JPH10176122A - 水性被覆組成物 - Google Patents

水性被覆組成物

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JPH10176122A
JPH10176122A JP35335396A JP35335396A JPH10176122A JP H10176122 A JPH10176122 A JP H10176122A JP 35335396 A JP35335396 A JP 35335396A JP 35335396 A JP35335396 A JP 35335396A JP H10176122 A JPH10176122 A JP H10176122A
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JP
Japan
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emulsion
polymer
vinyl monomer
coating composition
aqueous coating
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Application number
JP35335396A
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English (en)
Inventor
Tatsushi Fukuzumi
達志 福住
Makoto Moriya
誠 守屋
Ikuko Itou
伊久子 伊藤
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 造膜性、基材に対する密着性、低温柔軟性お
よび耐汚染性に優れた水性被覆組成物の提供。 【解決手段】 ビニル系単量体を水性媒体中で重合して
得られた重合体のガラス転移温度が40〜80℃である
エマルション(A)と、ビニル系単量体を水性媒体中で
重合して得られた重合体のガラス転移温度が−10〜2
0℃であるエマルション(B)とを、エマルション中の
重合体のガラス転移温度が25〜50℃となるように配
合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性被覆組成物に
関し、より詳しくは造膜性が良好で金属、プラスチッ
ク、木材、紙等の各種基材に対する密着性が良好であ
り、さらには低温時の柔軟性に優れ、かつ降雨中に含ま
れる汚染物質による汚れの付着が少ない等の優れた塗膜
を形成することのできる水性被覆組成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、環境上の観点より、水性の被覆用組成物のニーズが
非常に高まっており、各種の水性被覆物が開発されてき
ている。例えば、エマルション、ディスパージョン等の
水性分散液は、重合体が水中に分散して存在するため、
高分子量の重合体を使用することが可能であるという特
徴を有しており、塗装後の塗膜物性が非常に良好な水性
被覆組成物を調製できるという利点を有している。
【0003】しかし、最近では屋外用に使用される塗料
においては、耐候性に加え降雨による塗膜の汚染が問題
になっており、溶剤系、水系を問わずこの問題を解決す
ることが望まれている。この問題を解決する方法の一つ
としては、塗膜を構成する樹脂のガラス転移温度を高く
設定して塗膜を硬くする方法が挙げられるが、エマルシ
ョンやディスパージョンの様な形態をとる水性被覆組成
物では、一般的に樹脂のガラス転移温度を高く設定する
と造膜性が著しく低下し、これを補うために添加される
造膜助剤が逆に塗膜の汚染を促進してしまったり、低温
時の柔軟性を失い、冬季の低温時に塗膜の割れを起こす
などの問題点を有していた。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、上
記の課題を解決することを目的として鋭意検討した結
果、特定の範囲のガラス転移温度を有するエマルション
を用い、それを特定範囲内で配合することにより上記課
題を解決できる水性被覆組成物が得られることを見いだ
し、本発明を完成した。
【0005】すなわち本発明は、ビニル系単量体を水性
媒体中で重合して得られた重合体のガラス転移温度が4
0〜80℃であるエマルション(A)と、ビニル系単量
体を水性媒体中で重合して得られた重合体のガラス転移
温度が−10〜20℃であるエマルション(B)とを配
合し、配合して得られるエマルション中の重合体のガラ
