JPH10197305A - 熱式空気流量計及び熱式空気流量計用の測定素子 - Google Patents

熱式空気流量計及び熱式空気流量計用の測定素子

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JPH10197305A
JPH10197305A JP9005291A JP529197A JPH10197305A JP H10197305 A JPH10197305 A JP H10197305A JP 9005291 A JP9005291 A JP 9005291A JP 529197 A JP529197 A JP 529197A JP H10197305 A JPH10197305 A JP H10197305A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低コストで湿度補正が可能で計測精度の良い熱
式空気流量計を提供する。 【解決手段】熱式空気流量計は、発熱抵抗体3及び温度
補償抵抗体4と,発熱抵抗体3と端子電極8間の湿度セ
ンサ5と,を半導体基板2上に電気絶縁膜を介して形成
した測定素子1と、測定素子1に電流を供給し空気流量
信号を検出する駆動検出回路手段15aと、測定素子1
の空気流量信号から空気流量を演算する制御回路15b
と、空気流量−湿度特性の補正データを記憶しているメ
モリ15cとを含み構成し、制御回路15bが、湿度セ
ンサ5を用いて検出した湿度と補正データとから、空気
流量を補正するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱式空気流量計に
係り、特に内燃機関の吸入空気量を測定するのに好適な
熱式空気流量計及び熱式空気流量計用の測定素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より自動車などの内燃機関の電子制
御燃料噴射装置に設けられ吸入空気量を測定する空気流
量計として、熱式のものが質量空気量を直接検知できる
ことから主流となってきている。この中で、特に半導体
マイクロマシニング技術により製造された熱式空気流量
計及びその測定素子が、コストが低減でき且つ低電力で
駆動することが出来ることから注目されてきた。
【0003】そして、このような従来の半導体基板を用
いた熱式空気流量計としては、例えば、特開昭60−1
42268号公報に開示されているものがある。上記公
報に記載の技術は、製造コストはある程度低減されてい
るが、吸入空気量の測定に際して、湿度特性に関して考
慮されていないものである。また、吸入空気流量の湿度
補正を考慮した熱式空気流量計としては、特開平7−2
29776号公報に開示されているものがあり、湿度検
出のための湿度センサは熱式空気流量計用の測定素子と
は別個に設置されているものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術には次の
ような課題がある。上記特開昭60−142268号公
報に記載の従来技術を図21を参照し説明する。図21
は従来の熱式空気流量計用の測定素子の平面図であり、
該公報に記載の第2図である。図において、1が熱式空
気流量計用の測定素子で、シリコン等の半導体基板を異
方性エッチングにより形成した空洞28a,28b,2
8cを架橋する電気絶縁膜からなる2本の橋29aと2
9bを有し、空気の流れの上流側が橋29a、下流側が
橋29bとなっている。2本の橋29aと29bとの間
の開口した空洞28cを挟んで発熱抵抗体26を配置
し、これらの橋29a,29bには発熱抵抗体26の側
部に各々測温抵抗体27a,27bが配置され、更に、
電気絶縁膜の空洞28aの上流側の一部に空気温度を測
定する温度補償抵抗体4aを配設している。また、空洞
28a,28bおよび28cは、電気絶縁膜の開口部を
利用して半導体基板を異方性エッチングすることから、
電気絶縁膜の橋29a,29b下で連続した一体の空洞
となっている。
【0005】この測定素子を用いた空気流量計では、温
度補償抵抗体4aにより定められる空気温度よりも一定
温度高い温度となるように、発熱抵抗体26が加熱駆動
される。空気流量は、空気の熱運搬効果を利用して、流
路の上流側測温体抵抗27aと下流側測温抵抗体27b
との間に生じる温度差から計測される。
【0006】このように構成された従来例では、吸入空
気の「湿度の変化」に対しての空気流量の検出精度に関し
て考慮されておらず、未だ空気流量検出精度に課題が残
