JPH10206917A - 波長変換装置 - Google Patents

波長変換装置

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JPH10206917A
JPH10206917A JP9013908A JP1390897A JPH10206917A JP H10206917 A JPH10206917 A JP H10206917A JP 9013908 A JP9013908 A JP 9013908A JP 1390897 A JP1390897 A JP 1390897A JP H10206917 A JPH10206917 A JP H10206917A
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長青 徐
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変換光のスペクトル幅を狭くすることができ
る波長変換装置を提供する。 【解決手段】 半導体レーザ2は波長選択素子4によっ
て波長が制限された帰還光に応じたポンプ光を発生す
る。波長変換素子1はバンドパスフィルタ3a又は3b
を介して入射された信号光と半導体レーザ2からのポン
プ光に応じた変換光を発生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信システムに
おいて使用される波長変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、光通信における回線容量の増
加等を目的として、波長の異なる複数の光を多重化して
伝送する波長多重(WDM)通信が研究されている。こ
のような波長多重通信においては、複数の入力信号(光
信号)の多重化を行うために光の波長を変換する必要が
ある。
【0003】従来、光の波長を変換する波長変換素子と
しては、半導体光増幅器を用いるもの、四光波混合を利
用するもの、過飽和吸収領域を備えた半導体レーザを利
用するもの等が提案されていた。しかしながら、これら
の波長変換素子では光通信システムにおいて求められる
高効率、高速、広帯域、低ノイズ、偏波無依存等の条件
を満足させることができなかった。
【0004】そこで、本発明の発明者らは、光導波路を
利用して2次の非線形光学効果の一種である疑似位相整
合による差周波発生(DFG)を使うことを考え、先の
特許出願(特願平6−175265)及び以下の論文 [1]C.Q.Xu, et.a1. App1.Phys.Lett. 63, 1170(199
3) [2]徐長青、他 信学技報 OCS95-3, P‐17(1995) において波長多重(Wavelength division multiplexin
g:WDM)通信システムのキーデバイスとして波長変
換素子を利用することを提案している。
【0005】ここで用いられている波長変換素子では、
LiNbO3 に周期的分極反転構造が形成され、この分
極反転構造を基本波光が伝播するように光導波路が形成
されている。これらの文献では、このような構成の波長
変換素子を用いてDFGにより、1.53μmから1.
55μmの光へと光交換を実現した例を報告している。
このような構成の波長変換素子によれば、超高速、広帯
域(140nm以上)、低ノイズ(量子雑音以下)、多
チャンネル間の交換が可能、高変換効率(4mWのポン
プ光を使って−30dB)等の条件を満足させることが
可能となっている。これにより、偏波無依存についての
課題が残されているが、DFGによる波長変換技術を光
通信システムに取り込むことの有効性が示されている。
【0006】また、この他にも同様の提案が以下の文献
に示されている。
【0007】[3]S.J.B.Yoo, et.a1. App1.Phys.Let
t. 63, 2609(1996) この文献では、GaAs基板を用い、この基盤に他のG
aAs基板を結晶の直接接着法により面方位が反対の方
向となるように接着し、接着したGaAs基板をフォト
リソグラフィーにより周期的に除去して面方位が反対と
なったパターンを形成し、このパターン上に有機金属気
相成長法で周期的分極反転構造を形成して波長変換素子
としている。結晶の面方位を反対の方向に形成すること
で分極の方向も反対の方向となるので、接着した2枚の
GaAs結晶基板を用いて分極反転構造を形成してい
る。このように構成された波長変換素子では、超高速、
広帯域、低ノイズ、多チャンネル間の交換が可能、高変
換効率という特性に加えて、偏波無依存を実現してい
る。
【0008】上述の文献[1][2][3]によるいず
れの提案も光通信システムにおいて交換機能の部分に波
長変換技術を利用しようとするものである。このように
波長変換技術を利用することにより、電子素子では実現
できない超高速、広帯域、低ノイズ、多チャンネル間の
交換が可能、高変換効率を実現することができる。
【0009】ところで、2次の非線形光学効果を利用し
た波長変換技術には2次高調波発生(SHG)、和周波
発生(SFG)、差周波発生(DFG)がある。このよ
うな技術のうちで光導波路を用いた素子が使われた代表
的な例として、以下の文献に示されたものがある。
【0010】[4]K.Yamamoto, et.a1. App1.Phys.Let
t. 58, 1227(1991) [5]F.Lauren, et.a1. App1.Phys.Lett. 62, 1872(19
93) 文献[4]には、光導波路を用いて、チェレンコフ放射
スキームにより位相整合を実現し、SHG、SFGによ
り波長変換を行った例が報告されている。この文献に示
されている方法では、半導体レーザの波長の不安定性を
チェレンコフ放射角の変化で吸収できるので位相整合が
常に実現できるが、変換された光の放射方向はレーザ波
長のゆらぎに従って常に変化することになる。また、半
導体レーザの発振スペクトルの広がり、多モード性はそ
のまま変換光のスペクトルの広がりとして反映される。
【0011】光通信システムでは基本波光と共に変換光
