JPH10188341A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JPH10188341A
JPH10188341A JP8338199A JP33819996A JPH10188341A JP H10188341 A JPH10188341 A JP H10188341A JP 8338199 A JP8338199 A JP 8338199A JP 33819996 A JP33819996 A JP 33819996A JP H10188341 A JPH10188341 A JP H10188341A
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夕起 鈴木
Yuko Okamoto
祐子 岡本
Michikazu Horie
通和 堀江
Yutaka Kurose
裕 黒瀬
Shuichi Maeda
修一 前田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短波長記録に好適な、高反射率の高容量光記
録媒体を得る。 【解決手段】 特定の透明基板上に、熱分析で、主減量
開始温度よりも低い温度における減量が実質的になく、
かつ、主減量過程での減量の傾きが2%/℃以上で、そ
の総減量%が30%以上である有機色素を含有する記録
層、金属反射層、保護層の順に積層した光記録媒体にお
いて、記録層が下記の(1)もしくは(2)の条件を満
たす光記録媒体。 (1)示差熱分析での発熱のピークの大きさがー10μ
V/mg以上、10μV/mg以下であり、ピーク幅が
20℃以下であること。 (2)示差熱分析での発熱ピークの大きさが10μV/
mg以上30μV/mg以下である有機色素からなる記
録層の上に、室温近傍での比電気抵抗値の逆数が0.2
0/μΩcm以上、0.30/μΩcm以下であり、再
生光±5nmでの屈折率が0.1以上、0.2以下で、
消衰係数が3以上、5以下である金属反射層を有するこ
と。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光記録媒体に関し、
レーザー光により記録できる光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高密度記録のため、レーザー光の
発振波長の短波長化が注目され、780nm、830n
mよりも短波長のレーザー光で記録再生可能な光記録媒
体が求められている。かかる状況においては、さまざま
な記録媒体があるが、その中で、有機色素系光記録媒体
は安価でプロセス上容易であるという特長を有する。こ
のような短波長用途の有機色素媒体の色素としては、シ
アニン等が提案されており、特開平6−336086号
公報、特開平7−161068号公報、特開平7−26
2604号公報、特開平7−125441号公報、特開
平7−266705号公報等がある。記録部では、78
0nmでのCD−Rと同様に、色素の熱分解による光学
定数と膜厚の減少と基板の軟化による変形等が生じてい
ると考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術におい
ては、記録時に、色素の分解のみか、基板の変形の両方
により記録変調度を得ているが、記録部の変形が大き
く、溝上記録の場合には隣接の溝間部に及ぶ大きなビッ
トが形成されるため、クロストークが問題となる。これ
を解決すべく本発明者らは、特願平7ー213501号
等において、減量が急峻で大きい色素を主成分あるいは
添加することにより、記録部分の光学的変化領域を十分
小さくし、かつ、記録変調度が十分大きく、反射率が高
く大きな記録信号強度を得ること、及び、そのような要
件を満たす色素の骨格について提案した。しかし、より
トラックピッチを狭くし、溝幅を狭くして片面約5ギガ
バイト以上の高容量化を目的とする場合にはクロストー
クが十分小さくならない場合が生じることがあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高密度記
録を実現するために良好なクロストークの小さい微小記
録部を形成し、かつ、高い変調度、高い反射率を可能と
する媒体を鋭意検討した結果、本発明に到達した。すな
わち本発明の要旨は、透明基板上に、少なくとも、熱重
量分析で、主減量開始温度よりも低い温度における減量
が実質的になく、かつ、主減量開始温度での減量の傾き
が2%/℃以上で、その総減量%が30%以上である有
機色素を含有する記録層、金属反射層、保護層の順に積
層した500nm以上、700nm以下で記録再生する
光記録媒体が下記の(1)もしくは(2)の条件を満た
すことである。
【0005】(1)示差熱分析での発熱のピークの大き
さがー10μV/mg以上、10μV/mg以下であ
り、ピーク幅が20℃以下であること。 (2)示唆熱分析での発熱のピークの大きさが10μV
/mg以上30μV/mg以下である有機色素から成る
記録層の上に、室温近傍での比電気抵抗値の逆数が0.
