JPH1017817A - 耐汚染性に優れた水性塗料用樹脂組成物 - Google Patents

耐汚染性に優れた水性塗料用樹脂組成物

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JPH1017817A
JPH1017817A JP17376296A JP17376296A JPH1017817A JP H1017817 A JPH1017817 A JP H1017817A JP 17376296 A JP17376296 A JP 17376296A JP 17376296 A JP17376296 A JP 17376296A JP H1017817 A JPH1017817 A JP H1017817A
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JP17376296A
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Toshiyuki Masuda
増田  敏幸
Masanori Kai
正徳 甲斐
Akira Kusumi
明 久住
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶剤系塗料に劣らぬ優れた耐汚染性、耐候
性、耐水性を有する塗膜を形成することができる水性塗
料用樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 エポキシ基を含有するビニル系単量体を
他のビニル系単量体と共重合することにより得られる重
合体のエマルジョン(A)と、1分子中に少なくとも1
個のアミノ基と少なくとも1個の加水分解性シリル基と
を有するシリコン化合物(B)とを、前記(A)成分の
樹脂固形分100重量部に対して(B)成分1〜30重
量部の割合で含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば建築内外
装、自動車、家電用品、プラスチックなどに対する各種
塗装、特に耐候性、耐久性の要求される用途において、
良好な塗膜性能を発揮する水性塗料用樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】近年、塗
料や接着剤の分野において、公害対策あるいは省資源の
観点より、有機溶剤を使用するものから、有機溶剤を使
用しない、水溶性あるいは水分散性樹脂や粉体樹脂を用
いたものへの転換が試みられている。塗料分野において
は、粉体塗料よりも水性塗料への移行が精力的に行われ
ている。しかしながら、従来の水性塗料は、樹脂が分子
中に架橋性の官能基を持たないため、重合に使用する界
面活性剤等の影響を強く受け、その結果、形成された塗
膜の耐候性、耐水性、耐汚染性が著しく悪くなり、溶剤
系塗料に較べて塗膜物性が劣るという欠点を有してい
た。
【0003】この欠点を改良するため種々の試みがなさ
れており、例えば、架橋性官能基として加水分解性シリ
ル基を有する重合体エマルジョンを水性塗料に応用する
提案(特開平3−227312号公報参照)や、カルボ
キシル基とヒドラジル基の反応により粒子間の架橋を導
入した水性エマルジョン塗料に関する提案(特開平5−
59305号公報参照)がなされている。また、溶剤系
で高性能を示すフッ素樹脂を水性化した水分散型フッ素
樹脂塗料に関する提案(特開平5−25421号公報参
照)がなされている。
【0004】これらにより、耐候性、耐水性の点では、
ある程度の改善はなされたものの、水性化したことによ
る問題も生じており、十分とは言えない。また、耐汚染
性についても、溶剤系に比べるとかなり劣るという問題
がある。特に、耐汚染性については、最近、各方面で要
求が高まってきており、溶剤系の低汚染型の塗料に近い
レベルが求められている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、エポキシ
基を含有する重合体に1分子中に少なくとも1個のアミ
ノ基と少なくとも1個の加水分解性シリル基を有するシ
リコン化合物を特定の割合で混合することにより、従来
の水性塗料では得られなかった耐汚染性を有し、また耐
候性、耐水性にも優れる塗膜を形成することができるこ
とをようやく見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、請求項1の水性塗料用樹脂組成
物は、上記の課題を解決するために、エポキシ基を含有
するビニル系単量体を他のビニル系単量体と共重合する
ことにより得られる重合体のエマルジョン(A)と、1
分子中に少なくとも1個のアミノ基と少なくとも1個の
加水分解性シリル基とを有するシリコン化合物とを、
(A)成分の樹脂固形分100重量部に対して(B)成
分1〜30重量部の割合で含有してなるものである。
【0007】請求項2の水性塗料用樹脂組成物では、上
記(A)成分における重合体の成分であるエポキシ基を
含有するビニル系単量体が、グリシジル(メタ)アクリ
レート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、及び
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリ
レートからなる群から選ばれる1種又は2種以上であ
り、(A)成分における重合体が1分子中に少なくとも
1個のエポキシ基を有するものとする。
【0008】請求項3のものでは、上記(A)成分にお
ける重合体を、一般式(I)で表されるシリル基を含有
するものとする。
【0009】
【化1】 (式中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数
6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基
を示し、複数ある場合、相互に同じであっても異なって
いてもよく、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、ヒド
ロキシ基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ
基、チオアルコキシ基、アミノ基よりなる群から選ばれ
る少なくとも一種の基を示し、aは0〜2の整数であ
る。) 請求項4のものでは、請求項3の水性塗料用樹脂組成物
の(A)成分における一般式(I)で表されるシリル基
を有する重合体を、重合成分全量100重量部中に1〜
30重量部のアルコキシシリル基含有ビニル系単量体、
0.1〜10重量部のポリオキシエチレン鎖を有する親
水性ビニル系単量体を含む重合成分を、ポリオキシエチ
レン鎖を有するアニオン系界面活性剤を用いて共重合し
てなる乳化共重合体とする 請求項5のものでは、請求項3の水性塗料用樹脂組成物
における一般式(I)で表されるシリル基を含有する重
合体を、炭素数4以上のアルキル基を有するアルキルメ
タクリレートおよび炭素数4以上のシクロアルキル基を
有するシクロアルキルメタクリレートからなる群の1種
または2種以上を、重合成分全量100重量部に対して
60重量部以上用いて共重合して得られる重合体とす
る。
【0010】請求項6のものでは、請求項1〜5の各水