のスペクトルも十分に狭い必要があるので、この文献に
示されている方法を光通信システムに用いることはでき
ない。また、基本波光の波長のゆらぎが変換光の放射方
向の変換となって現れるという特性も応用上極めて不都
合である。
【0012】文献[5]では、文献[4]と同様に光導
波路を用いて波長変換を実現しているが、文献[4]と
異なり疑似位相整合と呼ばれる方法で位相整合を実現し
ているので、変換光の放射方向が変化することはない
が、基本波光の波長ゆらぎにより変換効率そのものが変
動するという問題がある。また、文献[4]と同様に基
本波のスペクトルの広さがそのまま変換光のスペクトル
の広がりに反映される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】波長多重を行う光交換
装置に波長変換技術を適用するためには、光のスペクト
ル幅が、例えば5MHz以下程度に十分に狭いことが必
要である。しかしながら、上述のいずれの光変換素子
も、変換光のスペクトルが十分狭くないため、そのまま
では光通信システムに用いることはできない。
【0014】例えば、上述の文献[3]に示されている
波長変換素子は、一般に、ファブリ・ペロ型のレーザダ
イオード(LD)の光共振器内で用いられ、このファブ
リ・ペロ型のLDの発振光のスペクトルが一般に多モー
ドであるため、この点が解決できない。また、文献
[4]に示されている波長変換素子でも各モードの半値
幅は比較的狭いがTi:サファイヤレーザが多モードで
あることから、スペクトル幅が十分に小さくはなく、光
交換システムにそのまま適用することができない。ま
た、Ti:サファイヤレーザ装置そのものが大きく光交
換システムに適用することが困難である。
【0015】本発明は、変換光のスペクトルの幅を小さ
くすることができ、また、装置そのものを小型化するこ
とができる波長変換装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係る波長変換装
置は、基本波光を発生する半導体レーザと、半導体レー
ザからの基本波光と外部からの信号光に基づいて変換光
を発生して出力する波長変換手段と、半導体レーザに帰
還させる光の波長を制限し、所定の波長の光のみを選択
的に帰還させる波長選択手段とを備えている。
【0017】また、本発明に係る他の波長変換装置は、
光路の一端に高反射コーティングを有し、高反射コーテ
ィングの反対側の出力端面から発生した基本波光を出力
する半導体レーザと、周期的分極反転構造等からなるQ
PM手段と、周期的屈折率分布等からなるDBR手段と
を有し、半導体レーザからの基本波光と外部からの信号
光に基づいて変換光を発生する波長変換手段とを備え、
半導体レーザの出力端面の反射率をr、上記波長変換手
段の両端面の反射率をr’、r”、DBR手段からの帰
還率をrD とし、 r’,r” << rD , r<<rD , r’,r”<<r なる関係を満たすように各端面の反射率が設定されてい
る。
【0018】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態 図1は本発明の第1の実施形態に係る波長変換装置の構
成を示すブロック図である。この波長変換装置は、同図
中に示すように、入射された複数の光の波長に基づいて
波長変換を行う波長変換素子1と、この波長変換素子1
のポンプ光(基本波光)となる光を発生する半導体レー
ザ2と、波長変換素子1と半導体レーザ2の間に配置さ
れた波長選択素子4とを備えている。
【0019】半導体レーザ2は、例えばファブリ・ペロ
型の半導体レーザからなり、その光導波路の一端(波長
選択素子4に面していない方)に反射面2aを備えてい
る。また、波長選択素子4は光路の波長変換素子1側に
反射面を有しており、この反射面と半導体レーザ2の反
射面2aとにより光共振器が構成されている。
【0020】この波長選択素子4は、半導体レーザ2に
波長選択素子4からの特定の波長の光のみが選択的にフ
ィードバックされるように構成されている。このフィー
ドバックされる光のスペクトルの半値幅は波長選択素子
4の選択特性を適当に選択することによりWDMシステ
ム等の光通信において求められている所定の幅、例えば
5MHz程度以下とされている。このように帯域制限さ
れ、半導体レーザ2にフィードバックされた光により発
振したレーザ光は、ポンプ光として波長変換素子1に供
給される。
【0021】また、この波長変換装置では、光ファイバ
を介して入射された信号光は、以下のいずれかの方法に
より波長変換素子1に入射される。第1の方法では、半
導体レーザ2と波長選択素子4との間にバンドパスフィ
ルタ(BPF)3aを挿入して図1の下方向(光ファイ
バ6a)から信号光を入射させる。第2の方法では、波
長選択素子4と波長変換素子1との間にバンドパスフィ
ルタ(BPF)3bを挿入して図1の下方向(光ファイ
バ6b)から信号光を入射させる。いずれの方法により
信号光を入射させるかは、波長変換素子1、波長選択素
子4あるいはBPF等の構成に応じて選択する。
【0022】また、波長変換素子1は、半導体レーザ2
からのポンプ光と信号光の波長に基づく変換光を発生
し、この変換光を出力する。この波長変換素子は、例え
ばDFG(差周波発生)、SFG(和周波発生)等を行
う素子から構成されている。
【0023】このように構成された波長変換装置では、
上述のように半導体レーザ2の端面2aと波長選択素子
4で光共振器が形成される。半導体レーザ2の光導波路
中で発生した光は端面2a又は波長選択素子4で反射さ
れ、レーザ発振が起こる。このレーザ発振の発振波長は
波長選択素子4で選択される波長となる。
【0024】この発振は、例えば波長選択素子4がブラ
ッグ反射器であるとすると原理的にブラッグ帰還型半導
体レーザと同じであり、その発振波長は単色性に優れ
(発振波長のスペクトルが単一モードであり、半値幅が
狭い)、かつ安定した発振状態が得られる。
【0025】ここで、波長選択素子4によって半導体レ
ーザ2に帰還される帰還光のスペクトルについて検討す
