JPH10196751A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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JPH10196751A
JPH10196751A JP388397A JP388397A JPH10196751A JP H10196751 A JPH10196751 A JP H10196751A JP 388397 A JP388397 A JP 388397A JP 388397 A JP388397 A JP 388397A JP H10196751 A JPH10196751 A JP H10196751A
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disk
input shaft
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JP388397A
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Inventor
Hiroshi Ishikawa
宏史 石川
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力側、出力側各ディスク2A、2B、4の
内側面2a、4aとパワーローラ8、8の周面8a、8
aとの各当接部に作用する予圧を安定させる。 【解決手段】 入力軸15の端部とカム板10との間
に、予圧シリンダ47とピストン板50とを備える予圧
装置46を設ける。予圧シリンダ47のシリンダ空間5
2内に油圧を導入すると、上記入力軸15がカム板10
に引き込み、上記各当接部に所定の予圧付与を行なう。
予圧装置に皿板ばねを使用する場合に比べて、部品加工
精度等の影響を受けずに、正確な予圧付与を行なえる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係るトロイダル型
無段変速機は、例えば自動車用の変速機として、或は各
種産業機械用の変速機として、それぞれ利用する。
【0002】
【従来の技術】自動車用変速機として、図3〜4に略示
する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究さ
れている。このトロイダル型無段変速機は、例えば実開
昭62−71465号公報に開示されている様に、入力
軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、この入力軸1
と同心に配置した出力軸3の端部に出力側ディスク4を
固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケーシ
ングの内側には、上記入力軸1並びに出力軸3に対して
捻れの位置にある枢軸5、5を中心として揺動するトラ
ニオン6、6を設けている。
【0003】これら各トラニオン6、6は、それぞれの
両端部外面に上記枢軸5、5を設けている。又、これら
各トラニオン6、6の中間部には変位軸7、7の基端部
を支持し、上記枢軸5、5を中心としてこれら各トラニ
オン6、6を揺動させる事により、上記各変位軸7、7
の傾斜角度の調節を自在としている。上記各トラニオン
6、6に支持した変位軸7、7の周囲には、それぞれパ
ワーローラ8、8を回転自在に支持している。そして、
これら各パワーローラ8、8を、上記入力側、出力側両
ディスク2、4の、互いに対向する内側面2a、4a同
士の間に挟持している。これら各内側面2a、4aは、
それぞれ断面が、上記枢軸5を中心とする円弧を回転さ
せて得られる凹面をなしている。そして、球状凸面に形
成した上記各パワーローラ8、8の周面8a、8aを、
上記内側面2a、4aに当接させている。
【0004】上記入力軸1と入力側ディスク2との間に
は、ローディングカム式の押圧装置9を設け、この押圧
装置9によって、上記入力側ディスク2を出力側ディス
ク4に向け、弾性的に押圧自在としている。この押圧装
置9は、入力軸1と共に回転するカム板10と、保持器
11により転動自在に保持した複数個(例えば4個)の
ローラ12、12とから構成する。上記カム板10の片
側面(図3〜4の左側面)には、円周方向に亙る凹凸面
であるカム面13を形成し、上記入力側ディスク2の外
側面(図3〜4の右側面)にも、同様のカム面14を形
成している。そして、上記複数個のローラ12、12
を、上記入力軸1の中心に関し放射方向の軸を中心とす