20/μΩcm以上、0.30/μΩcm以下であり、
再生光波長±5nmでの屈折率が0.1以上、0.2以
下で、消衰係数が3以上、5以下である金属反射層を有
すること。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明における記録層は、記録用のレーザ
ー光を吸収することによる昇温で減量し膜厚が減少し、
光学特性が変化することにより戻り光の位相が変化し、
反射率が変化したところを記録部とするものである。
【0007】本発明において、透明基板としては、厚さ
0.6±0.03mmで、ポリカーボネート、ポリメタ
クリレート、非晶質ポリオレフィン等の樹脂やガラス等
の公知のが用いられ、サーボ用の案内溝を有している。
その溝は、深さは、通常100nm以上、200nm以
下、好ましくは、140nm以上、180nm以下で、
溝幅は、通常0.2μm以上、0.4μm以下、トラッ
クピッチは、通常0.7μm以上、1μm以下であり、
溝形状はU字溝が好ましい。溝の深さは、100nm未
満の場合には、記録時に十分な変化がおきず、十分な記
録変調度が得られない場合がある。200nmを越える
と、溝部と溝間部の反射率差が大きすぎるため、溝上記
録の場合には反射率が低くなりすぎるので良くない。溝
幅は、0.2μm未満では十分なトラッキングエラー信
号振幅を得ることが困難となる恐れがある上に、基板の
溝転写率が低くなるため好ましくない。また、0.4μ
mを越える溝幅の場合には、記録した時に記録部が横に
広がりやすくなるので好ましくない。さらに、溝幅は狭
いほど高い記録変調度を得るには有利である。しかし、
前述のように、クロストークが大きくなる傾向がある。
本発明では0.2〜0.3μmの狭い溝幅の溝上で記録
する場合に特に効果的である。トラックピッチは、高容
量化の用途には、0.7μm以上、1μm以下が好まし
い。なお、溝形状は、1μm以上のピッチの場合には、
He−Cdレーザーによる光学測定により求め、それよ
りもトラックピッチが狭い場合には、STMやAFMで
プロファイルを測定して求める。なお本件に関しては、
STMとAFMで求めた。
【0008】記録層は、通常、有機色素等をエタノー
ル、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、ジア
セトンアルコール、フッ素系アルコール等の溶媒に溶か
した溶液をスピンコートして得られる。この溶媒として
は、沸点が100℃以上、150℃である溶媒で炭素数
が3以上のフッ素系アルコール、すなわち、1H,1
H,3H−テトラフルオロプロパノール、1H,1H,
5H−オクタフルオロペンタノール、1H,1H,3H
−ヘキサフルオロブタノール等が好ましく用いられる。
沸点が100℃未満の場合には、スピンコート時に溶媒
が速く気化するため、ディスクの半径40mmより外周
側に塗布液がゆきつかず、半径方向の膜厚分布が極めて
大きくなり、良好な特性が得られないことがあるので好
ましくない。また、沸点が150℃を越える場合には、
蒸発に時間がかかる上に、膜中に溶媒が残留しやすく、
この様な場合には、良好な記録ジッターが得られないこ
とが多いので好ましくない。膜厚は溝間部で50nm以
上、100nm以下程度が好ましく、溝部で90nm以
上、180nm以下が好ましい。溝間部、溝部の記録層
膜厚がこの範囲よりも薄い場合には膜厚が薄すぎて十分
な記録変調度が得られない恐れがある。また、この範囲
を越えると、膜厚が厚すぎて記録部がトラック方向、ラ
ンド方向に広がりやすく、ジッターやクロストークが大
きくなる恐れがある。実際には溝部膜厚と溝間部の膜厚
を正確に知ることは困難であり、一般的には溝間部の膜
厚で代用されることが多いが(例えば特開平4ー109
441号公報、特開平4ー182944号公報等)、溝
部の膜厚と溝間部の膜厚比は、塗布溶媒、スピンコート
回転数、風速、温度、溶液濃度、溶液粘度等の成膜の条
件と、溝深さ、溝幅などにより変わるため、溝部と溝間
部の平均膜厚や、溝間部の膜厚と塗布膜の溝深さのみで
溝部膜厚を知ることは困難である。それに対し、塗布膜
の溝深さと基板の溝深さの比と溝間部の膜厚、そして基
板の溝深さがわかれば、溝部の膜厚が得られるわけであ
る。この塗布膜の溝深さは基板の溝深さの50%以上、
80%以下であることが好ましい。この範囲未満では溝
部膜厚が厚すぎるため反射率が低くなり、トッラキング
エラー信号も十分とれない恐れがある。また、80%を
越えると溝部膜厚が薄すぎて十分な記録変調度が得られ
ない恐れがある。なお、この基板の溝深さと塗布膜の溝
深さの比はそれぞれをAFM(あるいはSTM)で同じ
測定条件で測定して得た深さから求められる。また、溝
間部の膜厚は鏡面基板上に成膜し、塗布開始部分を反射
層成膜後に3次元表面粗さ計で測定し、溝間部の膜厚を
求めることが出来る。本発明における膜厚(溝部)の範
囲は、図1に示すように、反射率の1つ目の山の領域を
カバーするものであり、例えば、特開平4ー10944
1号公報のnabs・d/λ(dを記録層の膜厚)であらわ
すと、図1のごとくになる。この記録層の溝部膜厚の範
囲は、従来、CD−Rにおいて溝間部の膜厚で代表され
る”膜厚”に相当する範囲であり、本発明はCD−Rよ
りも一山浅い範囲であり、これが500nm以上、70
0nm以下であるが記録再生用高反射率高容量記録媒体
の満たすべき好ましい条件である。なお、図1(a)、
(b)、(c)は、波長640nmでの屈折率nが2.
