JPH101762A - ニッケルチタン合金材の製造方法 - Google Patents
ニッケルチタン合金材の製造方法Info
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- JPH101762A JPH101762A JP15265596A JP15265596A JPH101762A JP H101762 A JPH101762 A JP H101762A JP 15265596 A JP15265596 A JP 15265596A JP 15265596 A JP15265596 A JP 15265596A JP H101762 A JPH101762 A JP H101762A
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Landscapes
- Metal Extraction Processes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ニッケルチタン合金材にあって、その変態点
の安定化が図れ、加工効率の向上及びローコスト化が図
れるようにする。 【解決手段】 ニッケルとチタンのシート材を積層状態
に密巻きして積層複合体を形成し(処理101)、前記
積層複合体の表面に銅層を設け(処理102)、前記積
層複合体の厚みが所定値になるまで減面加工し(処理1
03)、前記銅層を除去し(処理104)、所定の温度
で拡散加熱し(処理105)、冷間加工を施し(処理1
06)、所定の温度で時効熱処理を行う(処理107)
ことにより、従来の溶解方法に比べてNi及びTiの損
失がなくなり、製品状態の組成は当初に予定した組成か
らずれることがない。
の安定化が図れ、加工効率の向上及びローコスト化が図
れるようにする。 【解決手段】 ニッケルとチタンのシート材を積層状態
に密巻きして積層複合体を形成し(処理101)、前記
積層複合体の表面に銅層を設け(処理102)、前記積
層複合体の厚みが所定値になるまで減面加工し(処理1
03)、前記銅層を除去し(処理104)、所定の温度
で拡散加熱し(処理105)、冷間加工を施し(処理1
06)、所定の温度で時効熱処理を行う(処理107)
ことにより、従来の溶解方法に比べてNi及びTiの損
失がなくなり、製品状態の組成は当初に予定した組成か
らずれることがない。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超弾性効果を含む
形状記憶効果を有するニッケルチタン合金材に関するも
のである。
形状記憶効果を有するニッケルチタン合金材に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ニッケルチタン(Ni−Ti)合金材は
形状記憶合金の1つであり、耐食性、耐使用回数、耐久
性等に優れた合金材として知られている。ニッケルチタ
ン合金材は、従来より、パイプ継手、超弾性効果を利用
した携帯電話のアンテナ材などに使用されている。ニッ
ケルチタン合金材の従来の製造方法は、スポンジチタン
とニッケルとを真空中でアーク溶解し、これにより得ら
れた鋳塊を熱間加工した後、焼鈍と冷間加工を繰り返
し、所望のサイズに加工するものであり、例えば、特願
昭57−43365号、「塑性と加工」(日本塑性加工
学会誌、第29巻、第326号(1988年))に具体
的な開示がなされている。例えば、特願昭57−433
65号に示される超弾性材では、熱間加工した後の材料
を冷間加工率20%以上で加工し、250℃以上の温度
で再結晶させずに加熱することにより製造している。
形状記憶合金の1つであり、耐食性、耐使用回数、耐久
性等に優れた合金材として知られている。ニッケルチタ
ン合金材は、従来より、パイプ継手、超弾性効果を利用
した携帯電話のアンテナ材などに使用されている。ニッ
ケルチタン合金材の従来の製造方法は、スポンジチタン
とニッケルとを真空中でアーク溶解し、これにより得ら
れた鋳塊を熱間加工した後、焼鈍と冷間加工を繰り返
し、所望のサイズに加工するものであり、例えば、特願
昭57−43365号、「塑性と加工」(日本塑性加工
学会誌、第29巻、第326号(1988年))に具体
的な開示がなされている。例えば、特願昭57−433
65号に示される超弾性材では、熱間加工した後の材料
を冷間加工率20%以上で加工し、250℃以上の温度
で再結晶させずに加熱することにより製造している。
【0003】ニッケルチタン合金材は、高温の状態では
母相のオーステナイト相(A相)であるが、冷却すると
或る温度で相変態し、マルテンサイト相(M相)にな
