JPH10183213A - 溶融還元設備の操業方法及びその炉体構造 - Google Patents

溶融還元設備の操業方法及びその炉体構造

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JPH10183213A
JPH10183213A JP34635296A JP34635296A JPH10183213A JP H10183213 A JPH10183213 A JP H10183213A JP 34635296 A JP34635296 A JP 34635296A JP 34635296 A JP34635296 A JP 34635296A JP H10183213 A JPH10183213 A JP H10183213A
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slag
oxygen
furnace
tuyere
furnace body
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Hiroshi Ichikawa
宏 市川
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、上部空間の雰囲気温度とスラグの
温度差を小さくすることにより、燃焼性ガスの顕熱量及
び上部空間に面した水冷パネルからの抜熱量を小さくす
ることで、結果として炭材及び酸素原単位を減少するこ
とを可能とする溶融還元設備の操業方法及びその炉体構
造を提供する。 【解決手段】 水冷パネルに内張りされた炉本体に金属
原料、炭材、及び媒溶剤を添加し、炉体の側面を水平方
向に貫通してスラグに向けて配設された下部羽口を通じ
てスラグ中に酸素及び/又は酸素富化ガスを吹き込むと
共に、炉体を貫通して配設された上部羽口及び/又は上
部ランスを通じて酸素及び/又は酸素富化ガスを吹き込
んで、溶融金属を直接製造する方法において、前記下部
羽口の上方であって、炉内のスラグの上面に相当する高
さまでの位置に、前記上部羽口及び/又は上部ランスの
先端を配置し、炉内のスラグ中に酸素及び/又は酸素富
化ガスを吹き込むことを特徴とする溶融還元設備の操業
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炉本体に金属原
料、炭材、及び媒溶剤を添加し、純酸素及び/又は酸素
富化ガスを吹き込んで、溶融金属を直接製造する溶融還
元設備に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融還元は、炉本体内に金属原料、炭
材、及び媒溶剤を添加し、純酸素及び/又は酸素富化ガ
スを吹き込んで、スラグ中で鉄原料中の酸化金属を還元
し、溶融金属を直接製造する方法である。この方法で
は、溶融還元炉から、1500〜1700℃程度の高温
の燃焼性ガスが生成される。この溶融還元法は、従来の
高炉法に比べ、生産量の柔軟性が高い、即ち生産量の変
更が容易なことと設備の停止、再起動が容易なこと、及
び設備投資額が小さいことから、特に小規模溶融金属製
造法として最近注目されつつある。
【0003】一般にこの種の溶融還元法は、炉本体内に
予備還元した金属原料、炭材、及び媒溶剤を添加し、炉
本体から発生する燃焼性ガス中のCOガス、H2 ガスで
金属原料を予備還元する2段法(例えば特開昭57−1
20607号公報、特開昭61−96019号公報等参
照)と、炉本体内に未還元の金属原料、炭材、及び媒溶
剤を添加し、スラグ中で金属原料中の酸化金属を還元
し、炉本体から発生する燃焼性ガス中のCOガス、H2
ガスを廃熱ボイラー内で完全燃焼させ、燃焼性ガスの顕
熱、潜熱を蒸気化して回収し、発電等を行う1段法(例
えば特開平1−502276号公報、特開昭61−27