っている。更には、自動車等の過酷な条件で使用される
場合の、内燃機関の温度上昇により熱式空気流量計用の
測定素子の発熱抵抗体26、温度補償抵抗体4aおよび
測温抵抗体27a,27bなどに熱が伝導し、計測精度
に悪影響を与えることに考慮されていないことから、十
分な空気流量−支持部温度特性が得られない点にも残っ
ている。
【0007】また、吸入空気流量の湿度補正を考慮した
従来の熱式空気流量計を図22に示す。図22は、特開
平7−229776号公報に記載された図1である。図
において、18はブロック構成で示された空気流量計、
31が湿度検出装置、30が空気流量検出装置、 32
が空気流量検出装置30から得られた空気流量信号、3
3が別に設置した湿度検出装置31から検出した湿度信
号に基づき空気流量信号を湿度補正した後の出力信号で
ある。この様に構成された従来例では、湿度検出のため
の湿度検出装置(湿度センサ)31は前記空気流量検出装
置30とは別個に吸気通路に設置されており、部品点数
が多くなりまた組立工数が増大し製造コストの面で十分
でないところがある。
【0008】従って、本発明の目的は、従来技術の課題
を解決した、低コストで流量計測における空気流量−湿
度特性や空気流量−支持部温度特性の優れた熱式空気流
量計及び熱式空気流量計用の測定素子を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する熱式
空気流量計は、空気流量を計測するための発熱抵抗体等
が形成された同じ基板上に形成した湿度センサを有する
熱式空気流量計用の測定素子と、該測定素子に電流を供
給し空気流量信号を検出する駆動検出回路と、該空気流
量信号から空気流量を演算する制御回路と、空気流量−
湿度特性の補正データを記憶しているメモリとを備え、
前記制御回路は、前記湿度センサを用いて検出した湿度
と前記補正データとから、前記空気流量を補正するもの
である。
【0010】また他の特徴は、空気流量を計測するため
の発熱抵抗体等が形成された同じ基板上に形成した湿度
センサと,前記基板が他の構成体に取付けられたときに
伝わる熱の前記発熱抵抗体等への影響を表わす代表温度
を検出する温度センサとを有する熱式空気流量計用の測
定素子と、該測定素子に電流を供給し空気流量信号を検
出する駆動検出回路と、該空気流量信号から空気流量を
演算する制御回路と、空気流量−湿度特性および空気流
量−支持部温度特性の補正データを記憶しているメモリ
とを含み、前記制御回路は、前記湿度センサから得られ
た湿度と前記温度センサから得られた支持部温度と前記
補正データとから、前記空気流量を補正することにあ
る。
【0011】そして、上記目的を達成する熱式空気流量
計用の測定素子の特徴は、空気流量を計測するための発
熱抵抗体が形成された同じ基板上の、前記発熱抵抗体が
触れる空気の流線領域から外れた位置に、湿度センサを
形成するところにある。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照し説明する。図1は、本発明による第一
実施例の熱式空気流量計用の測定素子1を示す平面図、
図2は、図1の測定素子1のA−A’断面図、図3は、
本発明による第1実施例の湿度センサを示す断面図であ
り、図1のB−B’断面図である。図1,2,3におい
て、測定素子1は、半導体基板2の下面より異方性エッ
チングにより電気絶縁膜7aの境界面まで形成された空
洞6を有するシリコン等の半導体基板2と、電気絶縁膜
7a上に形成された発熱抵抗体3と、空気温度を計測す
ると共に前記発熱抵抗体3とブリッジ回路を構成する温
度補償抵抗体4と、測定素子1の空気流量信号を外部回
路と接続するための端子電極8(8a〜8f)と、発熱抵
抗体3と端子電極8間に形成して湿度を計測する湿度セ
ンサ5と、各抵抗体を保護するための電気絶縁膜7bと
を含み構成される。
【0013】湿度センサ5は、櫛歯状に形成されて対向
する電極10a,10bが吸湿により誘電率が変化する
ポリイミド系有機材の膜11に覆われた構成からなり、
前記電極10a,10b間の静電容量の変化から湿度を
検出するものである。ここで、湿度センサ5が具備すべ
き要件について説明すると、湿度(相対湿度)は温度に依
存するので発熱抵抗体で加熱された空気(空気流9)から
湿度を検出すれば、所望するものとは異なる湿度を測定
することになる。従って、空気流量を測定するための発
熱抵抗体が触れる空気(空気流9)の流線領域から外れた
