JPH10185158A - 廃液噴射用スプレイノズル及びそれを備えた産業廃棄物焼却炉 - Google Patents

廃液噴射用スプレイノズル及びそれを備えた産業廃棄物焼却炉

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Publication number
JPH10185158A
JPH10185158A JP35690496A JP35690496A JPH10185158A JP H10185158 A JPH10185158 A JP H10185158A JP 35690496 A JP35690496 A JP 35690496A JP 35690496 A JP35690496 A JP 35690496A JP H10185158 A JPH10185158 A JP H10185158A
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JP
Japan
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waste liquid
spray nozzle
pipe
furnace
waste
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Application number
JP35690496A
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English (en)
Inventor
Mineo Kawaguchi
峰雄 川口
Hiroshi Torii
寛 鳥居
Takehisa Aoki
威尚 青木
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Nikko Kinzoku KK
Original Assignee
Nikko Kinzoku KK
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Publication date
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  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価に且つ簡単に製造することができるにも
かかわらずハステロイと同等又はそれよりも優れた耐塩
酸性を有する廃液噴射用スプレイノズルを提供する。 【解決手段】 先端から高圧空気を噴射することにより
内管60から供給される廃液を噴霧状に吐出する二重管
構造の廃液噴射用スプレイノズル50は、中心部を軸方
向に延び、その内部を廃液が通る耐熱塩化ビニール樹脂
製の内管60と、そして、内管60と同軸状に且つ該内
管60の周囲に配置され、該内管60の外周面との間に
高圧空気を通す少くともその先端部が耐熱性と耐摩耗性
を備えた材料からなる外管70とを備えて構成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、概略的に、産業廃
棄物焼却炉に用いられる廃液噴射用スプレイノズル及び
それを備えた産業廃棄物焼却炉に係り、特に、耐塩酸性
に優れた廃液噴射用スプレイノズル及びそれを備えた産
業廃棄物焼却炉に関する。
【0002】本発明にて産業廃棄物焼却炉内に噴射され
る廃液としては、例えば、グルタミン酸ソーダ製造工場
からの塩酸を多量に含む発酵廃液、メッキ廃液などの工
場廃液、プリント基板製造工場からの金属を含む廃酸、
グラビア印刷工場からの廃酸などである。
【0003】
【従来の技術】従来、塩酸を含む廃液は、産業廃棄物と
して産業廃棄物焼却炉にて燃焼処理されていた。塩酸を
含む廃液は、塩素基を含むためダイオキシン発生の原因
となる。そこで、かかる廃液の燃焼は、ダイオキンが完
全に分解するとされる700℃以上の炉内温度を有する
位置で行われるように設計される。
【0004】ストーカ・ロータリキルン併用炉において
