JPH10191989A - ベータセルリン類の製造方法 - Google Patents

ベータセルリン類の製造方法

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JPH10191989A
JPH10191989A JP9306851A JP30685197A JPH10191989A JP H10191989 A JPH10191989 A JP H10191989A JP 9306851 A JP9306851 A JP 9306851A JP 30685197 A JP30685197 A JP 30685197A JP H10191989 A JPH10191989 A JP H10191989A
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amino acid
btc
met
acid
btcs
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JP9306851A
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Masato Suenaga
正人 末永
Hiroaki Omae
弘明 大前
Shinji Tsuji
伸次 辻
Tadashi Nishimura
紀 西村
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】遺伝子操作技術を用いて、原核細胞で生産した
不活性なBTCを、効率的に活性を回復させ、天然源か
ら単離されたBTCと同じ活性を有する蛋白質を得る方
法を提供する。 【解決手段】遺伝子工学的に原核細胞宿主中で発現させ
たBTC類をレドックスバッファー中でリフォールディ
ングすることを特徴とする活性型BTC類の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は遺伝子操作技術を用
いて、原核細胞中で発現させたベータセルリン(BT
C)類をリフォールディングし、薬理的に活性なBTC
類を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】BTCはHanahan(サイエンス、
259巻、1604〜1607頁、1993年)らによ
って、β細胞腫瘍より見いだされたアミノ酸80個から
なる分子量約9000の上皮細胞成長因子(EGF)フ
ァミリーに属する蛋白質で、血管平滑筋細胞、網膜色素
上皮細胞、3T3細胞等に対して増殖促進作用を有して
いる。また、遺伝子工学的手法により、BTCを原核細
胞や真核細胞を用いて製造することが知られている(特
開平6−87894)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】BTC類を原核細胞中
で発現すると、薬理的に活性なBTC類の収率が低い。
またチャイニーズハムスター細胞(例、CHO)、サル
細胞(例、COS−7)等の真核細胞を宿主として発現
すると薬理的に活性なBTCが得られる(特開平6−8
7894)ものの、真核細胞用の培地は高価であり、さ
らに蛋白の発現量が低く、工業的規模での製造は適当と
はいえない。したがって、薬理的に活性なBTC類の工
業的に有利な製造方法が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
欠点を解決すべく、原核細胞の高生産性を利用すると共
に、効率的な活性化方法(再生方法)を提供すべく鋭意
研究を重ねた結果、遺伝子操作技術を用いてBTC類を
原核細胞において発現後、活性化する方法において、レ
ドックスバッファー中でリフォールディングすることを
初めて試みることによって、予想外にも活性化が工業的
に効率よく行なえることを見出し、本発明を完成したも
のである。即ち、本発明は、遺伝子工学的に原核細胞宿
主中で発現させたBTC類をレドックスバッファー中で
リフォールディングすることを特徴とする活性型BTC
類の製造方法に関するものである。
【0005】本発明で用いられるBTC類は、公知のB
TCと同様の作用を有するものであって、哺乳動物由来
のBTCや、そのN末端にMetが付加された蛋白(以
下、Met−BTCと称することもある)等が挙げら
れ、中でも図1(配列番号:1)の2〜81番目のアミ
ノ酸配列を有するヒトBTCおよびそのN末端にMet
が付加された図1(配列番号:1)の1〜81番目のア
ミノ酸配列を有する蛋白等が好ましい。さらには、BT
Cと同様の作用を有する限り、そのフラグメントでもよ
く、例えば配列番号:1において3番目(Gly)から
81番目(Tyr)のアミノ酸配列を有するものや、さ
らに小さいフラグメントの30番目(Ser)から81
番目(Tyr)のアミノ酸配列を有するもの等が挙げら
れる。また、BTC類は塩として用いられてもよく、塩
酸、臭化水素、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩、
酢酸、フタル酸、フマール酸、酒石酸、マレイン酸、ク
エン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、p−トルエンス
ルホン酸等の有機酸との塩、ナトリウム塩、カリウム塩
等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金
属塩、アンモニウム塩等の薬学的に許容されうる塩や水
和物等が挙げられる。
【0006】本発明で用いられる原核細胞としては、Es
cherichia coli(大腸菌)等のエシェリヒア属菌、Baci
llus subtilis(枯草菌)等のバチルス属菌、Serratia
marcescens(セラチア)等のセラチア属菌等が挙げら
れ、中でもEscherichia coli等が好ましい。これらの原
核細胞の形質転換、培養等は次に示す方法のほか、常法
に準じて行うこともできる(特開平3−204897号
参照)。例えば、本発明方法におけるBTC類をコード
する塩基配列を有するcDNAを含有する発現型ベクタ
ーは、例えば、(i)BTC産生細胞からメッセンジャ
ーRNA(mRNA)を分離し、(ii)該mRNAから
単鎖のcDNAを、次いで二重鎖DNAを合成し、(ii
i)該相補DNAをファージまたはプラスミドに組み込
み、(iv)得られた組み換えファージまたはプラスミド
で宿主を形質転換し、(v)得られた形質転換体を培養
後、形質転換体から適当な方法、例えばBTCの一部を
コードするDNAプローブとのハイブリダイゼーション
により、あるいは抗BTC抗体を用いたイムノアッセイ
法により目的とするDNAを含有するファージあるいは
プラスミドを単離し、(vi)その組み換えDNAから目
的とするクローン化DNAを切り出し、(vii)該クロ
ーン化DNAまたはその一部を発現ベクター中のプロモ
ーターの下流に連結する、ことにより製造することがで
きる。
【0007】BTC類をコードするmRNAは、例えば
膵臓腫瘍細胞(たとえばATCC寄託番号CRL105
85,CRL10875)などから得ることができる。
膵臓腫瘍細胞からmRNAを調製する方法としては、グ
アニジンチオシアネート法〔(ジェー・エム・チルグウィ
ン(J.M.Chirgwin)ら、バイオケミストリー(Biochemi
stry)、18巻、5294頁(1979年)〕などが挙
げられる。このようにして得られたmRNAを鋳型と
し、逆転写酵素を用いて、例えば岡山(H.Okayama)ら
の方法〔モレキュラ−・アンド・セルラ−・バイオロジ
−(Molecular and Cellular Biology)2巻、161頁
(1982年)および同誌3巻、280頁(1983
年)〕に従いcDNAを合成し、得られたcDNAをプ
ラスミドに組み込む。cDNAを組み込むプラスミドと
しては、たとえば大腸菌由来のpBR322〔ジ−ン
(Gene)、2巻、95頁(1977年)〕、pBR32
5〔ジーン、4巻、121頁(1978年)〕、pUC
12〔ジーン、19巻、259頁(1982年)〕、p
UC13〔ジーン、19巻、259頁(1982
年)〕、枯草菌由来のpUB110〔バイオケミカル・
バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ
(Biochemical and Biophysical Research Communicati
ons)、112巻、678頁(1983年)〕などが挙
げられるが、その他のものであっても、宿主内で複製増
殖されるものであれば、いずれを用いることもできる。
またcDNAを組み込むファージベクターとしては、た
とえばλgt11〔ヤング及びデーヴィス(Young, R.
and Davis, R.)、プロシーディングズ・オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・オブ・ザ・
ユー・エス・エー(Proc. Natl. Acad. Sci.,U.S.
