JPH10202192A - 気流分級機及び静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

気流分級機及び静電荷像現像用トナーの製造方法

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JPH10202192A
JPH10202192A JP882597A JP882597A JPH10202192A JP H10202192 A JPH10202192 A JP H10202192A JP 882597 A JP882597 A JP 882597A JP 882597 A JP882597 A JP 882597A JP H10202192 A JPH10202192 A JP H10202192A
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進 吉野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被分級原料の衝突による融着が生じにくく、
装置稼働率、生産性及び分級精度を向上させた高分級精
度の気流分級機の提供。 【解決手段】 被分級原料15の粒子が衝突する気流分
級機内の部材の表面に、微粒子を分散含有させた複合メ
ッキ被膜を設けた気流分級機1である。分級エッジ2及
び3により分岐された複数の分級用排気流路7、8及び
9が出口側に開設され、入気流路11及び12が入口側
に開設された原料選別室14と、入気流路11及び12
から各分級用排気流路7、8及び9に向かって流れる気
流を生じさせる気流形成手段と、圧縮気体を用いて原料
選別室14内に被分級原料15を圧送・噴射する原料供
給ノズル16とを備え、原料選別室14内に圧送・噴射
された被分級原料15の粒子を、コアンダ効果による粒
径に対応した湾曲線状の飛散降下作用により、各分級用
排気流路7、8及び9に分級する態様が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の粒径の粒子
が混在する被分級原料を気流中に噴射して、コアンダ効
果を利用して被分級原料を粒径別に分類する気流分級
機、及び該気流分級機を利用した静電荷像現像用トナー
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】粉砕処理により微粒子化した原料は、通
常、粗い粒子のものから非常に細かい粒子のものまで混
ざった状態にある。かかる原料を工業的に利用する場合
には、一般に、粉砕処理後の原料の分級を行って所望の
範囲の粒径別に分類することが行われている。前記分級
は、流体中を重力や遠心力又は慣性力で運動する粒子に
はその粒径に応じて沈降速度あるいは粒子経路に差がで
きることを利用して粉粒体を粒径の大きさで分別する操
作であり、例えば、複写機用のトナーを製造する場合に
おける、種々の粒径の粒子が混在するトナー原料を気流
中に噴射して、コアンダ効果による粒子径に対応した湾
曲線状の飛散降下作用を利用して原料を粒径別に分類す
る気流分級機等に広く応用されている。
【0003】従来における気流分級機は、例えば、図3
に示す気流分級機1のように、分級エッジ2及び3、コ
アンダブロック4、並びに、背面ブロック5によって分
岐させた3つの分級用排気流路7、8及び9が出口側に
開設され、2つの入気流路11及び12が入口側に開設
された原料選別室14と、該入気流路11及び12から
各排気流路7、8及び9に向って流れる気流を生じさせ
る図示略の気流形成手段(例えば、排風機)と、圧縮気
体(通常は、圧縮空気)を利用して前記原料選別室14
内に被分級原料15を圧送・噴射する原料供給ノズル1
6とを備えた構成となっている。
【0004】被分級原料15は、原料供給ノズル16の
基端側に連通したホッパ18によって原料供給ノズル1
6内に供給されると共に、該原料供給ノズル16に供給
される圧縮気体19によって分散されて、固気混相流と
して原料供給ノズル16から原料選別室14に向けて圧
送・噴射される。このとき、原料供給ノズル16から原
料選別室14内に圧送・噴射された被分級原料15の噴
流には、入気流路11及び12から各排気流路7、8及
び9に向う気流が交差しているので、被分級原料15の
各粒子は、コアンダ効果による粒径に対応した湾曲線状
の飛散降下作用によって、それぞれの粒径に応じて各分
級用排気流路7、8及び9に分別排出される。
【0005】コアンダ効果による湾曲線状の飛散降下作
用では、粒径の小さく慣性の小さいものほど流れ方向の
偏向(即ち)が大きく、原料供給ノズル16に近い分級
用排気流路に排出されることになる。前記分級用排気流
路7、8及び9は、コアンダブロック4に一番近い分級
用排気流路7が細粉排出用、原料供給ノズル16から一
番離れた分級用排気流路9が粗粉排出用、中間に位置し
た分級用排気流路8が中粉排出用である。分級エッジ2
は、細粉と中粉とを分離するためのものであり、分級エ
ッジ3は、中粉と粗粉とを分離するためのものである。
各分級用排気流路7、8及び9に排出された被分級原料
15は、各分級用排気流路7、8及び9に管路21、2
2及び23を介して接続された図示略の集塵機によって
粉体と清浄気体(空気)とに分けられる。
【0006】気流分級機1においては、高速度で飛来す
る被分級原料15の粒子が衝突する気流分級機1内の部
材の表面は、被分級原料15の粒子との摩擦で摩耗す
る。被分級原料15の粒子の衝突による摩耗は、特に分
級エッジ2及び3の先端部や原料供給ノズル16に対向
配置された背面ブロック5の表面において顕著に生ず
る。通常、分級エッジ2及び3の鋭角な先端部は、分級
精度を左右する重要に因子となっていて、装置の稼働前
に正確に位置決めをしているが、被分級原料15の粒子
との摩擦で先端部が摩耗すると、先端部による振り分け
性能が低下し、分級精度が低下するという問題が生じ
る。そこで、一定以上摩耗が進んだ分級エッジ2及び3
は、部品交換等を行うが、該分級エッジの摩耗を防止す
るため従来においては、ステンレス材等を用いて形成し
た分級エッジ2及び3の表面に、硬度が高く耐摩耗性に
優れたタングステンカーバイドを貼る等の措置を採って
いた。
【0007】一方、最近では、複写機における複写速度
の高速度化や低消費電力化に伴って、いわゆる低融点ト
ナーを使用する複写機が増えてきている。該低融点トナ
ーは、複写機用トナーの一部をなす合成樹脂に、例えば
ガラス転移点が40〜70℃である分子量の小さなスチ
レンアクリル酸共重合体等を用いて、トナーの融点を低
く抑えたものである。この低融点トナーは粒子の硬度が
軟らかいため、分級処理の際に気流分級機内1の部材の
摩耗等に対する負担が少ない。
【0008】しかしながら、低融点トナーの分級処理を
行う場合には、以下のような問題がある。即ち、分級処
理の際、気流分級機1内における、被分級原料15の粒
子が衝突する部材の表面、特に分級エッジ2及び3の先
端部等にトナー粒子の融着が起こり易い。そして、該低
融点トナーの分級エッジ2及び3の先端部への融着は、
該分級エッジ先端部の幅を広げて振り分け性能を鈍化さ
せて、分級精度の低下を招く。したがって、融着が顕著
に観られるようになる前に融着物を除去しなければなら
ない。該融着物を除去するためには、気流分級機1の稼
働の休止し、分解、交換、清掃等を適宜行うことが必要
になり、装置稼働率が大幅に低下してしまうという問題