位置の空気(空気流9)から湿度を検出する必要がある。
即ち、本発明による熱式空気流量計用の測定素子の特徴
は、空気流量を計測するための発熱抵抗体が形成された
同じ基板上の、発熱抵抗体が触れる空気の流線領域から
外れた位置に、湿度センサを形成する点にあると言え
る。
【0014】一方、発熱抵抗体3には、空気流9の流路
先端に配置された温度補償抵抗体4の温度より一定温度
高くなるように、加熱電流が流されている。空気流量
は、空気流9による発熱抵抗体3の強制冷却による熱伝
達効果に基づき、前記発熱抵抗体3に流れる加熱電流値
から計測される。前記空洞6および発熱抵抗体3近傍の
電気絶縁膜7は、発熱抵抗体3から基板2にへの熱絶縁
を図り計測精度を確保するために形成される。また、発
熱抵抗体3とブリッジ回路を構成する温度補償抵抗体4
は、図1に示す様に、基板2の先端に位置し空気流9の
流路に突き出て配置されており、空気流9が順流または
逆流のいずれの場合においても発熱抵抗体3に加熱され
た空気流の影響を受けないように配置されており、精度
の高い空気流量の計測が可能となっている。また、温度
補償抵抗体4は、後述するように空気温度(即ち、吸気
温度)を計測するのに兼用することも可である。
【0015】図4は、本発明による一実施例の熱式空気
流量計を示す断面図である。即ち、図1の測定素子1を
熱式空気流量計に実装した実施例を示す図である。例え
ば、自動車等の内燃機関の吸気通路に実装されて、吸入
空気(吸気と呼称する)の流量を計測する熱式空気流量計
の実施例を示す断面図である。 図のように、本実施
例の熱式空気流量計は、測定素子1と支持体14と外部
回路15とを含み構成される。そして、吸気通路12の
内部にある副通路13に測定素子1が配置される。外部
回路15は支持体14を介して測定素子1の端子電極8
に電気的に接続されている。ここで、通常では吸入空気
は空気流9で示された方向に流れており、 所定の内燃
機関の条件によって空気流9とは逆の方向(逆流)に吸入
空気が流れる。
【0016】図5は、図4の測定素子部(測定素子1や
支持体14等)を示す拡大図である。また、図6は、図
5のC−C’断面図である。図5および図6に見るよう
に、測定素子1は、支持体14上に温度補償抵抗体4が
空気流9に直接晒されるように支持される。更に、アル
ミナ等の電気絶縁基板上に端子電極16および信号処理
回路等を形成して構成する外部回路15が、同じく支持
体14上に固定される。この測定素子1と外部回路15
は、端子電極8および16間を金線17等でワイヤボン
ディングにより電気的に接続された後、前記の金線1
7、電極端子8,16や外部回路15を保護すると共
に、前記湿度センサ5が空気流9の影響を直接受けない
ように、保護体14aにより覆われる。そしてさらに、
保護体14aには吸気中の水蒸気が保護体14a内の湿
度センサ5に到達する程度の寸法の小さい通気孔24
が、湿度センサ5が空気流9に直接晒されることを防止
するために湿度センサ5の近傍に形成されている。
【0017】即ち、自動車等の内燃機関の吸気通路に実
装されて吸入空気量を測定する測定素子1であれば、湿
度センサ5は、防塵等の点から通気孔を有する保護体に
より覆われていることが望ましいと言える。このように
実装された測定素子1は、図5,6に見るように、空洞
6は下面が支持体14により、また、上面は電気絶縁膜
7により、空気流9に対してほぼ隔離されている。従っ
て、上記した従来例のように空洞が空気流に開口部を持
たないことから、自動車等の内燃機関の空気流量を計測
する際に問題となる塵埃等が空洞あるいは開口部に蓄積
することがなく信頼性の高い計測が可能となる構成とな
っている。
【0018】次に、図7,図8,図9,図10,および
図11を参照し、本発明の実施例の動作について説明す
る。図7は、本発明による熱式空気流量計を示すブロッ
ク構成図である。例えば、図4の熱式空気流量計の構成
を示したブロック図である。熱式空気流量計18は、図
1に示した測定素子1と、外部回路15とを含み構成さ
れる。外部回路15は、測定素子1に電流を供給し空気
流量信号を検出するための駆動検出回路15aと、測定
素子1からの空気流量信号をA/D変換器を通して入力
する入力回路部と空気流量を演算処理するCPU部と出
力のための出力回路部とからなる制御回路15bと、湿
度センサ5から検出される検出信号を用いて前記CPU
部が湿度を求めるための相関データおよび求めた湿度に
より計測された空気流量を湿度補正するための補正デー
