JPH10182925A - (変性)水添ジエン系共重合体組成物 - Google Patents

(変性)水添ジエン系共重合体組成物

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JPH10182925A
JPH10182925A JP33376597A JP33376597A JPH10182925A JP H10182925 A JPH10182925 A JP H10182925A JP 33376597 A JP33376597 A JP 33376597A JP 33376597 A JP33376597 A JP 33376597A JP H10182925 A JPH10182925 A JP H10182925A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温耐衝撃性、耐候性、塗装性、柔軟性、耐
オゾン性などの特性が改良された(変性)水添ジエン系
共重合体組成物を提供する。 【解決手段】 (I)(A)−(B)ブロック共重合
体、(A)−(B)−(C)ブロック共重合体、もしく
は(A)−(B)−(A)ブロック共重合体〔(A);
ビニル芳香族化合物重合体ブロック、(B);共役ジエ
ン重合体もしくはビニル芳香族化合物と共役ジエンとの
ランダム共重合体ブロック、(C);ビニル芳香族化合
物と共役ジエンのうちビニル芳香族化合物が漸増するテ
ーパーブロック〕を水素添加して得られる水添ジエン系
共重合体、またはこの水添ジエン系共重合体を官能基を
有する不飽和化合物でグラフト重合された変性水添ジエ
ン系共重合体と、(II) 非極性樹脂を含有する(変性)
水添ジエン系共重合体組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素化された特殊
なブロック共重合体であり、単独でペレット化可能な優
れた加工性を有し、さらに耐候性、耐衝撃性、塗装性に
優れたゴム用途に、さらに複合系における耐衝撃性、塗
装性、接着性、柔軟性の改質に好適な(変性)水添ジエ
ン系共重合体を用いた組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】重合体中に不飽和二重結合を有するジエ
ン系共重合体は、熱安定性、耐候性および耐オゾン性が
劣るため、これを改良する手段として、不飽和二重結合
を水素添加(以下「水添」という)する方法が知られて
おり、その方法として、例えば特公昭43−19960
号公報、特公昭45−39275号公報、特公昭48−
3555号公報、特開昭56−62805号公報、特開
昭59−133203号公報などが挙げられる。これら
の方法で得られる水添ポリマーは、期待どおりの耐熱
性、耐候性および耐オゾン性を示すため、樹脂の改質用
途などに多く使われている。また、その他の水添ポリマ
ーとしては、例えば特公昭63−14721号公報、特
公昭48−30151号公報などにおいて提案されてい
る。さらに、熱安定性、耐候性に優れているポリマーと
しては、エチレン−α−オレフィン共重合体などが知ら
れている。しかしながら、これらのポリマーを、非極性
樹脂あるいは極性樹脂にブレンドした場合、耐衝撃性、
成形性のバランスの良い組成物を得るには不充分であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
技術的課題を背景になされたもので、ペレット製品とし
た場合ペレット化が容易で、ペレットの耐ブロッキング
性が改良され、かつ耐熱性、耐候性、耐オゾン性に優
れ、さらに他の樹脂の改質剤として低温耐衝撃性、耐候
性、塗装性、柔軟性、耐オゾン性などの特性を改良する
ことが可能な、(変性)水添ジエン系共重合体を用いた
組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(I)ビニル
芳香族化合物重合体ブロック(A)(以下「ブロック
(A)」という)と共役ジエン重合体もしくはビニル芳
香族化合物と共役ジエンとのランダム共重合体ブロック
(B)(以下「ブロック(B)」という)とからなる
(A)−(B)ブロック共重合体、またはさらに必要に
応じてビニル芳香族化合物と共役ジエンのうちビニル芳
香族化合物が漸増するテーパーブロック(C)(C)
(以下「テーパーブロック(C)」という)とからなる
(A)−(B)−(C)ブロック共重合体、もしくはビ
ニル芳香族重合体ブロック(A)からなる(A)−
(B)−(A)ブロック共重合体であって、 ビニル芳香族化合物/共役ジエンの割合が重量比で5
〜60/95〜40、 (A)成分および必要に応じて構成される(C)成分
中のビニル芳香族化合物の結合含量が全モノマーの3〜
50重量%、かつ(A)成分中のビニル芳香族化合物の
結合含量が少なくとも全モノマーの3重量%、 (B)成分中の共役ジエン部分のビニル結合含量が6
0%を超える、ブロック共重合体を水素添加し、共役ジ
エン部分の二重結合の少なくとも80%が飽和されてお
り、数平均分子量が5万〜60万である水添ジエン系共
重合体、および/または、前記水添ジエン系共重合体1
00重量部を、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキ
シル基、アミノ基およびエポキシ基の群から選ばれた少
なくとも1種の官能基を有する不飽和化合物0.01〜
20重量部でグラフト重合された変性水添ジエン系共重
合体(以下「(変性)水添ジエン系共重合体」という)
1〜99重量%と、(II) 非極性樹脂99〜1重量%
〔ただし、(I)+(II) =100重量%〕とを含有す
る(変性)水添ジエン系共重合体組成物を提供するもの
である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の水添ジエン系共重合体に
