JPH10195068A - 2−(2−ピリジルメチルスルフィニル)ベンズイミダゾール系化合物の結晶およびその製造法 - Google Patents

2−(2−ピリジルメチルスルフィニル)ベンズイミダゾール系化合物の結晶およびその製造法

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JPH10195068A
JPH10195068A JP9312185A JP31218597A JPH10195068A JP H10195068 A JPH10195068 A JP H10195068A JP 9312185 A JP9312185 A JP 9312185A JP 31218597 A JP31218597 A JP 31218597A JP H10195068 A JPH10195068 A JP H10195068A
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昌靖 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】抗潰瘍剤などの医薬として有用な2−(2−ピ
リジルメチルスルフィニル)ベンズイミダゾール化合物
の実質的に溶媒を含まない結晶およびその工業的に有利
な製造方法を提供する。 【解決手段】式(I) 【化1】 〔式中、環Aは置換基を有していてもよく、R1は水素
またはN−保護基を、R2,R3およびR4はそれぞれ同
一または異なって(1)水素、(2)ハロゲン原子で置換
されていてもよいアルキル基または(3)ハロゲン原子
もしくはアルコキシ基で置換されていてもよいアルコキ
シ基を示す。〕で表される化合物またはその塩の溶媒和
物を、脱溶媒処理に付すことを特徴とする該化合物また
はその塩の実質的に溶媒を含まない結晶およびその製造
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗潰瘍剤などの医
薬として有用な2−(2−ピリジルメチルスルフィニ
ル)ベンズイミダゾール系化合物(例えば、特開平1-13
1176号公報(EP-0302720A)、特開昭58-192880号公報
(EP-0005129A)、特開昭61-22079号公報、特開昭64-62
70号公報、米国特許第4255431号、ヨーロッパ特許公開
第45200号、同第74341号、同第80602号、同第174726
号、同第175464号、英国特許公開第2134523A号等に記
載)またはその塩の結晶およびその製造法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】特開平1-131176号公報(EP-0302720A)
の実施例1には、2−[[3−メチル−4−(2,2,2−
トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−イル]メチルチ
オ]ベンズイミダゾール(一水和物)をジクロルメタン
に溶かし、五酸化バナジウム触媒存在下で、過酸化水素
により酸化し濃縮して得られた残留物に、エタノール−
水混液(9:1)を加えて晶出した結晶をろ取し洗浄
後、エタノール−水混液(9:1)を加え加熱(65〜
70℃)溶解後、熱時ろ過により得られたろ液を氷冷
し、晶出した結晶をろ取し洗浄後、真空乾燥して、2−
[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキ
シ)ピリジン−2−イル]メチルスルフィニル]ベンズイ
ミダゾールを白色結晶として得たとの記載がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】2−(2−ピリジルメ
チルスルフィニル)ベンズイミダゾール系化合物は、そ
の結晶中の微量の残留溶媒、特に水分の残留によって安
定性が低下し分解が起こりやすくなるため、結晶中の残
留溶媒を極力減少させる必要がある。しかしながら、前
述の特開平1-131176号公報に記載の2−[[3−メチル−
4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2
−イル]メチルスルフィニル]ベンズイミダゾールを得る
方法では、水およびエタノールを除去することが困難
で、かなりの量の水およびエタノールが混入したままの
結晶としてしか得られていない。 即ち、該公報に記載
の方法により得られる該ベンズイミダゾール化合物は、
水およびエタノールを各々1分子ずつ保持した溶媒和物
であり、真空乾燥処理だけでは該化合物の安定性に問題
のない程度まで残留溶媒を除去することが極めて困難で
あることを意味する。しかし、該ベンズイミダゾール化
合物については、その溶媒和物、特に水和物の状態で
は、熱安定性が低いため、後の真空乾燥処理時、特に加
熱条件下での乾燥処理などの工程において容易に分解を
起こし、目的のベンズイミダゾール化合物としての純度
が低下してしまうなどの深刻な問題点がある。 従っ
て、該ベンズイミダゾール化合物の溶媒を含まない結晶
およびその結晶を得るための工業的大量規模での操作性
の良い優れた脱溶媒法の確立が切望されていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、このよ
うな状況を鑑み、前述の抗潰瘍剤などの医薬として有用
な該ベンズイミダゾール系化合物の実質的に溶媒を含ま
ない結晶およびその結晶を得るための工業的大量規模で
の操作性の良い優れた脱溶媒法を確立すべく、上記問題
点の改善を目指して鋭意研究を重ねてきた。その結果、
2−(2−ピリジルメチルチオ)ベンズイミダゾール系
化合物を酸化して2−(2−ピリジルメチルスルフィニ
ル)ベンズイミダゾール系化合物に導き、さらに含水ア