9608号公報、特開昭60−9815号公報等参照)
とに分類される。
【0004】2段法は、1段法に比べエネルギー効率が
良い利点はあるものの、充填層方式及び流動層方式等の
予備還元炉が必要なため設備が複雑となり設備投資額が
高い、予備還元炉内での反応の均一性から鉄原料の形状
制限がある(例えば充填層方式においては塊状の鉄原料
しか使用できず、流動層方式では粉状の鉄原料しか使用
できない)等の欠点があることから、最近シンプルな1
段法が注目されつつある。
【0005】また、この1段法においては、スラグ中で
発生するCOガス、H2 ガスをスラグ上部の炉内空間
(以後上部空間と呼ぶ)で燃焼する割合(以後炉内2次
燃焼率と呼び、炉内2次燃焼率=(CO2 %+H2 O
%)/(CO2 %+CO%+H2O%+H2 %)と定義
する)を上昇させ、その燃焼熱をスラグに有効に伝える
ことで、エネルギー効率を向上させる、即ち炭材原単位
を低減させることが可能なことことは広く知られてい
る。
【0006】ところが、スラグの上下方向の攪拌が十分
でない場合、スラグの下層への熱移動が小さくなり、ス
ラグの上層のみが加熱され、上部空間とスラグ上層の温
度差が小さくなり、上部空間からスラグへの熱移動量が
低下し、結果として2次燃焼率を上昇させても炭材原単
位の低減代が小さくなる。また、上部空間からスラグへ
の熱移動量が低下するために、上部空間の雰囲気温度が
上昇し、上部空間の炉壁に耐火物を内張りした場合には
耐火物の損耗量が急増するという課題があった。
【0007】そこで、これらの課題を解決するために、
底吹羽口と酸素上吹きランスを備え、炉壁に耐火物を内
張りした溶解炉に溶銑を入れ、底吹羽口から吹き込まれ
るガス量を制御し、スラグ組成及び遊離炭材量を制限し
て溶融還元する方法が、特開昭60−9815号公報で
提案されている。
【0008】しかるに、この方法では、金属原料を還元
すると共に上部空間からスラグへの熱移動量を確保する
ためにスラグを強攪拌する必要があるが、この攪拌力を
溶融金属の攪拌を介してスラグに伝える点で精錬操作上
大きな難点があった。即ち、溶融金属攪拌ガス量が極め
て多いため、非酸素ガスでは溶融金属温度の低下を招
き、一方、温度維持のために酸素を含ませると溶融金属
の酸化を招くジレンマがある。
【0009】そこで、これらの課題を解決するために、
金属浴面下で金属を攪拌するために不活性ガスを吹き込
む羽口と、金属浴面上で且つスラグ面下に位置し、スラ
グ内に酸素又は酸素富化ガスを吹き込む羽口と酸素上吹
きランスとを備えた、炉壁に耐火物を内張りした溶融還
元炉を用いる方法が特開昭61−279608号公報で
提案されている。
【0010】しかしながら、この方法であっても、金属
を攪拌するために金属浴面下の羽口から不活性ガスを吹
き込むために、なお以下の課題を抱えている。 金属浴面下の羽口から吹き込まれる不活性ガスによ
り、溶融金属の粒がスラグ中に吹き上げられ、金属浴面
上で且つスラグ面下に位置した羽口からスラグ内に吹き
込まれる酸素又は酸素富化ガスにより再酸化され、還元
速度向上、即ち生産速度向上の妨げとなる。 金属浴面下の羽口から吹き込まれる不活性ガスによ
り、溶融金属の粒がスラグ中に吹き上げられスラグ中に
懸濁するため、スラグの熱容量及び熱伝導率が大きくな
り、スラグに接する炉壁を水冷構造にできず、耐火物構
造にせざるを得ないため、この耐火物のスラグによる損
耗が大きく、頻繁に補修又は張り替えする必要がある。 スラグの熱容量及び熱伝導率が大きくなるため、金
属浴面上で且つスラグ面に位置した羽口についても水冷
構造にできず、消耗式羽口にせざるを得ないため、頻繁
に交換する必要がある。 金属浴面下の羽口は、溶融金属の熱容量及び熱伝導
率が大きいため、水冷構造にできず、消耗式羽口にせざ