A.)、80巻、1194頁(1983年)〕などが挙げ
られるが、その他のものであっても宿主内で増殖できる
ものであれば用いることができる。プラスミドに組み込
む方法としては、たとえば、ティー・マニアティス(T.M
aniatis)ら、モレキュラー・クローニング(Molecular
Cloning) コールド・スプリング・ハーバー・ラボラ
トリー(Cold Spring Harbor Laboratory)、239頁
(1982年)に記載の方法などが挙げられる。またフ
ァージベクターにcDNAを組み込む方法としては、た
とえばヒューン(Hyunh,T.V.)らの方法〔ディー・エヌ・
エー・クローニング、ア・プラクティカル・アプローチ
(DNA Cloning, A Practical Approach)1巻、49頁
(1985年)〕などが挙げられる。
【0008】このようにして得られたプラスミドは、適
当な宿主たとえばエシェリヒア(Escherichia)属菌,
バチルス(Bacillus)属菌などに導入する。上記エシェ
リヒア属菌の例としては、エシェリヒア・コリ(Escher
ichia coli)K12DH1〔プロシージング・オブ・ザ
・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス(Proc.
Natl. Acad. Sci. U.S.A.)60巻、160頁(196
8年)〕、JM103〔ヌクレイック・アシッズ・リサー
チ(Nucleic Acids Research)、9巻、309頁(19
81年)〕、JA221〔ジャーナル・オブ・モレキュ
ラー・バイオロジー(Journal of Molecular Biolog
y)〕、120巻、517頁(1978年)〕、HB1
01〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジ
ー、41巻、459頁(1969年)〕、C600〔ジ
ェネティックス(Genetics)、39巻、440頁(19
54年)〕、MM294〔ネイチャー(Nature)、21
7巻、1110頁(1968年)〕などが挙げられる。
上記バチルス属菌としては、たとえばバチルス・サチリ
ス(Bacillus subtilis)MI114〔ジーン、24
巻、255頁(1983年)〕、207−21〔ジャー
ナル・オブ・バイオケミストリー(Journal of Biochem
istry)95巻、87頁(1984年)〕などが挙げら
れる。プラスミドで宿主を形質転換する方法としては、
たとえばティー・マニアティス(T.Maniatis)ら,モレ
キュラー・クローニング(Molecular Cloning)、コー
ルド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spr
ing Harbor Laboratory)、249頁(1982年)に
記載のカルシウムクロライド法あるいはカルシウムクロ
ライド/ルビジウムクロライド法などが挙げられる。ま
たファージ・ベクターを用いる場合には、たとえば増殖
させた大腸菌にインビトロパッケージング法を用いて導
入することができる。BTC類をコードするcDNAを
含有するBTC・cDNAライブラリーは上記の方法な
どで得ることが出来るが、市販品として購入することも
可能である。
【0009】このようにしてクローン化されたBTC類
をコードするcDNAは必要があればプラスミド、例え
ばpBR322、pUC12、pUC13、pUC1
8、pUC19、pUC118、pUC119などにサ
ブクローニングしてBTCcDNAを得ることができ
る。このようにして得られたcDNAの塩基配列を、た
とえばマキサム・ギルバート(Maxam-Gilbert)法〔Max
am, A. M. and Gilbert, W.、プロシーディングズ・オ
ブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・
オブ・ザ・ユー・エス・エー(Proc. Natl. Acad. Sc
i.,U.S.A.)、74巻、560頁(1977年)〕ある
いはジデオキシ法〔Messing, J.ら、ヌクレイック・ア
シッズ・リサーチ(Nucleic Acids Research)9巻、3
09頁(1981年)〕によって決定し、既知のアミノ
酸配列との比較からBTCcDNAの存在を確認でき
る。上記のようにして、BTC類をコードするcDNA
が得られる。上記のようにしてクローン化されたBTC
類をコードするcDNAは目的によりそのまま、または
所望により制限酵素やエキソヌクレアーゼで消化して使
用することが出来る。
【0010】次に、クローン化されたcDNAから発現
させたい領域を切り出し、発現に適したビークル(ベク
ター)中のプロモーターの下流に連結して発現型ベクタ
ーを得ることができる。該cDNAはその5’末端に翻
訳開始コドンとしてのATGを有し、また3’末端には
翻訳終止コドンとしてのTAA,TGAまたはTAGを
有していてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止
コドンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付加す
ることもできる。さらに該DNAを発現させるにはその
上流にプロモーターを接続する。ベクターとしては、上
記の大腸菌由来のプラスミド(例、pBR322,pB
R325,pUC12,pUC13),枯草菌由来プラ
スミド(例、pUB110,pTP5,pC194)な
どが挙げられる。
【0011】本発明で用いられるプロモーターとして
は、遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適切なプロモ
ーターであればいかなるものでもよい。形質転換する際
の宿主がエシェリキア属菌である場合は、T7プロモー
ター,trpプロモーター,lacプロモーター,re
cAプロモーター,λPLプロモーター,lppプロモ
ーターなどが、宿主がバチルス属菌である場合は、SP
O1プロモーター,SPO2プロモーター,penPプ
ロモーターなどが好ましい。とりわけ宿主がエシェリキ
ア属菌でプロモーターがT7プロモーター,trpプロ
モーターまたはλPLプロモーターであることが好まし
い。なお、発現にエンハンサーの利用も効果的である。
このようにして構築されたBTC類の成熟ペプチドをコ
ードするcDNAを含有するベクターを用いて、原核細
胞の形質転換体を製造する。
【0012】上記エシェリキア属菌を形質転換するに
は、たとえばプロシージング・オブ・ザ・ナショナル・
アカデミー・オブ・サイエンス(Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA)、69巻、2110頁(1972年)やジーン(Ge
ne)、17巻、107頁(1982年)などに記載の方
法に従って行なわれる。バチルス属菌を形質転換するに
は、たとえばモレキュラー・アンド・ジェネラル・ジェ
ネティックス(Molecular & General Genetics)、16
8巻、111頁(1979年)などに記載の方法に従っ
て行われる。このようにして、BTC類をコードするc
DNAを含有する発現ベクターで形質転換された原核細
胞の形質転換体が得られる。宿主としてエシェリヒア属
菌を、プロモーターとしてT7プロモーターを用いる場
合、T7プロモーターの発現効率の向上を目的として、
BTC類をコードするcDNAを含有する発現ベクター
に加え、T7リゾチーム発現プラスミドを共存させても
よい。
【0013】宿主がエシェリヒア属菌、バチルス属菌で
ある形質転換体を培養する際、培養に使用される培地と
しては液体培地が適当であり、その中には該形質転換体
の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他が含有せ
しめられる。炭素源としては、たとえばグルコース、デ
キストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源として
は、たとえばアンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチ
ープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆
粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物質、無機
物としてはたとえば塩化カルシウム、リン酸二水素ナト
リウム、塩化マグネシウムなどが挙げられる。また、酵
母エキス、ビタミン類、生長促進因子などを添加しても
よい。培地のpHは約5〜8が望ましい。エシェリヒア
属菌を培養する際の培地としては、例えばグルコース、
カザミノ酸を含むM9培地〔ミラー(Miller)、ジャー
ナル・オブ・エクスペリメンツ・イン・モレキュラー・ジェ
ネティックス(Journal of Experiments in Molecular
Genetics)、431−433頁、Cold Spring Harbor L
aboratory, New York 1972〕、LB培地等が好ましい。
ここに必要によりプロモーターを効率よく働かせるため
に、たとえばイソプロピル−β−D−チオガラクトピラ
ノシド(IPTG)、3β−インドリルアクリル酸のよ
うな薬剤を加えることができる。宿主がエシェリヒア属
菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約3〜24時間
行い、必要により、通気や攪拌を加えることもできる。
宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常約30〜40℃
で約6〜24時間行ない、必要により通気や攪拌を加え
ることもできる。
【0014】BTC類が宿主原核細胞中で封入体を形成
する場合には、培養後、遠心分離等の方法により集菌し
た後、細胞を破砕し、封入体を変性剤を用いて可溶化す
ることによって、BTC類を抽出することができる。細
胞の破砕は、常法で、たとえば超音波処理により実施で
きる。懸濁媒体として中性付近のpH値(pH6.5〜
7.5)に調整した好適な緩衝液(例えばリン酸緩衝液
等)を用いることが好ましい。この際、細胞の破砕を促
進させるためEDTAを添加してもよい。このようにし
て細胞を破砕した後に、不溶成分(封入体)を任意の方
法で、遠心分離するか、濾過することにより分取する。
原核細胞由来の蛋白質をできる限り除去するため、たと
えば水、リン酸緩衝液を用いて洗浄することが好ましい
が、場合により4M程度の尿素で洗浄してもよい。得ら
れた沈殿(ペレット)を変性剤を用いて可溶化する際の
変性剤としては、公知の変性剤、特にグアニジンまたは
尿素等を使用することができる。変性剤は通常水溶液と
して用いられ、水溶液中の変性剤の濃度は、グアニジン
では4〜8モル/リットル、好ましくは約6〜7モル/
リットル、尿素では5〜9モル/リットル、好ましくは
約8モル/リットルである。グアニジンは通常グアニジ
ン塩酸塩等のグアニジンの酸付加塩として用いられる。
【0015】BTC類が宿主原核細胞中で封入体を形成
しない場合には、培養後、遠心分離等の方法により集菌
した後、細胞を変性剤を用いて可溶化するか、あるいは
細胞を破砕後変性剤で可溶化することによってBTC類
を抽出することができる。集菌した細胞の可溶化に用い
られる変性剤としては、例えばグアニジンなどが挙げら
れる。変性剤は通常水溶液として用いられ、水溶液中の
変性剤の濃度は、グアニジンでは通常4〜8モル/リッ
トル、このましくは約6〜7モル/リットルである。グ
アニジンは通常グアニジン塩酸塩等のグアニジンの酸付
加塩として用いられる。細胞の破砕は、常法で、たとえ
ば超音波処理、フレンチ・プレスにより実施できる。破
砕された細胞の可溶化に用いられる変性剤としては、公
知の変性剤、特にグアニジンまたは尿素を使用すること
ができる。変性剤は通常水溶液として用いられ、水溶液
中の変性剤の濃度は、グアニジンでは4〜8モル/リッ
トル、好ましくは約6〜7モル/リットル、尿素では5
〜9モル/リットル、好ましくは約8モル/リットルで
ある。グアニジンは通常グアニジン塩酸塩等のグアニジ
ンの酸付加塩として用いられる。
【0016】上記のようにして封入体の可溶化を行う
か、あるいは菌体を変性剤で直接可溶化するか、あるい
は細胞を破砕後変性剤で可溶化した後、遠心分離等で不
純物を除去し、得られた上澄液を必要により精製工程や
N末端Metの除去工程に付した後、BTC類のリフォ
ールディング(活性化、再生化)を行うことができる。
リフォールディングは、精製したBTC類にレドックス
バッファーを添加するか、あるいはBTC類を含有する
上澄液をレドックスバッファーで希釈することにより行
われる。「この際、たとえばメルカプト基を有さないア
ミノ酸などをレドックスバッファーに含有させておくこ
とが好ましい。」BTC類を含有する上澄液をレドック
スバッファーで希釈する場合、変性剤の濃度を活性化に
適した中性pHにおいて不作用濃度まで希釈することが
望ましく、たとえば変性剤がグアジニンである場合には
希釈液中のグアニジンの濃度を0〜2.0モル/リット
ル、好ましくは約1モル/リットル以下まで、変性剤が
尿素である場合には希釈液中の尿素の濃度を0〜4.0
モル/リットル、好ましくは約2モル/リットル以下ま
で希釈することが望ましい。
【0017】リフォールディングに際してレドックスバ
ッファーに添加されるメルカプト基を有さないアミノ酸
としては、本発明の目的が達成される限り、メルカプト
基を有さないアミノ酸であればいずれのものでもよい
が、アルギニン、アスパラギン酸、バリン、リジン、ア
ラニン、シトルリン等が好ましく、アルギニン等がBT
C類のリフォールディングにおける収率の点で特に好ま
しく、レドックスバッファー中の該アミノ酸の添加濃度
は、0.1〜1.0モル/リットル、好ましくは0.1
〜0.5モル/リットルである。レドックスバッファー
としては、酸化体と還元体は一般に有機物質が好まし
く、たとえば酸化型グルタチオン(GSSG)および還
元型グルタチオン(GSH)、システインおよびシスチ
ン、またはシステアミンおよびシスタミンを含有する緩
衝液(例、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝
液)等が好ましいものとして挙げられ、中でもGSSG
およびGSHを含有するリン酸緩衝液等が特に好まし
い。レドックスバッファー中の酸化剤および還元剤の濃
度は一般にそれぞれ0.01〜100ミリモル/リット
ルおよび0.01〜100ミリモル/リットルである。
より具体的には、GSSGおよびGSHを用いる場合、
レドックスバッファー中のGSSGの濃度は0.1〜1
0ミリモル/リットル、好ましくは0.1〜1.0ミリ
モル/リットル、GSHの濃度は0.1〜10ミリモル
/リットル、好ましくは0.2〜2.0ミリモル/リッ
トルである。該リフォールディングに当っての温度は0
〜30℃、好ましくは4〜15℃、pHは7〜9、好ま
しくはpH7.5〜8.5である。リフォールディング
に要する時間は通常0.5〜7日間、好ましくは1〜3
日間である。
【0018】なお、可溶化後かつリフォールディングの
前に、例えば抽出、塩析、透析、分配、結晶化、再結
晶、ゲルろ過、クロマトグラフィー等の公知で常用の精
製工程を導入することができ、好ましくは、たとえば
0.1モル/リットル リン酸緩衝液中セファデックス
(Sephadex)G−25(ファルマシア バイオ
テク(株))にかけることにより精製することができ
る。変性剤の分離は場合により0.1モル/リットル
リン酸緩衝液に対して透析することによっても可能であ
る。精製工程はリフォールディングに続いて行うことも
できる。一般にそのような精製としては例えば抽出、塩
析、透析、分配、結晶化、再結晶、ゲルろ過、クロマト
グラフィー等が挙げられ、好ましい例として透析や、た
とえばSP−セファロース(ファルマシア バイオテク
(株))、SP−5PW(トーソー(株))あるいは、
DEAE−5PW(トーソー(株))を介したイオン交
換クロマトグラフィー、たとえばODP−50(昭和電
工(株))を用いた逆相クロマトグラフィー等による精
製法が挙げられる。
【0019】遺伝子工学的に原核細胞中で発現させて得
られるBTC類は、N末端にMetが付加されていない
BTCである場合もあるが、通常N末端にMetが付加
されたMet−BTCである。得られたBTC類がMe
t−BTCである場合には、リフォールディングの前あ