は、ストーカ炉上方の二次燃焼室直前に廃液噴射用ノズ
ルを設置しており、流動床式焼却炉においては助燃バー
ナなどを用いて炉内を900℃以上の高温に維持した上
で炉頂部付近に廃液噴射用ノズルを設置するようにして
いる。
【0005】図4は、かかる従来の典型的な廃液噴射用
ノズルの縦断面図である。廃液噴射用ノズル30は、概
略的に、内管34と、内管34の周囲に配置された外管
32と、外管32の先端に装着されるノズルセット33
とを有し構成される。廃液は、供給口38から内管34
を通じて先端より排出される。外管32と内管34の隙
間には、供給口37から供給された高圧の空気が通り、
ノズルセット33に設けられた絞り部33aで空気の流
速を高めている。高速の空気により内管34から吐出す
る廃液が混合室33bで撹拌される。そして、ノズルセ
ット33先端に設けられた複数の小孔33cから噴霧さ
れる。
【0006】ところで、かかる廃液噴射用ノズル30
は、噴射される廃液が硫酸や硝酸を含む廃液の場合には
オーステナイト系のステンレス鋼、あるいはこれにM
o,Cuなどを少量加えた合金によって製造しても十分
な耐腐食性を示す。しかしながら、非酸化性の酸である
塩酸を含む廃液をこのような合金で製造した廃液噴射用
ノズル30で使用すると比較的早期に腐食してしまう。
そのような場合には、Ni基の合金で耐塩酸性に優れた
ハステロイ(商品名、米国Haynes Stelli
te Co.,製造販売)を廃液に接触する部分、例え
ば、内管34の全体及びノズルセット33に用いた廃液
噴射用ノズル30が使用される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のハステロイを用いた廃液噴射用ノズル30は、ハステ
ロイの価格が高いために製造単価が高くならざるを得
ず、また、ノズルセット33のような複雑な形状は鍛錬
性の問題から製造することができず鋳造品とせざるを得
なかった。いきおいノズルセット33の製造単価も高く
なり、また、比較的単純な形状とされていたため噴射さ
れる廃液の噴霧状態は一定で且つ調節不可能であった。
すなわち、図示された廃液噴射用ノズル30のように、
内管34は先端部34aを僅かに絞った直管であって外
管32に固定して取り付けられている。また、廃液の噴
霧状態は、ノズルセット33に形成する小孔33cの形
状、数及び配置によってのみ決定されていた。
【0008】本発明は、安価に且つ簡単に製造すること
ができるにもかかわらずハステロイと同等又はそれより
も優れた耐塩酸性を有する廃液噴射用スプレイノズルを
提供することを目的とする。
【0009】本発明は、また、炉内の燃焼状態に応じて
廃液の噴霧状態を調節し、常に理想的な燃焼を可能とす
ることができる廃液噴射用スプレイノズルを提供するこ
とを目的とする。
【0010】本発明は、さらに、そのような廃液噴射用
スプレイノズルを備えることによりいかなる種類の廃酸
をも焼却処理することができる産業廃棄物焼却炉を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、中心部を軸方向に延び、その内部を廃
液が通る耐熱塩化ビニール樹脂製の内管と、そして、内
管と同軸状に且つ該内管の周囲に配置され、該内管の外
周面との間に高圧空気を通す少くともその先端部が耐熱
性と耐摩耗性を備えた材料からなる外管とを備え、先端
から高圧空気を噴射することにより内管から供給される
廃液を噴霧状に吐出する二重管構造の廃液噴射用スプレ
イノズルを提供する。
【0012】塩化ビニール樹脂は、耐酸性に優れ且つ安
価な素材である。この種の産業廃棄物焼却炉では、内部
を通る廃液は塩化ビニール樹脂の熱分解温度以下で用い
られるから、内管の素材としては十分な耐熱性を有する
こととなる。
【0013】また、内管の外周面と外管の間を通る高圧
空気は、内管を冷却する役割を果たすと共に炉内の高温
から塩化ビニール樹脂製の内管を保護する。
【0014】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の廃液噴射用スプレイノズルにおいて、内管が、複雑形