タが予め記憶されているメモリ15cとを含み構成され
る。
【0019】図8は、図7の熱式空気流量計の部分電気
回路を示す図である。発熱抵抗体3や温度補償抵抗体4
などから成る駆動検出回路15a内のブリッジ回路を示
したもので、19が差動増幅噐、20がトランジスタ、
21が電源、22a,22bが抵抗である。図9は、図
1の湿度センサ5の等価電気回路を示す図である。図1
0は、吸入空気の相対湿度(H)と湿度センサ5の静電容
量(Ch)の関係を示す図である。そして、図11は、本
発明による一実施例の熱式空気流量計18の空気流量−
湿度特性を示す図である。
【0020】まず、空気流量は以下の様に計測される。
図8に示すブリッジ回路において、測定素子1の中心部
に位置する発熱抵抗体3の温度(抵抗値)が空気温度に対
応する温度補償抵抗体4の温度(抵抗値)よりある一定値
(例えば150℃)高くなるよう各抵抗値22a,22b
が設定される。発熱抵抗体3の温度が、設定値より低い
場合にはブリッジ回路の中点の電位AとB間に差が生
じ、差動増幅噐19の出力Cによりトランジスタ20が
オンし発熱抵抗体3に加熱電流が流れる。発熱抵抗体3
の温度が設定値に達すると、差動増幅噐19の出力Cに
よりトランジスタ20がオフし加熱電流が遮断される。
このように、発熱抵抗体3の温度が設定値に一定になる
ようにフィードバック制御されており、空気流量の増大
に伴い増加する加熱電流をブリッジ回路のA点の電位で
流量信号として制御回路15bに出力する。
【0021】一方、湿度の計測は、図9に示す様に、測
定素子1の湿度センサ5の電極10a,10b間の静電
容量(Ch)が電極間に形成されたポリイミド等の有機材
の膜11が水蒸気を吸収して誘電率が増大し、図10に
示す様に静電容量(Ch)が相対湿度(H)に対して変化す
ることを利用して行われる。駆動検出回路15aにおい
て湿度センサ5の端子電極8c,8dから前記湿度セン
サ5の静電容量(Ch)に対応する信号を検出し、メモリ
15cに図10に示した相対湿度(H)と静電容量(Ch)
の相関データを予め記憶しておけば、相関データを用い
て制御回路15bにより静電容量(Ch)の信号から湿度
が求められる。
【0022】計測された空気流量および湿度から実行す
る湿度補正は以下の様に行われる。図11が空気流量−
湿度特性を示したものである。図中、横軸は空気流量
(Q)であり、縦軸は湿度(H)が50%を基準とした場合
の湿度パラメータの空気流量の計測誤差(ΔQ/Q)を示
している。図に示すように、従来技術の湿度補正をしな
い場合では、湿度(H)が10%の乾燥した空気の時には
全流量域において負の誤差が、また湿度(H)が90%の
湿った空気の時には正の誤差が出ることが判る。これ
は、水蒸気を含む湿った空気の熱伝導率が、水蒸気の比
率に比例して増大するからである。
【0023】本発明では、先に示したように湿度センサ
5から湿度(H)が計測可能であり、図11に示した空気
流量−湿度特性から作成しメモリ15cが予め記憶して
いる補正データと該湿度(H)とを用いて空気流量(Q)を
補正することが、即ち、制御回路15bのCPU部にて
演算処理することにより湿度補正が可能となる。本発明
の湿度補正を適用した場合、図11の矢印で示したよう
に、ほぼ流量誤差を零とする(湿度が50%の基準に合
わせる)ことができる。
【0024】尚、このメモリ15cに、個々の熱式空気
流量計毎の固有の空気流量−湿度特性を予め記憶して置
けば、個々の熱式空気流量計の性能バラツキを改善する
ことができる。また、空気流量(Q)と湿度(H)と補正値
とをマップとして記憶する方法、または近似的な誤差関
数として記憶して置く方法などがある。さらに、空気流
量の湿度補正は、空気流量信号の湿度補正をも含むもの
と解する。
【0025】ところで、湿度センサ5としては、図1お
よび図3に示した構成に限定するものではない。前述の
湿度センサ5では、対向する電極10a,10b間の静
電容量(Ch)を検出する方式であったが、抵抗体として
の抵抗値あるいはインピーダンスの変化(有機材の膜1
1が吸湿すると抵抗値 あるいはインピーダンスが減少
する現象)から湿度を検出する方式でも可である。
【0026】ここで、本発明によるその他の湿度センサ
の例について説明する。図12は、本発明による第2実
施例の湿度センサを示す断面図であり、図13は、本発
明による第3実施例の湿度センサを示す断面図である。
他の湿度センサとして、図12に示す様に半導体基板
2、電気絶縁膜7a上に電極10c、 ポリイミド等の
