JPH10194979A - イムノグロブリンe抗体産生抑制剤 - Google Patents

イムノグロブリンe抗体産生抑制剤

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JPH10194979A
JPH10194979A JP9013125A JP1312597A JPH10194979A JP H10194979 A JPH10194979 A JP H10194979A JP 9013125 A JP9013125 A JP 9013125A JP 1312597 A JP1312597 A JP 1312597A JP H10194979 A JPH10194979 A JP H10194979A
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klebsiella
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residue
ige antibody
capsular
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JP9013125A
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Hitoshi Omori
斉 大森
Yoichi Oiso
洋一 大磯
Ryosuke Sugihara
良介 杉原
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Tayca Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 IgE抗体産生を抑制できる薬剤を提供する
こと。 【解決手段】 クレブシエラ・オキシトカ又はクレブシ
エラ・ニューモニアの莢膜成分又はこれを酸、塩基若し
くは還元剤で処理することにより得ることのできる成分
を含有することを特徴とする、IgE抗体産生抑制剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クレブシエラ属細
菌特にクレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoc
a)及びクレブシエラ・ニューモニア(Klebsiella pneu
moniae )の莢膜より得られるイムノグロブリンE(I
gE)抗体産生抑制剤に、従ってI型アレルギーの予防
又は治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】アレルギーはI型ないしIV型に分類さ
れ、そのうち最も一般的に見られるのは、気管支喘息、
一部の蕁麻疹、アレルギー性鼻炎、アナフィラキシーな
どをもたらす1型アレルギーである。I型アレルギーは
IgE抗体が関与する生体反応であるが、この型のアレ
ルギーにおける機序は、(1)生体が抗原に感作される
ことによりIgE抗体が産生され、(2)そのIgE抗
体がIgEレセプターを介して肥満細胞及び好塩基球に
結合し、(3)抗原が再度侵入したとき、肥満細胞及び
好塩基球表面上に結合している先のIgE抗体と結合
し、それによりこれらの細胞のIgEレセプター間に架
橋が形成され、(4)Caイオン流入等の種々の反応を
経て、ヒスタミン、ロイコトリエン、好酸球遊走因子
(ECF−A)、血小板活性化因子(PAF)等の化学
伝達物質が放出されることにより、症状が発現するとい
うものである。
【0003】アレルギーに対して従来より知られている
抗アレルギー剤の殆どは、抗ヒスタミン薬や化学伝達物
質遊離抑制薬である。I型アレルギーの発生機序の最も
初期の段階であるIgE抗体の産生の抑制に基づくタイ
プの薬物は、この型のアレルギーに対する優れた薬剤を
もたらし得ると考えられるが、そのようなタイプの薬物
として十分な薬効のあるものは知られていない。IgE
抗体の産生抑制能を幾らか有する抗アレルギー剤として
は、唯一アイピーディー〔IPD−1151T、スプラ
タストトシレート)が知られているが〔バイオインダス
トリー(BIO INDUSTRY) 第13巻第12号第42-50 ページ
(1996年)〕、この化合物は極めて弱いIgE抗体産生
抑制作用を有するに過ぎない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような状況におい
て、本発明の目的は、IgE抗体産生を抑制する作用の
ある薬剤を提供することである。この目的の下に本発明
者らは、種々の物質につき検討した結果、クレブシエラ
属細菌の莢膜より得られる成分が優れたIgE抗体産生
抑制作用を有することを見出し、更に検討を加えて本発
明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、クレ
