHAT培地を添加した。1週間培養した後、
培養上清を半分除き100mlのGIT培地を添加し
た。
【0038】細胞融合から約2週間後、ミエローマと脾
細胞が融合したハイブリドーマのみがコロニーを形成し
たが、さらに、コロニーの直径が約1mmになるまで培
養を続けた。この時点で培養上清に分泌された抗体を、
上記の合成ペプチドと市販の二次抗体(西洋ワサビペル
オキシダーゼ標識ヤギ抗マウスIgG Fcフラグメン
ト抗体;ケミコン(CHEMICON)社製)を用いたサンドウィ
ッチELISA法により検定した。このうち抗体価の高
かったウェル中の培養上清を、抗原を市販のFGF5組
換えタンパク(シグマ社製)に変更した上記と同様のサ
ンドウィッチELISA法によってさらに検定した。最
終的に抗体価の高かったウェル中のハイブリドーマにつ
いて限界希釈法によるクローニングを行い、モノクロー
ナル抗体産生ハイブリドーマ株を得た。この株は、平成
8年6月7日より工業技術院生命工学工業技術研究所
(郵便番号305 日本国茨城県つくば市東一丁目1番
3号)に、FEPM P−15676として寄託されて
いる。
【0039】<2>FGF5に特異的に結合するモノク
ローナル抗体の調製 上記で得られたハイブリドーマ細胞株を培養し、FGF
5に特異的に結合するモノクローナル抗体の採取を行っ
た。
【0040】上記ハイブリドーマをGIT培地で培養
し、細胞濃度が約5×106個/mlになったところで
培養上清を遠心分離により回収し、これをポアサイズ
0.22mmのフィルターでろ過し、ろ液をプロテイン
Aカラムキット(アマシャム・ジャパン製)により精製
し、抗FGF5モノクローナル抗体を得た。
【0041】<3>抗FGF5モノクローナル抗体の評
価 (1)抗FGF5モノクローナル抗体とFGF5との反
応性 上記で得られたモノクローナル抗体について、市販のF
GF5、FGF6、FGF7の組換えタンパク(シグマ
社製)を用いたエンザイムイムノブロット法により特異
性の評価を行った。5〜20%の密度勾配ポリアクリル
アミドゲル(パジェル:アトー社製)を用いて、常法に従
って電気泳動を行った。なお、アプライ量は1レーン当
り100ngのFGFをアプライした。電気泳動終了
後、ゲルの1レーンを切り出し、CBB染色に供してト
ータル蛋白を検出した。残りのゲルをトランスファーバ
ッファー(100mM Tris;192mM グリシ
ン)に浸漬した後、ブロッティング装置(セミドライブ
ロッティング装置:アットー(ATTO)社製)を用い、泳動
物をゲルから、予めトランスファーバッファーに浸漬し
たメンブレン(イモビロン(Immobilon);ミリポア社
製)へ転写した。
【0042】泳動物を転写したメンブレンを、TBSバ
ッファー(20mM Tris;500mM NaCl;
pH7.5)に15分間浸漬した後、ブロッキングバッ
ファー(5%スキムミルクあるいは1%BSA及び0.
1%Tween20を含むTBSバッファー)に浸し、
25℃で1時間緩やかに振とうした。
【0043】その後メンブレンを、0.1%Tween
20を含むTBSバッファー(TTBSバッファー)を
用いて洗浄(15分1回、5分2回)し、前記<2>で
得られたモノクローナル抗体溶液(10倍希釈駅を約2
ml)に浸漬し、約1時間25℃で緩やかに振とうし
た。メンブレンを洗浄した後、さらに市販の二次抗体溶
液(西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識ヤギ抗
マウスIgG Fcフラグメント抗体;ケミコン(CHEMIC
ON)社製、20,000倍希釈液を約2ml)に浸漬
し、25℃で約1時間緩やかに振盪した。
【0044】メンブレンをTTBSバッファーにより洗
浄(15分1回、5分4回)した後、市販のHRP検出
キット(アマシャム社製;ECLキット)を使用して、
抗FGF5モノクローナル抗体が結合した泳動物のバン
ドを検出した。なお、HRPが結合したバンドは、4−
クロロ−1−ナフトールを基質として使用しても検出す
ることができる。
【0045】エンザイムイムノブロット法の結果を図9
に示す。この結果から明らかなように、上記で得られた
モノクローナル抗体はFGF5に結合するが、FGF6
及びFGF7には結合しない。また、抗原として使用し
た合成ペプチドは他のFGFファミリーと相同性がない
部分であり、FGFファミリーの他のメンバーとも反応
しない。すなわち、本モノクローナル抗体は相互に相同
性の高いFGFファミリーのメンバーの中で、FGF5
に特異的に反応することがわかった。
【0046】(2)抗FGF5モノクローナル抗体のア
イソタイプの決定 市販のアイソタイピングキット(アマシャム製)に付属
のメンブレンを、抗ヒトFGF5モノクローナル抗体
(ハイブリドーマ培養上清)とキット付属の二次抗体の
混合溶液に浸漬し室温で15分間インキュベートした。
メンブレンを0.1%Tween20を含むPBS(リ
ン酸緩衝液)による5分間洗浄を2回繰り返した後、キ
ット付属の発色剤にメンブレンを浸漬し室温で15分間
以上インキュベートしアイソタイプを検出した。その結
