JPH10180035A - 硫化水素の洗浄装置 - Google Patents

硫化水素の洗浄装置

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JPH10180035A
JPH10180035A JP8355197A JP35519796A JPH10180035A JP H10180035 A JPH10180035 A JP H10180035A JP 8355197 A JP8355197 A JP 8355197A JP 35519796 A JP35519796 A JP 35519796A JP H10180035 A JPH10180035 A JP H10180035A
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tower
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博也 森田
Akimitsu Iida
暁光 飯田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スケールが発生せず、大容量の硫化水素含有
臭気ガスの連続的処理が可能な洗浄装置を提供する。 【解決手段】 被処理ガスAと洗浄液とを向流状態で接
触可能な配置で、ガス挿入口12及びガス排出口13
と、洗浄液挿入口44及び洗浄液排出口14とを備える
洗浄塔1;洗浄塔から流出する洗浄液を回収して溜める
貯液槽2;洗浄液を貯液槽から洗浄液挿入口へ循環させ
る送液手段41;洗浄塔内でガス上流側にpH調整液を
供給する手段5;洗浄塔内でガス下流側に金属フタロシ
アニン化合物を供給する手段6;及び、貯液槽内の洗浄
液のpH測定手段3を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硫化水素の洗浄装
置に関する。本発明装置によれば、各種処理工程、例え
ば、し尿処理工程、下水処理工程、又はごみ処理工程な
どで発生する臭気ガスから硫化水素を有効に除去するこ
とができる。
【0002】
【従来の技術】し尿処理プラントでは、プラントを構成
する各処理工程で臭気ガスが発生する。この臭気ガスを
大気に放出する前に臭気成分を除去することが必要であ
る。硫化水素は除去対象となる臭気成分の1つである。
硫化水素を含有するガスから、硫化水素を除去する方法
としては、ガス中に含まれる硫化水素の濃度に応じて種
々の方法が用いられている。硫化水素濃度が高濃度領域
(通常、5000ppm以上)にある臭気ガスの場合に
は、例えば、燃焼法によって処理し、硫化水素濃度が低
濃度領域(通常、数ppm以上)の臭気ガスの場合に
は、例えば、活性炭を用いる方法が一般に採用されてい
る。これに対して、し尿処理プラントなどの処理工程で
発生する臭気ガスでは、硫化水素濃度は、いわゆる中濃
度領域(通常、数〜百数十ppm)となり、通常、洗浄
液を用いる気液接触処理によって硫化水素を除去してい
る。これは、中濃度硫化水素含有臭気ガスを燃焼法で処
理すると、燃焼効率の面でコスト的に問題となり、活性
炭を用いる方法は、大量の臭気ガス処理においては、容
易に破過に達する欠点があるからである。
【0003】従来、前記の気液接触処理では、洗浄液と
して、一般に、アルカリ溶液(一般には、水酸化ナトリ
ウム水溶液)、又は酸化剤(一般には、次亜塩素酸ナト
リウム)が用いられていた。なお、酸化剤として次亜塩
素酸ナトリウムを使用する場合には、硫化水素が酸化さ
れて硫酸が生成し、pHが低下して洗浄液中から塩素ガ
スが発生してしまうので、それを防ぐためにアルカリ溶
液を併用することが行われていた。硫化水素は、アルカ
リ溶液に吸収されやすく、しかも、酸化剤によっても容
易に酸化されるので、前記の洗浄液を用いる洗浄処理に
おいては、比較的簡単な構造のスクラバー方式の洗浄塔
を一般に使用することができる。スクラバー方式の洗浄
塔は、大容量(数〜数百m3 )の被処理ガスを処理する
ことが可能である。
【0004】従来の向流型スクラバー方式の洗浄塔を、
図5に模式的に示す。従来のスクラバー方式の洗浄塔
は、洗浄塔1と、洗浄液の貯液槽2と、洗浄液を前記洗
浄塔に循環することのできる送液手段4a,4bとを含
む。前記の洗浄塔1は、一般的に二段の充填槽11a,
11bを含み、被処理ガスAの挿入口12、浄化ガスB