ブシエラ・オキシトカ又はクレブシエラ・ニューモニア
の莢膜成分又はこれを酸、塩基若しくは還元剤で処理す
ることにより得ることのできる成分を含有することを特
徴とするIgE抗体産生抑制剤を提供する。
【0006】ここに、クレブシエラ・オキシトカとして
特に好ましいのは、クレブシエラ・オキシトカTNM3
株(受託番号FERM BP−4669:通商産業省工
業技術院生命工学工業技術研究所)又はその変異株であ
る。またクレブシエラ・ニューモニアとして特に好まし
いのは、クレブシエラ・ニューモニアK19株(Michel
Beurret et al., "Structural investigation of the
capsular polysaccharide from Klebsiella K19 by che
mical and N.M.R. analyses", Carbohydrate Research,
157:13-25(1986).)又はその変異株である。
【0007】これらの変異株は、クレブシエラ・オキシ
トカTNM3株又はクレブシエラ・ニューモニアK19
株を、紫外線、X線などの放射線に暴露し、又は、エチ
ルメタンスルホン酸(EMS)、N−メチル−N’−ニ
トロ−N−ニトロソグアニジン(MNNG)等の化学的
突然変異誘発物質のような公知の突然変異誘発手段と接
触させることにより発生させることができる。
【0008】これらの細菌の莢膜成分又はこれを酸、塩
基若しくは還元剤で処理することにより得ることのでき
る成分のIgE抗体産生抑制作用の有無及び強さは、後
述の方法により容易に測定することができる。
【0009】クレブシエラ・オキシトカTNM3株及び
クレブシエラ・ニューモニアK19株は、いずれも以下
の結合様式と構成モル比とを有する多糖類を莢膜成分と
して有する。すなわち:
【0010】
【化5】
【0011】〔式中、L−RhaはL−ラムノース残
基、D−GalはD−ガラクトース残基、D−Glcは
D−グルコース残基、そしてD−GlcUAはD−グル
クロン酸残基を表し、小括弧内の数字はグリコシド結合
の位置を示す。〕を繰り返し単位として有する多糖類で
あり、各構成単位であるこれらの単糖類残基の存在比
(モル比)は、それらの結合様式においても区別して、
【0012】
【化6】
【0013】=0.8 〜1.2 :1.6 〜2.4 :0.8 〜1.2 :
0.8 〜1.2 :0.8 〜1.2 の範囲にある。
【0014】本発明は、従って、クレブシエラ・オキシ
トカ又はクレブシエラ・ニューモニアの莢膜多糖類又は
これを酸、塩基若しくは還元剤で処理することにより得
ることのできるフラグメントを含有することを特徴とす
るIgE抗体産生抑制剤をも提供する。該莢膜多糖類
は、例えば湿熱滅菌処理又は超音波処理等によって莢膜
を菌体から遊離させ、菌体を例えば遠心により除去した
培養上清を限外濾過(例えばミリポア社製限外濾過膜:
分画分子量1×105 )して高分子量側に残存する成分と
して得ることができる。また莢膜成分のフラグメント化
による生成物は、莢膜成分の酸、塩基又は還元剤による
処理によって行うことができる。また還元剤による処理
は、培地に例えば硫酸鉄及びEDTAを加えることによ
り、培養しつつ行うこともできる。
【0015】これらの細菌のうち、本発明において取り
分け好ましいのは、クレブシエラ・オキシトカTNM3
株細菌である。
【0016】本発明の莢膜成分を得るためのクレブシエ
ラ属細菌の培養は、一般的に次の方法に準じて行うこと
ができる。すなわち、培養のための培地としては、クレ
ブシエラ属細菌が生育でき、且つ、目的とする莢膜成分
を産生するに必要な炭素源及び窒素源、無機塩類、並び
に微量栄養源を含有する培地であればよく、それ以外に
は特に限定されない。
【0017】炭素源としては、例えばグルコース、ラク
トース、マルトース、キシロース、マンニトール、サッ
カロース、ラムノース、アラビノース、トレハロース、
ラフィノース等が使用できる。
【0018】窒素源としては、例えば硝酸塩、アンモニ
ウム塩、尿素等の合成化合物、ポリペプトン、コーンス
ティープリカー、酵母エキス、肉エキス、脱脂大豆抽出
物、ペプチド、アミノ酸等の天然有機物が使用できる。
【0019】無機塩類としては、例えばリン酸塩、カリ
ウム塩、硫酸塩、マグネシウム塩等が使用できる。
【0020】微量栄養源としては、例えば酵母エキス、
各種ビタミン類等が使用できる。
【0021】培地には、更に必要に応じ、カルシウム
塩、マンガン塩等を添加してもよい。
【0022】使用する培地は、固形培地でも液体培地で
もよい。液体培地を使用する場合には、静置培養でもよ
いが、目的とする莢膜成分を高収率で得るためには、振
とう培養又は通気攪拌培養の方がより好ましい。培養時
の培地pHは、当該微生物の生育に適し且つ目的とする
