JPH10186356A - 液晶表示素子用光学補償フィルム - Google Patents

液晶表示素子用光学補償フィルム

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JPH10186356A
JPH10186356A JP8350150A JP35015096A JPH10186356A JP H10186356 A JPH10186356 A JP H10186356A JP 8350150 A JP8350150 A JP 8350150A JP 35015096 A JP35015096 A JP 35015096A JP H10186356 A JPH10186356 A JP H10186356A
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JP
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liquid crystal
film
liquid crystalline
substrate
crystalline polymer
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JP8350150A
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English (en)
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Takuya Matsumoto
卓也 松本
Takehiro Toyooka
武裕 豊岡
Tadahiro Kaminade
忠広 上撫
Yosuke Numao
洋介 沼尾
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造が容易で優れた視野角拡大効果をもつ液
晶表示素子用光学補償フィルムを提供する。 【解決手段】 光学的に正の一軸性を示す液晶性高分子
より実質的に形成され、該液晶性高分子が液晶状態にお
いて形成したネマチックハイブリッド配向を固定化せし
めた液晶表示素子用光学補償フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的に正の一軸
性を示す液晶性高分子の配向を固定化した液晶表示素子
用補償フィルム、および該フィルムを組み込んだツイス
テッドネマチック型液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】TET素子あるいはMIM素子などを用
いたアクティブ駆動のツイステッドネマチック型液晶表
示装置(以下TN−LCDと略称する)は、薄型、軽
量、低消費電力というLCD本来の特長に加えて、正面
から見た場合CRTに匹敵する画質を有するために、ノ
ートパソコン、携帯用テレビ、携帯用情報端末などの表
示装置として広く普及している。しかしながら、従来の
TN−LCDにおいては、液晶分子のもつ屈折率異方性
のため斜めから見たときに表示色が変化するあるいは表
示コントラストが低下するという視野角の問題が本質的
に避けられず、その改良が強く望まれており、改良のた
めの様々な試みがなされている。一つの画素を分割して
それぞれの画素への印可電圧を一定の比で変える方法
(ハーフトーングレースケール法)、一つの画素を分割
してそれぞれの画素での液晶分子の立ち上がり方向を変
える方法(ドメイン分割法)、液晶に横電界をかける方
法(IPS法)、垂直配向させた液晶を駆動する方法
(VA液晶法)、あるいはベンド配向セルと光学補償板
を組み合わせる方法(OCB法)などが提案され、開発
・試作されている。しかしながらこれらの方法は一定の
効果はあるものの、配向膜、電極、液晶配向などを変え
なければならず、そのための製造技術確立および製造設
備の新設が必要となり、結果として製造の困難さとコス
ト高を招いている。
【0003】一方TN−LCDの構造は一切変えず、従
来のTN−LCDに光学補償フィルムを組み込むことで
視野角を拡大させる方法がある。この方法はTN−LC
D製造設備の改良・増設が不要でコスト的に優れてお
り、簡便に使用できる利点があるため注目されており多
くの提案がある。ノーマリーホワイト(NW)モードの
TN−LCDに視野角問題が発生する原因は、電圧を印
可した黒表示時のセル中の液晶の配向状態にある。この
場合液晶はほぼ垂直配向しており光学的に正の一軸性と
なっている。したがって視野角を広げるための光学補償
フィルムとしては、液晶セルの黒表示時の正の一軸性を
補償するために、光学的に負の一軸性を示すフィルムを
用いる提案がなされている。またセル中の液晶が、黒表
示時においても、配向膜界面付近ではセル界面と平行も
しくは傾いた配向をしていることに着目し、光学軸が傾
いた負の一軸性のフィルムを用いて補償することによっ
て、さらに視野角拡大効果を高める方法も提案されてい
る。
【0004】例えば特開平4−349424、6−25
0166号公報にはらせん軸が傾いたコレステリックフ
ィルムを用いた光学補償フィルムおよびそれを用いたL
CDが提案されている。しかしながららせん軸が傾いた
コレステリックフィルムを製造することは困難であり、
実際にもこれら特許中にはらせん軸を傾けるための方法
がまったく記載されていない。また特開平5−2495
47、6−331979号公報には光軸が傾いた負の一
軸補償器を用いたLCDが提案されており、具体的な実
施態様としては多層薄膜補償器を用いている。さらに特
開平7−146409、8−5837号公報などにおい
て光軸が傾いた負の一軸性補償フィルムとしてディスコ
チック液晶を傾斜配向させた光学補償フィルム及びそれ
を用いたLCDが提案されている。しかしながらディス
コチック液晶は化学構造が複雑であり合成が煩雑であ
る。また低分子液晶であるためにフィルム化する場合光
架橋などの複雑なプロセスを必要とし、工業的製造に困
難が伴い結果的にコスト高となる。
【0005】補償フィルムの他の形態としては正の一軸
性を有する液晶性高分子を用いた配向フィルムも提案さ
れている。例えば特開平7−140326号公報におい
てねじれチルト配向した液晶性高分子フィルムからなる
LCD用補償板が提案されており、LCDの視野角拡大
に用いられている。しかしながらチルト配向に加えてね
じれ配向を同時に導入することは工業的には容易ではな
い。また特開平7−198942、7−181324号
公報には類似技術として、ネマチック液晶性高分子を光
軸が板面と交差するように配向させたフィルムからなる
視野角補償板及びそれを用いたLCDが提案されてい
る。しかしながらこの場合も光軸を単純に傾斜させた補
償板を用いているため、視野角拡大効果が十分とは言え
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはこれら上
記各技術の課題点に鑑み、フィルムの原料となる液晶化
合物の製造およびフィルム自体の製造が簡便な正の一軸
性高分子液晶に着目した。さらには従来の正の一軸性を
示す高分子液晶からなる光学補償フィルムの欠点であっ
たことを解消し、さらなる光学補償性能の向上を目的と
し鋭意検討を重ねた結果遂に本発明を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の第1
は、光学的に正の一軸性を示す液晶性高分子より実質的
に形成され、該液晶性高分子が液晶状態において形成し
たネマチックハイブリッド配向を固定化せしめたことを
特徴とする液晶表示素子用光学補償フィルムに関する。
さらに本発明の第2は、電極を備えた一対の透明基板と
ネマチック液晶とからなる駆動用液晶セルと、該基板の
上下に配置された上側偏光板、下側偏光板を少なくとも
備えたツイステッドネマチック型液晶表示装置であっ
て、該基板と上側もしくは下側偏光板のうちどちらか一
方の間または該基板と上側および下側偏光板のそれぞれ
の間に本発明第1の液晶表示素子用光学補償フィルムを
少なくとも1枚組み込んだことを特徴とするツイステッ
ドネマチック型液晶表示装置に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳し
く説明する。本発明の補償フィルムは、TN−LCDの
視野角依存性を大幅に改良するものである。まず、補償
の対象となるTN−LCDについて説明する。TN−L
CDは駆動方式で分類すれば、単純マトリクス方式、能
動素子を電極として用いるTFT(Thin Film
Trasistor)電極、MIM(Metal I
nsulator Metal、あるいはTFD;Th
inFilm Diode)電極を用いるアクティブマ
トリクス方式等のように細分化できる。本発明の補償フ
ィルムはいずれの駆動方式に対しても効果を有する。
尚、公知の技術であるハーフトーングレースケール方式
(画素分割方式)、ドメイン分割方式は、LCDの視野
角拡大を液晶セル側から行おうという試みで考えられた
ものである。このような視野角がある程度改善されたL
CDに対しても本発明の補償フィルムは、有効に作用し
更なる視野角拡大効果が可能となる。上記の如きTN−
LCDに対し、優れた視野角拡大効果を与えうる本発明
の補償フィルムは、光学的に正の一軸性を示す液晶性高
分子、具体的には光学的に正の一軸性を示す液晶性高分
子化合物または少なくとも1種の該液晶性高分子化合物
を含有する光学的に正の一軸性を示す液晶性高分子組成
物から成り、該液晶性高分子化合物または該液晶性高分
子組成物が液晶状態において形成したネマチックハイブ
リッド配向形態を固定化して形成される。
【0009】ここで本発明でいうネマチックハイブリッ
ド配向とは、液晶性高分子がネマチック配向しており、
このときの液晶性高分子のダイレクターとフィルム平面
のなす角がフィルム上面と下面で異なった配向形態を言
う。したがって、上面と下面とで該ダイレクターとフィ
ルム平面との成す角度が異なっていることから、該フィ
ルムの上面と下面との間では該角度が連続的に変化して