性塗料用樹脂組成物における(B)成分であるシリコン
化合物を、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3
−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロ
ピルメチルジメトキシシラン、N−メチル−3−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジメチル−3
−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミ
ノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N−(2−(N’−メチル)アミノエチ
ル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
(2−(N’,N’−ジメチル)アミノエチル)−3−
アミノプロピルトリメトキシシランからなる群から選ば
れる1種又は2種以上とする。
【0011】請求項7のものでは、請求項1〜6の各水
性塗料用樹脂組成物において、塗装時に硬化触媒(C)
0.1〜20重量部がさらに配合される。
【0012】請求項8のものでは、請求項7の水性塗料
用樹脂組成物における(C)成分を、有機アルミニウム
化合物または有機スズ化合物をアルキルエーテル型界面
活性剤を主体とする界面活性剤で乳化した物とする。
【0013】請求項9のものでは、同(C)成分を、酸
性リン酸エステル、有機カルボン酸類と有機アミン類の
混合物または反応物とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるエマルジョン
(A)を得るためのエポキシ基を含有する重合体(以
下、重合体(A)という)の樹脂の種類には特に限定が
なく、例えば、エポキシ樹脂、エポキシ基を含有するポ
リエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、アクリル系樹
脂、フッ素樹脂などが挙げられるが、これらの中では、
得られる硬化性樹脂組成物を用いて形成された塗膜が耐
候性および耐薬品性に優れ、また樹脂設計の幅が広くと
れることから、アクリル系樹脂、ウレタン樹脂、フッ素
樹脂などが好ましく、さらに、低価格という点からアク
リル系樹脂が特に好ましい。
【0015】上記重合体(A)は、上記一般式(I)で
表されるシリル基を含有することが耐候性を高めるため
に好ましい。そのような重合体は、エポキシ基を含有す
るビニル系単量体(以下、モノマー(a−1)とい
う)、上記一般式(I)で表されるシリル基を含有する
ビニル系重合体(以下、モノマー(a−2)という)お
よびこれと共重合可能な他のビニル系単量体(以下、モ
ノマー(a−3)という)を重合することにより容易に
得られる。
【0016】上記モノマー(a−1)の具体例として
は、たとえば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチ
ルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシ
シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどや以下
の一般式で表される化合物が挙げられる。
【0017】
【化2】
【化3】 (式中Rは、水素原子またはメチル基を示し、R
は、1〜6の2価の脂肪族炭化水素基を示す。) これらのエポキシ基含有ビニル系単量体は、単独で用い
ても2種以上併用してもよく、1〜30重量部共重合さ
れるのが好ましく、2〜20重量部共重合されるのがさ
らに好ましい。共重合量が1重量部より少ないと、上記
(B)成分との反応が不十分となり、耐汚染性も不十分
になり、30重量部を超えるとエマルジョンの安定性が
低下し、貯蔵安定性も低下する。
【0018】上記モノマー(a−2)の具体例として
は、例えば、以下の化合物が挙げられる。
【0019】
【化4】
【化5】
【0020】これらのシリル基含有ビニル系単量体は、
1種のみ使用しても2種以上併用してもよく、1〜30
重量部共重合されるのが好ましく、2〜20重量部共重
合されるのがさらに好ましい。共重合量が1重量部より
少ないと、耐水性、耐候性に劣り、30重量部を超える
とエマルジョンの安定性が低下し、貯蔵安定性も低下す
る。
【0021】上記モノマー(a−3)の種類は特に限定
されず、たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、イソブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
トなどのビニル系単量体;トリフルオロエチル(メタ)
アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリ
レート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレ
ート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メ
タ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチ
ル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピレン、
クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、トリ
フルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ペンタフ
ルオロプロピレンなどのフッ素含有ビニル系単量体;ス
チレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、4−ヒ
ドロキシスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水
素系ビニル単量体;アクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、
クロトン酸、フマル酸、シトラコン酸などのα、β−エ
チレン性不飽和カルボン酸、スチレンスルホン酸、ビニ
ルスルホン酸などの重合可能な炭素−炭素二重結合を有
する酸;あるいは、それらの塩(アルカリ金属塩、アン
モニウム塩、アミン塩など);無水マレイン酸などの酸
無水物またはそれらと炭素数1〜20の直鎖または分岐
のアルコールとのハーフエステル;ジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレートなどのアミノ基を有する(メタ)アクリレー
ト;(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メタ)アク
リルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルアク
リルアミド、アクリロイルモルホリンあるいは、それら
の塩酸、酢酸塩;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジ
アリルフタレートなどのビニルエステルやアリル化合