莢膜成分の産生を妨げないpHである限り、特に限定さ
れないが、通常適切なpHは4〜8である。培養温度に
ついては、特に制限されないが、通常20〜35℃が好まし
い。培養時間は、目的とする莢膜成分の産生が最大にな
るように適宜設定されるが、通常好ましいのは1〜7日
間である。
【0023】上記培養によって得られる培養物は、滅菌
後、精製せずにそのままIgE抗体産生抑制剤として使
用することが可能である。しかしながら、菌体を除去し
更には目的とする莢膜成分を精製して使用するのが一層
好ましい。菌体の除去は、例えば湿熱滅菌により莢膜を
菌体から遊離させた後、遠心分離や濾過を用いて常法に
従って行うことができる。また菌体除去後の培養液に、
メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン
等の水混和性有機溶媒を加えて沈殿を生じさせ、次いで
該沈殿物を水に溶解させた後、水に対して透析を行い、
その後、通風乾燥、熱風乾燥、噴霧乾燥、ドラム乾燥、
減圧乾燥、凍結乾燥などの方法により透析内液を乾燥さ
せる等の精製処理を行ってもよい。精製処理のために
は、これらの方法の他、限外濾過(例えばミリポア社製
の分画分子量1×105 のものを濃縮に使用できる。)を
行い、得られる濃縮液を乾燥工程に付す方法や、更に、
必要に応じ、イオン交換、ゲル濾過、アフィニティーな
どの各種のカラムクロマトグラフィー、第4級アンモニ
ウム塩による沈殿又は塩析、有機溶媒による沈殿等が用
いられる。
【0024】また培養物自体又は上記で精製した莢膜成
分に対し、所望により還元剤の添加や酸・塩基加水分
解、加圧下での加温や超音波処理など各種の処理を施し
てもよい。酸・塩基加水分解については、培養操作完了
後の培養物に又は上記で精製した莢膜成分に、硫酸、塩
酸等の酸やアルカリなどを添加し且つ条件を調節するの
が好ましい。
【0025】また、培養に際し、培養物中の莢膜成分産
生量が減少しない程度に、培地に還元剤を添加してもよ
い。この場合に使用する還元剤としては、例えば硫酸第
一鉄及び/又は塩化第一鉄と、エチレンジアミン四酢酸
との組み合わせが好ましい。
【0026】このようにして得られる莢膜成分である多
糖類及びその酸、塩基若しくは還元剤による処理により
得られるフラグメントは、後述の各試験例に記述したよ
うに、IgE抗体産生抑制作用を有している。従って、
それらはIgE抗体産生抑制剤として、従ってまたI型
アレルギーの予防又は治療剤として使用することができ
る。これらの成分について行ったラット経口での急性毒
性試験により、5g/kgの投与によっても死亡例がな
く、体重増加も対称群と同等であり、しかも、外観や剖
検上も全く異常は認められないことが明らかにされた。
従ってこれらの成分の経口投与における安全性は高いと
考えられる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を幾つかの典型的な実施例及び
試験例により更に詳細に説明するが、本発明は、これら
の実施例に限定されることを意図するものでない。
【0028】〔実施例1〕 クレブシエラ属細菌の培
養及び莢膜成分の回収 500 mL容の坂口フラスコに、表1に示す組成の培地10
0 mLを入れ、121 ℃にて20分間湿熱滅菌後、表2に示
す組成の培地を用いて試験管にて3日間液体振とう培養
していたクレブシエラ・オキシトカTNM3株(FER
M BP−4669)を、一白金耳分植菌し、振とう数
毎分110 ストロークで28℃にて1日の間レシプロ振とう
培養を行った。
【0029】
【表1】 〔培地組成(重量%)〕 グルコース 2 % ポリペプトン 0.1 % リン酸一水素カリウム 0.15 % 硫酸マグネシウム・7水和物 0.05 % ビタミンB1 0.0005 % ビオチン 0.000006 % パントテン酸カルシウム 0.001 %ニコチンアミド 0.0005 % pH 6.5
【0030】
【表2】 〔培地組成(重量%)〕 グルコース 4 % ポリペプトン 0.1 % リン酸一水素カリウム 0.15 % 硫酸マグネシウム・7水和物 0.05 % ビタミンB1 0.0005 % ビオチン 0.000006 % パントテン酸カルシウム 0.001 %ニコチンアミド 0.0005 % pH7
【0031】表2に示した組成よりなる培地8Lを入れ
て前記と同様の滅菌処理を行った15L容のジャーファー
メンターに、上記で得られた培養物400 mLを接種し、
28℃、通気量5L/分の条件下に、5M水酸化ナトリウ
ム水溶液を用いて系のpHを7に保ちながら、95時間通
気攪拌培養を行った。なお回転数は、培養24時間までは
200 rpm、それ以降33時間までは400 rpm、それ以
降95時間までは700 rpmとした。
【0032】得られた培養物のpHを、10%の硫酸で4.