いるものといえる。本発明の補償フィルムは、正の一軸
性の液晶性高分子のネマチックハイブリッド配向状態を
固定化したフィルムであるがため、液晶性高分子のダイ
レクターがフィルムの膜厚方向のすべての場所において
異なる角度を向いている。したがって本発明の補償フィ
ルムは、フィルムという構造体として見た場合、もはや
光軸は存在しない。
【0010】本発明に用いることができる光学的に正の
一軸性を示す液晶性高分子は、液晶相としてネマチック
相を持つものである。さらに液晶転移点を越える温度に
おいて、配向基板上でネマチックハイブリッド配向を形
成し、該配向形態を損なうことなくガラス状態で固定化
できるものであることが必須である。上記の如き性質を
有する液晶性高分子として、 ホメオトロピック配向性の液晶性高分子、具体的に
はホメオトロピック配向性の液晶性高分子化合物または
少なくとも1種のホメオトロピック配向性の液晶性高分
子化合物を含有するホメオトロピック配向性の液晶性高
分子組成物、 少なくとも1種のホメオトロピック配向性の液晶性
高分子と、少なくとも1種のホモジニアス配向性の液晶
性高分子を少なくとも含有する液晶性高分子組成物、 が挙げられる。以下、順に説明する。
【0011】先ず、ホメオトロピック配向性の液晶性高
分子について説明する。ホメオトロピック配向とは、ダ
イレクターが基板平面に略垂直な配向状態をいう。この
ホメオトロピック配向性液晶性高分子が、本発明のネマ
チックハイブリッド配向を実現するための必須成分であ
る。液晶性高分子がホメオトロピック配向性であるか否
かの判定は、基板上に液晶性高分子層を形成し、その配
向状態を判定することで行う。この判定に用いることの
できる基板としては特に限定はないが、例としてはガラ
ス基板(具体的には、ソーダガラス、カリガラス、ホウ
珪酸ガラスあるいはクラウンガラス、フリントガラスと
いった光学ガラスなど)、液晶性高分子の液晶温度にお
いて耐熱性のあるプラスチックフィルムまたはシート、
例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポ
リアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポ
リエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ
ケトンサルファイド、ポリエーテルスルフォンなどを挙
げることができる。上記に例示した基板は、酸、アルコ
ール類、洗剤などで表面を洗浄した後に用いるが、シリ
コン処理などの表面処理は行わずに用いる。
【0012】本発明に用いるホメオトロピック配向性の
液晶性高分子とは、これら適当な基板上に液晶性高分子
の膜を形成し、該液晶性高分子が液晶状態を示す温度で
熱処理したとき、これら例示した基板の内少なくともど
れか1種類の基板上でホメオトロピック配向するものを
ホメオトロピック配向性の液晶性高分子と本発明では定
義する。ただし、液晶性高分子によっては液晶−等方相
転移点付近の温度で特異的にホメオトロピック配向する
ものがあるので、通常、上記の如き熱処理操作は、液晶
−等方相転移点より15℃以下、好ましくは20℃以下
の温度で行うことが望ましい。ホメオトロピック配向性
を示す液晶性高分子を具体的に説明する。本発明に用い
ることができる該液晶性高分子としては、上記の如き性
質を有するものであれば特に制限されない。一般に液晶
性高分子がホメオトロピック配向性を示すためには、分
子構造中に適当な基を有すること、および分子量が適当
なことが重要である。液晶性高分子にホメオトロピック
配向性を付与できる基としては、嵩高い置換基を有する
芳香族基、長鎖アルキル基を有する芳香族基、フッ素原
子を有する芳香族基等があげられる。具体的な液晶性高
分子としては、これらの置換基を主鎖に有する例えばポ
リエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリエステルイミド等の主鎖型液晶性高分子であ
る。これらの中でも特に合成の容易さ、フィルム化の容
易さおよび得られたフィルムの物性の安定性などから液
晶性ポリエステルが好ましい。以下に具体的な構造例を
示す。
【0013】主鎖型ホメオトロピック配向性の液晶性高
分子
【化1】
【0014】
【化2】
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】
【化9】
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】
【0024】
【化12】
【0025】
【化13】
【0026】
【化14】
【0027】
【化15】
【0028】
【化16】
【0029】
【化17】
【0030】
【化18】
【0031】
【化19】
【0032】
【化20】
【0033】
【化21】
【0034】上記の中でも特に、(1),(3),
(4),(6),(7),(10),(11),(1
7)および(20)の液晶性ポリエステルが好ましい。
【0035】またホメオトロピック配向性の液晶性高分
子としては、上記の置換基を有する構成単位を側鎖とし
て持つ側鎖型液晶性高分子、例えばポリアクリレート、
ポリメタクリレート、ポリシロキサン、ポリマロネート
等の側鎖型液晶性高分子もあげられる。以下に具体的な
構造例を示す。
【0036】側鎖型ホメオトロピック配向性の液晶性高
分子
【化22】
【0037】
【化23】
【0038】
【化24】
【0039】
【化25】
【0040】
【化26】
【0041】
【化27】
【0042】
【化28】
【0043】
【化29】
【0044】
【化30】
【0045】
【化31】
【0046】
【化32】
【0047】
【化33】
【0048】
【化34】
【0049】
【化35】
【0050】
【化36】
【0051】上記の中でも特に(22),(23),
(25),(28),(29),(32),(34)お
よび(35)の側鎖型液晶性高分子が好ましい。
【0052】以上説明したホメオトロピック配向性の液
晶性高分子は、1種単独または少なくとも1種の該液晶
性高分子を含有する組成物として本発明に用いる。なお
組成物として本発明に用いる際、ホメオトロピック配向
性を示す液晶性高分子を2種以上含有する組成物であっ
たとしても何ら本発明の補償フィルムには差し支えな
い。
【0053】良好なホメオトロピック配向性を示すため
には液晶性高分子の分子量も重要である。主鎖型液晶性
高分子の場合、分子量は、各種溶媒中、たとえばフェノ
ール/テトラクロロエタン(60/40(重量比))混
合溶媒中、30℃で測定した対数粘度が通常0.05か
ら2.0が好ましく、さらに好ましくは0.07から
1.0の範囲である。対数粘度が0.05より小さい場
合、補償フィルムの機械的強度が弱くなり好ましくな
い。また、2.0より大きい場合、ホメオトロピック配
向性が失われる恐れがある。また液晶状態において粘性
が高くなりすぎる恐れがあり、ホメオトロピック配向し
たとしても配向に要する時間が長くなる可能性がある。
側鎖型液晶性高分子液晶の場合、分子量はポリスチレン
換算重量平均分子量で通常1000から10万、好まし
くは3000から5万の範囲が好ましい。分子量が10
00より小さい場合、補償フィルムの機械的強度が弱く
なる恐れがあり望ましくない。また、10万より大きい
場合、ポリマーの溶媒に対する溶解性が低下する、塗布
液の溶液粘度が高くなりすぎ均一塗膜を得ることができ
ないなどの製膜上の問題点を生じる恐れがあり望ましく
ない。
【0054】また本発明では、上述したホメオトロピッ
ク配向性の液晶性高分子に、他の液晶性高分子化合物
(または組成物)または液晶性を示さない高分子化合物
(または組成物)を加えた液晶性高分子組成物を用いる
こともできる。該組成物を用いることにより、 その組成比の調節でネマチックハイブリッド配向の
平均チルト角を自在に制御することができる、 ネマチックハイブリッド配向の安定化を図ることが
できる、 などの利点がある。ホメオトロピック配向性の液晶性高
分子に加える高分子化合物(または組成物)としては、
先に説明したように液晶性を示さない各種の高分子化合
物(または組成物)を用いることもできるが、ホメオト
ロピック配向性の液晶性高分子との相溶性の観点から、
同じく液晶性を示す高分子化合物(または組成物)を用
いることが好ましい。なおここでいう液晶性高分子化合
物(または組成物)とは、ホメオトロピック配向性に制
限されるものではない。用いられる液晶性高分子の種類
としては、主鎖型液晶性高分子;例えばポリエステル、
ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネ
ート、ポリエステルイミド等、側鎖型液晶性高分子;例
えばポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシロ
キサン、ポリマロネート等を例示することができる。ホ
メオトロピック配向性液晶性高分子との相溶性を有する
ものならば特に限定されないが、なかでもホモジニアス
配向性の液晶性高分子化合物(または組成物)、より具
体的にはホモジニアス配向性のポリエステル、ポリアク
リレート、及びポリメタクリレート等が好ましい。以下
に構造例を示す。
【0055】主鎖型ホモジニアス配向性の液晶性高分子
【化37】
【0056】
【化38】
【0057】
【化39】
【0058】
【化40】
【0059】
【化41】
【0060】
【化42】
【0061】
【化43】
【0062】
【化44】
【0063】
【化45】
【0064】
【化46】
【0065】側鎖型ホモジニアス配向性の液晶性高分子
【化47】
【0066】
【化48】
【0067】
【化49】
【0068】
【化50】
【0069】
【化51】
【0070】これらの分子量は、主鎖型液晶性高分子の
場合、分子量は、各種溶媒中、たとえばフェノール/テ
トラクロロエタン(60/40(重量比))混合溶媒
中、30℃で測定した対数粘度が通常0.05から3.
