JPH10208700A - 水銀蒸気放電灯 - Google Patents

水銀蒸気放電灯

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JPH10208700A
JPH10208700A JP2454097A JP2454097A JPH10208700A JP H10208700 A JPH10208700 A JP H10208700A JP 2454097 A JP2454097 A JP 2454097A JP 2454097 A JP2454097 A JP 2454097A JP H10208700 A JPH10208700 A JP H10208700A
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quartz glass
chlorine
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真一 遠藤
Fumio Suzuki
史生 鈴木
Daisuke Horii
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 四塩化ケイ素を原料とする合成石英ガラスか
らなる発光管を用いた水銀蒸気放電灯において、合成石
英ガラスに含まれる塩素イオンの発光管内への放出を防
止し、寿命特性と短波長紫外線の放射効率の向上を図
る。 【解決手段】 四塩化ケイ素を原料とする合成石英ガラ
スからなる発光管1の両端に、タングステン酸バリウム
カルシウムの粉末からなるエミッタ6を塗布した電極2
を備えてなる水銀蒸気放電灯において、前記発光管1の
内面に無塩素合成ガラス層を設け、合成石英ガラスの内
部で発生した塩素イオンが発光管内へ放出されるのを抑
制するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光化学反応など
に利用される水銀蒸気放電灯に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、水や容器の殺菌分野や、精密部品
表面の洗浄分野、ゴム等樹脂の改質分野、半導体のエッ
チングレジストなどの灰化分野など様々な分野で、紫外
線による処理技術が利用されており、この紫外線による
処理技術分野での光源としては、低圧水銀ランプが用い
られている。
【0003】かかる低圧水銀ランプは、発光管材料とし
て紫外線域において高透過率特性を有する殺菌灯ガラス
を使用したものが最も一般的であるが、 254nmの紫外線
の放射効率のアップや、更に短波長の紫外線( 185nm)
を利用するため、殺菌灯ガラスよりも紫外線透過率特性
の良い石英ガラスを用いたものが知られている。
【0004】最近では、 180nmから 260nmの紫外線域
で、普通の石英ガラス(原料は天然に産出される水晶)
を使用した水銀ランプよりも放射効率の高い光源が要求
されており、このような要求から 260nm以下の波長の紫
外線域で、石英ガラスよりも透過率特性の高い合成石英
ガラスが使用されるようになってきている。
【0005】合成石英ガラスは、四塩化ケイ素を原料と
し、これを蒸発させ、気相として酸水素炎中に導入し、
火炎加水分解してスートと呼ばれるガラス微粒子を合成
する。これを回転ターゲット上に溶融堆積して、透明な
合成石英ガラスを得るようにしている。このように合成
石英ガラスは、原料を気相で用い、また溶融に容器を必
要としないので、得られるガラスは極めて高純度にな
る。合成石英ガラスは、天然の水晶を原料とする普通石
英ガラスよりも、アルカリ金属や遷移金属の混入量が少
ないため、短波長紫外線域での透過率特性がよい。
【0006】このような製法で製造される合成石英ガラ
スは、原料中の塩素が完全に除去できないため、合成石
英ガラス中には数十ppm 〜数千ppm の塩素が含有されて
いる。合成石英ガラス中に含有される塩素は、Si −C
l の結合状態を持ち、その結合エネルギーは、約80Kca
l/mol である。
【0007】また、上記低圧水銀ランプの発光管の両端
に設置されている電極には、通常エミッタと呼ばれる電
子放出性物質が表面に塗布されている。エミッタは、タ