5 に調整し、121 ℃にて60分間湿熱滅菌して莢膜成分を
菌体から遊離させた後、遠心分離により菌体を粗く除去
し、更に上清を0.45μmのメンブランフィルターに通し
て菌体を除去した。得られた除菌液について、残留培地
成分等が除去されるまで、クロスフロー方式の限外濾過
を繰り返した。限外濾過には、ミリポア製の限外濾過膜
(分画分子量:1×105 )を使用した。限外濾過膜を通
過しなかった濃縮液を凍結乾燥し、培地1L当たり、莢
膜多糖類を主体とする抽出物21gを得た。
【0033】〔実施例2〕 クレブシエラ属細菌の莢膜
多糖類のフラグメント化 実施例1と同様に処理して得た10gの莢膜成分を、pH
4.5 に調製した緩衝液に溶解させ、121 ℃×25分間の条
件下に緩やかな酸加水分解を行った後、10M水酸化ナト
リウムでpHを12.5に調整し、室温下に5時間放置し、
分解物が除去されるまでクロスフロー方式の限外濾過
(ミリポア社製限外濾過膜:分画分子量1×105 )を
繰り返した。濃縮液を陽イオン交換樹脂によって脱塩処
理した後、水酸化ナトリウムでpHを6.8 に調整し、凍
結乾燥して、莢膜成分のフラグメント化による生成物約
7gを得た。
【0034】〔実施例3〕 クレブシエラ属細菌の培養
中フラグメント化及びフラグメント化生成物の回収 レシプロ振とう培養処理まで実施例1と同様に操作を行
った後、表3に示す組成の培地6Lを入れて実施例1に
記載したのと同様な滅菌処理を行った10L容のジャーフ
ァーメンターに、得られた培養液400 mLを接種し、28
℃にて、培養21時間までは通気量3.6 L/分、培養21時
間以降は4.8 L/分の条件下に、5M水酸化ナトリウム
水溶液を使用して、系のpHを7に維持しつつ、86時間
通気攪拌培養を行った。なお、回転数は、培養20時間ま
では250 rpm、それ以降36時間までは500 rpm、そ
れ以降86時間までは650 rpmとした。
【0035】
【表3】 〔培地組成(重量%)〕 グルコース 2 % 硫酸アンモニウム 0.06 % リン酸一水素カリウム 0.15 % 硫酸マグネシウム・7水和物 0.05 % 硫酸鉄・7水和物 0.003 % エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム・2水和物 0.01 % ビタミンB1 0.0005 % ビオチン 0.000006 % パントテン酸カルシウム 0.001 %ニコチンアミド 0.0005 % pH7
【0036】得られた培養物を、121 ℃にて20分間湿熱
滅菌後、遠心分離により菌体を除去した。得られた培養
上清分について、残留培地成分等が除去されるまで、ク
ロスフロー方式の限外濾過を繰り返した。限外濾過に
は、ミリポア社製限外濾過膜(分画分子量:1×105
を用いた。限外濾過膜を通過しなかった濃縮液を凍結乾
燥し、培地1L当たり莢膜多糖類からのフラグメントを