0が好ましく、さらに好ましくは0.07から2.0の
範囲である。対数粘度が0.05より小さい場合、補償
フィルムの機械的強度が弱くなる恐れがある。また、
3.0より大きい場合、ホメオトロピック配向を阻害す
る、あるいは液晶形成時の粘性が高くなりすぎ、配向に
要する時間が長くなる、といった恐れがあるので望まし
くない。側鎖型高分子液晶の場合、分子量はポリスチレ
ン換算重量平均分子量で通常5000から20万、好ま
しくは1万から15万の範囲が好ましい。分子量が50
00より小さい場合、補償フィルムの機械的強度が弱く
なる恐れがある。また、20万より大きい場合、ポリマ
ーの溶媒に対する溶解性が低下する、塗布液の溶液粘度
が高くなりすぎ均一塗膜を得ることができないなどの製
膜上の問題点を生じる恐れがあり望ましくない。
【0071】以上説明した各種の液高分子の合成法は、
特に制限されるものではない。本発明に用いることがで
きる液晶性高分子は、当該分野で公知の重合法で合成す
ることができる。例えばポリエステル合成を例に取れ
ば、溶融重合法あるいは対応するジカルボン酸の酸クロ
ライドを用いる酸クロライド法で合成することができ
る。上記の如き正の一軸性を有する液晶性高分子を用い
て、均一にネマチックハイブリッド配向を固定化した補
償フィルムを得るには、以下に説明する配向基板および
各工程を踏むことが本発明において好ましい。
【0072】先ず、配向基板について説明する。本発明
の如く、正の一軸性の液晶性高分子を用いてネマチック
ハイブリッド配向を得るためには、該液晶性高分子層の
上下を異なる界面で挟むことが望ましく、上下を同じ界
面で挟んだ場合には、該液晶性高分子層の上下界面にお
ける配向が同一となってしまい、本発明のネマチックハ
イブリッド配向を得ることが困難となってしまう。具体
的な態様としては、一枚の配向基板と空気界面とを利用
し、正の一軸性の液晶性高分子層の下界面を配向基板
に、また該液晶性高分子層の上界面を空気に接するよう
にする。上下に界面の異なる配向基板を用いることもで
きるが、製造プロセス上、一枚の配向基板と空気界面と
を利用する方が望ましい。本発明に用いることのできる
配向基板は、液晶分子の傾く向き(ダイレクターの配向
基板への投影)を規定できるように、異方性を有してい
ることが望ましい。配向基板が、全く液晶の傾く向きを
規定できない場合には、無秩序な方位に傾いた配向形態
しか得ることができない(ダイレクターを該基板へ投影
したベクトルが無秩序になる)。
【0073】本発明に用いることのできる配向基板とし
て、具体的には面内の異方性を有しているものが望まし
く、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリ
エーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエ
ーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテル
スルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファ
イド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポ
リアリレート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、
ポリプロピレン、セルロース系プラスチックス、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂などのプラスチックフィルム基
板および一軸延伸プラスチックフィルム基板、表面にス
リット状の溝を付けたアルミ、鉄、銅などの金属基板、
表面をスリット状にエッチング加工したアルカリガラ
ス、ホウ珪酸ガラス、フリントガラスなどのガラス基
板、などである。
【0074】本発明においては上記プラスチックフィル
ム基板にラビング処理を施したラビングプラスチックフ
ィルム基板、またはラビング処理を施したプラスチック
薄膜、例えばラビングポリイミド膜、ラビングポリビニ
ルアルコール膜などを有する上記各種基板、さらに酸化
珪素の斜め蒸着膜などを有する上記各種基板なども用い
ることができる。上記各種配向基板において、本発明の
如き正の一軸性の液晶性高分子をネマチックハイブリッ
ド配向に形成せしめるのに好適な該基板としては、ラビ
ングポリイミド膜を有する各種基板、ラビングポリイミ
ド基板、ラビングポリエーテルエーテルケトン基板、ラ
ビングポリエーテルケトン基板、ラビングポリエーテル
スルフォン基板、ラビングポリフレェニレンサルファイ
ド基板、ラビングポリエチレンテレフタレート基板、ラ
ビングポリエチレンナフタレート基板、ラビングポリア
リレート基板、セルロース系プラスチック基板を挙げる
ことができる。
【0075】本発明の補償フィルムは、該フィルムの上
面と下面とでは、正の一軸性の液晶性高分子のダイレク
ターとフィルム平面とのなす角度が異なる。該基板側の
フィルム面は、その配向処理の方法や正の一軸性の液晶
性高分子の種類によって0度以上50度以下または60
度以上90度以下のどちらかの角度範囲に調節できる。
通常、配向基板に接したフィルムの界面近傍の該液晶性
高分子のダイレクターとフィルム平面とのなす角度を0
度以上50度以下の角度範囲に調整する方が製造プロセ
ス上望ましい。本発明の補償フィルムは、上記の如き配
向基板上に正の一軸性の液晶性高分子を塗布し、次いで
均一配向過程、配向形態の固定化過程を経て得られる。
該液晶性高分子の配向基板への塗布は、通常正の一軸性
の液晶性高分子を各種溶媒に溶解した溶液状態または該
液晶性高分子を溶融した溶融状態で行うことができる。
製造プロセス上、正の一軸性の液晶性高分子を溶媒に溶
解した該溶液を用いて塗布する、溶液塗布が望ましい。
【0076】溶液塗布について説明する。正の一軸性の
液晶性高分子を溶媒に溶かし、所定濃度の溶液を調製す
る。本発明の補償フィルムの膜厚(正の一軸性の液晶性
高分子より形成される層の膜厚)は、該液晶性高分子を
基板に塗布する段階で決まるため、精密に濃度、塗布膜
の膜厚などの制御をする必要がある。上記溶媒として
は、正の一軸性の液晶性高分子の種類(組成比など)に
よって一概には言えないが、通常はクロロホルム、ジク
ロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロ
ロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレ
ン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼンなどのハ
ロゲン化炭化水素類、フェノール、パラクロロフェノー
ルなどのフェノール類、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼンな
どの芳香族炭化水素類、アセトン、酢酸エチル、ter
t−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、2−ピロリ
ドン、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、トリエ
チルアミン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ア
セトニトリル、ブチロニトリル、二硫化炭素など、およ
びこれらの混合溶媒、例えばハロゲン化炭化水素類とフ
ェノール類との混合溶媒などが用いられる。
【0077】溶液の濃度は、用いる正の一軸性の液晶性
高分子の溶解性や最終的に目的とする補償フィルムの膜
厚に依存するため一概には言えないが、通常3〜50重
量%の範囲で使用され、好ましくは7〜30重量%の範
