JPH10183435A - 形態安定性に優れた複合糸条 - Google Patents

形態安定性に優れた複合糸条

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JPH10183435A
JPH10183435A JP35617896A JP35617896A JPH10183435A JP H10183435 A JPH10183435 A JP H10183435A JP 35617896 A JP35617896 A JP 35617896A JP 35617896 A JP35617896 A JP 35617896A JP H10183435 A JPH10183435 A JP H10183435A
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yarn
yarns
fibers
core
sheath
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JP35617896A
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English (en)
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Shoichiro Noguchi
章一郎 野口
Shigeki Honda
繁喜 本田
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高度な形状安定性を備え、かつ風合いにすぐれ
た繊維構造物を編織するのに適する複合糸条に関するも
のである。 【解決手段】ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィ
ン等の熱可塑性合成繊維、綿、絹、羊毛等の天然繊維、
及びレーヨン、アセテート等の人造繊維よりなる群から
選ばれた複数種の繊維の組合せからなる異収縮混繊糸、
嵩高性加工糸、スラブヤーン、リング糸、モール糸、そ
の他の意匠糸等の複合糸条において、主に該複合繊維糸
条の内側に位置するフィラメントが、JIS K 71
96の熱機械分析法で測定した芯成分の軟化点が鞘成分
の軟化点より20℃以上低い芯鞘型複合糸により形成さ
れ、かつ、該芯鞘型複合糸の芯成分が窒素雰囲気下、1
0℃/分の昇温速度で加熱する示差熱分析法で融点ピー
クを生じない実質的に非晶質のポリマーからなるフィラ
メントであることを特徴とする形態安定性に優れた複合
糸条。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル、ポ
リアミド、ポリオレフィン等の熱可塑性合成繊維、綿、
絹、羊毛等の天然繊維、及びレーヨン、アセテート等の
人造繊維よりなる群から選ばれた複数種の繊維の組み合
わせからなる異収縮混繊糸、嵩高性加工糸、スラブヤー
ン、リング糸、モール糸、その他意匠糸等の複合糸条に
関するものである。更に詳しくは、当該複合糸条を少な
くとも一部に用いて製造した繊維布帛が衣料用、産業資
材用に適し、かつ高度な形状安定性を付与することが可
能であるような複合糸条に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年多くの化学繊維、合成繊維が生産さ
れ、天然繊維と共に、夫々の繊維特性に適合して種々の
分野に使用されてきたが、その繊維特性は特定の用途に
おいては未だ不満足のものであった。そのため、これら
の繊維を混紡、交撚、或いは交繊し、あらたな特性を付
与してそれらの用途に応じてきた。
【0003】最近では、熱可塑性合成繊維からなる糸条
自体の改善、改良も進められており、天然繊維の風合と
同等、もしくはこれよりも優れた風合をもつ糸条も出現
している。これらの糸条の一例としては、本出願人が特
開平1−331505号公報でもって開示した「異収縮
混繊糸」、特公昭59−242412号公報でもって開
示した「嵩高加工糸」、特公昭60−14132号公報
に記載する「スラブヤーン」、リング糸、モール糸、そ
の他意匠糸等が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記各糸条は、夫々複
合糸条独特の構成を備えており、これを用いて編織物に
形成した場合、その布帛は天然繊維或はレギュラータイ
プの熱可塑性合成繊維の糸条では現出することのできな
い特有の風合いを有している。
【0005】一方、古くから衣服やカーテン等には折り
目、プリーツ加工が施されてきたが、未だその耐久性は