用いられるビニル芳香族化合物としては、スチレン、t
−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルス
チレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレ
ン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、
N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニル
ピリジンなどが挙げられ、特にスチレン、α−メチルス
チレンが好ましい。また、共役ジエンとしては、1,3
−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3
−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−
1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5
−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,
3−オクタジエン、クロロプレンなどが挙げられるが、
工業的に利用でき、また物性の優れた水添ジエン系共重
合体を得るには、1,3−ブタジエン、イソプレン、
1,3−ペンタジエンが好ましく、より好ましくは1,
3−ブタジエンである。
【0006】本発明の水添ジエン系共重合体は、ビニル
芳香族化合物重合体ブロック(A)と、共役ジエン重合
体もしくはビニル芳香族化合物と共役ジエンとのランダ
ム共重合体ブロック(B)とからなる(A)−(B)ブ
ロック共重合体、またはさらに必要に応じてビニル芳香
族化合物と共役ジエンのうちビニル芳香族化合物が漸増
するテーパーブロック(C)とからなる(A)−(B)
−(C)ブロック共重合体、もしくはビニル芳香族重合
体ブロック(A)からなる(A)−(B)−(A)ブロ
ック共重合体からなるが、まず全モノマー中のビニル芳
香族化合物/共役ジエンの割合が重量比で5〜60/9
5〜40、好ましくは7〜40/93〜60であること
が必要である。ビニル芳香族化合物の含有量が5重量%
未満では、最終的に得られる水添ジエン系共重合体と他
の樹脂をブレンドした場合の改質効果が不充分であり、
例えばポリプロピレンとブレンドした場合、耐衝撃性と
剛性のバランスが不充分になるなどの問題がある。一
方、ビニル芳香族化合物の含有量が60重量%を超える
場合、樹脂状となり、他の樹脂とブレンドした場合、耐
衝撃性改良効果、特に低温耐衝撃性が不足する。
【0007】また、ビニル芳香族化合物重合体ブロック
(A)と必要に応じて構成されるテーパーブロック
(C)中のビニル芳香化合物の結合含量は全モノマーの
3〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、さらに好
ましくは5〜25重量%、かつ(A)成分中のビニル芳
香族化合物の結合含量は少なくとも全モノマーの3重量
%、好ましくは3〜20重量%である。(A)成分ある
いは(A)成分と(C)成分のビニル芳香族化合物の結
合含量が、全モノマーの3重量%未満では、得られる水
添ジエン系共重合体をペレット化した場合、ブロッキン
グし易くなるほか、他の樹脂とブレンドした場合、成形
外観に劣るものとなり、一方(A)成分あるいは(A)
成分と(C)成分のビニル芳香族化合物の結合含量が5
0重量%を超えると樹脂状となり、他の樹脂とブレンド
した場合、耐衝撃性改良効果が不足し、特に低温耐衝撃
性が不足する。
【0008】さらに、共役ジエン重合体もしくはビニル
芳香族化合物と共役ジエンとのランダム共重合体ブロッ
ク(B)中の共役ジエン部分のビニル結合含量は60%
を超える量、好ましくは70%以上、さらに好ましくは
80%以上である。このビニル結合含量が60%以下で
は、樹脂に対する柔軟改良性効果が低下する。なお、こ
こでいうビニル結合とは、共役ジエン化合物が1,2−
もしくは3,4−結合位の二重結合で重合したモノマー
ユニットを示す。
【0009】さらに、本発明の水添ジエン系共重合体
は、ブロック(B)の共役ジエン部分の二重結合の少な
くと80%、好ましくは90%以上、さらに好ましくは
95〜100%が水添されて飽和されていることが必要
であり、80%未満では耐熱性、耐候性、耐オゾン性に
劣るものとなる。
【0010】さらに、本発明の水添ジエン系共重合体
は、ポリスチレン換算数平均分子量が5万〜60万、好
ましくは8万〜50万であり、この範囲を外れると他の
樹脂とブレンドした組成物において、充分な改質効果が
得られない。例えば、数平均分子量が5万未満では、得
られる組成物の耐衝撃性が低下し、一方60万を超える
と、流動性、加工性が低下し表面外観の低下などを招来
することになる。
【0011】なお、本発明の水添ジエン系共重合体は、
230℃、12.5kgの荷重で測定したメルトフロー
レートが好ましくは0.1g/10分以上、さらに好ま
しくは0.5g/10分以上であり、0.1g/10分
未満ではペレット化が困難となる。
【0012】本発明の水添ジエン系共重合体は、ブロッ
ク(A)、ブロック(B)、さらに必要に応じてテーパ
ーブロック(C)もしくはブロック(A)を、有機溶媒
中で有機アルカリ金属化合物を開始剤としてリビングア
ニオン重合し、ブロック共重合体を得たのち、さらにこ
のブロック共重合体に水素添加を行って得られる。前記
有機溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、ベン
ゼン、キシレンなどの炭化水素溶媒が用いられる。
【0013】重合開始剤である有機アルカリ金属化合物
としては、有機リチウム化合物が好ましい。この有機リ
チウム化合物としては、有機モノリチウム化合物、有機