ングステンよりも仕事関数が低いため電極の電子放出を
容易にし、放電を安定化させる効果があり、ランプの立
ち消えや不点の問題を抑制するために用いられている。
エミッタとして一般的な物質には、酸化トリウム(ThO
2 )に代表される希土類の酸化物やアルカリ土類金属の
酸化物(BaO,CaO,SrOなど)、アルカリ土類金属と
タングステンの複合酸化物(Ba2 CaWO6 ,Ba2 SrWO
6 など)が知られている。これらの物質は、電子放出性
に優れ、且つ耐熱性が高い特徴を有している。
【0008】希土類酸化物は、精製に複雑な工程を要す
るため高価である欠点を持つ。また、トリウムに代表さ
れる放射性元素は、β崩壊により自ら電子を放出しラン
プの始動を容易にするが、取り扱い上並びに環境上の面
から使用は避けるべき物質である。
【0009】アルカリ土類金属,アルカリ土類金属とタ
ングステンの複合酸化物は、仕事関数が低く電子を放出
しやすく、上述した希土類のような欠点が無いため放電
灯のエミッタとして実用的であり、多く用いられてい
る。
【0010】一方、上述した低圧水銀ランプの高ワット
化も進んでいる。低圧水銀ランプは、点灯時の電力を増
していくと、水銀の蒸気圧が上昇して効率が悪くなる特
性がある。そこで、高ワットで点灯している発光管の中
の水銀蒸気圧の上昇を抑制するために、発光管の一部を
冷却したり、アマルガムの特性を利用して、短波長紫外
線の放射効率を維持したまま高ワット化を達成した高出
力型低圧水銀ランプ(壁面負荷 0.2〜10W/cm2 )が知
られている。
【0011】更に、0.13Pa 〜 1.3Pa の水銀蒸気圧の
抑制手段を用いず、合成石英ガラス製の発光管を用い、
発光管内の水銀蒸気圧を10Pa 以上とした高圧水銀ラン
プによる短波長紫外線の高出力化も検討されている。高
圧水銀ランプの分光放射特性は、低圧水銀ランプほど輝
線スペクトルを示さず、効率も高くはない欠点を有する
が、短波長紫外線域での連続スペクトルも利用できるこ
とと、放射効率にほとんど影響なく高ワット化(壁面負
荷5W/cm2 以上)が可能である利点を有する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た低圧水銀ランプや高圧水銀ランプは、そのプラズマ中
で 250nm以下の波長の短波長紫外線を多量に発生・放射
する。そして、 250nm以下の波長の紫外線は高いエネル
ギーを持ち、例えば 185nmの紫外線は 154Kcal/mol ,
250nmの紫外線は 114Kcal/mol のエネルギーをもつ。
この大きなエネルギーのため、短波長の紫外線の光量子
は合成石英ガラスに含まれるSi −Cl 結合に作用し、
その結合を切断する。そして、結合が切断された塩素原
子は電子を捕獲して塩素イオンとなり、両電極間に形成
されている電界によって放電空間内に出てくる。そし
て、塩素原子が合成石英ガラス中で占めていた領域は、
石英ガラスの網目構造の中で大きな空間として残り、更
に深層の塩素イオンの放出を促すようになる。
【0013】塩素はハロゲンの一種であり、電子を吸収
しやすい特性を有するため、発光管内のプラズマ中に塩
素が存在すると、電子を吸収して再点弧電圧を上昇させ
て、ランプを立ち消えさせたり、電極に塗布してあるア
ルカリ土類金属の酸化物からなる電子放出性物質と反応
してこれを分解し、電極のエミッションを悪くして始動
電圧を上昇させる。そのため、ランプの不点の問題が起
こりやすくなる。更に塩素によって分解されたアルカリ
土類金属は、発光管内面に堆積して石英ガラスと反応し
て失透(石英ガラスの結晶化)を起こし、紫外線出力の
低下を引き起こす。このように、合成石英ガラスを使用
した水銀ランプは、普通石英ガラスを使用した水銀ラン
プと比較して寿命が短いという問題点がある。更には、
この合成石英ガラスを用いた水銀ランプを使用した紫外
線処理装置ではメンテナンスが頻繁になり、ランニング
コストを上げるという欠点があった。
【0014】本発明は、従来の合成石英ガラスからなる
発光管を用いた低圧水銀放電灯あるいは高圧水銀放電灯
における上記問題点を解消するためになされたもので、
寿命特性がよく短波長紫外線の放射効率の高い水銀蒸気