ルコールで再結晶して得られた該2−(2−ピリジルメ
チルスルフィニル)ベンズイミダゾール系化合物の水−
エタノール溶媒和物結晶を、温湯中で懸濁、攪拌するこ
とにより、全く思いがけなくも溶媒を実質的に含まない
結晶形に転移させることができ、このため、続く減圧乾
燥処理により容易に脱溶媒できることを見出した。ま
た、この方法により得られる該ベンズイミダゾール化合
物の実質的に溶媒を含まない結晶は、全く予想外にも、
従来得られていた該ベンズイミダゾール化合物の溶媒和
物結晶よりも安定性に優れており、減圧乾燥処理中の分
解も皆無であることを見出した。
【0005】本願発明者らは、これらの知見に基づき、
さらに鋭意検討を行った結果、本発明を完成させるに至
った。即ち、本発明は、(1)式
【化3】 〔式中、環Aは置換基を有していてもよく、R1は水素
またはN−保護基を、R2,R3およびR4はそれぞれ同
一または異なって(1)水素、(2)ハロゲン原子で置換
されていてもよいアルキル基または(3)ハロゲン原子
もしくはアルコキシ基で置換されていてもよいアルコキ
シ基を示す。〕で表される化合物またはその塩の溶媒和
物を、脱溶媒処理に付すことを特徴とする該化合物また
はその塩の実質的に溶媒を含まない結晶の製造法、
(2)脱溶媒処理が水中での懸濁操作である前記(1)
記載の製造法、(3)R1で示されるN−保護基が、ア
ルキル、アシル、カルボアルコキシ、カルバモイル、ア
ルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、アルキ
ルカルボニルメチル、アルコキシカルボニルメチルまた
はアルキルスルホニル基である前記(1)記載の結晶の
製造法、(4)R1が水素である前記(1)記載の結晶
の製造法、(5)環Aの置換基がハロゲン原子で置換さ
れていてもよいアルコキシ基である前記(1)記載の結
晶の製造法、(6)環Aが無置換である前記(1)記載
の結晶の製造法、(7)R2がメチル基またはメトキシ
基、R3がフッ素化されていてもよいC1-4アルコキシ基
またはC1-4アルコキシC1-8アルコキシ基、R4が水素
またはメチル基である前記(1)記載の結晶の製造法、
(8)式(I)で表される化合物が、2−[[3−メチル
−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−
2−イル]メチルスルフィニル]ベンズイミダゾールであ
る前記(1)記載の結晶の製造法、(9)式
【化4】 〔式中、環Aは置換基を有していてもよく、R1は水素
またはN−保護基を、R2,R3およびR4はそれぞれ同
一または異なって(1)水素、(2)ハロゲン原子で置換
されていてもよいアルキル基または(3)ハロゲン原子
もしくはアルコキシ基で置換されていてもよいアルコキ
シ基を示す。〕で表される化合物またはその塩の実質的
に溶媒を含まない結晶、および(10)式(I)で表さ
れる化合物が、2−[[3−メチル−4−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)ピリジン−2−イル]メチルスル
フィニル]ベンズイミダゾールである前記(9)記載の
結晶に関する。
【0006】上記の式中ならびに本願発明における諸定
義の説明およびそれらの好適な例を以下に記す。 式(I)中、環A上の置換基としては例えば、ハロゲン
原子、アルキル、シアノ、カルボキシ、アルコキシカル
ボニル、カルボアルコキシアルキル、カルバモイル、カ
ルバモイルアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロ
キシアルキル、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルコ
キシ、アシル、カルバモイルオキシ、ニトロ、アシルオ
キシ、アリール、アリールオキシ、アルキルチオもしく
はアルキルスルフィニル等の基が挙げられる。該ハロゲ
ン原子としては、フッ素、塩素、臭素等が挙げられ、な
かでもフッ素が好ましい。該アルキル基としては、炭素
数1ないし7のアルキル基が好ましく、例としてメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル等の基が挙げられ
る。該アルコキシカルボニル基としては、そのアルコキ
シの炭素数が1ないし4のものが好ましく、その例とし
てはメトキシカルボニル(CH3OOC−)、エトキシ
カルボニル(C25OOC−)等の基が挙げられる。該
カルボアルコキシアルキル基としては、そのアルコキシ
およびアルキルの炭素数がそれぞれ1ないし4のものが
好ましく、その例としてはカルボメトキシメチル(CH
3OOCCH2−)、カルボメトキシエチル(CH3OO
CC24−)、カルボエトキシメチル(C25OOCC
2−)、カルボエトキシエチル(C25OOCC24
−)等の基が挙げられる。
【0007】該カルバモイルアルキル基としては、その
アルキルの炭素数が1ないし4のものが好ましく、その
例としてはカルバモイルメチル(H2NCOCH2−)、
カルバモイルエチル(H2NCOC24−)等の基が挙
げられる。該アルコキシ基としては炭素数1ないし5の
ものが好ましく、その例としてはメトキシ、エトキシ、
プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキ
シ、ペントキシ等の基が挙げられる。該ヒドロキシアル
キル基としてはそのアルキルの炭素数が1ないし7のも
のが好ましく、その例としてはヒドロキシメチル、1−
ヒドロキシ−プロピル−2、1−ヒドロキシ−エチル−
2、1−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル−2等の基
が挙げられる。該ハロゲン化アルキル基としては、その