膜11および電極10dを積層し、 電極10cと10
d間の静電容量から湿度を検出することが可能である。
この時、 上部電極10dには吸気の水蒸気がポリイミ
ド系の膜11に有効に到達するように、小さい孔あるい
はスリット等を形成することは効果的である。
【0027】更には、図13に示す様に、ポリイミド等
の膜11が吸湿により体積が膨張する特性を利用して湿
度を計測する方法も可能である。図13では、半導体基
板2に空洞6bを形成し、電気絶縁膜7aが前記膜11
の湿度による膨張収縮により変形する変形応力を、空洞
6近傍に形成したピエゾ抵抗23a,23b等の抵抗変
化から湿度信号として検出する構成となっている。
【0028】また、図14および図15に示す湿度セン
サでも可能である。図14は本発明による他の実施例の
測定素子部を示す拡大図である。湿度センサ5を別の方
式にした場合の測定素子1の実装平面図である。また、
図15は本発明による第4実施例の湿度センサを示す断
面図であり、図14のD−D’断面図である。ここで湿
度センサ5は、半導体基板2に形成された空洞6b上の
電気絶縁膜7に形成された一対の発熱抵抗体10e,1
0fより構成される。
【0029】発熱抵抗体10eは通気孔24が形成され
た保護体14aの一方の開放室に配置され、発熱抵抗体
10fは保護体14aの他方の密閉室に乾燥空気が充填
された状態で密封される。発熱抵抗体10e,10fは
一定温度高くなるように加熱される。吸気の湿度は、通
気孔24により吸気と同じ湿度となる部屋に設置された
発熱抵抗体10eと乾燥空気の雰囲気に設置された発熱
抵抗体10fの水蒸気による熱伝導率の違いにより生ず
る加熱電流の差から検出することが出来る。温度センサ
5としては、上記実施例の構造に限定されるものではな
く、湿度が検出でき測定素子1上に形成できるものであ
ればどのような構造の温度センサであっても本発明の効
果に変わりがない。
【0030】次に、湿度補正に加えて支持部温度補正お
よび/または吸気温度補正を可能とする実施例について
説明する。図16は、本発明による第二実施例の熱式空
気流量計用の測定素子1を示す平面図である。図16に
示した第二実施例の第一実施例との相違点は、内燃機関
の吸気温度を測定するための温度センサ4bを測定素子
1の先端部に新たに形成し且つ、測定素子1(例えば、
半導体基板2)が他の構成体(例えば、支持体14)に取
付けられたときに支持される支持部2a(前述の図6に
図示)の支持部温度を測定するための温度センサ25
を、湿度センサ5の近傍に新たに設置したことにある。
【0031】この様に温度センサ4b,25を新たに形
成したことにより、流量計測精度の高い熱式空気流量計
が実現できる。以下、本実施例の支持部温度補正および
吸気温度補正の動作について説明する。図4に示すよう
に、 自動車等の内燃機関では、 内燃機関の熱により吸
気通路12および支持体14の温度が上昇し、この熱が
測定素子1に伝熱して空気流量の計測に誤差を生じさせ
流量−温度特性を悪くすることがある。このように支持
体14が温度上昇した時の、支持体14(含む外部回路
15)と測定素子1との温度分布状態を図17に示し
た。
【0032】図17は、図16の測定素子を用いた熱式
空気流量計の測定素子部と、該測定素子部のE−E’線
上の温度分布とを示す図である。図17では、E−E’
線上の測定素子1、支持体14、外部回路15の温度分
布を示していて、内燃機関の熱が支持体14から支持部
2aを経由して、測定素子1の端子電極8、温度センサ
25、発熱抵抗体3、温度補償抵抗体4a、温度センサ
4bなどへ、一方、外部回路15へと伝搬することを示
している。
【0033】このため、空気流量を計測するための発熱
抵抗体3及び温度補償抵抗体4aに不要な熱が伝搬し、
空気流量の計測精度に悪影響を与える。また、外部回路
15自身からの発熱も加わって同様に不要な熱伝搬が起
きて、計測精度に悪影響を与えることがある。この影響
を考慮したものが後述の空気流量−支持部温度特性で示
すものであり、本実施例では、図16に示すように、発
熱抵抗体3と端子電極8間に、 または発熱抵抗体3(ま
たは測定素子の構造によっては温度補償抵抗体4a)の
近傍に、 温度センサ25を形成し、該温度センサ25
からの検出温度と空気流量−支持部温度特性とを利用し
て空気流量を補正するものである。
【0034】換言すれば、不要な熱伝搬が空気流量の計
測に与える影響を知ることができる「代表値としての支