放電灯を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、本発明は、四塩化ケイ素を原料とする合成石英ガラ
スからなる発光管の両端に、アルカリ土類金属の酸化物
又はアルカリ土類金属とタングステンの複合酸化物を塗
布してなる電極を備えてなる水銀蒸気放電灯において、
前記発光管の内面に無塩素合成ガラス層を設けるもので
ある。
【0016】このように合成石英ガラスからなる発光管
の内面に無塩素合成ガラス層を設けることにより、合成
石英ガラス管の内部で発生した塩素イオンの発光管内へ
の放出が抑制され、エミッタの分解消耗による不点や、
再点弧電圧の上昇によるランプの立ち消え等の発生を防
止し、寿命特性がよく放射効率の高い水銀蒸気放電灯を
実現することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、実施の形態について説明す
る。一般に、短波長紫外線を利用する光化学反応用水銀
蒸気放電灯には、大別して二種類のものがある。すなわ
ち点灯中の水銀蒸気圧が1Pa 程度の低圧水銀蒸気放電
灯と、点灯中の水銀蒸気圧が10kPa以上(実用上望ま
しくは10kPa 〜1000kPa )の高圧水銀蒸気放電灯で
ある。両者とも構造はおおむね似ており、石英ガラス製
の発光管の両端には電極が設置されており、電極にはエ
ミッタと呼ばれる電子放出性物質が塗布されている。
【0018】(第1の実施の形態)まず第1の実施の形
態として、本発明を高圧水銀ランプに適用したものを、
図1に基づいて説明する。図1において、1は四塩化ケ
イ素を原料とする合成石英ガラスよりなる内径20mmの発
光管であり、該発光管1の両端には、電極2がモリブデ
ン箔3を介して発光長が 375mmとなるように封着されて
いる。モリブデン箔3の他端には、外接リード線4が接
続されている。発光管1の内面には、酸化アルミニウム
又は酸化ケイ素の無塩素合成ガラス層5が形成されてい
る。そして、発光管1の内部には、2kPa のアルゴン
ガスと、 120mgの水銀が封入されている。
【0019】次に、電極2の詳細な構成を図2の断面図
に基づいて説明する。電極2には、1本あたり約3mgの
タングステン酸バリウムカルシウムの粉末からなるエミ
ッタ6が塗布されている。電極2は、直径 1.5mm,長さ
20mmのタングステン棒2aに、直径 0.7mmのタングステ
ンワイヤー2bがコイル状に数ターン巻き付けられてい
る。タングステン酸バリウムカルシウムの粉末は、ニト
ロセルロースを溶かした酢酸ブチル溶液で懸濁液として
から、この懸濁液に電極を浸して上記タングステン棒2
aとワイヤー2bの間に懸濁液をしみ込ませる。そし
て、乾燥させて酢酸ブチルを揮発させた後、真空中で16
00℃の温度に加熱してニトロセルロースを分解し、タン
グステン酸バリウムカルシウムの粉末を電極に固着させ
る。
【0020】次に、発光管1の内面に設ける無塩素合成
ガラス層5の形成方法について説明する。無塩素合成ガ
ラス層5は、次のような方法で発光管1の内表面に形成
することができる。アルミニウムやケイ素の合成ガラス
の製法としては、アルミニウム又はケイ素のアルコキシ
ドの溶液をガラス表面に塗布し、乾燥、焼成する方法
(金属アルコキシド法と呼ばれる)が知られている。
【0021】次に、金属アルコキシド法による無塩素合
成ガラスの形成方法について、具体的に説明する。原材
料は、アルミニウム又はケイ素のアルコキシドをエタノ
ールや酢酸エチルなどの有機溶剤に溶解したもので、本
具体例においては、アルミニウムイソプロポキシド〔A
l (OC3 7 3 〕やケイ素イソプロポキシド〔Si
(OC3 7 4 〕のエタノール溶液(濃度 0.3 mol/
l)を使用した。その溶液を電極を配設する前の合成石
英ガラス管の中に満たし、次いで液面が一定の速度で降
下するようにして溶液を取り除く。そして、濡れた状態
の合成石英ガラス管を80〜 100℃の温度で乾燥させ余分
な溶媒を蒸発させる。次いで、酸化雰囲気中で 800℃以
上の高温下で焼成(酸化分解)する。
【0022】これにより、アルミニウム又はケイ素のイ
ソプロポキシドは、分子中の炭素(C),酸素(O),
水素(H)が、二酸化炭素(CO2 ),一酸化炭素(C