アルキルの炭素数が1ないし7のものが好ましく、その
例としてはジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基
などが好ましく挙げられる。該ハロゲン化アルコキシ基
としては、そのアルコキシの炭素数が1ないし4のもの
が好ましく、その例としてはジフルオロメトキシ基など
が好ましく挙げられる。
【0008】該アシル基としては炭素数1ないし4のも
のが好ましく、その例としてはホルミル、アセチル、プ
ロピオニル、ブチリル、イソブチリル等の基が挙げられ
る。該アシルオキシ基としては、そのアシルの炭素数が
1ないし4のものが好ましく、その例としてはホルミル
オキシ、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリ
ルオキシ、イソブチリルオキシ等の基が挙げられる。該
アリール基としては、例えばフェニル、トリル、ナフチ
ル等の基が挙げられる。該アリールオキシ基としては、
例えばフェニルオキシ、トリルオキシ、ナフチルオキシ
等の基が挙げられる。該アルキルチオ基としては、その
アルキルの炭素数が1ないし6のものが好ましく、その
例としてはメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ等の
基が挙げられる。該アルキルスルフィニル基としては、
その炭素数が1ないし6のものが好ましく、その例とし
てはメチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピ
ルスルフィニル等の基が挙げられる。
【0009】式(I)中、環Aについては、置換されて
いないか、または上記置換基の中でもハロゲン原子、ア
ルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基または
ハロゲン化アルコキシ基等(中でも好ましくはメトキシ
基、トリフルオロメチル基またはジフルオロメトキシ基
等)が好ましく、ベンズイミダゾール環の4位または5
位が置換されているものが特に好ましい。式(I)中、
1は、水素原子またはN−保護基を示す。R1で示され
るN−保護基としては、例えばアルキル、アシル、カル
ボアルコキシ、カルバモイル、アルキルカルバモイル、
ジアルキルカルバモイル、アルキルカルボニルメチル、
アルコキシカルボニルメチルおよびアルキルスルホニル
等の基が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1
ないし5のものが好ましく、例としてメチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルおよびペ
ンチル等の基が挙げられる。該アシル基としては、上記
環Aの置換基として定義したものと同様のものが挙げら
れる。該カルボアルコキシ基としては、上記環Aの置換
基として定義したものと同様のものが挙げられる。
【0010】該アルキルカルバモイル基は、式 アルキ
ル−NH−CO−で表され、そのアルキル基の炭素数は
1ないし4が好ましく、例えばメチルカルバモイル、エ
チルカルバモイル、プロピルカルバモイルおよびイソプ
ロピルカルバモイル等の基が挙げられる。該ジアルキル
カルバモイル基は、式 (アルキル)2N−CO−で表さ
れ、そのアルキル基の炭素数は各々1ないし4が好まし
く、例えばジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイ
ルおよびN−メチル−N−エチルカルバモイル等の基が
挙げられる。該アルキルカルボニルメチル基は、式 ア
ルキル−CO−CH2−で表され、そのアルキル基の炭
素数は1ないし4が好ましく、例えばアセチルメチル、
プロピオニルメチル等の基が挙げられる。該アルコキシ
カルボニルメチル基は、式 アルキル−OCO−CH2
−で表され、そのアルキル基の炭素数は1ないし4が好
ましく、例えばメトキシカルボニルメチル、エトキシカ
ルボニルメチルおよびプロポキシカルボニルメチル等の
基が挙げられる。該アルキルスルホニル基は、式 アル
キル−SO2−で表され、そのアルキル基の炭素数は1
ないし4が好ましく、例えばメチルスルホニル、エチル
スルホニル、プロピルスルホニルおよびイソプロピルス
ルホニル等の基が挙げられる。式(I)中、R1は、好ま
しくは水素原子である。
【0011】式(I)において、R2,R3およびR4は、
それぞれ同一または異なって水素、ハロゲン原子で置換
されていてもよいアルキル基、ハロゲンまたはアルコキ
シ基で置換されていてもよいアルコキシ基を示す。
2,R3およびR4で示されるハロゲン原子で置換され
ていてもよいアルキル基におけるアルキル基は、炭素数
が1ないし4であるアルキル基が好ましく、例えばメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル等の基が挙げられる。該ハロゲン原子で置換されて
いてもよいアルキル基におけるハロゲン原子としては、
フッ素、塩素、臭素等が挙げられ、とりわけフッ素が好
ましい。該ハロゲン原子で置換されたアルキル基の例と
しては、例えばトリフルオロメチル、2,2,2−トリフ
ルオロエチル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピ
ル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、1−
(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチ
ル、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル等の
フッ素置換アルキル基が好ましく挙げられ、塩素または