る回転自在に支持している。
【0005】上述の様に構成するトロイダル型無段変速
機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板10が回転
すると、カム面13が複数個のローラ12、12を、入
力側ディスク2の外側面に形成したカム面14に押圧す
る。この結果、上記入力側ディスク2が、上記複数のパ
ワーローラ8、8に押圧されると同時に、上記1対のカ
ム面13、14と複数個のローラ12、12との押し付
け合いに基づいて、上記入力側ディスク2が回転する。
そして、この入力側ディスク2の回転が、前記複数のパ
ワーローラ8、8を介して出力側ディスク4に伝達さ
れ、この出力側ディスク4に固定の出力軸3が回転す
る。
【0006】入力軸1と出力軸3との回転速度比(変速
比)を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で
減速を行なう場合には、前記各枢軸5、5を中心として
前記各トラニオン6、6を所定方向に揺動させる。そし
て、上記各パワーローラ8、8の周面8a、8aが図3
に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り
部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分と
にそれぞれ当接する様に、前記各変位軸7、7を傾斜さ
せる。反対に、増速を行なう場合には、上記枢軸5、5
を中心として上記各トラニオン6、6を反対方向に揺動
させる。そして、上記各パワーローラ8、8の周面8
a、8aが図4に示す様に、入力側ディスク2の内側面
2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの
中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、上記これら
各変位軸7、7を傾斜させる。各変位軸7、7の傾斜角
度を図3と図4との中間にすれば、入力軸1と出力軸3
との間で、中間の変速比を得られる。
【0007】又、図5〜6は、実願昭63−69293
号(実開平1−173552号)のマイクロフィルムに
記載された、より具体化されたトロイダル型無段変速機
の1例を示している。入力側ディスク2と出力側ディス
ク4とは円管状の入力軸15の周囲に、それぞれニード
ル軸受16、16を介して回転自在に支持している。
又、カム板10は上記入力軸15の端部(図5の左端
部)外周面にスプライン係合させ、鍔部17により上記
入力側ディスク2から離れる方向への移動を阻止してい
る。そして、このカム板10とローラ12、12とによ
り、押圧装置9を構成している。上記出力側ディスク4
には出力歯車18を、キー19、19により結合し、こ
れら出力側ディスク4と出力歯車18とが同期して回転
する様にしている。
【0008】1対のトラニオン6、6の両端部は1対の
支持板20、20に、揺動並びに軸方向(図5の表裏方
向、図6の左右方向)に亙る変位自在に支持している。
そして、上記各トラニオン6、6の中間部に形成した円
孔23、23部分に、変位軸7、7を支持している。こ
れら各変位軸7、7は、互いに平行で且つ偏心した支持
軸部21、21と枢支軸部22、22とを、それぞれ有
する。このうちの各支持軸部21、21を上記各円孔2
3、23の内側に、ラジアルニードル軸受24、24を
介して、回転自在に支持している。又、上記各枢支軸部
22、22の周囲にパワーローラ8、8を、このパワー
ローラ8、8を支承する為の転がり軸受であるラジアル
ニードル軸受25、25を介して、回転自在に支持して
いる。
【0009】尚、上記1対の変位軸7、7は、上記入力
軸15に対して180度反対側位置に設けている。又、
これら各変位軸7、7の各枢支軸部22、22が各支持
軸部21、21に対し偏心している方向は、上記入力
側、出力側両ディスク2、4の回転方向に関し同方向
(図6で左右逆方向)としている。又、偏心方向は、上
記入力軸15の配設方向に対しほぼ直交する方向として
いる。従って、上記各パワーローラ8、8は、上記入力
軸15の配設方向に亙る若干の変位自在に支持される。
この結果、回転力の伝達状態で構成各部材に加わる大き
な荷重に基づく、これら構成各部材の弾性変形に起因し
て、上記各パワーローラ8、8が上記入力軸15の軸方
向(図5の左右方向、図6の表裏方向)に変位する傾向
となった場合でも、上記構成各部品に無理な力を加える
事なく、この変位を吸収できる。