である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解消し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、被分級原料の粒子が低融点
トナー等の場合であっても、被分級原料の粒子が衝突す
る気流分級機内の部材の表面に被分級原料の粒子の融着
が生じにくく、その結果、融着物の除去のために気流分
級機を休止し、分解等することを大幅になくし、装置稼
働率の向上、生産性の向上を実現すると共に、分級精度
の向上、高度な分級精度の長期維持を図ることができる
気流分級機、及び該気流分級機を利用した静電荷像現像
用トナーの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、本発明の発明
者らが種々の実験を行い鋭意検討した結果、以下のよう
な知見を得たことに基づく。即ち、コアンダ効果を利用
して分級を行う気流分級機の被分級原料が低融点トナー
等である場合に、被分級原料の粒子が衝突する気流分級
機内の部材の表面に該被分級原料の粒子が融着する現象
は、高速度で飛来する低融点の合成樹脂が気流分級機内
の部材の表面に衝突した際の衝突エネルギーによって溶
融して付着するスコトニッキー効果によるものである。
気流分級機内の部材の表面に特定の微粒子を分散含有さ
せた複合メッキ被膜を設けると、効果的に該被分級原料
の粒子が融着する現象の発生を抑えることができる、と
いう知見である。
【0011】前記課題を解決するための手段は、以下の
通りである。即ち、 <1> 気流を用いて粒子を分散・分級する気流分級機
において、被分級原料の粒子が衝突する気流分級機内の
部材の表面に、微粒子を分散含有させた複合メッキ被膜
を設けたことを特徴とする気流分級機である。 <2> 分級エッジによって分岐された複数の分級用排
気流路が出口側に開設され、入気流路が入口側に開設さ
れた原料選別室と、前記入気流路から各分級用排気流路
に向かって流れる気流を生じさせる気流形成手段と、圧
縮気体を用いて前記原料選別室内に被分級原料を圧送・
噴射する原料供給ノズルとを備えてなり、前記原料供給
ノズルから原料選別室内に圧送・噴射された被分級原料
の粒子を、コアンダ効果による粒径に対応した湾曲線状
の飛散降下作用により、各分級用排気流路に分級する前
記<1>に記載の気流分級機である。 <3> 微粒子の体積平均粒径が2μm以下である前記
<1>又は<2>に記載の気流分級機である。 <4> 気流分級機内の部材の表面が、前記原料供給ノ
ズルから圧送・噴射された被分級原料の粒子が衝突す
る、前記原料選別室の内壁、前記分級エッジの外壁及び
前記分級用排気流路の内壁である前記<2>又は<3>
に記載の気流分級機である。 <5> 複合メッキ被膜の水による液滴法での接触角が
100°以上である前記<1>から<4>のいずれかに
記載の気流分級機である。 <6> 微粒子がフッ素化合物の微粒子である前記<1
>から<5>のいずれかに記載の気流分級機である。 <7> 微粒子が2種以上のフッ素化合物の微粒子であ
る前記<1>から<5>のいずれかに記載の気流分級機
である。 <8> フッ素化合物が、フッ素樹脂、フッ化黒鉛
{(CF)n}及びフッ化ピッチから選択される前記<
6>又は<7>に記載の気流分級機である。 <9> フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン、
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共
重合体及びテトラフルオロエチレン−パーフルオロアル
キルビニルエーテル共重合体から選択される前記<8>
に記載の気流分級機である。 <10> 複合メッキ被膜が150〜300℃で熱処理
されてなる前記<1>から<9>のいずれかに記載の気
流分級機である。
【0012】<11> 結着樹脂と着色剤とを溶融混練
して混練物を調製する工程、該混練物を粉砕して粉砕物
を調製する工程、及び、該粉砕物を前記<1>から<1
0>のいずれかに記載の気流分級機を用いて分級する工
程を含むことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造
方法である。 <12> 結着樹脂がポリエステルである前記<11>
に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法である。 <13> 静電荷像現像用トナーのガラス転移点が50
〜65℃である前記<11>又は<12>に記載の静電
荷像現像用トナーの製造方法である。 <14> 静電荷像現像用トナーの軟化点が120℃以
下である前記<11>から<13>のいずれかに記載の
静電荷像現像用トナーの製造方法である。 <15> 静電荷像現像用トナーの平均粒径が9μm以
下である前記<11>から<14>のいずれかに記載の
静電荷像現像用トナーの製造方法である。
【0013】本発明においては、被分級原料の粒子が衝
突する気流分級機内の部材の表面に、従来のタングステ
ンカーバイド等の被膜と比較して低融点トナー等に対す
る付着力が著しく小さな複合メッキ被膜を設けている。
このため、被分級原料の粒子が、該気流分級機内の部材
の表面に、衝突し、その際の衝突エネルギーから生じる
発熱で融着したとしても、その上に別の被分級原料の粒
子が衝突すると、該被分級原料の粒子は、該気流分級機
内の部材から容易に剥離される。その結果、気流分級機
を連続稼働させても被分級原料の粒子は、該気流分級機
内の部材の表面に殆ど堆積しない。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の気流分級機について以下
に詳細に説明する。本発明の気流分級機は、気流形成手
段と原料供給ノズルと原料選別室とを少なくとも備えて
なり、更に必要に応じて適宜選択した手段等を備えるこ
とができる。
【0015】前記気流形成手段は、前記入気流路から各
分級用排気流路に向かって流れる気流を生じさせる機能
を有する。前記気流形成手段は、前記機能を有する限り
その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、
それ自体公知のものの中から選択できるが、例えば、フ
ァン等の送風手段と、該送風手段からの気流を導く管と
を有してなるものなどが挙げられる。
【0016】前記原料供給ノズルは、圧縮気体を用いて
前記原料選別室内に被分級原料を圧送・噴射する機能を
有する。前記原料供給ノズルは、前記機能を有する限り
その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、
それ自体公知のものの中から選択できるが、例えば、被
分級原料の粒子を供給するホッパ等と、該被分級原料の
粒子を圧送・噴射する気流を生じさせるファン等の送風
手段と、該送風手段からの気流及び該被分級原料の粒子
を導く管とを有するものなどが挙げられる。
【0017】前記原料選別室は、前記原料供給ノズルか
ら圧送・噴射された被分級原料の粒子を、コアンダ効果
による粒径に対応した湾曲線状の飛散降下させる機能を
有する。前記原料選別室は、前記機能を有する限りその
形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、それ
自体公知のものの中から選択できるが、例えば、前記原
料供給ノズルが接続され、分級エッジによって分岐され