るいは後に、N末端Met残基の除去を行い、N末端に
Metが付加されていないBTCを得ることもできる。
N末端Met残基の除去は、たとえばMet−BTCと
α−ジケトン類を反応させた後、加水分解することによ
り行うことができる。α−ジケトン類は、Met−BT
Cのアミノ基転移反応を進行させうるものであればいず
れでもよく、例えば式R1−CO−CO−R2〔式中、R
1は水素またはカルボキシル基で置換されていてもよい
低級アルキルもしくはフェニル基(好ましくは水素また
はメチル、さらに好ましくは水素)を示し、R2は水酸
基、低級アルコキシ基または低級アルキルで置換されて
いてもよいアミノ基(好ましくは水酸基)を示す。〕で
表される化合物またはその塩等が挙げられる。上記式
中、R1で示される低級アルキル基としては、メチル、
エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、i−ブチ
ル、sec−ブチル、t−ブチル等の炭素数1ないし6
程度のアルキル基等が挙げられ、R2で示される低級ア
ルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、i−プロポキシ、ブトキシ、i−ブトキシ、sec
−ブトキシ、t−ブトキシ等の炭素数1ないし6程度の
アルコキシ基等が挙げられる。また、R2で示される低
級アルキルで置換されていてもよいアミノ基としては、
前記したR1で示される低級アルキル基を1ないし2個
有していてもよいアミノ基等が挙げられる。さらに、塩
としては、上記したBTC類の塩と同様な無機酸との
塩、有機酸との塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属
塩アンモニウム塩等が挙げられる。α−ジケトン類の具
体例としては、グリオキシル酸、ピルビン酸、オキサル
酢酸、フェニルグリオキシル酸、2−オキソグルタル酸
等が挙げられるが、中でも、グリオキシル酸が好ましく
用いられる。
【0020】Met−BTCとα−ジケトン類とのアミ
ノ基転移反応は、通常、Met−BTC、1モルに対し
て、1ないし1万モル(好ましくは2000ないし40
00モル)程度のα−ジケトン類を、約0ないし70℃
(好ましくは約20ないし40℃)で約5分ないし2時
間(好ましくは約15分ないし1時間)反応させるのが
好ましい。また、反応のpHは、約2ないし9、中で
も、約4ないし7、とりわけ約5ないし6に調整して、
Met−BTCが変性しない条件下で反応を進行させる
のがよい。反応液のpHを調整するため、たとえばリン
酸緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液等の緩衝液を用
いてもよい。該アミノ基転移反応を促進させるため、遷
移金属イオンの存在下にα−ジケトン類を反応させるこ
とが好ましく、通常、α−ジケトン類1モルに対して、
0.001ないし0.1モル(好ましくは0.01ない
し0.05モル)程度の遷移金属イオンを用いるのが好
ましい。遷移金属イオンとしては、たとえば、銅イオ
ン、コバルトイオン、ニッケルイオン、鉄イオン、亜鉛
イオン、アルミニウムイオン、マンガンイオン、ガリウ
ムイオン、インジウムイオン、マグネシウムイオン、カ
ルシウムイオン等を用いることができるが、中でも、銅
イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン等、とりわけ
銅イオンが好ましく用いられる。これらの遷移金属イオ
ンは、通常、硫酸、硝酸、塩酸、臭酸、炭酸、過塩素酸
等の無機酸との塩または酢酸、クエン酸等の有機酸との
塩として、反応溶媒に添加することができ、中でも、硫
酸銅、酢酸銅、とりわけ、硫酸銅が好ましく用いられ
る。また、塩基の存在下にα−ジケトン類を反応させる
ことが好ましく、通常、α−ジケトン類1モルに対し
て、0.1ないし2モル(好ましくは0.5ないし1.
0モル)程度の塩基を用いるのが好ましい。塩基として
は、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン等の
アルキルアミン類、N,N−ジメチルアニリン、ピリジ
ン、ルチジン、コリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリ
ジン、イミダゾール等の芳香族アミン類等の有機塩基等
を用いることができるが、なかでも、芳香族アミン類、
とりわけ、ピリジンが好ましく用いられる。さらに、上
記したアミノ基転移反応は、遷移金属イオンおよび塩基
の存在下にα−ジケトン類を反応させることが好まし
く、実用的には、遷移金属イオン、塩基およびα−ジケ
トン類の3成分(例えば、硫酸銅、ピリジンおよびグリ
オキシル酸等)を含有する混合液を、Met−BTCを
含有する、0〜4モル/リットルの尿素を含有する水溶
液に添加して、アミノ基転移反応を進行させる。
【0021】該アミノ基転移反応により得られたジケト
ン体〔CH3-S-(CH2)2-CO-CO-BTC〕は、ペプチドまたは蛋
白質の精製手段、例えば、抽出、塩析、分配、再結晶、
クロマトグラフィー等により、反応溶液から単離・精製
することもできるが、そのまま次の加水分解反応に付す
こともできる。加水分解反応に用いる塩基としては、例
えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のアルキ
ルアミン類、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、ル
チジン、コリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、
イミダゾール等の芳香族アミン類、o−フェニレンジア
ミン、トリレン−3,4−ジアミン、3,4−ジアミノ
安息香酸、2,3−ジアミノフェノール、4−クロロ−
o−フェニレンジアミン等のジアミン類(好ましくは芳
香族ジアミン類、中でも、o−フェニレンジアミン
類)、チオセミカルバジド、アセトンチオセミカルバジ
ド、フェニルチオセミカルバジド等のチオセミカルバジ
ド類、セレノセミカルバジド、アセトンセレノセミカル
バジド等のセレノセミカルバジド類等を用いることがで
きるが、中でも、ジアミン類またはチオセミカルバジド
類が好ましく用いられ、とくに、o−フェニレンジアミ
ンが好ましく用いられる。塩基の量は、通常、ジケトン
体1モルに対して約1ないし1万モル、好ましくは約5
00ないし2000モルである。加水分解反応は、通
常、約0ないし70℃(好ましくは約20ないし40
℃)で約1ないし50時間(好ましくは約10ないし2
5時間)で進行させるのが好ましい。反応には、緩衝液
を溶媒として用いることが好ましく、緩衝液としては、
リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液等が挙げら
れ、中でも、酢酸緩衝液が好ましい。反応のpHは、約
2ないし9、中でも、約3ないし7、とりわけ、約4な
いし6に調整して、得られるBTCが変性しない条件下
で反応を進行させるのがよい。
【0022】このようにして得られるBTC類は、公知
の精製手段、例えば、抽出、塩析、透析、分配、結晶
化、再結晶、ゲルろ過、クロマトグラフィー等により、
反応溶液から単離・精製することもできるが、好ましい
例として、例えば、SP−セファロース(ファルマシア
バイオテク(株))、SP−5PW(トーソー
(株))あるいは、DEAE−5PW(トーソー
(株))を介したイオン交換クロマトグラフィー、OD
P−50(昭和電工(株))を用いた逆相クロマトグラ
フィー等による精製法が挙げられる。本発明で得られる
BTC類は、公知のBTCと同様の作用を有しており、
公知のBTCの使用方法と同様にして用いることができ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明明細書および図面におい
て、塩基やアミノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC-
IUB Commision on Biochemical Nomenclatureによる略
号あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであ
り、その例を下記する。また、アミノ酸に関し光学異性
体がありうる場合は、特に明示しなければL−体を示す
ものとする。 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA :伝令リボ核酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム DTT :ジチオスレイトール Gly(G):グリシン Ala(A):アラニン Val(V):バリン Leu(L):ロイシン Ile(I):イソロイシン Ser(S):セリン Thr(T):スレオニン Cys(C):システイン Met(M):メチオニン Glu(E):グルタミン酸 Asp(D):アスパラギン酸 Lys(K):リジン Arg(R):アルギニン His(H):ヒスチジン Phe(F):フェニルアラニン Tyr(Y):チロシン Trp(W):トリプトファン Pro(P):プロリン Asn(N):アスパラギン Gln(Q):グルタミン Asx :Asp+Asn Glx :Glu+Gln 以下の参考例および実施例によって本発明をより具体的
に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではな
い。
【0024】
【実施例】
参考例 (ヒトMet−BTCの製造) 特開平6−87894の実施例4〜6、8および13に
記載の方法に準じて、下記の方法でヒトMet−BTC
を製造した。
【0025】参考例1 (大腸菌のヒトBTCcDNA
発現プラスミドの構築) ヒト・プロBTC(1−147アミノ酸残基)をコード
する0.6KbのEcoRI−BamHI断片を、特開
平6−87894の実施例5に記載のプラスミドpTB
1515から単離した。ATG翻訳開始コドン(配列番
号2:5’−TATGGATGGG−3’;配列番号
3:5’−AATTCCCATCCA−3’)を有する
合成アダプターを上記0.6Kb断片のEcoRI部位
に連結した後、生成した0.6Kb NdeI−Bam
HI断片を、T7プロモーター(Gene、56巻、1
25頁(1987年))を含有するプラスミドpET−
3c中へ挿入し、プラスミドpTB1505を構築し
た。ヒトBTCの80アミノ酸残基(特開平6−878
94の図10−1〜図10−2の1(Asp)から80
(Tyr)まで)をコードするDNA断片を得るため、
鋳型としてプラスミドpTB1505、プライマーとし
て2個のオリゴヌクレオチド(配列番号4:5’−AT
ACATATGGATGGGAATTCCA−3’;配
列番号5:5’−CCGGATCCTAGTAAAAC
AAGTCAACTCT−3’)を用いてPCR(poly
merase chain reaction)を行った。生成物をNdeI
およびBamHIで消化し、2.0%アガロースゲル電
気泳動で分画し、目的とする0.25KbDNA断片を
単離した。この0.25KbNdeI−BamHI断片
を、pET−3cのT7プロモーターの下流にT4DN
Aリガーゼを用いて連結しプラスミドpTB1516を
得た(特開平6−87894の図13参照)。
【0026】参考例2 (大腸菌でのヒトMet−BT
Cの発現) 大腸菌MM294を、T7ファージのRNAポリメラー
ゼ遺伝子で組み換えられているラムダファージ(スチュ
ディエ、スプラ)で溶原化した。その後、プラスミドp
LysSをこの大腸菌MM294(DE3)へ導入し、
大腸菌MM294(DE3)/pLysSを得た。この
菌体に上記参考例で得られたプラスミドpTB1516
を導入し、大腸菌MM294(DE3)/pLysS,
pTB1516を得た。この形質転換細胞を、50μg
/mlのアンピシリンと15μg/mlのクロラムフェ
ニコールを含むLB培地(1%ペプトン、0.5%酵母
エキス、0.5%塩化ナトリウム)1リットルを含む2
リットル容フラスコ中で37℃、8時間振とう培養し
た。得られた培養液を19リットルの主発酵培地(1.
68%リン酸一水素ナトリウム、0.3%リン酸二水素
カリウム、0.1%塩化アンモニウム、0.05%塩化
ナトリウム、0.05%硫酸マグネシウム、0.02%
消泡剤、0.00025%硫酸第一鉄、0.0005%
塩酸チアミン、1.5%ブドウ糖、1.5%カザミノ
酸)を仕込んだ50リットル容発酵槽へ移植して、30
℃で通気撹拌培養を開始した。培養液の濁度が約500
クレット単位になった時点で、100mg/リットル分
のイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(I
PTG)を添加し、さらに培養を続け、7時間後に培養
を終了した。この培養終了液を遠心分離して、約340
gの湿菌体を得、−80℃に凍結保存した。
【0027】この形質転換大腸菌MM294(DE3)
/pLysS,pTB1516は、受託番号FERM
BP−3836として通商産業省工業技術院生命工学工
業研究所(NIBH)に寄託され、また受託番号IFO
15282として財団法人発酵研究所(IFO)に寄
託されている。
【0028】参考例3 (大腸菌のヒトBTC50cD
NA発現プラスミドの構築) pET3c(Rosenberg et al., ジーン(Gene),56
巻,125頁(1987年)をNdel及びBamHI
で切断し、T7プロモーター及びアンピシリン耐性遺伝
子を含む約4.6kの断片を取得した。Ndelサイト
の下流に、ATGの翻訳開始コドン、配列番号:1のM
et−BTCにおいてArg32からTyr81をコードす
る遺伝子(BTC50cDNAと称する)、終止コドン
及びBamHIサイトを有する断片を、pET3のNd
el及びBamHIで切断した断片とを、T4DNAリ
ガーゼで連結し、プラスミドpTB1976を得た(図
4)。
【0029】参考例4 (大腸菌でのヒトMet−BT
C50の発現) 大腸菌MM294(DE3)/pLysSにプラスミド
pTB1976を導入し、大腸菌MM294(DE3)
/pLysS、pTB1976を得た。この形質転換細
胞大腸菌MM294(DE3)/pLysS、pTB1
976は、受託番号FERM P−16505として1
997年11月6日付で通商産業省工業技術院生命工学
工業研究所に寄託され、また1997年10月16日付
で受託番号IFO 16122として財団法人発酵研究
所(IFO)に寄託されている。 大腸菌MM294(DE3)/pLysS、pTB19
76を50μg/mLのアンピシリンを含むLB培地
(1%ペプトン、0.5%酵母エキス、0.5%塩化ナ
トリウム)1リットルで30℃、16時間振盪培養し
た。得られた培養液を20Lの主発酵用培地(1.68
%リン酸一水素ナトリウム、0.3%リン酸二水素ナト
リウム、0.1%塩化アンモニウム、0.05%塩化ナ
トリウム、0.024%硫酸マグネシウム、0.02%
ニューポールLB−625、0.0005%塩化チアミ
ン、1.5%ブドウ糖、1.5%カザミノ酸)を仕込ん
だ50L容発酵槽に移植して、37℃で通気撹拌培養を
開始した。培養液の濁度が約500クレット単位になっ
た時点で、5.95mg/L分のイソプロピル−β−D
−チオガラクトピラノシド(IPTG)を添加し、さら
に培養を続け、4時間後に培養液を遠心分離して、約2
00gの菌体を得、−80℃に凍結保存した。
【0030】実施例1 (Met−BTCの活性化) 参考例2で得られた菌体10gに、100mMトリス/
HCl、7Mグアニジン塩酸塩、1mM EDTA(p
H8.0)20mlを加えて菌体を溶解した後、0.1
Mリン酸緩衝液(pH6.0)120mlを添加し、遠
心分離(10000rpm、1時間)を行った。上澄液
に0.1Mアルギニン、50mMトリス/HCl、1m
M EDTA、0.5mM GSSG、1mM GSH
(pH8.0)5リットルを加えて、4℃で一晩活性化
を行った。
【0031】実施例2 (Met−BTCの精製) 実施例1で活性化の終了した再生液をpH6.0に調整
し、100mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化し
たSP−セファロースカラム(25mmID×120m
mL)に吸着させた後、500mM NaCl/100
mMリン酸緩衝液(pH6.0)で溶出した。BTCを
含むフラクションをプールし、続いて0.1%トリフル
オロ酢酸(TFA)で平衡化したODP−50(21.