の排出口13、洗浄液挿入口44a,44b、及び洗浄
液排出口14a,14bを備えている。充填槽内には、
洗浄液の流下を遅らせて、洗浄液と被処理ガスとの接触
時間を延長させ、気液接触を有効に実施するために、充
填材15が詰められている。また、貯液槽2は、洗浄塔
1の洗浄液排出口14a,14bから流出する洗浄液を
溜めておき、洗浄塔へ循環させることができる。貯液槽
2の洗浄液取込口43a,43bから取り込まれ、送液
ポンプ42a,42bによって送液手段4a,4bから
洗浄液挿入口44a,44bへ送られた洗浄液は、洗浄
塔1の最上段に設けた被処理ガス下流領域処理充填槽1
1bの上部から、重力の作用により、充填材15の表面
を主に伝わりながら、洗浄塔内部をゆっくりと流下す
る。一方、被処理ガスAは、被処理ガス上流領域処理充
填槽11aの底部に設けられた挿入口12から洗浄塔内
に送られ、洗浄塔内部を充填槽11aから充填槽11b
へ上昇し(矢印B)、更に浄化ガスCとなって排出口1
3から洗浄塔の外へ送出される。洗浄塔内部を下方向に
移動する洗浄液と、洗浄塔内部を上方向に移動する被処
理ガスとが向流(counter flow)状態で接
触する際に、被処理ガスに含まれる硫化水素は、洗浄液
に吸収され、被処理ガスから除去される。硫化水素を吸
収し、充填槽11a,11bの下部から流出した洗浄液
は貯液槽に回収され、再び、前記過程を繰り返すことに
よって、洗浄液は洗浄塔内を循環する。
【0005】アルカリ溶液によって洗浄処理を実施する
場合には、通常、pH10〜12に調整した洗浄液を使
用し、中和及び吸収することによって硫化水素を除去す
る。この際に、硫化水素が除去されるだけでなく、大気
中の二酸化炭素もアルカリ溶液と反応して炭酸塩が生成
する。大気中には約300ppmの二酸化炭素が存在
し、この濃度は、除去対象である硫化水素の濃度と同レ
ベル又はそれ以上の濃度であるので、硫化水素を除去す
るのに必要な理論量よりもはるかに多い量のアルカリ溶
液を使用する必要がある。また、生成された炭酸塩は、
洗浄塔内のスケール発生の原因となる。従来の洗浄塔に
おいては、貯液槽から送出されたアルカリ溶液は、洗浄
塔を通過する際に硫化水素及び炭酸ガスと反応し、再び
貯液槽に戻るという循環を繰り返すので、しだいに炭酸
塩濃度が上昇し、炭酸塩が析出してスケールを発生す
る。そこで、炭酸塩濃度の上昇を抑えてスケール発生を
防止するため、貯液槽に一定量の希釈水を加え、貯液槽
内の洗浄液を貯液槽上部に設けた排出口71から常にオ
ーバーフローさせることが一般に行われている。貯液槽
をオーバーフローしたアルカリ性の廃液は、アルカリ性
であるため、中和してからでないと放流することができ
ない。しかし、中和すると、廃液中に吸収されていた硫
化水素が再発生する。このため、オーバーフローした廃
液は、し尿処理工程(凝集工程)に戻され、pH調整に
用いられるのが普通である。
【0006】一方、酸化剤を用いて洗浄処理する場合に
は、硫化水素を酸化することによって硫化水素を除去す
る。酸化剤として次亜塩素酸ナトリウムを用いて洗浄処
理を実施する場合にも、アルカリ溶液を併用するので、
大気中の二酸化炭素を吸収して炭酸塩を生成する問題が
ある。また、硫化水素が酸化されて生成する硫酸塩も、
前記炭酸塩とともにスケール発生の原因となる。
【0007】アルカリ性領域で使用する必要のある前記
洗浄液とは異なり、酸性領域で使用することのできる消
臭剤組成物が特開平4−141213号公報に記載され
ている。この公報には、中性ないし酸性下で水溶性を付
与する基を少なくとも1個含有する金属フタロシアニン
鉄化合物と、特定の遷移金属を含む無機塩とを含有する
消臭剤組成物が、広範な悪臭、例えば、硫化水素、メチ
ルメルカプタン、アンモニア、又はアミンの除去に有効
であることが記載されている。この消臭剤組成物を水溶
液の形で用いる場合には、無機塩を安定に維持するため
にpH7以下、好ましくはpH1.0〜6.5、特には
pH1.0〜4.0で用いる必要がある。pH値調整の
ためには硫酸等の添加が行われる。更に、このような酸
性条件下での処理は、硫化水素の除去それ自体には必ず
しも効果的ではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、臭気
ガス内に含まれる炭酸ガスの影響を受けず、従って、処
理剤の使用量を節約することができると共にスケール発
生がなく、大容量の臭気ガスを連続的に処理することの