主体とする生成物9.6 gを得た。
【0037】〔抗原特異的抗体産生の抑制作用の測定〕 1.サンプルの調製 上記の実施例で得られた各生成物を濃度1重量%の水溶
液とし、その水溶液に各々陽イオン交換樹脂を添加し
て、培養物中に含まれる酸性基の対イオンを水素イオン
とした後、樹脂を濾去し、濾液を水酸化ナトリウムで中
和して対イオンをナトリウムイオンに置換した。その
後、ポアサイズ0.2 μmのメンブランフィルターで濾過
した後、凍結乾燥し、得られた各サンプルを以下の実験
に供した。
【0038】〔試験例1〕 抗原特異的抗体産生抑制作
用の測定 8週齢の雄性マウス(BDF1、5〜6匹/群)を用
い、抗原としてキーホルリンペットヘモシアニンをトリ
ニトロフェノールと反応させて調製したTNP−KLH
の10μgと、アジュバントとしての水酸化アルミニウム
2mgとの混合物を含有する生理食塩水0.2 mLを腹腔
内に注射して感作した。
【0039】また、実施例3で得た莢膜多糖類からのフ
ラグメントを主体とする生成物を生理食塩水に溶解させ
上記BDF1マウスに対して、投与量が100 mg/kg
になるように調製した溶液150 μLを、感作の前日から
感作の3日後まで、計5回背部皮下に投与した。対照群
には上記多糖類溶液の代わりに生理食塩水を用いた。10
日後に全採血して、抗TNP−IgE抗体産生量を測定
した。
【0040】抗TNP−IgE抗体産生量の測定は、Oh
omori, H., Immunol. Lett., 23: 251-256 (1990) に報
告されているELISA法に従い次の通りに行った。
【0041】1.ラット由来抗マウスIgE抗体コーテ
ィングプレートの調製:6HD5(商品名:ヤマサ社
製、ラット由来抗マウスIgE抗体)を20μg/mLの
濃度になるように下記のA1緩衝液で希釈し、96穴のプ
レートに50μLずつ添加した後、4℃にて12時間放置し
てコーティングした。上清を取り除き、0.2 重量%の濃
度になるようにA1緩衝液で希釈したBSA液(牛血清
アルブミン)を、それぞれ250 μLずつ添加した後、更
に4℃にて12時間放置しブロッキングした。上清を取り
除き、試験に用いた。
【0042】
【表4】 〔A1緩衝液〕 リン酸二ナトリウム・12水和物 2.1 g リン酸一ナトリウム・2水和物 0.59 g アジ化ナトリウム 0.96 g 塩化マグネシウム・6水和物 0.195 g 塩化ナトリウム 5.6 g蒸留水 960 mL
【0043】2.サンプル処理:0.1 重量%の濃度にな
るように下記のA2緩衝液で希釈したBSA液を用い
て、予めサンプルを後述の蛍光度測定が可能となる適切
な範囲内の濃度に希釈しておき、これを上述のプレート
に50μLずつ添加した後、4℃にて12時間放置し反応さ
せた。上清を取り除き、0.01重量%の濃度になるようA
2緩衝液で希釈したBSA液で2回洗浄した後、予め0.