状を有する内側先端ピースと軸方向に同一断面を有する
内側直管ピースとを含んで構成されていることを特徴と
する。
【0015】廃液の噴霧状態を精密に制御するために
は、内管の先端部付近を所定の形状に形成しなければな
らない。内側先端ピースと内側直管ピースとを別部材と
することにより、複雑形状部分を単純な形状のその他の
部分と別途独立して製造可能とする。
【0016】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の廃液噴射用スプレイノズルにおいて、内側先端ピース
が、その外周を通る高圧空気を旋回させる旋回羽根をそ
の外周面上に一体的に有していることを特徴とする。
【0017】内側先端ピースの外周に一体的に形成され
る旋回羽根は、その外側を通る高圧空気を旋回させる。
これにより、先端から高圧空気が噴射される際、高圧空
気は内管から供給される廃液を巻き込んで旋回状態で噴
霧状に吐出する。すなわち、噴霧状の廃液は、軸方向に
高速で移動すると共に回転運動が付加されているため急
速に霧化される。
【0018】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の廃液噴射用スプレイノズルにおいて、外管が、フッ素
系樹脂からなる外側先端ピースと軸方向に同一断面を有
するステレス製の外側直管ピースとを含んで構成されて
いることを特徴とする。
【0019】外側先端ピースと外側直管ピースとを別部
材とすることにより、耐熱性と耐摩耗性を備えると共に
複雑形状部分を単純な形状のその他の部分と別途独立し
て製造可能とする。
【0020】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の廃液噴射用スプレイノズルにおいて、外側先端ピース
が、内側先端ピースの外形に倣って精密に寸法制御され
た中央貫通孔を有していることを特徴とする。
【0021】外側先端ピースの中央貫通孔は、内側先端
ピースの外形に倣った寸法を有しているため、先端から
高圧空気が噴射される際、高圧空気は、内管から供給さ
れる廃液を巻き込みながら理想的な状態で噴霧状に吐出
する。
【0022】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の廃液噴射用スプレイノズルにおいて、内管が外管に対
して軸方向に所定の距離だけ往復移動可能に取り付けら
れており、それによって、吐出される廃液の噴霧形状を
任意に変更可能としたことを特徴とする。
【0023】内管と外管との軸方向の相対位置を変える
ことにより、先端部における内管と外管との隙間が変化
する。これにより、先端から噴射される高圧空気の速度
が変化し、従って、内管からの廃液の噴霧形状を変化さ
せる。
【0024】請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の
いずれか1項に記載の廃液噴射用スプレイノズルを備え
た産業廃棄物焼却炉であって、廃液噴射用スプレイノズ
ルの外寸法よりも僅かに大きな内寸法を有する取付孔を
炉本体に穿設すると共に、該廃液噴射用スプレイノズル
をその全周囲にわたって該取付孔の内壁面から間隔を隔
てるようにして取り付け、さらに、該廃液噴射用スプレ
イノズルと該取付孔との間に形成されるスペースを通し
て炉内燃焼用の二次空気を供給するようにしたことを特
徴とする産業廃棄物焼却炉を提供する。
【0025】廃液噴射用スプレイノズルと取付孔との間
に形成されるスペースを通して炉内に供給される炉内燃
焼用の二次空気は、廃液噴射用スプレイノズルの外管、
特に、炉内に最も近い外側先端ピースを炉内の高温から
保護する。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る廃液噴射用ス
プレイノズル及びそれを備えた産業廃棄物焼却炉につい
て、図面を参照して詳細に説明する。図2は、本発明に
係る廃液噴射用スプレイノズル50を備えた流動床式焼
却炉1の一実施形態を示す。もちろん、産業廃棄物焼却