できる処理装置を提供することにある。本発明者は、鋭
意研究の結果、フタロシアニン化合物を含む洗浄液を一
定の酸性ないし中性の範囲、具体的には、pH6.5〜
8の範囲で、硫化水素含有臭気ガスと接触させると、従
来技術の種々の欠点を解消することができることを見出
した。従って、本発明の目的は、前記の特定pH範囲で
洗浄液を臭気ガスと効率よく接触させることのできる処
理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題は、本発明によ
る、(1)被処理ガスと洗浄液とを向流状態で接触させ
ることのできる配置で、被処理ガス挿入口及び浄化ガス
排出口と、洗浄液挿入口及び洗浄液排出口とを備える洗
浄塔、(2)前記洗浄塔の洗浄液排出口から流出する洗
浄液を回収して溜めておくことのできる貯液槽、(3)
前記貯液槽内の洗浄液を貯液槽から、前記洗浄塔の洗浄
液挿入口へ循環させることのできる送液手段、(4)前
記洗浄塔内にて被処理ガスの上流側にpH調整液を供給
することのできるpH調整液供給手段、(5)前記洗浄
塔内にて被処理ガスの下流側に金属フタロシアニン化合
物を供給することのできる金属フタロシアニン化合物供
給手段、及び(6)貯液槽内の洗浄液のpHを測定する
ことのできるpH測定手段を含むことを特徴とする、硫
化水素の洗浄装置によって解決することができる。
【0010】本発明の好ましい態様によれば、本発明装
置は、(1)被処理ガスと洗浄液とを向流状態で接触さ
せることのできる配置で、被処理ガス挿入口及びガス排
出口と、洗浄液挿入口及び洗浄液排出口とを備え、前記
の洗浄液挿入口が、少なくとも、被処理ガスの上流側で
洗浄液を接触させることができるように設けた上流挿入
口と被処理ガスの下流側で洗浄液を接触させることがで
きるように設けた下流挿入口とからなる洗浄塔、(2)
前記洗浄塔の洗浄液排出口から流出する洗浄液を回収し
て溜めておくことのできる貯液槽、(3)前記貯液槽内
の洗浄液を貯液槽から、前記洗浄塔の洗浄液挿入口へ循
環させることのできる送液手段、(4)前記上流挿入口
への送液手段にpH調整液を供給することのできるpH
調整液供給手段、(5)前記下流挿入口への送液手段に
金属フタロシアニン化合物を供給することのできる金属
フタロシアニン化合物供給手段、(6)貯液槽内の洗浄
液のpHを測定することのできるpH測定手段、(7)
貯液槽の底部に設けた沈殿物排出口、及び(8)貯液槽
への補充液供給手段を含む。
【0011】本発明装置によって処理することのできる
臭気ガス、すなわち被処理ガスは、硫化水素を含有する
気体であれば特に限定されないが、例えば、各種処理工
程、例えば、し尿処理工程、下水処理工程、若しくはご
み処理工程など、又は各種工場などで発生する気体を挙
げることができる。被処理ガス中に含まれる硫化水素の
濃度は特に限定されるものではないが、数〜百数十pp
mの範囲内であることが好ましく、この範囲を越える場
合には、適当な前処理、例えば、硫化水素の含有量が前
記の範囲になるように被処理ガスを適宜希釈してから、
本発明装置によって処理することが好ましい。
【0012】本発明装置によれば、硫化水素を含有する
被処理ガスを洗浄処理して、その被処理ガスから硫化水
素を実質的に除去することができる。ここで、「硫化水
素を実質的に除去する」とは、被処理後の被処理ガス中
の硫化水素の量が、処理前に比べて80%以上減少して
いることを意味する。本明細書において「向流状態」と
は、被処理ガスの流れ方向と洗浄液の流れ方向とが実質
的に逆方向であり、両者が向流(counter fl
ow)することを意味する。従って、本発明装置の洗浄
塔内において、被処理ガス挿入口から浄化ガス排出口へ
の方向と、洗浄液挿入口から洗浄液排出口への方向と
は、逆方向になる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に沿って本発明を
説明する。本発明装置の基本的態様を図1に示す。洗浄
塔1は、複数段(図1においては2段)の充填槽、すな
わち、被処理ガス上流域処理充填槽11aと被処理ガス
下流域処理充填槽11bとを含み、洗浄塔の底部に被処
理ガス挿入口12を備え、洗浄塔の頂部に浄化ガス排出
口13を有する。各充填槽11a,11bには、適当な
形状を有する充填材15を充填する。洗浄塔1に供給す
る洗浄液を溜めておくことができる貯液槽2を、洗浄塔