物;(メタ)アクリロニトリルなどのニトリル基含有ビ
ニル系単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシスチレン、アロニ
クス5700(東亜合成化学(株)製)、Placce
lFA−1、PlaccelFA−4、Placcel
FM−1、PlaccelFM−4(以上、ダイセル化
学(株)製)、HE−10、HE−20、HP−10、
HP−20(以上、日本触媒化学(株)製)、ブレンマ
ーPPシリーズ、ブレンマーPEシリーズ、ブレンマー
PEPシリーズ、ブレンマーAP−400、ブレンマー
AE−350、ブレンマーNKH−5050、ブレンマ
ーGLM(以上、日本油脂(株)製)、MA−30、M
A−50、MA−100、MA−150、RA−112
0、RA−2614、RMA−564、RMA−56
8、RMA−1114、MPG130−MA(以上、日
本乳化剤(株))、水酸基含有ビニル系変性ヒドロキシ
アルキルビニル系モノマーなどの水酸基含有ビニル系単
量体;(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステ
ル類などのα、β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒド
ロキシアルキルエステル類とリン酸エステル基含有ビニ
ル化合物あるいはウレタン結合やシロキサン結合を含む
(メタ)アクリレートなどのビニル化合物;東亜合成化
学(株)製のマクロモノマーであるAS−6、AN−
6、AA−6、AB−6、AK−5などの化合物;ビニ
ルメチルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロ
ロプレン、プロピレン、ブタジエン、N−ビニルイミダ
ゾール、ビニルスルホン酸などのその他のビニル系単量
体;旭電化工業(株)製のLA87、LA82、LA2
2などの重合型光安定剤、重合型紫外線吸収剤などが挙
げられる。
【0022】上記モノマー(a−3)の種類は、得られ
る硬化性樹脂組成物の目的とする物性に応じて選択すれ
ばよく、たとえば、エマルジョン(A)の安定性を向上
させるためには、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)ア
クリルアミド、水酸基含有ビニル系単量体、ポリエチレ
ングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコー
ルメタクリレートなどの親水性単量体を用いることが好
ましい。また、得られる樹脂組成物を用いて形成された
塗膜の耐水性、耐久性などを向上させるためには、エマ
ルジョンの粒子内および粒子間の架橋を行う官能基を導
入したり、フッ素含有ビニル系単量体やシロキサン含有
ビニル系単量体を用いることが好ましい。また、酸性ビ
ニル系単量体を用いた場合には、エマルジョン(A)の
機械的安定性が向上する。
【0023】また、それに加えて、たとえば、ポリエチ
レングリコールジメタクリレート、エチレングリコール
ジアクリレート、トリアリルシアヌレートなどの重合性
の不飽和結合を2つ以上持った単量体も使用し、生成す
るポリマーを架橋構造を持つものとすることも可能であ
る。
【0024】さらに、たとえば、n−ブチルメタクリレ
ート、i−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリ
レート、シクロヘキシルメタクリレートなどの炭素数4
以上のアルキル基やシクロアルキル基を有するメタクリ
レートを用いた場合には、重合体(A)中のシリル基の
安定性が向上するので好ましい。
【0025】上記モノマー(a−1)、モノマー(a−
2)およびモノマー(a−3)の配合割合は、モノマー
(a−1)については重合成分全量100重量部中1〜
30重量部、好ましくは1.1〜25重量部、さらに好
ましくは2〜20重量部とし、モノマー(a−2)は1
〜30重量部、好ましくは1.1〜25重量部、さらに
好ましくは2〜20重量部とし、従ってモノマー(a−
3)の配合量が40〜98重量部、好ましくは50〜9
7.8重量部、さらに好ましくは60〜96重量部とな
るように調製する。モノマー(a−1)の配合量が上記
下限値未満の場合には、得られる重合体(A)を用いて
形成された塗膜の耐汚染性が不十分で、モノマー(a−
2)の配合量が上記下限値未満の場合には、得られる重
合体(A)を用いて形成された塗膜の耐水性および耐候
性が劣る傾向があり、またモノマー(a−1)およびモ
ノマー(a−2)の配合量が上記上限値をそれぞれ越え
る場合には、エマルジョン(A)の安定性が低下する傾
向がある。
【0026】なお、モノマー(a−3)として、上記の
ようにポリオキシエチレン鎖を有する親水性ビニル系単
量体を用いると、上記単量体中のシリル基の安定性が低
下することなく、共重合体が塗料化する工程におけるエ
マルジョンの安定性が確保され、さらにエマルジョン
(A)の機械的安定性、化学的安定性や得られる硬化性
樹脂組成物を用いて形成された塗膜の耐水性、光沢など
が向上するので好ましい。かかるポリオキシエチレン鎖
を有する親水性単量体を用いる場合の配合量は、重合成
分全量100重量部に対して0.1〜10重量部となる
ように調製することが好ましく、0.5〜10重量部が
より好ましい。かかる配合量が、0.1重量部未満であ
ると、エマルジョン(A)の機械的安定性や得られる硬
化性樹脂組成物を用いて形成された塗膜の耐水性および
光沢が低下する傾向があり、また10重量部を超える
と、塗膜が軟化し、汚れが付着しやすくなる傾向があ
る。
【0027】次に、エマルジョン(A)の製造方法につ
いて説明する。重合法としては、バッチ重合、モノマー
滴下重合、乳化モノマー滴下重合などの乳化重合の手段
を適宜選択することができるが、特に、モノマー滴下重
合、乳化モノマー滴下重合が製造時の安定性を確保する
上で適している。
【0028】乳化重合に使用する乳化剤は特に限定され
ず、イオン性あるいは非イオン性界面活性剤等の通常使
用される物が使用できる。イオン性界面活性剤として
は、ラウリルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム、イソオクチルベンゼンスルホン
酸ナトリウムなどのスルホン酸塩;Newcol−72
3SF、Newcol−707SN、Newcol−7
07SF、Newcol−740SF、Newcol−
560SN(以上、日本乳化剤(株)製)などの(ポ
リ)オキシエチレン基を含むアニオン性乳化剤;イミダ
リンラウレート、アンモニウムハイドロオキサイドなど
のアンモニウム塩;非イオン性界面活性剤としては、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレンラウリルエーテルなどのポリオキシエチレン
類;L−77、L−720、L−5410、L−760
2、L−7607(以上、ユニオンカーバイド社製)な
どのシリコンを含むノニオン系乳化剤などが代表的なも
のである。また、乳化剤として、重合反応性を有するア
デカリアソープNE−10、NE−20、NE−30、
NE−40、SE−10N(以上、旭電化工業(株)
製)、Antox−MS−60、Antox−MS−2