ス転移温度が25〜50℃となるようにしてなることを
特徴とする水性被覆組成物である。
【0006】
【発明の実施の態様】以下に、詳しく説明する。
【0007】本発明の水性被覆組成物は、ビニル系単量
体を水性媒体中で重合して得られる重合体のガラス転移
温度(以下、Tgと略記する。)が40〜80℃である
エマルション(A)(以下、エマルション(A)とい
う。)と、ビニル系単量体を水性媒体中で重合して得ら
れる重合体のTgが−10〜20℃であるエマルション
(B)(以下、エマルション(B)という。)との配合
物から構成される。
【0008】エマルション(A)とエマルション(B)
を構成するのに用いられるビニル重合性単量体は、少な
くとも1個の重合可能なビニル基を有するものである。
用いることのできるビニル系単量体としては、メチルメ
タクリレート、エチルアクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレート、メタクリル酸等から選ばれる単量体が
好ましい例として挙げられるが、他の共重合可能なビニ
ル系単量体も併用できる。
【0009】併用できる他の共重合可能なビニル系単量
体の具体例としては、メチルアクリレート、エチルメタ
クリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブ
チル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシルメタクリレート、ラウリル(メタ)アクリ
レート、ステアリル(メタ)アクリレート等の炭素数1
〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレン等の芳香族ビニル化合物;2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の
グリコールジ(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート等のアルキルアミノ(メタ)
アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ートメチルクロライド塩、アリル(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、グリシジル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、ベンジ
ル(メタ)アクリレート等の重合性ビニル単量体が挙げ
られる。
【0010】エマルション(A)およびエマルション
(B)は、上記したビニル系単量体の少なくとも1種よ
り構成されるがエマルション(A)においては重合体の
Tgが40〜80℃の間、好ましくは45〜70℃の間
にあることが必要であり、さらにエマルション(B)に
おいては、重合体のTgが−10〜20℃の間、好まし
くは−5〜15℃の間にあることが必要である。
【0011】これは、エマルション(A)のTgがこの
範囲より低くなると耐汚染性の向上に効果がなく、一
方、Tgが高くなるとエマルション(B)と配合して得
た水性被覆組成物よりなる塗料の光沢感が低下する傾向
がみられるためであり、また、エマルション(B)のT
gがこの範囲よりも高くなると低温時の柔軟性が低下
し、一方、Tgが低くなると耐汚染性が低下するように
なるためである。
【0012】エマルション(A)とエマルション(B)
の配合は、配合されて得られたエマルション中の重合体
のTgが25〜50℃となるようにすることが必要であ
り、好ましくは30〜45℃である。これは、Tgが上
記範囲を越えると柔軟性が低下し、一方、Tgが上記範
囲を下回ると耐汚染性の向上効果が少なくなるためであ
る。
【0013】なお、本発明でいうエマルション(A)お
よびエマルション(B)中の重合体のTgとは、下記の
Foxの式より計算で求められる理論値をいう。
【0014】
【数1】1/Tg=Σ(Wi/Tgi)
【0015】(式中、Wi:各共重合成分の重量分率、
Tgi:各共重合成分のホモポリマーのTgを表わ
す。)
【0016】また、エマルション(A)とエマルション
(B)とを配合して得られるエマルション中の重合体の
Tgは、配合されるエマルション(A)およびエマルシ
ョン(B)の重合体のTgおよびその配合量(重合体の
配合比率)から算出できる。
【0017】本発明の水性被覆組成物は、上記した単量
体よりなる重合体のエマルション(A)およびエマルシ
ョン(B)で基本的に構成されるが、水性被覆組成物よ
り形成した塗膜の湿潤状態での基材への耐水密着性を向
上させるために、上記にて規定したTgの範囲内で下記