ジリチウム化合物、有機ポリリチウム化合物が用いられ
る。これらの具体例としては、エチルリチウム、n−プ
ロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリ
チウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウ
ム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルリチウ
ム、イソプレニルジリチウムなどが挙げられ、単量体1
00重量部当たり0.02〜0.2重量部の量で用いら
れる。
【0014】また、この際、ミクロ構造、すなわち共役
ジエン部分のビニル結合含量の調節剤としてルイス塩
基、例えばエーテル、アミンなど、具体的にはジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル、ブ
チルエーテル、高級エーテル、またエチレングリコール
ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエー
テル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエ
チレングリコールジメチルエーテルなどのポリエチレン
グリコールのエーテル誘導体、アミンとしてはテトラメ
チルエチレンジアミン、ピリジン、トリブチルアミンな
どの第3級アミンなどが挙げられ、前記有機溶媒ととも
に用いられる。
【0015】さらに、重合反応は、通常、−30℃〜1
50℃で実施される。また、重合は、一定温度にコント
ロールして実施しても、また熱除去をしないで上昇温度
下にて実施してもよい。
【0016】ブロック共重合体にする方法は、いかなる
方法でもよいが、一般に前記有機溶媒中で、前記アルカ
リ金属化合物などの重合開始剤を用いて、まずブロック
(A)またはブロック(B)を重合し、続いてブロック
(B)またはブロック(A)を重合する。ブロック
(A)あるいはブロック(B)のどちらを先に重合する
かは限定されない。また、ブロック(A)とブロック
(B)との境界は、必ずしも明瞭に区別される必要はな
い。また、(A)−(B)−(C)ブロック共重合体、
あるいは(A)−(B)−(A)ブロック共重合体を得
るには、有機溶媒中で有機リチウム開始剤を用いて芳香
族ビニル化合物を添加してブロック(A)を重合し、次
に共役ジエンもしくは共役ジエンと芳香族ビニル化合物
とを添加してブロック(B)を作り、さらに共役ジエン
と芳香族ビニル化合物あるいは芳香族ビニル化合物を添
加することによりテーパーブロック(C)またはブロッ
ク(A)を重合すればよい。この場合、まずテーパーブ
ロック(C)、あるいはブロック(A)を最初に重合
し、次いでブロック(B)、さらにブロック(A)を重
合する方法でもよい。
【0017】このようにして得られる(A)−(B)ブ
ロック共重合体、(A)−(B)−(C)ブロック共重
合体、あるいは(A)−(B)−(A)ブロック共重合
体は、カップリング剤を添加することにより下記一般式
で表されるような、重合体分子鎖が延長または分岐され
たブロック共重合体であってもよい。 〔(A)−(B)〕n−X、 〔(A)−(B)−(C)〕n−X、または 〔(A)−(B)−(A)〕n−X 〔式中、(A)、(B)、(C)は前記に同じ、nは2
〜4の整数、Xはカップリング剤残基を示す。〕
【0018】この際のカップリング剤としては、例えば
アジピン酸ジエチル、ジビニルベンゼン、テトラクロロ
ケイ素、ブチルトリクロロケイ素、テトラクロロスズ、
ブチルトリクロロスズ、ジメチルクロロケイ素、テトラ
クロロゲルマニウム、1,2−ジブロムエタン、1,4
−クロルメチルベンゼン、ビス(トリクロルシリル)エ
タン、エポキシ化アマニ油、トリレンジイソシアネー
ト、1,2,4−ベンゼントリイソシアネートなどが挙
げられる。
【0019】このブロック共重合体中のビニル芳香族化
合物の結合含量は、各段階における重合時のモノマーの
供給量で調節され、共役ジエンのビニル結合含量は、前
記ミクロ調整剤の成分を変量することにより調節され
る。さらに、数平均分子量、メルトフローレートは、重
合開始剤、例えばn−ブチルリチウムの添加量で調節さ
れる。
【0020】本発明の水添ジエン系共重合体は、このよ
うにして得られるブロック共重合体を、不活性溶媒中に
溶解し、20〜150℃、1〜100kg/cm2 の加
圧水素下で水素化触媒の存在下で行われる。水素化に使
用される不活性溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、シ
クロヘキサン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼンな
どの炭化水素溶媒、またはメチルエチルケトン、酢酸エ
チル、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの極性
溶媒が挙げられる。
【0021】また、水素化触媒としては、ジシクロペン
タジエニルチタンハライド、有機カルボン酸ニッケル、
有機カルボン酸ニッケルと周期律表第I〜III族の有
機金属化合物からなる水素化触媒、カーボン、シリカ、
ケイソウ土などで担持されたニッケル、白金、パラジウ
ム、ルテニウム、レニウム、ロジウム金属触媒やコバル
ト、ニッケル、ロジウム、ルテニウム錯体、あるいはリ
チウムアルミニウムハイドライド、p−トルエンスルホ
ニルヒドラジド、さらにはZr−Ti−Fe−V−Cr
合金、Zr−Ti−Nb−Fe−V−Cr合金、LaN
5 合金などの水素貯蔵合金などが挙げられる。
【0022】本発明の水添ジエン系共重合体のブロック
(B)の共役ジエン部分の二重結合の水添率は、水素化
触媒、水素化化合物の添加量、または水素添加反応時に
おける水素圧力、反応時間を変えることにより調節され