N、RMA−653、(以上、日本乳化剤(株)製)、
アクアロンRN20、RN30、RN50、HS05、
HS10、HS20、HS1025(以上、第一工業製
薬(株)製)を用いると耐水性の向上を図ることができ
る。
【0029】上記界面活性剤は、1種または2種以上を
混合して用いることができ、その使用量は、重合成分全
量100重量部に対して10重量部以下が好ましく、
0.5〜8重量部がより好ましい。かかる界面活性剤の
使用量が上記上限を超えると、得られる樹脂組成物を用
いて形成された塗膜の耐水性が低下する傾向がある。
【0030】なお、重合成分として上記アルコキシシリ
ル基含有ビニル系重合体およびポリオキシエチレン鎖を
有する親水性ビニル系単量体を用いて乳化重合体を得る
場合には、乳化剤として上記ポリオキシエチレン鎖を有
するアニオン性界面活性剤を重合成分全量100重量部
に対して0.2〜10重量部用いることがエマルジョン
の安定性の点から好ましく、0.5〜8重量部用いるの
がより好ましい。
【0031】上記モノマー(a−1)、モノマー(a−
2)およびモノマー(a−3)の重合に際しては、重合
中の混合液の安定性を維持し、重合を安定に行うため
に、温度は70℃以下に維持するのが好ましく、40〜
65℃がより好ましい。シリル基の安定化のためには、
pHは5〜8が好ましく、5〜7がより好ましい。
【0032】上記重合開始剤としては、通常使用するも
のが用いられるが、重合の安定性などの点から、レドッ
クス系触媒が好ましく、具体的には、たとえば、過硫酸
カリウム、過硫酸アンモニウムと酸性亜硫酸ナトリウ
ム、ロンガリットの組合せ、過酸化水素とアスコルビン
酸の組合せ、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベン
ゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイ
ド、p−メンタンハイドロパーオキサイドなどの有機過
酸化物と酸性亜硫酸ナトリウム、ロンガリットなどとの
組合せなどが用いられる。特に、有機過酸化物と還元剤
との組合せが好ましい。
【0033】上記重合開始剤の使用量は、重合成分全量
100重量部に対して0.01〜10重量部が好まし
く、0.05〜5重量部がより好ましい。かかる重合開
始剤の使用量が上記下限値未満であると、重合が進行し
にくくなることがあり、上記上限値を超えると、生成す
る重合体の分子量が低下し、得られる樹脂組成物を用い
て形成された塗膜の耐久性が低下する傾向にある。
【0034】また、重合開始剤の触媒活性を安定的に付
与するために、硫酸鉄などの2価の鉄イオンを含む化合
物とエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムのようなキレ
ート剤とを併用するのが好ましく、かかるキレート化剤
の使用量としては、重合成分全量100重量部に対して
0.0001〜1重量部が好ましく、0.001〜0.
5重量部がより好ましい。
【0035】エマルジョン(A)の固形分濃度は、20
〜70重量%の範囲が好ましく、30〜60重量%の範
囲がより好ましい。
【0036】固形分濃度が70重量%を越えると、系の
粘度が著しく上昇するため重合反応に伴う発熱を除去す
ることが困難になったり、重合機からの取り出しに長時
間要するなどの不都合を生じる。また、固形分濃度が2
0重量%未満であると、重合操作の面では何ら問題は生
じないものの、1回の重合操作によって生じる樹脂の量
が少ないために経済面から著しく不利となり、また用途
上の要求からも20重量%未満では、塗膜の膜厚が薄く
なってしまい、性能劣化を起こしたり、塗装作業性が悪
化したりする点で不利となる。
【0037】かくして得られるエマルジョン(A)は平
均粒子径が0.02〜1.0ミクロン程度の超微粒子よ
り構成されており、その結果として優れた被膜形成能を
有している。
【0038】本発明で用いられる(B)成分は、1分子
中に少なくとも1個のアミノ基および/またはその誘導
体と少なくとも1個の加水分解性シリル基を有するシリ
コン化合物であり、その例として、次の一般式(XV
I)および一般式(XVII)で表される化合物が挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
【化6】 (式中、R、RおよびRは、炭素数1〜10のア
ルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜1
0のアラルキル基を示し、複数ある場合は相互に同じで
あっても異なっていてもよく、Xは、ハロゲン原子、
アルコキシ基、ヒドロキシ基、アシロキシ基、アミノキ
シ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基およびアミノ基
よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を示し、A
は炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数1〜100の
ポリアルキレンオキシド基を示し、bおよびdは0〜2
の整数、cは0〜1の整数、mは0〜5の整数であ
る。)
【化7】 (式中、R、R、X、bおよびcは上記と同じ
で、lは1〜6の整数である。) 一般式(XVI)および一般式(XVII)で表され
る、1分子中に少なくとも1個のアミノ基および/また
はその誘導体と少なくとも1個の加水分解性シリル基と
を有するシリコン化合物およびその塩類の具体例として
は、たとえば、
【化8】
【化9】
【化10】 等や、X−12−5204、X−12−633AT、X
−12−734、X−12−575、X−12−57
7、X−12−563B、X−12−565、X−12
−730、X−12−562、CF−136、KBE−
9703、KBM−576(以上、信越化学工業(株)
製)、A−1100、A−1110、A−1122、A
−1106、A−1126、A−1160、Y−913
8、Y−5823、Y−5987、AZ−6131、A
Z−6160(以上、日本ユニカー(株)製)、SH6
020、SH6026、SZ6023、SZ6032、
SZ6050、SZ6079、SZ6083、AY43
−021(以上、トーレシリコーン(株)製)、TSL
8331、TSL8340、TSL8345(以上、東
芝シリコーン(株)製)等が挙げられる。
【0040】上記(B)成分は、1種のみ用いても2種
以上併用してもよく、(A)成分の樹脂固形分100重
量部に対して1〜30重量部配合されるのが好ましく、
2〜20重量部配合されるのがより好ましい。配合量
が、1重量部より少ないと、耐汚染性付与効果がほとん
どなく、30重量部を超えるとエマルジョンの安定性が
低下し、貯蔵安定性も低下する。
【0041】なお、上記(B)成分は、エマルジョン
(A)にあらかじめ配合しておき、その後に塗料化して
も、あるいは先に塗料化したエマルジョン(A)に後で
配合しても構わない。
【0042】本発明で適宜用いられる(C)成分の硬化
触媒の具体例としては、たとえば、ジブチル錫ジラウレ
ート、ジブチル錫マレート、ジオクチル錫ジラウレー
ト、ジオクチル錫マレート、オクチル酸錫などの有機錫