一般式(I)で示されるウレイド環およびそれに類する
環構造を有するアミド結合含有ビニル系単量体(a)を
共重合させることが好ましい。
【0018】
【化2】
【0019】(式中、Xは水素原子またはメチル基、R
は1〜10の炭素を含有する基、Yは1〜6の炭素を含
有する基、Zは水素原子または1〜6の炭素を含有する
基を表わす。)
【0020】上記一般式(I)においては、Rは炭化水
素基であることが好ましい。さらに好ましくは炭素数が
1〜4の範囲の炭化水素基である。また、上記一般式
(I)においては、Yはアルキレン基、さらに好ましく
は炭素数が1〜4の範囲のアルキレン基であることが好
ましい。また、Zは水素原子または炭素数が1〜6の範
囲のアルキル基であることが好ましい。上記一般式で
(I)で表されるアミド結合含有ビニル系単量体(a)
の具体例としては、(メタ)アクリルアミド−メチル−
メチレンウレア、(メタ)アクリルアミド−エチル−メ
チレンウレア、(メタ)アクリルアミド−エチル−エチ
レンウレア、(メタ)アクリルアミド−エチル−ブチレ
ンウレア、(メタ)アクリルアミド−ブチル−エチレン
ウレア等が挙げられるが、中でも(メタ)アクリルアミ
ド−R−エチレンウレア(Rは1〜10の炭素を含有す
る基)が共重合性の点から好ましい。これらの単量体は
1種で、または2種以上を併用することができる。
【0021】アミド結合含有ビニル系単量体(a)の共
重合量は、重合体に対し0.1〜10重量%の範囲内で
あることが好ましく、より好ましくは0.3〜8重量
%、さらに好ましくは0.3〜5重量%の範囲である。
【0022】これは、アミド結合含有ビニル系単量体
(a)の共重合量が0.1重量%未満では湿潤状態での
塗膜の基材密着性の向上に効果がなく、10重量%を越
えて共重合すると重合中に分散体の安定性を損なうた
め、安定して重合ができなくなるおそれがあるためであ
る。
【0023】さらに、本発明において用いられるエマル
ション(A)およびエマルション(B)においては、カ
ルボニル基および/またはアルデヒド基含有ビニル系単
量体(b)を共重合させた重合体のエマルションを使用
し、かつ該エマルションの主たる分散媒である水性媒体
中に2個以上のヒドラジン残基を有する有機ヒドラジン
化合物を含有させることが好ましい。
【0024】これは、水性被覆組成物より形成された塗
膜の柔軟性と耐汚染性をより向上させ、湿潤状態での高
い基材密着性を維持しながら、より耐水性、耐溶剤性を
向上させることができるようになるためである。
【0025】本発明でいうカルボニル基および/または
アルデヒド基含有ビニル系単量体(b)は、分子中にカ
ルボン酸基、エステル基、アミド基以外の少なくとも1
個のケト基あるいはアルデヒド基と、重合可能な二重結
合を有する単量体である。このような単量体は、用いる
他の単量体成分と共重合可能であれば特に種類を限定さ
れるものではなく、重合体に対し1〜20重量%の範囲
で用いることが好ましく、より好ましくは2〜13重量
%、さらに好ましくは2〜10重量%の範囲である。
【0026】これは、共重合量が1重量%未満であると
得られる塗膜の耐溶剤性、耐水性等が十分に向上せず、
20重量%を越えて共重合すると、主たる分散媒である
水中に存在する有機ヒドラジン化合物と反応が水中でも
著しく進行し、1液の状態で長時間安定して保存をする
ことが難しくなる傾向が見られるためである。
【0027】カルボニル基および/またはアルデヒド基
含有ビニル系単量体(b)の具体例としては、アクロレ
イン、ジアセトンアクリルアミド、ホルミルスチロー
ル、ビニルアルキルケトン、下記一般式(II)
【0028】
【化3】
【0029】(式中、Xは水素原子またはメチル基、R
1 ,R2 は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基、
R3 は炭素数1〜4のアルキル基を表わす。)で表わさ
れる(メタ)アクリルオキシアルキルプロパナール、お
よび(メタ)アクリルアミドピバリンアルデヒド、ジア
セトン(メタ)アクリレート、アセトニトリルアクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート−アセチル
アセテート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレ
ート、ブタンジオール−1,4−アクリレート−アセチ
ルアセテート、アクリルアミドメチルアニスアルデヒド
などが挙げられるが、中でもアクロレイン、ジアセトン
アクリルアミド、炭素数4〜7のビニルメチルケトン、