る。水素化されたブロック共重合体溶液からは、触媒の
残渣を除去し、フェノール系またはアミン系の老化防止
剤を添加し、重合体溶液から水添ジエン系共重合体を容
易に単離することができる。水添ジエン系共重合体の単
離は、例えば共重合体溶液に、アセトンまたはアルコー
ルなどを加えて沈澱させる方法、重合体溶液を熱湯中に
攪拌下、投入し溶媒を蒸留除去する方法などで行うこと
ができる。
【0023】また、本発明の変性水添ジエン系共重合体
は、前記の水添ジエン系共重合体に官能基を導入したも
のである。この水添ジエン系共重合体に官能基を導入す
るための不飽和化合物としては、酸無水物基、カルボキ
シル基、ヒドロキシル基、アミノ基およびエポキシ基の
群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する化合物
が挙げられる。
【0024】具体的には、酸無水物基またはカルボキシ
ル基を有する不飽和化合物としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ハイミッ
ク酸、無水ハイミック酸などのα,β−不飽和カルボン
酸またはその無水物が挙げられる。ヒドロキシル基を有
する不飽和化合物としては、ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ートなどが挙げられる。
【0025】アミノ基を有する不飽和化合物としては、
ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、ビニルピリジンな
どが挙げられる。エポキシ基を有する不飽和化合物とし
ては、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシ
ジルエーテル、ビニルグリシジルエーテルなどが挙げら
れる。これらのうち、水添ジエン系共重合体への付加反
応操作の行い易さから、酸無水物基またはカルボキシル
基を含有する不飽和化合物が好ましく、なかでも酸無水
物基を含有する不飽和化合物が特に好ましい。
【0026】これらの不飽和化合物の水添ジエン系共重
合体への添加量は、該共重合体100重量部あたり、
0.01〜20重量部、好ましくは0.2〜5重量部で
あり、0.01重量部未満では官能基導入による耐衝撃
性、耐薬品性、塗装性改良効果が充分でなく、一方20
重量部を超えると電気特性、耐湿性などの特性の低下を
招く。
【0027】水添ジエン系共重合体への各種官能基を有
する不飽和化合物の付加反応については、特公昭39−
6384号公報に記載されている方法を利用することが
できる。すなわち、オレフィン系ゴムの代わりに、本発
明の水添ジエン系共重合体を用い、各種官能基含有不飽
和化合物を固相状態で混合・加熱することにより反応さ
せることができる。混合・加熱方法は、密閉型混練り機
による方法でも、押し出し機などにより連続的に加熱反
応させる方法のいずれでもよい。この際、反応を促進さ
せるために、過酸化物を併用することもでき、また必要
に応じて安定剤を用いることもできる。
【0028】以上の本発明の(変性)水添ジエン系共重
合体(水添ジエン系共重合体および/または変性水添ジ
エン系共重合体)には、慣用の補助添加成分、例えば酸
化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤、難
燃剤などを添加することができる。本発明の(変性)水
添ジエン系共重合体は、単独または各種の樹脂改質剤と
して用いられ、自動車部品、電気・電子部品用、そのほ
かフィルム、シート製品などに有用である。
【0029】本発明の(変性)水添ジエン系共重合体組
成物は、前記(I)(変性)水添ジエン系共重合体と
(II) 非極性樹脂とを含有し、必要に応じてさらに他の
共重合体ゴムをブレンドして用いることができる。
(I)(変性)水添ジエン系共重合体とブレンドされる
(II) 非極性樹脂の比率は、1〜99重量%、好ましく
は3〜90重量%であり、使用目的により最適混合比率
が異なる。しかしながら、本発明の(I)(変性)水添
ジエン系共重合体による改質効果は、1重量%未満の添
加では発現できない。
【0030】ここで、本発明に使用される(II) 非極性
樹脂としては、ポリエチレン、高分子量ポリエチレン、
高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリ
エチレン、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、
ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、ポリ
スチレン、HIPS(ハイインパクトポリスチレン)、
ポリメチルスチレン、ポリメチレンなどが挙げられる。
好ましい(II) 非極性樹脂は、ポリプロピレン、ポリエ
チレン、ポリスチレンである。
【0031】本発明の(I)(変性)水添共役ジエン系
重合体と(II) 非極性樹脂のブレンド比率は、1〜99
重量%/99〜1重量%であるが、(I)成分を添加す
ることによる(II) 成分の改質効果を充分に発揮するに
は、(I)成分のブレンド比率は好ましくは3〜90重
量%、さらに好ましくは5〜70重量%である。(I)
成分のブレンド比率が低いと充分な改質効果が得られ難
く、一方(I)成分のブレンド比率が高すぎると(II)
成分本来の性能を損ない易い。
【0032】(II) 非極性樹脂とブレンドする(I)
(変性)水添ジエン系共重合体としては、変性されてい
ない水添ジエン系共重合体が好ましく、この水添ジエン
系共重合体を用いると、(II) 非極性樹脂との相溶性が
よく、耐衝撃性、加工性、外観性、印刷性、塗装性など
の改良において従来用いられてきたエチレン−プロピレ
ン−(ポリエン)ゴムなどに較べ、物性バランス水準の