臭素で置換されたアルキル基についてもフッ素置換アル
キル基で例示したものにおいてフッ素を塩素または臭素
で置き換えた同様の基が挙げられる。R2,R3およびR
4で示されるハロゲン原子で置換されていてもよいアル
キル基として好ましくは、無置換の炭素数1ないし4の
アルキル基、とりわけメチル基が挙げられる。
【0012】R2,R3およびR4で示されるハロゲン原
子またはアルコキシ基で置換されていてもよいアルコキ
シ基におけるアルコキシ基としては、炭素数が1ないし
8、好ましくは炭素数が1ないし4のアルコキシ基が好
ましく、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ
プロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、ペントキシ、ヘ
キシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ等の基
が挙げられる。 該ハロゲン原子で置換されていてもよ
いアルコキシ基におけるハロゲン原子としては、フッ
素、塩素、臭素等が挙げられ、とりわけフッ素が好まし
い。該ハロゲン原子で置換されたアルコキシ基の例とし
ては、例えば2,2,2−トリフルオロエトキシ、2,2,
3,3,3−ペンタフルオロプロポキシ、1−(トリフル
オロメチル)−2,2,2−トリフルオロエトキシ、2,
2,3,3−テトラフルオロプロポキシ、2,2,3,3,
4,4,4−ヘプタフルオロブトキシ、2,2,3,3,4,
4,5,5−オクタフルオロペントキシ基等の1ないし8
個(好ましくは3ないし4個)のフッ素原子で置換され
た炭素数が1ないし8、好ましくは炭素数が1ないし4
のアルコキシ基が好ましく挙げられ、とりわけ2,2,2
−トリフルオロエトキシまたは2,2,3,3−テトラフ
ルオロプロポキシがより好ましく挙げられる。該塩素ま
たは臭素で置換されたアルコキシ基についても該フッ素
置換アルコキシ基で例示したものにおいてフッ素を塩素
または臭素で置き換えた同様の基が挙げられる。
【0013】該アルコキシ基で置換されたアルコキシの
例としては、例えば3−メトキシプロポキシ、2−メト
キシエトキシ、3−エトキシプロポキシ、2−エトキシ
エトキシなどのC1-4アルコキシC1-8アルコキシ基(と
りわけC1-4アルコキシC1-4アルコキシ基)が好ましく
挙げられ、とりわけ3−メトキシプロポキシ基が好まし
い。式(I)中、好ましくは、R2およびR4が同一また
は異なって水素原子、メチル基またはメトキシ基であ
り、R3が3ないし4個のハロゲン原子で置換された炭
素数1ないし5個、好ましくは炭素数2ないし4個のア
ルコキシ基、またはメトキシ基である。式(I)で表さ
れる化合物において、さらに好ましくは、環Aが無置換
または、ベンズイミダゾール環の4位または5位がメト
キシ基、ジフルオロメトキシ基もしくはトリフルオロメ
チル基により置換され、R1が水素であり、R2がメチル
基またはメトキシ基であり、R3が3ないし4個のフッ
素原子で置換された炭素数2ないし4のアルコキシ基、
メトキシ基または3−メトキシプロポキシ基であり、R
4が水素原子またはメチル基である。
【0014】式(I)で表される化合物の塩としては、
薬学的に許容される塩が好ましく、例えば無機塩基との
塩、有機塩基との塩、塩基性アミノ酸との塩などが挙げ
られる。無機塩基との塩の好適な例としては、例えばナ
トリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシ
ウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;な
らびにアンモニウム塩などが挙げられる。有機塩基との
塩の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリ
エチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシ
クロヘキシルアミン、N,N'−ジベンジルエチレンジア
ミンなどとの塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の
好適な例としては、例えばアルギニン、リジン、オルニ
チンなどとの塩が挙げられる。 本発明における式
(I)で表される化合物の塩として好ましくは、アルカ
リ金属塩またはアルカリ土類金属塩、とりわけナトリウ
ム塩が好ましく挙げられる。
【0015】式(I)で表される化合物として具体的に
は例えば、2−[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフ
ルオロエトキシ)ピリジン−2−イル]メチルスルフィ
ニル]ベンズイミダゾール、2−[[3,5−ジメチル−4
−メトキシピリジン−2−イル]メチルスルフィニル]−
5−メトキシベンズイミダゾール、2−[[4−(3−メ
トキシプロポキシ)−3−メチルピリジン−2−イル]
メチルスルフィニル]ベンズイミダゾール・ナトリウム
塩、5−ジフルオロメトキシ−2−[(3,4−ジメトキ
シピリジン−2−イル)メチルスルフィニル]ベンズイ
ミダゾールなどが挙げられ、とりわけ2−[[3−メチル
−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−
2−イル]メチルスルフィニル]ベンズイミダゾールが好
ましく挙げられる。
【0016】本発明の製造法において、式(I)で表さ
れるベンズイミダゾール系化合物は、前述の特開平1-13
1176号公報(EP-0302720A)、特開昭58-192880号公報
(EP-0005129A)、特開昭61-22079号公報、特開昭64-62
70号公報、米国特許第4255431号、ヨーロッパ特許公開
