JPH10208683A - 走査形電子顕微鏡 - Google Patents

走査形電子顕微鏡

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JPH10208683A
JPH10208683A JP10061897A JP6189798A JPH10208683A JP H10208683 A JPH10208683 A JP H10208683A JP 10061897 A JP10061897 A JP 10061897A JP 6189798 A JP6189798 A JP 6189798A JP H10208683 A JPH10208683 A JP H10208683A
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JP
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electrons
electron
reflected
electron beam
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Application number
JP10061897A
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English (en)
Inventor
Mitsugi Sato
佐藤  貢
Yoichi Ose
洋一 小瀬
Satoru Fukuhara
福原  悟
Hideo Todokoro
秀男 戸所
Makoto Esumi
真 江角
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は電子線装置に係り、特に低加速電圧に
おいて試料から発生した二次電子と反射電子を共に検出
し、高分解能像を得るのに好適な走査電子顕微鏡及びそ
の類似装置に関する。 【構成】本発明の走査形電子顕微鏡においては、一次電
子線を挟んで対向し、その間で電界を形成する電極と、
前記電界の一次電子線に対する偏向作用に対向する偏向
作用を生じさせる磁界を形成する磁極と、一次電子線の
照射に起因して発生し、前記電界及び磁界によって偏向
される2次電子及び反射電子の軌道上に配置される検出
器とを備え、該検出器は前記対物レンズより電子源側に
備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子線装置に係り、特に
試料から発生した反射電子を検出し、高分解能像を得る
のに好適な走査電子顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、走査形電子顕微鏡では反射電子を
検出するために二次電子検出器とは別の検出器(半導体
やシンチレータ)を試料の上部(電子源側)に配置して
検出していた。反射電子検出器を備えた電子線装置が特
開平4−162337 号公報に開示されている。
【0003】これによれば試料に電子線を照射した結果
得られる反射電子を対物レンズの下に配置された反射電
子検出器によって検出する電子線装置が開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】対物レンズ下面と試料
との間の距離はワーキングディスタンスと呼ばれ、この
距離が短い程、収差を低減できることが知られている。
しかしながら特開平4−162337号公報によれば、対物レ
ンズと試料の間に反射電子検出器を配置する如き構成と
なっているので、上述のワーキングディスタンスの短縮
という点については問題があった。
【0005】一方、特開昭64−52370 号公報には、対物
レンズより上に配置された検出器で2次電子を検出する
技術についての開示があるが、エネルギーの高い反射電
子を検出することについては何等配慮がされていなかっ
た。
【0006】本発明の目的は、2次電子と反射電子を共
に検出するのに好適な走査形電子顕微鏡の提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、電子源と、該
電子源から放出された一次電子線を対物レンズで収束し
て試料に照射し、該照射に基づいて得られる電子を検出
する走査形電子顕微鏡において、前記一次電子線を挟ん
で対向し、その間で電界を形成する電極と、前記電界の
一次電子線に対する偏向作用に対向する偏向作用を生じ
させる磁界を形成する磁極と、前記一次電子線の照射に
起因して発生し、前記電界及び磁界によって偏向される
2次電子及び反射電子の軌道上に配置される検出器とを