化合物;リン酸、モノメチルホスフェート、モノエチル
ホスフェート、モノブチルホスフェート、モノオクチル
ホスフェート、モノデシルホスフェート、ジメチルホス
フェート、ジエチルホスフェート、ジブチルホスフェー
ト、ジオクチルホスフェート、ジデシルホスフェートな
どのリン酸またはリン酸エステル類;プロピレンオキサ
イド、ブチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイ
ド、グリシジルメタクリレート、グリシドール、アクリ
ルグリシジルエーテル、3−グリシドキシプロピルトリ
エトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメ
トキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシシラン、油化シェルエポキシ(株)製
のカーデュラ(E)、エピコート828、エピコート1
001などのエポキシ化合物とリン酸および/または酸
性モノリン酸エステルとの付加反応物;有機チタネート
化合物;有機アルミニウム化合物;有機ジルコニウム化
合物;マレイン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、イタコン酸、クエン酸、コハク酸、トリメリット
酸、ピロメリット酸、これらの酸無水物、パラトルエン
スルホン酸などの酸性化合物;ヘキシルアミン、ジ−2
−エチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルドデシルア
ミン、ドデシルアミンなどのアミン類;これらのアミン
と酸性リン酸エステルとの混合物または反応物;水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性化合物な
どが挙げられる。
【0043】なお、硬化触媒として有機金属化合物を用
いる場合には、あらかじめアルキルエーテル型の界面活
性剤を用いて乳化したものを、被塗布物への塗布時に樹
脂組成物に添加すると、組成物が硬化性および保存安定
性に優れるので好ましい。このような有機金属化合物の
乳化液の配合比率は、有機金属化合物100重量部に対
して、アルキルエーテル型界面活性剤10〜200重量
部が好ましく、20〜100重量部がより好ましく、脱
イオン水は80〜1500重量部が好ましく、200〜
1200重量部がより好ましく、ポリエチレングリコー
ルなどの凍結防止剤は10〜200重量部が好ましく、
20〜100重量部がより好ましい。乳化液中の有機金
属化合物の含有量は5〜50%が好ましく、7〜30%
がより好ましい。
【0044】上記(C)成分は、単独で用いても、2種
以上を併用してもよい。上記(C)成分の使用量には特
に限定はないが、(A)成分の樹脂固形分100重量部
に対して、通常は0.1〜20重量部使用し、好ましく
は0.5〜10重量部使用する。使用量が0.1重量部
未満では、組成物の硬化性が低下する傾向があり、20
重量部を越えると塗膜の外観性が低下する傾向にある。
【0045】上記(A)成分、(B)成分および(C)
成分からなる水性塗料用樹脂組成物は、このままでも良
好な塗膜形成能を有するが、助溶剤を用いて塗膜形成能
をさらに高めることができる。助溶剤の具体例として
は、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プ
ロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチ
ルアルコール、イソブチルアルコール、ヘキシルアルコ
ール、オクチルアルコールなどのアルコール類;セロソ
ルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレ
ングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノイソブチルエーテル、ジ
プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレ
ングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコ
ールイソブチルエーテル、トリプロピレングリコールモ
ノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチ
ルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソブチル
エーテルなどのエーテル類;ブチルセロソルブアセテー
ト、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテー
ト、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテ
ート、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルア
セテート、トリプロピレングリコールモノイソブチルエ
ーテルアセテートなどのグリコールエーテルエステル類
などが挙げられる。
【0046】これらの溶剤は、乳化共重合体(A)の重
合時に添加してもよく、また、重合後に添加してもよ
い。
【0047】また、本発明の樹脂組成物より形成された
塗膜の耐候性をさらに高めるために、紫外線吸収剤や光
安定剤を添加することもできる。紫外線吸収剤には、特
に限定はないが、取り扱いの容易さから、液状のものが
好ましく、具体的には、たとえば、i−オクチル−3−
(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
(登録商標TINUVIN384)、メチル−3−(3
−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとポ
リエチレングリコールとの反応生成物(登録商標TIN
UVIN1130)(以上、日本チバガイギー(株)
製)等のベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤等、常温
で液状のものが挙げられ、これらは1種または2種以上
を混合して用いることができる。また、光安定剤も特に
限定されないが、取り扱いの容易さから、液状のものが
好ましく、具体的には、たとえば、ビス(1−オクチロ
キシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート(登録商標TINUVIN123)、ビ
ス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート(登録商標TINUVIN292)(以
上、日本チバガイギー(株)製)などのヒンダードアミ
ン系の光安定剤等の常温で液状のものが挙げられ、これ
らは1種または2種以上を混合して用いることができ
る。
【0048】これらの紫外線吸収剤と光安定剤は、併用
して使用することもできる。
【0049】なお、本発明においては、上記エマルジョ
ン(A)の安定性の点から、その構造中にイミノ基を有
さないものが好ましい。
【0050】本発明の水性塗料用樹脂組成物には、さら
に添加剤として、必要に応じて通常塗料に用いられる顔
料(二酸化チタン、炭酸カルシルム、炭酸バリウム、カ