囲である。上記の溶媒を用いて所望の濃度に調整した正
の一軸性の液晶性高分子溶液を、次に上述にて説明した
配向基板上に塗布する。塗布の方法としては、スピンコ
ート法、ロールコート法、プリント法、浸漬引き上げ
法、カーテンコート法などを採用できる。塗布後、溶媒
を除去し、配向基板上に膜厚の均一な液晶性高分子の層
を形成させる。溶媒除去条件は、特に限定されず、溶媒
がおおむね除去でき、正の一軸性の液晶性高分子の層が
流動したり、流れ落ちたりさえしなければ良い。通常、
室温での乾燥、乾燥炉での乾燥、温風や熱風の吹き付け
などを利用して溶媒を除去する。この塗布・乾燥工程の
段階は、先ず基板上に均一に液晶性高分子の層を形成さ
せることが目的であり、該液晶性高分子は、まだネマチ
ックハイブリッド配向を形成していない。次の熱処理工
程により、モノドメインなネマチックハイブリッド配向
を完成させる。
【0078】熱処理によってネマチックハイブリッド配
向を形成するにあたって、正の一軸性の液晶性高分子の
粘性は、界面効果による配向を助ける意味で低い方が良
く、従って熱処理温度は高い方が望ましい。また液晶性
高分子によっては、得られる平均チルト角が熱処理温度
により異なることがある。その場合には、目的に応じた
平均チルト角を得るために熱処理温度を設定する必要が
ある。例えば、あるチルト角を有する配向を得るために
比較的低い温度で熱処理を行う必要が生じた場合、低い
温度では液晶性高分子の粘性が高く、配向に要する時間
が長くなる。そのような場合には、一旦高温で熱処理
し、モノドメインな配向を得た後に、段階的、もしくは
徐々に熱処理の温度を目的とする温度まで下げる方法が
有効となる。いずれにせよ、用いる正の一軸性の液晶性
高分子の特性に従い、ガラス転移点以上の温度で熱処理
することが好ましい。熱処理温度は、通常50℃から3
00℃の範囲が好適で、特に100℃から260℃の範
囲が好適である。また配向基板上において、正の一軸性
の液晶性高分子が十分な配向をするために必要な熱処理
時間は、用いる該液晶性高分子の種類(例えば組成比な
ど)、熱処理温度によって異なるため一概にはいえない
が、通常10秒から120分の範囲が好ましく、特に3
0秒から60分の範囲が好ましい。10秒より短い場合
は配向が不十分となる恐れがある。また120分より長
い場合は、生産性が低下する恐れがあり望ましくない。
このようにして、まず液晶状態で配向基板上全面にわた
って均一なネマチックハイブリッド配向を得ることがで
きる。
【0079】なお、本発明においては上記の熱処理工程
において、正の一軸性の液晶性高分子をネマチックハイ
ブリッド配向させるために磁場や電場を利用しても特に
構わない。しかし、熱処理しつつ磁場や電場を印加した
場合、印加中は均一な場の力が液晶性高分子に働くため
に、該液晶のダイレクターは一定の方向を向きやすくな
る。すなわち、本発明の如くダイレクターがフィルムの
膜厚方向によって異なる角度を形成しているネマチック
ハイブリッド配向は得られ難くなる。一旦ネマチックハ
イブリッド配向以外、例えばホメオトロビック、ホモジ
ニアス、チルト配向またはそれ以外の配向を形成させた
後、場の力を取り除けば熱的に安定なネマチックハイブ
リッド配向を得ることができるが、プロセス上特にメリ
ットはない。
【0080】こうして正の一軸性の液晶性高分子の液晶
状態において形成したネマチックハイブリッド配向を、
次に該液晶性高分子の液晶転位点以下の温度に冷却する
ことにより、該配向の均一性を全く損なわずに固定化で
きる。一般的にネマチック相より低温部にスメクチック
相または結晶相を持っている液晶性高分子を用いた場
合、液晶状態におけるネマチック配向は冷却することに
よって壊れてしまう恐れがある。本発明においては、 ネマチック相を示す温度領域より下の温度において
スメクチック相または結晶相を全く有しない、 潜在的に結晶相またはスメクチック相を有していて
も冷却時にはスメクチック相または結晶相が現れない性
質を持ち、かつ 補償フィルムの使用温度範囲において流動性がなく
外場や外力を加えても配向形態が変化しない、 といった性質を有する液晶性高分子を用いるため、スメ
クチック相あるいは結晶相への相転移による配向形態の
破壊は起こらず、完全にモノドメインなネマチックハイ
ブリッド配向を固定化できる。
【0081】上記冷却温度は、液晶転移点以下の温度で
あれば特に制限はない。たとえば液晶転移点より10℃
低い温度において冷却することにより、均一なネマチッ
クハイブリッド配向を固定化することができる。冷却の
手段は、特に制限はなく、熱処理工程における加熱雰囲
気中から液晶転移点以下の雰囲気中、例えば室温中に出
すだけで固定化される。また、制酸の効率を高めるため
に、空冷、水冷などの強制冷却、徐冷を行ってもよい。
ただし正の一軸性の液晶性高分子によっては、冷却速度
によって得られる平均チルト角が若干異なることがあ
る。このような該液晶性高分子を使用し、厳密にこの角
度を制御する必要が生じた際には、冷却操作も適宜冷却
条件を考慮して行うことが好ましい。
【0082】次いで、本発明においてネマチックハイブ
リッド配向のフィルム膜厚方向における角度制御につい
て説明する。本補償フィルムでは、フィルム界面近傍に
おける正の一軸性液晶性高分子のダイレクターとフィル
ム平面との成す角度の絶対値が、該フィルムの上面また
は下面の一方においては、0度以上50度以下の範囲
内、また当該面の反対面では60度以上90度以下の範
囲である。使用する正の一軸性液晶性高分子の種類(組
成など)、配向基板、熱処理条件などを適宜選択するこ
とにより所望の角度にそれぞれ制御することができる。
また、ネマチックハイブリッド配向を固定化した後で
も、例えばフィルム表面を均一に削る、溶剤に浸してフ
ィルム表面を均一に溶かす、などといった方法を用いる
ことにより所望の角度に制御することができる。なおこ
の際に用いられる溶剤は、正の一軸性液晶性高分子の種
類(組成など)、配向基板の種類によって適宜選択す
る。
【0083】以上の工程によって得られる本発明の補償
フィルムは、ネマチックハイブリッド配向という配向形
態を均一に配向・固定化したものであり、また、該配向
を形成しているので、該フィルムの上下は等価ではな
く、また面内方向にも異方性があり、LCDに配置する
際には、その配置の仕方によって様々な特性を引き出す
ことが可能となる。本発明の補償フィルムを実際にツイ
ステッドネマチック型液晶セルに配置する場合、該フィ
ルムの使用形態として、 上述の配向基板を該フィルムから剥離して、補償フ
ィルム単体で用いる、 配向基板上に形成したそのままの状態で用いる、 配向基板とは異なる別の基板に補償フィルムを積層
して用いる、 ということが可能である。
【0084】フィルム単体として用いる場合には、配向
基板を補償フィルムとの界面で、ロールなどを用いて機
械的に剥離する方法、構造材料すべてに対する貧溶媒に
浸漬した後機械的に剥離する方法、貧溶媒中で超音波を
あてて剥離する方法、配向基板と該フィルムとの熱膨張
係数の差を利用して温度変化を与えて剥離する方法、配
向基板そのもの、または配向基板上の配向膜を溶解除去
する方法などによって、フィルム単体を得る。剥離性
は、用いる正の一軸性液晶性高分子の種類(組成など)
と配向基板との密着性によって異なるため、その系に最
も適した方法を採用すべきである。なお補償フィルム単
体で用いる場合、膜厚によっては自己支持性のないこと
があるが、その際には光学性質上好ましい基板、例えば
ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルア
ルコール、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、