果、抗FGF5モノクローナル抗体のアイソタイプは、
k軽鎖をもったIgG1であることがわかった。
【0047】
【発明の効果】本発明の抗FGF5モノクローナル抗体
は、FGF5に特異的に結合するものであり、FGF5
の検知に用いることができ、毛髪の鑑定、脳機能の鑑定
等に利用することができる。
【0048】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Ser Ala Ile His Arg Thr Glu Lys Thr Lys Thr Gly 1 5 10
【図面の簡単な説明】
【図1】 FGF5に対するFGF1のアミノ酸配列の
相同性を示す図である。
【図2】 FGF5に対するFGF2のアミノ酸配列の
相同性を示す図である。
【図3】 FGF5に対するFGF3のアミノ酸配列の
相同性を示す図である。
【図4】 FGF5に対するFGF4のアミノ酸配列の
相同性を示す図である。
【図5】 FGF5に対するFGF6のアミノ酸配列の
相同性を示す図である。
【図6】 FGF5に対するFGF7のアミノ酸配列の
相同性を示す図である。
【図7】 FGF5に対するFGF8のアミノ酸配列の
相同性を示す図である。
【図8】 FGF5に対するFGF9のアミノ酸配列の
相同性を示す図である。
【図9】 FGF5のエンザイムイムノブロットによる
電気泳動の結果を示す写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/08 G01N 33/53 D G01N 33/50 33/577 B A61K 39/395 N 33/53 C12N 5/00 B 33/577 9282−4B 15/00 C // A61K 39/395 9282−4B ZNAA (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12N 15/02 C12R 1:91) (C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 加藤 朋美 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社戸塚研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記性質を有する抗繊維芽細胞増殖因子
    5モノクローナル抗体。 (a)繊維芽細胞増殖因子5に結合する。 (b)繊維芽細胞増殖因子ファミリーに属するメンバー
    であって且つ前記繊維芽細胞増殖因子5以外のものに、
    結合しない。
  2. 【請求項2】 繊維芽細胞増殖因子5のアミノ酸配列の
    うち、繊維芽細胞増殖因子ファミリーに属するメンバー
    であって且つ前記繊維芽細胞増殖因子5以外のもののア
    ミノ酸配列と相同性の低い領域を抗原として認識する、
    請求項1記載の抗繊維芽細胞増殖因子5モノクローナル
    抗体。
  3. 【請求項3】 前記領域が、配列表配列番号1に示すア
    ミノ酸配列の少なくとも一部であることを特徴とする、
    請求項2記載の抗繊維芽細胞増殖因子5モノクローナル
    抗体。
  4. 【請求項4】 繊維芽細胞増殖因子5のアミノ酸配列の
    うち、繊維芽細胞増殖因子ファミリーに属するメンバー
    であって且つ前記繊維芽細胞増殖因子5以外のもののア
    ミノ酸配列と相同性の低い領域のアミノ酸配列の少なく
    とも一部を有するペプチドと担体との結合物を用いて哺
    乳動物を免疫した後前記哺乳動物の脾細胞を取り出し、
    前記脾細胞と培養細胞とを融合してハイブリドーマを作
    製し、前記ハイブリドーマを培養してその培養物から抗
    体蛋白を採取する工程を含む、請求項1記載のモノクロ
    ーナル抗体の製造方法。
  5. 【請求項5】 モノクローナル抗体を用いた免疫学的方
    法により繊維芽細胞増殖因子5を検知する方法におい
    て、請求項1記載のモノクローナル抗体を用いる方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の方法により毛髪中の繊維
    芽細胞増殖因子5を検知することを特徴とする、毛髪の
    鑑定法。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の方法により脳細胞中の繊
    維芽細胞増殖因子5を検知することを特徴とする、脳機
    能の鑑定法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001025271A3 (en) * 1999-10-02 2002-05-10 Us Health Fibroblast growth factor-5 (fgf-5) is a tumor associated t-cell antigen

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