【0010】又、上記各パワーローラ8、8の外側面と
上記各トラニオン6、6の中間部内側面との間には、パ
ワーローラ8、8の外側面の側から順に、やはりこのパ
ワーローラ8、8を支承する為の転がり軸受であるスラ
スト玉軸受26、26と、次述する外輪30、30に加
わるスラスト荷重を支承するスラスト軸受であるスラス
トニードル軸受27、27とを設けている。このうちの
スラスト玉軸受26、26は、上記各パワーローラ8、
8に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各
パワーローラ8、8の回転を許容するものである。この
様なスラスト玉軸受26、26はそれぞれ、複数個ずつ
の玉29、29と、これら各玉29、29を転動自在に
保持する円環状の保持器28、28と、スラスト軌道輪
である円環状の外輪30、30とから構成している。各
スラスト玉軸受26、26の内輪軌道は上記各パワーロ
ーラ8、8の外側面に、外輪軌道は上記各外輪30、3
0の内側面に、それぞれ形成している。
【0011】又、上記各スラストニードル軸受27、2
7は、レース31と保持器32とニードル33、33と
から構成する。このうちのレース31と保持器32と
は、回転方向に亙る若干の変位自在に組み合わせてい
る。この様なスラストニードル軸受27、27は、上記
各レース31、31を上記各トラニオン6、6の内側面
に当接させた状態で、この内側面と上記外輪30、30
の外側面との間に挟持している。この様なスラストニー
ドル軸受27、27は、上記各パワーローラ8、8から
上記各外輪30、30に加わるスラスト荷重を支承しつ
つ、前記各枢支軸部22、22及び上記外輪30、30
が、前記支持軸部21、21を中心に揺動する事を許容
する。
【0012】更に、上記各トラニオン6、6の一端部
(図6の左端部)にはそれぞれ駆動ロッド36、36を
結合し、これら各駆動ロッド36、36の中間部外周面
に駆動ピストン37、37を固設している。そして、こ
れら各駆動ピストン37、37を、それぞれ駆動シリン
ダ38、38内に油密に嵌装している。
【0013】上述の様に構成されるトロイダル型無段変
速機の場合には、入力軸15の回転は、押圧装置9を介
して入力側ディスク2に伝わる。そして、この入力側デ
ィスク2の回転が、1対のパワーローラ8、8を介して
出力側ディスク4に伝わり、更にこの出力側ディスク4
の回転が、出力歯車18より取り出される。入力軸15
と出力歯車18との間の回転速度比を変える場合には、
上記1対の駆動ピストン37、37を互いに逆方向に変
位させる。これら各駆動ピストン37、37の変位に伴
って上記1対のトラニオン6、6が、それぞれ逆方向に
変位し、例えば図6の下側のパワーローラ8が同図の右
側に、同図の上側のパワーローラ8が同図の左側に、そ
れぞれ変位する。この結果、これら各パワーローラ8、
8の周面8a、8aと上記入力側ディスク2及び出力側
ディスク4の内側面2a、4aとの当接部に作用する、
接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向き
の変化に伴って上記各トラニオン6、6が、支持板2
0、20に枢支された枢軸5、5を中心として、互いに
逆方向に揺動する。この結果、前述の図3〜4に示した
様に、上記各パワーローラ8、8の周面8a、8aと上
記各内側面2a、4aとの当接位置が変化し、上記入力
軸15と出力歯車18との間の回転速度比が変化する。
【0014】尚、この様に上記入力軸15と出力歯車1
8との間で回転力の伝達を行なう際には、構成各部材の
弾性変形に基づいて上記各パワーローラ8、8が、上記
入力軸15の軸方向に変位し、これら各パワーローラ
8、8を枢支している前記各変位軸7、7が前記各支持
軸部21、21を中心として僅かに回動する。この回動
の結果、前記各スラスト玉軸受26、26の外輪30、
30の外側面と上記各トラニオン6、6の内側面とが相
対変位する。これら外側面と内側面との間には、前記各
スラストニードル軸受27、27が存在する為、この相
対変位に要する力は小さい。従って、上述の様に各変位
軸7、7の傾斜角度を変化させる為の力が小さくて済
む。
【0015】更に、伝達可能なトルクを増大すべく、図
7〜8に示す様に、入力軸15の周囲に入力側ディスク
2A、2Bと出力側ディスク4、4とを2個ずつ設け、
これら2個ずつの入力側ディスク2A、2Bと出力側デ
ィスク4、4とを動力の伝達方向に関して互いに並列に
配置する、所謂ダブルキャビティ型のトロイダル型無段