持部温度Tw(代表温度Tw)」を検出するに好適な部位
としての熱伝導経路部位( 例えば、測定素子の基板が他
の構成体に取付けられたときに支持される支持部2a,
該支持部と発熱抵抗体等との間など)に、 該代表温度を
検出する温度センサ25を形成し、該温度センサ25か
らの検出温度を用いて空気流量の補正を行うことにより
流量計測の精度改善を図るものである。なお、本第二実
施例の発熱抵抗体等は、発熱抵抗体3および/または温
度補償抵抗体4aに該当する。また、第一実施例の発熱
抵抗体等は、発熱抵抗体3および/または温度補償抵抗
体4に該当する。
【0035】図18は、本発明による一実施例の支持部
温度補正及び吸気温度補正を示す図である。即ち、図1
8(a)は空気流量−支持部温度特性を示し、図18(b)
は空気流量−吸気温度特性を示したものである。図18
(a)において、横軸が空気流量(Q)で縦軸が支持部温度
(Tw)が 25℃を基準とした空気流量の計測誤差(ΔQ
/Q)を示している。 従来技術の支持部温度補正をしな
い場合の、支持部温度(Tw)が80℃のときには、特に
低流量領域において誤差が10%程度発生している。こ
れに対し本発明による構成によって、前述の発熱抵抗体
3と端子電極8間に温度センサ25を形成した測定素子
1から得られた支持部温度(Tw)と測定素子1(発熱抵
抗体等)で計測し前述の制御回路15bにて演算した空
気流量(Q)とを入力し、予めメモリ15cに記憶した図
18(a)に示した空気流量−支持部温度特性に基づいた
補正データを呼び出して、制御回路15bのCPU部に
て演算処理することによって、支持部温度補正が可能と
なる。
【0036】本実施例の支持部温度補正を適用した場合
は、図18(a)の矢印で示したように、ほぼ流量誤差が
零とする(支持部温度が25℃の基準に合わせる)ことが
できる。なお、このメモリ15cには、個々の熱式空気
流量計毎の固有の空気流量−支持部温度特性を予め記憶
しておき、空気流量(Q)と支持部温度(Tw)と補正値と
のマップから、また、近似的な誤差関数から支持部温度
補正が可能である。
【0037】次に、吸気温度補正について説明する。従
来技術の吸気温度に関する補正は、温度補償抵抗体4a
と発熱抵抗体3とで構成したブリッジ回路に対しての吸
気温度補正を実行しているものである。従って、空気の
物性値である密度、動粘性係数、熱伝導率等の温度変化
に対しての補正は考慮されておらず、空気流量−吸気温
度特性は十分なものとは言えないものであった。
【0038】図18(b)に示す空気流量−吸気温度特性
において、横軸が空気流量(Q)で縦軸が吸気温度(Ta)
が25℃を基準とした空気流量の計測誤差(ΔQ/Q)を
示している。従来技術の吸気温度補正を行っていない場
合の空気流量−吸気温度特性を実線で示した。吸気温度
(Ta)が低温(−30℃)の場合で、空気流量が低流量域
ではマイナス誤差となり、高流量域ではプラス誤差とな
る。 一方、高温(80℃)の場合では低温と逆傾向の誤
差になる。 これに対し、本発明による構成によって、
前述の温度センサ4bから得た吸気温度(Ta)と、測定
素子1で計測し前述の制御回路15bにて演算した空気
流量(Q)とを入力し、メモリ15cに予め記憶した図1
8(b)に示した空気流量−吸気温度特性に基づいた補正
データを呼び出して、制御回路15bのCPU部にて演
算処理することによって、吸気温度補正が可能となる。
【0039】本実施例の吸気温度補正を適用した場合
は、図18(b)の矢印で示したようにほぼ流量誤差が零
とする(吸気温度が25℃の基準に合わせる)ことができ
る。なお、メモリ15cには、予め個々の熱式空気流量
計毎に、固有の吸気温度特性を記憶しておき、計測空気
流量(Q)、吸気温度(Ta)と補正値をマップとして記憶
しても、また、近似的な誤差関数として記憶しても本発
明の吸気温度補正が可能である。
【0040】ところで、本実施例では、吸気温度(Ta)
の計測に別個の独立した温度センサ4bを用いたが、
場合によっては温度センサ4bを設けずに、 温度補償
抵抗体4aの抵抗値の変化から吸気温度(Ta)を制御回
路15bのCPU部にて演算処理することによって、吸
気温度(Ta)を演算計測することが可能である。従って
この演算計測した吸気温度(Ta)を利用した吸気温度補
正が可能である。また、本実施例では、製作上の利点か
ら、温度センサ4b,25を、発熱抵抗体3および温度
補償抵抗体4aと同じ白金等の金属薄膜の抵抗体センサ
形態の構成としたが、温度検出の感度上の利点から、サ