充分とは言えない。又、異収縮混繊糸、嵩高加工糸、意
匠糸等を用いた衣料資材に耐久性の高い折目、プリーツ
加工を付与するためにはコーティング、ラミネート等の
加工を必要とし、そのために本来の風合いが損なわれる
ことが多かった。
【0006】本発明の目的は、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリオレフィン等の熱可塑性合成繊維、綿、絹、羊
毛等の天然繊維、及びレーヨン、アセテート等の人造繊
維よりなる群から選ばれた複数種の繊維の組合せからな
る異収縮混繊糸、嵩高加工糸、スラブヤーン、リング
糸、モール糸、その他の意匠糸等の複合糸条における従
来の外観、風合は残したまま、編織物に供給した際、優
れた形態安定性を付与出来る新規な複合糸条を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するた
めに、本発明は次の構成を備えている。即ち本発明の第
1の発明は、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィ
ン等の熱可塑性合成繊維、綿、絹、羊毛等の天然繊維、
及びレーヨン、アセテート等の人造繊維よりなる群から
選ばれた複数種の繊維の組合せからなる異収縮混繊糸、
嵩高性加工糸、スラブヤーン、リング糸、モール糸、そ
の他の意匠糸等の複合糸条において、主に該複合繊維糸
条の内側に位置するフィラメントが、JIS K 71
96の熱機械分析法で測定した芯成分の軟化点が鞘成分
の軟化点より20℃以上低い芯鞘型複合糸により形成さ
れ、かつ、該芯鞘型複合糸の芯成分が窒素雰囲気下、1
0℃/分の昇温速度で加熱する示差熱分析法で融点ピー
クを生じない実質的に非晶質のポリマーからなる熱可塑
性合成繊維フィラメント(以下、かかる構成のフィラメ
ントを本発明において特定フィラメントと呼称する)で
あることを特徴とする形態安定性に優れた複合糸条であ
る。
【0008】又、本発明の第2の発明はポリエステル、
ポリアミド、ポリオレフィン等の熱可塑性合成繊維、
綿、絹、羊毛等の天然繊維、及びレーヨン、アセテート
等の人造繊維よりなる群から選ばれた二種以上の沸水収
縮率の異なる糸条を合糸したのち、両者を流体交絡によ
り混繊せしめてなる異収縮混繊糸において、主に内側に
位置する高沸水収縮率側の糸条として、前記特定マルチ
フィラメントを用いたことを特徴とする形態安定性に優
れた複合糸条である。
【0009】更に本発明の第3の発明はポリエステル、
ポリアミド、ポリオレフィン等の熱可塑性合成繊維、
綿、絹、羊毛等の天然繊維、及びレーヨン、アセテート
等の人造繊維よりなる群から選ばれた伸度差が50%以
上有る2種以上の繊維糸条を引き揃え合糸し、これを仮
撚加工により交絡せしめてなる嵩高加工糸において、主
に加工糸の内側に位置する低伸度糸条として前記特定フ
ィラメントを用いたことを特徴とする形態安定性に優れ
た複合糸条である。
【0010】更に本発明の第4の発明は、芯糸の周囲に
その長手方向に沿って、鞘糸が一重スパイラル部と多重
スパイラル部が交互に形成されるように巻着せしめてな
るスラブヤーンにおいて、鞘糸がポリエステル、ポリア
ミド、ポリオレフィン等の熱可塑性合成繊維、綿、絹、
羊毛等の天然繊維、及びレーヨン、アセテート等の人造
繊維よりなる群から選ばれた一種以上の繊維からなり、
且つ芯糸側のフィラメントとして、前記特定フィラメン
トを用いたことを特徴とする形態安定性に優れた複合糸
条である。
【0011】本発明の異収縮混繊糸、嵩高加工糸、スラ
ブヤーン、リング糸、モール糸、その他意匠糸等の複合
糸条はいずれも本発明に云う特定フィラメントを構成要
素の中核としており、これとポリエステル、ポリアミ
ド、ポリオレフィン等の熱可塑性合成繊維、綿、絹、羊
毛等の天然繊維、及びレーヨン、アセテート等の人造繊
維よりなる群から選ばれた少なくとも一種の繊維の組み
合わせからなることを特徴とする。
【0012】本発明の複合糸条の中核をなす前記特定フ
ィラメントを構成する複合糸は、JIS K 7196
の熱機械分析法で測定した芯成分の軟化点が鞘成分の軟
化点より20℃以上低い芯鞘型複合糸で、かつ該芯鞘型
複合糸の芯成分が窒素雰囲気下、10℃/分の昇温速度
で加熱する示差熱分析法(以下DSC法と呼称する)で
融点ピークを生じない実質的に非晶質のポリマーからな
るものである。
【0013】前記特定フィラメントは、鞘成分はエステ
ル系ポリマー又はアミド系ポリマー等の通常の繊維形成
性ポリマーからなるものであってよいが、芯成分の軟化
点が鞘成分の軟化点より20℃以上低いことが必要であ