変速機の構造も、従来から広く知られている。これら図
7〜8に示した構造は、何れの構造の場合も、上記入力
軸15の中間部周囲に出力歯車18aを、この入力軸1
5に対する回転を自在として支持し、この出力歯車18
aの両端部に上記各出力側ディスク4、4を、スプライ
ン係合させている。そして、これら各出力側ディスク
4、4の内周面と上記入力軸15の外周面との間にニー
ドル軸受16、16を設け、これら各出力側ディスク
4、4を上記入力軸15の周囲に、この入力軸15に対
する回転、並びにこの入力軸15の軸方向に亙る変位を
自在に支持している。又、上記各入力側ディスク2A、
2Bは、上記入力軸15の両端部に、この入力軸15と
共に回転自在に支持している。
【0016】但し、一方(図7〜8の左方)の入力側デ
ィスク2Aは、背面(図7〜8の左面)をローディング
ナット39に、直接(図8の場合)又は大きな弾力を有
する皿板ばね45を介して(図7の場合)突き当てて、
上記入力軸15に対する軸方向(図7〜8の左右方向)
の変位を実質的に阻止している。これに対して、カム板
10に対向する入力側ディスク2Bは、ボールスプライ
ン40により上記入力軸15に、軸方向に亙る変位自在
に支持している。そして、この入力側ディスク2Bの背
面(図7〜8の右面)とカム板10の前面(図7〜8の
左面)との間に皿板ばね41とスラストニードル軸受4
2とを、互いに直列に設けている。このうちの皿板ばね
41は、上記各ディスク2A、2B、4の内側面2a、
4aとパワーローラ8、8の周面8a、8aとの当接部
に予圧を付与する為の予圧装置としての役目を果たす。
尚、この様な予圧装置は、ダブルキャビティ型のトロイ
ダル型無段変速機に限らず、前述の図3〜6に示した様
な、シングルキャビティ型のトロイダル型無段変速機に
も必要である。
【0017】又、上記スラストニードル軸受42は、前
記押圧装置9の作動時に、上記入力側ディスク2Bとカ
ム板10との相対回転を許容する役目を果たす。尚、図
7に示した構造では、前記ローディングナット39と入
力側ディスク2Aの背面との間に皿板ばね45を設ける
と共に、この入力側ディスク2Aを入力軸15に対し
て、ボールスプライン40aにより軸方向に亙る変位自
在に支持している。但し、この皿板ばね45は、上記入
力側ディスク2Aに衝撃荷重が加わる事を防止する為の
もので、弾性が大きく、変形量も限られている。又、図
7に示した構造の場合に1対の出力側ディスク4、4
は、出力歯車18aを介して仕切壁44に対し、1対の
アンギュラ型玉軸受43、43により、軸方向に亙る変
位を阻止した状態で支持している。これに対して図8に
記載した構造の場合に出力歯車18aは入力軸15の中
間部周囲に、この入力軸15に対する軸方向の変位並び
に回転自在に支持している。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上述した様な従来構造
の場合、各ディスク2A、2B、4の内側面2a、4a
とパワーローラ8、8の周面8a、8aとの当接部に予
圧を付与する為の予圧装置として皿板ばね41を使用し
ている為、設計値通りに安定した性能を発揮させる事が
難しい。即ち、皿板ばね41の弾力は、製造上の誤差に
基づいて或る程度ばらつきが生じる事が避けられない。
又、この皿ばね41をスラストニードル軸受42等と共
に挟持する入力側ディスク2Bとカム板10との間隔
も、トロイダル型無段変速機の構成各部材の寸法誤差の
積算に基づいて、或る程度ばらつく事が避けられない。
そして、この間隔が異なった場合には、上記皿板ばね4
1により得られる予圧の大きさが変化し、設計値通りに
安定した性能を得られなくなる。本発明のトロイダル型
無段変速機は、この様な事情に鑑み、各ディスクとパワ
ーローラとの当接部に付与する予圧を安定させて、駆動
力の伝達を効率良く行なわせる事を目的に発明したもの
である。
【0019】
【課題を解決する為の手段】本発明のトロイダル型無段
変速機は、前述した従来のトロイダル型無段変速機と同
様に、互いの内側面同士を対向させた状態で、互いに同
心に、且つ回転自在に支持された入力側ディスク及び出
力側ディスクと、入力軸と、入力軸の回転に伴って上記
入力側ディスクと出力側ディスクとの間に互いに近づく
方向の力を付与しつつこのうちの入力側ディスクを回転
させる押圧装置と、上記出力軸と共に回転する出力機構
と、上記入力側ディスク及び出力側ディスクの中心軸に
対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動するトラニ