5mmID×300mmL、5μ)(昭和電工(株))
に吸着させた後、20〜60%B(B=80%アセトニ
トリル/0.1%TFA)の段階勾配で60分間、5m
l/分の流速で溶出した。Met−BTCのフラクショ
ンをプールした後、凍結乾燥を行い、Met−BTC約
10mgを得た。
【0032】実施例3 (Met−BTCの特徴決定) (a)SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いた
分析 実施例2で得られたBTCを10mM DTTを添加し
たSample buffer[Laemmli, Nature, 22
7, 680 (1979)]に懸濁し、95℃で1分間加熱した
後、マルチゲル15/25(第一化学薬品)で電気泳動
を行った。泳動後のゲルをクーマシー・ブリリアント・
ブルー(Coomassie brilliant blue)で染色した結果、
約16Kdに単一バンドの蛋白が認められた。このこと
から精製Met−BTCはほぼ単一であり、DTTによ
る還元条件下でも強固な二量体を形成していることが判
った(図2)。
【0033】(b)アミノ酸組成分析 アミノ酸組成をアミノ酸分析計(ベックマンシステム6
300E)を用いて決定した。その結果、N末端にMe
tが付加されたBTCのcDNAの塩基配列から推定さ
れるアミノ酸組成と一致した(表1)。
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1モル当たりの BTCの塩基配列 アミノ酸 残基数 から予測される値 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− Asx 7.0 7 Thr1) 5.9 6 Ser1) 5.3 5 Glx 9.2 9 Pro 4.0 4 Gly 6.9 7 Ala 4.0 4 Cys2) N.D. 8 Val 4.0 4 Met 0.9 0 Ile 2.0 2 Leu 3.1 3 Tyr 4.0 4 Phe 3.0 3 His 2.6 2 Lys 5.3 5 Arg 7.1 7 Trp2) N.D. 0 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 酸加水分解(6N HCl−1%フェノール、110
℃、24及び48時間加水分解の平均値) 1)0時間に外挿した値 2)未検出 約20μgを用いて分析を行った。
【0034】(c)N末端アミノ酸配列分析 N末端アミノ酸配列を気相プロテインシーケンサー(ア
プライドバイオシステムモデル477A)を用いて決定
した。その結果、得られたBTCのN末端にはMetが
付加されていることの他はcDNAの塩基配列から推定
されたBTCのN末端アミノ酸配列と一致した(表
2)。
【表2】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 検出された BTCの塩基配列 残基No. PTH1)−アミノ酸 から予測される (pmol) アミノ酸 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 Met(563) 2 Asp(271) Asp 3 Gly(490) Gly 4 Asn(465) Asn 5 Ser(217) Ser 6 Thr(304) Thr 7 Arg(184) Arg 8 Ser(122) Ser 9 Pro(268) Pro 10 Glu(160) Glu 11 Thr(155) Thr 12 Asn(120) Asn 13 Gly(114) Gly 14 Leu(213) Leu 15 Leu(235) Leu 16 N.D. Cys 17 Gly(165) Gly 18 Asp(94) Asp 19 Pro(134) Pro 20 Glu(37) Glu −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1)フェニールチオヒダントイン 1nmolを用いて分析を行った。
【0035】(d)C末端アミノ酸分析 C末端アミノ酸をアミノ酸分析計(ベックマンシステム
6300E)を用いて決定した。得られたMet−BT
CはcDNAの塩基配列から推定されたC末端アミノ酸
と一致した(表3)。
【表3】 気相ヒドラジン分解法(100℃,3.5時間) 15nmolを用いて分析を行った。
【0036】実施例4 (Met−BTCの活性測定) 実施例2で得られた精製Met−BTCのBALB/c
3T3 A31−714クローン4(インターナショ
ナル・ジャーナル・オブ・キャンサー、12巻、463
頁(1973年))に対する増殖促進効果は、標準品
(特開平6−87894の実施例13に記載のBTCI
の精製品)と同等であった。
【0037】実施例5 (N末端Metの除去) N末端にMetの付加したMet−BTC10mgを3
M尿素溶液4mlに溶解した後、50mM硫酸銅0.5
ml、グリオキシル酸0.25g、ピリジン0.5ml
の混合液(pH5.0)を加え、25℃で1時間反応し
た。反応終了後、反応液を2.5M尿素+50mMリン
酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックス
(Sephadex)G−25カラム(25mmID×
600mmL)に通液し、平衡化に用いた溶液を6ml
/分の流速で展開し、Met−BTCのジケトン体画分
をプールした。続いてこの画分に等量の4M酢酸−4M
酢酸ナトリウム溶液を加えた後、o−フェニレンジアミ
ンを40mM濃度となるように添加して、脱気、窒素ガ
スシールを行い、37℃で15時間反応した。反応終了
後、反応液を50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平
衡化したセファデックスG−25カラム(25mmID
×600mmL)に通液し、平衡化に用いた緩衝液を6
ml/分の流速で展開し、N末端にMetの付加してい
ないBTC画分をプールした。プールしたBTC画分を
pH6.0に調整後、100mMリン酸緩衝液+200
mM NaCl(pH5.0)で平衡化したSP−5P
W(7.5mmID×75mmL)、東ソー(株))に
吸着した後、0〜100%B(B=100mMリン酸緩
衝液+200mM NaCl、pH9.0)の段階勾配
で30分間、0.8ml/分の流速で溶出を行い、BT
C画分をプールした、さらに、BTC画分を0.1%T
FAで平衡化したODP−50(10mmID×250
mmL)、昭和電工(株))に吸着した後、20〜60
%B(B=80%アセトニトリル/0.1%TFA)の
段階勾配で40分間、2ml/分の流速で溶出した。B
TCのフラクションをプールした後、凍結乾燥を行い、
BTC約760μgを得た。
【0038】実施例6 (BTCの特徴決定) (a)SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いた
分析 実施例4で得られたBTCを100mM DTTを添加
したSample buffer[Laemmli, Nature, 2
27, 680 (1970)]に懸濁し、95℃で1分間加熱した
後、マルチゲル15/25(第一化学薬品)で電気泳動
を行った。泳動後のゲルをクーマシー・ブリリアント・
ブルー(Coomassie brilliant blue)で染色した結果、
約16Kdに単一バンドの蛋白が認められた。このこと
から、精製BTCはほぼ単一であり、DTTによる還元
条件下でも強固な二量体を形成していることが判った
(図3)。
【0039】(b)アミノ酸組成分析 アミノ酸組成をアミノ酸分析計(ベックマンシステム6
300E)を用いて決定した。その結果、BTCのcD
NAの塩基配列から推定されたアミノ酸組成と一致した
(表4)。
【表4】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1モル当たりの BTCの塩基配列 アミノ酸 残基数 から予測される値 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− Asx 7.0 7 Thr1) 5.9 6 Ser1) 4.8 5 Glx 9.1 9 Pro 4.0 4 Gly 7.1 7 Ala 4.0 4 Cys2) N.D. 8 Val 4.6 4 Met 0 0 Ile 1.9 2 Leu 3.0 3 Tyr 4.0 4 Phe 3.0 3 His 2.4 2 Lys 5.1 5 Arg 7.0 7 Trp2) N.D. 0 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 酸加水分解(6N HCl−1%フェノール、110
℃、24及び48時間加水分解の平均値) 1)0時間に外挿した値 2)未検出 約20μgを用いて分析を行った。
【0040】(c)N末端アミノ酸配列分析 N末端アミノ酸配列を気相プロテインシーケンサー(ア
プライドバイオシステムモデル477A)を用いて決定
した。その結果、得られたBTCのcDNAの塩基配列
から推定されたBTCのN末端アミノ酸配列と一致した
(表5)。
【表5】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 検出された BTCの塩基配列 残基No. PTH1)−アミノ酸 から予測される (pmol) アミノ酸 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 Asp(271) Asp 2 Gly(432) Gly 3 Asn(249) Asn 4 Ser(95) Ser 5 Thr(150) Thr 6 Arg(98) Arg 7 Ser(89) Ser 8 Pro(255) Pro 9 Glu(177) Glu 10 Thr(140) Thr 11 Asn(139) Asn 12 Gly(187) Gly 13 Leu(227) Leu 14 Leu(281) Leu 15 N.D. Cys 16 Gly(126) Gly 17 Asp(70) Asp 18 Pro(100) Pro 19 Glu(44) Glu 20 Glu(75) Glu −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1)フェニールチオヒダントイン 1nmolを用いて分析を行った。
【0041】(d)C末端アミノ酸分析 C末端アミノ酸をアミノ酸分析計(ベックマンシステム
6300E)を用いて決定した。得られたBTCはcD
NAの塩基配列から推定したC末端アミノ酸と一致した
(表6)。
【表6】 気相ヒドラジン分解法(100℃,3.5時間) 15nmolを用いて分析を行った。
【0042】(e)BTCの生物活性 モレキュラー・セル・バイオロジー、8巻、588頁
(1988年)に記載の方法により、BALB/c 3
T3 A31−714クローン4(インターナショナル
・ジャーナル・オブ・キャンサー、12巻、463頁
(1973年))を用いた活性測定を行い、精製BTC
が標準品(特開平6−87894の実施例13に記載の
精製BTCI)と同等の細胞増殖促進活性を有すること
を確認した。
【0043】実施例7 (Met−BTC50の活性
化) 参考例4で得られた菌体200gに、100mMトリス
/HCl、7Mグアニジン塩酸塩、1mM EDTA
(pH8.0)400mlを加えて菌体を溶解した後、
遠心分離(10000rpm、1時間)を行った。上澄
液に0.2Mアルギニン、50mMトリス/HCl、1
mM EDTA、0.5mM GSSG、1mM GS
H(pH8.0)10Lを加えて、4℃で一晩活性化を
行った。
【0044】実施例8 (Met−BTC50の精製) 実施例7で活性化の終了した再生液をペリコンカセット
システム(PTGC膜、ミリポア社限外ろ過膜、分画分
子量1000)で脱塩・濃縮した後、pH6.0に調製
した。この脱塩液を100mMリン酸緩衝液(pH6.