1の底部の真下に配置し、各充填槽11a,11bの底
部から別々に流出するか、あるいは洗浄塔1の底部から
一括して流出する洗浄液を回収する。すなわち、貯液槽
2は、洗浄塔1の洗浄液排出口14a,14bが貯液槽
2の真上に位置するように設置する。貯液槽2に、貯液
槽内の洗浄液のpHを測定することのできるpH測定手
段、例えば、pHメーター3を設ける。
【0014】貯液槽2の底部又は好ましくは側面に洗浄
液取込口43a,43bを設け、送液ポンプ42a,4
2bにより、送液手段(例えば、送液パイプ41a,4
1b)を介して、洗浄液を、各充填槽11a,11bの
上部に設けた洗浄液挿入口44a,44bへ送る。送液
パイプ41の数、貯液槽内の洗浄液取込口43、若しく
は各充填槽内の洗浄液挿入口44の数、又は送液パイプ
の途中での分岐の有無などは特に限定されるものではな
いが、例えば、図1に示すように、各充填槽毎にそれぞ
れ独立した送液パイプを設けることもできる。各充填槽
において、充填材の露出している表面全域に洗浄液を供
給することができるように、前記送液パイプに連続する
洗浄液挿入口44として、洗浄液をシャワー状又は霧状
に噴霧することのできる洗浄液噴出口を複数個設けるこ
とが一般的である。
【0015】本発明者が見出したところによれば、金属
フタロシアニン化合物を含む洗浄液を特定のpH範囲で
硫化水素含有臭気ガスと接触させると、従来技術の種々
の欠点を解消しながら、硫化水素を実質的に除去するこ
とができる。前記pH範囲の下限は6.5、好ましくは
7であり、前記pH範囲の上限は8、好ましくは7.5
である。pHが6.5未満であると、酸性ガスである硫
化水素の溶解度が下がるため、硫化水素の除去率が低下
することがある。一方、pHが8を越えると、大気中の
二酸化炭素に起因する炭酸塩のスケールが発生すること
がある。また、廃液をし尿処理工程に廃棄した場合に、
し尿からアンモニアが発生することがある。また、pH
値が6.5未満になると、通常の臭気ガス内に混在する
メチルメルカプタンの除去率が低下することがあり、p
H値が8を越えると同じく通常の臭気ガス内に混在する
アンモニアの除去率が低下することがある。すなわち、
pH6.5〜8の範囲では、硫化水素を実質的に除去す
ることができるだけでなく、メチルメルカプタン及びア
ンモニアも同時に除去することができ、更に、pH7〜
7.5の範囲では、硫化水素、メチルメルカプタン及び
アンモニアを一層効率よく除去することができる。
【0016】従来のスクラバー方式の洗浄塔には、前記
洗浄塔内にて被処理ガスの下流側に金属フタロシアニン
化合物を供給することのできる金属フタロシアニン化合
物供給手段が設けられていないだけでなく、前記洗浄塔
内にて被処理ガスの上流側にpH調整液を供給すること
のできるpH調整液供給手段、及び貯液槽内の洗浄液の
pHを測定することのできるpH測定手段が設けられて
いないので、本発明者が見出した前記の方法を実施する
ことができない。例えば、仮に、貯液槽2内の洗浄液中
に金属フタロシアニン化合物を混入し、pH値を前記の
範囲に調整した洗浄液を循環させても、洗浄液のpH
は、被処理ガス中の酸性ガス、特には、被処理対象ガス
である硫化水素及び大気中の二酸化炭素の影響を受け、
洗浄塔への被処理ガスの流入を継続しながら洗浄液の循
環を繰り返すと、洗浄液のpHが低下し、前記のpH範
囲から外れ、洗浄液への硫化水素の吸収が阻害される。
従って、洗浄液をpH6.5〜8に維持するためには、
従来の洗浄塔には備えられていないpH調整液供給手
段、及びpH測定手段が必要である。
【0017】本発明装置では、洗浄塔内の洗浄液のpH
値を6.5〜8、好ましくは7〜7.5に維持する手段
の1つとして、前記洗浄塔内にて被処理ガスの上流側に
pH調整液を供給することのできるpH調整液供給手段
を設ける。pH調整液としては、アルカリ水溶液を用い
るのが好ましい。アルカリ水溶液としては、例えば、ア
ルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、例えば、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、
又は水酸化マグネシウムを挙げることができる。被処理
ガスの上流側は、下流側よりも硫化水素濃度及び炭酸ガ
ス濃度が高いため、洗浄液のpH降下が起こりやすいの
で、pH調整液を被処理ガスの上流側で添加する。ここ