4、消衰係数kが0.05とn=2.3、k=0.05、
n=2.6、k=0.08の場合について波長640nm
でのディスク反射率(金属反射層をn=0.166、k
=3.15、膜厚100nmとした)の計算を示す。ま
た、図2には、反射率が60%以上となるnabs・d/λ
(dを記録層膜厚)と消衰係数kの範囲を示した。これ
らの反射率は、溝の形状を含めない反射率なので、実際
の溝上での反射率はこの値の8割程度とみなせる。な
お、このような光学特性を満たす色素の単層膜は、その
再生波長に最も近接する短波長側の吸収極大、あるい
は、吸収の肩を、再生波長よりも40nm〜60nm短
波長側に有する。
【0009】光学記録に用いられる有機色素としては、
フタロシアニン系色素、シアニン色素、含金属アゾ系色
素や、ジベンゾフラノン系、含金属インドアニリン等が
提案されているが、記録層を構成する有機色素の熱的特
性は記録特性に大きく影響する。短波長用途として充分
な特性を得るためには、熱重量分析における、主減量過
程での減量が、温度に対してシャープであることが必要
である。なぜならば、主減量過程の反応により、有機色
素膜は分解し、膜厚の減少と光学定数の変化をおこす。
その結果、光学的な意味でのビット(記録部)が形成さ
れる。この時、色素の再生光波長での屈折率が2.2以
上、2.8以下、好ましくは2.4以上、2.8以下、消
衰係数kが0.03以上、0.09以下、好ましくは、
0.03以上、0.06以下の範囲のものであると、ディ
スクの反射率が大いため、記録前後の反射率コントラス
トの大きいものが得られるため好ましい。また、多くの
場合、記録ビットの下の基板が記録時の色素層の熱吸収
による昇温で変形し、図3のごとくに溝幅が広がる。本
発明ではその変形の大きさ(記録部の溝幅)が未記録部
の溝幅の1.0〜1.5、すなわち、W1/W0=1以上、
1.5以下である。1.5を越える場合にはトラックピッ
チを0.8μm以下まで狭くするとクロストークが大き
くなりジッターを劣化させるので好ましくない。また、
記録層である色素層が光を吸収してビットが形成される
ので、主減量が温度に対して緩慢である場合、すなわ
ち、広い温度範囲にわたって減量が起こる場合には、記
録層の光学変化と膜厚の変化が広い領域にわたって形成
されることになる。高密度対応のビット長記録の場合に
はビット同志が重なりあうためジッター、ビットの分解
能が悪くなり、極めて不利である。それ故、温度に対し
て、急峻な減量を起こす色素が求められるのである。本
発明においては、減量の過程が2段階になっている色素
を用いた場合、すなはち、主減量開始温度よりも低い温
度領域で減量がある色素を用いた場合も、同様な理由で
不利である。本発明では、主減量過程での減量の傾きが
2%/℃以上であり、その過程での総減量%が30%以
上、好ましくは、減量の傾きは10%/℃以上であり、
総減量%は35%以上である。減量の傾きが上記範囲未
満では、十分小さく、ランド方向に広がらない細い記録
部が形成できなくなり、ジッター、ビットの分解能が悪
くなり、高密度対応の短ビット長記録が困難である。ま
た、総減量%が30%未満の場合には記録前後の十分な
反射率コントラストが得られず、記録変調度が小さいた
めに十分な短ビット特性が得られない。さらに、狭いト
ラックピッチでのクロストークが十分小さい記録媒体を
得るためには、色素の主減量過程での発熱ピークの大き
さが−10μV/mg以上、10μV/mg以下、好ま
しくは−5μV/mg以上、5μV/mg以下である。
この範囲を越える場合には、溝幅を0.3μm以下に狭
めた場合のクロストークが50%を越えてしまい、良好
なジッター特性が得られない。この範囲未満の場合、吸