る。ブラッグ反射器を構成するブラッグ回折格子の反射
率Rは次式で与えられる。
【0026】
【数1】 ここで、
【数2】 である。また、κ:結合係数、α:吸収係数、L:ブラ
ッグ反射器の全長、N(λ):ブラッグ領域の屈折率、
ΛB :ブラッグ反射器の周期、q:ブラッグ回折次数で
ある。
【0027】ここで、LiNbO3 の代表的な値とし
て、κ=5.0×10-4μm-1、α=0.5dB/c
m、L=4mm、q=17と仮定するとブラッグ反射ス
ペクトルの半値幅は、ほぼ0.1nmとなる。
【0028】一方、半導体レーザ2の縦モード間隔は、
半導体レーザ2の共振器長が350μmで波長0.78
μmである場合、ほぼ0.3nmであるから、ブラッグ
反射領域の長さLを上述の値(=4mm)より長めに設
定すれば、この波長変換装置を光通信システムに用いる
ことができることになる。
【0029】以上、概略の計算を行ったが、実際の設計
では、(1)式を用いてブラッグ反射スペクトルの半値
幅を計算し、ポンプ光として用いる半導体レーザの縦モ
ード間隔以下となるようにDBR領域(ブラッグ反射
器)を設計すればよい。
【0030】上述のように波長が制限された帰還光によ
り発振した半導体レーザ2からのポンプ光と光ファイバ
3からの信号光が共に波長変換素子1に入射すると、こ
れらの光の波長に基づいて変換光が発生する。この波長
変換素子1は、例えば周期的分極反転構造による疑似位
相整合(QPM)素子を使うのが便利である。この周期
的分極反転構造の周期Λは、以下の疑似位相整合条件を
満たすように設定されている。 k3−k2−k1=2π/Λ (2) ここで、k3、k2、k1は、それぞれポンプ光、信号
光、変換光の波数である。
【0031】この波長変換素子1として、例えば上述の
DFG素子を用いた場合には変換光として入射するポン
プ光と信号光の差の周波数の光が発生し、SFG素子を
用いた場合には、ポンプ光と信号光の和の周波数の光が
発生する。
【0032】DFG素子を用いた場合、ポンプ光、信号
光、変換光の波長をそれぞれλ3、λ2、λ1とすると
これらの波長の間の関係はエネルギー保存則から以下の
ようになる。 1/λ1=1/λ3−1/λ2 (3) 同様に、SFG素子を用いた場合には、 1/λ1=1/λ3+1/λ2 (4) となる。
【0033】上述のような波長変換装置を光通信システ
ム中で用い、信号光として送信データ等に応じて変調さ
れた信号光を供給することにより、信号光の波長の変換
を行って波長交換を実現することができる。
【0034】ところで、強度、波長が共に安定した変換
光を得るためには、ポンプ光の波長が安定していること
が必要である。上述の波長変換装置では、半導体レーザ
2にフィードバックされる光の波長を波長選択素子4に
より制限(選択)しているために、半導体レーザ2の発
振波長は波長選択素子4により選択される波長となり、
ファブリ・ペロ型の半導体レーザが有する発振波長の不
安定さを低減させることができ、半導体レーザ2におい
て発生するポンプ光の波長を安定させることができる。
【0035】また、波長変換素子1の位相整合条件は、
ポンプ光と信号光の波長によって決まるため、この位相
整合条件が安定的に満たされるためには、ポンプ光、信
号光の波長が安定していることが要求される。
【0036】光通信においては、信号光は一般的に、分
布帰還型レーザ(DFBレーザ)あるいはブラッグ帰還
型レーザ(DBRレーザ)によって発生されているので
本来的に波長が安定化されている。
【0037】しかしながら、一般にポンプ光の発生には
ファブリ・ペロ型の半導体レーザが使われることが多
く、波長の安定度が低い。ポンプ光もファブリ・ペロ型
の半導体レーザを使わず、波長の安定した上述のDBR
レーザ、DBRレーザを用いればよいことになるが、信
号光、ポンプ光の波長を共に確定してしまうと波長変換
素子の位相整合条件も確定してしまい、波長変換装置を
構成する際の自由度が全く無くなってしまうため技術的
に困難になる。このため、波長変換装置を構成する段階
では、ポンプ光の波長に調整のためのマージンを確保し
ておくことが好ましく、ポンプ光の発生にはファブリ・
ペロ型の半導体レーザが使われることが多い。
【0038】動作時には、上述のようにポンプ光の波長
も安定していることが要求される。上述の波長変換装置
では、上述のように、波長選択素子4により半導体レー
ザ2にフィードバックされる光を制限しているため、半
導体レーザ2としてファブリ・ペロ型の半導体レーザを
用いてもポンプ光の波長を安定させることができる。こ
のため、信号光とポンプ光の波長で決まる波長変換素子
1の位相整合条件が安定的に満たされるので、変換光の
強度、波長を共に安定させることができる。
【0039】第2の実施形態 上述の第1の実施形態では、波長選択素子4が波長変換
素子1と半導体レーザ2の間に配置されていたが、波長
選択素子4として用いる素子によっては、図2に示す第
2の実施形態に係る波長変換装置のように、波長変換素
子1を半導体レーザ2と波長選択素子4の間に配置する
ことができる。
【0040】この波長変換装置では、波長選択素子4の
波長変換素子1から遠い方の面に反射面が形成されてい
る。この反射面と半導体レーザ2の反射面2aとで光共
振器が構成されている。
【0041】また、この波長変換装置では、光ファイバ
を介して入射された信号光は、以下のいずれかの方法に
より波長変換素子1に入射される。
【0042】第1の方法では、半導体レーザ2と波長変
換素子1との間にバンドパスフィルタ(BPF)13a
を挿入して図2の下方向(光ファイバ16a)から信号
光を入射させる。第2の方法では、波長変換素子1と波
長選択素子4との間にバンドパスフィルタ(BPF)1
3bを挿入して図2の下方向(光ファイバ16b)から
信号光を入射させる。第3の方法では、波長選択素子4
に対して図2の右(光ファイバ16c)から信号光を入
射させる。いずれの方法により信号光を入射させるか
は、波長変換素子1、波長選択素子4あるいはBPF等
の構成に応じて選択する。
【0043】このように構成された波長変換装置は、上