オンと、互いに偏心した支持軸部及び枢支軸部から成
り、このうちの支持軸部を上記トラニオンに回転自在に
支持し、枢支軸部を上記トラニオンの内側面から突出さ
せた変位軸と、上記枢支軸部の周囲に転がり軸受を介し
て回転自在に支持された状態で、上記入力側、出力側両
ディスクの内側面同士の間に挟持されたパワーローラ
と、上記入力側、出力側両ディスク同士を互いに近づけ
る方向の力を付与する予圧装置とを備える。
【0020】特に、本発明のトロイダル型無段変速機に
於いては、上記予圧装置は、上記入力側ディスク及び出
力側ディスクと同心に設けられた予圧シリンダと、この
予圧シリンダ内に、上記入力側ディスク及び出力側ディ
スクの軸方向に亙る変位自在に、且つ油密に嵌装された
予圧ピストンと、この予圧ピストンに係合し、上記予圧
シリンダ内への油圧導入に基づいて上記入力側、出力側
両ディスク同士の間に、これら両ディスク同士を互いに
近づける方向の力を伝達する伝達部材とにより構成され
る。
【0021】
【作用】上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段
変速機は、前述した従来のトロイダル型無段変速機と同
様の作用に基づき、入力側ディスクと出力側ディスクと
の間で回転力の伝達を行ない、更にトラニオンの傾斜角
度を変える事により、これら両ディスク同士の間の回転
速度比を変える。
【0022】特に、本発明のトロイダル型無段変速機の
場合には、予圧シリンダ内への油圧導入に基づいて、入
力側、出力側両ディスクの内側面とパワーローラの周面
との当接部に予圧を付与するので、構成各部の寸法誤差
に関係なく、安定した予圧付与を行なえる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の1
例を示している。尚、本発明の特徴は、入力側、出力側
両ディスク2A、2B、4の内側面2a、4aとパワー
ローラ8、8の周面8a、8aとの当接部に予圧を付与
する為の予圧装置46部分の構造にある。その他の部分
の構造及び作用に就いては、前述の図8に示した従来の
具体的構造の第3例と同様であるから、同等部分には同
一符号を付して、重複する説明を省略若しくは簡略に
し、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0024】上記予圧装置46を構成する為、ローディ
ングカム式の押圧装置9を構成するカム板10の中央部
に、予圧シリンダ47を設けている。この予圧シリンダ
47は、円筒形で、上記入力側、出力側両ディスク2
A、2B、4と同心の内周面48を有する。又、上記カ
ム板10の更に中央部で上記予圧シリンダ47の底部中
央部となる部分には、この油圧シリンダ47と同心の円
孔49を形成している。そして、この円孔49の内側
に、入力軸15の入力側端部(図1の右端部)を挿通し
ている。上記円孔49の内周面には係止溝を全周に亙っ
て形成すると共に、この係止溝にOリングを装着する事
により、上記円孔49の内周面と上記入力軸15の外周
面との間の油密保持を図っている。
【0025】又、この入力軸15の入力側端部で、上記
カム板10の背面側(図1の右側)に突出した部分に
は、円輪状のピストン板50を支持している。このピス
トン板50の内外両周面には、それぞれ係止溝を形成す
ると共に、これら各係止溝にOリングを装着している。
そして、外周面側のOリングにより上記油圧シリンダ4
7の内周面48との間の油密保持を、内周面側のOリン
グにより上記入力軸15の外周面との間の油密保持を、
それぞれ図っている。又、上記入力軸15の入力側端部
で、上記ピストン板50に関して上記カム板10と反対
側部分には、アンカ部材51を、螺着、或は締まり嵌め
により固定している。従って、上記ピストン板50とカ
ム板10との間に存在するシリンダ空間52に油圧を導
入すれば、上記カム板10に対して上記入力軸15を引
き込み(図1の右方に変位させて)、上記入力側、出力
側両ディスク2A、2B、4の内側面2a、4aとパワ
ーローラ8、8の周面8a、8aとの当接部に予圧を付
与できる。即ち、図示の例では、上記アンカ部材51と
入力軸15とが、予圧シリンダ47内(=シリンダ空間
52内)への油圧導入に伴って上記入力側、出力側両デ
ィスク2A、2B、4同士を互いに近づける方向の力を
伝達する伝達部材としての役割を果たす。
【0026】更に、上記シリンダ空間52内への油圧導
入を自在とすべく、上記カム板10を回転駆動する為の
