JPH10199344A - 油浸絶縁用プラスチックラミネート紙およびこれを用いた電力ケーブル - Google Patents
油浸絶縁用プラスチックラミネート紙およびこれを用いた電力ケーブルInfo
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Abstract
破断しにくい油浸絶縁用プラスチックラミネート紙およ
びこれを用いた電力ケーブルを提供する。 【解決手段】 プラスチック溶融押出フィルム3にクラ
フト紙1を貼り合わせてなるプラスチックラミネート紙
2において、クラフト紙1が、気密度および密度の異な
る2層以上の紙からなる多重紙であり、低気密度かつ低
密度の層1aが丸網抄紙からなり、高気密度かつ高密度
の層1bが長網抄紙からなるものである。
Description
どの電力ケーブルの油浸絶縁体に用いられる油浸絶縁用
プラスチックラミネート紙(以下、プラスチックラミネ
ート紙と略記する。)およびこれを用いた電力ケーブル
に関し、特に、優れた機械特性を有し、ケーブル製造時
などに破断が起きにくいプラスチックラミネート紙およ
びこれを用いた電力ケーブルに関する。
絶縁体を構成するプラスチックラミネート紙として、現
在、ポリプロピレンフィルムの両面にクラフト紙を貼り
合わせたポリプロピレンラミネート紙が汎用されてい
る。これは、このポリプロピレンラミネート紙が従来の
クラフト紙に比べて誘電特性、絶縁破壊特性が優れてい
るためである。この種のプラスチックラミネート紙とし
ては、気密度の異なる2層以上の紙からなるクラフト紙
をプラスチックフィルムにラミネートしたものが知られ
ている。
いた電力ケーブルを製造する際には、まず、押出機のT
型ダイスから溶融プラスチックフィルムを押し出し、フ
ィルムが溶融状態にあるうちに、クラフト紙をプラスチ
ックフィルムに沿わせ、これらを加圧ロールで圧着して
貼り合わせ、プラスチックラミネート紙を作製する。次
いで、このプラスチックラミネート紙を、紙裁ち機を用
いてテープ状に裁断し、このテープ状のラミネート紙
を、紙巻き機を用いて導体上に直接または遮断層等を介
して多数回巻き付けて絶縁体とし、この絶縁体上に遮断
層、シース、防食層等を被覆するとともに、絶縁体に絶
縁油を含浸し、上記電力ケーブルを得る。
ラスチックラミネート紙においては、次のような問題が
あった。このラミネート紙を用いて上記電気ケーブルを
製造する際には、ラミネート紙を紙裁ち機を用いてテー
プ状に裁断するときに、このラミネート紙が紙裁ち機の
刃によって裁断方向に引っ張られ、これによって裁断方
向に対し交差する方向に破断してしまうことがあった。
破断が生じた場合には、破断部分の修繕に手間がかか
り、電力ケーブルの製造効率が低下する不都合があっ
た。本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、優れ
た機械特性を有し、ケーブル製造時等に破断することが
ないプラスチックラミネート紙およびこれを用いた電力
ケーブルを提供することを目的とする。
ミネート紙は、クラフト紙が、気密度および密度の異な
る2層以上の紙からなる多重紙であり、低気密度かつ低
密度の層が丸網抄紙からなり、高気密度かつ高密度の層
が長網抄紙からなることを特徴とするものである。ま
た、上記クラフト紙を、低気密度かつ低密度の層がプラ
スチックフィルム面に接するようにプラスチック溶融押
出フィルムに貼り合わせるのが好ましい。本発明の電力
ケーブルは、上記プラスチックラミネート紙を油浸絶縁
体として用いたことを特徴とするものである。
ラミネート紙の一例を示すもので、ここに示すプラスチ
ックラミネート紙2は、プラスチックフィルム3と、そ
の両面に貼り合わされた二重クラフト紙1、1からなる
ものである。二重クラフト紙1は、気密度および密度の
異なる2つの層1a、1bからなるものである。低気密
度かつ低密度の第1の層1aは、丸網抄紙からなるもの
とされる。丸網抄紙は、丸網抄紙機によって抄紙された
ものであり、大部分の繊維の配列方向が一方向に向いて
おり、引張強度、伸び、ヤング率などの機械特性が、こ
の配列方向において特に優れており、この方向に対し交
差する方向においてやや劣るという特徴がある。高気密
度かつ高密度の第2の層1bは、長網抄紙からなるもの
とされる。長網抄紙は、長網抄紙機によって抄紙された
ものであり、繊維の配列方向が縦、横両方向にほぼ均等
に向いており、その機械特性は、丸網抄紙に比べて縦方
向と横方向との間で差が少なく、均質である特徴があ