ビニルエチルケトン、ビニルイソブチルケトン等のビニ
ルアルキルケトンの使用が好ましい。これらの単量体は
1種で、または2種以上を併用することができる。
【0030】また、得られたビニル系重合体分散物の分
散媒中での安定性を向上させるために、共重合するビニ
ル系単量体中にカルボキシル基含有ビニル系単量体
(c)を共重合させることもできる。
【0031】ここでいうカルボキシル基含有ビニル系単
量体(c)とは、下記一般式(II)および(III) に示さ
れるものである。
【0032】
【化4】
【0033】
【化5】
【0034】(式中、Xは水素原子またはメチル基、R
4 は4〜30の炭素原子を含有する基を表わす。)
【0035】上記一般式(III) および(IV)で表わされ
るカルボキシル基含有ビニル系単量体(c)は、用いる
他の単量体成分と共重合可能であれば、特に種類および
配合量については限定されないが、特に基材密着性を向
上させる必要がある場合には、一般式(IV)で表わされ
るカルボキシル基含有ビニル系単量体より選択して使用
することが好ましい。
【0036】また、エマルションとしての安定性を向上
させるために中和等の処理を行って、系のpHをアルカ
リ性領域(pH>7)にする必要がある場合には、中和
剤のために重合体分散物の部分的な溶解が発生し、経時
的な系全体の著しい増粘が発生するようになる。このた
め、これを防止する観点から、カルボキシル基含有ビニ
ル系単量体(c)は、重合体に対し0.5〜20重量%
の範囲で共重合することが好ましい。
【0037】上記一般式(III) および(IV)で表わされ
るカルボキシル基含有ビニル系単量体(c)の具体例と
しては、(メタ)アクリル酸、1,2−シクロヘキサン
ジカルボン酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸モノヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフタル
酸モノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、5−
メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸モノヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、シュウ酸モノヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヘキサヒドロフ
タル酸2−メタクリロイルオキシエチル等が挙げられ
る。これら単量体は1種で、または2種以上を併用する
ことができる。
【0038】本発明で使用されるエマルション(A)と
エマルション(B)は、乳化重合によって製造される。
乳化重合法としては、乳化剤を利用して水溶性開始剤に
より重合を行わせる方法や、無機過酸化物とチオ硫酸ナ
トリウム等の還元剤のレドックス系開始剤を用いてソー
プフリー重合を行う方法。また、これら重合法に連鎖移
動剤を使用した重合方法等の公知の手法を用いることが
できる。
【0039】乳化重合に使用する乳化剤は特に制限され
るものではなく、市販の乳化剤が使用できるが、アルキ
ルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩、アルカリ硫酸ア
ルカリ金属塩等のアニオン性界面活性剤やポリオキシエ
チレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル等のノニオン性界面活性剤等が挙げられ
る。これらの乳化剤は単独で使用しても混合して使用し
てもよい。
【0040】また、乳化重合において使用される重合開
始剤としては、過硫酸カリウム、過硫化アンモニウム等
の過硫酸塩系開始剤、単量体溶解性の過酸化物とロンガ
リット等還元剤とのレドックス開始剤系等の公知の開始
剤等が挙げられ、これ等は目的に応じて適宜選択して使
用される。
【0041】さらに必要に応じてエマルション粒子の分
子量を調節するために、上記ビニル系単量体混合物中
に、n−ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダ
イマー等の連鎖移動剤を添加することもできる。
【0042】乳化重合に際しての単量体の重合系内への
供給方法としては、特に限定されず、公知の方法、例え
ば単量体を一括仕込みする法、単量体の滴下法、単量体
のプレ乳化滴下法等の方法を使用することができる。
【0043】乳化重合により得られるエマルションは、
重合後塩基によりその系のpHを中性から弱アルカリ性