た複数の分級用排気流路が出口側に開設され、入気流路
が入口側に開設されている構造の原料選別室などが挙げ
られる。本発明においては、前記原料選別室内で、前記
入気流路から前記分級用排気流路に向けて流れる気流
と、前記被分級原料の粒子と共に前記原料供給ノズルか
ら圧送・噴射される気流とが交差するように、該原料選
別室に前記入気流路、前記分級用排気流路、前記原料供
給ノズル等を接続する。そして、この接続の際に前記原
料供給ノズルの下部にコアンダブロックを配置させるの
で、前記原料選別室内に前記原料供給ノズルから圧送・
噴射された被分級原料の粒子は、コアンダ効果により粒
径に対応して湾曲線状に飛散降下する。
【0018】前記分級エッジは、前記原料選別室の出口
側に配置されて該原料選別室の出口側の空間を分岐させ
る機能を有する。前記分級エッジは、前記機能を有する
限りその形状、構造、大きさ等については特に制限はな
く、それ自体公知のものの中から選択できるが、例え
ば、1つの平面を該平面上に存在する任意の一直線に沿
って折り曲げてなり、該一直線をエッジ先端部とする形
状のものなどが挙げられる。一般に前記分級エッジは、
前記先端部を形成する2つ平面を有してなるが、本発明
においては、該平面の外表面と、前記コアンダブロック
の外壁等とにより挟まれた空間が分級用排気流路に該当
する。前記分級エッジは、気流分級機内において固定配
置されていてもよいし、着脱自在に配置されていてもよ
いが、後者の方が保守・点検等に便利である。
【0019】本発明においては、前記気流分級機内の部
材の表面に、微粒子を分散含有させた複合メッキ被膜が
設けられている。このような微粒子を金属と共に組み合
わせることにより、該微粒子の固有の優れた性質と金属
の性質とを併せ持つ複合メッキ被膜とすることができ、
該複合メッキ被膜を前記気流分級機内の部材の表面に設
けた結果、前記目的を達成することができる。
【0020】前記気流分級機内の部材の表面は、該気流
分級機内の部材の全表面であってもよいし、一部の表面
であってもよいが、本発明においては、該気流分級機内
の部材における、前記原料供給ノズルから圧送・噴射さ
れた被分級原料の粒子の衝突を受ける部分の表面である
のが好ましく、更には、該被分級原料の粒子の衝突を受
ける頻度の高い前記原料選別室の内壁、前記分級エッジ
の外壁及び前記分級用排気流路の内壁であるのがより好
ましい。
【0021】前記微粒子としては、前記被分級原料の粉
末に対する付着性が低い材質のものであれば特に制限は
ないが、その中でも本発明においては、自己潤滑性、低
摩擦性、撥水性、撥油性、非粘着性等の諸性質に優れる
フッ素化合物の微粒子が特に好ましい。
【0022】前記フッ素化合物としては、特に制限はな
く目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、
フッ化黒鉛、フッ素樹脂、フッ化ピッチなどが好適に挙
げられる。これらのフッ素化合物は、いずれも公知であ
り、その原料、製造方法等については特に制限はなく、
適宜合成したものであってもよいし、市販品を使用して
もよい。
【0023】前記フッ化黒鉛は、ポリカーボンモノフル
オライド(一般式(CF)nで表される)のことであ
り、該フッ化黒鉛としては、特に制限はなくそれ自体公
知のものの中から選択できるが、本発明においては、前
記一般式においてn>1000程度のものが好ましい。
前記フッ化黒鉛は、適宜合成したものを用いてもよい
し、市販品を用いてもよい。
【0024】前記フッ素樹脂としては、特に制限はなく
それ自体公知のものの中から選択できるが、例えば、ポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオ
ロエチレン−パーフルオロアルキルビフェニルエーテル
共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサ
フルオロプロピレン共重合体(FEP)などが挙げられ
る。前記フッ素樹脂は、適宜合成したものを用いてもよ
いし、市販品を用いてもよい。
【0025】前記フッ化ピッチは、一般に芳香族縮合六
員環平面が積層した層構造を有し、かつ六員環平面を構
成する芳香族がメチレンなどの脂肪族炭化水素基により
架橋した構造を有している。前記フッ化ピッチとして
は、特に制限はなくそれ自体公知のものの中から選択で
き、適宜合成したものを用いてもよいし、市販品を用い
てもよい。前記フッ化ピッチの製造例としては、例え
ば、特開昭62−275190号公報等に開示されてお
り、ピッチをフッ素ガスを用いてフッ素化することによ
り得ることができる。
【0026】前記フッ化ピッチの製造原料としては、例
えば、石油蒸溜残渣、ナフサ熱分解残渣、エチレンボト
ム油、石炭液化油、コールタールなどの石油系又は石炭
系重質油を蒸溜して沸点200℃未満の低沸点成分を除
去したピッチ、更に、このピッチを熱処理及び/又は水
添処理したものなどが挙げられる。より具体的には、フ
ッ化ピッチの製造原料としてのピッチには、例えば、等
方性ピッチ、メソフェーズピッチ、水素化メソフェーズ
ピッチ、石油系又は石炭系重質油を蒸溜して低沸点成分
を除去した後生成するメソフェーズ球体からなるメソカ
ーボンマイクロビーズなどが含まれる。
【0027】前記フッ化ピッチは、例えば、上記の原料
ピッチとフッ素とを0〜350℃程度で反応させること
により得られる。フッ化ピッチの製造方法としては、例
えば、原料ピッチとフッ素ガスとを0〜350℃程度の
温度で直接反応させる方法などが挙げられる。該方法に
おいて、ピッチとフッ素ガスとを反応させる際の好まし
い温度としては、ピッチの軟化点以下の温度である。該
反応時のフッ素ガス圧は、特に限定されるものではない
が、一般的に0.07〜1.5気圧の範囲内にある。該
反応において、フッ素ガスはそのまま用いてもよく、あ
るいは窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオンなどの不活性
ガスで希釈して用いてもよい。
【0028】得られたフッ化ピッチは、実質的に炭素原
子及びフッ素原子からなり、F/C原子比は、例えば
0.5〜1.8程度である。該フッ化ピッチは、以下の
ような特性を示す。即ち、(a)粉末X線回折におい
て、2θ=13°付近に最大強度のピークを示し、2θ
=40°付近に前記ピークよりも強度の小さいピークを
示す。(b)X線光電子分光分析において、290.0
±1.0eVにCF基に相当するピーク及び292.5
±0.9eV付近にCF2 基に相当するピークを示し、
CF基に相当するピークに対するCF2 基に相当するピ
ークの強さの比が、0.15〜1.5程度である。
(c)真空蒸着によって膜を成形することができる。
(d)30℃における水に対する接触角が141°±8
°である。
【0029】前記フッ化ピッチは、白色乃至黄白色若し
くは褐色の固体であり、耐水性、耐薬品性に優れ、非常
に安定な化合物である。さらに、前記フッ化ピッチは、
透明樹脂状の形態で得ることもできる。このような透明
樹脂状のフッ化ピッチは、例えば、フッ化ピッチをフッ
素ガス含有雰囲気下、0.1〜3℃/分程度、好ましく
は0.5〜1.5℃/分程度の昇温速度で250〜40
0℃程度まで昇温し、所定時間、例えば、1〜18時間
程度、好ましくは6〜12時間程度反応させることによ
り得ることができる。該透明樹脂状のフッ化ピッチの特
性としては、例えば、原子比(F/C)が1.5〜1.