熱性が大きすぎて記録感度が悪くなる。さらに、この発
熱、吸熱のピーク幅が20℃以下であることが好まし
い。この範囲を越えると、エッジが急峻な良好な記録マ
ークが形成されにくい。また、色素の主減量開始温度は
150℃以上、340℃以下、好ましくは、150℃以
上、200℃以下である。
【0010】本発明において、減量の傾きは、以下の如
くして求める。(図3を参照。)質量M0の有機色素を
窒素中で10℃/分で昇温する。昇温に従って、質量は
当初微量ずつ減少し、ほぼ直線a−bの減量線を描き、
ついで急激に減量し始め、15%以上の減量をほぼ直線
1 −d2 に沿って減量する。これが主減量過程であ
り、主減量開始温度は、T1 のことである。その後、ほ
ぼ直線c−cで示される減量過程におちつく。直線d1
−d2 と直線c−cとの交点における温度をT2 、重量
をm2 とし、初期重量をm1 とすれば、ここでいう減量
の傾きとは、
【0011】
【数1】(m1 −m2 )(%)/(T2 −T1 )(℃) で示される値で、総重量に対する減量%(総減量%)
は、
【0012】
【数2】(m1 −m2 )(%) で示される値である。なお、図4に示されるような場合
には、主減量過程の減量の傾きは
【0013】
【数3】(m1 −m2 )(%)/(T2 −T1 )(℃) とし、総重量に対する減量%(総減量%)は、
【0014】
【数4】(m1 −m3 )(%) で示される値とする。
【0015】また、本発明における発熱量は以下のよう
にして求める。上記減量曲線とともに、図5のような示
差熱曲線(DTA曲線)が得られる。なお、サンプルの
リファレンスはサンプルの入っていないアルミ容器であ
り、流量200mL/分の窒素中で毎分10℃の昇温速
度で加熱する。ここで、本測定で用いるアルミ容器は直
径5mmφ、高さ2.5mmの容器であり、サンプルは
その容器に粉末状態で入れる。サンプル量はアルミ容器
の高さの80%を越えない量を目安とする。データサン
プリング間隔は1秒毎とした。
【0016】図に示すように、TG曲線の急峻な減量に
対応する時間の近傍に、DTAでは発熱あるいは、吸熱
のピークが生じる。発熱(吸熱)のピーク値は図中のC
Hをさし、本件ではリファレンスとサンプルのアルミ容
器の底のまん中で測定した白金ロジウム熱電対(白金:
ロジウム=87:13)の起電圧差を温度差の表示と
し、そのピーク値を測定サンプルの重さで割った値を求
めた。なお、ピークが2つに分かれている場合には大き
い方の値をとった。ピーク幅は図中B’とD’の時間差
(分)に昇温速度の10℃をかけて”ピーク幅(℃)”
を求めた。以上の条件を満たす色素としては
【0017】
【化2】
【0018】(式中、R1は水素原子、炭素数1〜6の
直鎖または分岐アルキル基、または炭素数3〜6の環状
アルキル基を表し、R2、R3は炭素数1〜6の直鎖また
は分岐のアルキル基、またはメトキシエチル基、エトキ
シエチル基を表す。Y1はヒドロキシル基、カルボキシ
ル基を表し、Y2は炭素数1〜6の直鎖または分岐のハ
ロゲン原子で置換されていても良いアルキル基、XとZ
はシアノ基、カルボン酸誘導体基などの電子吸引基を表
す。M2+はニッケル、コバルト、銅等の2価のイオンを
表す。)が特に好ましい。例えば、
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】等が挙げられる。しかしながら、有機色素
は、発熱量が10μV/mg以下の色素で記録層として
良好な特性を示す色素ばかりではない。従って、発熱量
が10μV/mgを超え、30μV/mg以下の有機色
素の場合には、その色素層の上の金属反射層を、室温近
傍での比電気抵抗値の逆数が0.20/μΩcm以上、