るを得ないため、頻繁に交換する必要がある。 金属浴面下の羽口周辺の耐火物の損耗が大きく、頻
繁に補修又は張り替えする必要がある。
【0011】そこで、これらの課題を解決するために、
炉体を水平方向に貫通してスラグに向けられた下部羽口
を通じてスラグ中に純酸素及び/又は酸素富化ガスを吹
き込み、炉体を貫通して上部空間に向けられた上部羽口
を通じて上部空間に純酸素及び/又は酸素富化ガスを吹
き込み、炉内面の上部空間及びスラグに面した範囲に水
冷パネルを内張りした構造が、特開平1−502276
号公報で提案されている。
【0012】以下、特開平1−502276号公報で提
案されている従来技術を図7〜図8に基づいて説明す
る。図7は、特開平1−502276号公報で提案され
ている従来技術の炉体構造断面図であり、図8はそのA
−A断面図である。
【0013】炉体1は基礎2に固定され、炉内面は水冷
パネル3及び耐火物4を内張りされており、炉体1の上
部には、鉄原料、炭材、及び媒溶剤を添加する原料投入
口5及び炉本体から発生する燃焼性ガスを排出するガス
排出口6が配設されている。炉体1の底部には溶銑7が
溜まり、その上部に溶銑7より比重の軽い泡立ちスラグ
8が溜まっており、溶銑7は溶銑溜まり9を介して出銑
口11から、スラグはスラグ溜まり10を介して出滓口
12からそれぞれ連続又は断続的に排出される。
【0014】原料投入口5から投入された鉄原料中の酸
化鉄(FeO及びFe2 O3 )は、同じく原料投入口5
から投入された炭材中炭素分により、泡立ちスラグ8中
で以下の式(1),(2)に示す反応により還元され
る。 FeO + C→ Fe+ CO (吸熱反応)‥‥‥(1) Fe2 O3 +3C→2Fe+3CO (吸熱反応)‥‥‥(2)
【0015】また、原料投入口5から投入された炭材中
炭素分の一部は、炉体1を貫通して泡立ちスラグ8に向
けて配設された下部羽口13を通じて泡立ちスラグ8中
に吹き込まれる酸素と以下の式(3)に示す反応により
酸化される。 C+1/2O2 →CO (発熱反応)‥‥‥(3) この溶融還元炉のエネルギー効率、即ち炭材原単位は、
式(1),(2),(3)の反応に必要な炭素分の合計
によって決定される。
【0016】上記式(1),(2),(3)により泡立
ちスラグ8中で発生したCOガスにより、泡立ちスラグ
8中に気泡が対流するため、炉内の下部羽口13より上
方に位置する泡立ちスラグ8の比重はスラグ溜まり10
中の鎮静スラグ17の比重の1/2〜1/3となること
が発明者らの試験操業等で確認されている。
【0017】更に、上記式(1),(2),(3)によ
り泡立ちスラグ8中で発生したCOガス及び炭材中水素
分は、泡立ちスラグ8の浴面の上の上部空間16に向け
て炉体1を貫通して配設された上部羽口14を通じて上
部空間16中に吹き込まれる酸素と、泡立ちスラグ8の
浴面の上の上部空間16において、以下の式(4),
(5)に示す酸化反応をする。 CO+1/2O2 →CO2 (発熱反応)‥‥‥(4) H2 +1/2O2 →H2 O (発熱反応)‥‥‥(5)
【0018】この式(4),(5)の反応を炉内2次燃
焼と呼び、この2次燃焼の度合いの大小を以下の式
(6)で定義される炉内2次燃焼率で表すことと、この
2次燃焼率は上部羽口14を通じて上部空間16中に吹
き込まれる酸素の流量を増加することで増加することは
広く知られている。 炉内2次燃焼率=(CO2 %+H2 O%)/(CO2 %+CO%+H2 O% +H2 %) ‥‥‥(6) 但し、(6)式中のCO2 %,CO%,H2 O%,H2
%は、ガス排出口6における燃焼性ガスの各成分の体積
分率を示す。
【0019】炉内2次燃焼率を上昇させると、上部空間
16における式(4),(5)の反応熱の一部が、上部
空間16から泡立ちスラグ8に伝達し、スラグ中の式