述の第1の実施形態に係る波長変換装置と同様に動作
し、第1の実施形態と同様に、波長選択素子4により半
導体レーザ2にフィードバックされる光の波長を制限し
ているために、ポンプ光の波長を安定化させ、変換光の
強度、波長を共に安定させることができる。
【0044】なお、第1及び第2の実施形態における波
長変換装置に対する信号光の入射方法は、実際の光通信
システムの設計に応じていずれかを選択する。
【0045】第3の実施形態 図3は本発明の第3の実施形態に係る波長変換装置の構
成を示している。この波長変換装置は、同図中に示すよ
うに、ポンプ光を発生する半導体レーザ22と、半導体
レーザ22からのポンプ光を透過させるバンドパスフィ
ルタ23と、疑似位相整合部分(QPM部分)24cと
ブラッグ反射部分(DBR部分)24dとが一体に形成
された波長変換素子24と、光ファイバ26からの信号
光を波長変換素子24に伝播させると共に、波長変換素
子24からの光を光ファイバ26に伝播させない光アイ
ソレータ25とを備えている。
【0046】半導体レーザ22の一方の端面(波長変換
素子24に臨む端面の反対側の端面)には高反射コーテ
ィング部(100%反射が望ましい)22aが形成され
ている。
【0047】また、この反射面22aと反対側の半導体
レーザ22の出力端面22bの反射率をr、波長変換素
子の端面24a及び24bの反射率をr’、r”、DB
R部分24cからの帰還率をrD とすると、 r’、r” << rD r << rD (5) r’、r” < r なる関係を満たすように、コーティング等の表面処理を
選択することによって各端面22b、24a、24bの
反射率が設定されており、半導体レーザ22の低反射側
22bから発振光(ポンプ光)を出力する構成となって
いる。
【0048】半導体レーザ22の低反射側22bから出
力されたポンプ光は、バンドパスフィルタ23を介して
波長変換素子24に入射する。この波長変換素子24の
ポンプ光の入力側には周期的分極反転構造からなるQP
M部分24cが形成されており、反対側には、周期的屈
折率分布からなる分布帰還構造部分(DBR)が形成さ
れている。このような構成では、図3中に示すように、
共に左向き方向に伝播するポンプ光(波数ベクトルk
p)と信号光(波数ベクトルks)の間で位相整合が取
られる。従って、ポンプ光を反射するDBR部分の反射
率を十分に大きくしてポンプ光の強度を保つ必要があ
る。
【0049】この波長変換装置では、光ファイバ26か
らの信号光(例えば波長1.55μm)は、光アイソレ
ータ25を介して半導体レーザ22からのポンプ光(例
えば波長0.78μm)とは反対側から波長変換素子2
4に入射する構成とされている。これは、上述の図2に
示す第2の実施形態における第3の方法に相当する。
【0050】このように構成された波長変換装置では、
波長変換素子24のDBR部分24dと半導体レーザ2
2の高反射コーティング部22aより光共振器が構成さ
れる。従って、DBR部分24dにより反射される光の
波長が制限され、レーザの発振波長が制限されて単一波
長モードで発振する。すなわち、波長変換素子24のD
BR部分24dにより反射される光の波長はDBR部分
24dの屈折率の周期構造の周期によって決まるため、
半導体レーザ22はこの屈折率の周期構造の周期(ブラ
ッグ条件という。)によって決まる波長で発振する。
【0051】半導体レーザ22からのポンプ光(具体的
には、さらにDBR部分24dで反射されたポンプ光)
と光ファイバ26からの信号光が波長変換素子24に入
射されると、QPM部分24cでこれらの光の波長に基
づく波長の光(例えばこれらの光の波長の差の周波数の
光)が発生する。このように発生した変換光は、バンド
パスフィルタ23において、波長に対して選択的に反射
され、外部に取り出される。これにより、信号光(波長
1.55μm)及び変換光(波長1.57μm)が図3
中の下方向に出力される。
【0052】ここで、半導体レーザ22の発振動作をさ
らに詳しく説明する。図3に示す波長変換装置全体をレ
ーザ発振器と考えると、半導体レーザ22の活性領域を
挟んで複数の共振器構造が構成されていると考えること
ができる。
【0053】すなわち、半導体レーザ22の高反射コー
ティング部22aと端面22bにより構成される共振器
(第1の共振器、この共振器が半導体レーザ22のみを
ファブリ・ペロ型レーザと見た場合の共振器に相当す
る)、半導体レーザ22の高反射コーティング部22a
と波長変換素子24の端面24aにより構成される共振
器(第2の共振器)、半導体レーザの高反射コーティン
グ部22aとDBR部分24dで構成される共振器(第
3の共振器)、半導体レーザの高反射コーティング部2
2aと端面24bにより構成される共振器(第4の共振
器)が考えられる。この他にも共振構造と見なせる部分
はあるが、これらは上述の第1〜第4の共振器に比較し
てレーザ発振に対する寄与が少なく、無視することがで
きる。
【0054】この実施形態においては、半導体レーザ2
2を通常のキャビティ長350μmの半導体レーザとし
ているので、第1の共振器の発振モード間隔は当然に通
常のキャビティ長350μmの半導体レーザ22のモー
ド間隔に等しく0.3nm程度、第2及び第4の共振器
の発振モード間隔はこれより約数百分の1程度以下の極
めて狭い間隔である。一方、第3の共振器の発振モード
はDBR部分24dの屈折率周期で決まる高反射条件に
相当する波長に対応し、これは100nm程度の間隔で
存在する。
【0055】そこで、半導体レーザ22の高反射コーテ
ィング部22aの反射率をほぼ100%として、半導体
レーザの出力端面22bの反射率をr、波長変換素子2
4の端面24a及び24bの反射率をr’、r”、DB
R部分24dからの帰還率をrD とした場合、 r’、r” << rD r << rD (5) r’、r” < r なる関係を満たすようにコーティングがされていれば、
第2の共振器による発振モードが選択されることはまず
なく、第1及び第3の共振器によって決まるモードが選
択される。具体的には、第1共振器の0.3nm間隔の