1 重量%濃度になるようA2緩衝液で希釈したBSA液
を用いて適切な濃度(およそ数μg/mL)に調製して
おいてたTNP−β−ガラクトシダーゼ液を、50μLず
つ添加した後、4℃にて4時間放置し反応させた。上清
を取り除き、0.02容量%の濃度になるようA2緩衝液で
希釈しておいたTween20液で3回洗浄した。
【0044】
【表5】〔A2緩衝液〕 A1緩衝液 100 mL塩化ナトリウム 1.25g
【0045】これに、予めDMF(ジメチルホルムアミ
ド)原液10mg/mLの濃度に調製しておいた4−MU
G(メチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトシド)
を、0.1 重量%の濃度になるようにA1緩衝液で希釈し
たBSA液で100 倍に希釈したものを100 mLずつ添加
した。37℃にて45分間反応させた後、0.1 Mのグリシン
緩衝液(pH10.3)を100 μLずつ添加し反応を停止さ
せた後、蛍光度測定(励起波長365 nm、蛍光波長450
nm)を行った。
【0046】上記において、特に温度を記載していない
操作については、全て氷冷下でおこなった。
【0047】また検量線を作るため、既知濃度の抗TN
P−IgE抗体を用いて同様の操作を行った。
【0048】IgE抗体産生抑制率は、次の式により算
出した。結果は表6に示す。
【0049】IgE抗体産生抑制率(%)=〔(C−
S)/C〕×100
【0050】〔ここに、C:対照における抗TNP−I
gE抗体産生量、S:被検試料投与群における抗TNP
−IgE抗体産生量〕
【0051】〔試験例2〕実施例1で得た莢膜多糖類を
主体とする抽出物を用い、感作9日後に全採血を行った
以外は、試験例1と同様の操作を行い、抗TNP−Ig
E抗体産生抑制率を測定した。結果は表6に示す。
【0052】〔試験例3〕実施例2で得た莢膜成分のフ
ラグメント化による生成物を用い、投与期間を感作の前
日から2日後までとし感作9日後に全採血を行った以外
は、実施例1と同様の操作を行い、抗TNP−IgE抗
体産生抑制率を測定した。結果は表6に示す。
【0053】〔試験例4〕 抗原接種後からの培養物投
与 実施例2で得た莢膜成分のフラグメント化による生成物
を用い、被検試料及び生理食塩水(対照)の投与を、感
作後1〜4日にかけて計4回投与し、感作9日後に全採
血を行った以外は、実施例1と同様の操作を行い、抗T
NP−IgE抗体産生抑制率を測定した。結果は表6に
示す。
【0054】〔試験例5〕 経口投与 製造例2で得た莢膜成分のフラグメント化による生成物
を生理食塩水に溶解させて、BDF1マウスに対し投与
量が100 mg/kgになるように調製した溶液150 μL
を、マウスに感作当日から感作後3日まで計4回経口投
与し、感作9日後に全採血を行った以外は、実施例1と
同様の操作を行い、抗TNP−IgE抗体産生抑制率を
測定した。結果は表6に示す。
【0055】〔試験例6〕実施例2で得た得た莢膜成分
のフラグメント化による生成物を生理食塩水に溶解させ
て、BKF1マウスに対し投与長が50mg/kgになる
ように調製した溶液150 μLを、マウスに感作当日から
感作後3日まで計4回皮下投与し、感作9日後に全採血
を行った以外は、実施例1と同様の操作を行い、抗TN
P−IgE抗体産生抑制率を測定した。結果は表6に示
す。
【0056】〔試験例1〜6の結果〕上記の試験例1〜
6について得られた、被検試料及び対照についての抗T
NP−IgE抗体産生量平均値〔μg/mL〕、及び抗
体産生抑制率を以下の表6にまとめて示す。
【0057】
【表6】
【0058】試験例1〜4の結果が示すように、クレブ
シエラ属細菌の莢膜成分又はそのフラグメント化生成物
の皮下投与により、抗TNP−IgE抗体の産生が高い
抑制率を以て抑えられている。また試験例1〜3と試験
例4との比較から、これらの成分によるIgE抗体産生
抑制効果は、これらの成分の投与が抗原による感作の後
に開始されても、感作の前に開始された場合と同等であ
ることが分かる。このことは、これらの成分をIgE抗
体産生抑制剤として使用する上で極めて有利である。ま
た試験例5についての結果に見られるように、経口投与
によってもIgE抗体産生抑制効果が得られている。こ
のことはこれらの成分が、経口剤の形態でもIgE抗体
産生抑制剤として、従ってI型アレルギー予防又は治療
剤として使用し得ることを示している。