備え、該検出器は前記対物レンズより電子源側に備えら
れていることを特徴とする。
【0008】
【作用】上記構成によれば、同じ偏向に対して異なる偏
向軌道を描く反射電子と2次電子の軌道をカバーするよ
うに検出器が配置されているので、2次電子と反射電子
を共に検出することが可能になる。また一次電子線に対
する影響を緩和しつつ、反射電子と2次電子の検出効率
を高めることが可能になる。
【0009】また直進性に優れた反射電子は半導体試料
上のコンタクトホールを観察するのに好適である。即ち
コンタクトホールに対する反射電子による観察能力と、
コンタクトホール以外の領域に対する2次電子による観
察能力を併せ持つ走査形電子顕微鏡の提供が可能にな
る。
【0010】
【実施例】図1は本発明の走査形電子顕微鏡の一実施例
を示す図面である。
【0011】陰極101と第一陽極102に印加される
電圧V1により陰極101から放射された一次電子線1
04は、第二陽極103に印加される電圧Vaccに加
速されて後段のレンズ系に進行する。この一次電子線1
04は、集束レンズ制御回路170で制御された集束レ
ンズ105と対物レンズ制御回路174で制御された対
物レンズ106により試料107に微小スポットとして
集束され、二段の偏向コイル108で試料上を二次元的
に走査される。偏向コイル108の走査信号は、入力装
置154により指定された観察倍率に応じて、CPU150に
よって偏向制御回路176を介し制御される。
【0012】そして、本発明の一実施例では光軸上に二
次電子109を透過できる多孔電極112と対向電極1
11および該電極で発生する電界Eとほぼ直交する磁界
Bを発生させる図2で示した磁界発生用コイル213,
214を配置して二次電子109と反射電子110の軌
道を分離し、分離されて多孔電極112を透過した二次
電子109の軌道を見込む位置に二次電子検出器120
と、二次電子と分離された反射電子軌道を見込む位置に
反射電子検出器121を配置して両電子を分離して検出
する構成となっている。
【0013】この構成により、一次電子線104は多孔
電極112と対向電極111で発生する電界Eと同一方
向に偏向する力を受ける。一方、磁界発生用コイル21
3,214により電界Eと直交する磁界Bが生成される
ので、一次電子線104はローレンツ力を受けて磁界B
と光軸(一次電子線の進行方向)とにそれぞれ直交する
方向、すなわち電界Eの向きと同一直線上の力を受け
る。従って、磁界Bの極性および強さを適切に選べば電
界Eによる一次電子線の軌道の曲がりを磁界Bで完全に
打ち消すことができる。また、光軸近傍では電界Eと磁
界Bがほぼ均一なため、不均一な電磁界分布に起因する
非点収差等は生じず最終的には何の作用も受けずに対物
レンズ106に入射する。
【0014】この試料107の一次電子線照射点からは
二次電子109と反射電子110が放出される。二次電
子109は、対物レンズ106による磁界の影響で螺旋
運動をしながら上部へ進行し、多孔電極112と対向電
極111で生成する電界Eおよび直交磁界発生コイル2
13,214で生成する磁界Bの作用で強く偏向される
ため、多孔電極112を透過して二次電子検出器120
に捕捉される。また、反射電子110は、エネルギーが
高いため、直交電磁界の作用を受けても多孔電極を透過
する程度までには偏向されず、その軌道を少し曲げてさ
らに上部に進行する。しかし、この反射電子軌道を見込
む位置に検出器121が配置されているため、反射電子
110は反射電子検出器121に捕捉される。
【0015】反射電子検出器121からの信号は可変増
幅器160に入力され、又、二次電子検出器120から
の信号も可変増幅器162に入力され、それぞれの信号
はおのおのゼロを含む任意の利得で増幅された後A/D
変換器178,180によりディジタル信号に変換され
て、データバス158に入力される。そしてこれらの信
号はCPU150により信号処理され、その後、又は信号処理
される前にもメモリ等による記憶装置152にデータ信
号を記憶させている。そして、記憶装置152に記憶さ
れた反射電子,二次電子の信号、又は処理された信号を
用いてCPU150はインターフェース156を介して、CR
T等の表示装置125に試料の反射電子像,二次電子
像、そして処理された信号による拡大された試料像を表
示している。また、記憶手段を介さなくても、試料10
7を走査している時に、それらの試料像をリアルタイム
で表示する機能を持つ。
【0016】また、上記実施例では固定状態で示した
が、入力装置154からの指示によりCPU150は電子線の
加速電圧Vaccの値、そして、反射,二次電子検出器