炉としては、他の種類の焼却炉、例えば、ロータリーキ
ルン式焼却炉、ストーカ式焼却炉、回転炉床式焼却炉な
ど塩酸を含む廃酸(一般の廃液にも使用可能)を炉内に
噴射して燃焼させる焼却炉であればどのようなタイプの
ものでも良い。
【0027】図示された好ましい実施形態においては、
流動床式焼却炉1は、横断面形状がほぼ円形の筒状をな
す炉本体10を有している。炉本体10は、炉頂部10
aから炉床部10bまでの高さが約10mで、炉床部1
0bの直径D1は3mで高さH1は0.6mである。炉
本体10の下部10cの直径D2は4mで、炉床部10
bから下部10cの上端までの高さH2は4mである。
炉本体10の上部10dの直径D3は6.5mで、炉頂
部10aから上部10dの下端までの高さH3は6mで
ある。
【0028】炉床部10bには、多数の空気孔10eが
形成されており、流動化空気がこの空気孔10eを通っ
て炉本体10内に導入される。空気孔10eの直径は6
〜10mmで、互いに100〜150mm離間して形成
することが好ましい。本実施形態では、空気孔10eを
通して炉本体10内に供給される流動化空気量は110
Nm3 /分で、流動床として硅砂を用いた場合のそれが
150Nm3 /分であるから、毎分40Nm3 /分の流
動化空気量を削減できる。これは、後述するように、炉
床部10bの上方には、硅砂に比べて軽量の汚泥に含ま
れていた固形分及び/又はその残渣が流動堆積するから
である。また、Na、Kなどのアルカリ成分は、水蒸気
ガスに同伴されて飛灰として炉内から排出され、電気集
塵機で回収される。よって、アルカリによる炉内レンガ
の腐蝕、溶融物発生等の問題はない。
【0029】比較的軽量の汚泥に含まれている固形分及
び/又はその残渣は、下方からのエアにより良好に流動
する。これにより、炉床部に流動堆積した汚泥に含まれ
ていた固形分及び/又はその残渣の集合体は、所望厚さ
の流動床を形成する。
【0030】かかる流動床式焼却炉1では、焼却対照物
を選んで行なうため、炉床部には固形大型残渣は発生せ
ず、流動層を良好に攪拌する。残渣は、流動層中におい
て摩耗により細粒化され廃ガスに同伴されて飛灰とな
り、電気集塵機で全量回収される。従って、基本的に
は、流動層からの残渣の抜き出しは不要となるが、一部
をバッチで抜き出すようにすることもできる。これによ
り、炉の操業停止をなくすることができる、又は、その
数を大きく減少することができる利点がある。
【0031】炉本体10の下部10cには、補助燃焼手
段としてのバーナ16が円周方向に等間隔に2〜5本設
置される。バーナの燃料としては、重油の他、廃油等か
らの再生油を使用することができる。バーナ16のオン
・オフは、炉本体10内の燃焼ガスの温度を図示しない
センサで測定しながら、廃プラスチック等の他の熱補償
源の供給量との関係で適宜制御される。
【0032】炉本体10の下部10cには、また、塩酸
を含む廃酸(Na、Kなどのアルカリ成分を含む廃アル
カリ、或いは塩酸以外の廃酸にも使用可能)を炉本体1
0内に噴射する本発明に係る噴射ノズル50が円周方向
に等間隔に2〜5本設置される。噴射ノズル50は、そ
こから噴射された廃液がバーナ16から噴射される燃料
によって効率的に乾燥、燃焼されるように、バーナ16
よりも上方に設けられる。
【0033】図1は、かかる噴射ノズル50の一実施形
態の縦断面図である。噴射ノズル50は、概略的に、二
重管構造の内管60及び外管70と、その間に挿着され
たスペーサ80と、そして、外管70の先端側とは反対
の側に固定されその中心部を貫通する内管60を軸方向
に摺動可能に支持する封止部材90とを有し構成されて
いる。
【0034】内管60は、複雑形状を有する内側先端ピ
ース62と、軸方向に同一断面を有する内側直管ピース
64と、そして、両者を接続するパイプソケット66と
を有している。内管60の先端側とは反対の側には、図
示されていない廃液供給源に接続するためのフランジ付
き接続パイプ67が異径ソケット68を介して連結され
ている。廃液と接触するこれら部品は、全て、耐熱塩化