駆動部材53と上記入力軸15とに、圧力導入路54を
設けている。この圧力導入路54は、第一〜第三の導入
路55〜57を、油圧の給排方向に関して互いに直列に
配置して成る。これら第一〜第三の導入路55〜57を
互いに直列に配置する為、上記入力軸15の入力側端部
の内側中心部には円孔58を設け、この入力側端部を有
底円筒状に形成すると共に、この円孔58の内側に上記
駆動部材53の先端部59を挿入している。この駆動部
材53の先端部59の基端寄り(図1の右寄り)部分の
外周面と上記円孔58の内周面開口寄り部分との間には
滑り軸受60を設けて、上記先端部59と入力軸15と
を、同心に保持したまま、若干の相対回転を自在として
いる。尚、上記駆動部材53は、外周面に形成した腕部
61、61の先端部と上記カム板10の背面に形成した
突片62、62との係合に基づき、上記カム板10に回
転力を伝達する。
【0027】上記圧力導入路54を構成する第一〜第三
の導入路55〜57のうち、第一の導入路55は、上記
駆動部材54の中心部に形成しており、その基端部(図
示しないが、図1の右方に延長した部分)は、図示しな
い油圧源に通じさせている。この油圧源としては、例え
ばクラッチ、或はロックアップ装置の断接状態を切り換
える為の油圧ポンプ等、元々自動変速機に組み込まれる
装置を利用できる。又、上記第一の導入路55と油圧源
との間には、圧力調整弁及び例えば電磁式の三方弁を装
着する。従って、この三方弁を上記第一の導入路55と
油圧源とを連通させる状態に切り換えれば、上記シリン
ダ空間52内に所定の油圧が導入される。これに対し
て、このシリンダ空間52内を、例えば変速機のケーシ
ング内等、大気圧部分に通じさせれば、上記シリンダ空
間52内の油圧が解除される。又、上記第二の導入路5
6は、上記駆動部材53の先端部59に形成して、上記
第一の導入路55とこの駆動部材53の先端部59の外
周面とを連通させる。更に、上記第三の導入路57は、
上記入力軸15の入力側端部で、上記シリンダ空間52
に対向する部分に形成して、このシリンダ空間52と上
記円孔58の内側とを連通させる。尚、上記駆動部材5
3の先端部59の外周面で上記滑り軸受60と第二の導
入路56との間部分にはOリング等のシール部材を設け
て、上記第二、第三の導入路56、57同士の間でやり
取りされる油圧が、上記円孔58の内周面と先端部59
の外周面との間の隙間から外部に漏れる事を防止してい
る。
【0028】上述の様に構成される本発明のトロイダル
型無段変速機の場合には、予圧シリンダ47のシリンダ
空間52内への油圧導入に基づいて、入力側、出力側両
ディスク2A、2B、4の内側面2a、4aとパワーロ
ーラ8、8の周面8a、8aとの当接部に予圧を付与す
る。即ち、トロイダル型無段変速機による動力伝達開始
時に、上記各内側面2a、4aと周面8a、8aとが滑
る事を防止する為、上記三方弁を、上記第一の導入路5
5と油圧源とを連通させる状態に切り換える。そして、
圧力導入路54を通じて上記シリンダ空間52内に、上
記圧力調整弁により調整した所定圧の油圧を導入する。
この油圧導入に伴い、上記シリンダ空間52の容積が増
大し、前記カム板10とピストン板50との間隔が広が
り、前記入力軸15が上記カム板10に対して引き込ま
れる。この結果、上記入力側、出力側両ディスク2A、
2B、4同士の間隔が狭まり、これら各ディスク2A、
2B、4の内側面2a、4aとパワーローラ8、8の周
面8a、8aとの各当接部に、上記所定圧に見合う予圧
が付与される。
【0029】本発明のトロイダル型無段変速機の場合、
上記予圧の大きさは、上記シリンダ空間52内に導入す
る油圧の大きさに応じて定まり、構成各部の寸法誤差の
影響を受ける事はない。この為、寸法誤差等に関係な
く、安定した予圧付与を行なえる。この様に、上記各当
接部に所定の予圧を付与した状態で、前記駆動部材53
を起動させれば、これら各当接部に大きな滑りを生じる
事なく、入力側ディスク2A、2Bと出力側ディスク
4、4との間で動力伝達を行なえる。尚、これら両ディ
スク2A、2B、4同士の間で動力の伝達が開始された
後は、押圧部材10の作動に基づき、各ディスク2A、
2B、4の内側面2a、4aとパワーローラ8、8の周
面8a、8aとの各当接部に、大きな面圧が作用する。
従って、予圧装置46の機能を停止しても、上記各当接
部に大きな滑りが発生する事はない。そこで、この様に
動力の伝達が開始された後の状態では、前記三方弁を切
り換えて、シリンダ空間52内を大気圧部分に通じさせ
る。この結果、上記各当接部に作用する面圧が過大に上