る。また、これら層1a、1bとしては、乾式法で抄紙
された乾式抄紙を用いてもよいし、湿式法で抄紙された
湿式抄紙を用いてもよいが、層1aと層1bとの間の接
着強度を高めるため、湿式抄紙を用いるのがより好まし
い。
ーレ秒以下、好ましくは20ガーレ秒以下とされるのが
望ましい。この気密度が2000ガーレ秒を越えると、
プラスチックフィルムとの接着性が劣り不都合となる。
また、丸網抄紙の層1aの密度は、0.7g/cm3以
下、好ましくは0.6g/cm3以下、さらに好ましく
は0.5〜0.6g/cm3の範囲とされる。この密度
が0.7g/cm3を越えると、プラスチックフィルム
3との接着性が劣り、不都合となる。
ガーレ秒以上、好ましくは30000ガーレ秒以上とさ
れるのが好ましく、10000ガーレ秒未満の気密度で
は油浸絶縁体としたときのインパルス絶縁耐圧が低下
し、不都合となる。また、長網抄紙の層1bの密度は、
0.7g/cm3以上、好ましくは0.85g/cm3以
上とされるのが好ましく、この密度が0.7g/cm3
未満であると、その引張強度が不足し、引張力が加えら
れたときに破断しやすくなる。
いが、通常、20〜100μmの範囲とされる。低気密
度かつ低密度の層1aの厚みは少なくとも5μm以上と
され、好ましくは5〜30μmの範囲とされる。一方、
高気密度かつ高密度の層1bの厚みは、少なくとも15
μm以上とされ、好ましくは15〜70μmの範囲とさ
れる。層1aの厚みが5μm未満では、プラスチックフ
ィルムとの十分な接着強度が得られず、層1bの厚みが
15μm未満では、インパルス絶縁耐圧が低下する。ま
た、丸網抄紙の層1aの厚みに対する長網抄紙の層1b
の厚みの比は、0.8〜3.0程度とするのが好まし
い。この比が0.8未満であると、丸網抄紙の層1aの
割合が大きくなり、縦方向と横方向との機械特性の差が
大きくなり、機械特性に劣る方向に応力が加わった際に
破断しやすくなるため好ましくない。また、この比が
3.0を越えると、長網抄紙の層1bの割合が大きくな
り、裁断時に破断が生じやすくなるため好ましくない。
電特性が良好な脱イオン水洗低損失紙が望ましく、水浸
液導電率(JIS−C−2111による)が15μS/
cm以下の低伝導性であるものが好ましい。このような
二重クラフト紙1は、抄紙の際に、フィブリル化度の異
なるパルプを2段に重ねて抄紙する方法などによって製
造される。
の層1aがプラスチックフィルム3に接し、高気密度か
つ高密度の層1bが表面に露出するように組み合わされ
てプラスチックフィルム3と貼り合わされている。この
ように、プラスチックフィルム3に接する側の層1aが
低気密度であると、この層が多孔性であり表面凹凸が大
きいため、プラスチックフィルムとの貼り合わせ時にお
いて溶融フィルムの侵入がより良好となって接着強度が
高められる。
ロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリブテン
−1、ポリエチレンなどの無極性ポリオレフィンやテト
ラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体などのフッ素樹脂からなる厚さ20〜150μmのも
のが用いられる。これらのプラスチックのなかでも、ポ
リプロピレンホモポリマー、好ましくはメルトインデッ
クスが5〜50g/分の比較的溶融粘度の低いポリプロ
ピレンホモポリマーからなるフィルムがクラフト紙との
接着性が高くなり、しかも得られるラミネート紙の絶縁
特性も良好となって好ましい。このようなプラスチック
ラミネート紙2の全厚みは、100〜300μmの範囲
とされるが、用途等によってはこの範囲外であってもよ
い。
ラスチックラミネート紙2を導体上に直接または遮断層
等を介して多数回巻回して絶縁体とし、この絶縁体上に
遮断層、シース、防食層等を被覆するとともに、絶縁体
にポリブテン油やアルキルベンゼン油などの絶縁油を含
浸したものとされる。絶縁油として、低粘度のものを用
い、大気圧以上の圧力で絶縁油を常時加圧するようにす
ればOFケーブルが得られる。
電力ケーブルを製造するには、例えば次のようにする。
まず、押出機のT型ダイスから溶融プラスチックフィル
ムを押し出し、フィルムが溶融状態にあるうちに、二重
クラフト紙1を該プラスチックフィルムの両面に沿わ
せ、これらを加圧ロールで圧着して貼り合わせ、幅70
cm、長さ2000m程度のプラスチックラミネート紙
2の原反を作製する。この際、二重クラフト紙1を、低
気密度かつ低密度の層1aがプラスチックフィルム3に