の捕捉電界の強さ、さらには、集束,対物レンズの電流
値を可変する機能を持つ。
【0017】図2,図3は本発明の走査電子顕微鏡の電
界、及び磁界の一実施例を詳細に示したものである。
【0018】多孔電極112と対向電極111との間に
±Ve(V)の電位差を与えて電界Eを発生させると、
加速電圧Vaccの一次電子線104は、Ve/Vac
cに比例した角度θe=Ke・Ve/Vaccだけ偏向
される。ここで、Keは多孔電極12および対向電極1
1の形状や配置で決まる定数である。
【0019】一方、直交磁界発生コイル213,214
に励磁電流1b(A)を流すと電界Eと直交する磁界B
が発生し、一次電子線104は1b/√Vaccに比例
した角度θb=Kb・Ib/√Vaccだけ電界による
偏向とは逆向きに偏向される。ここで、Kbは、直交磁
界発生コイル213,214の形状や配置で決まる定数
である。互いに直交する電界Eと磁界Bが同時に存在す
る場合には、電界Eと磁界Bによる力の合成で一次電子
線の軌道が決まるため、θe=θbに選べば一次電子線
は偏向作用を受けずに直進する。
【0020】一方、試料107から発生した二次電子1
09と反射電子110は、一次電子線104と進行方向
が逆向きであるため、電界と磁界とで同一方向、即ち、
多孔電極側に偏向される。したがって、θeとθbを一
定に保てば、一次電子とほぼ同エネルギーを持つ反射電
子は、常に一定の角度で多孔電極側に偏向される。
【0021】この時、試料から発生する反射電子は一次
電子とほぼ同じエネルギーをもっているので、図3に示
された直交する電界と磁界で反射電子が偏向される角度
θBSE は、θBSE =θe+θbで与えられる。
【0022】よって、一次電子が偏向されない条件: θe=θb および反射電子の偏向角θBSE が一定となる条件: θBSE =θe+θb=一定 の両方を満たすように、電極に印加する電圧Veとコイ
ルに流す励磁電流Ib(A)とを設定することで目的を
達成できる。以上のことより、電圧Veと電流Ibとの
関係を Ve=K・Vacc Ib=K・(Ke/Kb)・√Vacc すればよい。ここで、Kは、反射電子の偏向角度θBSE
を決める定数である。
【0023】また、二次電子に関しては、そのエネルギ
ーがきわめて小さいため、直交電磁界で強く偏向されて
多孔電極112を透過してしまう。したがって、反射電
子の軌道を見込む位置と多孔電極を見込む位置におのお
の電子検出器を配置すると、反射電子と二次電子とが分
離して検出される。
【0024】図4は、二次電子と反射電子を分離して検
出するための他の実施例を示している。
【0025】図3に示した本発明の一実施例では、二次
電子と分離された反射電子軌道上に反射電子を二次電子
に変換する二次電子変換電極440を配置してこの電極
にアースまたは負の電圧を印加すると反射電子は電極に
衝突して、電極表面からエネルギーの小さい二次電子を
発生する。直交電磁界の強さは、一次電子線104に対
して偏向作用を及ぼさないように設定されているが、一
次電子に比較してエネルギーの小さい二次電子450
は、磁界よりも電界によって強く曲げられる。その結
果、多孔電極側に強く偏向されて多孔電極112を透過
し、多孔電極を見込む位置に配置された検出器で検出さ
れる。また、多孔電極112の下部に軸対称電極441
を配置してこの電極に適当な負の電圧を印加すると、試
料から発生した二次電子はこの軸対称電極を進行できず
に試料側にはね返され、エネルギーの高い反射電子のみ
が多孔電極上部に配置した変換電極440で二次電子4
50に変換される。この変換された二次電子450は、
試料からの反射電子情報を反映しているため、この信号
で像形成することは、試料からの反射電子信号で像形成
することと等価となる。
【0026】図3から明らかなように、二次電子変換電
極440と多孔電極下部の軸対称電極441の印加電圧
の極性の組み合わせで、二次電子と反射電子を選択して
検出したり、合成して検出することができる。
【0027】例えば、二次電子変換電極440に対し、
切換スイッチ442で正または負の電圧が印加できるよ
うにし、また、多孔電極112の下部(試料側)には軸対
称電極441が配置され、切換スイッチ443で正また
は負の電圧が印加できるようになっている。電極440
に適当な負の電圧を印加すれば、電極440に衝突した
反射電子110は電極表面で二次電子450を放出す
る。また、電極440に適当な正の電圧を印加すれば電
極に反射電子が衝突しても二次電子は電極440の電位
に抑制されるため電極440から放出されない。一方、
電極441に適当な正の電圧を印加すれば試料から発生