る。
【0014】特に、鞘成分がポリエステルからなり、芯
成分が、60〜80℃のガラス転移点を有し、且つ軟化
点が200℃以下であるポリマーからなる芯鞘型複合糸
を使用するのが好ましい。
【0015】また、芯成分は窒素雰囲気下、10℃/分
の昇温速度で加熱する示差熱分析で融点ピークを生じな
い実質的に非晶質のポリマーからなる。具体的には共重
合ポリエステル系ポリマーが好ましい。
【0016】かかる非晶質のポリマーの代表的なもの
は、テレフタル酸とエチレングリコールを主成分とし、
共重合成分として、酸成分にシュウ酸、マロン酸、コハ
ク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニ
ルエーテルジカルボン酸等の公知のジカルボン酸成分の
一種又は二種以上を、又ジオール成分に1,4−ブタン
ジオール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコ
ール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の公知のジ
オール成分の一種又は二種以上を使用した共重合ポリエ
ステルが挙げられる。その他の共重合成分としてジエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール等が添加され
てもよい。
【0017】かかる共重合ポリエステルは、前述の如き
共重合成分を、所望の軟化点となるように、紡糸及び加
工操業性を損なわない物性範囲内で適宜選択して使用し
たものでよいが、テレフタル酸とエチレングリコールを
主成分とし、共重合成分としてイソフタル酸を使用した
ものが、工業的に安価に、安定して入手でき、しかもポ
リマー物性も良いため、好ましい。かかるイソフタル酸
共重合ポリエステルではイソフタル酸成分が20〜40
モル%であるのが好ましく、又、芯鞘型複合糸の芯/鞘
の比率は、容積比率で5/1〜1/5、特に3/1〜1
/2程度であるのが好ましい。複合糸の断面形状は、円
形、楕円形、多角形、星形などのいずれでもよく、又、
芯と鞘は、同心的に配置されても、偏心的に配置されて
もよいが、一般的に断面形状が円形で芯と鞘が同心的に
配置されたものを使用するのがよい。
【0018】かかる特定フィラメントは、芯成分に、結
晶化度が低く、実質的に非晶質のポリマーを使用してい
るため、加熱、冷却が繰り返されても、可逆的に軟化、
固化の繰り返しが可能となり、布帛への形態付与がやり
直せる。又、特定フィラメントを単独で用いた場合加圧
下での加熱により糸が簡単に偏平化変形するため、織物
の交絡点を埋め、防風性、耐水性を向上させることを本
発明者らは既に提案している(特願平8−40715
号)。
【0019】これに対して、芯成分に結晶性ポリマーを
使用した複合糸の使用では、加熱時に、かかるポリマー
の結晶部分が核となって成長し、再セット温度が徐々に
高くなるため、後加工や形態セットの際に障害となり、
所望のセット性が得られなくなる欠点がある。
【0020】本発明は上記の性質を持つ特定フィラメン
トと他の繊維からなる複合糸条に係るものであり、具体
的には異収縮混繊糸、嵩高性加工糸、スラブヤーン、リ
ング糸、モール糸、その他の意匠糸などが挙げられる。
特定フィラメントと組み合わせる他の繊維は、ポリエス
テル、ポリアミド、ポリオレフィン等の熱可塑性合成繊
維、綿、絹、羊毛等の天然繊維、及びレーヨン、アセテ
ートなどの人造繊維よりなる群より選ばれた選ばれた少
なくとも一種の繊維である。
【0021】複合糸条が異収縮混繊糸である場合、ポリ
エステル、ポリアミド、ポリオレフィン等の熱可塑性合
成繊維、綿、絹、羊毛等の天然繊維、及びレーヨン、ア
セテート等の人造繊維よりなる群から選ばれた2種以上
の沸水収縮率の異なる糸条であって、混繊後の収縮処理
により、糸条の内側に高収縮率糸が位置する。したがっ
て高収縮率側の糸として特定フィラメントを使用する。
さらに嵩高性加工糸とはポリエステル、ポリアミド、ポ
リオレフィン等の熱可塑性合成繊維、綿、絹、羊毛等の
天然繊維、及びレーヨン、アセテート等の人造繊維より
なる群から選ばれた伸度差を有する2種以上の糸からな
り、合糸後の仮撚加工により低伸度加工糸が糸条の内側
に位置する。よって低伸度加工糸として特定フィラメン
トを使用する。又スラブヤーンは当然、芯糸が糸条の内
側を形成するから、芯糸に特定フィラメントを使用す
る。すなわち本発明においては、複合糸条の内側に位置
する糸として、本発明に云う特定フィラメントを使用す
ることにより、高度の形態安定性を付与するものであ