モードのうち第3の共振器のDBR部分24dからの帰
還光の波長に最も近いモードが選択されることになる。
【0056】DBR部分24dからの帰還光のうち発振
光の波長となり得るのは、モード間隔が100nm程度
あり、(レーザダイオード22の)活性領域の利得の幅
が100nm程度であることからただ1つの波長に限ら
れる。またDBR部分24dからの帰還光のスペクトル
半値幅が上述のように0.1nm程度であるので、これ
より広いモード間隔をもつ第1共振器のモードは問題な
く1つに選択できる。この選択されたモードのスペクト
ル半値幅は通常のキャビティ長350μmの半導体レー
ザの半値幅に等しく、これは一般的に数MHz程度であ
る。この半値幅は上述のような外部からの帰還がなくと
も通常のファブリ・ペロモードで発振している半導体レ
ーザにおいても変わらず、各モード一つ一つの半値幅は
やはり数MHzである。この値は半導体レーザの活性領
域に特別な利得のゆらぎ等を加えるといった特別な操作
を加えない限りファブリ・ペロ型のレーザ固有の値とな
っている。
【0057】一方、第2、第4の共振器のモード間隔
は、第1の共振器のモード間隔に比べ数百分の1程であ
るので、DBR部分24dからの帰還光のスペクトル半
値幅よりはるかに狭くなってDBR部分24dからの帰
還光の半値幅の中に複数の発振可能モードが含まれるこ
とになり、DBR部分24dからの帰還光による発振モ
ードの選択は安定的にはできないことになる。このた
め、この波長変換装置では、これら第2及び第4の共振
器によるモードが支配的にならないように、波長変換素
子の端面24a及び24bの反射率r’、r”を半導体
レーザの出力端面22bの反射率r及びDBR部分24
dからの帰還率rD に比べて十分に小さく構成してい
る。
【0058】ところで、この波長変換装置では、波長変
換素子24がQPM部分24c及びDBR部分24dを
一体化して形成されているので、十分な精度を持って疑
似位相整合条件を満たすことができ、発振波長を確定さ
せることができる。このため、システムを構成する際の
作業を簡単化することができ、また、構成したシステム
の経年変化を低減させることができる。
【0059】また、この図3に示す波長変換装置では、
変換光を取り出す方向(図3中のバンドパスフィルタ2
3の下方向)にポンプ光が全く混入しないことである。
システムの設計上、ポンプ光が混入することが不都合で
ある場合には、図3に示すような構成を取ることで解決
する。
【0060】ポンプ光の帰還効率を十分に大きく取るた
めには、DBR部分24dの反射率を十分に大きくする
必要があり、さらに、この波長変換装置では、DBR部
分24dからの帰還光が往復する途中に波長変換部分
(QPM部分24c)があるのでこのQPM部分24c
でのポンプ光の減衰をできるだけ小さくしなければなら
ない。しかしながら、変換光の変換効率を高くすると、
QPM部分24cにおけるポンプ光の減衰が大きくなる
ため、特に高効率の波長変換装置を構成する場合には、
全体的な効率を考慮してポンプ光の帰還効率を設定する
必要がある。
【0061】上述のように、この第3の実施形態に係る
波長変換装置では、ポンプ光を発生する半導体レーザ2
2に帰還される光をDBR部分24dによって帯域制限
しているため、上述の第1及び第2の実施形態と同様
に、半導体レーザ22の発振波長が極めて安定してお
り、また、ポンプ光のスペクトルの半値幅が極めて狭
い。このため、波長変換素子24において発生される変
換光の波長を安定させることができ、さらに変換光のス
ペクトルの半値幅を極めて狭いものとすることができ
る。このような波長変換装置をWDMシステム用いるこ
とにより、システムの性能の向上に寄与することができ
る。
【0062】第4の実施形態 図4は、本発明の第4の実施形態に係る波長変換装置の
構成を示している。この波長変換装置は、上述の図3に
示す第3の実施形態と同様に、半導体レーザ32と、バ
ンドパスフィルタ33と、QPM部分34cとDBR部
分34dとが一体に形成された波長変換素子34と、バ
ンドパスフィルタ33からの光を光ファイバ36に伝播
させない光アイソレータ35とを備えている。
【0063】半導体レーザ32の一方の端面(波長変換
素子34に臨む端面の反対側の端面)には高反射コーテ
ィング部(100%反射が望ましい)32aが形成され
ている。
【0064】また、半導体レーザ32、波長変換素子3
4の各々の端面は、半導体レーザ32の出力端面32b
の反射率をr、波長変換素子の端面34a及び34bの
反射率をr’、r”、DBR部分34dからの帰還率を
D とすると、 r’、r” << rD r << rD (5) r’、r” < r なる関係を満たすようにコーティング等によって反射率
が調整されており、半導体レーザ32の低反射側32b
から発振光(ポンプ光)を出力する構成となっている。
【0065】半導体レーザ32からのポンプ光は、バン
ドパスフィルタ33を通して波長変換素子34に入射す
る。この波長変換素子34には、上述の第3の実施形態
とは逆に、ポンプ光の入射側に周期的屈折率分布からな
る分布帰還構造(DBR)部分34dが形成されてお
り、これと反対側に周期的分極反転構造からなる疑似位
相整合(QPM)部分34cが形成されている。
【0066】また、この波長変換装置では、第3の実施
形態とは異なり、図4中の右方向に伝播するポンプ光
(波数ベクトルkp)、信号光(波数ベクトルks)に
対して位相整合が取られる。
【0067】一方、信号光(ここでは波長1.55μ
m)は、光ファイバ36、光アイソレータ35を介して
ポンプ光(ここでは波長0.78μm)とは直角方向に
バンドパスフィルタ33に入射し、このバンドパスフィ
ルタ33により選択的に反射されて波長変換素子34に
入射する構成とされている。これは第1の実施形態の第
1の方法に相当する。
【0068】このように構成された波長変換装置では、
半導体レーザ32の高反射コーティング部32aと波長
変換装置34のDBR部分34dにより光共振器が構成
される。このDBR部分34dにより半導体レーザ32