高い組成物を得ることができる。
【0033】例えば、自動車のバンパー、インパネ材と
して多く用いられているポリプロピレン樹脂改質におい
て、主に(I)成分/(II) 成分の比率は、通常、15
〜60/85〜40(重量比)で用いられることが多い
が、剛性と耐衝撃性バランス水準は、従来のエチレン−
プロピレンゴムに較べて一段と高くなる。一方、フィル
ム、シートに応用するに際し、多くの場合、(I)成分
/(II)成分の重量比は、3〜50/97〜50で用い
られることが多いが、ヒートシール強度、耐衝撃性に優
れる。
【0034】また、自動車内装材、バンパーなどにポリ
プロピレン樹脂とエチレン−プロピレン−ポリエンゴム
を基本とし、過酸化物などで部分架橋を行った熱可塑性
エラストマーの分野にも好適である。この場合、(I)
成分/(II) 成分(重量比)は、10/90〜90/1
0で用いられ、流動性、硬度などの要求からは、鉱油、
低分子量ポリマー、過酸化物分解型ポリマーなどがさら
に加えられるが、従来のエチレン−プロピレン−ポリエ
ンゴムを用いた場合に較べ、流動性、機械的強度、成形
外観に優れた組成物を得ることができる。前記(I)水
添ジエン系共重合体と(II) 非極性樹脂の組成物におい
て、前者の成分の一部または全部を変性水添ジエン系共
重合体に置き換えると、機械的強度は若干低下するが、
反面、塗装性、耐薬品性の一段と優れたものが得られ
る。
【0035】本発明の(I)(変性)水添ジエン系共重
合体のなかで、特に水添前のブロッキング共重合体の一
般式が 〔(A)−(B)−(A)〕n、 〔(A)−(B)〕n−X、または 〔(A)−(B)−(C)〕nX 〔式中、(A)、(B)、(C)は前記に同じ、nは1
〜4の整数、Xはカップリング剤残基を示す〕で表され
るものから選ばれた少なくとも1種の(変性)水添ジエ
ン系共重合体40〜90重量%、好ましくは50〜80
重量%、さらに好ましくは60〜80重量%、およびポ
リオレフィン系重合体10〜60重量%、好ましくは2
0〜50重量%、さらに好ましくは20〜40重量%か
らなる組成物は、機械的特性、耐熱老化性、低硬度、低
永久伸びおよび透明性の物性バランスが高水準にある熱
可塑性エラストマーである。この場合、ポリオレフィン
系重合体が60重量%以下では、永久伸びに優れかつ低
硬度であり熱可塑性エラストマー性能に優れ、一方10
重量%以上であると機械的特性および耐熱老化性に優れ
る。
【0036】熱可塑性エラストマー組成物を得るにあた
り、公知の架橋法によって(変性)水添ジエン系共重合
体成分を架橋することが好ましい。ここで使用される架
橋方法としては、通常のゴムに使用される過酸化物架
橋、樹脂架橋、イオウ架橋などが使用される。具体的な
架橋剤については、例えば“架橋剤ハンドブック(山下
晋三、金子東助著、大成社刊)”記載の架橋剤、架橋助
剤、架橋促進剤などが使用される。好ましい架橋方法
は、過酸化物架橋、樹脂架橋であり、さらに好ましくは
過酸化物架橋である。また、軟質化剤として、オイル、
可塑剤を本発明の熱可塑性エラストマー組成物100重
量部に対して1〜200重量部配合することができる。
オイルとしては、アロマチック系、ナフテン系、パラフ
ィン系のものが使用できる。また、可塑剤としては、フ
タレート系、アジペート系、セバケート系、ホスフェー
ト系、ポリエーテル系、ポリエステル系が使用できる。
【0037】本発明の(I)(変性)水添ジエン系共重
合体と(II) 非極性樹脂との組合せからなる組成物は、
必要に応じて2種以上の非極性樹脂、さらには従来より
用いられているエチレン−プロピル−(ポリエン)ゴ
ム、水添スチレン−ブタジエン−スチレン−トリブロッ
ク共重合体、水添アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ブチルゴムなどの
高分子量体、無機ウィスカー、カーボンブラックなどの
補強剤、鉱油、低分子量ポリマーなどの軟化剤、そのほ
か老化防止剤、光安定剤、スリップ剤などの一般的な配
合剤を加えることができる。
【0038】また、これらの組成物を製造する方法とし
ては特に制限されるものではなく、従来知られている方
法を採用することができる。例えば、ポリプロピレン樹
脂との組成物を例にとれば、本発明の(I)(変性)水
添ジエン系共重合体と(II)ポリプロピレン樹脂とを押
し出し機、ニーダーブレンダー、バンバリーミキサー、
ロールなどの混練り機を用いる方法、ポリプロピレン製
造時に本発明の(I)(変性)水添ジエン系共重合体を
添加して本発明の組成物を製造する方法や、両者を組み
合わせる方法などが挙げられる。
【0039】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明の主旨を越えない限り、本発明は、
かかる実施例により限定されるものではない。なお、実
施例中において、部および%は、特に断らない限り重量
基準である。また、実施例中の各種測定は、下記の方法
に拠った。
【0040】結合スチレン含量は、679cm-1のフェ
ニル基の吸収を基に赤外分析により測定した。ビニル結
合含量は、赤外分析を用い、ハンプトン法により算出し
た。水添率は、四塩化エチレンを溶媒に100MHz、
1H−NMRスペクトルから算出した。分子量は、トリ
クロルベンゼンを溶媒にして135℃におけるゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、
ポリスチレン換算で求めた。
【0041】メルトフローレートは、JIS K721
0に従い、230℃、荷重12.5kgまたは荷重2.
16kgで測定した。ペレットのブロッキングテスト
は、55mmφ、一軸押し出し機とホットカッターを用
いて、丸ペレットを作製し、40℃の恒温槽内で荷重3
0g/cm2 、24時間後のペレットのかたまりから、