0.30/μΩcm以下であるものとすることにより得
られる”記録層の記録時の熱の急冷効果”を利用する。
すなはち、ウィーデマンーフランツ則により示されるよ
うに、電気伝導度と熱伝導度との間には比例関係がある
ため、薄膜の熱伝導度の大小を電気伝導度から推測でき
る。本件では、スライドガラス上に約100nmの金属
膜をスパッタしたものを四端子法で表面抵抗Rを測定
し、比電気抵抗の逆数(電気伝導度)=(π/ln2)
・R・t (ここで、tは膜厚)より比電気抵抗の逆
数、すなわち、電気伝導度を決定した。本件の範囲は金
よりも熱伝導度の大きいものであり、それは、比電気抵
抗値の逆数が0.20/μΩcm以上、0.30/μΩ
cm以下である。さらに、金属反射層として、ディスク
の反射率を充分高いものとする必要があるため、再生光
波長±5nmでの屈折率、消衰係数がそれぞれ、0.1
以上、0.2以下、3以上、5以下である。具体的には
銀とその合金が挙げられる。この組み合わせにより、急
冷現象がおきて記録ビットが隣接トラックの方向に広が
るのを抑制でき、その結果、クロストークを低減でき
る。尚、本件では、比電気抵抗値の逆数は、金と銀とで
それぞれ、0.15/μΩcmと0.27/μΩcmで
あった。
【0024】金属反射層は、記録層を透過したレーザー
光を効率良く反射する金属膜であり、500nm以上、
700nm以下で反射率が低下しないために、記録再生
波長±5nmの波長領域の光の屈折率が0.1以上、
0.2以下、消衰係数kが3以上、5以下であるものが
好ましい。好ましい金属反射膜として、特に銀を主成分
とした金属反射膜が好ましい。なぜならば、銀は金属で
もとくに熱伝導度が大きいため、記録層の記録時の昇温
を急激に冷却する効果があり、そのために基板の変形が
溝間部に大きく広がることを抑制し、クロストークが小
さくなる。また銀は、金、アルミ合金などに比べると反
射率が大きいため、短ビット記録をした時により大きな
信号振幅が得られ、これを反射層とした場合には短ビッ
ト特性が良好となる。対候性の向上のために、また、熱
伝導度の微調整のために、銀に、Ti、Rh、Cu、T
a、Pd、Ni、V、Co、Cr、Si、C、B、S
n、P、Zn、Sb、Moの添加元素を3原子%以下の
範囲で加えることが好ましい。。金属反射層の膜厚は、
好ましくは80nm以上で、記録層の変形を抑制しすぎ
たり、記録感度を悪化させすぎない程度の膜厚が好まし
い。
【0025】本発明の光学記録媒体においては、反射層
の上に保護層を積層し、記録部の金属反射層の穴の発生
を防止したり、変形の非対称性を抑制する効果を有して
いる。保護層としては紫外線硬化接続が好ましい。ま
た、通常は、1μm以上、好ましくは3μm以上の膜厚
にして、酸素による硬化抑制等がおこらないようにす
る。さらにその上にホットメルトや紫外線硬化の接着剤
を10〜20μm設けて2枚の貼り合わせをしてもよ
い。以下本発明を実施例を用いてより詳細に説明する
が、本発明はその要旨を超えない限り、実施例に限定さ
れるものではない。
【0026】
【実施例】
実施例1 溝深さ150nm、溝幅(溝の半値幅)0.25μm
(0.80μmピッチ)(以上、AFMでの測定結果)
のU字型案内溝を有する厚さ0.6mmのポリカーボネ
ート基板上に下記構造式〔IV〕
【0027】
【化7】
【0028】で示される含金属アゾ色素0.06gをオ
クタフルオロペンタノール(OFP)5gに溶解し、8
00rpmでスピンコートし、80℃のオーブンで1時
間アニール処理し、記録層とした。この色素の減量特性
は図2に示されるタイプであり、主減量過程での減量が
47.0%で、温度差が7.1℃で、減量の傾きは6.