る。M相の状態で外力を受けると、見かけ上変形する
が、その後加熱して再びA相に逆変態する温度まで上昇
させると、それまで変形していた材料は元の形状に戻っ
てしまう。これが形状記憶効果である。A相から冷却し
たときにM相に変態する温度がマルテン変態点(M点)
とよばれ、逆に、M相からA相に逆変態する温度がオー
ステナイト変態点(A点)と呼ばれる。ニッケルチタン
合金材のM点は、合金組成に大きく依存することが知ら
れているので、鋳造工程では溶解作業中にサンプル抽出
して分析し、変態温度補正用の合金元素を添加すること
が行われている。また、冷間加工では急激な加工硬化を
示すため、目的サイズによっては焼鈍を多く行わなけれ
ばならない。
母相のオーステナイト相(A相)であるが、冷却すると
或る温度で相変態し、マルテンサイト相(M相)にな
る。M相の状態で外力を受けると、見かけ上変形する
が、その後加熱して再びA相に逆変態する温度まで上昇
させると、それまで変形していた材料は元の形状に戻っ
てしまう。これが形状記憶効果である。A相から冷却し
たときにM相に変態する温度がマルテン変態点(M点)
とよばれ、逆に、M相からA相に逆変態する温度がオー
ステナイト変態点(A点)と呼ばれる。ニッケルチタン
合金材のM点は、合金組成に大きく依存することが知ら
れているので、鋳造工程では溶解作業中にサンプル抽出
して分析し、変態温度補正用の合金元素を添加すること
が行われている。また、冷間加工では急激な加工硬化を
示すため、目的サイズによっては焼鈍を多く行わなけれ
ばならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のニッケ
ルチタン合金材の製造方法によると、ニッケルチタン材
は超弾性効果を示し、冷間加工では非常に強いスプリン
グバックを示すうえ、難加工材であるため、冷間加工に
おける焼鈍間加工度も10%程度しかとれず、銅材など
に比べると加工効率は非常に低く、所望サイズの小さい
製品では総加工度が大きくなる。このため、焼鈍回数が
増し、結果的に加工費用が増大する。
ルチタン合金材の製造方法によると、ニッケルチタン材
は超弾性効果を示し、冷間加工では非常に強いスプリン
グバックを示すうえ、難加工材であるため、冷間加工に
おける焼鈍間加工度も10%程度しかとれず、銅材など
に比べると加工効率は非常に低く、所望サイズの小さい
製品では総加工度が大きくなる。このため、焼鈍回数が
増し、結果的に加工費用が増大する。
【0005】また、ニッケルチタン合金材の鋳塊を得る
には、溶解作業において酸化等による消耗で所定の組成
からずれる恐れがある。このため、溶解中に溶湯をサン
プリングし、変態点を測定した後、当初予定していた変
態点に補正するために合金元素の添加等を行う必要があ
る。このように、変態点の組成依存性が強いこと、及び
急激な加工硬度を示すことから、ニッケルチタン合金材
は非常に高価な合金材になっており、実用性が阻まれて
いる。
には、溶解作業において酸化等による消耗で所定の組成
からずれる恐れがある。このため、溶解中に溶湯をサン
プリングし、変態点を測定した後、当初予定していた変
態点に補正するために合金元素の添加等を行う必要があ
る。このように、変態点の組成依存性が強いこと、及び
急激な加工硬度を示すことから、ニッケルチタン合金材
は非常に高価な合金材になっており、実用性が阻まれて
いる。
【0006】そこで本発明は、ニッケルチタン合金材の
変態点の安定化が図れ、加工効率の向上及びローコスト
化が可能なニッケルチタン合金材の製造方法を提供する
ことを目的としている。
変態点の安定化が図れ、加工効率の向上及びローコスト
化が可能なニッケルチタン合金材の製造方法を提供する
ことを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、ニッケルとチタンのシート材を積層状
態に密巻きして積層複合体を形成し、この積層複合体の
厚みが所定値になるまで減面加工し、所定の温度により
拡散加熱を行う方法にしている。この方法によれば、減
面加工によってボイドの発生が防止され、曲げ耐久性が
向上する。また、拡散加熱前に減面加工が施されること
によりニッケル及びチタンの損失が低減し、製品状態の
組成が当初予定した組成からずれるのを無くすることが
できる。したがって、ボイドの発生が無く、製品状態の
組成が当初予定した組成からずれの無いニッケルチタン
合金材を得ることができる。
めに、本発明は、ニッケルとチタンのシート材を積層状
態に密巻きして積層複合体を形成し、この積層複合体の
厚みが所定値になるまで減面加工し、所定の温度により