ビニール樹脂製とされる。塩化ビニール樹脂は、塩酸を
含むほぼ全ての酸に対する耐酸性に優れ且つ安価な素材
である。この種の産業廃棄物焼却炉では、内部を通る廃
液は塩化ビニール樹脂の熱分解温度である150℃以
下、実際的には20〜50℃で用いられるから、内管の
素材としては十分な耐熱性を有することとなる。
【0035】また、廃液の噴霧状態を精密に制御するた
めには、内管60の先端部付近を所定の形状に形成しな
ければならない。内側先端ピース62と内側直管ピース
64とを別部材とすることにより、複雑形状部分を単純
な形状のその他の部分と別途独立して製造可能とする。
これにより、内管60全体の製造コストをかなり削減す
ることができる。内側先端ピース62の外周面上には、
複数枚の旋回羽根62aが一体的に形成されている。前
述のように、内側先端ピース62も塩化ビニール樹脂で
製造するため、かかる旋回羽根62aの形成は簡単且つ
精密に行うことができる。内側先端ピース62の外周を
通る高圧空気は、旋回羽根62aによって旋回させる。
これにより、噴射ノズル50の先端から高圧空気が噴射
される際、高圧空気は内管60から供給される廃液を巻
き込んで旋回状態で噴霧状に吐出する。すなわち、噴霧
状の廃液は、軸方向に高速で移動すると共に回転運動が
付加されているため急速に霧化される効果を有する。
【0036】また、内管60の外周面と外管70の間を
通る高圧空気は、内管60を冷却する役割を果たすと共
に炉本体10内の高温から塩化ビニール樹脂製の内管6
0を保護する。
【0037】外管70は、内管60と同軸状に且つ該内
管60の周囲にスペーサ80と封止部材90とにより所
定の隙間を形成するようにして配置される。外管70
は、フッ素系樹脂、例えば、耐熱テフロン樹脂からなる
外側先端ピース72と、軸方向に同一断面を有するステ
レス製の外側直管ピース74と、そして、図示されてい
ない高圧空気源に接続されているフランジ付きパイプ7
8に流体的に連結したステレス製の接続パイプ76とを
含んで構成されている。図示された好ましい実施形態で
は、外側先端ピース72と外側直管ピース74とは捩子
結合されており、一方、外側直管ピース74と接続パイ
プ76とは溶接されている。
【0038】外側先端ピース72は耐摩耗性を備えた材
料である耐熱テフロン樹脂で製造されているから、その
中央貫通孔72aを高圧空気及び廃酸が高速且つ入り乱
れて通過したとしても十分に耐え得ることができる。外
側先端ピース72と外側直管ピース74などとを別部材
とすることにより、耐熱性と耐摩耗性を備えると共に複
雑形状を有する外側先端ピース72を単純な形状のその
他の部分と別途独立して製造可能とする。
【0039】外側先端ピース72の中央貫通孔72a
は、内側先端ピース62の外形に倣った寸法を有してい
る。これにより、噴射ノズル50の先端から高圧空気が
噴射される際、高圧空気は、内管60から供給される廃
液を巻き込みながら理想的な状態で噴霧状に吐出する。
【0040】図示されているように、本発明の噴射ノズ
ル50は、流動床式焼却炉1の壁に穿設された取付孔1
0fに設置される。取付孔10fは、噴射ノズル50の
外寸法よりも僅かに大きな内寸法を有する。そして、噴
射ノズル50は、その全周囲にわたって取付孔10fの
内壁面からほぼ等間隔のスペースを隔てるようにして取
り付けられる。噴射ノズル50と取付孔10fとの間に
形成されるスペースを通して、炉内燃焼用の二次空気を
供給する。
【0041】かかる構成により、このスペースを通して
炉内に供給される炉内燃焼用の二次空気は、噴射ノズル
50の外管70、特に、炉内に最も近い外側先端ピース
72を炉内の高温から保護する。一般に、この種の流動
床式焼却炉1における炉内温度は800℃以上である
が、かかる二次空気による保護及び冷却により外側先端
ピース72を耐熱テフロン樹脂により製造しても十分に
耐え得ることとなる。
【0042】封止部材90は、接続パイプ76の一端を
封止するステンレス鋼製のフランジ92と、そして、そ
の内側に配置されるステンレス鋼製のブッシュ94とを