昇する事を防止して、上記各内側面2a、4a及び周面
8a、8aの転がり疲れ寿命の向上を図れる。
【0030】次に、図2は、本発明の実施の形態の第2
例を示している。尚、本例の基本的構造及び作用に就い
ては、前述の図7に示した従来の具体的構造の第2例と
同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複
する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴
部分を中心に説明する。
【0031】本例の場合には、入力軸15の反入力側端
部(図2の左端部)に、入力側、出力側両ディスク2
A、2B、4の内側面2a、4aとパワーローラ8、8
の周面8a、8aとの当接部に予圧を付与する為の予圧
装置46aを設けている。この為に本例の場合には、反
入力側(図2の左側)の入力側ディスク2Aの背面中央
部に、入力軸15と同心の予圧シリンダ47aを形成し
ている。そして、この予圧シリンダ47aの奥端部(図
2の右端部)に、円輪状の端板63を嵌着している。こ
の端板63の内外両周面には、それぞれ係止溝を形成す
ると共に、これら各係止溝にOリングを装着している。
そして、外周面側のOリングにより上記入力側ディスク
2Aとの間の油密保持を、内周面側のOリングにより上
記入力軸15の外周面との間の油密保持を、それぞれ図
っている。
【0032】又、この入力軸15の反入力側端部で、上
記入力側ディスク2Aの背面側(図2の左側)に突出し
た部分には、円輪状のピストン板50aを支持してい
る。このピストン板50aの内外両周面には、それぞれ
係止溝を形成すると共に、これら各係止溝にOリングを
装着している。そして、外周面側のOリングにより上記
油圧シリンダ47aの内周面48aとの間の油密保持
を、内周面側のOリングにより上記入力軸15の外周面
との間の油密保持を、それぞれ図っている。又、上記入
力軸15の反入力側端部で、上記ピストン板50aに関
して上記入力側ディスク2Aと反対側部分には、ローデ
ィングナット39を、螺着している。従って、上記ピス
トン板50aと端板63との間に存在するシリンダ空間
52aに油圧を導入すれば、上記入力側ディスク2Aに
対して上記入力軸15を引き込み(図2の左方に変位さ
せて)、上記入力側、出力側両ディスク2A、2B、4
の内側面2a、4aとパワーローラ8、8の周面8a、
8aとの各当接部に予圧を付与できる。即ち、図示の例
では、上記ローディングナット39と入力軸15とが、
予圧シリンダ47a内(=シリンダ空間52a内)への
油圧導入に伴って上記入力側、出力側両ディスク2A、
2B、4同士を互いに近づける方向の力を伝達する伝達
部材としての役割を果たす。
【0033】尚、図2の例では、入力側に配置した入力
側ディスク2Bの背面(図2の右面)とカム板10の前
面(図2の左面)との間に、前述した従来構造の皿板ば
ね41とスラストニードル軸受42とを設けている。但
し、この皿板ばね41の弾力は従来構造の場合に比べて
小さくし、上記各当接部に付与する予圧の大部分を、上
記予圧装置46aにより発生させる様にしている。従っ
て、上記各当接部に付与する予圧が、トロイダル型無段
変速機の性能の影響を及ぼす程ばらつく事はない。勿
論、本例の場合も、前述した第1例の場合と同様に、上
記皿板ばね41とスラストニードル軸受42とを省略す
る事もできる。但し、これら皿板ばね41とスラストニ
ードル軸受42とを設ければ、上記予圧装置47を駆動
する為の圧油源の故障時にも、最低限の予圧を得られ
る。その他の構成及び作用は、前述の図7に示した従来
の具体的構造の第2例、或は前述した本発明の実施の形
態の第1例の場合と同様である。又、図示は省略した
が、本発明は、図1〜2に示す様なダブルキャビティ型
のトロイダル型無段変速機に限らず、入力側ディスクと
出力側ディスクとを1個ずつ設けた、シリグルキャビテ
ィ型のトロイダル型無段変速機でも実施できる。
【0034】
【発明の効果】本発明のトロイダル型無段変速機は、以
上に述べた通り構成され作用する為、入力軸、出力軸両
ディスクの内側面とパワーローラの周面との当接部に、
設計値通りの予圧を付与できる。この為、トロイダル型
無段変速機の伝達効率並びに耐久性を設計値通りに確保
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す部分断面
図。
【図2】同第2例を示す部分断面図。
【図3】従来から知られているトロイダル型無段変速機