O),水(H2 O)になって揮発分解され、最終的に酸
化アルミニウムAl23 や酸化ケイ素SiO2 の層となっ
て発光管の表面に残る。このような方法で形成される酸
化アルミニウムAl23 や酸化ケイ素SiO2 は結晶構造
をとらず、ガラス状の層を形成するが、化学的に純粋な
物質を出発物質とするため、アルカリ金属や遷移金属の
混入がなく短波長域での透過特性が高く、且つ原料に塩
素,アルカリ土類金属,遷移金属を含まないため、網目
構造の緻密なガラス層が得られる。また、アルミニウム
イソプロポキシド〔Al (OC3 7 3 〕とケイ素イ
ソプロポキシド〔Si (OC3 7 4 〕を混合してエ
タノール溶液とすることで、アルミニウムとケイ素の任
意の成分比の無塩素合成ガラスを形成することができ
る。また、このようにして形成する無塩素合成ガラス層
の膜厚は、液面の降下速度と溶液の濃度を変えることに
よって自由に変化させることができる。
【0023】次に、上記構成の第1の実施の形態の高圧
水銀ランプにおいて、無塩素合成ガラス層の層厚を変え
たものを作成し、これらの試作ランプをランプ電力3k
W,負荷80W/cmで点灯させて、寿命特性と 180〜 250
nmの相対放射照度について調査したところ、表1に示す
ような結果が得られた。また、対比するために無塩素合
成ガラス層を設けない合成石英ガラスからなる発光管、
及び普通石英ガラスからなる発光管を用いた従来の高圧
水銀ランプについても寿命特性と相対放射照度について
調査し、その結果を表1に合わせて示した。なお、表1
における相対放射照度は、従来の無塩素合成ガラス層を
有しない合成石英ガラス製発光管を用いた高圧水銀ラン
プにおいて、発光管中心部の直下50mmの位置での照度を
100として測定した。また各発光管の電極のエミッタ材
料は、いずれのランプにおいてもBa2 CaWO6 を用いて
いる。
【0024】
【表1】 寿命特性 ○:異常なし △:不点は無いが、1500時間で発光管に失透発生 ×:点灯 500時間以内に不点
【0025】上記表1からわかるように、まず無塩素合
成ガラス層が設けられていない合成石英ガラスからなる
発光管を使用したランプは、180 〜 250nmの相対放射照
度は、従来の普通石英ガラスからなる発光管を用いたラ
ンプに比較して高い特性を有するが、寿命特性が悪いと
いう問題点がある。本発明に係わる酸化アルミニウムや
酸化ケイ素の無塩素合成ガラス層を形成した合成石英ガ
ラスからなる発光管を用いた水銀蒸気放電灯は、発光管
材質に合成石英ガラスを使用していても、無塩素合成ガ
ラス層のない合成石英ガラスからなる発光管を用いた従
来の水銀蒸気放電灯より寿命特性がよく、且つ従来の普
通石英ガラスからなる発光管を使用した水銀蒸気放電灯
よりも、180 〜 250nmの相対放射照度が高い特性を持っ
ていることが判る。
【0026】図3において、実線は第1の実施の形態に
係る水銀蒸気放電灯の紫外線出力の維持率特性を示し、
破線は従来の無塩素合成ガラス層を設けていない合成石
英ガラスを発光管として使用した水銀蒸気放電灯の紫外
線出力維持率を示す。なお、表1において、無塩素合成
ガラスの層厚を1nmとしたランプの寿命特性には△印が
付されているが、このランプは寿命試験中に不点、立ち
消えの問題は生じず、1500時間の末期になって発光管の
失透現象が確認されたことを意味する。このときの失透
は電極近傍の一部であり、層厚10nm以上の他の試作ラン
プと紫外線出力維持率の面では、同等の経時的変化を示
した。この失透現象は、無塩素合成ガラスの層厚が薄い
ため塩素イオンの遮蔽効果が少なく、微量の塩素イオン
の放出のためエミッタとの反応があったものと推定され
る。このような調査結果から無塩素合成ガラス層の層厚
は、10nm以上とするのが望ましいと言える。また、金属
アルコキシド法では1回の塗布作業で形成される無塩素
合成ガラス層の層厚が1000nmを超えると、クラックを生
じやすい問題があり、この問題を回避するため数回の塗
布焼成を行うと、作業性及び生産性が悪くなるので、層
厚は1000nm以下とすることが望ましい。
【0027】以上の結果から、合成石英ガラス製発光管
に無塩素合成ガラス層を設けた高圧水銀蒸気放電灯は、