接し、高気密度かつ高密度の層1bが表面に露出するよ
うにフィルム3に貼り合わせる。このようにして作製し
たプラスチックラミネート紙2を、紙裁ち機を用いて幅
20〜30mm程度のテープ状に裁断する。裁断の際、
丸網抄紙の層1aの繊維配列方向を裁断方向と一致させ
ることによって、プラスチックラミネート紙2は上記裁
断方向以外の方向に破断しにくくなり、破断を生じるこ
となく裁断される。
機を用いて導体上に直接または遮断層等を介して多数回
巻き付けて絶縁体とする。この巻き付けの際、紙巻き機
によって、ラミネート紙2に多方向に引張力が加わるこ
とがあるが、ラミネート紙2が、縦方向と横方向との間
で引張強度、ヤング率、伸び等の機械特性に差が少ない
長網抄紙の層1bを有するものであるため、いずれの方
向の力に対しても高強度であり、かつ均質なものとな
り、破断が生じることがなく、また一部分のみが過度に
伸びることによる巻き乱れ、しわが発生することがな
い。次いで、この絶縁体上に遮断層、シース、防食層等
を被覆するとともに、絶縁体にポリブテン油やアルキル
ベンゼン油などの絶縁油を含浸し、上記電力ケーブルを
得る。
あっては、このラミネート紙2に用いられる二重クラフ
ト紙1の第1の層1aとして、大部分の繊維の配列方向
が一方向に向いた丸網抄紙を用いたので、この二重クラ
フト紙1を用いたプラスチックラミネート紙2を裁断す
る際に、この丸網抄紙の層1aの繊維の配列方向を裁断
方向に合わせることによって、プラスチックラミネート
紙2が裁断方向に交差する方向に破断するのを防ぐこと
ができる。また、第2の層1bとして、繊維の配列方向
が縦、横両方向に向いた長網抄紙を用いたので、その機
械特性を縦方向、横方向ともに優れ、均質なものとする
ことができる。よって、プラスチックラミネート紙2を
導体上に巻き付けて油浸絶縁体を形成する際に、ラミネ
ート紙2に多方向の引張力が加わっても、これが破断し
たり、巻き乱れ、しわが生じるのを防ぐことができる。
このように、上記プラスチックラミネート紙2にあって
は、ケーブル製造性を向上させ、ケーブル製造効率を高
めることができる。
1aがプラスチックフィルム3に接するようにフィルム
3に貼り付けることによって、繊維配列方向以外の方向
の機械特性に劣る丸網抄紙の層1aを補強し、ケーブル
製造時のラミネート紙2の破断を一層確実に防ぐことが
できる。また、上記例の二重クラフト紙1は、2つの層
1a、1bからなるものとしたが、本発明のクラフト紙
は、これに限らず、3層以上の多重紙であってもよい。
にする。 (試験例)メルトインデックス15.0g/分、密度
0.90g/cm3のポリプロピレンを温度280度で
溶融押出してポリプロピレンフィルムとし、これが溶融
状態にあるうちにその両面に厚み40μmのクラフト紙
を沿わせ、ロール圧着して全厚みが170μmのポリプ
ロピレンラミネート紙を製造した。上記クラフト紙とし
ては、通常の一重紙、および気密度、密度の異なる紙を
2枚貼り合わせた二重紙を用いた。これら紙としては、
丸網抄紙または長網抄紙を用いた。
は、低気密度かつ低密度の層の厚みが15μmで、高気
密度かつ高密度の層の厚みが25μmであり、脱イオン
水洗によりJIS−C−2111による水浸液導電率が
5μS/cmとされたものを用い、低気密度かつ低密度
の層をポリプロピレンフィルム面に、高気密度かつ高密
度の層を表面に向けた。また、低気密度かつ低密度の層
の気密度を15ガーレ秒とし、密度を0.65g/cm
3とした。また高気密度かつ高密度の層の気密度を30
000ガーレ秒とし、密度を0.85g/cm3とし
た。また、クラフト紙として一重紙を用いた場合には、
その気密度を5000ガーレ秒とし、密度を0.75g
/cm3とした。
裁ち機を用いて幅20mm、長さ約2000mのテープ
状に裁断し、これを導体上に巻き付け、厚さ約1mmの
油浸絶縁体(JIS−C−2320、2種1号油含浸)
を形成してモデルケーブルを作製した。このケーブルを
作製する際に、裁断時および導体上への巻き付け時のラ
ミネート紙の破断の有無を確認し、全く破断がみられな
かった場合を◎とし、わずかであっても破断が観察され
た場合を○と評価した。さらに、上記ラミネート紙の縦
方向および横方向のヤング率、引張強度、伸びを測定し
た。ヤング率については、縦方向と横方向のヤング率の
比が3.0未満であるときを◎、3.0以上であるとき
を○と評価した。また、引張強度(JIS C2111
に準拠)については、15kg/15mm幅以上である
場合を◎、15kg/15mm幅未満である場合を○と