で、上流側とは、特に限定するものではないが、一般的
には、洗浄塔内における被処理ガスの上流から下流に至
る全流路の先端から2/3程度まで、好ましくは最初の
1/5程度〜1/2程度までを意味する。洗浄塔が、図
1に示すように2段の充填槽からなる場合には、被処理
ガス上流域処理充填槽11aの上部(被処理ガスの下
流)付近でpH調整液を添加する。
【0018】pH調整液供給手段は、洗浄液送液パイプ
とは別に、pH調整液専用送液パイプを所定の場所に設
けることもできるが、図1に示すように、被処理ガス上
流域処理充填槽11aに設けた洗浄液挿入口44aへ洗
浄液を供給する前記送液パイプ41aの途中に、アルカ
リ水溶液注入口5を設けるのが好ましい。洗浄塔が多段
の充填槽を含む本発明装置においては、前記のpH調整
液供給手段を各充填槽毎に設けることもできるし、ある
いは、中間段充填槽にのみ設けることもできる。通常、
中間段の充填槽にのみ設けても、充分にpH値を調整す
ることができので、この態様がコストの点及び設備保全
からも好ましい。
【0019】本発明装置では、更に、前記洗浄塔内にて
被処理ガスの下流側に金属フタロシアニン化合物を供給
することのできる金属フタロシアニン化合物供給手段を
設ける。被処理ガスの下流側で金属フタロシアニン化合
物を添加すると、金属フタロシアニン化合物が洗浄液と
共に洗浄塔内を移動する間に、被処理ガスと長く接触す
ることができるので、金属フタロシアニン化合物を被処
理ガスの下流側で添加する。ここで、下流側とは、特に
限定するものではないが、一般的には、洗浄塔内におけ
る被処理ガスの上流から下流に至る全流路の1/3程度
から最下流端部まで、好ましくは1/2程度から最下流
端部までを意味する。洗浄塔が、図1に示すように2段
の充填槽からなる場合には、被処理ガス下流域処理充填
槽11bの上部付近で金属フタロシアニン化合物を添加
する。
【0020】金属フタロシアニン化合物供給手段は、洗
浄液送液パイプとは別に、金属フタロシアニン化合物専
用送液パイプを所定の場所に設けることもできるが、図
1に示すように、被処理ガス下流域処理充填槽11bに
設けた洗浄液挿入口44bへ洗浄液を供給する前記送液
パイプ41bの途中に、金属フタロシアニン化合物注入
口6を設けるのが好ましい。洗浄塔が多段の充填槽を含
む本発明装置においては、前記の金属フタロシアニン化
合物供給手段を各充填槽毎に設けることもできるし、あ
るいは、最上段(最下流ガス処理用)充填槽にのみ設け
ることもできる。通常、最上段の充填槽にのみ設けて
も、充分に硫化水素を除去することができので、この態
様が設備の簡素化や反応効率の点からも好ましい。
【0021】本発明方法で使用することのできる金属フ
タロシアニン化合物は、特に限定するものではないが、
例えば、一般式(I):
【化1】 (式中、Xは各々独立して、中性ないし酸性下で水溶性
を付与する基又は水素原子であるが、但しXの少なくと
も1つは中性ないし酸性下で水溶性を付与する基である
ものとし、Mは遷移金属原子である)で表される金属フ
タロシアニン化合物である。この一般式(I)で表され
る金属フタロシアニン化合物は、中心配位子として遷移
金属イオン、例えば、2価の鉄イオン、3価のコバルト
イオン、5価のバナジウムイオン、又は2価のマンガン
イオン、好ましくは2価の鉄イオンを含有する。また、
一般式(I)で表される金属フタロシアニン化合物は、
中性ないし酸性下で水溶性を付与する基(以下、単に水
溶性付与基と称することがある)を少なくとも1個含有
する。水溶性付与基としては、例えば、アミノ基、ハロ
ゲン原子(例えば、塩素原子、若しくは臭素原子)、ス
ルホクロリド基、又はスルホンアミド基を挙げることが
でき、好ましくはスルホン酸基である。一般式(I)で
表される金属フタロシアニン化合物としては、スルホン
酸基4個(特には各ベンゼン環にスルホン酸基1個づ
つ)を有し、中心配位子として2価の鉄イオンを含有す
る鉄フタロシアニンテトラスルホン酸が、その合成が容
易で安価に入手できるので、好ましい。
【0022】図1に示す態様では、貯液槽2に溜められ
た洗浄液は、取込口43a,43bからそれぞれ取り込
まれ、送液ポンプ42a,42bによって送液パイプ4
1a,41b内を移送され、挿入口44a,44bから
各充填槽11a,11bの上部に供給される。この際
に、送液パイプ41aの途中に設けたアルカリ水溶液注