次のようにランク分けした。 ◎;ほとんど固まらず、容易にバラバラになる。 ○;やや固まるが、比較的簡単にほぐすことができる。 ×;固まり、ほぐすのが困難である。
【0042】アイゾット衝撃強度は、ノッチ付きの射出
成形品をJIS K7110に従って測定した。曲げ弾
性率は、JIS K7203に従って測定した。表面光
沢は、JIS K7105に従って測定した。塗膜剥離
強度は、射出成形によって得られた厚さ2mmのシート
を、エタノールで脱脂したのち、トリクロルエタン蒸気
で表面処理し、このシートにまずプライマー〔日本ビー
ケミカル(株)製、RB291H〕を塗布し、次にポリ
ウレタン系塗料〔日本ビーケミカル(株)製、R26
3〕を乾燥膜厚で約50ミクロン塗布し、塗布硬化後、
塗膜を引張速度30mm/分で180°剥離し、剥離強
度を測定した。
【0043】機械的特性のうち、引張強度(TB )は、
JIS 3号ダンベルを用い、引張速度500mm/分
で破断強度(kgf/cm2 )を測定した。また、引張
伸び(TE )は、前記引張強度(TB )の測定条件で、
破断までの伸び(%)を測定した。耐熱老化性は、JI
S 3号ダンベルを110℃のギアオーブン中で168
時間放置したのちの引張強度(TB )、引張伸び
(TE )を測定した。硬度は、JIS硬度を測定した。
永久伸びは、JIS 3号ダンベルを100%伸長し、
10分間保持したのち、サンプルを取り出し、10分後
の長さを測定し、永久伸びを算出した。永久伸びの大き
いものは、熱可塑性エラストマーとしての性能が劣るこ
とを示す。
【0044】透明性は、成形品(JIS 3号ダンベ
ル)の透明性を下記評価基準で目視評価した。 ○;透明性がよい。 △;半透明 ×;不透明
【0045】参考例1(水添ジエン系共重合体Q−1の
製造) 内容積10リットルのオートクレーブに、脱気・脱水し
たシクロヘキサン5,000g、1,3−ブタジエン9
50gを仕込み、テトラヒドロフラン200g、n−ブ
チルリチウム0.3gを加えて、10℃からの断熱重合
を行った。45分後に、スチレン50gを加え、さらに
重合を行った。次いで、反応液を70℃にし、n−ブチ
ルリチウム1.5gと2,6−ジ−t−ブチル−p−ク
レゾール1.5gを加え、さらにビス(シクロペンジエ
ニル)チタニウムジクロライド0.5g、ジエチルアル
ミニウムクロライド2gを加え、水素圧10kg/cm
2 で1時間水添した。反応液を常温、常圧に戻してオー
トクレーブより抜き出し、水中に攪拌投入したのち、溶
媒を水蒸気蒸留除去することによって、水添ポリマーを
得た。得られた水添ポリマーの水素添加率は98%、数
平均分子量は295,000、230℃、12.5kg
の荷重で測定したメルトフローレートは2.0g/10
分であった。また、水添前のポリマーのブタジエン部分
のビニル結合含量は、81%であった。
【0046】参考例2(水添ジエン系共重合体Q−2の
製造) 内容積10リットルのオートクレーブに、脱気・脱水し
たシクロヘキサン5,000g、1,3−ブタジエン9
00g、スチレン60gを仕込み、テトラヒドロフラン
200g、n−ブチルリチウム0.3gを加えて、10
℃からの断熱重合を行った。45分後に、スチレン40
gを加え、さらに重合を行った。次いで、参考例1と同
様にして水素化反応を行った。得られた水添ポリマーの
水素添加率は97%、数平均分子量は310,000、
230℃、12.5kgの荷重で測定したメルトフロー
レートは2.3g/10分であった。また、水添前のポ
リマーのブタジエン部分のビニル結合含量は、80%で
あった。
【0047】参考例3(水添ジエン系共重合体Q−3の
製造) 内容積10リットルのオートクレーブに、脱気・脱水し
たシクロヘキサン5,000g、スチレン150gを仕
込み、テトラヒドロフラン200g、n−ブチルリチウ
ム0.3gを加えて、50℃からの断熱重合を30分行
った。反応液を10℃としたのち、1,3−ブタジエン
600gを加え、重合を行い、さらにスチレン90g、
1,3−ブタジエン90gを加え、重合を行った。次い
で、参考例1と同様にして水素化反応を行った。得られ
た水添ポリマーの水素添加率は98%、数平均分子量は
289,000、230℃、12.5kgの荷重で測定
したメルトフローレートは1.3g/10分であった。
また、水添前のポリマーのブタジエン部分のビニル結合
含量は、77%であった。
【0048】参考例4(水添ジエン系共重合体Q−4の
製造) 内容積10リットルのオートクレーブに、脱気・脱水し
たシクロヘキサン5,000g、スチレン40gを仕込
み、テトラヒドロフラン200g、n−ブチルリチウム
0.3gを加えて、50℃からの断熱重合を30分行っ
た。反応液を10℃としたのち、1,3−ブタジエン6
00g、スチレン170gを加え重合を行い、さらにス
チレン95g、1,3−ブタジエン95gを加え、重合
を行った。次いで、参考例1と同様にして水素化反応を
行った。得られた水添ポリマーの水素添加率は99%、
数平均分子量は292,000、230℃、12.5k
gの荷重で測定したメルトフローレートは1.2g/1
0分であった。また、水添前のポリマーのブタジエン部
分のビニル結合含量は、78%であった。
【0049】参考例5(水添ジエン系共重合体Q−5の
製造) 内容積10リットルのオートクレーブに、脱気・脱水し
たシクロヘキサン5,000g、スチレン100gを仕
込み、テトラヒドロフラン150g、n−ブチルリチウ
ム0.8gを加えて、50℃からの断熱重合を30分行
った。反応液を10℃としたのち、1,3−ブタジエン
700gを加え重合を行い、さらにスチレン100gを
加え重合を行った。次いで、参考例1と同様にして水素
化反応を行った。得られた水添ポリマーの水素添加率は
98%、数平均分子量は115,000、230℃、1
2.5kgの荷重で測定したメルトフローレートは0.