の基本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。
【図4】同じく最大増速時の状態で示す側面図。
【図5】従来の具体的構造の第1例を示す断面図。
【図6】図5のA−A断面図。
【図7】従来の具体的構造の第2例を示す部分断面図。
【図8】同第3例を示す部分断面図。
【符号の説明】
1 入力軸 2、2A、2B 入力側ディスク 2a 内側面 3 出力軸 4 出力側ディスク 4a 内側面 5 枢軸 6、6A トラニオン 6a、6b 側面 7 変位軸 8 パワーローラ 8a 周面 9 押圧装置 10 カム板 11 保持器 12 ローラ 13、14 カム面 15 入力軸 16 ニードル軸受 17 鍔部 18、18a 出力歯車 19 キー 20 支持板 21 支持軸部 22 枢支軸部 23 円孔 24、25 ラジアルニードル軸受 26 スラスト玉軸受 27 スラストニードル軸受 28 保持器 29 玉 30 外輪 31 レース 32 保持器 33 ニードル 36 駆動ロッド 37 駆動ピストン 38 駆動シリンダ 39 ローディングナット 40、40a ボールスプライン 41 皿板ばね 42 スラストニードル軸受 43 アンギュラ型玉軸受 44 仕切壁 45 皿板ばね 46、46a 予圧装置 476、47a 予圧シリンダ 48、48a 内周面 49 円孔 50、50a ピストン板 51 アンカ部材 52、52a シリンダ空間 53 駆動部材 54 圧力導入路 55 第一の導入路 56 第二の導入路 57 第三の導入路 58 円孔 59 先端部 60 滑り軸受 61 腕部 62 突片 63 端板

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いの内側面同士を対向させた状態で、
    互いに同心に、且つ回転自在に支持された入力側ディス
    ク及び出力側ディスクと、入力軸と、入力軸の回転に伴
    って上記入力側ディスクと出力側ディスクとの間に互い
    に近づく方向の力を付与しつつこのうちの入力側ディス
    クを回転させる押圧装置と、上記出力軸と共に回転する
    出力機構と、上記入力側ディスク及び出力側ディスクの
    中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動す
    るトラニオンと、互いに偏心した支持軸部及び枢支軸部
    から成り、このうちの支持軸部を上記トラニオンに回転
    自在に支持し、枢支軸部を上記トラニオンの内側面から
    突出させた変位軸と、上記枢支軸部の周囲に転がり軸受
    を介して回転自在に支持された状態で、上記入力側、出
    力側両ディスクの内側面同士の間に挟持されたパワーロ
    ーラと、上記入力側、出力側両ディスク同士を互いに近
    づける方向の力を付与する予圧装置とを備えたトロイダ
    ル型無段変速機に於いて、上記予圧装置は、上記入力側
    ディスク及び出力側ディスクと同心に設けられた予圧シ
    リンダと、この予圧シリンダ内に、上記入力側ディスク
    及び出力側ディスクの軸方向に亙る変位自在に、且つ油
    密に嵌装された予圧ピストンと、この予圧ピストンに係
    合し、上記予圧シリンダ内への油圧導入に基づいて上記
    入力側、出力側両ディスク同士の間に、これら両ディス
    ク同士を互いに近づける方向の力を伝達する伝達部材と
    により構成される事を特徴とするトロイダル型無段変速
    機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6572509B2 (en) 2000-10-23 2003-06-03 Nsk, Ltd. Toroidal-type continuously variable transmission
US6740001B1 (en) 1999-06-29 2004-05-25 Nsk Ltd. Toroidal type continuously variable transmission

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6740001B1 (en) 1999-06-29 2004-05-25 Nsk Ltd. Toroidal type continuously variable transmission
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