7程度であり、光透過率(250〜900nm)が90
%以上程度であり、分子量が1500〜2000程度で
あり、軟化点が150〜250℃程度である。
【0030】本発明においては、前記フッ素化合物の微
粒子は、単一種の微粒子のみを含んでいてもよいし、複
数種の微粒子を含んでいてもよい。換言すると、前記フ
ッ素化合物については、1種単独で使用してもよいし、
2種以上を併用してもよい。後者の場合においては、併
用する複数種のフッ素化合物の微粒子の混合割合等につ
いては特に制限はなく、適宜任意に選択することができ
る。
【0031】複数種のフッ素化合物の微粒子を用いる場
合、フッ素化合物の微粒子の組合せとしては、特に制限
はなく目的に応じて適宜選択することができるが、その
好ましい具体例としては、フッ化黒鉛微粒子とフッ化ピ
ッチ微粒子との組合せ(2種)、フッ化黒鉛微粒子とP
TFE微粒子との組合せ(2種)、フッ化黒鉛微粒子と
PFA微粒子との組合せ(2種)、フッ化黒鉛微粒子と
FEP微粒子との組合せ(2種)、フッ化ピッチ微粒子
とPTFE微粒子との組合せ(2種)、フッ化ピッチ微
粒子とPFA微粒子との組合せ(2種)、フッ化ピッチ
微粒子とFEP微粒子との組合せ(2種)、PTFE微
粒子とPFA微粒子との組合せ(2種)、PTFE微粒
子とFEP微粒子との組合せ(2種)、PFA微粒子と
FEP微粒子との組合せ(2種)、フッ化黒鉛微粒子と
フッ化ピッチ微粒子とPTFE微粒子との組合せ(3
種)、フッ化黒鉛微粒子とフッ化ピッチ微粒子とPFA
微粒子との組合せ(3種)、フッ化黒鉛微粒子とフッ化
ピッチ微粒子とFEP微粒子との組合せ(3種)、フッ
化黒鉛微粒子とPTFE微粒子とPFA微粒子との組合
せ(3種)、フッ化黒鉛微粒子とPTFE微粒子とFE
P微粒子との組合せ(3種)、フッ化黒鉛微粒子とPF
A微粒子とFEP微粒子との組合せ(3種)、フッ化ピ
ッチ微粒子とPTFE微粒子とPFA微粒子との組合せ
(3種)、フッ化ピッチ微粒子とPTFE微粒子とFE
P微粒子との組合せ(3種)、フッ化ピッチ微粒子とP
FA微粒子とFEP微粒子との組合せ(3種)、PTF
E微粒子とPFA微粒子とFEP微粒子との組合せ(3
種)、フッ化黒鉛微粒子とフッ化ピッチ微粒子とPTF
E微粒子とPFA微粒子との組合せ(4種)、フッ化黒
鉛微粒子とフッ化ピッチ微粒子とPTFE微粒子とFE
P微粒子との組合せ(4種)、フッ化黒鉛微粒子とフッ
化ピッチ微粒子とPFA微粒子とFEP微粒子との組合
せ(4種)、フッ化黒鉛微粒子とPTFE微粒子とPF
A微粒子とFEP微粒子との組合せ(4種)、フッ化黒
鉛微粒子とフッ化ピッチ微粒子とPTFE微粒子とFE
P微粒子とPFA微粒子との組合せ(5種)などが挙げ
られる。
【0032】本発明においては、これら組合せの中で
も、フッ化黒鉛微粒子とPTFE微粒子との組合せ(2
種)、フッ化黒鉛微粒子とPFA微粒子との組合せ(2
種)、フッ化黒鉛微粒子とFEP微粒子との組合せ(2
種)、フッ化ピッチ微粒子とPTFE微粒子との組合せ
(2種)、フッ化ピッチ微粒子とFEP微粒子との組合
せ(2種)、フッ化ピッチ微粒子とPFA微粒子との組
合せ(2種)、PTFE微粒子とPFA微粒子との組合
せ(2種)、PFA微粒子とFEP微粒子との組合せ
(2種)などが好ましい。
【0033】前記フッ素化合物の微粒子を1種単独で使
用する場合、該フッ素化合物の微粒子としては、フッ化
ピッチ微粒子、PTFE微粒子、PFA微粒子などが好
ましい。
【0034】前記フッ素化合物の微粒子として、フッ化
ピッチ微粒子を単独で使用するか、あるいはフッ化ピッ
チ微粒子と他のフッ素化合物微粒子とを併用する場合に
は、高性能の複合メッキ被膜が得られ、該複合メッキ被
膜の表面の撥水性は、水による液滴法での接触角として
100〜135°程度である。
【0035】本発明において、塩の形態で用いられ、前
記複合メッキ被膜中のマトリックスとなる金属のメッキ
液としては、特に制限はなく、それ自体公知のものの中
から目的に応じて適宜選択することができるが、例え
ば、ニッケル、銅、亜鉛、スズ、鉄、鉛、カドミウム、
クロム、貴金属類、及びこれらの合金を含むメッキ液な
どが挙げられる。
【0036】前記複合メッキ被膜を、前記気流分級機内
の部材の表面に形成する方法としては、金属材料の表面
にマトリックス金属を析出させ得る公知の無電解メッキ
法や電解メッキ法などを好適に採用することができる。
また、使用するメッキ液についても、各種の公知の組成
のメッキ液の中から適宜選択して使用することができ、
具体的には例えば、特開昭49−27443号公報、特
開平4−329897号公報等において開示されている
メッキ手法に準じて、前記微粒子をメッキ金属塩の水溶
液中に分散させ、前記気流分級機内の部材の表面上にマ
トリックス金属と共に前記微粒子を共析させることによ
り行うことができる。こうして形成される該複合メッキ
被膜は、非金属である前記微粒子の固有の性質とマトリ
ックスである金属の性質とを併せ持つ。
【0037】本発明において、複合メッキ被膜を形成す
るためのメッキ液(以下複合メッキ液という)に添加す
る前記微粒子の粒径としては、特に制限はないが、複合
メッキ被膜全体の膜厚よりも大きい場合には、摩擦によ
り、形成した該複合メッキ被膜面から該微粒子が脱落し
てしまうので、形成する複合メッキ被膜の膜厚よりも小
さな粒径であることが好ましい。前記複合メッキ被膜の
厚さとしては、前記気流分級機内の部材の材質及び形
状、マトリックス金属の種類などにより異なり、一概に
規定することはできないが、通常、1〜50μm程度で
ある。したがって、前記微粒子の粒径としては、該複合
メッキ被膜の膜厚を考慮して定めればよいが、通常、体
積平均粒径が2μm以下程度であり、1μm以下がより
好ましい。また、複合メッキ液中及び複合メッキ被膜中
での前記微粒子の分散の均一性を確保するためには30
μm以上の粗大粒子を含まないことが好ましい。
【0038】前記複合メッキ液中の前記微粒子の添加量
としては、特に制限はないが、通常200g/l程度以
下であり、好ましくは1〜100g/l程度である。一
般に、金属と共析物とからなる複合メッキ被膜におい