る。
【0022】重ねて、各複合糸条の構成を更に具体的に
説明すると、まず異収縮混繊糸の場合、前記特定フィラ
メントは沸水収縮率が10〜30%である高沸水収縮率
側の糸として使用する。又他の構成糸は沸水収縮率が0
〜15%の低沸水収縮率糸として使用し、かつ特定フィ
ラメントと他の構成糸の収縮率差が5%以上、好ましく
は10%以上となるように選定する。流体交絡する過程
としては、紡糸工程中、延伸工程中、又その後の混繊工
程中、或は直接紡糸延伸工程中のいずれであってもよ
い。かかる異収縮混繊糸では、編織形成後の沸水収縮処
理等により、高沸水収縮率側の繊維(特定フィラメン
ト)は主に糸条の内側に位置する。次いでこれが熱セッ
トされることにより前述の如く高収縮成分(特定フィラ
メント側)が形態安定性を備えることとなる。よって、
形態安定性を保持しつつ、低収縮率側の繊維の持つふく
らみ等の性質を損なうことがない。
【0023】次に嵩高加工糸にあっては、前記特定フィ
ラメントは低伸度加工糸として使用する。他の構成糸は
高伸度加工糸として使用する。両者の伸度差は50%以
上である。これにより、最終製品に形成した際、複合糸
条の内側に位置する特定フィラメントが形態安定性を持
ち、尚且、外側に位置する他の構成糸がふくらみを持つ
ため、複合糸条全体としては嵩高な形状を有し、風合い
に優れるものとなる。
【0024】又スラブヤーンにおいては、芯糸に特定フ
ィラメントを使用し、鞘糸に他の構成糸を使用すること
により、布帛全体として形態安定性の優れたものとな
り、なおかつスラブヤーンが本来有している外観品位及
び風合いを失うこともない。
【0025】本発明における複合糸条を用いて形態安定
性を発揮させるためには該複合糸条を布帛全体の少なく
とも30%以上より好ましくは50%以上使用すること
が好ましい。又、織物の経又は緯方向にプリーツ、折目
加工を施す場合は、プリーツ線と直行する糸の少なくと
も25%以上、好ましくは30%以上、更に好ましくは
40%以上を使用することが望ましい。
【0026】本発明の複合糸条を用いてなる布帛に形態
保持性を付与するための熱セットは、通常のポリエステ
ル布帛のセット仕上げ等で可能であるが、布帛にプリー
ツ衣料、傘やブラインド等の特殊な形態を付与する場合
は所望の形態に整えた後に熱セットすることにより、よ
り効果的に目的とする製品を得ることができる。
【0027】傘のような製品では、形態安定性に加えて
耐水圧という機能が必要となる。かかる製品に本発明の
複合糸条からなる布帛を使用する場合には、本発明の特
定フィラメントの布帛中の混率を高くし、かつ、布帛を
加圧熱セットすることで特定フィラメントの変形により
織物空隙を埋めて耐水性を付与する。又、傘を折りたた
んだ状態で、熱セットすることにより耐久性のある折目
形態の付与も可能となる。
【0028】本発明の複合糸条を使用する布帛は、次の
ような利点を有するものとなる。 (1)良好な風合、表面感、外観を有する衣料又は資材
用布帛に単なる熱セットのみで耐久性に優れた形態保持
性を付与する。 (2)一度熱セットした形状を再度加熱により解除し、
新たな形状に熱セットすることが可能である。例えば、
熱セットにより5cm幅の折り目をつけたプリーツカー
テンを製造した後、加熱により、このプリーツを除去
し、改めて異なる折り目(例えば3cm幅の折り目)の
プリーツカーテンにセットし直すというようなことも品
質よく可能となる。 (3)このようにして得た形態保持性は、洗濯耐久性の
高いものとなる。 (4)布帛表面には、特定フィラメント成分がほとんど
現れないため他の繊維の持つ風合いを損なわず、たとえ
現れても特定フィラメントの鞘成分はレギュラーポリエ
ステル又はポリアミド成分よりなるため、風合いを著し
く損なう事なく、且つ、染色性、堅牢度にも影響を与え
にくい。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、実施例について具体的に説
明する。又、実施例中の形態安定性は直径10mmのガ
ラス管に試料を巻き付け、熱セットし、冷却し、広げた
状態で、100g/cm2 荷重を載せ、5分後、荷重を
取り除いた時の巻き状態を目視判断しており、試験結果
の○は良、△は普通、×は不良を示す。
【0030】
【実施例】
(実施例1)イソフタル酸が酸成分の25モル%を占
め、DSC法による測定で実質的に融点ピークを有しな
い軟化点約150℃の共重合ポリエチレンテレフタレー
トを芯成分とし、酸成分がテレフタル酸100%である
ポリエチレンテレフタレート(融点255℃、軟化点2