0)で平衡化したSP−セファロースカラム(40mm
ID×100mmL)に吸着し、200mM NaCl
/100mMリン酸緩衝液(pH6.0)で洗浄した
後、700mM NaCl/100mMリン酸緩衝液
(pH6.0)で溶出した。BTC50を含むフラクシ
ョンをプールし、蒸留水で3倍に希釈した後、200m
M NaCl/100mMリン酸緩衝液(pH6.0)
で平衡化したSP−5PW(55mmID×300mm
L)に吸着し、A=200mM NaCl/100mM
リン酸緩衝液(pH6.0)、B=300mM NaC
l/100mMリン酸緩衝液(pH9.0)とによる0
〜100%Bの段階勾配で、100分間、35ml/分
の流速で溶出を行ない、BTC50画分を得た。さらに
0.1%TFAで平衡化したODS−120T(21.
5mmID×300mmL、5μ)(東ソー(株))に
吸着した後、20−50%B(B=80%アセトニトリ
ル/0.1%TFA)の段階勾配で50分間、5ml/
分の流速で溶出した。Met−BTC50のフラクショ
ンをプールした後、凍結乾燥を行い、Met−BTC5
0約100mgを得た。
【0045】実施例9 (Met−BTC50の特徴決
定) a)SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いた分
析 実施例8で得られたMet−BTC50を100mM
DTTを添加したSample buffer(NOV
EX社)に懸濁し、95℃で1分間加熱した後、PEPTID
E-PAGE MINI GEL(TEFCO社)で電気泳動を行っ
た。泳動後のゲルをクーマシーブリリアントブルー(Co
omassie brilliant blue)で染色したところ、単一バン
ドの蛋白が認められ、精製品は、ほぼ単一であった(図
5)。
【0046】b)アミノ酸組成分析 アミノ酸組成をアミノ酸分析計(ベックマン システム
6300E)を用いて決定した。その結果、N末端にメ
チオニンが付加されたBTC50のcDNAの塩基配列
から推定したアミノ酸組成と一致した(表7)。
【表7】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1モル当たりの BTC50の塩基配列 アミノ酸 残 基 数 から予測される値 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− Asx 2.1 2 Thr1) 1.1 1 Ser1) 1.8 2 Glx 5.0 5 Pro 1.9 2 Gly 4.1 4 Ala 2.0 2 Cys2) 6 Val 3.7 4 Met 0.9 0 Ile 1.9 2 Leu 0.9 1 Tyr 3.8 4 Phe 3.1 3 His 2.0 2 Lys 3.8 4 Arg 6.0 6 Trp2) 0 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 酸加水分解(6N HCl−4%チオグリコール酸、1
10℃,24・48hr加水分解の平均値) 1)0時間に外挿した値 2)未検出
【0047】c)N末端アミノ酸配列分析 N末端アミノ酸配列を気相プロテインシーケンサー(ア
プライドバイオシステム モデル477A)を用いて決
定した。その結果、得られたBTC50のN末端にはメ
チオニンが付加されていることのほかはcDNAの塩基
配列から推定したBTCのN末端アミノ酸配列と一致し
た(表8)。
【表8】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 検出された BTC50の塩基配列から 残基 No. PTH1)−アミノ酸 予測されるアミノ酸 (pmol) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 Met (388) 2 Arg (192) Arg 3 Lys (736) Lys 4 Gly (761) Gly 5 His (350) His 6 Phe (555) Phe 7 Ser (214) Ser 8 Arg (309) Arg 9 N.D. Cys 10 Pro (231) Pro 11 Lys (223) Lys 12 Gln (179) Gln 13 Tyr (158) Tyr 14 Lys (202) Lys 15 His (72) His 16 Tyr (113) Tyr 17 N.D. Cys 18 Ile (85) Ile 19 Lys (84) Lys 20 Gly (75) Gly −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1nmolを用いて分析を行った。 1)フェニールチオヒダントイン
【0048】d)C末端アミノ酸分析 C末端アミノ酸をアミノ酸分析計(ベックマン システ
ム6300E)を用いて決定した。得られたMet−B
TC50はcDNAの塩基配列から推定したC末端アミ
ノ酸と一致した(表9)。
【表9】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− C末端アミノ酸 回収率 BTC50 (%) −−−−−−−−−−−−−−−− Tyr 55.2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 気相ヒドラジン分解法(100℃、3,5hr)
【0049】実施例10 (Met−BTC50の活性
測定) 実施例8で得られたMet−BTC50のBALB/C
3T3 A31−714クローン4(インターナショナ
ル・ジャーナル・オブ・キャンサー、12、463(1
973))に対する増殖促進効果は、標準品と同等の活
性を有していた。
【0050】実施例11 (BTC50の調製) N末端にメチオニンの付加したMet−BTC50 4
0mgを3M尿素溶液3.85mlに溶解した後、0.