従来のランプに比べて寿命特性及び短波長紫外線放射効
率に関して、優れた特性を有することが判明した。
【0028】本実施の形態においては、高圧水銀蒸気放
電灯の電極のエミッタ材料にタングステン酸バリウムカ
ルシウム(Ba2 CaWO6 )を使用した例を示したが、同
様の実験をSrO,BaO,CaOやBa2 SrWO6 などアルカ
リ土類金属を含有するエミッタを使用したランプについ
て行い調査したところ、同様な結果が得られた。
【0029】なお、発光管を形成する上記四塩化ケイ素
を含有する合成石英ガラスは、短波長域の紫外線透過率
と化学分析により塩素濃度を調べることにより、普通石
英ガラスと容易に判別することができる。
【0030】(第2の実施の形態)次に、第2の実施の
形態を図4に基づいて説明する。この実施の形態は本発
明を低圧水銀蒸気放電灯に適用したもので、図4におい
て、11は合成石英ガラスからなる内径17mmの発光管で、
該発光管11の両端には発光長が 950mmとなるように電極
12が設置されている。該電極12は、図5に示すようにバ
リウム,カルシウム,ストロンチウムの酸化物の混合物
からなるエミッタ13が塗布されたタングステンフィラメ
ント12aと、ニッケルなどの耐熱製金属からなる陽極12
b,及びそれらを支えた支持柱12cとからなり、該支持
柱12cの他端はモリブデンの箔14を介して外接リード線
15に接続されている。そして、発光管11を構成する合成
石英ガラスの内面には無塩素合成ガラス層16が形成され
ている。また、発光管11の内部には数十mg好ましくは50
mgの水銀と、数百Pa 好ましくは 400Pa のアルゴンガ
スが封入されており、両電極12間に電圧を印加すること
によりフィラメント12aから熱電子を放出させ、水銀原
子に電子を衝突させることで、水銀を励起させ放電させ
るようになっている。なお、エミッタ13の塗布量はフィ
ラメント1本あたり約2mgである。
【0031】この実施の形態の低圧水銀蒸気放電灯は、
ランプ電力 120W,ランプ電流2Aで点灯され、その寿
命は約 12000時間であり、 12000時間における残存率
(不点灯とならない率)は約80%である。主な不点灯の
原因は、フィラメントの断線やフィラメントに塗布して
あるエミッタのスパッタによる消耗である。
【0032】次に、無塩素合成ガラス層の層厚を変えた
第2の実施の形態のランプを試作し、それらの寿命特性
及び180 〜 190nmの相対放射照度について調査したとこ
ろ、表2に示すような結果が得られた。また、対比する
ために無塩素合成ガラス層を設けないランプ及び普通石
英ガラスからなる発光管を用いたランプについても、同
様の調査を行い、その結果を表2に合わせて示した。な
お、表2における相対放射照度は、従来の無塩素合成ガ
ラス層を設けない合成石英ガラス製発光管を用いたラン
プについて、発光管中心部の直下50mmの位置での照度を
100として算出した。
【0033】
【表2】 寿命特性 ○:良好 ×:2000時間以内に不点又は立ち消え発生
【0034】表2の調査結果から、まず、無塩素合成ガ
ラス層がない従来の合成石英ガラスを発光管として使用
したランプは、180 〜 190nmの相対放射照度は、従来の
普通石英ガラスを発光管として用いたランプに比較して
高い特性を有するが、寿命特性が悪いという問題点があ
ることがわかる。本実施の形態に係わる酸化アルミニウ
ムや酸化ケイ素の無塩素合成ガラス層を有する合成石英
ガラスからなる発光管を用いた水銀蒸気放電灯は、発光
管材質に合成石英ガラスを使用していても、無塩素合成
ガラス層のない合成石英ガラスからなる発光管を用いた
従来の水銀蒸気放電灯より寿命特性がよく、且つ従来の
普通石英ガラスからなる発光管を使用した水銀蒸気放電
灯よりも、180 〜 190nmの相対放射照度が高い特性を持
っていることが判る。
【0035】図6における実線は、第2の実施の形態に
係る水銀蒸気放電灯(表2中、無塩素合成ガラス層の成
分としてAl23 を用い、その層厚を 100nmとした発光
管を用いたランプ)の残存率曲線を示し、破線は無塩素
合成ガラス層を設けない従来の合成石英ガラスを使用し
た水銀蒸気放電灯の残存率曲線を示す。
【0036】以上の結果から、本実施の形態に係る合成