第45200号、同第74341号、同第80602号、同第174726
号、同第175464号、英国特許公開第2134523A号などに記
載の方法またはそれに準じた方法に従って製造すること
ができる。該ベンズイミダゾール系化合物は、硫黄原子
において不斉中心(asymmetric center)を有する。す
なわち、2種の対掌体
【化5】 として存在することができる。該ベンズイミダゾール系
化合物は、例えば前述の特開平1-131176号公報(EP-030
2720A)に記載の方法またはそれに準じた方法に従っ
て、含水アルコールから再結晶精製され、水−アルコー
ル溶媒和物結晶として得られる。該アルコールとしては
1-6アルコール(例、メタノール、エタノール、イソ
プロパノールなど)、中でもエタノールがより好ましく
用いられる。該含水アルコールとしては、水1容量に対
しアルコール(特にエタノール)が約2〜約30容量、
好ましくは約5〜約15容量であるアルコール(特にエ
タノール)水混液が挙げられる。具体的には例えば、ア
ルコール(特にエタノール)水混液(約9容量:1容
量)などが挙げられる。
【0017】式(I)で表される化合物またはその塩の
溶媒和物の結晶は、公知の粉末X線結晶解析法などによ
りその生成を容易に確認することができる。本発明の製
造法において、該溶媒和物結晶を水中に静置してもよ
く、懸濁状態として攪拌してもよい。この操作により、
該溶媒和物結晶から結晶形の転移により脱溶媒させる。
この操作、即ち水中で静置又は懸濁操作において用いる
水量、水温、攪拌時間などは適宜選択することができる
が、具体的には例えば、次の条件が挙げられる。該水量
としては、溶媒和物結晶に対し、約2〜約20倍容量、
好ましくは約5〜約10倍容量用いればよい。この場合
の水温としては、室温(約15〜約30℃)〜約90
℃、好ましくは約30〜約50℃が挙げられる。該攪拌
時間としては、約0.5〜約5時間、好ましくは約1〜
約2時間が挙げられる。このように該溶媒和物結晶から
結晶形の転移により脱溶媒された結晶は、次に、ろ過な
ど自体公知の方法で分取し、必要に応じて自体公知の方
法で乾燥させることにより目的とする該ベンズイミダゾ
ール化合物の実質的に脱溶媒された結晶を得ることがで
きる。該乾燥操作としては、例えば約20〜約60℃、
好ましくは約30〜約50℃で、約5〜約48時間、好
ましくは約10〜約20時間、減圧または真空乾燥操作
を行うと良い。
【0018】本願発明における実質的に脱溶媒された結
晶とは、水分含量として約500ppm以下、好ましくは約30
0ppm以下、さらに好ましくは約200ppm以下であり、エタ
ノール等のアルコール含量として約200ppm以下、好まし
くは約100ppm以下、さらに好ましくは約80ppm以下のも
のを意味する。該水分含量および該アルコール含量は、
水中での懸濁操作および次の乾燥操作における条件(特
に処理時間等)により影響を受けるため、もし脱溶媒の
程度が不十分である場合には、懸濁操作および次の乾燥
操作における処理時間を長くし、十分処理を行えば良
い。このようにして得られる式(I)で表される化合物
またはその塩の実質的に溶媒を含まない結晶は、公知の
粉末X線結晶解析法などによりその生成を容易に確認す
ることができ、その結晶中の水分含量およびエタノール
等のアルコール含量については、自体公知の分析法によ
り求めることができる。具体的には、水分含量について
はKF(カールフィッシャー)法、アルコール含量につ
いてはガスクロマトグラフィー法などが挙げられる。該
実質的に溶媒を含まない結晶は、通常の製剤化方法によ
って目的とする製剤の形にし、抗潰瘍剤などの医薬とし
て用いることができる。製剤化方法としては、例えば以
下に参考例として示す方法などが挙げられる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明を具体的に説明するため
に、以下に実施例等を挙げるが、本発明がこれらに限定
されるものではないことは言うまでもない。以下の実施
例等において、水分含量についてはKF(カールフィッ
シャー)法を、アルコール含量についてはガスクロマト
グラフィー法を用いて測定した。
【0020】
【実施例】
参考例1. 2,3−ジメチルピリジン N−オキシド
の製造 2,3−ルチジン100gを氷酢酸200mlに溶かした
後、35%過酸化水素水120gを約40℃で滴下し、
さらに105℃で約2時間反応させた。反応終了後、約
50℃に冷却し、パラホルムアルデヒド5.0gを加え
たのち、再び105℃まで加熱して約10分間反応させ
た。反応液を約40℃まで冷却し、98%硫酸150g
を加えたのち、減圧下に氷酢酸を留去して2,3−ジメ
チルピリジン N−オキシドを硫酸溶液として得た。
【0021】参考例2. 2,3−ジメチル−4−ニト
ロピリジン N−オキシドの製造 参考例1で得られた2,3−ジメチルピリジン N−オ
キシドの硫酸溶液全量に98%硫酸130gと98%硝
酸130gを約80℃で約4時間かけて滴下後、同温度
で5時間反応させた。反応液を約40℃に冷却後5℃以
下の冷水1L に注ぎ、さらに30%苛性ソーダ0.6L
を30℃以下で滴下した。処理液から塩化メチレン1L
による抽出を3回行ったのち、塩化メチレン層を合わせ
て減圧下に濃縮し、2,3−ジメチル−4−ニトロピリ
ジン N−オキシドを淡黄色結晶残渣として得た。 収量 141g(2,3−ルチジンからの見掛け収率9
0%)
【0022】参考例3. 2,3−ジメチル−4−(2,
2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン N−オキシ
ドの製造 参考例2で得られた2,3−ジメチル−4−ニトロピリ
ジン N−オキシド全量に70%アセトニトリル水0.