1M硫酸銅0.4ml、グリオキシル酸0.25g、ピ
リヂン0.5mlの混合液を加え、25℃で1時間反応
した。反応終了後、反応液を2.5M尿素+20mMリ
ン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックス
(Sephadex)G−10カラム(25mmID×
600mmL)に通液し、平衡化に用いた溶液を3ml
/分の流速で展開し、Met−BTC50のジケトン体
画分をプールした。続いてこの画分に等量の4M酢酸−
4M酢酸ナトリウム溶液を加えた後、o−フェニレンジ
アミンを40mM濃度になるように添加して、脱気、窒
素ガスシールを行い、37℃で15時間反応した。反応
終了後、反応液を2.5M尿素+20mMリン酸緩衝液
(pH6.0)で平衡化したセファデックスG−10カ
ラム(25mmID×600mmL)に通液し、平衡化
に用いた緩衝液を3ml/分の流速で展開し、N末端に
メチオニンの付加していないBTC50画分をプールし
た。プールしたBTC50画分をpH6.0に調整後、
100mMリン酸緩衝液+200mM NaCl(pH
5.0)で平衡化したSP−5PW(21.5mmID
×150mmL)に吸着した後、0−100%B(B=
100mMリン酸緩衝液+300mM NaCl、pH
9.0)の段階勾配で50分間、6ml/分の流速で溶
出を行い、BTC50画分をプールした。さらに、BT
C50画分を0.1%TFAで平衡化したODP−50
(10mmID×250mmL、昭和電工(株))に吸
着した後、20−50%B(B=80%アセトニトリル
/0.1%TFA)の段階勾配で50分間、2ml/分
の流速で溶出した。BTC50のフラクションをプール
した後、凍結乾燥を行い、BTC50約4.7mgを得
た。
【0051】実施例12 (BTC50の特徴決定) a)SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いた分
析 実施例11で得られたBTC50を100mM DTT
を添加したSample buffer(NOVEX
社)に懸濁し、95℃で1分間加熱した後、PEPTIDE-PA
GE MINI GEL(TEFCO社)で電気泳動を行った。泳
動後のゲルをクーマシーブリリアントブルー(Coomassi
e brilliant blue)で染色したところ、単一バンドの蛋
白が認められ、精製品はほぼ単一であった(図6)。
【0052】b)アミノ酸組成分析 アミノ酸組成をアミノ酸分析計(ベックマン システム
6300E)を用いて決定した。その結果、BTC50
のcDNAの塩基配列から推定したアミノ酸組成と一致
した(表10)。
【表10】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1モル当たりの BTC50の塩基配列 アミノ酸 残 基 数 から予測される値 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− Asx 2.1 2 Thr1) 1.0 1 Ser1) 1.8 2 Glx 5.0 5 Pro 1.9 2 Gly 4.1 4 Ala 1.9 2 Cys2) 6 Val 3.8 4 Met 0 0 Ile 2.0 2 Leu 0.9 1 Tyr 3.8 4 Phe 3.1 3 His 2.1 2 Lys 4.0 4 Arg 6.0 6 Trp2) 0 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 酸加水分解(6N HCl−4%チオグリコール酸、1
10℃,24・48hr加水分解の平均値) 1)0時間に外挿した値 2)未検出
【0053】c)N末端アミノ酸配列分析 N末端アミノ酸配列を気相プロテインシーケンサー(ア
プライドバイオシステム モデル477A)を用いて決
定した。その結果、得られたBTC50のcDNAの塩
基配列から推定したBTC50のN末端アミノ酸配列と
一致した(表11)。
【表11】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 検出された BTC50の塩基配列から 残基 No. PTH1)−アミノ酸 予測されるアミノ酸 (pmol) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 Arg (140) Arg 2 Lys (1144) Lys 3 Gly (1242) Gly 4 His (292) His 5 Phe (992) Phe 6 Ser (425) Ser 7 Arg (407) Arg 8 N.D. Cys 9 Pro (559) Pro 10 Lys (597) Lys 11 Gln (505) Gln 12 Tyr (428) Tyr 13 Lys (539) Lys 14 His (115) His 15 Tyr (408) Tyr 16 N.D. Cys 17 Ile (386) Ile 18 Lys (368) Lys 19 Gly (341) Gly 20 Arg (183) Arg −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1.5nmolを用いて分析を行った。 1)フェニールチオヒダントイン
【0054】d)C末端アミノ酸分析 C末端アミノ酸をアミノ酸分析計(ベックマン システ
ム6300E)を用いて決定した。得られたBTC50
はcDNAの塩基配列から推定したC末端アミノ酸と一
致した(表12)。
【表12】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− C末端アミノ酸 回収率 BTC50 (%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− Tyr 86.8 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0055】e)BTC50の生物活性 精製品はモレキュラー・セル・バイオロジー、8、58
8(1988)に記載の方法により、BALB/C3T
3 A31−714 クローン4(インターナショナル
・ジャーナル・オブ・キャンサー、12、463、(1
973)を用いた活性測定を行い、標準品と同等の活性
を有することを確認した。
【0056】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:81 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Asp Gly Asn Ser Thr Arg Ser Pro Glu Thr Asn Gly Leu Leu Cys 1 5 10 15 Gly Asp Pro Glu Glu Asn Cys Ala Ala Thr Thr Thr Gln Ser Lys Arg 20 25 30 Lys Gly His Phe Ser Arg Cys Pro Lys Gln Tyr Lys His Tyr Cys Ile 35 40 45 Lys Gly Arg Cys Arg Phe Val Val Ala Glu Gln Thr Pro Ser Cys Val 50 55 60 Cys Asp Glu Gly Tyr Ile Gly Ala Arg Cys Glu Arg Val Asp Leu Phe 65 70 75 80 Tyr 81。
【0057】配列番号:2 配列の長さ:10 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TATGGATGGG 10。
【0058】配列番号:3 配列の長さ:12 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AATTCCCATC CA 12。
【0059】配列番号:4 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 ATACATATGG ATGGGAATTC CA 22。
【0060】配列番号:5 配列の長さ:28 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CCGGATCCTA GTAAAACAAG TCAACTCT 28。
【0061】
【発明の効果】このよにして得られる活性型BTC類
は、創傷、潰瘍等の治療、糖尿病、糖尿病性の各種合併
症(例、アテローム性動脈硬化症、糖尿病性網膜症)の
治療に用いることができる。本発明では遺伝子工学を用
いて原核細胞中に発現したBTC類の不活性体を効率よ
く活性化でき、上記のような作用を有する薬理的に活性
なBTC類を大量に調製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Met−BTCのアミノ酸配列を示す。
【図2】精製Met−BTCのSDSポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動を示す。レーン1は分子量マーカーを、
レーン2は精製Met−BTCを示す。
【図3】精製BTCのSDSポリアクリルアミドゲル電
気泳動を示す。レーン1は分子量マーカーを、レーン2
は精製BTCを示す。
【図4】プラスミドpTB1976の構築図を示す。
【図5】精製Met−BTC50のSDSポリアクリル
アミドゲル電気泳動を示す。
【図6】精製BTC50のSDSポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:19) (72)発明者 西村 紀 兵庫県川西市大和西1丁目54番地の16

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遺伝子工学的に原核細胞宿主中で発現させ
    たベータセルリン類をレドックスバッファー中でリフォ
    ールディングすることを特徴とする活性型ベータセルリ
    ン類の製造方法。
  2. 【請求項2】レドックスバッファーが還元型グルタチオ
    ンおよび酸化型グルタチオンを含有する緩衝液である請
    求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】レドックスバッファーのpHが7ないし9
    である請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】レドックスバッファーがメルカプト基を有
    さないアミノ酸を含有する請求項1記載の製造方法。
  5. 【請求項5】メルカプト基を有さないアミノ酸がアルギ
    ニンである請求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】ベータセルリン類を遺伝子工学的に原核細
    胞宿主中で発現させ、細胞を変性剤で可溶化し、ついで
    メルカプト基を有さないアミノ酸を含有するpH7〜9
    のレドックスバッファーで変性剤を不作用濃度まで希釈
    することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  7. 【請求項7】変性剤がグアニジンである請求項6記載の
    製造方法。
JP9306851A 1996-11-12 1997-11-10 ベータセルリン類の製造方法 Withdrawn JPH10191989A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000034478A1 (fr) * 1998-12-09 2000-06-15 Takeda Chemical Industries, Ltd. Modification de betacelluline
WO2001075095A1 (fr) * 2000-03-30 2001-10-11 Takeda Chemical Industries, Ltd. Procede de production de proteine de recombinaison
WO2002057443A1 (fr) * 2001-01-22 2002-07-25 Takeda Chemical Industries, Ltd. Methode de production de ligand zaq
WO2005033307A1 (ja) * 2003-09-30 2005-04-14 Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. 新規のリフォールディング方法およびその方法によって得られたタンパク質
CN110938643A (zh) * 2019-10-14 2020-03-31 东莞市东阳光生物药研发有限公司 一种重组人Betacellulin的制备方法

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WO2001075095A1 (fr) * 2000-03-30 2001-10-11 Takeda Chemical Industries, Ltd. Procede de production de proteine de recombinaison
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