ーミスタ、ダイオードまたはトランジスタ等の半導体セ
ンサ形態の構成としても可である。
【0041】次に、本発明の第三実施例について説明す
る。図19は、本発明による第三実施例の熱式空気流量
計用の測定素子1を示す平面図である。 本第三実施例
の図16に示した第二実施例と異なる点は、第二実施例
が発熱抵抗体3に流れる加熱電流を流量信号とした直熱
型方式であったのに対して、第三実施例は、発熱抵抗体
26の上下流に配置された測温抵抗体27a,27bの
温度差から流量および流れ方向を出力する図21に示し
た従来例と同じ温度差検知型方式である点である。
【0042】上記第三実施例の構成は、流量検出方式が
第二実施例と異なっているが、測定素子1上に、湿度セ
ンサ5、温度補償抵抗体4a、温度センサ25,4bが
第二実施例と同じように形成されており、湿度(H)、支
持部温度(Tw)および吸気温度(Ta)が制御回路15b
に入力されることから、第三実施例の測定素子1に関す
る空気流量−湿度特性、空気流量−支持部温度特性およ
び空気流量−吸気温度特性に関連した補正データをメモ
リ15cに予め記憶しておくことにより、第二実施例と
同じく湿度補正、支持部温度補正および吸気温度補正が
可能となる。なお、第三実施例の発熱抵抗体等は、発熱
抵抗体26、測温抵抗体27a,27bおよび/または
温度補償抵抗体4aに該当する。
【0043】次に、本発明の第四実施例について説明す
る。図20は、本発明による第四実施例の熱式空気流量
計用の測定素子1を示す平面図である。
本第四実施例の図16に示した第二実施例と異なる
点は、第二実施例が発熱抵抗体3自身で加熱、温度検知
する直熱型方式であったのに対して、第四実施例は発熱
抵抗体26の近傍に配置された測温抵抗体27により発
熱抵抗体26の温度を検知する傍熱型方式である点であ
る。 この方式の流量計測では、 発熱抵抗体26により
傍熱された測温抵抗体27が温度補償抵抗体4aの温度
より一定温度高くなるように設定され、この時に発熱抵
抗体26の流れる加熱電流が空気流量となり制御回路1
5bへ出力される。
【0044】上記第四実施例の構成は、流量検出方式が
第二実施例と異なっているが、測定素子1上に、湿度セ
ンサ5、温度補償抵抗体4a、温度センサ25,4bが
第二実施例と同じように形成されており、湿度(H)、支
持部温度(Tw)および吸気温度(Ta)が制御回路15b
に入力されることから、第四実施例の測定素子1の空気
流量−湿度特性、空気流量−支持部温度特性および空気
流量−吸気温度特性の補正データをメモリ15cに予め
記憶しておくことにより、第二実施例と同じく湿度補
正、支持部温度補正および吸気温度補正が可能となる。
なお、第四実施例の発熱抵抗体等は、発熱抵抗体26、
測温抵抗体27および/または温度補償抵抗体4aに該
当する。
【0045】以上、第一、第二、第三および第四実施例
について説明したが、空気流量の検知方式が上記以外の
方法であっても、少なくとも発熱抵抗体3(または26)
を有する検知方式であれば、湿度センサ5および/また
は温度センサ25を、発熱抵抗体3と端子電極8間に形
成することにより、湿度(H)、支持部温度(Tw)および
吸気温度(Ta)が制御回路15bに入力されることか
ら、使用する測定素子1の空気流量−湿度特性、空気流
量−支持部温度特性および空気流量−吸気温度特性に関
連した補正データをメモリ15cに予め記憶しておくこ
とにより、本実施例と同じように湿度補正、支持部温度
補正および吸気温度補正が可能となる。また、本実施例
では制御回路15bとメモリ15cが分離された構成と
なっているが、制御回路15bにメモリ15cが内臓さ
れた構成でも本発明の効果に変わりがないことは言うま
でもない。
【0046】次に、本発明の熱式空気流量計用の測定素
子の具体例について、図1,2を参照して説明する。ま
ず、シリコン半導体基板2上に電気絶縁膜7aとして二
酸化ケイ素、窒化ケイ素等を約0.5ミクロンの厚さで
熱酸化あるいはCVD等の方法で形成する。更に、発熱
抵抗体等としての発熱抵抗体3および温度補償抵抗体4
と,湿度センサ5を構成する電極10a,10bとを、
同じ基板上に約0.2ミクロンの厚さの白金でスパッタ
等の方法で形成した後、公知のホトリソグラフィ技術に
よりレジストを所定の形状に形成し、さらにイオンミリ
ング等の方法により白金をパターニングする。次に、端
子電極8を金メッキ等で形成した後、端子電極8以外の
部分を保護膜として電気絶縁体7bを先と同様に約0.