ポリアリレート、ポリイミド、アモルファスポリオレフ
ィン、トリアセチルセルロースなどのプラスチック基板
上に接着剤または粘着剤を介して固定して用いるほう
が、補償フィルムの強度、信頼性などのために望まし
い。
【0085】次に、配向基板上に形成した状態で補償フ
ィルムを用いる場合について説明する。配向基板が透明
で光学的に等方であるか、あるいは配向基板がTN−L
CDにとって必要な部材である場合には、そのまま目的
とする補償素子としてTN−LCDに組み込むことがで
きる。さらに配向基板上で正の一軸性の液晶性高分子を
配向固定化して得られた本発明の補償フィルムを該基板
から剥離して、光学用途により適した別の基板上に積層
する。すなわち、該フィルムと配向基板とは異なる別の
基板とから少なくとも構成される積層体を補償素子とし
てTN−LCDに組み込むことができる。例えば、使用
する配向基板がネマチックハイブリッド配向を得るため
に必要なものではあるが、TN−LCDに対して好まし
くない影響を与えるような該基板を用いた場合、その基
板を配向固定化後の補償フィルムから除去して用いるこ
とができる。具体的には次のような方法を採ることがで
きる。目的とするTN−LCDに組み込む液晶表示素子
に適した基板(以下、第2の基板という)と配向基板上
の補償フィルムとを、例えば接着剤または粘着剤を用い
て貼りつける。次いで、配向基板を本発明の補償フィル
ムとの界面で剥離し、補償フィルムを液晶表示素子に適
した第2の基板側に転写して補償素子を得ることができ
る。
【0086】転写に用いられる第2の基板としては、適
度な平面性を有するものであれば特に限定されないが、
ガラス基板や透明で光学的等方性を有するプラスチック
フィルムが好ましく用いられる。かかるプラスチックフ
ィルムの例としては、ポリメチルメタクリレート、ポリ
スチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォ
ン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ア
モルファスポリオレフィン、トリアセチルセルロースあ
るいはエポキシ樹脂などをあげることができる。なかで
もポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリ
アリレート、ポリエーテルスルフォン、トリアセチルセ
ルロースなどが好ましく用いられる。また光学的に異方
性であっても、TN−LCDにとって必要な部材である
場合には、光学的異方性フィルムも用いることができ
る。このような例としては、ポリカーボネートやポリス
チレンなどのプラスチックフィルムを延伸して得られる
位相差フィルム、偏光フィルムなどがある。
【0087】さらに用いられる第2の基板の例として液
晶セルそのものを挙げることができる。液晶セルは、上
下2枚の電極付きガラスまたはプラスチック基板を用い
ており、この上下いずれか、あるいは両面のガラスまた
はプラスチック基板上に本発明の補償フィルムを転写す
れば、本補償フィルムの組み込みがすでに達成されたこ
とになる。また液晶セルを形成するガラスまたはプラス
チック基板そのものを配向基板として本補償フィルムを
製造することももちろん可能である。以上説明した第2
の基板は、正の一軸性の液晶性高分子の配向制御能を実
質的に持つ必要はない。また、第2の基板と該フィルム
との間に配向膜などは必要としない。
【0088】転写に用いられる第2の基板と、本発明の
補償フィルムとを貼り付ける接着剤または粘着剤は、光
学グレードのものであれば特に制限はないが、アクリル
系、エポキシ系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、ゴ
ム系、ウレタン系、およびこれらの混合系などを用いる
ことができる。また接着剤としては、熱硬化型、光硬化
型、電子線硬化型などのいずれの接着剤でも光学的等方
性を有していれば問題なく使用することができる。
【0089】本発明の補償フィルムを液晶表示素子に適
した第2の基板への転写は、接着後配向基板を該フィル
ムとの界面で剥離することにより行える。剥離の方法
は、上述でも説明したが、ロールなどを用いて機械的に
剥離する方法、構造材料すべてに対する貧溶媒に浸漬し
たのち機械的に剥離する方法、貧溶媒中で超音波をあて
て剥離する方法、配向基板と該フィルムとの熱膨張係数
の差を利用して温度変化を与えて剥離する方法、配向基
板そのもの、または配向基板上の配向膜を溶解除去する
方法などを例示することができる。剥離性は、用いる正
の一軸性液晶性高分子の種類(組成など)と配向基板と
の密着性によって異なるため、その系にもっとも適した
方法を採用すべきである。また本発明の補償フィルム
は、表面保護、強度増加、環境信頼性向上などの目的の
ために透明プラスチックフィルムなどの保護層を設ける
こともできる。
【0090】このようにして得られた補償フィルムは、
TN−LCDに対して特に優れた視野角補償効果をも
つ。本補償フィルムが、各種TN−LCDに対してより
好適な補償効果を発現するための該フィルムの膜厚は、
対象とするTN−LCDの方式や種々の光学パラメータ
ーに依存するので一概には言えないが、通常0.1μm
以上20μm以下の範囲であり、より好ましくは0.2
μm以上10μm以下の範囲、特に好ましくは0.3μ
m以上5μm以下の範囲である。膜厚が0.1μm未満
の時は、十分な補償効果が得られない恐れがある。また
膜厚が20μmを越えるとディスプレーの表示が不必要
に色づく恐れがある。ただし、本発明補償フィルムの性
能をより高く引き出すためには、補償フィルムの光学パ
ラメーターや軸配置をさらに詳細に考慮することが望ま
しい。以下個々に説明する。
【0091】先ず、フィルムの法線方向から見た場合の
面内の見かけのリターデーション値について説明する。
ネマチックハイブリッド配向したフィルムでは、ダイレ
クターに平行な方向の屈折率(以下neと呼ぶ)と垂直
な方向の屈折率(以下noと呼ぶ)が異なっている。n
eからnoを引いた値を見かけ上の複屈折率とした場
合、見かけ上のリターデーション値は見かけ上の複屈折
率と絶対膜厚との積で与えられる。この見かけ上のリタ
ーデーション値は、エリプソメトリー等の偏光光学測定
により容易に求めることができる。本発明の補償フィル
ムの見かけ上のリターデーション値は、550nmの単
色光に対して、通常5nmから500nmの範囲、より
好ましくは10nmから300nmの範囲、特に好まし
くは15nmから150nmの範囲である。見かけのリ
ターデーション値が5nm未満の時は、実質的にホメオ
トロピック配向と何ら変わることはなく十分な視野角拡
大効果が得られない恐れがある。また、500nmより
大きい場合は、斜めから見たときに液晶ディスプレーに
不必要な色付きが生じる恐れがある。
【0092】次いでダイレクターの角度について説明す
る。ネマチックハイブリッド配向のフィルムの膜厚方向
におけるダイレクターの角度範囲は、フィルム界面での
正の一軸性の液晶性高分子のダイレクターと該ダイレク
ターのフィルム界面への投影成分がなす鋭角側の角度
が、フィルムの上面または下面の一方においては、通常
60度以上90度以下の角度をなし、当該面の反対面に
おいては、通常0度以上50度以下である。より好まし
くは一方の角度の絶対値が80度以上90度以下、他方
の角度の絶対値が0度以上30度以下である。
【0093】次いで平均チルト角について説明する。本
発明においては、正の一軸性の液晶性高分子のダイレク
ターと該ダイレクターの基板平面への投影成分とのなす
角度の膜厚方向での平均値を平均チルト角と定義する。
平均チルト角は、クリスタルローテーション法を応用し
て求めることができる。本発明の補償フィルムの平均チ