4L を加えて溶解させたところへ、トリフルオロエタノ
ール280g、50%ベンジルトリブチルアンモニウム
クロライド水溶液9g、及び炭酸カリウム225gを加
え、還流温度で約25時間反応させた。反応液を約60
℃まで冷却後、水0.2L を加え撹拌静置後、有機層を
分取し、減圧下で濃縮した。濃縮残渣に水0.5L を加
えて溶解後、塩化メチレン0.5Lで3回抽出した。塩化
メチレン層を合わせて濃縮し、淡黄色結晶残渣として
2,3−ジメチル−4−(2,2,2−トリフルオロエト
キシ)ピリジン N−オキシドを得た。 収量 144g(2,3−ルチジンからの見掛け収率7
0%)
【0023】参考例4. 2−ヒドロキシメチル−3−
メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリ
ジン(HYD) 参考例3で得られた2,3−ジメチル−4−(2,2,2
−トリフルオロエトキシ)ピリジン N−オキシド全量
を氷酢酸0.3L に溶解後、無水酢酸0.3L を加え、約
115℃で約6時間反応させた。反応終了後、約60℃
に冷却し水0.3L を加えた。反応混合物を減圧下で濃
縮後、メタノール25mlと水0.2L を加えたところへ
30%苛性ソーダ水溶液約0.2L を約30℃に保ちな
がら滴下して pH13に調整後、約35℃で12時間撹
拌した。反応液を静置し、上澄み液を除去後メタノール
100mlを加え、約45℃で約30分撹拌して、析出し
ている結晶を溶解した。溶解液を約20℃に保ちながら
水0.5L を加え結晶を晶出させたのち約5℃まで冷却
して熟成した。晶出した結晶はろ取、水洗後、35%塩
酸75ml、水0.4L 、及びけいそう土(2.5g)の混
合液に溶解させた。溶解液を30%苛性ソーダで、pH
約3に調節したのち不溶物を濾去した。ろ液は塩化メチ
レン200mlで3回洗浄後、活性炭5.0gを加え約4
0℃で約12時間撹拌した。活性炭をろ去し、エタノー
ル80mlをろ液に加えたのち、30%苛性ソーダで pH
7に中和して結晶を析出させた。晶出液を5℃以下まで
冷却後、結晶をろ取し、水洗した。得られた結晶は約3
7℃で約24時間減圧乾燥し、2−ヒドロキシメチル−
3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)
ピリジン(95g)を白色結晶として得た。 (2,3−ルチジンからの収率46%)
【0024】参考例5. 2−[[[3−メチル−4−
(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]
−メチル]チオ]ベンズイミダゾール 1水和物の製造 2−ヒドロキシメチル−3−メチル−4−(2,2,2−
トリフルオロエトキシ)ピリジン49.9gを塩化メチ
レン0.4L に溶解後、塩化チオニル24mlを約30分
で滴下し、約30℃以上で約1時間反応した。反応終了
後、水0.1L を加えたのち減圧下で塩化メチレンを留
去した。残渣をメタノール0.4L に溶解後、2−ベン
ズイミダゾールチオール34.2gを加えたところへ、
30%苛性ソーダ水溶液約60mlを約25℃で約1時間
かけて滴下し、さらに約0.5時間同温度で反応した。
反応液に、水0.3L を加えて10℃以下で約30分以
上撹拌したのち、35%塩酸で pH約9に調整し、結晶
を晶出させた。結晶をろ取し、50%メタノール水0.