拡散加熱を行う方法にしている。この方法によれば、減
面加工によってボイドの発生が防止され、曲げ耐久性が
向上する。また、拡散加熱前に減面加工が施されること
によりニッケル及びチタンの損失が低減し、製品状態の
組成が当初予定した組成からずれるのを無くすることが
できる。したがって、ボイドの発生が無く、製品状態の
組成が当初予定した組成からずれの無いニッケルチタン
合金材を得ることができる。
【0008】前記ニッケルチタン合金材は、原子%でN
iが49.0〜51.5%、残部がTiの組成が望まし
い。この方法によれば、パイプ継手、携帯電話のアンテ
ナ材等に適した耐食性、耐使用回数、耐久性等の得られ
る組成を得ることができる。また、上記の目的は、ニッ
ケルとチタンのシート材を積層状態に密巻きして積層複
合体を形成し、必要に応じて前記減面加工後に前記積層
複合体の表面に銅層を設け、前記積層複合体の厚みが所
定値になるまで減面加工し、前記銅層が設けられた時に
は該銅層を除去し、所定の温度で拡散加熱し、冷間加工
を施し、所定の温度で時効熱処理を行う方法によっても
達成される。
iが49.0〜51.5%、残部がTiの組成が望まし
い。この方法によれば、パイプ継手、携帯電話のアンテ
ナ材等に適した耐食性、耐使用回数、耐久性等の得られ
る組成を得ることができる。また、上記の目的は、ニッ
ケルとチタンのシート材を積層状態に密巻きして積層複
合体を形成し、必要に応じて前記減面加工後に前記積層
複合体の表面に銅層を設け、前記積層複合体の厚みが所
定値になるまで減面加工し、前記銅層が設けられた時に
は該銅層を除去し、所定の温度で拡散加熱し、冷間加工
を施し、所定の温度で時効熱処理を行う方法によっても
達成される。
【0009】この方法によれば、減面加工及び冷間加工
によりボイドの発生が防止され(これにより曲げ耐久性
が向上する)、続く拡散加熱によってNi及びTiの損
失がなくなり、当初に予定した組成から製品状態の組成
にずれが生じないようにすることができる。前記銅層
は、10kgf/mm2 以上の引張強度を持つ銅以外の
金属材を用いることができる。
によりボイドの発生が防止され(これにより曲げ耐久性
が向上する)、続く拡散加熱によってNi及びTiの損
失がなくなり、当初に予定した組成から製品状態の組成
にずれが生じないようにすることができる。前記銅層
は、10kgf/mm2 以上の引張強度を持つ銅以外の
金属材を用いることができる。
【0010】この方法によれば、焼鈍状態で10kgf
/mm2 以上の引張強度を有していれば、銅でなくとも
減面加工時の焼き付きを防止することができる。前記ニ
ッケルチタン合金材は、原子%でNiが49.0〜5
1.5%、残部がTiの組成が望ましい。この方法によ
れば、パイプ継手、携帯電話のアンテナ材等に適した耐
食性、耐使用回数、耐久性等の得られる組成を得ること
ができる。
/mm2 以上の引張強度を有していれば、銅でなくとも
減面加工時の焼き付きを防止することができる。前記ニ
ッケルチタン合金材は、原子%でNiが49.0〜5
1.5%、残部がTiの組成が望ましい。この方法によ
れば、パイプ継手、携帯電話のアンテナ材等に適した耐
食性、耐使用回数、耐久性等の得られる組成を得ること
ができる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明によるニッケルチタ
ン合金材の製造方法を示すフローチャートであり、図2
は本発明方法により製造されるニッケルチタン合金線の
途中工程における断面図である。まず、シート状のニッ
ケルとチタンを重ね巻きして積層複合体1が作られる
(処理101)。積層複合体1は、予め製造目標組成
(パイプ継手、携帯電話のアンテナ材等に適した耐食
性、耐使用回数、耐久性等が得られる組成、具体的に
は、原子%でNiが49.0〜51.5%で残部がT
i)に見合うシート板厚の材料を用い。また、積層回数
は製品(パイプ継手、携帯電話のアンテナ材等)の太さ
(径)に見合ったものにする。
ン合金材の製造方法を示すフローチャートであり、図2
は本発明方法により製造されるニッケルチタン合金線の
途中工程における断面図である。まず、シート状のニッ
ケルとチタンを重ね巻きして積層複合体1が作られる
(処理101)。積層複合体1は、予め製造目標組成
(パイプ継手、携帯電話のアンテナ材等に適した耐食
性、耐使用回数、耐久性等が得られる組成、具体的に
は、原子%でNiが49.0〜51.5%で残部がT
i)に見合うシート板厚の材料を用い。また、積層回数
は製品(パイプ継手、携帯電話のアンテナ材等)の太さ
(径)に見合ったものにする。