40℃)を鞘成分とする芯鞘比率(容積比)1:1、5
0d/24fで沸水収縮率21.0%である芯鞘型複合
フィラメントと極限粘度0.64のポリエチレンテレフ
タレートからなる50d/48f、沸水収縮率8.0%
である(延伸)低収縮フィラメントとを延伸後に合糸
し、同時にインターレースノズルに挿通し、両糸条に流
体交絡を施して混繊しボビンに巻き取った。この混繊糸
を緯糸とし、酸成分がテレフタル酸100%であるレギ
ュラーポリエステルの50d/48f原糸を経糸として
経/緯密度が110本/in×80本/inの平織物を
製織し、実施例1の織物を得た。
【0031】(比較例1)一方、実施例1の芯鞘型複合
フィラメントの代わりに50f/24d沸水収縮率22
%のレギュラーポリエステルを用いて、後は実施例1と
同条件で混繊し緯糸に打ち込んで、比較例1の織物を得
た。
【0032】実施例1と比較例1の織物に、通常のポリ
エステル布帛の染め、仕上げ加工を施した後、形態安定
性の熱セットを実施し、各布帛の形態安定性の測定を行
った。その結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】(実施例2)イソフタル酸が酸成分の25
モル%を占め、DSCによる測定で実質的に融点ピーク
を有しない軟化点約150℃の共重合ポリエチレンテレ
フタレートを芯とし、酸成分がテレフタル酸100%で
あるポリエチレンテレフタレートを鞘とする芯鞘型複合
糸で、芯鞘比率(容積比)が1:1で、残留伸度が32
%であり延伸糸(75d/36f)と、これに残留伸度
121%のポリエステル半延伸糸を引き揃えて交絡処理
した後、これを下記に示す条件で仮撚し、200d/7
3fの嵩高加工糸となした。この加工糸を経糸緯糸の双
方に用いて、平織物を製織し、実施例2の織物を得た。 仮撚加工条件 スピンドル回転数:250,000R/M 撚数 : 2,530T/M ヒーター温度 : 180℃ フィード率 : −5% 巻取率 : +6.2%
【0035】一方、残留伸度が28%であるレギュラー
ポリエステルの延伸糸(75d/36f)と、残留伸度
が121%であるレギュラーポリエステルの半延伸糸
(115d/36f)の両者を組合せ、実施例2と同一
の条件で仮撚加工を行い、200d/72f)の仮撚加
工糸を得た。この仮撚加工糸を経糸、緯糸の双方に用い
て、平織物を製織し比較例2の織物を得た。
【0036】実施例2と比較例2の織物に、実施例1と
同加工を施し、形態安定性の測定を行った。その結果を
表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】(実施例3)イソフタル酸が酸成分の25
モル%を占め、DSC法による測定で実質的に融点ピー
クを有しない軟化点約150℃の共重合ポリエチレンテ
レフタレートを芯成分とし、酸成分がテレフタル酸10
0%であるポリエチレンテレフタレート(融点255
℃、軟化点240℃)を鞘成分とする芯鞘比率(容積
比)1:1である芯鞘型複合糸(50d/24f)を芯
糸とし、鞘糸として50d/96fのポリエステル延伸
糸を用い、下記の条件で通常の仮撚加工に通して実施例
3の仮撚スラブヤーンを得た。 記 スピンドル回転数:185,500R/M 撚数 : 3,040T/M ヒーター温度 : 200℃ 鞘糸のオーバーフィード率 : +50% 仮撚フィード率 : −3.1% 巻取率 : +6.2% 巻回糸の張力 : 0〜1g/d
【0039】一方、芯糸に芯鞘複合糸の代わりに、酸成
分がテレフタル酸100%の50d/24fのポリエチ
レンテレフタレート糸を使用して実施例3と同一の条件
で比較例3のスラブヤーンを製造した。このようにして
得た実施例3および比較例3のスラブヤーンを経糸に、
75d/36fの通常加工糸を用いた朱子織物(5枚朱
子3飛び)の緯糸に打ち込んで製織した。尚、実施例3
−1は上記方法で製造されたスラブヤーンが緯糸の25
%を占め、実施例3−2は50%を占める。また、比較
例3はスラブヤーンが緯糸の50%を占める。この織物
に通常のポリエステル加工を施した後、形態安定性の測
定を行った。その結果を表3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】
【発明の効果】上述の如く、本発明における複合糸条
は、主として該複合糸条の少なくとも一部に位置する糸
条に本発明の特定フィラメントを用いることにより、該
複合糸を少なくとも一部に用いた布帛に耐久性に優れた
形態安定性という機能を与えるものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフ
    ィン等の熱可塑性合成繊維、綿、絹、羊毛等の天然繊
    維、及びレーヨン、アセテート等の人造繊維よりなる群
    から選ばれた複数種の繊維の組合せからなる異収縮混繊
    糸、嵩高性加工糸、スラブヤーン、リング糸、モール
    糸、その他の意匠糸等の複合糸条において、主に該複合
    繊維糸条の内側に位置する糸条が、JIS K 719
    6の熱機械分析法で測定した芯成分の軟化点が鞘成分の
    軟化点より20℃以上低い芯鞘型複合糸により形成さ
    れ、かつ、該芯鞘型複合糸の芯成分が窒素雰囲気下、1
    0℃/分の昇温速度で加熱する示差熱分析法で融点ピー
    クを生じない実質的に非晶質のポリマーからなる熱可塑
    性合成繊維フィラメントであることを特徴とする形態安
    定性に優れた複合糸条。
  2. 【請求項2】 ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフ
    ィン等の熱可塑性合成繊維、綿、絹、羊毛等の天然繊
    維、及びレーヨン、アセテート等の人造繊維よりなる群
    から選ばれた2種以上の沸水収縮率の異なる糸条を合糸
    したのち、流体交絡により混繊せしめてなる異収縮混繊
    糸において、高沸水収縮率側の糸条として、JIS K
    7196の熱機械分析法で測定した芯成分の軟化点が
    鞘成分の軟化点より20℃以上低い芯鞘型複合糸により
    形成し、該複合糸の芯成分が窒素雰囲気下、10℃/分
    の昇温速度で加熱する示差熱分析法で融点ピークを生じ
    ない実質的に非晶質のポリマーからなる熱可塑性合成繊
    維フィラメントを用いたことを特徴とする形態安定性に
    優れた複合糸条。
  3. 【請求項3】 ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフ
    ィン等の熱可塑性合成繊維、綿、絹、羊毛等の天然繊
    維、及びレーヨン、アセテート等の人造繊維よりなる群
    から選ばれた伸度差が50%以上有る2種以上の繊維糸
    条を引き揃え合糸し、これを仮撚加工により交絡せしめ
    てなる嵩高加工糸において、主に加工糸の内側に位置す
    る低伸度糸条としてJIS K 7196の熱機械分析
    法で測定した芯成分の軟化点が鞘成分の軟化点より20
    ℃以上低い芯鞘型複合糸により形成し、該複合糸の芯成
    分が窒素雰囲気下、10℃/分の昇温速度で加熱する示
    差熱分析法で融点ピークを生じない実質的に非晶質のポ
    リマーからなる熱可塑性合成繊維フィラメントを用いた
    ことを特徴とする形態安定性に優れた複合糸条。
  4. 【請求項4】 芯糸の周囲に、その長手方向に沿って、
    鞘糸が一重スパイラル部と多重スパイラル部が交互に形
    成されるように巻着せしめてなるスラブヤーンにおい
    て、鞘糸がポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン
    等の熱可塑性合成繊維、綿、絹、羊毛等の天然繊維、及
    びレーヨン、アセテート等の人造繊維よりなる群から選
    ばれた一種以上の繊維よりなり、且つ芯糸として、JI
    S K7196の熱機械分析法で測定した芯成分の軟化
    点が鞘成分の軟化点より20℃以上低い芯鞘型複合糸に
    より形成し、該複合糸の芯成分が窒素雰囲気下、10℃
    /分の昇温速度で加熱する示差熱分析法で融点ピークを
    生じない実質的に非晶質のポリマーからなる熱可塑性合
    成繊維フィラメントを用いたことを特徴とする形態安定
    性に優れた複合糸条。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100818824B1 (ko) * 2001-10-18 2008-04-01 에스케이케미칼주식회사 레이온과 나일론 혼섬직물의 제조 방법
JP2010223408A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Hitachi Appliances Inc 真空断熱材並びにそれを用いた断熱箱体及び機器
CN103266397A (zh) * 2013-05-24 2013-08-28 江苏华杰丝绸进出口有限公司 一种含有桑蚕丝、长绒棉和醋酸纤维的复合丝织物

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