1L 、及び水0.2L で順次洗浄した。得られた結晶は
50℃以下の温風で乾燥して2−[[[3−メチル−4−
(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]
−メチル]チオ]ベンズイミダゾール(81.0g)を白
色結晶として得た。 (HYDからの収率96.7%)
【0025】参考例6. 2−[[3−メチル−4−
(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−イ
ル]メチルスルフィニル]ベンズイミダゾール一水和、一
エタノール和物結晶の製造 アセチルアセトンバナジウム(IV)(40mg)をエタノ
ール(150ml)に溶かし、これに2−[[3−メチル−
4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2
−イル]メチルチオ]ベンズイミダゾール(一水和物)
(20.0g)を加えた後、これに35%過酸化水素水
(6.14g)を20〜25℃で滴下し、20〜25℃
で約5時間反応させた。反応終了後、反応液にチオ硫酸
ナトリウム水溶液(2.7g/16ml)を加え、約10
分間激しく攪拌した。析出した結晶をろ取し、氷冷した
エタノール−水混液(8:2)で洗浄した。得られた結
晶にエタノール−水混液(9:1,90ml)を加え、加
熱(60〜70℃)攪拌して結晶を溶かし、不溶物を熱
時ろ過して除去したのち、ろ液を氷冷して結晶を晶出さ
せた。晶出した結晶をろ取し、氷冷したエタノール−水
混液(8:2)で洗浄した後、室温で真空乾燥し、2−
[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキ
シ)ピリジン−2−イル]メチルスルフィニル]ベンズイ
ミダゾール一水和、一エタノール和物結晶(21.2
g)を白色針状結晶として得た。(収率91.0%)
【0026】実施例1. 実質的に溶媒を含まない2−
[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキ
シ)ピリジン−2−イル]メチルスルフィニル]ベンズイ
ミダゾール(以下、化合物Aと略記することもある)の
製造 エタノール−水混液(9:1, 75ml)に25%アンモ
ニア水70μl を加え、予め約60℃に加熱したところ
へ、参考例6で得られた2−[[3−メチル−4−(2,
2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−イル]メ
チルスルフィニル]ベンズイミダゾール一水和、一エタ
ノール和物結晶(13.0g)を加えて溶解させた。不
溶物を熱時ろ過により除去した後、ろ液を氷冷して結晶
を晶出させた。晶出した結晶をろ取し、2−[[3−メチ
ル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン
−2−イル]メチルスルフィニル]ベンズイミダゾール一
水和、一エタノール和物湿結晶を得た。次いでその湿結
晶を53mlの水に懸濁し、30℃を保ちながら1時間攪
拌した。結晶をろ過し、結晶を水(10ml)で洗浄して
から40℃で10時間真空乾燥し、2−[[3−メチル−
4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2
−イル]メチルスルフィニル]ベンズイミダゾール(9.
72g)を白色針状結晶として得た。(収率87.7
%) 融点 177〜178℃(分解) 水分含量 0.01% エタノール含量 63ppm
【0027】比較例1. 従来法による2−[[3−メチ
ル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン
−2−イル]メチルスルフィニル]ベンズイミダゾールの
製造 エタノール−水混液(9:1,58ml)に25%アンモ
ニア水54μl を加え、予め約60℃に加熱したところ
へ、参考例6で得られた2−[[3−メチル−4−(2,
2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−イル]メ
チルスルフィニル]ベンズイミダゾール一水和、一エタ
ノール和物結晶(10.0g)を加えて溶解させる。不
溶物を熱時ろ過により除去した後、ろ液を氷冷して結晶
を晶出させた。晶出した結晶をろ取し、2−[[3−メチ
ル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン
−2−イル]メチルスルフィニル]ベンズイミダゾール一
水和、一エタノール和物湿結晶を得た。これを、40℃
で20時間真空乾燥し、2−[[3−メチル−4−(2,
2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−イル]メ
チルスルフィニル]ベンズイミダゾール(7.58g)を
白色針状結晶として得た。(収率89.0%) 融点 177〜178℃(分解) 水分含量 0.12% エタノール含量 360ppm
【0028】参考例7. 化合物Aを含有する注射剤の
製造(1) 化合物A 15gに水酸化ナトリウム水溶液を添加、溶
解した後に、マンニトール 30g、メグルミン 5gを
添加、溶解し、pH 11.2の薬剤含有液 1000mLとし
た。これを常法により除菌ろ過し、得られた液を1mLず
つバイアルに分注した後、常法により凍結乾燥し、化合
物Aを含有する凍結乾燥品を得た。一方、マクロゴール
400 750gを注射用水で希釈し、塩酸を加え、p
H4.5の水溶液2500mLとした。これを常法により
除菌ろ過し、2.5mLずつアンプルに充填し、熔閉した
後に、高圧蒸気滅菌を行った。使用時には、化合物Aを
含有する凍結乾燥品に本液 2.5mLを添加、溶解して用
いる。
【0029】参考例8. 化合物Aを含有する注射剤の
製造(2) 化合物A 300g、マンニトール 600g、メグルミ
ン 100g、水酸化ナトリウム水溶液をホモミキサー
で混合、溶解し、pH 11.2の薬剤含有液 20L とし
た。これを常法により除菌ろ過し、得られた液を2mLず
つバイアルに分注した後、常法により凍結乾燥し、化合
物Aを含有する凍結乾燥品を得た。一方、マクロゴール