【0012】積層複合体1を母材として、この積層複合
体1の表面にCu層2が設けられる(処理102)。C
u層2は、積層複合体1を減面加工する際、工具との焼
き付きを防止し、加工を容易にするために設けられる。
更に、引き抜き等により減面加工(例えば、ニッケル又
はチタンのいずれかの膜厚が0.005mm以下になる
まで)が施される(処理103)。この減面加工の後、
Cu層2が除去され(処理104)、ついで、拡散加熱
処理(例えば、600〜1100℃)が施される(処理
105)。
体1の表面にCu層2が設けられる(処理102)。C
u層2は、積層複合体1を減面加工する際、工具との焼
き付きを防止し、加工を容易にするために設けられる。
更に、引き抜き等により減面加工(例えば、ニッケル又
はチタンのいずれかの膜厚が0.005mm以下になる
まで)が施される(処理103)。この減面加工の後、
Cu層2が除去され(処理104)、ついで、拡散加熱
処理(例えば、600〜1100℃)が施される(処理
105)。
【0013】更に、拡散加熱処理時に発生したボイドを
消失させるために、例えば減面率5%以上の冷間加工を
施し(処理106)た後、例えば200〜600℃の温
度範囲による時効熱処理が施される(処理107)。以
上により、超弾性を含む形状記憶効果を持つニッケルチ
タン合金線材を得ることができる。ここで、減面加工を
行う理由について説明する。拡散加熱後の状態では、材
料の拡散のために多数のボイド(カーケンダルボイド)
が発生する。このボイドは製品状態でのニッケルチタン
材において材料内部の欠陥になるため、曲げを繰り返し
受けるような用途では耐久性を著しく低下させる。そこ
で、ボイドを消滅させるために減面加工を行っている。
このボイドの消滅により、製品状態での曲げの繰り返し
特性等の耐久性が向上する。
消失させるために、例えば減面率5%以上の冷間加工を
施し(処理106)た後、例えば200〜600℃の温
度範囲による時効熱処理が施される(処理107)。以
上により、超弾性を含む形状記憶効果を持つニッケルチ
タン合金線材を得ることができる。ここで、減面加工を
行う理由について説明する。拡散加熱後の状態では、材
料の拡散のために多数のボイド(カーケンダルボイド)
が発生する。このボイドは製品状態でのニッケルチタン
材において材料内部の欠陥になるため、曲げを繰り返し
受けるような用途では耐久性を著しく低下させる。そこ
で、ボイドを消滅させるために減面加工を行っている。
このボイドの消滅により、製品状態での曲げの繰り返し
特性等の耐久性が向上する。
【0014】ニッケルシート及びチタンシートを単に積
層した状態で加熱してもニッケルチタン合金材を生成す
ることは可能であるが、積層材全量を均一な合金材にす
ることは困難である。その理由は、個体拡散による合金
化であるため、積層したシートの板厚方向に拡散が進行
し、板厚方向での濃度の不均一が生じないようにしなけ
ればならないからである。ニッケルチタン系で生成され
る可能性のある金属間化合物は、目的とする化合物も含
めて3種類有り、目的の化合物以外は脆い性質があり、
塑性加工できないことが知られている。
層した状態で加熱してもニッケルチタン合金材を生成す
ることは可能であるが、積層材全量を均一な合金材にす
ることは困難である。その理由は、個体拡散による合金
化であるため、積層したシートの板厚方向に拡散が進行
し、板厚方向での濃度の不均一が生じないようにしなけ
ればならないからである。ニッケルチタン系で生成され
る可能性のある金属間化合物は、目的とする化合物も含
めて3種類有り、目的の化合物以外は脆い性質があり、
塑性加工できないことが知られている。
【0015】したがって、減面加工をしないために、拡
散加熱処理の過程でシートの板厚方向に濃度の不均一が
生じれば、化合物以外の化合物を生成してしまい、結果
的に製造した線材が形状記憶効果を発揮することはおろ
か、曲げに対して非常に弱く、使用に耐えられない恐れ
がある。また、拡散段階では、ニッケルに比べてチタン
の拡散速度が早く、チタン材の存在していた部分に拡散
によってボイドが発生する。このボイドは拡散加熱処理
後に線材を減面加工することにより大部分は消失する
が、線材の曲げ繰り返し特性はボイドのない線材に比べ
て低い特性になる。しかし、減面加工を施すことによ
り、拡散加熱処理における拡散時間を短くすることがで
き、また、濃度の不均一をなくすことにより目的とする
金属間化合物のみを生成することができる。更に、拡散
前のシート間距離を短くできることにより、拡散後に発
生するボイドの大きさが微小化され、結果として拡散後
の減面加工後においてもボイドの痕跡を残さずに済み、