5ミクロンの厚さに形成する。最後に、シリコン基板2
の裏面より二酸化ケイ素等をマスク材として、異方性エ
ッチングすることにより空洞6を形成し、チップに切断
することにより測定素子1が得られる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、半導体基板2上に電気
絶縁膜7を介して少なくとも発熱抵抗体3及び温度補償
抵抗体4aと,発熱抵抗体3と端子電極8間に湿度セン
サ5および温度センサ25と,を形成した測定素子1
と、電流を供給するための駆動検出回路手段15aと、
測定素子1の空気流量信号を演算処理し出力する制御回
路15bと、湿度センサ5および温度センサ25から検
出される湿度および支持部温度に対応した補正データが
予め記憶されているメモリ15cとから構成したことに
より、低コストで空気流量−湿度特性および空気流量−
支持部温度特性の優れた熱式空気流量計及び熱式空気流
量計用の測定素子が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第一実施例の熱式空気流量計用の
測定素子を示す平面図である。
【図2】図1の測定素子のA−A’断面図である。
【図3】本発明による第1実施例の湿度センサを示す断
面図である。
【図4】本発明による一実施例の熱式空気流量計を示す
断面図である。
【図5】図4の測定素子部を示す拡大図である。
【図6】図5の測定素子部のC−C’断面図である。
【図7】本発明による熱式空気流量計を示すブロック構
成図である。
【図8】図7の熱式空気流量計の部分電気回路を示す図
である。
【図9】図1の湿度センサの等価電気回路を示す図であ
る。
【図10】吸入空気の相対湿度と湿度センサの静電容量
の関係を示す図である。
【図11】本発明の一実施例の熱式空気流量計の空気流
量−湿度特性を示す図である。
【図12】本発明による第2実施例の湿度センサを示す
断面図である。
【図13】本発明による第3実施例の湿度センサを示す
断面図である。
【図14】本発明による他の実施例の測定素子部を示す
拡大図である。
【図15】本発明による第4実施例の湿度センサを示す
断面図である。
【図16】本発明による第二実施例の熱式空気流量計用
の測定素子を示す平面図である。
【図17】図16の測定素子を用いた熱式空気流量計の
測定素子部と、該測定素子部のE−E’線上の温度分布
とを示す図である。
【図18】本発明による一実施例の支持部温度補正及び
吸気温度補正を示す図である。
【図19】本発明による第三実施例の熱式空気流量計用
の測定素子を示す平面図である。
【図20】本発明による第四実施例の熱式空気流量計用
の測定素子を示す平面図である。
【図21】従来の熱式空気流量計用の測定素子の平面図
である。
【図22】従来の熱式空気流量計のブロック構成図であ
る。
【符号の説明】
1…測定素子、2…半導体基板、2a…支持部、3,2
6,10e,10f…発熱抵抗体、4,4a…温度補償
抵抗体、4b,25…温度センサ、5…湿度センサ、
6,6a,6b…空洞、7,7a,7b…電気絶縁膜、
8,8a〜8n,16…端子電極、9…空気流、10a
〜10d…電極、11…膜、12…吸気通路、13…副
通路、14…支持体、14a…保護体、15…外部回
路、15a…駆動検出回路、15b…制御回路、15c
…メモリ、17…金線、18…熱式空気流量計、19…
差動増幅器、20…トランジスタ、21…電源、22
a,22b…抵抗、23a,23b…ピエゾ抵抗、24
…通気孔、27,27a,27b…測温抵抗体、28
a,28b,28c…空洞、29a,29b…橋。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空気流量を計測するための発熱抵抗体等が
    形成された同じ基板上に形成した湿度センサを有する熱
    式空気流量計用の測定素子と、該測定素子に電流を供給
    し空気流量信号を検出する駆動検出回路と、該空気流量
    信号から空気流量を演算する制御回路と、空気流量−湿
    度特性の補正データを記憶しているメモリとを備え、 前記制御回路は、前記湿度センサを用いて検出した湿度
    と前記補正データとから、前記空気流量を補正すること
    を特徴とする熱式空気流量計。
  2. 【請求項2】空気流量を計測するための発熱抵抗体等が
    形成された同じ基板上に形成した湿度センサと,前記基
    板が他の構成体に取付けられたときに伝わる熱の前記発
    熱抵抗体等への影響を表わす代表温度を検出する温度セ
    ンサとを有する熱式空気流量計用の測定素子と、 該測定素子に電流を供給し空気流量信号を検出する駆動
    検出回路と、該空気流量信号から空気流量を演算する制
    御回路と、空気流量−湿度特性および空気流量−支持部
    温度特性の補正データを記憶しているメモリとを含み、 前記制御回路は、前記湿度センサから得られた湿度と前
    記温度センサから得られた支持部温度と前記補正データ
    とから、前記空気流量を補正することを特徴とする熱式
    空気流量計。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、前記湿
    度センサは、空気流に直接晒されることを防止するため
    の通気孔を有する保護体により覆われていることを特徴
    とする熱式空気流量計。
  4. 【請求項4】空気流量を計測するための発熱抵抗体が形
    成された同じ基板上の、前記発熱抵抗体が触れる空気の
    流線領域から外れた位置に、湿度センサを形成したこと
    を特徴とする熱式空気流量計用の測定素子。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記湿度センサは、通
    気孔を有する保護体により覆われていることを特徴とす
    る熱式空気流量計用の測定素子。
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