7g/10分であった。また、水添前のポリマーのブタ
ジエン部分のビニル結合含量は、65%であった。
【0050】参考例6(水添ジエン系共重合体Q−6の
製造) 内容積10リットルのオートクレーブに、脱気・脱水し
たシクロヘキサン5,000g、スチレン125gを仕
込み、テトラヒドロフラン200g、n−ブチルリチウ
ム0.8gを加えて、50℃からの断熱重合を30分行
った。反応液を10℃としたのち、1,3−ブタジエン
700gとスチレン50gを加え重合を行い、さらにス
チレン125gを加え重合を行った。次いで、参考例1
と同様にして水素化反応を行った。得られた水添ポリマ
ーの水素添加率は97%、数平均分子量は110,00
0、230℃、12.5kgの荷重で測定したメルトフ
ローレートは1.1g/10分であった。また、水添前
のポリマーのブタジエン部分のビニル結合含量は、77
%であった。
【0051】参考例7(水添ジエン系共重合体Q−7の
製造) 内容積10リットルのオートクレーブに、脱気・脱水し
たシクロヘキサン5,000g、スチレン150gを仕
込み、テトラヒドロフラン200g、n−ブチルリチウ
ム0.8gを加えて、50℃からの断熱重合を30分行
った。反応液を10℃としたのち、1,3−ブタジエン
700gを加えて重合を行い、さらにスチレン150g
を加えて重合を行った。次いで、参考例1と同様にして
水素化反応を行った。得られた水添ポリマーの水素添加
率は99%、数平均分子量は110,000、230
℃、12.5kgの荷重で測定したメルトフローレート
は2.5g/10分であった。また、水添前のポリマー
のブタジエン部分のビニル結合含量は、85%であっ
た。
【0052】比較参考例1(水添ジエン系共重合体Q−
8の製造) 内容積10リットルのオートクレーブに、脱気・脱水し
たシクロヘキサン5,000g、スチレン300g、
1,3−ブタジエン700gを仕込み、テトラヒドロフ
ラン19.0g、n−ブチルリチウム0.3gを加え
て、30℃からの断熱重合を行った。次いで、参考例1
と同様にして水素化反応を行った。得られた水添ポリマ
ーの水素添加率は97%、数平均分子量は155,00
0、230℃、12.5kgの荷重で測定したメルトフ
ローレートは0.05g/10分であった。また、水添
前のポリマーのブタジエン部分のビニル結合含量は、4
7%であった。
【0053】比較参考例2(水添ジエン系共重合体Q−
9の製造) 内容積10リットルのオートクレーブに、脱気・脱水し
たシクロヘキサン5,000g、スチレン150gを仕
込み、テトラヒドロフラン16.9g、n−ブチルリチ
ウム0.3gを加えて、50℃からの断熱重合を行っ
た。30分後、1,3−ブタジエン700gを加え重合
を行ったのち、さらにスチレン150gを加え30分間
重合を行った。次いで、参考例1と同様にして水素化反
応を行った。得られた水添ポリマーの水素添加率は98
%、数平均分子量は140,000、230℃、12.
5kgの荷重で測定したメルトフローレートは0.08
g/10分であった。また、水添前のポリマーのブタジ
エン部分のビニル結合含量は、42%であった。
【0054】比較参考例3(水添ジエン系共重合体Q−
10の製造) n−ブチルリチウムを0.05g、テトラヒドロフラン
を16.9gに減量した以外は、参考例1と同様に重
合、水添を行い、水素化ランダム共重合体を得た。得ら
れた水添ポリマーの水素添加率は95%、数平均分子量
は635,000、230℃、12.5kgの荷重で測
定したメルトフローレートは0.03g/10分であっ
た。また、水添前のポリマーのブタジエン部分のビニル
結合含量は、41%であった。
【0055】比較参考例4(水添ジエン系共重合体Q−
11の製造) 内容積10リットルのオートクレーブに、脱気・脱水し
たシクロヘキサン5,000g、スチレン150gを仕
込み、テトラヒドロフラン17g、n−ブチルリチウム
0.8gを加えて、50℃からの断熱重合を30行った
のち、1,3−ブタジエン700gを加え重合を行い、
さらにスチレン150gを加え重合を行った。次いで、
参考例1と同様にして水素化反応を行った。得られた水
添ポリマーの水素添加率は99%、数平均分子量は10
0,000、230℃、12.5kgの荷重で測定した
メルトフローレートは0.38g/10分であった。ま
た、水添前のポリマーのブタジエン部分のビニル結合含
量は、40%であった。表1〜3に、参考例1〜7、比
較参考例1〜4の水添ポリマーの各物性を示す。表1〜
2から明らかなように、本発明に用いられる水添ジエン
系共重合体は、単味でペレット化可能という優れた加工
性を有する。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】実施例1〜5、比較例1〜5(水添ジエン
系共重合体と非極性樹脂との組成物の製造) 参考例1〜5で得られた各共重合体25部とポリプロピ
レン樹脂〔PP、三菱油化(株)製、ノーブレンBC−
2〕75部とを、それぞれ4リットルのバンバリーミキ
サーで溶融混練りした。混練り後、ペレタイザーでペレ
ット化し、その後6.5オンス射出成形機〔日本製鋼
(株)製、6.5オンスインラインスクリュウタイプ〕
でテストピースを作製した。射出成形条件を下記に示
す。 射出圧;一次圧=500kg/cm2 二次圧=400kg/cm2 射出時間;一次圧+二次圧で15秒 成形温度;240℃ 冷却時間;40℃
【0060】比較のため、通常広く用いられるエチレン
−プロピレン共重合体〔EP、日本合成ゴム(株)製、
JSREP07P〕、エチレン−1−ブテン共重合体
〔EB、三井石油化学工業(株)製、タフマーA408
5〕、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共
重合体水添物〔St−Bu−St、シェル化学(株)
製、クレイトンG1650〕、および前記比較参考例1
〜2で得られた各共重合体を用いて、同様の方法でそれ
ぞれポリプロピレン樹脂と溶融混練りしたものを用いて
同様の方法で試験片を作製した。物性測定の結果を表4
〜5に示す。
【0061】実施例1〜5の組成物は、アイゾット衝撃
強度、曲げ弾性、表面光沢および塗膜強度の点から物性
バランスのとれた組成物であることが分かる。これらの
本発明の組成物に較べ、比較例1のエチレン−プロピレ
ン共重合体あるいは比較例2のエチレン−1−ブテン共
重合体を用いた組成物では、低温でのアイゾット衝撃強