ルト角は、10度から60度範囲にあり、好ましくは2
0度から50度の範囲にある。平均チルト角が10度よ
り小さい場合、あるいは60度より大きい場合には、一
定の視野角拡大効果は認められるが満足できる効果が得
られない恐れがある。
【0094】次に、本発明の補償フィルムをTN−LC
Dの視野角拡大のために用いるときの配置について具体
的に説明する。本補償フィルムの配置位置は偏光板と液
晶セルとの間であればよく、1枚または複数枚の補償フ
ィルムを配置することができる。本発明では、1枚また
は2枚の補償フィルムを用いて視野角補償を行うことが
実用上好ましい。3枚以上の補償フィルムを用いても、
視野角補償は可能であるが、コストアップに繋がるため
あまり好ましいとはいえない。具体的な配置位置を例示
すると以下のようになる。ただし、これらはあくまで代
表的な配置位置であり本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0095】まず本補償フィルムの上面と下面とを次の
ように定義する。光学的に正の一軸性を示す液晶性高分
子のダイレクターとフィルム平面との成す角度が鋭角側
で60度以上90度以下の角度を成している面をb面と
する。該角度が鋭角側で0度以上50度以下の角度を成
している面をc面とする。次いで本補償フィルムのチル
ト方向を以下のように定義する。補償フィルムのb面か
ら液晶層を通してc面を見た場合、ダイレクターとダイ
レクターのc面への投影成分がなす角度が鋭角となる方
向でかつ投影成分と平行な方向を本補償フィルムのチル
ト方向と定義する。次いで液晶セルのプレチルト方向を
以下のように定義する。通常液晶セル界面では、駆動用
の低分子液晶はセル界面に対して平行ではなくある角度
をもって傾いている。これをプレチルト角と言う。セル
界面の液晶のダイレクターとダイレクターの界面への投
影成分とがなす角度が鋭角である方向で、かつダイレク
ターの投影成分と平行な方向を液晶セルのプレチルト方
向と定義する。
【0096】上記の定義に基づいて本補償フィルムの1
枚をTN−LCDに用いる場合について説明する。補償
フィルムは偏光板と液晶セルの間に配置し、セルの上面
側でも良いし下面側でも良い。なお、補償フィルムのチ
ルト方向と隣接しない液晶セル界面でのセルの液晶のプ
レチルト方向がおおむね一致することが好ましい。チル
ト方向とプレチルト方向のなす角度は0度から15度の
範囲が好ましく、より好ましくは0度から10度の範囲
であり、特に好ましくは0度から5度の範囲である。両
者のなす角度が15度以上の場合十分な視野角補償効果
が得られない恐れがある。次に、本補償フィルム2枚を
TN−LCDに用いる場合について説明する。2枚の補
償フィルムは、上下一対の偏光板に挟まれた液晶セルの
上面または下面に配置する。配置する際は、2枚の補償
フィルムが同じ側にあっても良いし、上下に各1枚ずつ
あっても良い。また2枚の補償フィルムは、同一のパラ
メーターであっても良いし、異なるものでも良い。
【0097】本発明において、2枚の補償フィルムを液
晶セルの上下に別けて配置する場合、それぞれの補償フ
ィルムを上述の1枚のみを使用する場合と同様の配置に
することが好ましい。すなわち、それぞれの補償フィル
ム中の液晶性高分子のチルト方向と隣接しない液晶セル
界面でのセル液晶のプレチルト方向がおおむね一致する
ことが好ましい。チルト方向とプレチルト方向のなす角
度は0度から15度の範囲が好ましく、より好ましくは
0度から10度の範囲であり、特に好ましくは0度から
5度の範囲である。また2枚の補償フィルムを液晶セル
の上面あるいは下面のどちらか一方に配置する場合、液
晶セルに近い側の補償フィルムを1枚の補償フィルムを
用いる場合と同様の配置にする。すなわち、補償フィル
ムのチルト方向と隣接しない液晶セル界面でのネマチッ
ク液晶のプレチルト方向がおおむね一致するように配置
することが好ましい。チルト方向とプレチルト方向のな
す角度は0度から15度の範囲が好ましく、より好まし
くは0度から10度の範囲であり、特に好ましくは0度
から5度の範囲である。2枚目の補償フィルムは1枚目
の補償フィルムと偏光板の間に配置することになるが、
1枚目の補償フィルムに隣接した液晶セル界面でのネマ
チック液晶のプレチルト方向と2枚目の補償フィルムの
チルト方向がおおむね一致するように配置することが好
ましい。
【0098】さらに本発明の補償フィルムはネマチック
ハイブリッド配向をもつために、補償フィルムの上下は
等価ではない。したがって該補償フィルムを液晶セルに
装着する場合、どちらの面を液晶セルに近い方にするか
によって補償効果に多少の違いが見られる。本発明の補
償フィルムを実際にTN−LCDに組み込む際には、液
晶性高分子のダイレクターがフィルム平面となす角がよ
り大きい面(該角度が60度以上90度以下である面)
を液晶セルに近く、偏光板から遠くなるように配置する
方がより望ましい。最後に偏光板の配置について説明す
る。通常、TN−LCDでは上下偏光板の透過軸が互い
に直交するように配置する場合と平行になるように配置
する場合がある。さらに、上下偏光板の透過軸が互いに
直交する場合は、偏光板の透過軸と偏光板に近い側の液
晶セルのラビング方向が平行な場合または垂直な場合ま
たは45度の角度をなす場合がある。本発明の補償フィ
ルム上に偏光板を装着する場合、偏光板の配置は上記の
どの配置であっても視野角拡大効果は得られるが、上下
偏光板の透過軸が互いに直交しかつ偏光板の透過軸と偏
光板に近い側の液晶セルのラビング方向が平行になる配
置が最も好ましい。以上説明した本発明の補償フィルム
は、TFT素子あるいはMIM素子を用いたTN−LC
Dの視野角改善に絶大な効果があり、本補償フィルムの
原料となる光学的に正の一軸性を示す液晶性高分子の製
造およびフィルム自体の製造が簡単であることから、そ
の工業的利用価値は非常に大きい。
【0099】
【実施例】以下に実施例を述べるが、本発明はこれらに
制限されるものではない。なお実施例で用いた各分析法
は以下の通りである。 (1)液晶性高分子の組成の決定 ポリマーを重水素化クロロホルムまたは重水素化トリフ
ルオロ酢酸に溶解し、400NHz の 1H−NMR(日
本電子製JNM−GX400)で測定し決定した。 (2)対数粘度の測定 ウベローデ型粘度計を用い、フェノール/テトラクロロ
エタン(60/40重量比)混合溶媒中、30℃で測定
した。 (3)液晶相系列の決定 DSC(Perkin Elmer DSC−7)測定
および光学顕微鏡(オリンパス光学(株)製BH2偏光
顕微鏡)観察により決定した。 (4)屈折率の測定 アッペ屈折計(アタゴ(株)製Type−4)により屈
折率を測定した。 (5)偏光解析 (株)溝尻光学工業製エリプソメーターDVA−36V
WLDを用いて行った。 (6)膜厚測定 (株)小坂研究所製 高精度薄膜段差測定器 ET−1
0を用いた。また、干渉波測定(日本分光(株)製 紫
外・可視・近赤外分光光度計V−570)と屈折率のデ
ータから膜厚を求める方法も併用した。
【0100】実施例1 6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸 100mmol、テ
レフタル酸 100mmol、クロロヒドロキノン 5
0mmol、tert−ブチルカテコール 50mmo
l、および無水酢酸 600mmolを用いて窒素雰囲
気下で、140℃で2時間アセチル化反応を行った。引
続き270℃で2時間、280℃で2時間、300℃で
2時間重合を行った。次に得られた反応生成物をテトラ
クロロエタンに溶解したのち、メタノールで再沈澱を行
って精製し、液晶性ポリエステル(式(52))40.
0gを得た。この液晶性ポリエステルの対数粘度は0.