に帰還される光の波長は、上述のDBR部分34dの屈
折率の周期的分布の周期(ブラッグ条件)によって決ま
る波長に制限される。これにより、半導体レーザ32は
制限された波長(単一波長モード)で発振する。
【0069】また、DBR部分34dを通過したポンプ
光とバンドパスフィルタ33を介して波長変換素子34
に入射した信号光がQPM部分34cに入射すると、こ
のQPM部分34dにおいてポンプ光と信号光の差の周
波の光(変換光)が発生する。この変換光は、図4中の
波長変換素子34の右端から出力される。
【0070】この波長変換装置は、上述の第3の実施形
態と同様に半導体レーザ32に帰還される光の波長を制
限しているため、半導体レーザ32により発生されるポ
ンプ光の発振波長を安定させることができ、またポンプ
光のスペクトルの半値幅を極めて狭くすることができ
る。従って、波長変換素子において発生する変換光の波
長を安定させ、変換光のスペクトルの半値幅を極めて狭
くすることができる。
【0071】また、この波長変換装置では、上述の第3
の実施形態と同様に、波長変換素子がQPM部分24d
及びDBR部分24cとを一体化して形成されているの
で、十分な精度を持って疑似位相整合条件を満たすこと
ができ、発振波長を確定させることができる。このた
め、システムを構成する際の作業を簡単化することがで
き、また、構成したシステムの経年変化を低減させるこ
とができる。
【0072】また、この波長変換装置では、変換光の出
力中にポンプ光が混入するため、この点を考慮して設計
を行う必要があるが、半導体レーザ32の発振のための
帰還光が往復する光路中に波長変換部分(QPM部分3
4c)がないため、このQPM部分34cにおけるポン
プ光の減衰を考慮する必要がなく、ポンプ光の強度を高
くする等の設計を容易にすることができる。
【0073】第5の実施形態図5に示すように、本発明
の第5の実施形態に係る波長変換装置の構成を示してい
る。この波長変換装置は、上述の図3に示す第3の実施
形態に係る波長変換素子24のDBR部分24d、アイ
ソレータ25の代わりに光ファイバ46の出力端近傍に
DBR部分46aを備えたものである。
【0074】この波長変換装置は、第3の実施形態と同
様に、半導体レーザ42と、バンドパスフィルタ43
と、QPM部分44cが形成された波長変換素子44と
を備えている。
【0075】半導体レーザ42の一方の端面(波長変換
素子34に臨む端面の反対側の端面)には高反射コーテ
ィング部(100%反射が望ましい)32aが形成され
ている。
【0076】また、半導体レーザ42、波長変換素子4
4の各々の端面は、半導体レーザ42の出力端面42b
の反射率をr、波長変換素子の端面44a及び44bの
反射率をr’、r”、光ファイバ46のDBR部分46
aからの帰還率をrD とすると、 r’、r” << rD r << rD (5) r’、r” < r なる関係を満たすようにコーティング等によって反射率
が調整されており、半導体レーザ42の低反射側42b
から発振光(ポンプ光)を出力する構成とされている。
【0077】半導体レーザ42からのポンプ光は、バン
ドパスフィルタ43を通して波長変換素子44に入射す
る。上述のように、この波長変換素子44にはQPM部
分44cだけが形成されており、光ファイバ46の出力
端近傍にDBR部分46が形成されている。
【0078】この波長変換装置では、上述の第3の実施
形態と同様に、共に図5中の左方向に伝播するポンプ光
(波数ベクトルkp)、信号光(波数ベクトルks)に
対して位相整合が取られる。従って、ポンプ光を反射す
るDBR部分の反射率を十分に大きくする必要がある点
では、上述の第3の実施形態と同様である。
【0079】一方、信号光(ここでは波長1.55μ
m)は、光ファイバ46に導かれ、この光ファイバ46
の出射端近傍のDBR部分46aを通って半導体レーザ
42からのポンプ光(ここでは波長0.78μm)とは
反対側から波長変換素子44に入射する構成とされてい
る。これは第2の実施形態の第3の方法に相当する。
【0080】このように構成された波長変換装置では、
半導体レーザ42の高反射コーティング部42aと光フ
ァイバ46の出射端近傍のDBR部分46aにより光共
振器が構成される。このDBR部分46aにより半導体
レーザ42に帰還される光の波長は、上述のDBR部分
46aの構造によって決まる波長に制限される。これに
より、半導体レーザ42は制限された波長(単一波長モ
ード)で発振する。
【0081】DBR部分46aにより反射されたポンプ
光と、DBR部分46aを介して波長変換素子44に入
射した信号光がQPM部分44cに入射すると、このQ
PM部分44cにおいてポンプ光と信号光の差の周波の
光(変換光)が発生する。この変換光は、図5中の波長
変換素子44の左端から出力され、バンドパスフィルタ
43で反射され、信号光(波長1.55μm)及び変換
光(波長1.57μm)図5中の下方向に出力される。
【0082】この波長変換装置では、上述の各実施形態
と同様に、半導体レーザ42に帰還される光がDBR部
分46aによって波長制限されているため、ポンプ光の
発振波長が極めて安定しており、またポンプ光のスペク
トルの半値幅が極めて狭い。このため、波長変換素子4
4において発生する変換光の波長を安定させることがで
き、また変換光のスペクトルの半値幅を極めて狭くする
ことができる。このような波長変換装置をWDMシステ
ムに用いることより、システムの性能の向上に寄与する
ことができる。
【0083】また、この波長変換装置では、バンドパス
フィルタ43を用いて信号光、変換光を選択的に反射さ
せて出力しているため、原理的に変換光を出力する方向
にポンプ光が全く混入しない。従って、システムの設計
上、ポンプ光が混入することが不都合である場合には、
この図5に示した構成を取ることで解決する。ただし、
ポンプ光の帰還効率を十分に大きく取るためには、DB
R部分46aの反射率を十分に大きくする必要がある点
については上述の第3の実施形態と同様である。