石英ガラス製発光管に無塩素合成ガラス層を形成した低
圧水銀蒸気放電灯は、従来のランプに比べて寿命特性及
び短波長紫外線放射効率に関して優れた特性を有するこ
とが判明した。
【0037】なお、本実施の形態においては、低圧水銀
蒸気放電灯のエミッタ(電子放出性物質)にバリウム,
カルシウム,ストロンチウムの酸化物の混合物を使用し
た例を示したが、これらの物質は単体でもよく、また第
1の実施の形態で説明したようにタングステン酸バリウ
ムカルシウムなどアルカリ土類金属を含有するエミッタ
を使用したランプについても調査したが、結果は同様で
あった。
【0038】上記のように構成した各実施の形態に係る
水銀蒸気放電灯においては、合成石英ガラス製の発光管
の内表面に無塩素合成ガラス層が設けられており、この
層は不純物を含まないため網目構造が緻密であり、その
ため合成石英ガラスに含まれる塩素イオンの透過を抑制
する作用がある。したがって、塩素がプラズマ中で電子
温度を下げランプの立ち消えを起こしたり、エミッタと
反応して電極表面のエミッタが分解消耗して不点になっ
たりする問題を解消することができる。
【0039】
【発明の効果】以上実施の形態に基づいて説明したよう
に、本発明による水銀蒸気放電灯は、四塩化ケイ素を原
料とする合成石英ガラスからなる発光管の内面に無塩素
合成ガラス層を設けているので、短波長紫外線によって
発光管を構成する合成石英ガラスの内部で発生した塩素
イオンの発光管内への放出を無塩素合成ガラス層が抑制
し、したがって、従来の合成石英ガラスのみからなる発
光管を有するランプのように、合成石英ガラスの内部で
発生した塩素イオンが発光管内へ放出され、エミッタと
反応して電極表面のエミッタが分解消耗して不点になっ
たり、塩素がプラズマの電子温度を下げて立ち消えした
りする問題の発生を防止することができる。これにより
寿命特性がよく短波長紫外線の放射効率の高い水銀蒸気
放電灯を実現することができる。更には、ランプの寿命
が延びるので、そのランプを用いる紫外線照射装置のメ
ンテナンス性が良くなり、ランニングコストを下げる等
の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる水銀蒸気放電灯の第1の実施の
形態を示す断面図である。
【図2】図1に示した第1の実施の形態における電極の
拡大断面図である。
【図3】図1に示した第1の実施の形態に係わる高圧水
銀蒸気放電灯の紫外線出力維持率特性を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示す断面図であ
る。
【図5】図4に示した第2の実施の形態における電極部
分の拡大断面図である。
【図6】図4に示した第2の実施の形態に係わる低圧水
銀蒸気放電灯の残存率特性を示す図である。
【符号の説明】
1 発光管 2 電極 2a タングステン棒 2b タングステンワイヤー 3 モリブデン箔 4 外接リード線 5 無塩素合成ガラス層 11 発光管 12 電極 12a タングステンフィラメント 12b 陽極 12c 支持柱 13 エミッタ 14 モリブデン箔 15 外接リード線 16 無塩素合成ガラス層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 四塩化ケイ素を原料とする合成石英ガラ
    スからなる発光管の両端に、アルカリ土類金属の酸化物
    又はアルカリ土類金属とタングステンの複合酸化物を塗
    布してなる電極を備えてなる水銀蒸気放電灯において、
    前記発光管の内面に無塩素合成ガラス層を設けているこ
    とを特徴とする水銀蒸気放電灯。
  2. 【請求項2】 前記無塩素合成ガラス層は、酸化ケイ
    素,酸化アルミニウム又はそれらの混合物からなるガラ
    ス層であることを特徴とする請求項1記載の水銀蒸気放
    電灯。
  3. 【請求項3】 前記無塩素合成ガラス層の層厚は、10nm
    以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の水銀
    蒸気放電灯。
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