【0059】〔試験例7〕 抗原性試験 試験例2及び3で使用したBDF1マウスの1群(5〜
6匹)から得た血清を、各試験例ごとに等量ずつ混合し
た。これらの血清の抗原性を、免疫学実験入門(学会出
版センター)125〜126頁記載されているPassive
Hemaggulutination 法(タンニン酸法)を用いて調べ
た。陽性対照として、8週齢の雄性BDF1マウスに、
100 μgの卵白アルブミンをアジュバントとしての水酸
化アルミニウム2mgと混合して腹腔内注射して感作
し、9日後に採血した血清を用いた。また陰性対照につ
いては、卵白アルブミンの代わりにリン酸緩衝食塩水を
用いて同様に操作して得た血清を用いた。次の表に結果
を示す。
【0060】
【表7】
【0061】表7に示す通り、上記クレブシエラ属細菌
の莢膜成分及びそのフラグメント化生成物には抗原性は
認められなかった。従ってこの面においても本発明のI
gE産生抑制剤は安全性が高いと考えられる。
【0062】
【発明の効果】以上の通り、本発明の、クレブシエラ属
細菌の莢膜成分又はそのフラグメント化による生成物
は、ヒトを含む哺乳類におけるIgE抗体産生を抑制す
るために使用することができる。また本発明は、これら
の成分を含有するIgE抗体産生抑制剤を、従って、I
型アレルギーの予防・治療剤を提供することができる。
フロントページの続き (72)発明者 杉原 良介 大阪市大正区船町1丁目3番47号 テイカ 株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クレブシエラ・オキシトカ又はクレブシエ
    ラ・ニューモニアの莢膜成分又はこれを酸、塩基若しく
    は還元剤で処理することにより得ることのできる成分を
    含有することを特徴とする、IgE抗体産生抑制剤。
  2. 【請求項2】クレブシエラ・オキシトカ又はクレブシエ
    ラ・ニューモニアの莢膜多糖類又はこれを酸、塩基若し
    くは還元剤で処理することにより得ることのできるフラ
    グメントを含有することを特徴とする、IgE抗体産生
    抑制剤。
  3. 【請求項3】該多糖類が構造 【化1】 〔式中、L−RhaはL−ラムノース残基、D−Gal
    はD−ガラクトース残基、D−GlcはD−グルコース
    残基、そしてD−GlcUAはD−グルクロン酸残基を
    表し、小括弧内の数字はグリコシド結合の位置を示
    す。〕を繰り返し単位として有し、かつ各構成単位であ
    るこれらの単糖類残基の存在比(モル比)が、それらの
    結合様式においても区別して、 【化2】 =0.8 〜1.2 :1.6 〜2.4 :0.8 〜1.2 :0.8 〜1.2 :
    0.8 〜1.2 の範囲にあることを特徴とする、請求項2の
    IgE抗体産生抑制剤。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3の何れかのIgE抗体産生
    抑制剤よりなる、I型アレルギー予防又は治療剤。
  5. 【請求項5】哺乳動物におけるIgE抗体産生を抑制す
    るための、クレブシエラ・オキシトカ又はクレブシエラ
    ・ニューモニアの莢膜成分又はこれを酸、塩基若しくは
    還元剤で処理することにより得ることのできる成分の使
    用。
  6. 【請求項6】哺乳動物におけるIgE抗体産生を抑制す
    るための、クレブシエラ・オキシトカ又はクレブシエラ
    ・ニューモニアの莢膜多糖類又はこれを酸、塩基若しく
    は還元剤で処理することにより得ることのできるフラグ
    メントの使用。
  7. 【請求項7】該多糖類が構造 【化3】 〔式中、L−RhaはL−ラムノース残基、D−Gal
    はD−ガラクトース残基、D−GlcはD−グルコース
    残基、そしてD−GlcUAはD−グルクロン酸残基を
    表し、小括弧内の数字はグリコシド結合の位置を示
    す。〕を繰り返し単位として有し、かつ各構成単位であ
    るこれらの単糖類残基の存在比(モル比)が、それらの
    結合様式においても区別して、 【化4】 =0.8 〜1.2 :1.6 〜2.4 :0.8 〜1.2 :0.8 〜1.2 :
    0.8 〜1.2 の範囲にあることを特徴とする、請求項6の
    使用。
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