て、共析物の体積分率が大きくなる程、該複合メッキ被
膜と該複合メッキ被膜を設ける基材との密着性は低下す
る。本発明においても、複合メッキ被膜と基材である前
記気流分級機内の部材との密着性を考慮すれば、複合メ
ッキ被膜中の共析物(前記微粒子)の体積分率は、大き
くとも60%が限度である。一方、前記微粒子の体積分
率が低すぎる場合には、撥水性の改善が十分に行なわれ
ないため、本発明においては、複合メッキ被膜中の前記
微粒子の体積分率としては、通常、25〜50%程度で
あり、35〜45%程度が好ましい。
【0039】前記複合メッキ液においては、撥水性が非
常に高いフッ素化合物等をメッキ液中に均一に分散さ
せ、かつ完全に濡れた状態とする必要があるので、界面
活性剤を用いるのが好ましい。前記界面活性剤として
は、例えば、水溶性のカチオン系界面活性剤、非イオン
系界面活性剤、及び複合メッキ液のpH値においてカチ
オン性を示す両性界面活性剤を用いることができる。前
記カチオン系界面活性剤としては、例えば、第4級アン
モニウム塩、第2及び3アミン類のものなどが挙げられ
る、前記非イオン系界面活性剤としては、例えば、ポリ
エチレンイミン系、エステル系等のものが挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、カルボン酸系、
スルホン系のものなどが挙げられる。これらの中でも、
分子中にC−F結合を有するフッ素系界面活性剤が特に
好ましい。
【0040】前記界面活性剤の前記複合メッキ液中の添
加量としては、例えば、前記微粒子がフッ素化合物の微
粒子である場合、該フッ素化合物1gに対し、通常1〜
100mg程度であり、1〜50mg程度がより好まし
い。
【0041】本発明においては、前記複合メッキ液に、
一次光沢剤、二次光沢剤、コーティング膜着色のための
顔料などの公知の添加剤を目的に応じて適宜添加するこ
とができる。
【0042】前記複合メッキ被膜を形成するに際して
は、前記微粒子を均一に分散させるために、該複合メッ
キ液を攪拌しつつメッキ操作を行なうことが好ましい。
前記攪拌の方法としては、特に制限はなく、それ自体公
知の機械的攪拌方法、例えばスクリュー攪拌、マグネチ
ックスターラーによる攪拌などの方法が採用できる。
【0043】前記複合メッキ被膜を形成するメッキ条件
としては、基材である前記気流分級機内の部材の材質、
使用する複合メッキ液の種類などに応じて異なり、一概
に規定することはできず、目的に応じて適宜決定すれば
よいが、通常の複合メッキ法の場合と同様の液温、pH
値、電流密度などが採用できる。
【0044】本発明においては、前記複合メッキ被膜
は、前記気流分級機内の部材の表面に直接形成してもよ
く、あるいは、前記気流分級機内の部材の表面に形成し
た公知の下地メッキ層(例えば、ニッケルメッキ、銅メ
ッキ等)を形成した後、該下地メッキ層上に形成しても
よい。
【0045】本発明においては、前記気流分級機内の部
材の表面上に形成した複合メッキ被膜を、150〜35
0℃で熱処理することが好ましい。前記熱処理の温度
が、150℃未満であると十分な効果を得るためには該
熱処理の時間を長くする必要がある一方、350℃を越
えると複合メッキ被膜が劣化するおそれがある。
【0046】前記熱処理により複合メッキ被膜の耐久性
及び表面撥水性が著しく改善される。特に、前記微粒子
として、フッ化ピッチ微粒子又はフッ化ピッチ微粒子
と、PTFE微粒子及び/又はFEP微粒子とを使用す
る場合には効果的である。この熱処理により、例えば、
フッ化ピッチ微粒子を単独で使用した場合においては、
該複合メッキ被膜の水による液滴法での接触角は135
°以上にも達し、水による液滴法の測定限界であるとさ
れている145°を超えることさえある。また、フッ化
ピッチ微粒子とPTFE微粒子及び/又はFEP微粒子
とを併用する場合には、接触角が120°以上にもな
る。
【0047】前記熱処理により、撥水性が著しく改善さ
れる理由は、明確ではないが、複合メッキ被膜自体の熱
的改質、界面活性剤の除去(熱分解、蒸発、昇華等によ
る)による濡れ性の低下もその一因をなしているものと
推察される。前記熱処理の時間としては、特に制限はな
いが、通常、10〜30分間程度である。
【0048】本発明の気流分級機における被分級原料の
粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択
することができるが、例えば、トナー粒子などが好適に
挙げられる。以上説明した本発明の気流分級機において
は、前記複合メッキ被膜が形成される気流分級機内の部
材が適当な剛性等を備えた材質で形成されているため、
気流や被分級原料の粒子の衝突によっても、該気流分級
機内の部材の表面の姿勢、設置位置が大きく変位してし
まうこともなく、飛来する被分級原料の粒子の流れを良
好に制御することができる。また、前記複合メッキした
部材を前記気流分級機内の部材の広い表面に、具体的に
は、前記原料選別室の内壁、前記分級エッジの外壁、前
記分級用排気流路の内壁等の広い表面に設けることによ
り、被分級原料の粒子の融着及び堆積を効果的に防止す
ることができる。本発明の気流分級機は、広い分野にお
いて各種粉体の分級に好適に使用することができるが、
特に以下の本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法に
おいて好適に使用することができる。
【0049】本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法
は、結着樹脂と着色剤とを溶融混練して混練物を調製す
る工程、該混練物を粉砕して粉砕物を調製する工程、及
び、該粉砕物を前記本発明の気流分級機を用いて分級す
る工程を少なくとも含む。更に、必要に応じて、その他
の工程を含むことができる。
【0050】本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法
においては、トナー粒子の分級に本発明の気流分級機を
用いる限り、他の点については特に制限はなく、それ自
体公知のトナーの製造方法に準じて行うことができる。