線材の曲げ繰り返し特性にも悪影響を及ぼさないという
相乗効果を得ることができる。
散加熱処理の過程でシートの板厚方向に濃度の不均一が
生じれば、化合物以外の化合物を生成してしまい、結果
的に製造した線材が形状記憶効果を発揮することはおろ
か、曲げに対して非常に弱く、使用に耐えられない恐れ
がある。また、拡散段階では、ニッケルに比べてチタン
の拡散速度が早く、チタン材の存在していた部分に拡散
によってボイドが発生する。このボイドは拡散加熱処理
後に線材を減面加工することにより大部分は消失する
が、線材の曲げ繰り返し特性はボイドのない線材に比べ
て低い特性になる。しかし、減面加工を施すことによ
り、拡散加熱処理における拡散時間を短くすることがで
き、また、濃度の不均一をなくすことにより目的とする
金属間化合物のみを生成することができる。更に、拡散
前のシート間距離を短くできることにより、拡散後に発
生するボイドの大きさが微小化され、結果として拡散後
の減面加工後においてもボイドの痕跡を残さずに済み、
線材の曲げ繰り返し特性にも悪影響を及ぼさないという
相乗効果を得ることができる。
【0016】以上のように、本発明によれば、従来の溶
解法では得られなかった製品状態での組成の安定性が得
られるため、変態温度の安定をもたらし、当初予定した
組成から製品状態の組成のずれを無くすことができる。
これにより、加工効率の向上及びローコスト化が可能な
ニッケルチタン合金材を得ることができる。
解法では得られなかった製品状態での組成の安定性が得
られるため、変態温度の安定をもたらし、当初予定した
組成から製品状態の組成のずれを無くすことができる。
これにより、加工効率の向上及びローコスト化が可能な
ニッケルチタン合金材を得ることができる。
【0017】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。 (実施例1)板厚0.1mmの工業用純ニッケルシート
と板厚0.154mmの工業用純チタンシートを重ね巻
きして積層複合体1を形成した。これを工業用純銅管に
組み入れしたものを減面加工し、チタンシート間距離が
0.005mmになるようにした後、硝酸で銅管部を除
去した。その後、900℃×1時間の加熱を行った。こ
の加熱により発生したボイドを消失させるため、15%
の減面加工を行い400℃×1時間の時効加熱を行っ
た。得られた線材のAS 点を測定したところ、30.1
℃であった。
と板厚0.154mmの工業用純チタンシートを重ね巻
きして積層複合体1を形成した。これを工業用純銅管に
組み入れしたものを減面加工し、チタンシート間距離が
0.005mmになるようにした後、硝酸で銅管部を除
去した。その後、900℃×1時間の加熱を行った。こ
の加熱により発生したボイドを消失させるため、15%
の減面加工を行い400℃×1時間の時効加熱を行っ
た。得られた線材のAS 点を測定したところ、30.1
℃であった。
【0018】また、繰り返し曲げ試験は、直径1mmの
線材を直径50mmの棒に巻き付けて戻す操作を繰り返
し行い、線材が破断するまでの回数を測定した。その結
果、5200回で破断が生じた。 (比較例1)板厚0.1mmの工業用純ニッケルシート
と板厚0.154mmの工業用純チタンシートを重ね巻
きして積層複合体1を形成した。これを減面加工し、9
00℃×1時間及び400℃×1時間の熱処理を行っ
た。得られた線材のAS 点を測定したところ、30.5
℃であった。また、繰り返し曲げ試験は、直径1mmの
線材を直径50mmの棒に巻き付けて戻す操作を繰り返
し行い、線材が破断するまでの回数を測定した。その結
果、80回で破断が生じた。
線材を直径50mmの棒に巻き付けて戻す操作を繰り返
し行い、線材が破断するまでの回数を測定した。その結
果、5200回で破断が生じた。 (比較例1)板厚0.1mmの工業用純ニッケルシート
と板厚0.154mmの工業用純チタンシートを重ね巻
きして積層複合体1を形成した。これを減面加工し、9
00℃×1時間及び400℃×1時間の熱処理を行っ
た。得られた線材のAS 点を測定したところ、30.5
℃であった。また、繰り返し曲げ試験は、直径1mmの
線材を直径50mmの棒に巻き付けて戻す操作を繰り返
し行い、線材が破断するまでの回数を測定した。その結
果、80回で破断が生じた。
【0019】このように、本発明によれば、減面加工を
施したことにより、80回から5200回に向上し、繰
り返し曲げ特性が大幅に向上できることがわかる。 (実施例2)板厚0.1mmの工業用純ニッケルシート
と板厚0.16mmの工業用純チタンシートを重ね巻き