有している。内側直管ピース64の外周面の所定位置に
接着剤によって固定された封止ソケット69は、ブッシ
ュ94に対して摺動可能に取り付けられている。このよ
うに内管60が外管70に対して軸方向に所定の距離だ
け往復移動可能に取り付けられており、それによって、
吐出される廃液の噴霧形状は任意に変更可能となってい
る。すなわち、内管60と外管70との軸方向の相対位
置を変えると、先端部における内管60と外管70との
隙間が変化する。これにより、先端から噴射される高圧
空気の速度が変化し、従って、内管60からの廃液の噴
霧形状を変化させる。
【0043】再び、図2を参照すると、炉本体10の炉
頂部10aに、炉本体10に廃プラスチックを投入する
ための投入口20と、廃液及び汚泥を炉本体10内に噴
射するための噴射ノズル22とが設けられている。
【0044】図3に示されているように、廃プラスチッ
クは流動床式焼却炉1に熱補償源として供給するに当っ
て前処理することが好ましい。図3に示された産業廃棄
物の処理システムにおいて、廃プラスチックは廃プラス
チックピット2に集められる。これを廃プラスチック粉
砕機3で、数mm〜50mmの粗粒に粉砕し、これを投
入口20から炉本体10内に例えばスクリュウコンベア
などを用いて投入する。粒径の大きなものは、別途炉頂
部10aに設けた二重ダンパ(図示せず)から炉本体1
0内に投入することもできる。1mm以下の微粉は、例
えば、サイクロン、バグフィルタなどを用いて分離し、
図において点線で示した経路を経由して、噴射ノズル2
2の汚泥中に混入される。これにより、微粉廃プラスチ
ックが直接炉本体10内に導入されて過燃焼、すなわ
ち、爆発するのを防止することができる。
【0045】噴射ノズル22は、図2に示されているよ
うに、SUS304にて作製された三重管構造のもので
ある。中心の内管22a内には、前述したものと同様の
廃液が供給され、その外側に配置される中間管22bに
は高圧空気が供給され、そして、さらにその外側に配置
される外管22cには活性汚泥などの可燃性の固形分を
含む汚泥が供給される。前述したように、外管22c内
に供給される汚泥には、微粉廃プラスチックを混入する
こともできる。本実施形態では、外管22cの外径d1
は約125mm、ノズル先端は先細にされ、ノズル先端
の噴射口口径d2は80mmであった。かかる構成に
て、例えば、3〜4kg/cm2 の高圧空気を中間管2
2bより炉本体10内に噴射すると、0〜1kg/cm
2 の圧力で内管22aに供給される廃液も高圧空気と同
様に炉本体10内に噴射される。その結果、噴射ノズル
22の出口にて、外管22cから供給される汚泥と激し
く衝突する。
【0046】従って、炉本体10内に噴射された汚泥
は、炉本体10内に分散される。汚泥は、炉内にて一様
に分散されることが好ましく、そのために、噴射ノズル
22は炉本体10の上部10d空間のほぼ中心に向うよ
うに傾斜して配置することが好ましい。この傾斜角度θ
は、図示された実施形態では約13°であるが、これに
より良好な結果を得ることができた。炉本体10の上部
10dには、また、前述した第一の噴射ノズル50とは
別に、必要に応じて廃液のみを炉内に供給し得る第二の
噴射ノズル50を設けることができる。
【0047】本実施形態では、投入口20から炉本体1
0内に投入される廃プラスチックは、ポリエチレン、ア
クリルなどの種々のプラスチックであるが、前述のよう
に、炉内で燃焼し易いように1〜50mmに粉砕されて
いる。従って、本発明において、炉内に投入された廃プ
ラスチックは熱補償のための燃料として機能するもので
ある。同様に、噴射ノズル22の外管22cより供給さ
れる汚泥中に混入した微粉廃プラスチックも、水分を除
去され乾燥した場合には燃料として機能する。かかる微
粉廃プラスチックは、汚泥中に混入して炉本体10内に
投入されるため、時間的にずれて少しずつ乾燥するため
急激な燃焼、爆発は起こらない。投入口20からの廃プ
ラスチックは、図示されていないスクリュウコンベアに
て供給されるものであるが、その供給量は、必要とされ
る燃焼量に応じて適宜調節される。廃液は、塩酸を含む