400 15Kgを注射用水で希釈し、塩酸を加え、pH
4.5の水溶液50L とした。これを常法により除菌ろ
過し、5mLずつアンプルに充填し、熔閉した後に、高圧
蒸気滅菌を行った。使用時には、化合物Aを含有する凍
結乾燥品に本液5mLを添加、溶解して用いる。
【0030】参考例9. 化合物Aを含有する注射剤の
製造(3) 化合物A 150g、マンニトール 300gを混合し、
これに水酸化ナトリウム水溶液を添加、溶解させた。溶
解後、メグルミン 50gを添加、溶解し、pH11.3
の薬剤含有液 10L とした。これを常法により除菌ろ
過し、得られた液を4mLずつバイアルに分注した後、常
法により凍結乾燥し、化合物Aを含有する凍結乾燥品を
得た。一方、マクロゴール400 7.5Kgを注射用水
で希釈し、塩酸を加え、pH4.5の水溶液25L とし
た。これを常法により除菌ろ過し、10mLずつアンプル
に充填し、熔閉した後に、高圧蒸気滅菌を行った。使用
時には、化合物Aを含有する凍結乾燥品に本液10mLを
添加、溶解して用いる。
【0031】参考例10. 化合物Aを含有するカプセ
ル剤の製造 〔表1〕の仕込量−1または〔表2〕の仕込量−2で、
以下に示す方法に従って製造し、〔表3〕に示す処方の
カプセル剤を得た。 (1)化合物Aおよび(3)から(6)の成分をよく混
合して散布剤とした。遠心流動型コーティング造粒装置
(フロイント産業(株)製、〔表2〕の仕込量の場合は
CF−1000、〔表3〕の仕込量の場合はCF−13
00)中に、(2)ノンパレルを入れ、(7)ヒドロキ
シプロピルセルロースを精製水に溶解した水溶液をスプ
レーしながら、上記の散布剤をコーティングした。該球
状顆粒を40℃で16〜18時間真空乾燥し、篩(50
0μm、1190μm)で篩過して主薬粒を得た。主薬粒
の2パッチをフローコーター(パウレック社製)に入
れ、(8)メタアクリル酸コポリマーLD〜(12)ポ
リソルベート80を精製水に懸濁させた懸濁液をコーテ
ィングした。このコーティングした粒に(13)タルク
を加えて、篩(600μm、1420μm)で篩過し、4
2℃で16〜18時間真空乾燥して腸溶性粒を得た。腸
溶性粒1パッチ(〔表2〕の仕込量では5パッチまで混
合可能、〔表3〕の仕込量では3パッチまで混合可能)
に(14)タルクおよび(15)軽質無水ケイ酸を加え
てタンブラー混合機(昭和化学機械工作所製)を用い、
混合粒とした。混合粒をカプセル充填機(MG2社製あ
るいはザナシー社製)により、(16)ゼラチンカプセ
ル1号に充填して30mgカプセル、(17)ゼラチンカ
プセル3号に充填して15mgカプセルとした。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、抗潰瘍剤など
の医薬として有用なベンズイミダゾール系化合物の実質
的に溶媒を含まない結晶を、工業的規模で簡便な操作で
均一な結晶体として大量に製造することができる。ま
た、本発明の製造法により得られるベンズイミダゾール
系化合物の実質的に溶媒を含まない結晶は、従来得られ
ていた該化合物の結晶に比べ、安定性に優れており製造
工程および保存過程においても分解することが極めて少
ない。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 〔式中、環Aは置換基を有していてもよく、R1は水素
    またはN−保護基を、R2,R3およびR4はそれぞれ同
    一または異なって(1)水素、(2)ハロゲン原子で置換
    されていてもよいアルキル基または(3)ハロゲン原子
    もしくはアルコキシ基で置換されていてもよいアルコキ
    シ基を示す。〕で表される化合物またはその塩の溶媒和
    物を、脱溶媒処理に付すことを特徴とする該化合物また
    はその塩の実質的に溶媒を含まない結晶の製造法。
  2. 【請求項2】脱溶媒処理が水中での懸濁操作である請求
    項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】R1で示されるN−保護基が、アルキル、
    アシル、カルボアルコキシ、カルバモイル、アルキルカ
    ルバモイル、ジアルキルカルバモイル、アルキルカルボ
    ニルメチル、アルコキシカルボニルメチルまたはアルキ
    ルスルホニル基である請求項1記載の結晶の製造法。
  4. 【請求項4】R1が水素である請求項1記載の結晶の製
    造法。
  5. 【請求項5】環Aの置換基がハロゲン原子で置換されて
    いてもよいアルコキシ基である請求項1記載の結晶の製
    造法。
  6. 【請求項6】環Aが無置換である請求項1記載の結晶の
    製造法。
  7. 【請求項7】R2がメチル基またはメトキシ基、R3がフ
    ッ素化されていてもよいC1-4アルコキシ基またはC1-4
    アルコキシC1-8アルコキシ基、R4が水素またはメチル
    基である請求項1記載の結晶の製造法。
  8. 【請求項8】式(I)で表される化合物が、2−[[3−
    メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリ
    ジン−2−イル]メチルスルフィニル]ベンズイミダゾー
    ルである請求項1記載の結晶の製造法。
  9. 【請求項9】式 【化2】 〔式中、環Aは置換基を有していてもよく、R1は水素
    またはN−保護基を、R2,R3およびR4はそれぞれ同
    一または異なって(1)水素、(2)ハロゲン原子で置換
    されていてもよいアルキル基または(3)ハロゲン原子
    もしくはアルコキシ基で置換されていてもよいアルコキ
    シ基を示す。〕で表される化合物またはその塩の実質的
    に溶媒を含まない結晶。
  10. 【請求項10】式(I)で表される化合物が、2−[[3
    −メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピ
    リジン−2−イル]メチルスルフィニル]ベンズイミダゾ
    ールである請求項9記載の結晶。
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