該トナーの製造方法、トナーの原材料等については、例
えば、特開平8−278655号公報、特開平8−30
5080号公報、特開平8−305083号公報などに
その詳細が記載されており、参照することができる。
【0051】本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法
においては、得られる静電荷像現像用トナーの結着樹脂
がポリエステルであるのが好ましい。前記結着樹脂がポ
リエステルであると、その構造内に−OH基、−COO
H基といった極性基を含むことがあることと、更に極性
基のような末端の構造以外の部分でも極性を生じてお
り、この樹脂は静電的相互作用が非常に強い。よって、
装置内壁への融着も生じ易く、本発明の機能が有効に働
く。また、得られる静電荷像現像用トナーのガラス転移
点が50〜65℃であるのが好ましい。前記ガラス転移
点が50〜65℃であると、内壁との衝突によって生じ
る発熱で、内壁への融着が生じ易いので、本発明の機能
も有効に働く。なお、50℃未満であるとトナーとして
扱いにくいため、現実的ではない。また、得られる静電
荷像現像用トナーの軟化点が120℃以下であるのが好
ましい。前記軟化点が120℃以下であると、内壁との
衝突によって生じる発熱で、内壁への融着が生じ易いの
で本発明の機能が有効に働く。更に、得られる静電荷像
現像用トナーの平均粒径が9μm以下であるのが好まし
い。前記平均粒径が9μm以下であると、重力、受ける
風力よりも粒子間凝集力や、内壁への付着力が相対的に
高まり、付着し易くなる。よって、本発明の機能が有効
に働く。本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法によ
ると、一定の粒径分布の静電荷像現像用トナーの製造方
法を容易にかつ簡便に、しかも効率よく得ることができ
る。
【0052】
【実施例】以下に、本発明の実施例について図面を参照
しながら説明する。図1は、本発明の気流分級機の一実
施例を説明するための断面概略説明図である。図1に示
す気流分級機1は、原料選別室14と、図示略の気流形
成手段(例えば、排風機)と、原料供給ノズル16とを
備えている。原料選別室14には、2つの分級エッジ2
及び3、コアンダブロック4、並びに、背面ブロック5
によって分岐させた3つの分級用排気流路7、8及び9
がその出口側に開設され、2つの入気流路11及び12
がその入口側に開設されている。前記気流形成手段は、
入気流路11及び12から各分級用排気流路7、8及び
9に向って流れる気流を生じさせる。原料供給ノズル1
6は、圧縮気体(通常、圧縮空気)を利用して原料選別
室14内に被分級原料15の粒子を圧送・噴射する。
【0053】被分級原料15は、原料供給ノズル16の
基端側に連通したホッバ18によって原料供給ノズル1
6内に供給されると共に、該原料供給ノズル16に供給
される圧縮気体19によって分散されて、固気混相流と
して原料供給ノズル16から原料選別室14に噴射され
る。そして、原料供給ノズル16から原料選別室14内
に噴射された被分級原料15の噴流には、入気流路11
及び12から各分級用排気流路7、8及び9に向う気流
が交差しているため、被分級原料15の各粒子は、コア
ンダ効果による粒径に対応した湾曲線状の飛散降下作用
によって該当の分級用排気流路7、8及び9に分別排出
される。コアンダ効果による湾曲線状の飛散降下作用で
は、粒径の小さい粒子ほど流れ方向の偏向(即ち)が大
きく、原料供給ノズル16に近い分級用排気流路に排出
される。
【0054】分級用排気流路7、8及び9については、
コアンダブロック4に一番近い分級用排気流路7が、細
粉排出用であり、原料供給ノズル16から一番離れた分
級用排気流路9が、粗粉排出用であり、中間に位置した
分級報排気流路8が、中粉排出用である。また、分級エ
ッジ2は、細粉と中粉とを分離するためのものであり、
分級エッジ3は、中粉と粗粉とを分離するためのもので
ある。そして、各分級用排気流路7、8及び9に排出さ
れた被分級原料15の粒子は、各分級用排気流路7、8
及び9に、管路21、22及び23を介して接続された
図示略の集塵機によって粉体と清浄気体(空気)とに分
けられる。
【0055】以上の気流分級機1において、原料供給ノ
ズル16から噴射された被分級原料15の粒子が衝突す
るところの、少なくとも被分級原料15の粒子よりも硬
度の高いステンレス等の材料を用いて原料選別室14内
に流れる気流や被分級原料15の粒子の衝突によって撓
むことのない十分な剛性を備えた気流分級機1内の部材
の表面には、2μm以下のフッ素化合物微粒子を分散含
有した複合メッキ被膜が設けられている。
【0056】該気流分級機1内の部材の表面に形成され
た複合メッキ被膜は、具体的には例えば、分級用排気流
路7を構成する、分級エッジ2の表面に形成された複合
メッキ被膜2a、分級エッジ装着基部30の表面に形成
された複合メッキ被膜30a、及びコアンダブロック4
の表面に形成された複合メッキ被膜4aである。また、
分級用排気流路9を構成する、背面ブロック5の表面に
形成された複合メッキ被膜5a、分級エッジ3の表面に
形成された複合メッキ被膜3a、及び分級エッジ装着基
部31の表面に形成された複合メッキ被膜31aであ
る。また、分級用排気流路8を構成する、分級エッジ2
の表面に形成された複合メッキ被膜2a、分級エッジ装
着基部30の表面に形成された複合メッキ被膜30a、
分級エッジ3の表面に形成された複合メッキ被膜3a、
及び分級エッジ装着基部31の表面に形成された複合メ
ッキ被膜31aである。更に、原料供給ノズル16の内
周面に形成された複合メッキ被膜16a、排気流路7、
8及び9にそれそれ接続された管路21、22及び23
の内周面に形成された複合メッキ被膜21a、22a及
び23aである。なお、これらの複合メッキ被膜の表面
は、従来の気流分級機における分級エッジ表面に貼られ
ているタングステンカーバイドの表面の平滑さと同等の
滑らかさを持つように、表面粗さが設定された。
【0057】図2は、図1に示す気流分級機1における
分級エッジ2の断面拡大概略説明図である。分級エッジ