(3)の発熱反応に必要な炭素分を減少せしめること
で、炭材原単位が減少する。この構造では、前述の金属
を攪拌するために不活性ガスを吹き込む金属浴面下の羽
口がないために、前述の〜の課題はすべて解決して
いる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、この種の炉
体構造であっても、なお以下の課題を抱えている。この
構造では、前記のように上記式(1),(2),(3)
により泡立ちスラグ8中で発生したCOガス及び炭材中
水素分は、泡立ちスラグ8の浴面の上の上部空間16に
向けて炉体1を貫通して配設された上部羽口14を通じ
て上部空間16中に吹き込まれる酸素により、泡立ちス
ラグ8の浴面の上の上部空間16において、前記の式
(4),(5)に示す2次燃焼をされる。
【0021】炉内2次燃焼率を上昇したときの炭材原単
位の減少代を大きくするためには、前述のように上部空
間16における式(4),(5)の反応熱の泡立ちスラ
グ8への移動量を高める、即ちスラグの上下方向の攪拌
を十分に行うことが有効であるが、上部空間16から泡
立ちスラグ8への熱移動は、輻射伝熱及び対流伝熱であ
り、その熱移動量は上部空間16の雰囲気温度と泡立ち
スラグ8の温度の差の関数でもあるため、上部空間16
の雰囲気温度と泡立ちスラグ8の温度の差がある程度必
要となる。
【0022】従って、上部空間16の雰囲気温度と泡立
ちスラグ8の温度差が例えば約200℃ある場合、上部
空間16の雰囲気温度と泡立ちスラグ8の温度差がない
場合に比べ、炉から排出される燃焼性ガスの温度を約2
00℃上昇するに必要なエネルギーが余分に必要とな
り、その分だけ炭材及び酸素原単位が上昇することにな
る。
【0023】更に、前述のように炉から排出される燃焼
性ガスの温度が約200℃上昇すると、炉内面の上部空
間16に面した範囲に水冷パネル3を内張りした場合、
水冷パネル3からの抜熱が増加するために、炭材及び酸
素原単位が更に上昇することになる。これは、上部空間
16に面した水冷パネルにおいては、水冷パネル3への
伝熱が輻射伝熱を主体とするために、(燃焼性ガスの温
度)4 −(水冷パネル)4 にほぼ比例するためである。
【0024】また、上部空間16で式(4),(5)の
2次燃焼を均一に行うために、上部空間16はある程度
の容積が必要となり、上部空間16に面した範囲の水冷
パネル3の面積も必然的にある程度大きくなることで、
水冷パネル3からの抜熱が増加するために、炭材及び酸
素原単位が更に上昇することになる。
【0025】本発明は、以上のような問題点を解決する
ためになされたものであり、その目的とするところは、
上部空間16の雰囲気温度と泡立ちスラグ8の温度差を
小さくすることにより、燃焼性ガスの顕熱量及び上部空
間16に面した水冷パネル3からの抜熱量を小さくする
ことで、結果として炭材及び酸素原単位を減少させるこ
とを可能とする溶融還元設備の操業方法及びその炉体構
造を提供することを目的とするものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、(1)水冷パネルに内張りされた炉本
体に金属原料、炭材、及び媒溶剤を添加し、炉体の側面
を水平方向に貫通してスラグに向けて配設された下部羽
口を通じてスラグ中に酸素及び/又は酸素富化ガスを吹
き込むと共に、炉体を貫通して配設された上部羽口及び
/又は上部ランスを通じて酸素及び/又は酸素富化ガス
を吹き込んで、溶融金属を直接製造する方法において、
前記下部羽口の上方であって、炉内のスラグの上面に相
当する高さまでの位置に、前記上部羽口及び/又は上部
ランスの先端を配置し、炉内のスラグ中に酸素及び/又
は酸素富化ガスを吹き込むことを特徴とする溶融還元設
備の操業方法であり、(2)上記の溶融金属を直接製造