35、液晶相としてネマチック相をもち、等方相−液晶
相転移温度は300℃以上、ガラス転移点は135℃で
あった。この液晶性ポリエステルを用い10wt%のフェ
ノール/テトラクロロエタン混合溶媒(6/4重量比)
溶液を調製した。この溶液を、ソーダガラス板上に、ス
クリーン印刷法により塗布し、乾燥し、230℃で30
分熱処理したのち、室温下で冷却・固定化した。膜厚2
0μmの均一に配向した補償フィルムを得た。コノスコ
ープ観察したところ該液晶性ポリエステルは光学的に正
の一軸性を示すことがわかった。
【0101】
【化52】
【0102】次に、式(52)の液晶性ポリエステル8
wt%テトラクロロエタン溶液を調製し、ラビングポリイ
ミド膜を有するガラス上にスピンコート法により塗布
し、乾燥し、250℃で30分間熱処理したのち、空冷
し固定化した結果、補償フィルムを得た。得られた基板
上の補償フィルムは透明で配向欠陥はなく均一で膜厚は
2.0μmであった。
【0103】図1,図2に示した光学測定系を用いて、
補償フィルムを基板のラビング方向に傾けていき、リタ
デーション値を測定した。その結果、図3のような左右
非対称でかつリタデーション値が0になる角度がない結
果が得られた。この結果から、液晶性ポリエステルのダ
イレクターが基板に対して傾いており均一チルト配向
(ダイレクターと基板表面のなす角が膜厚方向で一定な
配向状態)ではないことが分かった。次いで基板上の補
償フィルムを5枚に切り分け、それぞれ一定時間クロロ
ホルムを5wt%含むメタノール溶液に浸漬し、液晶層上
面より溶出させた。浸漬時間を15秒、30秒、1分、
2分、5分とした場合に、溶出せずに残った液晶層の膜
厚は、それぞれ1.5μm、1.2μm、1.0μm、
0.8μm、0.5μmであった。図1,図2の光学系
を用いてθ=0度の場合のリタデーション値(正面リタ
デーション値)を測定し、図4の膜厚とリタデーション
値との関係を得た。図4から分かるように膜厚とリタデ
ーション値は直線関係にはなく、このことからも均一チ
ルト配向ではないことが分かった。図中の点線は均一チ
ルト配向したフィルムにおいて観測される直線である。
次に、式(52)の液晶性ポリエステルをラビングポリ
イミド膜を有する高屈折率ガラス基板(屈折率は1.8
4)上に、上記と同様な方法を用いて配向・固定化し、
補償フィルムを作製し、これを用いて屈折率測定を行っ
た。屈折計のプリズム面にガラス基板が接するように置
き、補償フィルムの基板界面側が空気界面側より下にく
るように配置した場合、フィルム面内の屈折率には異方
性が有りラビング方向に垂直な面内の屈折率は1.5
6、平行な面内の屈折率は1.73であり、膜厚方向の
屈折率は試料の方向によらず1.56で一定であった。
このことから、ガラス基板側では液晶性ポリエステルを
構成する棒状の液晶分子が基板に対して平行に平面配向
していることが分かった。次に屈折率計のプリズム面に
補償フィルムの空気界面側が接するように配置した場
合、面内の屈折率には異方性がなく屈折率は1.56で
一定で、膜厚方向の屈折率は資料の方向によらず1.7
3で一定であった。このことから、空気界面側では液晶
性ポリエステルを構成する棒状の液晶分子が基板平面に
対して垂直に配向していることが分かった。
【0104】以上のことより、一軸性のネマチック液晶
より形成された補償フィルムがネマチックハイブリッド
配向を形成し、ラビングによる基板界面の規制力および
空気界面の規制力により、図5に示したように配向して
いるものと推察した。次に、基板界面でのダイレクター
の方位の角度をより正確に求めるため、以下の操作を行
った。上記のラビングポリイミド膜を有する高屈折ガラ
ス基板上に形成された補償フィルムの上に、もう一枚の
ラビングポリイミド膜を有するガラス基板をかぶせ密着
させた。すなわち補償フィルムを2枚のラビングポリイ
ミド膜で挟んだ構成にした。この時、上下のラビング膜
のラビング方向が互いの180度になるように配置し
た。この状態で230℃で30分間熱処理した。こうし
て得られた試料について屈折率測定および偏光解析を行
った。屈折率測定の結果、補償フィルムの上下に関して
同じ値が得られ、該フィルム面内の屈接率はラビング方
向に垂直な面内では1.56で平行な面内では1.7
3、該フィルムの膜厚方向では1.56であった。この
ことから基板の界面付近では補償フィルムの上下ともに
ダイレクターが基板平面に対して略平行であることが分
かった。さらに偏光解析の結果、屈折率構造はほぼ正の
一軸性であり、クリスタルローテーション法に基づき詳
細な解析を行った結果、基板界面付近では、わずかにダ
イレクターの傾きがあり、基板平面とダイレクターのな
す角度は約3度であった。また、ダイレクターの傾く向
きはラビング方向と一致していた(補償フィルムのチル
ト方向とラビング方向とは一致する)。以上のことよ
り、基板界面におけるダイレクターの方位は、液晶性ポ
リエステルと配向基板界面の相互作用によってほぼ決ま
ると考えると、前述の一枚の配向基板上に形成された補
償フィルムのネマチックハイブリッド配向構造における
基板界面でのダイレクターの方位は3度であると推定さ
れる。
【0105】実施例2
【化53】
【0106】実施例1と同様の方法により式(53)の
液晶性ポリエステルを合成した。この液晶性ポリエステ
ルの対数粘度は、0.20、液晶相としてネマチック相
をもち、等方相−液晶相転移温度は300℃以上、ガラ
ス転移点は115℃であった。実施例1と同様の配向性
試験を行った結果、この液晶性ポリエステルがホメオト
ロピック配向性を持ち、光学的に正の一軸性を示すこと
が判明した。式(53)の液晶性ポリエステルの五wt%
のテトラクロロエタン溶液を調製した。溶液をラビング
ポリイミド膜を誘電率するガラスにスピンコート法によ
り塗布し、乾燥した。乾燥した後、250℃で30分間
熱処理し、冷却し固定化した結果、補償フィルムを得
た。得られた基板上の補償フィルムは透明で配向欠陥は
なく均一で膜厚は0.9μm、膜厚方向の平均チルト角
は45度であった。各光学素子の軸配置は図6に示した
配置で、補償フィルムの空気界面側が液晶セルに近い側
になるように、液晶セルの上下に補償フィルムを各1枚
ずつ配置した。使用した液晶セルは液晶材料としてZL
I−4792を用い、セルパラメーターはセルギャップ
4.8μm、ねじれ角90度(左ねじれ)、プレチルト
角4度である。液晶セルに対して、300Hzの矩形波
で電圧を印加した。白表示0V、黒表示6Vの透過率の
比(白表示)/(黒表示)をコントラスト比として、全
方位からのコントラスト比測定を浜松ホトニクス(株)
製FFP光学系DVS−3000を用いて行い、等コン
トラスト曲線を描いた。その結果を図7に示す。図6の
配置において白表示と黒表示の透過率の差を8等分する
ような電圧を液晶セルに印加し横方向(0度−180度
方向)での階調特性について(株)トプコン社製色彩輝
度計BM−5を用いて測定した。結果を図8に示す。
【0107】実施例3
【化54】
【0108】式(54)の液晶性ポリエステルを合成し
た。対数粘度は0.25、液晶相としてネマチック相を
もち、等方相−液晶相転移温度は300℃以上、ガラス
転移点は95℃であった。この液晶性ポリエステルを用
い8wt%のフェノール/テトラクロロエタン混合溶媒
(6/4重量比)溶液を調製し、各種配向性試験用基板
に、スクリーン印刷法により塗布したのち乾燥し、25
0℃で10分間熱処理を行った。基板として、ソーダガ
ラス、ホウケイ酸ガラス、ポリエチレンテレフタレート
フィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフ
ィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエ
ーテルスルフォンフィルムを用いたが、いずれの基板上
でも液晶相の顕微鏡観察によりシュリーレン組織がみら
れ、この液晶性ポリエステルがホモジニアス配向性であ
ることがわかった。式(53)の液晶性ポリエステルと
式(54)の液晶性ポリエステルを90:10の重量比
で含有する光学的に正の一軸性を示す液晶性ポリエステ
ル組成物の5wt%テトラクロロエタン溶液を調製した。
実施例2と同一の条件で塗布、乾燥、熱処理を行い膜厚
0.9μmの補償フィルムを得た。このフィルムの膜厚
方向の平均チルト角は25度であった。実施例2と同様
の方法により全方位からのコントラスト比測定を行っ
た。その結果を図9に示す。
【0109】比較例1 実施例2と同じTN型液晶セルを用いて、補償フィルム
を装着しない状態で偏光板の配置は図6と同じ配置に
し、実施例2と同様な方法により全方位でのコントラス
ト比測定、横方向(0度−180度方向)での階調特性
の測定を行った。結果を図10,図11に示す。
【0110】実施例4
【化55】
【0111】
【化56】
【0112】式(55)、式(56)の液晶性ポリエス
テルを合成した。対数粘度は0.12、液晶相としてネ
マチック相をもち等方相−液晶相転移温度は300℃以
上であった。実施例1と同様の配向性試験を行った結