【0084】また、この波長変換装置では、上述の第3
の実施形態と同様に、DBR部分46aからの帰還光が
往復する途中にQPM部分44cが挟まれているため、
ポンプ光の帰還効率を十分に大きく取るためには、第3
の実施形態と同様に、DBR部分46aの反射率を十分
に大きくこのQPM部分44cでのポンプ光の減衰をで
きるだけ小さくしなければならない。しかしながら、第
3の実施形態と同様に、変換光の変換効率を高くする
と、QPM部分44cにおけるポンプ光の減衰が大きく
なるため、特に高効率の波長変換装置を構成する場合に
は、全体的な効率を考慮してポンプ光の帰還効率を設定
する必要がある。
【0085】また、この波長変換装置では、QPM部分
44cとDBR部分46aが一体化されていないので、
疑似位相整合条件と発振波長の確定を十分な精度を保持
したまま同時に満たすことができない。ところで、QP
M部分とDBR部分とでは製造プロセスが異なるので、
これらを一体化した場合では両方の部分を同時に最適条
件で作成することが難しい。この波長変換装置では、Q
PM部分46aとDBR部分44cを一体化していない
ので、これらを別個に作成することができ、これらを最
適条件で作成することが容易となる。
【0086】なお、上述の第3〜第5の実施形態の波長
変換装置には、実際の機器の設計時に若干の注意を要す
るが、実際の機器に最適な構成を選択すればよい。
【0087】以上説明したように、上述の各実施形態の
波長変換装置では、変換光のスペクトルの半値幅がWD
Mシステム等の光通信システムにおいて求められる光の
スペクトル幅(例えば5MHz)程度かそれ以下、具体
的には5MHz程度あるいはそれ以下にできる。また、
半導体レーザを用いることができるため、これらの波長
変換装置用いた機器を小型化することができる。
【0088】上述のような波長変換装置は、例えばWD
M(波長多重)交換システムにおいて異なる波長間のス
イッチングを行う波長スイッチング素子として用いられ
る。図6はこのようなWDM交換システムの構成例を示
している。
【0089】このWDM交換システムは、入力された光
を分岐する光分岐素子50と、分岐された光から特定の
波長の光を選択する波長選択素子51と、選択された光
の波長を変換する波長変換素子(上述の波長変換装置が
用いられる)52と、波長変換素子の出力光の波長を特
定の波長に制限する波長選択素子53と、波長選択素子
53からの出力光を合成する合波器54とを備えてい
る。また、このシステムは、各波長の光の使用状況等に
応じて各波長選択素子51、波長変換素子52、波長選
択素子53等の制御を行う制御部(図示せず)等を備え
ている。
【0090】この制御部は、例えば出力伝送路中の波長
λ1の光で形成されているチャンネルが混雑している場
合等にこれを検出し、波長λ1として入力された光が空
いているチャンネルの波長(例えば波長λ2)に変換さ
れるように各波長選択素子51、波長変換素子52、波
長選択素子53等の制御を行う。
【0091】このような制御に基づいて、まず、光分岐
素子50と波長選択素子51によって波長λ1の光を分
離選択して波長変換素子52に導く。次に、波長変換素
子52によって、波長λ1の光を波長λ2の光に変換
し、更に波長選択素子53によって波長λ2の光だけを
合波器54に出力し、合波器54において他の波長の光
と合成し出力伝送路に送出する。
【0092】このような波長交換を行うことにより、出
力伝送路の特定の波長のチャンネルが使用中であって
も、他の波長チャンネルが空いていれば波長変換を行っ
て通信を継続することができる。これにより、一時待機
等の手段を講ずることなくスムーズな通信が可能とな
り、通信効率を高めることができる。
【0093】ところで、被変換光(上述の各実施形態で
は、半導体レーザからのポンプ光に相当する)の波長を
安定化する方法として、例えば特開平6−283791
号、特開平5−11297号、特開平5−66440号
等に示された方法がある。これらの方法では、半導体レ
ーザの発振光(被変換光)の第2高調波を発生する装置
において、このブラッグ反射により半導体レーザに帰還
する光の波長を制限する波長固定法(ブラッグロッキン
グ)が用いられている。
【0094】しかしながら、上述の各実施形態において
差周波発生等を行う場合のように2種類以上の基本波光
(この場合はポンプ光と信号光に相当)を必要とする波
長変換装置にこのブラッグロッキングが採用された例は
従来にはない。
【0095】また、上述の各公開公報に記載されている
発明中で用いられているブラッグロッキング法はあくま
で半導体レーザの発振波長の安定化を目的としているも
のであり、上述の各実施形態のように発振光のスペクト
ルの半値幅を狭くして波長の純粋性を確保する目的では
ない。
【0096】従って、上述の各公開公報に記載された発
明では、発振光のスペクトルの半値幅を狭くするための
ブラッグ構造の長さの最適化等の課題の検討はなされて
おらず、これらの発明の単なる延長として上記各実施形
態を完成させることは不可能である。変換光のスペクト
ル狭線化に注目して差周波発生を光交換技術に取り入れ
ることが可能であることに着目して一連の技術を完成す
ることは、大きな発想の転換が必要であり容易に完成す
ることはできない。
【0097】なお、上述の各実施形態の説明では、波長
変換素子として主にDFGを中心に説明したが、変換光
を得るためにはSFGによることも可能である。この場
合は、ポンプ光としての半導体レーザの発振波長を例え
ば1.55μm近傍に設定し、これに対応させてバンド
パスフィルタの透過特性等をSFG用に変更する等の変
更を必要とする。
【0098】また、DFG、SFG以外にも2次の非線
形光学効果である光パラメトリック発振・増幅等をも変
換光を得るために波長変換素子として用いることができ
る。さらに、3次以上の高次の非線形光学効果を利用す
ることも可能であり、特に四光波混合による波長変換を
用いることができる。これらの異なる光学効果を用いる
場合には、バンドパスフィルタの特性、半導体レーザの
発振可能波長帯域等の変更が必要であることは言うまで