して積層複合体1を形成した。これを工業用純銅管に組
み入れしたものを減面加工し、チタンシート間距離が
0.005mmになるようにした後、硝酸で銅管部を除
去した。その後、900℃×1時間の加熱を行った。こ
の加熱により発生したボイドを消失させるため、15%
の減面加工を行い400℃×1時間の時効加熱を行っ
た。そして、得られた線材のAS 点を測定したところ、
66.0℃であった。
施したことにより、80回から5200回に向上し、繰
り返し曲げ特性が大幅に向上できることがわかる。 (実施例2)板厚0.1mmの工業用純ニッケルシート
と板厚0.16mmの工業用純チタンシートを重ね巻き
して積層複合体1を形成した。これを工業用純銅管に組
み入れしたものを減面加工し、チタンシート間距離が
0.005mmになるようにした後、硝酸で銅管部を除
去した。その後、900℃×1時間の加熱を行った。こ
の加熱により発生したボイドを消失させるため、15%
の減面加工を行い400℃×1時間の時効加熱を行っ
た。そして、得られた線材のAS 点を測定したところ、
66.0℃であった。
【0020】(実施例3)芯棒1に線径4mmのチタン
棒を用い、板厚0.1mmの工業用純ニッケルシートと
板厚0.167mmの工業用純チタンシートを重ね巻き
して積層複合体1を形成した。これを工業用純銅管に組
み入れしたものを減面加工し、チタンシート間距離が
0.005mmになるようにした後、硝酸で銅管部を除
去した。その後、900℃×1時間の加熱を行った。こ
の加熱により発生したボイドを消失させるため、15%
の減面加工を行い400℃×1時間の時効加熱を行っ
た。これについてAS 点を測定したところ、102.7
℃であった。
棒を用い、板厚0.1mmの工業用純ニッケルシートと
板厚0.167mmの工業用純チタンシートを重ね巻き
して積層複合体1を形成した。これを工業用純銅管に組
み入れしたものを減面加工し、チタンシート間距離が
0.005mmになるようにした後、硝酸で銅管部を除
去した。その後、900℃×1時間の加熱を行った。こ
の加熱により発生したボイドを消失させるため、15%
の減面加工を行い400℃×1時間の時効加熱を行っ
た。これについてAS 点を測定したところ、102.7
℃であった。
【0021】なお、工程途中での減面加工を伸線ではな
く、圧延にすることもできる。こうすれば、線材ではな
く、板材を製造することができる。また、Cu層2に代
えて他の金属材料を用いることもできる。この場合、焼
鈍状態で10kgf/mm2 以上の引っ張り強度を有す
る金属材料であればよい。或いは、Cu層2を用いない
こともできる。例えば、潤滑剤等のように焼き付きを防
止できるものを用いればよい。
く、圧延にすることもできる。こうすれば、線材ではな
く、板材を製造することができる。また、Cu層2に代
えて他の金属材料を用いることもできる。この場合、焼
鈍状態で10kgf/mm2 以上の引っ張り強度を有す
る金属材料であればよい。或いは、Cu層2を用いない
こともできる。例えば、潤滑剤等のように焼き付きを防
止できるものを用いればよい。
【0022】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明は、ニッケル
とチタンのシート材を積層状態に密巻きして積層複合体
を形成し、この積層複合体の厚みが所定値になるまで減
面加工し、所定の温度で拡散加熱を行うようにしたの
で、ボイドの発生が無く、製品状態の組成が当初予定し
た組成からずれの無いニッケルチタン合金材を得ること
ができ、変態温度の安定化、工程の合理化による低コス
ト化が可能になる。
とチタンのシート材を積層状態に密巻きして積層複合体
を形成し、この積層複合体の厚みが所定値になるまで減
面加工し、所定の温度で拡散加熱を行うようにしたの
で、ボイドの発生が無く、製品状態の組成が当初予定し
た組成からずれの無いニッケルチタン合金材を得ること
ができ、変態温度の安定化、工程の合理化による低コス
ト化が可能になる。
【0023】また、本発明の他の製造方法は、ニッケル
とチタンのシート材を積層状態に密巻きにして形成した
積層複合体の厚みが所定値になるまで減面加工し、所定
の温度で拡散加熱し、冷間加工を施し、所定の温度で時
効熱処理を行う過程を含む製造方法にしたので、従来の
溶解方法に比べてNi及びTiの損失がなく、当初に予
定した組成から製品状態の組成がずれないようにするこ
とができ、変態温度の安定化、工程の合理化による低コ
スト化が可能になる。
とチタンのシート材を積層状態に密巻きにして形成した
積層複合体の厚みが所定値になるまで減面加工し、所定