廃酸である場合に最も効果的であるが、工場にて発生す
るスクラバー洗浄液、メッキ廃液などNa、K等のアル
カリ成分を含むものであっても良い。しかも、これら
は、通常、COD(Chemical OxygenD
emand)が2000〜10万ppmである。また、
汚泥は、下水スラッジのような種々の有機物を含む活性
汚泥とした。
【0048】次に、上記構成の流動床式焼却炉1の作動
について説明する。空気孔10eを通して流動化空気
を、前述のように、110Nm3 /分の流量で炉本体1
0内に導入する。バーナ16を点火して炉床部10b付
近を加熱すると汚泥中の水分が除去されて炉床部10b
上に固形分のみが堆積する。この固形分の集合が空気孔
10eを通る流動化空気によって、浮揚且つ流動化して
燃焼し、約1.5mの流動床を形成する。バーナ16に
用いられる燃料としては、再生油と廃油とを混合して用
いることもできる。
【0049】本実施形態によれば、流動床を構成する成
分は、汚泥に含まれていた可燃性の固形分及び/又はそ
の残渣であり、従来の硅砂に比べると軽量であるため、
空気孔10eを通して炉内に導入する流動化空気の量も
少なくてすむ利点がある。さらに、従来システムに比べ
て、流動化空気の減少分だけ所定の温度まで昇温させる
の必要な熱エネルギがいらなくなる利点もある。
【0050】後述するように、炉頂部10aから炉内に
投入される廃プラスチックが熱分解して燃焼することに
より、更には、廃液、汚泥などが加水分解されて発生す
る未燃ガス分が炉内で燃焼することにより、炉本体10
内は加熱される。これによって、流動床を含む炉本体1
0の下部10cは約800℃となり、上部10dでは9
00〜1000℃の温度まで昇温する。
【0051】本実施形態によれば、噴射ノズル22より
高圧空気と共に激しく噴射され炉内に均一に分散される
汚泥は、同じく噴射ノズル22より高圧空気と共に激し
く噴射される廃液及び投入口20から投入される廃プラ
スチックの燃焼により炉本体10の上部10dで完全に
乾燥され、さらに、下部10cで固形分が加熱分解され
る。これによって、未燃ガス分は上部10dの熱源とし
て燃焼され、不燃ガス分は炉頂部10aに形成した排ガ
ス吐出口26より排ガス処理施設、例えば、図3に示す
ような廃熱ボイラ4、電気集塵装置5、湿式有害ガス除
去装置などに送られる。更に、第一及び第二の噴射ノズ
ル50から噴射される廃液も、上部10dにおける燃焼
ガスの加熱により及び下部10cにおける高温雰囲気に
より水分などが完全に蒸発し、残った固形分は加熱分解
される。これにより発生した未燃ガス分も炉本体10内
で燃焼される。
【0052】本実施形態によれば、内管60が外管70
に対して軸方向に所定の距離だけ往復移動可能に取り付
けられており、それによって、吐出される廃液の噴霧形
状は任意に変更可能となっている。従って、炉内の燃焼
状態を見ながら最適の噴霧状態で廃液を炉内に供給して
燃焼させることができる。
【0053】(実施例)図3に示した処理システムは、
廃液(廃酸、廃アルカリ)1550トン/月、汚泥(活
性汚泥)355トン/月、廃プラスチック230トン/
月の処理が可能であった。この場合、炉底部から排出さ
れる残渣の量は30トン/月で、容積減少率約1.5%
を達成することができた。
【0054】空気孔10eから炉床部10bに吹き込ま
れる流動化空気量及び噴射ノズル22の中間管22bか
ら噴射する高圧空気量は110Nm3 /分及び20Nm
3 /分で、投入口20から炉内に投入する廃プラスチッ
クは数mm〜から50mmとし、それ以下のサイズの廃
プラスチックは噴射ノズル22の外管22cから炉内に
噴射する汚泥中に混入した。炉内温度を測定したところ
炉床部10bで800℃、上部10dで900〜100
0℃であった。また、排ガス吐出口26から排出される
排ガスの量は、180〜200Nm3 /分で、水分が水
蒸気化した分及び廃プラスチック等可燃分の排ガス分だ
け炉内へのエア供給量より多くなっていた。排ガス中の
一酸化炭素(CO)及び酸素(O2)は、それぞれ0.