の範囲、すなわちpHを6.5〜10.0の範囲に設定
することが系の安定性の面から好ましい。
【0044】添加される塩基の例としては、アンモニ
ア、トリメチルアミン、プロピルアミン、ジエチルアミ
ン、トリプロピルアミン、ジブチルアミン、アミルアミ
ン、1−アミノオクタン、2−ジメチルアミノエタノー
ル、エチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタ
ノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−
1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、1
−ジメチルアミノ−2−プロパノール、3−ジメチルア
ミノ−1−プロパノール、2−プロピルアミノエタノー
ル、エトキシプロピルアミン、アミノベンジルアルコー
ル、モルホリン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
が挙げられる。
【0045】本発明の水性被覆組成物を得るに当っての
エマルション(A)とエマルション(B)との配合は、
塗布工程の面から混合エマルション中の固形分は40〜
60重量%となるようにすることが好ましい。
【0046】本発明において用いられるエマルション
(A)および(B)において、カルボニル基および/ま
たはアルデヒド基含有ビニル系単量体(b)を特定量含
有させた重合体を分散体とした場合には、主たる分散媒
である水中に2個以上のヒドラジン残基を有する有機ヒ
ドラジン化合物を含有させることにより、湿潤状態での
高い基材密着性を維持しながら、耐水性、耐溶剤性が向
上した皮膜を得ることができる常温架橋性一液型水性被
覆組成物とすることができる。
【0047】本発明に使用される2個以上のヒドラジン
残基を有する有機ヒドラジン化合物は、ビニル系重合体
中のカルボニル基のモル数(M)と分散媒中のヒドラジ
ン残基のモル数(N)の比率が0.1/1≦(M)/
(N)≦1/0.1の範囲にあるように添加することが
好ましく、より好ましくは、0.8/1≦(M)/
(N)≦1/0.5の範囲である。(M)/(N)が、
0.1/1未満である場合には得られる水性被覆組成物
の安定性が悪く、長期間の保存が困難になる傾向があ
り、また、(M)/(N)が1/0.1を越える場合に
は、形成される塗膜の耐溶剤性が低下するようになる。
【0048】分散媒中に添加される有機ヒドラジン化合
物の例としては、2〜10の炭素数、好ましくは4〜6
の炭素数を有するジカルボン酸ヒドラジド、例えば、シ
ュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸
ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジ
ヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒ
ドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒド
ラジドおよびイタコン酸ジヒドラジドや2〜4個の炭素
原子を有する脂肪族の水溶性ジヒドラジン、例えば、エ
チレン−1,2−ジヒドラジン、プロピレン−1,3−
ジヒドラジン、ブチレン−1,4−ジヒドラジンなどが
挙げられる。これらの中でもアジピン酸ジヒドラジド、
セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドお
よびコハク酸ジヒドラジドを使用することが好ましい。
これら化合物は1種で、または2種以上を併用すること
ができる。
【0049】このようにして得られる本発明の水性被覆
組成物は、コーティング材料としての高度な性能を発現
させるため、公知の顔料、消泡材、顔料分散剤、防腐剤
等の添加剤およびウレタンや水溶性の塩素化ポリオレフ
ィン等の公知の樹脂を添加して使用することもできる。
【0050】本発明の水性被覆組成物を塗布して被覆す
ることのできる基体の例としては、鉄、ステンレス、ア
ルミニウムおよびその他の金属ならびに、セメント、ガ
ラス、プラスチック等が挙げられる。
【0051】本発明の水性被覆組成物を用いて各種材料
の基材表面に塗膜を形成する際の塗布方法としては、噴
霧コート法、ローラーコート法、バーコート法、エアー
ナイフコート法、流延法、刷毛塗り法、ディッピング法
等従来の公知の手法を適宜選択して使用することがで
き、特に制約を受けるものではない。
【0052】本発明の水性被覆組成物をコーティング材
料として用いる場合には、通常、室温〜120℃程度の