した二次電子109は多孔電極部に進行できるが、適当
な負の電圧を印加すれば電極441を透過できずに試料
側にはね返されてしまう。したがって、電極440およ
び電極441に印加する電圧の極性を切り換えること
で、検出器120で二次電子109と反射電子110を
選択的に検出したり、二次電子109と反射電子110
の両方を同時に検出したりでき、またそれらの検出した
信号は上記図1の実施例で示した場合と同様に、CRT
を備えた表示装置125に画像として示すことが可能に
なる。
【0028】図5,図6は本発明の走査形電子顕微鏡で
一例の試料を測定した場合の表示画面を示している。
【0029】図5は半導体基板(シリコンオキサイド)
に設けられたフォトレジスト512のコンタクトホール
510を測定した実施例である。
【0030】図5(a)は測定対象の概略形状を示し、
コンタクトホール開口部近辺に起伏514があり、その
開口部近辺の試料表面が負に帯電している状態を表して
いる。
【0031】図5(b)はこのンタクトホールを開口部
方向から二次電子で走査した像を示しており、コンタク
トホールの帯電していない壁面、底の部分の正確な像情
報が得られているが、帯電している試料開口部近辺の正
確な像状態は得られていないことを示している。
【0032】図5(c)は一次電子で試料を走査し反射
電子信号による試料表面像を現しており、コンタクトホ
ールの底の部分の像は得られていないが、試料開口部近
辺の正確な起伏状態が得られていることを示している。
【0033】通常、一次電子で試料を走査したことによ
り発生する二次電子信号は、試料の表面から放出される
エネルギーの低い(数エレクトロンボルト程度)電子で
あるため、試料の表面から放出され試料の凹凸状態を忠
実に反映するため電子線の試料内散乱の影響を受けず、
高い空間分解能の情報を備える特徴を持っている。
【0034】しかし、従来の二次電子信号による分析方
法においては、試料表面が負に帯電(以下、チャージア
ップと表現する)していると、二次電子の上昇がチャー
ジアップによって妨げられてしまい、このため、コンタ
クトホール開口部近辺の起伏、即ち試料表面の凹凸状態
を忠実に反映することが出来なくなってしまう現象があ
り、この現象により帯電している試料開口部近辺の正確
な像情報が得られていないことを図5(b)の試料像は
示している。
【0035】これに対し図5(c)に示した試料像は反
射電子によるものであるが、二次電子では得られていな
い、試料開口部近辺の正確な起伏状態が判明しているこ
とを示している。
【0036】以下、本発明の走査形電子顕微鏡におい
て、反射電子により正確な試料像を検出することができ
る理由を述べる。
【0037】従来の反射電子検出方法においては、エネ
ルギーが高い高加速電圧の一次電子で試料を走査してい
るので試料の深部に入り込み、これに対応して試料の深
部からエネルギーが高い反射電子(ほぼ加速電圧と同じ
エネルギー)を発生させるものである。このため一次電
子線の試料内部散乱の影響で反射電子の発生領域が広が
り空間分解能は低下するが、その信号は試料表面の凹凸
状態の他に組成情報を多く含む特徴を持っているため、
従来方法においては主に試料内の組成情報を得るために
エネルギーが高い反射電子を検出していた。
【0038】また、従来の反射電子検出方法として、低
加速の一次電子で試料を走査し、試料の表面近くで反射
電子を発生させ、なるべく空間分解能を低下させずに反
射電子を検出する方法も存在するが、従来例の方法では
試料に一次電子を照射することにより発生する二次電子
と、反射電子を正確に分別して検出する手段がなく、反
射電子信号として取られた信号には二次電子が混入して
しまっていたため、結果的に高い分解能を持つ反射電子
検出方法は存在しなかった。
【0039】これに対し、本発明の装置においては、電
子源から試料までの光学系上に、試料から生じた反射電
子および二次電子の軌道を分離する電磁界を設け、そし
て生じた反射電子の軌道上にこの反射電子を検出する反
射電子検出器を設置し、また二次電子の軌道上にこの二
次電子を検出する二次電子検出器を設置しているので、
反射電子と二次電子を個別に検出することが出来るの
で、反射電子のみによる試料像を形成することを可能に
している。
【0040】そして、本発明の一次電子照射,反射電子
検出方法においては、従来の反射電子の発生方法と異な
り加速電圧を低く、即ちエネルギー状態を低くした場合
においても、反射電子と二次電子を正確に分別して、低
いエネルギー状態の反射電子のみで試料像を形成するこ
とを可能にしている。
【0041】このため、加速電圧が低い一次電子は試料