入口5から適量のアルカリ水溶液を注入することができ
る。前記アルカリ水溶液は、送液パイプ41aを移送さ
れる洗浄液と一緒になって、充填槽11aの上部に供給
される。また、送液パイプ41bの途中に設けた金属フ
タロシアニン化合物水溶液注入口6から適量の金属フタ
ロシアニン化合物水溶液を注入することもできる。前記
金属フタロシアニン化合物水溶液は、送液パイプ41b
を移送される洗浄液と一緒になって、最上段の充填槽1
1bの上部に供給される。
【0023】充填槽11aの上部に供給された洗浄液
は、重力の作用により、充填槽11aに充填された充填
材15の表面を主に伝わりながら、充填槽11aの内部
をゆっくりと通過する。充填槽11aを通過した洗浄液
は、洗浄塔1の下部に設けた排出口14aから流出し、
貯液槽2に回収される。一方、充填槽11bの上部に供
給された洗浄液も、重力の作用により、充填槽11bに
充填された充填材15の表面を主に伝わりながら、充填
槽11bの内部をゆっくりと通過する。充填槽11bを
通過した洗浄液は、一部が排出口14bを経て、貯液槽
2に回収されるが他の一部は、続いて、充填槽11aの
内部をゆっくりと通過し、排出口14aを経て、貯液槽
2に回収される。貯液槽2に回収された洗浄液は、再
び、送液パイプ41a,41bを経由して各充填槽11
a,11bに供給され、前記過程を繰り返すことによっ
て、洗浄塔内を循環することができる。
【0024】一方、硫化水素を含む被処理ガスAは、被
処理ガス挿入口12から洗浄塔1の内部に取り込まれ、
最下段の充填槽11aの下部に送られる。前記被処理ガ
スAは、各充填槽の中を下から上方向に順に通過して、
最上段の充填槽11bの上部に送られ、浄化ガス排出口
13から洗浄塔1の外部へ排出される。洗浄塔内部を下
方向に移動する洗浄液と、洗浄塔内部を上方向に移動す
る被処理ガスとが向流状態で接触する際に、被処理ガス
に含まれる硫化水素は、洗浄液に吸収され、被処理ガス
から除去される。被処理ガスから除去された硫化水素
は、単体イオウ8として貯液槽内に沈殿するので、必要
に応じて貯液槽の底部の設けた排出口7から抜き取り、
廃棄する。
【0025】本発明装置においては、1段又は2段ある
いはそれ以上の充填槽からなる公知の向流型スクラバー
方式の洗浄塔を用いることができる。いずれの場合も、
金属フタロシアニン化合物を含有する洗浄液を洗浄塔の
頂点から噴出させ、pH調整液を含む洗浄液を洗浄塔の
中段より底部(被処理ガス流の中流より上流側)の位置
で噴出させるのが好ましい。充填槽には、適当な形状を
有する公知の充填材、例えば、ラシヒリング、テラレッ
ト、ポールリング、及び/又はアイポールを充填するこ
とができる。
【0026】本発明装置において用いることのできるp
H測定手段は、貯液槽内の洗浄液のpH値を測定するこ
とのできる装置であれば限定されないが、例えば、ガラ
ス式pHメータなどを挙げることができる。本発明装置
においては、貯液槽内の任意の場所にpH測定手段を設
置することができるが、洗浄塔内のpH値とできる限り
相関関係を有するpH値を検出することのできる位置に
設置するのが好ましい。例えば、洗浄塔の洗浄液排出口
の下方であって、貯液槽の水面に近い場所は、落下して
くる洗浄液の影響で測定値が不安定になるので好ましく
ない。また、洗浄液供給手段の取込口から離れている場
所のように、洗浄液のの移動が不充分な場所も好ましく
ない。一般的には、洗浄液取込口43a,43b近辺に
配置するのが好ましい。本発明装置においては、前記の
pH測定手段による測定値によって、前記のpH調整液
供給手段から供給するpH調整液の添加量を自動的に制
御することのできる手段を設けるのが好ましい。
【0027】本発明装置における洗浄塔内での洗浄処理
の条件は、洗浄装置の使用条件、例えば、被処理ガス中
に含まれる硫化水素の濃度、又は洗浄装置の稼働スケジ
ュールなどに応じて適宜決定することができる。例え
ば、洗浄塔内への被処理ガスの取込量、すなわち、被処
理ガスの処理量は、通常、20〜150Nm3 /分、好
ましくは70〜100Nm3 /分である。また、洗浄塔
内での洗浄液と被処理ガスとの接触時間は特に限定され
るものではないが、通常、2〜3秒間、好ましくは2〜
2.5秒間である。単位時間当たりに洗浄塔に供給する
洗浄液(a)と、単位時間当たりに洗浄塔内に取り込ま
れる被処理ガス(b)との比率は、通常、a/b=2.