する設備において、前記下部羽口から出滓口までの高さ
をH1 とすると、前記下部羽口から前記上部羽口及び/
又は上部ランスの先端までの高さ:H3 をH1 <H3 <
3×H1 としたことを特徴とする溶融還元設備の炉体構
造である。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の溶融還元炉の炉体構造に
おいては、下部羽口の上方であって、炉内のスラグの上
面に相当する高さまでの位置に、上部羽口及び/又は上
部ランスの先端を配置したことにより、泡立ちスラグで
発生したCOガス及び炭材中水素分が、前記上部羽口を
通じてスラグ中に吹き込まれる酸素によって、スラグ中
で2次燃焼することにより、上部空間からスラグへの熱
移動が必要なくなり、結果として、金属を攪拌するため
に金属浴面下の羽口からガスを吹き込むことなしに、ス
ラグと燃焼性ガスの温度差を小さくすることが可能とな
ることで、以下の作用がある。
【0028】 スラグと燃焼性ガスの温度差が小さく
なり、その分だけ炉から排出される燃焼性ガスの温度を
低下でき、その熱量の分だけ炭材及び酸素原単位が低下
する。 炉から排出される燃焼性ガスの温度を低下でき、炉
内面の上部空間に面した範囲の水冷パネルの抜熱量が低
下し、その熱量の分だけ炭材及び酸素原単位が低下す
る。 2次燃焼反応がスラグ中で行われることにより、上
部空間を小さくすることが可能となり、炉内面の上部空
間に面した範囲の水冷パネルの抜熱量が低下し、その熱
量の分だけ炭材及び酸素原単位が低下する。それと共
に、炉体高さを小さくすることが可能となり、設備費が
安価となる。
【0029】 溶融金属の粒がスラグ中に吹き上げら
れることがないため、下部羽口からスラグ内に吹き込ま
れる酸素又は酸素富化ガスにより再酸化されることがな
く、還元速度向上、即ち生産速度が向上する。 溶融金属の粒がスラグ中に吹き上げられることがな
いため、スラグの熱容量及び熱伝導率が小さくなり、ス
ラグに接する炉壁及び下部羽口を水冷構造にでき、半永
久的に使用できることで、耐火物、羽口コスト及び補
修、交換のための操業停止頻度が激減する。 金属浴面下の羽口が必要でないため、耐火物、羽口
コスト及び補修、交換のための操業停止頻度が激減す
る。
【0030】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図6に基づ
いて説明する。図1は、本発明に係わる溶融還元設備の
第1の実施例の炉体構造断面図であり、図2はそのA−
A断面図である。図3は、本発明に係わる溶融還元設備
の第2の実施例の炉体構造断面図であり、図4はそのA
−A断面図である。図5は、本発明に係わる溶融還元設
備の第3の実施例の炉体構造断面図であり、図6はその
A−A断面図である。
【0031】まず、図1、図2を用いて第1の実施例に
ついて説明する。原料投入口5から投入された鉄原料中
の酸化鉄(FeO及びFe2 O3 )は、同じく原料投入
口5から投入された炭材中炭素分により、泡立ちスラグ
8中で以下の式(1),(2)に示す反応により還元さ
れる。 FeO + C→ Fe+ CO (吸熱反応)‥‥‥(1) Fe2 O3 +3C→2Fe+3CO (吸熱反応)‥‥‥(2)
【0032】また、原料投入口5から投入された炭材中
炭素分の一部は、炉体1を貫通して泡立ちスラグ8に向
けて配設された下部羽口13を通じて泡立ちスラグ8中
に吹き込まれる酸素と以下の式(3)に示す反応により
酸化される。 C+1/2O2 →CO (発熱反応)‥‥‥(3) この溶融還元炉のエネルギー効率、即ち炭材原単位は、
式(1),(2),(3)の反応に必要な炭素分の合計
によって決定される。
【0033】更に、上記式(1),(2),(3)によ
り泡立ちスラグ8中で発生したCOガス及び炭材中水素
分は、前記下部羽口13の上方であって、炉内の泡立ち