評価した。また、伸びについては、4%未満である場合
を◎、4%以上である場合を○と評価した。また、上記
ケーブルの正極性インパルス絶縁破壊電圧(表1中では
Imp破壊電圧と略記する)を測定し、これが130kV
/mm以上である場合を◎、130kV/mm未満であ
る場合を○と評価した。また、これらの試験結果を総合
的に判断し、各ラミネート紙を用いて製造したケーブル
の順位付けを行った。これらの結果を表1に示す。
の層および長網抄紙の層を有するクラフト紙を用い、こ
のクラフト紙を、ポリプロピレンフィルム側を丸網抄紙
層とし、表面側を長網抄紙層としてポリプロピレンフィ
ルムに貼り付けたラミネート紙を用いた試験番号1のも
のは、ラミネート紙の機械特性が良好であり、ケーブル
製造時に破断が生じず、しかもこのラミネート紙を用い
た絶縁体のインパルス絶縁耐圧が良好であったことがわ
かる。
優れた機械特性を有し、ケーブル製造時等に破断しにく
いプラスチックラミネート紙が得られる。よって、ケー
ブル製造効率を高めることができる。
示す断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 プラスチック溶融押出フィルムにクラフ
ト紙を貼り合わせてなる油浸絶縁用プラスチックラミネ
ート紙において、 クラフト紙が、気密度および密度の異なる2層以上の紙
からなる多重紙であり、低気密度かつ低密度の層が丸網
抄紙からなり、高気密度かつ高密度の層が長網抄紙から
なることを特徴とする油浸絶縁用プラスチックラミネー
ト紙。 - 【請求項2】 請求項1記載の油浸絶縁用プラスチック
ラミネート紙において、クラフト紙を、低気密度かつ低
密度の層がプラスチックフィルム面に接するようにプラ
スチック溶融押出フィルムに貼り合わせたことを特徴と
する油浸絶縁用プラスチックラミネート紙。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の油浸絶縁用プラ
スチックラミネート紙を油浸絶縁体として用いたことを
特徴とする電力ケーブル。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP587897A JP3824724B2 (ja) | 1997-01-16 | 1997-01-16 | 油浸絶縁用プラスチックラミネート紙およびこれを用いた電力ケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP587897A JP3824724B2 (ja) | 1997-01-16 | 1997-01-16 | 油浸絶縁用プラスチックラミネート紙およびこれを用いた電力ケーブル |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10199344A true JPH10199344A (ja) | 1998-07-31 |
| JP3824724B2 JP3824724B2 (ja) | 2006-09-20 |
Family
ID=11623175
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP587897A Expired - Fee Related JP3824724B2 (ja) | 1997-01-16 | 1997-01-16 | 油浸絶縁用プラスチックラミネート紙およびこれを用いた電力ケーブル |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3824724B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009209457A (ja) * | 2008-02-29 | 2009-09-17 | Daio Paper Corp | クラフト紙 |
-
1997
- 1997-01-16 JP JP587897A patent/JP3824724B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009209457A (ja) * | 2008-02-29 | 2009-09-17 | Daio Paper Corp | クラフト紙 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3824724B2 (ja) | 2006-09-20 |
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