6%/℃(主減量開始温度は313℃)、総減量%は5
9.7%、発熱ピーク値は+3.4μV/mg、ピーク幅
は14.7℃であった。熱重量分析、示差熱分析ははセ
イコー電子工業製の示差熱天秤(「SSC5200H」
シリーズ「TG−DTA−320」)を用いて測定し
た。この色素単層の640nmでの屈折率nと消衰係数
kはそれぞれ2.2と0.06であり、吸収の肩は577
nmであった。
【0029】この記録層の上に金を100nmの厚さだ
けスパッタし、その状態で塗布膜の溝深さをAFMで測
定したところ、基板の溝深さの55%であった。なお、
記録層の溝間部膜厚は80nmであった(従って、溝部
膜厚は140nm)。この金属層の上にUV硬化樹脂
(大日本インキ製「SD−318」)を約3μmスピン
コートして紫外線ランプで硬化してディスクを作製し
た。同じ様にして作製したディスクどうしをホットメル
ト方式で接着した。この貼り合わせディスクを640n
mの半導体レーザー評価機(開口数NA=0.6)で、
CD−Rの4倍速対応EFM信号(nー1)Tを線速度
2.7m/sで記録したところ、7.4mWでアイの中心
が11T波形の中心に位置する良好なアイパターンが得
られた。この記録条件でItop=50%、I11/Itop
68%で、3Tジッターは9nsであった。この条件で
記録した溝部に隣接する溝間部(ランド上)で再生した
ところ、信号振幅は溝部での再生振幅の38%であり、
両側のトラックの記録によるジッターの劣化は1nsと
十分小さなクロストーク特性を示した。このディスクの
貼り合わせ面をはがし、両面テープで反射膜を剥離し、
エタノールで色素を洗い流して記録部下の基板の変形を
AFMで観察したところ、20nm程度の凸部が形成さ
れ、溝幅の変形は未記録部の溝幅の1.1倍と、十分ス
マートな記録マークが形成されていた。
【0030】実施例2〜5、比較例1〜3 以下の実施例、比較例で用いた基板、UV硬化樹脂層は
すべて実施例1と同様であり、実施例5を除いては反射
層が金100nmであり(実施例5は、銀100n
m)、色素は下記構造式のものに変え、記録条件はすべ
ての例で全く同様とした。特性は表−1に示すとおりで
あり、表中でクロストークと示しているのは、両側の溝
上に記録した時の、溝間部での再生信号振幅/溝上再生
信号振幅(%)の値である。いずれも、溝間部の膜厚は
80nm〜90nmであり、塗布膜の溝深さは基板のそ
れの55%〜60%で、結局溝部の膜厚は130nm〜
140nmであった。なお、いずれも記録は、アイの中
心が11T波形の中心に位置するアイパターンが得られ
る記録パワーで行った。なお、DTAによる発熱量の測
定に用いた試料量は、各図7〜14のチャート上部に示
す。
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】
【表1】
【0034】尚、記録パワーは実施例1〜6でそれぞれ
7.4、6.6、8.6、6.4、6.5、6.5mW
であり、比較例1〜3でそれぞれ7.2、7.0、7.