スラグ8の上面に相当する位置までの炉体1の側面に配
設された上部羽口14を通じて泡立ちスラグ8中に吹き
込まれる酸素と以下の式(4),(5)に示す反応によ
り酸化される。 CO+1/2O2 →CO2 (発熱反応)‥‥‥(4) H2 +1/2O2 →H2 O (発熱反応)‥‥‥(5)
【0034】炉内2次燃焼率を上昇させると、式
(4),(5)の反応熱が泡立ちスラグ8に伝達し、ス
ラグ中の式(3)の発熱反応に必要な炭素分を減少せし
めることで、炭材原単位が減少する。
【0035】炉内2次燃焼率を上昇したときの炭材原単
位の減少代を大きくするためには、前述のように、式
(4),(5)の反応熱の泡立ちスラグ8への移動量を
高めることが有効であるが、本実施例においては、前記
下部羽口の上方であって、炉内のスラグの上面に相当す
る位置までの炉体1の側面に、前記上部羽口を配設し、
炉内のスラグ中に酸素及び/又は酸素富化ガスを吹き込
むようになしたことにより、式(4),(5)の2次燃
焼反応が泡立ちスラグ8中で行われ、その2次燃焼反応
熱が直接泡立ちスラグ8を加熱するため、スラグ中にお
ける(4),(5)の2次燃焼反応で発生し上部空間1
6に抜けていく燃焼性ガスと泡立ちスラグ8の温度差は
殆どなくなる。
【0036】次に図1を用いて、本実施例における炉内
の泡立ちスラグ8の上面の高さについて説明する。本実
施例では出銑口11と出滓口12を個別の高さに設け、
その高さによりサイホンの原理で炉内に保持する溶銑7
及び泡立ちスラグ8の体積を制御し、それ以上の溶銑及
びスラグは自動的に排出する溶融還元設備について説明
するが、本発明がその他の出銑及び出滓方式(例えば高
炉のような開口方式)を採用した溶融還元設備について
も適用されることは言うまでもない。
【0037】本実施例におけるサイホンの原理による出
銑及び出滓方式においては、下部羽口13から出銑口1
2までの高さ:H1 、下部羽口13から泡立ちスラグ8
の上面までの高さ:H2 は、以下の式の関係がある。 H1 =H2 ×γ2 /γ1 ‥‥‥(7) 但し、γ1 :スラグ溜まり10中の鎮静スラグ17の比
重 γ2 :炉内の泡立ちスラグ8の比重
【0038】前記の式(1),(2),(3)により泡
立ちスラグ8中で発生したCOガスにより、泡立ちスラ
グ8中に気泡が対流するため、炉内の下部羽口13より
上方に位置する泡立ちスラグ8の比重:γ1 はスラグ溜
まり10中の鎮静スラグ17の比重:γ2 の1/2〜1
/3となる。従って、下部羽口13から出銑口12まで
の高さ:H1 は下部羽口13から泡立ちスラグ8の上面
までの高さ:H2 の2〜3倍となることが発明者らの試
験操業等で確認されている。
【0039】本実施例においては、下部羽口13から上
部羽口14の先端までの高さ:H3 をH1 <H3 <3×
H1 としたことにより、上部羽口14の先端は、下部羽
口13の上方であって、炉内の泡立ちスラグ8の上面に
相当する高さまでの位置に、配置されることになる。
【0040】次に図3、図4を用いて、第2の実施例に
ついて説明する。第2の実施例は、上部ランス15を炉
内のスラグの上面より上方の炉体1の側面から下向きに
斜めに挿入し、前記上部羽口14の先端を、前記下部羽
口の上方であって、炉内のスラグの上面までの高さに位
置せしめ、炉内のスラグ中に酸素及び/又は酸素富化ガ
スを吹き込むようになしている。
【0041】次に図5、図6を用いて、第3の実施例に
ついて説明する。第3の実施例は、上部ランス15を炉
体1の上面から下向きに垂直に挿入し、前記上部羽口1
4の先端を、前記下部羽口の上方であって、炉内のスラ
グの上面までの高さに位置せしめ、炉内のスラグ中に酸
素及び/又は酸素富化ガスを吹き込むようになしてい
る。
【0042】第2及び第3の実施例においても、炉内の