もない。
【0099】
【発明の効果】本発明に係る波長変換装置は、波長選択
手段によって半導体レーザに帰還させる光の波長を制限
することにより、半導体レーザの発振波長のスペクトル
幅を狭くすることができ、波長変換手段において発生す
る変換光のスペクトル幅を狭くすることができる。
【0100】また、本発明に係る他の波長変換手段は、
分布帰還(DBR)手段により半導体レーザに帰還され
る光の波長を制限することにより、半導体レーザの発振
波長のスペクトル幅を狭くして波長変換手段において発
生する変換光のスペクトル幅を狭くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る波長変換装置
の構成を示す図である。
【図2】 本発明の第2の実施形態に係る波長変換装置
の構成を示す図である。
【図3】 本発明の第3の実施形態に係る波長変換装置
の構成を示す図である。
【図4】 本発明の第4の実施形態に係る波長変換装置
の構成を示す図である。
【図5】 本発明の第5の実施形態に係る波長変換装置
の構成を示す図である。
【図6】 WDM交換システムの要部の構成例を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
1、24、24、34、44 波長変換素子、2、2
2、32、42 半導体レーザ、3a、3b、13a〜
13c、23、33、43 バンドパスフィルタ、24
c、34c、44c QPM部分、24d、34d、4
6a DBR部分

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基本波光を発生する半導体レーザと、 半導体レーザからの基本波光と外部からの信号光に基づ
    いて変換光を発生し、出力する波長変換手段と、 半導体レーザに帰還させる光の波長を制限し、所定の波
    長の光のみを選択的に帰還させる波長選択手段とを備え
    ることを特徴とする波長変換装置。
  2. 【請求項2】 上記波長選択手段が半導体レーザと波長
    変換手段の間に配置されていることを特徴とする請求項
    1記載の波長変換装置。
  3. 【請求項3】 上記波長選択手段が半導体レーザと波長
    変換手段の間に配置されていることを特徴とする請求項
    1記載の波長変換装置。
  4. 【請求項4】 上記半導体レーザからの基本波光と異な
    る方向から供給された上記信号光を上記波長変換手段に
    入射させる信号光入射手段を備えることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の波長変換装置。
  5. 【請求項5】 上記波長変換手段からの変換光を、上記
    半導体レーザからの基本波光と異なる方向に出力させる
    変換光出力手段を備えることを特徴とする請求項1又は
    3に記載の波長変換装置。
  6. 【請求項6】 上記波長選択手段が帰還させる光のスペ
    クトルの半値幅が所定の半値幅以下程度であり、 上記半導体レーザは、波長選択手段により帰還された光
    の波長で発振することを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれかに記載の波長変換装置。
  7. 【請求項7】 光路の一端に高反射コーティングを有
    し、該高反射コーティングの反対側の出力端面から発生
    した基本波光を出力する半導体レーザと、 疑似位相整合手段(以下、QPM手段という。)と、上
    記半導体レーザに帰還させる光の波長を制限する分布帰
    還手段(以下、DBR手段という。)とを有し、上記半
    導体レーザからの基本波光と外部からの信号光に基づい
    て変換光を発生する波長変換手段とを備え、 上記半導体レーザの出力端面の反射率をr、上記波長変
    換手段の両端面の反射率をr’、r”、上記DBR手段
    からの帰還率をrD とし、 r’,r” << rD, r<<rD, r’,r”<<r なる関係を満たすように各端面の反射率が設定されてい
    ることを特徴とする波長変換装置。
  8. 【請求項8】 上記QPM手段は、上記波長変換手段の
    上記半導体レーザからの基本波光の入力側に配置されて
    いることを特徴とする請求項7記載の波長変換装置。
  9. 【請求項9】 上記QPM手段は、上記波長変換手段の
    上記変換光の出力側に配置されていることを特徴とする
    請求項7記載の波長変換装置。
  10. 【請求項10】 上記半導体レーザからの基本波光と異
    なる方向から供給された上記信号光を上記波長変換手段
    に入射させる信号光入射手段を備えることを特徴とする
    請求項7又は9に記載の波長変換装置。
  11. 【請求項11】 上記波長変換手段からの変換光を、上
    記半導体レーザからの基本波光と異なる方向に出力させ
    る変換光出力手段を備えることを特徴とする請求項7又
    は8に記載の波長変換装置。
  12. 【請求項12】 上記QPM手段とDBR手段が一体に
    形成されていることを特徴とする請求項8又は9に記載
    の波長変換手段。
  13. 【請求項13】 上記DBR手段は、信号光を伝播させ
    て波長変換素子に入射させる光ファイバの出力端近傍に
    形成されていることを特徴とする請求項8記載の波長変
    換装置。
  14. 【請求項14】 上記信号光入射手段は、上記信号光を
    選択的に反射させるバンドパスフィルタからなり、 上記波長変換手段からバンドパスフィルタを介して出力
    される戻り光を防止する光アイソレータを備えることを
    特徴とする請求項10記載の波長変換装置。
  15. 【請求項15】 上記変換光出力手段は、上記変換光を
    選択的に反射させるバンドパスフィルタからなることを
    特徴とする請求項11記載の波長変換装置。
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