2mWであった。 比較例4 基板の溝幅を0.35μmに変えた他は実施例6と同様
にしてディスクを作成した。このディスクを実施例6と
同様に記録したところ、I11/Itopは54%しか得ら
れず、実施例6に比べはるかに小さいものであった。こ
のことから、溝幅が狭いほど大きい記録変調度が得られ
ることがわかる。
【0035】
【発明の効果】トラックピッチ、溝幅が十分小さくても
クロストークが小さい、良好な短ビットを形成し短波長
記録に好適な、高反射率の高容量光記録媒体を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本件でのnabs・d/λの範囲と反射率を示す計
算結果の説明図。
【図2】反射率60%以上となる、本件でのnabs・d/
λと消衰係数kの範囲を示す説明図。
【図3】記録部と未記録部の基板の溝幅を示す説明図。
【図4】有機色素の主減量過程、主減量過程の総減量、
減量の傾きを求める方法を説明するための示差熱天秤の
チャートの説明図。
【図5】図4と異なる、有機色素の主減量過程、主減量
過程の総減量、減量の傾きを求める方法を説明するため
の示唆熱天秤のチャートの説明図。
【図6】示差熱分析での発熱(吸熱)ピーク値、ピーク
幅を求める方法を説明するための示差熱天秤のチャート
の説明図。
【図7】実施例1の色素の示差熱天秤のチャート図。
【図8】実施例2の色素の示差熱天秤のチャート図。
【図9】実施例3の色素の示差熱天秤のチャート図。
【図10】実施例4の色素の示差熱天秤のチャート図。
【図11】実施例5の色素の示差熱天秤のチャート図。
【図12】実施例6及び比較例4の色素の示差熱天秤の
チャート図。
【図13】比較例1の色素の示差熱天秤のチャート図。
【図14】比較例2の色素の示差熱天秤のチャート図。
【図15】比較例3の色素の示差熱天秤のチャート図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒瀬 裕 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 前田 修一 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トラックピッチが0.7μm以上1.0μ
    m以下で、深さが100nm以上、200nm以下であ
    り、幅(溝深さが半分になるところの溝幅)が0.2〜
    0.4μmの記録再生光案内用の溝が形成された透明基
    板上に、少なくとも、熱分析で、主減量開始温度よりも
    低い温度における減量が実質的になく、かつ、主減量過
    程での減量の傾きが2%/℃以上で、その総減量%が3
    0%以上である有機色素を含有する記録層、金属反射
    層、保護層の順に積層した光記録媒体において、記録層
    が下記の(1)もしくは(2)の条件を満たすことを特
    徴とする、波長500nm以上、700nm以下で記録
    再生する光記録媒体。 (1)示差熱分析での発熱のピークの大きさがー10μ
    V/mg以上、10μV/mg以下であり、ピーク幅が
    20℃以下であること。 (2)示差熱分析での発熱ピークの大きさが10μV/
    mg以上30μV/mg以下である有機色素からなる記
    録層の上に、室温近傍での比電気抵抗値の逆数が0.2
    0/μΩcm以上、0.30/μΩcm以下であり、再
    生光±5nmでの屈折率が0.1以上、0.2以下で、
    消衰係数が3以上、5以下である金属反射層を有するこ
    と。
  2. 【請求項2】記録を溝上で行い、記録部下の基板の溝幅
    (W1)が、未記録部の溝幅(W0)に対して1倍以上、
    1.5倍以下である請求項1記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】記録層単層の再生光波長±5nmでの屈折
    率nが2.2以上、2.8以下であり、消衰係数が0.0
    3以上、0.09以下である請求項1または2に記載の
    光記録媒体。
  4. 【請求項4】記録層の溝間上の膜厚が50nm以上、1
    00nm以下であり、記録層塗布膜の溝深さが、透明基
    板の溝深さの50%以上、80%以下であることを特徴
    とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光記録媒
    体。
  5. 【請求項5】記録層を構成する色素が下記の構造式
    [I]〜[III]のいずれかで表される化合物である請
    求項1乃至4のいずれか1項に記載の光記録媒体。 【化1】 (式中、R1は水素原子、炭素数1〜6の直鎖または分
    岐アルキル基、または、炭素数3〜6の環状アルキル基
    を表し、R2、R3は炭素数1〜6の直鎖または、分岐の
    アルキル基、またはメトキシエチル基、エトキシエチル
    基を表す。Y1はヒドロキシル基、カルボキシル基を表
    し、Y2は炭素数1〜6の直鎖または分岐のハロゲン原
    子で置換されていても良いアルキル基を表し、X、Zは
    シアノ基、カルボン酸エステル基、または炭素数1〜6
    の直鎖または分岐のアルキル基を表す。M2+はニッケ
    ル、コバルト、銅の2価のイオンを表す。)
  6. 【請求項6】該金属反射層がTi,Rh,Cu,Ta,
    Pd,Ni,V,Co,Cr,Si,C,B,Su,
    P,Zn,Moからなる群より選ばれる添加元素を0〜
    3原子%含有する銀である請求項1乃至5のいずれか1
    項に記載の光記録媒体。
  7. 【請求項7】該基板の厚さが0.6mm±0.03mmで
    あり、基板の案内溝のトラックピッチが0.7μm以
    上、1.0μm以下であり、溝深さが100nm以上、
    200nm以下で、溝幅(溝深さが半分になるところの
    溝幅)が0.2μm以上、0.3μm以下である請求項
    1乃至6のいずれか1項に記載の光記録媒体。
  8. 【請求項8】該保護層が主として紫外線硬化樹脂からな
    る請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光記録媒体。
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