スラグ中に酸素及び/又は酸素富化ガスを吹き込むよう
になしているため、式(4),(5)の2次燃焼反応が
泡立ちスラグ8中で行われ、その2次燃焼反応熱が直接
泡立ちスラグ8を加熱するため、スラグ中における
(4),(5)の2次燃焼反応で発生し上部空間16に
抜けていく燃焼性ガスと泡立ちスラグ8の温度差は殆ど
なくなる。
【0043】第2及び第3の実施例においても、下部羽
口13から上部ランス15の先端までの高さを(1.1
〜3)×H1 としたことにより、上部ランス15の先端
は、下部羽口13の上方であって、炉内の泡立ちスラグ
8の上面に相当する高さまでの位置に配置されることに
なる。また、第2及び第3の実施例においては、上部ラ
ンス15の修繕等を考慮して、前記上部羽口14を上昇
及び下降自在とすることが好ましい。
【0044】以下の表1に、特開平1−502276号
公報で提案された従来技術、及び本発明に係わる溶融還
元設備の炭材及び酸素原単位の1例を示す。燃焼性ガス
の熱量は約16%、水冷パネル抜熱量は約38%減少
し、結果として、炭材原単位は約14%、酸素原単位は
22%減少する効果があった。
【0045】
【表1】
【0046】本実施例は、鉄の還元の場合について説明
したが、本発明が同様の溶融還元法によって製造される
非鉄金属及び鉄合金(例えばクロム、ニッケル、マンガ
ン等)の溶融還元設備についても適用されることは言う
までもない。また、本実施例は、炉体の水平断面が長方
形の溶融還元設備の場合について説明したが、本発明が
炉体の水平断面が円形の溶融還元設備の場合についても
適用されることは言うまでもない。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明においては、下部羽
口の上方であって、炉内のスラグの上面に相当する高さ
までの位置に、上部羽口の先端を配設したことにより、
泡立ちスラグで発生したCOガス及び炭材中水素分が、
前記上部羽口を通じてスラグ中に吹き込まれる酸素によ
って、スラグ中で2次燃焼することにより、上部空間か
らスラグへの熱移動が必要なくなり、結果として、金属
を攪拌するために金属浴面下の羽口からガスを吹き込む
ことなしに、スラグと燃焼性ガスの温度差を小さくする
ことが可能となることで、以下の効果が期待できる。
【0048】 スラグと燃焼性ガスの温度差が小さく
なり、その分だけ炉から排出される燃焼性ガスの温度を
低下でき、その熱量の分だけ炭材及び酸素原単位が低下
する。 炉から排出される燃焼性ガスの温度を低下でき、炉
内面の上部空間に面した範囲の水冷パネルの抜熱量が低
下し、その熱量の分だけ炭材及び酸素原単位が低下す
る。 2次燃焼反応がスラグ中で行われることにより、上
部空間を小さくすることが可能となり、炉内面の上部空
間に面した範囲の水冷パネルの抜熱量が低下し、その熱
量の分だけ炭材及び酸素原単位が低下する。それと共
に、炉体高さを小さくすることが可能となり、設備費が
安価となる。
【0049】 溶融金属の粒がスラグ中に吹き上げら
れることがないため、下部羽口からスラグ内に吹き込ま
れる酸素又は酸素富化ガスにより再酸化されることがな
く、還元速度向上、即ち生産速度が向上する。 溶融金属の粒がスラグ中に吹き上げられることがな
いため、スラグの熱容量及び熱伝導率が小さくなり、ス
ラグに接する炉壁及び下部羽口を水冷構造にでき、半永
久的に使用できることで、耐火物、羽口コスト及び補
修、交換のための操業停止頻度が激減する。 金属浴面下の羽口が必要でないため、耐火物、羽口
コスト及び補修、交換のための操業停止頻度が激減す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる溶融還元設備の第1の実施例の