オリンなどの白色顔料、カーボン、ベンガラ、シアニン
ブルーなどの有色系顔料)や可塑剤、溶剤、分散剤、増
粘剤、消泡剤、防腐剤、沈降防止剤、レベリング剤、紫
外線吸収剤などの通常の塗料用組成分として使用される
添加剤を混合して使用することもできる。水性塗料用樹
脂組成物に、二酸化チタンを配合する際に、等電点が7
以上の二酸化チタンを用いることにより、光沢、耐候性
は向上する。具体的には、JR901、JR603、J
R602(以上、テイカ(株)製)などが挙げられる。
【0051】また、市販されている水系の塗料を、本発
明の水性塗料用樹脂組成物に配合することができる。か
かる水系の塗料としては、たとえばアクリル系塗料、ア
クリルメラミン系塗料などの熱硬化性アクリル塗料、ア
ルキッド塗料、エポキシ塗料、フッ素樹脂塗料などが挙
げられ、これらを配合した場合には、樹脂組成物を用い
て形成された塗膜の耐候性、耐酸性、耐溶剤性等をさら
に向上させることができる。
【0052】本発明における耐汚染性の付与効果は、上
記エマルジョン(A)100重量部に対し、1分子中に
少なくとも1個のアミノ基と少なくとも1個の加水分解
性シリル基を有するシリコン化合物(B)1〜30重量
部の組成物を被処理物に塗布すること、さらに好ましく
は硬化触媒(C)0.1〜20重量部を混合し塗布する
ことにより発現される。その効果発現のメカニズムは、
次のように考えられる。すなわち、(B)成分が架橋反
応の際において、塗膜表面に局在することにより、塗膜
表面硬度と親水性が付与される。また、塗膜の表面硬度
が高くなるため、傷がつきにくくなって汚染を防止す
る。さらに、これと同時に、該塗膜が親水性であるた
め、雨などの洗浄効果が発現してより一層優れた耐汚染
性を有する塗膜が形成される。
【0053】本発明の樹脂組成物によれば、上記(A)
および(B)成分よりなる組成物を常法により被塗物に
塗布した後、通常10℃以上で養生させることで、被塗
物の表面に耐汚染性、耐候性、密着性、耐久性などの物
性に優れた硬化物(塗膜)を形成することができる。従
って、たとえば建築内装用、メタリックベースあるいは
メタリックベース上のクリアーなどの自動車用、アルミ
ニウム、ステンレス、銀などの金属直塗用、スレート、
コンクリート、瓦、モルタル、石膏ボード、石綿スレー
ト、アスベストボード、プレキャストコンクリート、軽
量気泡コンクリート、珪酸カルシウム板、タイル、レン
ガなどの窯業系直塗用、ガラス用、天然大理石、御影石
などの石材用の塗料あるいは上面処理剤として好適に用
いられる。また、直塗用だけではなく、水系あるいは溶
剤系プライマー上、アクリルゴム上、複装仕上げのトッ
プコート、コンクリートなどの無機系機材に、水系ある
いは溶剤系浸透性吸水防止剤上の塗装にも用いられる。
【0054】
【実施例】次に、本発明の水性塗料用樹脂組成物の調製
方法と製造方法を実施例に基づき説明する。
【0055】製造例1〜8 撹拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴下ロート
を備えた反応容器に、脱イオン水40重量部(以下、単
に部という)、ポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テルスルフェート1部、ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル1部、酢酸アンモニウム0.5部、ロンガ
リット0.3部、t−ブチルハイドロパーオキサイド
0.1部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ50℃に昇温
した。[表1]、[表2]に示す組成の混合物158部
中の20部を滴下ロートを用いて30分かけて滴下して
初期重合を行った。滴下終了1時間後に、上記混合物1
58部中の残りの138部およびt−ブチルハイドロパ
ーオキサイド0.1部を滴下ロートにより3時間かけて
等速滴下した。この後、1時間後重合を行い、脱イオン
水を添加して樹脂固形分が50重量%のエマルジョン
(A−1)〜(A−8)を得た。
【0056】
【表1】
【表2】
【0057】実施例1 酸化チタンCR97(石原産業(株)製)100部に対
して、SMA1440(ATOCHEM社製)3部、エ
マルゲンA−60(花王(株)製)1部、チローゼH−
4000P(ヘキスト合成(株)製)の2%水溶液10
部、SNディフォーマー247(サンノプコ(株)製)
0.5部、15%アンモニア水0.5部、脱イオン水2
5部を配合し、粒径2mmのガラスビーズを必要量加
え、サンドミルを用いて1000rpmで1時間撹拌
し、顔料ペーストを調製した。
【0058】エマルジョン(A−1)60部に対して、
CS−12(チッソ(株)製)3部を加え十分に撹拌し
た後に、3−アミノプロピルトリエトキシシラン1.5
部を加え十分に撹拌し、これに顔料ペースト30部とチ
ローゼH−4000P(ヘキスト合成(株)製)の2%
水溶液2部、アデカノールUH−420(旭電化(株)
製)の20%水溶液2部、プロピレングリコール2.9
部、SNディフォーマー247(サンノプコ(株)製)
0.1部を配合し、500rpmで10分間撹拌して、
白エナメル(A−I)を得た。
【0059】この白エナメルに脱イオン水を加えて適当
な塗装粘度に希釈し、スレート板にエアースプレーで塗
装した。この塗装板を20℃で10日間養生した。
【0060】実施例2 実施例1と同様にして、エマルジョン(A−2)を用い
て白エナメル(A−II)を得た。
【0061】この白エナメルに脱イオン水を加えて適当
な塗装粘度に希釈し、スレート板にエアースプレーで塗
装した。この塗装板を20℃で10日間養生した。
【0062】実施例3〜5 実施例1と同様にして、エマルジョン(A−3)を用い
て、3−アミノプロピルトリエトキシシラン0.6部
(実施例3)、1.5部(実施例4)、3部(実施例
5)を配合し、白エナメル(A−III)〜(A−V)
を得た。
【0063】これらの白エナメルに脱イオン水を加えて
適当な塗装粘度に希釈し、スレート板にエアースプレー
で塗装した。この塗装板を20℃で10日間養生した。
【0064】実施例6 白エナメル(A−V)に、塗装直前に、白エナメル10
0部に対し、ジブチル錫ジマレートの乳化物3部(スズ
化合物含有率10%)を配合し、脱イオン水を用いて適
当な塗装粘度に希釈して、スレート板にエアースプレー
で塗装した。その後、塗装板を20℃で10日間養生し
た。
【0065】実施例7 実施例1と同様にして、エマルジョン(A−4)を用い
て白エナメル(A−VI)を得た。
【0066】この白エナメルに脱イオン水を加えて適当
な塗装粘度に希釈した後に、スレート板にエアースプレ
ーで塗装した。この塗装板を20℃で10日間養生し
た。
【0067】実施例8〜10 実施例1と同様にして、エマルジョン(A−5)を用い
て、3−アミノプロピルトリエトキシシラン0.6部
(実施例8)、1.5部(実施例9)、3部(実施例1
0)を配合し、白エナメル(A−VII)〜(A−I
X)を得た。
【0068】これらの白エナメルに脱イオン水を加えて
適当な塗装粘度に希釈し、スレート板にエアースプレー
で塗装した。この塗装板を20℃で10日間養生した。