の温度で拡散加熱し、冷間加工を施し、所定の温度で時
効熱処理を行う過程を含む製造方法にしたので、従来の
溶解方法に比べてNi及びTiの損失がなく、当初に予
定した組成から製品状態の組成がずれないようにするこ
とができ、変態温度の安定化、工程の合理化による低コ
スト化が可能になる。
【図1】本発明におけるニッケルチタン合金材の製造方
法を示すフローチャートである。
法を示すフローチャートである。
【図2】本発明方法により製造されるニッケルチタン合
金線の途中工程における断面図である。
金線の途中工程における断面図である。
1 積層複合体 2 Cu層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 修二 茨城県土浦市木田余町3550番地 日立電線 株式会社システムマテリアル研究所内 (72)発明者 木村 守男 茨城県土浦市木田余町3550番地 日立電線 株式会社システムマテリアル研究所内
Claims (5)
- 【請求項1】ニッケルとチタンのシート材を積層状態に
密巻きして積層複合体を形成し、 前記積層複合体の厚みが所定値になるまで減面加工し、 所定の温度により拡散加熱を行うことを特徴とするニッ
ケルチタン合金材の製造方法。 - 【請求項2】前記拡散加熱後のニッケルチタン合金材
は、原子%でNiが0〜51.5%、残部がTiの組成
であることを特徴とする請求項1記載のニッケルチタン
合金材の製造方法。 - 【請求項3】ニッケルとチタンのシート材を積層状態に
密巻きして積層複合体を形成し、 必要に応じて前記積層複合体の表面に銅層を設け、 前記積層複合体の厚みが所定値になるまで減面加工し、 前記銅層が設けられた時には該銅層を除去し、 所定の温度で拡散加熱し、 冷間加工を施し、 所定の温度で時効熱処理を行うことを特徴とするニッケ
ルチタン合金材の製造方法。 - 【請求項4】前記銅層は、10kgf/mm2 以上の引
張強度を持つ銅以外の金属材を用いることを特徴とする
請求項3記載のニッケルチタン合金材の製造方法。 - 【請求項5】前記ニッケルチタン合金材は、原子%でN
iが49.0〜51.5%、残部がTiによる組成であ
ることを特徴とする請求項3記載のニッケルチタン合金
材の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15265596A JPH101762A (ja) | 1996-06-13 | 1996-06-13 | ニッケルチタン合金材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15265596A JPH101762A (ja) | 1996-06-13 | 1996-06-13 | ニッケルチタン合金材の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH101762A true JPH101762A (ja) | 1998-01-06 |
Family
ID=15545189
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15265596A Pending JPH101762A (ja) | 1996-06-13 | 1996-06-13 | ニッケルチタン合金材の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH101762A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4741992A (en) * | 1986-09-22 | 1988-05-03 | Eastman Kodak Company | Thermally processable element comprising an overcoat layer containing poly(silicic acid) |
-
1996
- 1996-06-13 JP JP15265596A patent/JPH101762A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4741992A (en) * | 1986-09-22 | 1988-05-03 | Eastman Kodak Company | Thermally processable element comprising an overcoat layer containing poly(silicic acid) |
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