炉体構造断面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】本発明に係わる溶融還元設備の第2の実施例の
炉体構造断面図。
【図4】図3のA−A断面図。
【図5】本発明に係わる溶融還元設備の第3の実施例の
炉体構造断面図。
【図6】図5のA−A断面図。
【図7】従来技術の溶融還元設備の炉体構造断面図。
【図8】図8のA−A断面図。
【符号の説明】
1:炉体 2:基礎 3:水冷パネル 4:耐火物 5:原料投入口 6:ガス排出口 7:溶銑 8:泡立ちスラグ 9:溶銑溜まり 10:スラグ溜まり 11:出銑口 12:出滓口 13:下部羽口 14:上部羽口 15:上部ランス 16:上部空間 17:鎮静スラグ
【手続補正書】
【提出日】平成9年3月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】
【表1】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年3月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】第2及び第3の実施例においても、下部羽
口13から上部ランス15の先端までの高さを(1〜
3)×H1 としたことにより、上部ランス15の先端
は、下部羽口13の上方であって、炉内の泡立ちスラグ
8の上面に相当する高さまでの位置に配置されることに
なる。また、第2及び第3の実施例においては、上部ラ
ンス15の修繕等を考慮して、前記上部羽口14を上昇
及び下降自在とすることが好ましい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水冷パネルに内張りされた炉本体に金属
    原料、炭材、及び媒溶剤を添加し、炉体の側面を水平方
    向に貫通してスラグに向けて配設された下部羽口を通じ
    てスラグ中に酸素及び/又は酸素富化ガスを吹き込むと
    共に、炉体を貫通して配設された上部羽口及び/又は上
    部ランスを通じて酸素及び/又は酸素富化ガスを吹き込
    んで、溶融金属を直接製造する方法において、前記下部
    羽口の上方であって、炉内のスラグの上面に相当する高
    さまでの位置に、前記上部羽口及び/又は上部ランスの
    先端を配置し、炉内のスラグ中に酸素及び/又は酸素富
    化ガスを吹き込むことを特徴とする溶融還元設備の操業
    方法。
  2. 【請求項2】 水冷パネルに内張りされた炉本体に金属
    原料、炭材、及び媒溶剤を添加し、炉体の側面を水平方
    向に貫通してスラグに向けて配設された下部羽口を通じ
    てスラグ中に酸素及び/又は酸素富化ガスを吹き込むと
    共に、炉体を貫通して配設された上部羽口及び/又は上
    部ランスを通じて酸素及び/又は酸素富化ガスを吹き込
    んで、溶融金属を直接製造する設備において、前記下部
    羽口から出滓口までの高さをH1 とすると、前記下部羽
    口から前記上部羽口及び/又は上部ランスの先端までの
    高さ:H3 をH1 <H3 <3×H1 としたことを特徴と
    する溶融還元設備の炉体構造。
JP34635296A 1996-04-05 1996-12-25 溶融還元設備の操業方法及びその炉体構造 Withdrawn JPH10183213A (ja)

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EP97914586A EP0905260A1 (en) 1996-04-05 1997-04-02 Smelting reduction apparatus and method of operating the same
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