002〜0.003%及び4〜13%となるように風量
を調節した。一酸化炭素(CO)が0.01%を越える
ような場合酸素が不足して残渣が増えてしまうためであ
る。
【0055】
【発明の効果】本発明に係る廃液噴射用スプレイノズル
は、中心部を軸方向に延び、その内部を廃液が通る耐熱
塩化ビニール樹脂製の内管と、そして、内管と同軸状に
且つ該内管の周囲に配置され、該内管の外周面との間に
高圧空気を通す少くともその先端部が耐熱性と耐摩耗性
を備えた材料からなる外管とを備えており、先端から高
圧空気を噴射することにより内管から供給される廃液を
噴霧状に吐出するから、安価に且つ簡単に製造すること
ができるにもかかわらずハステロイと同等又はそれより
も優れた耐塩酸性を有する廃液噴射用スプレイノズルを
提供することができる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る廃液噴射用スプレイノズルの一
実施形態の縦断面図である。
【図2】 本発明に係る廃液噴射用スプレイノズルを備
えた流動床式焼却炉の一実施形態を示す縦断面図であ
る。
【図3】 図2の流動床式焼却炉を含む産業廃棄物処理
システムの概略図である。
【図4】 従来の典型的な廃液噴射用ノズルの縦断面図
である。
【符号の説明】 1 流動床式焼却炉 2 廃プラスチックピット 3 廃プラスチック粉砕機 4 廃熱ボイラ 5 電気集塵機 10 炉本体 10a 炉頂部、10b 炉床部、10c 下部、10
d 上部、10e 空気孔、10f 取付孔 16 バーナ 20 投入口 22 噴射ノズル 22a 内管、22b 中間管、22c 外管 26 排ガス吐出口 50 噴射ノズル 60 内管 62 内側先端ピース 62a 旋回羽根 64 内側直管ピース 66 パイプソケット 70 外管 72 外側先端ピース 72a 中央貫通孔 74 外側直管ピース 80 スペーサ 90 封止部材
【手続補正書】
【提出日】平成9年2月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】(実施例)図3に示した処理システムは、
廃液(廃酸、廃アルカリ)1550トン/月、汚泥(活
性汚泥)355トン/月、廃プラスチック230トン/
月の処理が可能であった。この場合、炉底部から排出さ
れる残渣の量は30トン/月で、容積減少率約98.5
%を達成することができた。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心部を軸方向に延び、その内部を廃
    液が通る耐熱塩化ビニール樹脂製の内管と、そして、 前記内管と同軸状に且つ該内管の周囲に配置され、該内
    管の外周面との間に高圧空気を通す少くともその先端部
    が耐熱性と耐摩耗性を備えた材料からなる外管と、 を備え、先端から高圧空気を噴射することにより内管か
    ら供給される廃液を噴霧状に吐出する二重管構造の廃液
    噴射用スプレイノズル。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の廃液噴射用スプレイノ
    ズルにおいて、 前記内管が、複雑形状を有する内側先端ピースと軸方向
    に同一断面を有する内側直管ピースとを含んで構成され
    ていることを特徴とする廃液噴射用スプレイノズル。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の廃液噴射用スプレイノ
    ズルにおいて、 前記内側先端ピースが、その外周を通る高圧空気を旋回
    させる旋回羽根をその外周面上に一体的に有しているこ
    とを特徴とする廃液噴射用スプレイノズル。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の廃液噴射用スプレイノ
    ズルにおいて、 前記外管が、フッ素系樹脂からなる外側先端ピースと軸
    方向に同一断面を有するステレス製の外側直管ピースと
    を含んで構成されていることを特徴とする廃液噴射用ス
    プレイノズル。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の廃液噴射用スプレイノ
    ズルにおいて、 前記外側先端ピースが、前記内側先端ピースの外形に倣
    って精密に寸法制御された中央貫通孔を有していること
    を特徴とする廃液噴射用スプレイノズル。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の廃液噴射用スプレイノ
    ズルにおいて、 前記内管が前記外管に対して軸方向に所定の距離だけ往
    復移動可能に取り付けられており、それによって、吐出
    される廃液の噴霧形状を任意に変更可能としたことを特
    徴とする廃液噴射用スプレイノズル。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の廃
    液噴射用スプレイノズルを備えた産業廃棄物焼却炉であ
    って、 前記廃液噴射用スプレイノズルの外寸法よりも僅かに大
    きな内寸法を有する取付孔を炉本体に穿設すると共に、
    該廃液噴射用スプレイノズルをその全周囲にわたって該
    取付孔の内壁面から間隔を隔てるようにして取り付け、
    さらに、該廃液噴射用スプレイノズルと該取付孔との間
    に形成されるスペースを通して炉内燃焼用の二次空気を
    供給するようにしたことを特徴とする産業廃棄物焼却
    炉。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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