表面の浅い部分にしか入り込まず、試料からの反射電子
は浅い部分から放出されるようになるため、この反射電
子の信号には試料の組成情報に対して、試料の凹凸状態
の情報が多く含まれるので、この状態の反射電子の信号
を検出することによって、従来の二次電子走査と同等の
試料像を形成することを可能にしている。
【0042】また、絶縁物等の観察において試料が負に
帯電(チャージアップ)している場合においても、上述し
たようにエネルギーの低い二次電子はその発生過程で試
料表面の帯電の影響を受けるため、二次電子信号には試
料の凹凸情報が忠実に反映されなくなるが、二次電子に
比較してエネルギーレベルの高い反射電子では、帯電の
影響を受けないため、試料の帯電があっても試料の凹凸
情報を安定して得られるようになる。これから、本発明
の一次電子照射,反射電子検出方法により、試料表面の
情報を、その表面が帯電していても正確に検出できるこ
とを、図5(c)の開口部近辺の試料像は示している。
【0043】また本発明の装置によれば基本的に反射電
子のエネルギー状態に係らず検出できるようになるの
で、エネルギーが高い状態の反射電子を検出し、試料の
組成を調べる場合にも、反射電子と二次電子とを明確に
分別して検出し、正確な組成分析を行うことが可能にな
る。
【0044】そして、本発明の走査型電子顕微鏡によれ
ば、一次電子照射に同期して、反射電子信号,二次電子
信号それぞれのみを個別に検出し、また同時に検出でき
るので、試料が帯電しない状態で凹凸情報のみを高分解
能に観察する場合には、二次電子のみを検出し、一方、
組成情報のみを主に観察したい場合、また帯電している
試料の凹凸観察には、反射電子のみを検出し、凹凸情報
と組成情報の両方を観察するには、二次電子と反射電子
の両方を検出することを可能にしている。このため、目
的や試料の状態に応じて二次電子信号と反射電子信号を
選択的に検出あるいは合成することができるので、あら
ゆるアプリケーションに対応することができる。
【0045】さらに、本発明の走査型電子顕微鏡によれ
ば、反射電子信号による対象試料の像と、二次電子信号
による対象試料の像を重ねあわせて試料像の情報を構築
することを可能にしている。
【0046】例えば、図5(b)の二次電子信号による
対象試料の像は、コンタクトホールの開口部が帯電して
いるためその側面,底部しか正確な試料凹凸情報を得ら
れていないが、図5(c)の反射電子信号によれば、開
口部の正確な凹凸情報が得られているため、これら2つ
の試料像を重ねあわせること、即ち、コンタクトホール
の内部を二次電子信号による試料像で、その外部を反射
電子による試料像を用いることにより、コンタクトホー
ル全体の対象試料の情報を得ることが可能になる。
【0047】また、反射電子は直進性に優れているの
で、コンタクトホール底部の観察に優れた効果を発揮す
るということも言える。コンタクトホール底部で発生し
た2次電子はコンタクトホールの側面に激突して試料表
面に上ってこないことがあるが、反射電子は2次電子に
比べてコンタクトホールの側壁にぶつかる確率が低く、
試料表面に上ってくる確率が2次電子より高い。この原
理を利用して反射電子によるコンタクトホール底部観察
能力と、その他の領域に対する2次電子による観察能力
を併せ持つ走査形電子顕微鏡の提供が可能になる。
【0048】なお、コンタクトホールのアスペクト比や
試料表面上の帯電の状態等で、適当な観察条件が異なる
ことがあるが、本発明では両者を同時に検出することが
できるようになっているので、両電子が持つ情報に基づ
いた試料像を得ることが可能になる。
【0049】図6は半導体基板(シリコンオキサイド)
に設けられたフォトレジスト512のコンタクトホール
510の断面を測定した実施例である。
【0050】図6(a)は測定対象の概略形状を示し、
半導体基板(シリコンオキサイド)上に形成されたフォ
トレジスト中に、レジスト形成中に発生した定在波52
0がいくつかの層状に存在していることを表している。
尚、このフォトレジスト512は帯電していない状態に
ある。
【0051】図5(b)はこのコンタクトホール510
の断面を断面方向から一般的な一次電子走査,二次電子
検出方法で構成した試料像を示しており、断面形状の凹
凸状態を忠実に反映し、かつ、高い空間分解能を持つ試
料像が得られていることが示している。
【0052】図5(c)は一次電子走査,反射電子検出
方法による試料像を示しているが、試料からの反射電子
には対象試料中の組成情報が多く含まれるので、これを
検出することによってこのフォトレジスト中にレジスト
形成時に発生した定在波が、いくつかの層を形成して存