5〜8リットル/Nm3 、好ましくは5〜7リットル/
Nm3 である。洗浄液中の金属フタロシアニン化合物の
濃度は、被処理ガス中に含まれる硫化水素の濃度に応じ
て適宜決定することができるが、通常、2000〜40
00ppm、好ましくは3000〜3500ppmであ
る。
【0028】本発明装置においては、スケールの発生は
ほとんど起こらないので、従来装置で必要であった貯液
槽への希釈水の添加が必要なく、従って、希釈水の添加
に起因するオーバーフロー水も発生しない。本発明装置
においては、貯液槽内に沈殿した単体イオウの抜き取り
に伴う水位の減少と、自然蒸発による水位の減少とを補
充するために、必要に応じて、貯液槽に補充水を添加す
ることができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。
【実施例1】図1に示す洗浄装置を用いて、硫化水素濃
度が100〜150ppmの範囲で変化する臭気ガスの
洗浄処理を実施した。使用した洗浄装置は以下のとおり
である。すなわち、充填塔の材質は、ステンレススチー
ルであり、プラスチック樹脂からなるリング状のラシヒ
リングを充填物として用いた。充填塔の高さは3300
mm(上段=1500mm,下段=1800mm)であ
り、充填塔の容量は4.0m3 であった。洗浄塔流入臭
気ガスの風量は100Nm3 /分であり、洗浄液循環量
は270リットル/分であり、空塔速度(すなわち、臭
気ガスの充填塔内通過速度)は1.38m/分であり、
充填塔内の臭気ガスと洗浄液との接触時間は2.4秒で
あった。上流注入口を、充填層の略中央部の位置に設
け、下流注入口を、充填層の最上部の位置に設けた。洗
浄液のpHと硫化水素の除去率との関係を図2に示す。
図2において、曲線aは、鉄フタロシアニンテトラスル
ホン酸の濃度が500ppmである場合の結果を示し、
以下、同様に、曲線bは1300ppmの場合を、曲線
cは3000ppmの場合を、曲線dは3500ppm
の場合を示す。図2に示すように、フタロシアニン濃度
が3500ppm以上では、pH6.5〜8の領域にお
いて硫化水素除去率が80%以上となる。
【0030】
【実施例2】実施例1で使用した洗浄装置を用いて、硫
化水素濃度が30〜70ppmの範囲で変化する臭気ガ
ス、及び硫化水素濃度が100〜150ppmの範囲で
変化する臭気ガスの洗浄処理を実施した。なお、洗浄処
理中は、洗浄液のpHが7〜7.5の範囲になるように
調整した。鉄フタロシアニンテトラスルホン酸濃度と硫
化水素の除去率との関係を図3に示す。図3において、
曲線aは、硫化水素の濃度が30〜70ppmの範囲で
変化する臭気ガスを処理した場合の結果を示し、曲線b
は、硫化水素の濃度が100〜150ppmの範囲で変
化する臭気ガスを処理した場合の結果を示す。図3に示
すように、硫化水素濃度が30〜70ppmの領域で
は、フタロシアニン濃度は、1300ppm以上あれば
除去率が80%以上となる。一方、硫化水素濃度が10
0〜150ppmの領域では、フタロシアニン濃度は3
000ppm以上で除去率80%を達成している。
【0031】
【実施例3】実施例1で使用した洗浄装置を用いて、し
尿処理プラントの運転開始と共に排出される臭気ガスの
洗浄処理を実施した。臭気ガスを洗浄装置に挿入する前
に、鉄フタロシアニンテトラスルホン酸水溶液(300
0ppm)を1時間当たり8リットルの割合で補充しな
がら、洗浄液を充填塔へ流入循環させ、1時間25分間
循環処理した。この間の洗浄液のpHは7〜7.2の範
囲になるように調整した。続いて、し尿処理プラントか
ら排出される臭気ガスを充填塔に挿入し、それから1時
間35分後に鉄フタロシアニンテトラスルホン酸水溶液
の補充を停止した。更に、洗浄液を循環させながら、臭
気ガスの洗浄処理を45分間実施した。臭気ガスの洗浄
処理中のpHは、7〜7.2の範囲になるように調整し
た。
【0032】洗浄塔への流入硫化水素濃度、及び硫化水
素除去率の経時変化を図4に示す。図4において、曲線
aは、洗浄塔への流入硫化水素濃度を示し、曲線bは、
硫化水素の除去率を示す。なお、横軸の経過時間は、鉄
フタロシアニンテトラスルホン酸水溶液の補充を開始し
た時点を0として示す。前記臭気ガスに含まれる硫化水