果、式(55)の液晶性ポリエステルがホメオトロピッ
ク配向性を持ち、光学的に正の一軸性を示すことが判明
した。式(56)の液晶性ポリエステルの対数粘度は
0.24、液晶相としてネマチック相をもちネマチック
相より低温側に結晶相を有していた。実施例3と同様の
配向性試験を行った結果、このポリマーがホモジニアス
配向性であることがわかった。式(55)、式(56)
の液晶性ポリエステルを8:2の重量比で含有する光学
的に正の一軸性を示す液晶性ポリエステル組成物の4wt
%クロロホルム溶液を調製した。ラビングポリイミド膜
を有するポリエチレンテレフタレートフィルム上に印刷
法により溶液を塗布、乾燥した。乾燥した後、180℃
で45分間熱処理を行い冷却、固定化した結果、補償フ
ィルムを得た。得られた補償フィルムの表面に粘着剤を
有するトリアセチルセルロースフィルムを該粘着剤を介
して貼り合わせ、次いでポリエチレンテレフタレートフ
ィルムを剥離し、補償フィルムをトリアセチルセルロー
スフィルムに転写した。補償フィルムの膜厚は0.7μ
m、膜厚方向の平均チルト角は35度であった。各光学
素子の軸配置は図6に示した配置で、補償フィルムのト
リアセチルセルロースフィルムが液晶セルに近い側にく
るように、液晶セルの上下に補償フィルムを各一枚ずつ
配置した。実施例2と同様の方法により全方位でのコン
トラスト比測定を行った。結果を図12に示す。
【0113】実施例5
【化57】
【0114】式(57)の液晶性ポリエステルを合成し
た。対数粘度は0.23、液晶相としてネマチック相を
もち等方相−液晶相転移温度は300℃以上であった。
配向性試験の結果、この液晶性ポリエステルがホメオト
ロピック性を示し、光学的に正の一軸性を示すことが判
明した。この液晶性ポリエステルの10wt%のフェノー
ル/テトラクロロエタン混合溶媒(6/4重量比)溶液
を調製し、ラビング処理したポリイミドフィルム基板上
にダイコーターにより幅50cm、長さ20mに渡って
塗工した。塗工した後、120℃の熱風乾燥、230℃
で5分間熱処理を行った結果、補償フィルムを得た。次
いで紫外線硬化型接着剤を補償フィルムの表面に塗り、
接着剤を介してリターデーション180nmのポリカー
ボネイトフィルムを貼り合わせた。紫外線を照射し接着
剤を硬化させたのち、ポリイミドフィルムを剥離し、ポ
リカーボネイトフィルム上に補償フィルムを転写した。
補償フィルムの膜厚は1.4μm、膜厚方向の平均チル
ト角は45度であった。各光学素子の軸配置は図13に
示した配置で、補償フィルムのポリカーボネイトフィル
ムが液晶セルに近い側にくるように、液晶セルの上下に
補償フィルムを各一枚ずつ配置した。実施例2と同様の
方法により全方位でのコントラスト比測定を行った。結
果を図14に示す。
【0115】実施例6
【化58】
【0116】
【化59】
【0117】式(58)、式(59)の液晶性ポリエス
テルを合成した。式(58)の液晶性ポリエステルの対
数粘度は0.15、液晶相としてネマチック相をもち等
方相−液晶相転移温度は300℃以上であった。配向性
試験の結果、この液晶性ポリエステルは、ホメオトロピ
ック配向性を示し、光学的に正の一軸性を示すことが判
明した。式(59)の液晶性ポリエステルの対数粘度は
0.12、液晶相としてネマチック相をもち等方相−液
晶相転移温度は200℃であり、ホモジニアス配向性で
あった。式(58)、式(59)の液晶性ポリエステル
を8:2の重量比で含有する光学的に正の一軸性を示す
液晶性ポリエステル組成物の10wt%のN−メチル−2
−ピロリドン溶液を調製し、ロールコーターによりラビ
ングポリイミド膜を有するポリアリレートフィルム上に
塗布した。塗布した後、100℃の熱風乾燥を行い、2
00℃で5分間熱処理を行った結果、補償フィルムを得
た。得られた補償フィルムの膜厚は0.4μm、膜厚方
向の平均チルト角は35度であった。シャープ(株)製
液晶カラーテレビ6E−A3の偏光板を剥がし、補償フ
ィルムの空気界面側が液晶セルに近い側にくるように、
液晶セルの上下に各1枚ずつ補償フィルムを貼り合わせ
た。その後、偏光板を上下1枚ずつポリアリレートフィ
ルムに貼り合わせた。各光学素子の軸配置は図6に示し
た配置と同じになるようにした。実施例2と同様な方法
により全方位でのコントラスト比を測定した。その結果
を図15に示す。
【0118】比較例2 実施例6のシャープ(株)製TFT液晶カラーテレビに
補償フィルムを装着していない場合の全方位でのコント
ラスト比を測定した。結果を図16に示す。
【0119】実施例7
【0120】
【化60】
【0121】
【化61】
【0122】式(60)、式(61)の液晶性ポリエス
テルを合成した。式(60)の液晶性ポリエステルの対
数粘度は0.15、液晶相としてネマチック相をもち等
方相−液晶相転移温度は180℃であった。次いで配向
性試験を行ったところ、該液晶性ポリエステルはホメオ
トロピック配向性を持ち、光学的に正の一軸性を示すこ
とが判明した。式(61)の液晶性ポリエステルの対数
粘度は0.20、液晶相としてネマチック相をもち等方
相−液晶相転移温度は300℃以上であり、ホモジニア
ス配向性であった。式(58)、式(59)の液晶性ポ
リエステルを8:2の重量比で含有する光学的に正の一
軸性を示す液晶性ポリエステル組成物の10wt%のフェ
ノール/テトラクロロエタン混合溶媒(6/4重量比)
溶液を調製し、ダイコーターによりラビング処理したポ
リエーテルスルフォン上に塗布した。塗布した後、12
0℃の熱風乾燥を行い、220℃で10分間熱処理を行
った結果、補償フィルムを得た。得られた補償フィルム
の膜厚は0.7μm、膜厚方向の平均チルト角は45度
であった。エプソン(株)製液晶カラーテレビEP−W
7000の偏光板を剥がし、補償フィルムの空気界面側
が液晶セルに近い側にくるように、液晶セルの上下に各
1枚ずつ補償フィルムを貼り合わせた。その後、偏光板
を上下1枚ずつポリエーテルスルフォンに貼り合わせ
た。各光学素子の軸配置は図6に示した配置と同じにな
るようにした。実施例2と同様な方法により全方位での
コントラスト比を測定した。その結果を図17に示す。
【0123】比較例3 実施例7のエプソン(株)製液晶カラーテレビに補償フ
ィルムを装着していない場合の全方位でのコントラスト
比を測定した。結果を図18に示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の補償フィルムのチルト角測定に用いた
光学測定系の配置図を示す。
【図2】本発明の補償フィルムのチルト角測定に用いた
光学測定系の試料および偏光板の軸方位の関係を示す。
【図3】実施例1において、基板のラビング方向に沿っ
て傾けて測定した見かけのリタデーション値と試料の傾
き角の関係を示す。
【図4】実施例1において、補償フィルムの浸漬後の膜
厚と試料の正面での見かけのリタデーション値の測定結
果を示す。
【図5】本発明の補償フィルムの配向構造の概念図であ
る。
【図6】実施例2において、各光学素子の軸配置を示
す。
【図7】実施例2の等コントラスト曲線を示す。
【図8】実施例2の横方向での階調特性の測定結果を示
す。
【図9】実施例3の等コントラスト曲線を示す。
【図10】比較例1の等コントラスト曲線を示す。
【図11】比較例1の横方向での階調特性を示す。
【図12】実施例4の等コントラスト曲線を示す。
【図13】実施例5において、各光学素子の軸配置を示
す。
【図14】実施例5の等コントラスト曲線を示す。
【図15】実施例6の等コントラスト曲線を示す。
【図16】比較例2の等コントラスト曲線を示す。
【図17】実施例7の等コントラスト曲線を示す。
【図18】比較例3の等コントラスト曲線を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沼尾 洋介 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日本石 油株式会社中央技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的に正の一軸性を示す液晶性高分子
    より実質的に形成され、該液晶性高分子が液晶状態にお
    いて形成したネマチックハイブリッド配向を固定化せし
    めたことを特徴とする液晶表示素子用光学補償フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 電極を備えた一対の透明基板とネマチッ
    ク液晶とからなる駆動用液晶セルと、該基板の上下に配
    置された上側偏光板、下側偏光板を少なくとも備えたツ
    イステッドネマチック型液晶表示装置であって、該基板
    と上側もしくは下側偏光板のうちどちらか一方の間また
    は該基板と上側および下側偏光板のそれぞれの間に請求
    項1に記載の液晶表示素子用光学補償フィルムを少なく
    とも1枚組み込んだことを特徴とするツイステッドネマ
    チック型液晶表示装置。
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