在していることが示されている。
【0053】これは、反射電子が二次電子と比較して試
料の深部から発生し、この反射電子信号にはその組成の
相違が現れるようになるためである。
【0054】そして、本発明の走査型電子顕微鏡によれ
ば、一次電子照射に同期して、反射電子信号,二次電子
信号それぞれを明確に分離して同時に検出できるので、
試料の凹凸情報と組成情報の両方を精密に対比して観察
することを可能にしている。これにより、例えば試料が
こわれやすく、電子線を余りあてないで試料の表面情報
および組成情報を検出したい場合でも、一回の試料への
一次電子線照射によって、凹凸情報と組成情報の両方を
精密に得ることができるので、従来の複数回一次電子線
を照射しなければ試料の表面情報と組成情報が得られな
い方法と比較して、試料へのダメージを最小限に抑える
ことができるので、広い範囲の試料測定アプリケーショ
ンに対応することができる。
【0055】さらに、本発明の走査型電子顕微鏡によれ
ば、反射電子信号による対象試料の像と、二次電子信号
による対象試料の像を重ねあわせて試料像の情報を構築
することが可能になる。
【0056】本実施例の図6(b)の二次電子信号によ
れば、正確な試料表面情報が得られ、図6(c)の反射
電子信号によれば、レジストの組成状態の情報が得られ
ているため、これら2つの試料像を重ねあわせること、
例えば、実施例においての一方の輝度信号を反転するよ
うに信号処理して互いに重ねあわせることにより、試料
の表面状態と組成状態を容易に比較して表示できる。
【0057】また、表示するための信号処理方法として
は、単にそれぞれの画像の輝度調整のみでなく、それぞ
れの画像状態に応じて所定の色情報を付加することによ
っても、試料の表面状態と組成状態を容易に比較して表
示することも可能である。
【0058】図7に本発明の一実施例の走査形電子顕微
鏡における、反射電子,二次電子の信号表示処理手順を
示すフローチャートを示す。
【0059】試料像の処理を開始し(ステップ70
2)、入力装置154から反射電子,二次電子の検出方
法が入力される(ステップ704)。この時の検出方法
としては、一回の一次電子線による照射によって、反射
電子,二次電子を同時に検出する方法、また反射電子,
二次電子の一方のみを検出する方法、更には一回の一次
電子線走査により反射電子,二次電子の一方を検出し、
この走査を複数回くり返すことによって試料像を得る操
作を指定する。
【0060】そして、反射電子,二次電子を検出する
(ステップ706)。これらの検出方法としては、上記
ステップ704での指定に従い、反射電子,二次電子を
同時に、また個別に検出する。
【0061】検出された反射電子,二次電子信号は記憶
装置152のメモリへ記憶される(ステップ708)。
【0062】記憶された反射電子,二次電子信号はCP
U150の制御により、表示装置125に反射電子,二
次電子信号による試料像が個別に表示される(ステップ
710)。
【0063】操作者はこれらの画像を見て、入力装置1
54からいろいろな画像信号処理の指定をCPU150
に対し入力する(ステップ712)。
【0064】処理aでは反射電子,二次電子信号の一方
の検出信号レベルを反転(リバース)する(ステップ71
4)。これにより、分析確認したい部分のそれぞれの信
号レベルが高く、画像信号を合成した場合に表示がつぶ
れてしまう時でも、反射電子,二次電子信号による試料
画像の違いを表示装置125に表示できる。
【0065】処理bでは反射電子,二次電子信号の一
方、又は互いの検出信号レベルを表示装置125への表
示する色信号に変換し合成する(ステップ716)。こ
れにより、同一の試料に対し、反射電子,二次電子信号
により微妙に異なる部分を色の差として明確に区別して
表示することが可能になる。
【0066】処理cでは反射電子,二次電子信号の一
方、又は互いの検出信号レベルを変換し合成する(ステ
ップ718)。これにより、同一の試料に対し、反射電
子,二次電子信号により異なる部分を強調した輝度信号
として、明確に区別して表示することが可能になる。
【0067】これらの信号処理を行った反射電子,二次
電子信号を用いて、CPU150は合成した反射電子,二次電
子信号による試料像を表示装置125、例えばCRTに
表示する(ステップ720)。
【0068】また、上記信号処理では画像処理を行っ
て、反射電子,二次電子による合成した試料像を表示す
る処理を示しているが、合成しなくても、例えば反射電
子,二次電子による試料像を表示装置125の表示画面
に信号処理せずに個別に表示し、また信号処理した後で
の反射電子,二次電子による試料像を個別に表示するこ