素の含量は、時間とともに変化し、図4に示すように、
最高で約150ppmまで変化した。また、前記臭気ガ
スには、最高で2ppmのメルカプトエタノール、及び
最高で3ppmのアンモニアが含まれていた。図4に示
すように、フタロシアニン水溶液の補充後30分以内で
硫化水素の除去率は80%に達し、これ以降80%以上
の高い除去率を維持した。前記洗浄処理では、鉄フタロ
シアニンテトラスルホン酸0.081モルを使用し、硫
化水素36モルを除去することができたので、鉄フタロ
シアニンテトラスルホン酸1モル当たり硫化水素442
モルを除去することができた。洗浄処理条件を薬液処理
時間を計2時間20分から計3時間へ変更したこと以外
は、前記操作を繰り返したところ、鉄フタロシアニンテ
トラスルホン酸0.102モルを使用し、硫化水素4
8.0モルを除去することができたので、鉄フタロシア
ニンテトラスルホン酸1モル当たり硫化水素471モル
を除去することができた。
【0033】
【発明の効果】本発明方法によれば、洗浄液のpHを所
定の範囲内に維持することができるので、臭気ガスから
硫化水素を高い効率で除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の一態様を模式的に示す説明図であ
る。
【図2】本発明装置を用いた洗浄処理における、洗浄塔
への流入硫化水素濃度、及び硫化水素除去率の経時変化
を示すグラフである。
【図3】本発明装置を用いた洗浄処理における、洗浄液
のpHと硫化水素の除去率との関係を示すグラフであ
る。
【図4】本発明装置を用いた洗浄処理における、鉄フタ
ロシアニンテトラスルホン酸濃度と硫化水素の除去率と
の関係を示すグラフである。
【図5】従来の洗浄装置を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
10・・・洗浄装置;1・・・洗浄塔;2・・・貯液
槽;3・・・pHメーター;4・・・洗浄液送液手段;
5・・・アルカリ水溶液注入口;6・・・金属フタロシ
アニン化合物水溶液注入口;11a,11b・・・充填
槽;12・・・被処理ガス挿入口;13・・・浄化ガス
排出口;14・・・洗浄液排出口;41a,41b・・
・送液パイプ;42・・・送液ポンプ;43a,43b
・・・洗浄液取込口;44a,44b・・・洗浄液挿入

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)被処理ガスと洗浄液とを向流状態
    で接触させることのできる配置で、被処理ガス挿入口及
    び浄化ガス排出口と、洗浄液挿入口及び洗浄液排出口と
    を備える洗浄塔、(2)前記洗浄塔の洗浄液排出口から
    流出する洗浄液を回収して溜めておくことのできる貯液
    槽、(3)前記貯液槽内の洗浄液を貯液槽から、前記洗
    浄塔の洗浄液挿入口へ循環させることのできる送液手
    段、(4)前記洗浄塔内にて被処理ガスの上流側にpH
    調整液を供給することのできるpH調整液供給手段、
    (5)前記洗浄塔内にて被処理ガスの下流側に金属フタ
    ロシアニン化合物を供給することのできる金属フタロシ
    アニン化合物供給手段、及び(6)貯液槽内の洗浄液の
    pHを測定することのできるpH測定手段を含むことを
    特徴とする、硫化水素の洗浄装置。
JP8355197A 1996-12-20 1996-12-20 硫化水素の洗浄装置 Pending JPH10180035A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100415917B1 (ko) * 2001-11-14 2004-01-24 주식회사 포스코 황화수소 포집탑내 익스펜드 메탈 패킹 세정방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100415917B1 (ko) * 2001-11-14 2004-01-24 주식회사 포스코 황화수소 포집탑내 익스펜드 메탈 패킹 세정방법

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