3の場合も図2と同様である。分級エッジ2及び3にお
ける、分級用排気流路7、8及び9の内壁に供される両
側の傾斜面のなす狭角θは、23°に設定されている。
【0058】ここで、気流分級機1を用い、以下の組成
・製法で粉砕した平均粒径7μmのマゼンタトナーを被
分級原料15の粒子として、該マゼンタトナーの分級を
行い、静電荷像現像用トナーを製造した。
【0059】 線状ポリエステル樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・・100重量% (テレタフル酸/ビスフェノールA/エチレンオキサイド付加物/シクロヘキサ ンジメタノールから得られた線状ポリエステル;Tg=62℃、Ts=110℃ 、Mn=4,000、Mw=35,000、酸価=12、水酸化=25) マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド57)・・・・・・・3重量% この混合物をエクストルーダーで混練し、ジェットミル
で粉砕したマゼンタトナーである。
【0060】前記分級の条件としては、原料供給ノズル
16からの被分級原料15の圧送・噴射する圧縮空気
は、圧力が3kgf/cm2 Gであり、流量が0.47
Nm3/minである。また、入気流路11及び12か
ら分級用排気流路7、8及び9に流れる気流の流量は、
分級用排気流路7、8及び9側からの吸引送風量で11
Nm3 /minである。また、被分級原料15の供給
は、30kg/hの割合で連続供給した。
【0061】前記複合メッキ被膜は、以下のようにして
形成した。 (メッキ液の調製)表1に示すフッ素化合物微粒子5重
量%を下記の組成を有するニッケル電解浴に添加した。
なお、界面活性剤(商標「メガファックF150」、大
日本インキ化学(株)製、第3級パーフルオロアンモニ
ウム塩(C8 17SO2 NH(CH 23 + (C
3 3 ・Cl- ))をフッ素化合物1gに対し40.
0mgの割合で添加した。
【0062】 (スルファミン酸ニッケル電解浴組成) スルファミン酸ニッケル・・・・・・・・・・・・・・・・350g/l 塩化ニッケル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45g/l ほう酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 40g/l
【0063】前記複合メッキ被膜を形成する気流分級機
内の部材を負極とし、下記の組成を有するウッド浴を用
いて、液温25℃、電流密度10A/dm2 の条件下に
膜厚1〜3μmの下地ニッケルメッキ膜の形成処理を行
った。
【0064】 (ウッド浴組成) 塩化ニッケル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・245g/l 塩酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・120g/l
【0065】次いで、前記下地ニッケルメッキ膜が形成
された気流分級機内の部材の該下地ニッケルメッキ膜上
にそれぞれ液温45±5℃、pH3.8〜4.2、電流
密度3A/dm2 の条件下、スクリュー攪拌しつつ、膜
厚が10μmとなるまで電解メッキを行って、ニッケル
−フッ素化合物複合メッキ被膜を形成させた。
【0066】得られたニッケル−フッ素化合物複合メッ
キ被膜が形成された各部材を熱風循環式乾燥炉中で、表
1に示す条件の熱処理を行い、次いで常温で1時間室内
放置した後、FACE接触角計(協和科学(株)製:C
A−A型)を用いて液滴法により、水の接触角の測定を
行い、その撥水性を調べた。接触角の測定結果を表1に
示した。
【0067】また、前記複合メッキ被膜を、従来のタン
グステンカーバイド被膜に代えた外は上述の通り行った
比較実験と、前記複合メッキ被膜を、従来のポリウレタ
ン樹脂被膜に代えた外は上述の通り行った比較実験とを
行った。その結果も表1に示した。
【0068】
【表1】
【0069】表1に結果より以下のことが明らかであ
る。従来のタングステンカーバイド被膜の場合には、3
時間連続運転時点において分級エッジ2の両傾斜面に粒
子の融着が発生した。また、ポリウレタン樹脂被膜の場
合には、8時間連続運転時点において分級エッジ2の両
傾斜面に粒子の融着が発生した。一方、前記複合メッキ
被膜の場合には、24時間に渡って連続運転しても被分
級原料であるトナー粒子の融着は全く観られなかった。
【0070】本発明の気流分級機1では、被分級原料1
5の粒子が衝突する気流分級機1内の部材の表面が、従
来のタングステンカーバイド等の部材と比較して遙かに
付着力が低くした構成であるため、被分級原料15の粒
子が気流分級機1内の部材の表面に衝突して、その際に
衝突エネルギーから生じる発熱で、被分級原料15の粒
子が融着したとしても、その上に次の被分級原料15の
粒子が衝突することで、該被分級原料15の粒子が該気
流分級機1内の部材の表面から容易に剥離され、連続稼
働中でも該気流分級機1内の部材の表面に被分級原料1
5の粒子が堆積しにくくなる。しかも、前記複合メッキ
被膜が形成される部材は、必要な剛性等を有しているた
め、気流や被分級原料15の粒子の衝突によってもその
表面の姿勢、配置位置が大きく変位してしまうこともな
く、飛来する被原料粒子15の流れを良好に制御するこ
とができる。
【0071】また、前記複合メッキ被膜を形成した部材
を、気流分級装置1内に広く拡大して装備することで、
被分級原料15の融着と堆積の防止を徹底することがで
きる。したがって、被分級原料15が低融点トナー等の
場合でも、被分級原料15の粒子が衝突する気流分級機
1内の部材の表面に被分級原料15の粒子の融着が生じ
にくく、融着物の除去のために装置を休止・分解する作
業回数を大幅に低減して、装置稼働率の向上、生産性の
向上を実現すると同時に、分級精度の向上、硬度な分級
精度の長期維持を可能にすることができる。
【0072】
【発明の効果】本発明によると、前記従来における諸問
題を解消することができる。また、本発明によると、被