とによっても試料状態を操作者に知らせることができ
る。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、数kVの低加速電圧で
も一次電子線の軌道への影響を緩和しつつ、二次電子と
反射電子に基づく試料像を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例。
【図2】直交電磁界発生部の平面構成図。
【図3】反射電子線の説明図。
【図4】本発明の他の実施例。
【図5】試料分析説明図。
【図6】試料分析説明図。
【図7】本発明の分析信号の信号処理フローチャート。
【符号の説明】
101…陰極、102…第一陽極、103…第二陽極、
104…一次電子線、105…集束レンズ、106…対
物レンズ、107…試料、108…偏向コイル、10
9,450…二次電子、110…反射電子、111…対
向電極、112…多孔電極、115…絞り装置、120
…二次電子検出器、121…二次電子検出器(反射電子
検出用)、125…表示装置(CRT)、152…記憶
装置(メモリ)、156…表示装置I/F、160,1
62…可変増幅器、178,180…A/D変換器、2
13,214…磁界発生用コイル、440…二次電子変
換電極、441…軸対称電極、442,443…切換ス
イッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸所 秀男 茨城県勝田市大字市毛882番地 株式会社 日立製作所計測器事業部内 (72)発明者 江角 真 茨城県勝田市大字市毛882番地 株式会社 日立製作所計測器事業部内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子源と、該電子源から放出された一次電
    子線を対物レンズで収束して試料に照射し、該照射によ
    って得られる電子に基づいて試料像を形成する走査形電
    子顕微鏡において、 前記一次電子線を挟んで対向し、その間で電界を形成す
    る電極と、 前記電界の一次電子線に対する偏向作用に対向する偏向
    作用を生じさせる磁界を形成する磁極と、 前記一次電子線の照射に起因して発生し、前記電界及び
    磁界によって偏向される2次電子及び反射電子の軌道上
    に配置される検出器とを備え、該検出器は前記対物レン
    ズより電子源側に備えられていることを特徴とする走査
    形電子顕微鏡。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記検出器を一次電子線の軌道外の場所に設けたことを
    特徴とする走査形電子顕微鏡。
  3. 【請求項3】電子源と、該電子源から放出された一次電
    子線を対物レンズで収束して試料に照射し、該照射によ
    って得られる電子に基づいて試料像を形成する走査形電
    子顕微鏡において、 前記試料に対する一次電子線の照射に起因して発生する
    反射電子の軌道上に反射電子検出器を備え、該反射電子
    検出器は前記対物レンズと前記電子源の間に配置されて
    なることを特徴とする走査形電子顕微鏡。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009092673A (ja) * 2008-12-26 2009-04-30 Hitachi Ltd レビューsem
US8455823B2 (en) 2008-12-02 2013-06-04 Hitachi High-Technologies Corporation Charged particle beam device
KR20230171664A (ko) 2022-06-14 2023-12-21 의림환경에너텍 주식회사 김치 절임 공정의 염수 재활용 시스템

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US8455823B2 (en) 2008-12-02 2013-06-04 Hitachi High-Technologies Corporation Charged particle beam device
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KR20230171664A (ko) 2022-06-14 2023-12-21 의림환경에너텍 주식회사 김치 절임 공정의 염수 재활용 시스템

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