温度範囲で10秒〜24時間程度乾燥することで充分に
造膜した塗膜を得ることができる。
【0053】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により詳
細に説明する。例中の「部」および「%」は、夫々「重
量部」および「重量%」を示す。
【0054】各々の塗膜性能の評価は下記の方法で行っ
た。
【0055】なお、基材密着性、耐水密着性および耐溶
剤性の評価用の塗膜は、下記の配合に従って調製した水
性被覆組成物をバーコーター40番にて鋼板に塗装した
後、室温で1時間乾燥させたものを用いた。 エマルション(単品または混合エマルション) 40g ブチルセルソルブ 2g キョウワノールM(協和発酵(株)製、可塑剤) 2g RHEOLATE350(RHEOX社製、増粘剤) 0.6g
【0056】(1)基材密着性 碁盤目セロファンテープ剥離試験を行い、以下の基準で
評価した。 ◎:はがされる部分が10%未満である。 ○:はがされる部分が10%以上30%未満である。 △:はがされる部分が30%以上90%未満である。 ×:はがされる部分が90%以上である。
【0057】(2)耐水密着性 鋼板に塗装した塗膜面を50℃、98%RHの環境下に
3日間放置した後に碁盤目セロファンテープ剥離試験を
行い、以下の基準で評価した。 ◎:はがされる部分が10%未満である。 ○:はがされる部分が10%以上30%未満である。 △:はがされる部分が30%以上90%未満である。 ×:はがされる部分が90%以上である。
【0058】(3)耐溶剤性 鋼板に塗装した塗膜面をメチルエチルケトン含浸のガー
ゼにて200g/cm2 の荷重下でラビングを行い下記
の基準で評価した。 ○:50回のダブルラビングで鋼板面まで溶解されな
い。 △:30〜50回のダブルラビングで鋼板面まで溶解さ
れる。 ×:30回未満のダブルラビングで鋼板面まで溶解され
る。
【0059】(4)耐汚染性 エマルション単品または混合エマルションとミルベース
(酸化チタン75%、ブチルセルソルブ20%、脱イオ
ン水5%)、可塑剤(キョウワノールM 協和発酵
(株)製)、増粘剤(RHEOLATE350 RHE
OX社製)を下記の比率で配合して白色グロスペイント
を調製し、これを鋼板にバーコータ#40にて塗装し、
室温で一週間乾燥後、光沢(60°グロス)等を測定
し、屋外にて南面45°で暴露試験を行い、色差(Δ
L)を指標として汚染性を評価した。 配合条件; ミルベース 48g エマルション(固形分50%基準) 128g キョウワノールM 10g 増粘剤 2g
【0060】(5)低温柔軟性 JIS A 6909に準拠し、微弾性ポリマーセメン
ト系主材およびJISA 6909に準じた防水型複層
塗材上に耐汚染性評価用に調製した白色グロスペイント
をスプレー塗装し、室温で1週間放置して乾燥させたも
のを評価サンプルとし、水没18時間、−20℃×3時
間、50℃×3時間を1サイクルとした冷熱サイクル試
験を10サイクル実施し、下記の基準で評価した。 ○:剥がれ、割れ等の発生なし。 ×:剥がれ、割れ等が発生。
【0061】また、表1中の略記号は以下の単量体を表
わす。 MMA:メチルメタクリレート MAA:メタクリル酸 2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート t−BMA:t−ブチルメタクリレート i−BMA:i−ブチルメタクリレート n−BA:n−ブチルアクリレート CHMA:シクロヘキシルメタクリレート St:スチレン DAAm:ジアセトンアクリルアミド MAEEU:メタクリルアミド−エチル−エチレンウレ
ア HH:ヘキサヒドロフタル酸2−メタクリロイルオキシ
エチル
【0062】[エマルションの製造例] エマルションEm1〜Em12の製造 撹拌機、温度計、還流凝縮器を備えた重合装置中に、脱
イオン水100部、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル硫酸ナトリウム40%含有水溶液5部および
過硫酸ナトリウム1部を入れ、撹拌しながら80℃まで
昇温し、次いで、表1に示す組成の単量体混合物を4時
間かけて滴下した。滴下終了後1時間80℃の温度を維
持し、その後90℃に昇温して1時間後に反応を終了さ
せた。
【0063】反応終了後、エマルションのpHを6.5
〜10.0の領域になるように25%アンモニア水を加
え、室温付近まで徐々に冷却し、100メッシュのナイ
ロン紗を通してカレット等を除去してエマルションEm
1〜Em12を得た。なお、この方法で製造されたエマ