【0069】実施例11 白エナメル(A−IX)に、塗装直前に、白エナメル1
00部に対し、ジブチル錫ジマレートの乳化物3部(ス
ズ化合物含有率10%)を配合し、脱イオン水を用いて
適当な塗装粘度に希釈して、スレート板にエアースプレ
ーで塗装した。この塗装板を20℃で10日間養生し
た。
【0070】実施例12 実施例1と同様にして、エマルジョン(A−6)を用い
て白エナメル(A−X)を得た。
【0071】この白エナメルに脱イオン水を加えて適当
な塗装粘度に希釈し、スレート板にエアースプレーで塗
装した。この塗装板を20℃で10日間養生した。
【0072】実施例13、14 実施例1と同様にして、エマルジョン(A−3)を用い
て、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルト
リエトキシシラン1.5部(実施例13)、3部(実施
例14)を配合し、白エナメル(A−XI)、(A−X
II)を得た。
【0073】これらの白エナメルに脱イオン水を加えて
適当な塗装粘度に希釈し、スレート板にエアースプレー
で塗装した。この塗装板を20℃で10日間養生した。
【0074】実施例15 白エナメル(A−XII)に、塗装直前に、白エナメル
100部に対し、ジブチル錫ジマレートの乳化物3部
(スズ化合物含有率10%)を配合し、脱イオン水を用
いて適当な塗装粘度に希釈して、スレート板にエアース
プレーで塗装した。この塗装板を20℃で10日間養生
した。
【0075】実施例16、17 実施例1と同様にして、エマルジョン(A−3)を用い
て、N,N−ジメチル−3−アミノプロピルトリエトキ
シシラン1.5部(実施例16)、3部(実施例17)
を配合し、白エナメル(A−XIII)、(A−XI
V)を得た。
【0076】これらの白エナメルに、脱イオン水を加え
て適当な塗装粘度に希釈し、スレート板にエアースプレ
ーで塗装した。この塗装板を20℃で10日間養生し
た。
【0077】実施例18 白エナメル(A−XIV)に、塗装直前に、白エナメル
100部に対し、ジブチル錫ジマレートの乳化物3部
(スズ化合物含有率10%)を配合し、脱イオン水を用
いて適当な塗装粘度に希釈した後に、スレート板にエア
ースプレーで塗装した。この塗装板を20℃で10日間
養生した。
【0078】実施例19、20 実施例1と同様にして、エマルジョン(A−5)を用い
て、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルト
リエトキシシラン1.5部(実施例19)、N,N−ジ
メチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン1.5
部(実施例20)を配合し、白エナメル(A−XV)、
(A−XVI)を得た。
【0079】これらの白エナメルに脱イオン水を加えて
適当な塗装粘度に希釈し、スレート板にエアースプレー
で塗装した。この塗装板を20℃で10日間養生した。
【0080】比較例1、2 酸化チタンCR97(石原産業(株)製)100部に対
して、SMA1440(ATOCHEM社製)3部、エ
マルゲンA−60(花王(株)製)1部、チローゼH−
4000P(ヘキスト合成(株)製)の2%水溶液10
部、SNディフォーマー247(サンノプコ(株)製)
0.5部、15%アンモニア水0.5部、脱イオン水2
5部を配合し、粒径2mmのガラスビーズを必要量加
え、サンドミルを用いて1000rpmで1時間撹拌
し、顔料ペーストを調製した。
【0081】エマルジョン(A−3)(比較例1)また
は(A−6)(比較例2)60部に対して、CS−12
(チッソ(株)製)3部を加え十分に撹拌した後に、顔
料ペースト30部とチローゼH−4000P(ヘキスト
合成(株)製)の2%水溶液2部、アデカノールUH−
420(旭電化(株)製)の20%水溶液2部、プロピ
レングリコール2.9部、SNディフォーマー247
(サンノプコ(株)製)0.1部を配合し、500rp
mで10分間撹拌して、白エナメル(A−XVII)、
(A−XVIII)を得た。
【0082】この白エナメルに脱イオン水を加えて適当
な塗装粘度に希釈し、スレート板にエアースプレーで塗
装した。この塗装板を20℃で10日間養生した。
【0083】比較例3、4 比較例1と同様にして、エマルジョン(A−7)を用い
て、3−アミノプロピルトリエトキシシラン1.5部
(比較例3)、3部(比較例4)を配合し、白エナメル
(A−XIX)、(A−XX)を得た。
【0084】この白エナメルに脱イオン水を加えて適当
な塗装粘度に希釈し、スレート板にエアースプレーで塗
装した。この塗装板を20℃で10日間養生した。
【0085】比較例5 白エナメル(A−XX)に、塗装直前に、白エナメル1
00部に対し、ジブチル錫ジマレートの乳化物3部(ス
ズ化合物含有率10%)を配合し、脱イオン水を用いて
適当な塗装粘度に希釈して、スレート板にエアースプレ
ーで塗装した。この塗装板を20℃で10日間養生し
た。
【0086】比較例6 比較例1と同様にして、エマルジョン(A−8)を用い
て、3−アミノプロピルトリエトキシシラン1.5部
(比較例6)を配合し、白エナメル(A−XXI)を得
た。
【0087】この白エナメルに脱イオン水を加えて適当
な塗装粘度に希釈し、スレート板にエアースプレーで塗
装した。この塗装板を20℃で10日間養生した。
【0088】上記した実施例1〜20および比較例1〜
5で得られたそれぞれの塗膜について、耐汚染性、親水
性、硬度を調べた。それぞれの物性の測定・評価方法は
以下の通りである。実施例及び比較例にそれぞれ用いた
エマルジョン、アミノ基と加水分解性基を有するシリコ
ン化合物及び硬化触媒と評価結果を[表3]〜[表6]
に示す。
【0089】耐汚染性 曝露初期のL表色系で表される明度を色彩色
差計(ミノルタ(株)製:CR300)で測定し、大阪
府摂津市で南面30゜の屋外曝露を3カ月実施した。曝
露後の明度と曝露前の明度差の絶対値(△L値)を汚染
性の尺度とした。なお、数値が小さいほど、耐汚染性に
優れていることを示す。
【0090】親水性 親水性は、接触角測定機(協和界面科学(株)製:CA
−S150型)を用い、大阪府摂津市で南面30゜の屋
外曝露3カ月後の水との接触角を測定することにより評
価した。数値が小さいほど、親水性が高いことを示す。
【0091】硬度 振子式硬度計(エリクセン(株)製:PERSOZ硬度
計)を用い、大阪府摂津市で南面30゜の屋外曝露3カ
月後の硬度を測定した(ペロゾス硬度)。数値が大きい
ほど、硬度が高いことを示す。
【0092】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【0093】
【発明の効果】上記したように、請求項1〜9の本発明
の水性塗料用樹脂組成物によれば、水性であるにもかか
わらず、溶剤系塗料に劣らぬ、優れた耐候性、耐久性お
よび耐汚染性を有する塗膜が得られる。また、エマルジ
ョンの安定性が優れ、貯蔵安定性にも優れている。従っ
て、本発明の水性塗料用樹脂組成物は、建築内装用、自
動車用等をはじめとする種々の分野に好適に用いること
ができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 59/40 NLC C08G 59/40 NLC 59/68 NKM 59/68 NKM C08L 63/00 NJY C08L 63/00 NJY NKM NKM C09D 133/14 PGH C09D 133/14 PGH 157/00 PDE 157/00 PDE

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ基を含有するビニル系単量体を他
    のビニル系単量体と共重合することにより得られる重合
    体のエマルジョン(A)と、1分子中に少なくとも1個
    のアミノ基と少なくとも1個の加水分解性シリル基とを
    有するシリコン化合物(B)とを、前記(A)成分の樹
    脂固形分100重量部に対して(B)成分1〜30重量
    部の割合で含有してなる水性塗料用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記(A)成分における重合体の成分であ
    るエポキシ基を含有するビニル系単量体が、グリシジル
    (メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アク
    リレート、及び3,4−エポキシシクロヘキシルメチル
    (メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種又は
    2種以上であり、(A)成分における重合体1分子中に
    少なくとも1個のエポキシ基を有することを特徴とす
    る、請求項1に記載の水性塗料用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記(A)成分における重合体が、一般式
    (I)で表されるシリル基を含有することを特徴とす
    る、請求項1又は2に記載の水性塗料用樹脂組成物。 【化1】 (式中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数
    6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基
    を示し、複数ある場合、相互に同じであっても異なって
    いてもよく、Xは、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒ
    ドロキシ基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ
    基、チオアルコキシ基、アミノ基よりなる群から選ばれ
    る少なくとも一種の基を示し、aは0〜2の整数であ
    る。)
  4. 【請求項4】前記(A)成分における一般式(I)で表
    されるシリル基を含有する重合体が、重合成分全量10
    0重量部中に1〜30重量部のアルコキシシリル基含有
    ビニル系単量体、0.1〜10重量部のポリオキシエチ
    レン鎖を有する親水性ビニル系単量体を含む重合成分
    を、ポリオキシエチレン鎖を有するアニオン系界面活性
    剤を用いて共重合してなる乳化共重合体であることを特
    徴とする、請求項3に記載の水性塗料用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】前記一般式(I)で表されるシリル基を含
    有する重合体が、炭素数4以上のアルキル基を有するア
    ルキルメタクリレートおよび炭素数4以上のシクロアル
    キル基を有するシクロアルキルメタクリレートからなる
    群から選ばれる1種又は2種以上を、重合成分全量10
    0重量部中60重量部以上用いて得られる重合体である
    ことを特徴とする、請求項3に記載の水性塗料用樹脂組
    成物。
  6. 【請求項6】前記(B)成分であるシリコン化合物が、
    3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプ
    ロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチル
    ジメトキシシラン、N−メチル−3−アミノプロピルト
    リメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピル
    トリメトキシシラン、N,N−ジメチル−3−アミノプ
    ロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)
    −3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−
    アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラ
    ン、N−(2−(N’−メチル)アミノエチル)−3−
    アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−
    (N’,N’−ジメチル)アミノエチル)−3−アミノ
    プロピルトリメトキシシランからなる群から選ばれる1
    種又は2種以上であることを特徴とする、請求項1〜5
    のいずれか1項に記載の水性塗料用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】硬化触媒(C)0.1〜20重量部が塗装
    時にさらに配合されてなることを特徴とする、請求項1
    〜6のいずれか1項に記載の水性塗料用樹脂組成物。
  8. 【請求項8】前記(C)成分が、有機アルミニウム化合
    物または有機スズ化合物をアルキルエーテル型界面活性
    剤を主体とする界面活性剤で乳化した物であることを特
    徴とする、請求項7に記載の水性塗料用樹脂組成物。
  9. 【請求項9】前記(C)成分が、酸性リン酸エステル、
    有機カルボン酸類と有機アミン類の混合物または反応物
    であることを特徴とする、請求項7に記載の水性塗料用
    樹脂組成物。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002327104A (ja) * 2001-05-02 2002-11-15 Sumitomo Bakelite Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
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JP2011162496A (ja) * 2010-02-12 2011-08-25 Shin-Etsu Chemical Co Ltd シリル基で保護されたアミノ基を有する有機ケイ素化合物及びその製造方法
JP2014122270A (ja) * 2012-12-21 2014-07-03 Toagosei Co Ltd アクリル系水性樹脂エマルション組成物
CN115678374A (zh) * 2023-01-06 2023-02-03 山东世纪联合新材料科技有限公司 水性隔热涂料及其制备方法

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