分級原料の粒子が低融点トナー等の場合であっても、被
分級原料の粒子が衝突する気流分級機内の部材の表面に
被分級原料の粒子の融着が生じにくく、その結果、融着
物の除去のために気流分級機を休止し、分解等すること
を大幅になくし、装置稼働率の向上、生産性の向上を実
現すると共に、分級精度の向上、高度な分級精度の長期
維持を図ることができる気流分級機、及び該気流分級機
を利用することにより、容易にかつ簡便に、しかも効率
よく、一定の粒径分布を有する静電荷像現像用トナーを
製造することができる方法、を提供することができる。
本発明おける前記複合メッキ被膜は、非金属であるフッ
素化合物の固有の性質とマトリックス金属の固有の性質
とを兼ね備えている。即ち、フッ素化合物に由来する高
度の潤滑性、耐摩耗性、防汚染、耐焦げ付き性などを有
し、特に優れた耐久性、耐熱性、耐薬品性、撥油性、撥
水性などを有する。更に、マトリックス金属に由来する
高硬度、高強度、高熱伝導性、高電導性などを有し、か
つ基材である部材に対する優れた密着性を発揮する。こ
のため、本発明の気流分級機は優れた諸性能を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の気流分級機の一実施例を説明
するための断面概略説明図である。
【図2】図2は、図1に示す気流分級機における分級エ
ッジの断面拡大概略説明図である。
【図3】図3は、従来の気流分級機の一例を説明するた
めの断面概略説明図である。
【符号の説明】
1 気流分級機 2 分級エッジ 2a 複合メッキ被膜 3 分級エッジ 3a 複合メッキ被膜 4 コアンダブロック 4a 複合メッキ被膜 5 背面ブロック 5a 複合メッキ被膜 7 分級用排気流路 8 分級用排気流路 9 分級用排気流路 11 入気流路 12 入気流路 14 原料選別室 15 被分級原料 16 原料供給ノズル 18 ホッパ 19 圧縮気体 21 管路 21a 複合メッキ被膜 22 管路 22a 複合メッキ被膜 23 管路 23a 複合メッキ被膜 30 分級エッジ装着基部 30a 複合メッキ被膜 31 分級エッジ装着基部 31a 複合メッキ被膜

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気流を用いて粒子を分散・分級する気流
    分級機において、被分級原料の粒子が衝突する気流分級
    機内の部材の表面に、微粒子を分散含有させた複合メッ
    キ被膜を設けたことを特徴とする気流分級機。
  2. 【請求項2】 分級エッジによって分岐された複数の分
    級用排気流路が出口側に開設され、入気流路が入口側に
    開設された原料選別室と、前記入気流路から各分級用排
    気流路に向かって流れる気流を生じさせる気流形成手段
    と、圧縮気体を用いて前記原料選別室内に被分級原料を
    圧送・噴射する原料供給ノズルとを備えてなり、前記原
    料供給ノズルから原料選別室内に圧送・噴射された被分
    級原料の粒子を、コアンダ効果による粒径に対応した湾
    曲線状の飛散降下作用により、各分級用排気流路に分級
    する請求項1に記載の気流分級機。
  3. 【請求項3】 微粒子の体積平均粒径が2μm以下であ
    る請求項1又は2に記載の気流分級機。
  4. 【請求項4】 気流分級機内の部材の表面が、前記原料
    供給ノズルから圧送・噴射された被分級原料の粒子が衝
    突する、前記原料選別室の内壁、前記分級エッジの外壁
    及び前記分級用排気流路の内壁である請求項2又は3に
    記載の気流分級機。
  5. 【請求項5】 複合メッキ被膜の水による液滴法での接
    触角が100°以上である請求項1から4のいずれかに
    記載の気流分級機。
  6. 【請求項6】 微粒子がフッ素化合物の微粒子である請
    求項1から5のいずれかに記載の気流分級機。
  7. 【請求項7】 微粒子が2種以上のフッ素化合物の微粒
    子である請求項1から5のいずれかに記載の気流分級
    機。
  8. 【請求項8】 フッ素化合物が、フッ素樹脂、フッ化黒
    鉛{(CF)n}及びフッ化ピッチから選択される請求
    項6又は7に記載の気流分級機。
  9. 【請求項9】 フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチ
    レン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
    レン共重合体及びテトラフルオロエチレン−パーフルオ
    ロアルキルビニルエーテル共重合体から選択される請求
    項8に記載の気流分級機。
  10. 【請求項10】 複合メッキ被膜が150〜300℃で
    熱処理されてなる請求項1から9のいずれかに記載の気
    流分級機。
  11. 【請求項11】 結着樹脂と着色剤とを溶融混練して混
    練物を調製する工程、該混練物を粉砕して粉砕物を調製
    する工程、及び、該粉砕物を請求項1から10のいずれ
    かに記載の気流分級機を用いて分級する工程を含むこと
    を特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  12. 【請求項12】 結着樹脂がポリエステルである請求項
    11に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  13. 【請求項13】 静電荷像現像用トナーのガラス転移点
    が50〜65℃である請求項11又は12に記載の静電
    荷像現像用トナーの製造方法。
  14. 【請求項14】 静電荷像現像用トナーの軟化点が12
    0℃以下である請求項11から13のいずれかに記載の
    静電荷像現像用トナーの製造方法。
  15. 【請求項15】 静電荷像現像用トナーの平均粒径が9
    μm以下である請求項11から14のいずれかに記載の
    静電荷像現像用トナーの製造方法。
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