ルションの理論固形分は50%であり、特に記述のない
限り、エマルションを配合する際の混合比率の計算はこ
の理論値を使用した。
【0064】
【表1】
【0065】[実施例1〜7、比較例1〜8]上記エマ
ルションの製造例にて得られたエマルションEm1〜E
m12を用い、これを表2に示す割合にて配合し、各種
の水性被覆組成物を得た。表3にその混合エマルション
の低温柔軟性、基材密着性、耐水密着性、耐溶剤性、耐
汚染性についての評価結果を示した。なお、比較例1に
おいては塗膜が形成されなかった。
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】表3から明らかなように、実施例1〜7の
水性被覆組成物の塗膜は、優れた塗膜性能を示した。こ
れに対して、本発明で規定する要件を満たさない比較例
1〜8の水性被覆組成物の塗膜は、低温柔軟性または耐
汚染性のどちらかが不十分であった。
【0069】
【発明の効果】本発明の水性被覆組成物は、造膜性、密
着性、低温柔軟性、耐汚染性に優れており、各種基材、
例えば金属、プラスチック、木材、紙等の塗装に極めて
有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル系単量体を水性媒体中で重合して
    得られた重合体のガラス転移温度が40〜80℃である
    エマルション(A)と、ビニル系単量体を水性媒体中で
    重合して得られた重合体のガラス転移温度が−10〜2
    0℃であるエマルション(B)とを配合し、配合して得
    られるエマルション中の重合体のガラス転移温度が25
    〜50℃となるようにしてなることを特徴とする水性被
    覆組成物。
  2. 【請求項2】 エマルション(A)およびエマルション
    (B)が下記一般式(I)で表わされるアミド結合含有
    ビニル系単量体(a)を重合体に対し0.1〜10重量
    %共重合させてなる重合体のエマルションであることを
    特徴とする請求項1記載の水性被覆組成物。 【化1】 (式中、Xは水素原子またはメチル基、Rは1〜10の
    炭素を含有する基、Yは1〜6の炭素を含有する基、Z
    は水素原子または1〜6の炭素を含有する基を表わ
    す。)
  3. 【請求項3】 エマルション(A)およびエマルション
    (B)がカルボニル基および/またはアルデヒド基含有
    ビニル系単量体(b)を重合体に対し1〜20重量%共
    重合させてなる重合体のエマルションであり、かつ該エ
    マルションの水性媒体中に2個以上のヒドラジン残基を
    有する有機ヒドラジン化合物を含有させてなることを特
    徴とする請求項1または2記載の水性被覆組成物。
  4. 【請求項4】 エマルション(A)およびエマルション
    (B)がカルボキシル基含有ビニル系単量体(c)を重
    合体に対し0.5〜20重量%共重合させてなる重合体
    のエマルションであることを特徴とする請求項1、2ま
    たは3記載の水性被覆組成物。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001081358A (ja) * 1999-09-16 2001-03-27 Mitsubishi Rayon Co Ltd 水性被覆組成物
JP2001181555A (ja) * 1999-12-24 2001-07-03 Mitsubishi Rayon Co Ltd 水性被覆組成物
JP2006526689A (ja) * 2003-04-24 2006-11-24 ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチエン 音響減衰コーティング用組成物
JP2009506186A (ja) * 2005-08-30 2009-02-12 ラペイル 少なくとも一つのウレイド官能基を担持したラテックス組成物の、木材に接着させるための使用
JP2022152337A (ja) * 2021-03-29 2022-10-12 藤倉化成株式会社 共重合体及びその製造方法、並びに塗料組成物
EP3781622B1 (de) * 2018-04-20 2022-10-12 Basf Se Haftklebstoffzusammensetzung mit auf vernetzung über keto- oder aldehydgruppen beruhendem gelgehalt

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