度に劣り、曲げ強さが高く軟質化の効果に劣る。また、
比較例3に用いたスチレン−ブタジエン−スチレントリ
ブロック共重合体水添物および比参考例1〜2で得られ
た水添ジエン系共重合体を用いた組成物(比較例4〜
5)では、低温アイゾット衝撃強度は比較的よいもの
の、表面光沢が劣り充分でない。
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】参考例8〜12(変性水添ジエン系共重合
体の製造) 参考例1〜4で得られた水添ジエン系共重合体Q−1〜
Q−4を用いて、以下の手順に従ってグラフト重合を行
わせることにより、変性水添ジエン系共重合体を得た。
すなわち、前記水添ジエン系共重合体Q−1の100部
を、190℃に調整した密閉型小型混練り機(HAAKE BU
CHLER 社製、HAAKE RHEOCORDSYSTEM 40RHEOMIX MIXER 6
00)に投入し、2分後に無水マレイン酸2.5部を添加
し混合したのち、有機過酸化物〔2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、日本油
脂(株)製、パーヘキサ25B〕を0.15部加え、さ
らに5分間混練りを続けることにより、表6に示す無水
マレイン酸のグラフトされた変性水添ジエン系共重合体
Q−12を得た。Q−13〜Q−16も同様にして製造
した。Q−12〜16の特性を表6に示す。Q−12〜
16は、本発明に用いられる変性水添ジエン系共重合体
である。
【0065】
【表6】
【0066】実施例6〜19、比較例6〜7 表7〜8に示す水添ジエン系共重合体と下記に示すポリ
オレフィン重合体を用い、表9〜11の配合処方で混合
し、二軸押し出し機を用いて混練り押し出しを行い、ペ
レットを得た。このペレットを充分乾燥したのち、射出
成形機で評価用試験片を成形し、物性の評価を行った。
結果を表9〜11に示す。なお、配合に際し、老化防止
剤としてチバガイギー社製、イルガノックス(IRGANOX)
1010を0.2部配合した。なお、表9〜11中のオ
イルは、出光石油化学工業(株)製、パラフィン系オイ
ルPW−90、ナフテン系オイルNV−80を用いた。
また、架橋剤として、過酸化物/架橋助剤=日本油脂
(株)製のパーヘキサ25B/ジビニルベンゼンを用い
た。ポリオレフィン系重合体 重合体A−1(ポリプロピレン);三菱油化(株)製、
MH8 重合体A−2(ポリプロピレン);三菱油化(株)製、
BC3
【0067】表11から明らかなように、比較例6は、
水添ジエン系共重合体成分の水添率が本発明の範囲外で
低いものであり、耐熱老化性および透明性に劣り、また
比較例7は、水添ジエン系共重合体を用いず、エチレン
−α−オレフィン系共重合ゴムを用いた例であり、永久
伸びおよび透明性が劣る。これに対し、実施例6〜19
の本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、機械的特
性、耐熱老化性、低硬度、低永久歪および透明性が高度
にバランスしたものであり、その優れた特性から、高品
質の要求される自動車の外装・内装部品および電気・電
子関連の各種部品・ハウジングなどに使用することがで
きる。
【0068】
【表7】
【0069】
【表8】
【0070】
【表9】
【0071】
【表10】
【0072】
【表11】
【0073】*)エチレン−プロピレン−エチリデンノ
ルボルネン共重合体〔日本合成ゴム(株)製、EP−2
5〕
【0074】
【発明の効果】本発明に用いられる(変性)水添ジエン
系共重合体は、ペレットのブロッキング現象が発現し難
く、単味での使用が容易であり、非極性樹脂に配合する
ことにより、非極性樹脂の耐衝撃改質材として、加工
性、表面外観、電気絶縁性などの利点を兼ね備えた優れ
た本発明の組成物を得ることができる。従って、本発明
の(変性)水添ジエン系共重合体組成物は、加工性、表
面外観、電気絶縁性などの特性を生かして、自動車のバ
ンパー、インパネなどの自動車部品、電気・電子部品お
よびハウジングを中心とした成型材、注型材、被覆材、
接着剤、塗料などに広く用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺本 俊夫 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 馬渡 政明 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (I)ビニル芳香族化合物重合体ブロッ
    ク(A)と共役ジエン重合体もしくはビニル芳香族化合
    物と共役ジエンとのランダム共重合体ブロック(B)と
    からなる(A)−(B)ブロック共重合体、またはさら
    に必要に応じてビニル芳香族化合物と共役ジエンのうち
    ビニル芳香族化合物が漸増するテーパーブロック(C)
    とからなる(A)−(B)−(C)ブロック共重合体、
    もしくはビニル芳香族重合体ブロック(A)からなる
    (A)−(B)−(A)ブロック共重合体であって、 ビニル芳香族化合物/共役ジエンの割合が重量比で5
    〜60/95〜40、 (A)成分および必要に応じて構成される(C)成分
    中のビニル芳香族化合物の結合含量が全モノマーの3〜
    50重量%、かつ(A)成分中のビニル芳香族化合物の
    結合含量が少なくとも全モノマーの3重量%、 (B)成分中の共役ジエン部分のビニル結合含量が6
    0%を超える、ブロック共重合体を水素添加し、共役ジ
    エン部分の二重結合の少なくとも80%が飽和されてお
    り、数平均分子量が5万〜60万である水添ジエン系共
    重合体、および/または、前記水添ジエン系共重合体1
    00重量部を、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキ
    シル基、アミノ基およびエポキシ基の群から選ばれた少
    なくとも1種の官能基を有する不飽和化合物0.01〜
    20重量部でグラフト重合された変性水添ジエン系共重
    合体1〜99重量%と、(II) 非極性樹脂99〜1重量
    %〔ただし、(I)+(II) =100重量%〕とを含有
    する(変性)水添ジエン系共重合体組成物。
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