JPH10216729A - 脱イオン水製造装置 - Google Patents

脱イオン水製造装置

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JPH10216729A
JPH10216729A JP4002697A JP4002697A JPH10216729A JP H10216729 A JPH10216729 A JP H10216729A JP 4002697 A JP4002697 A JP 4002697A JP 4002697 A JP4002697 A JP 4002697A JP H10216729 A JPH10216729 A JP H10216729A
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ion
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Abstract

(57)【要約】 【課題】脱塩室に収容するイオン交換体相互及びイオン
交換膜との密着性を上げることで、電気抵抗を低く且つ
脱塩室厚みを大とし、膜使用面積が少なく生産水量の大
きい脱イオン水製造装置を得る。 【解決手段】陰極と陽極の間に陰陽両イオン交換膜を交
互に配列させた電気透析槽の脱塩室にイオン交換体を収
容した脱イオン水製造装置において、脱塩室に充填した
充填体とイオン交換膜の間に0.1〜20kg/cm2
の圧力を発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品の製造、半
導体の製造、発電用ボイラー水などに使用される純水も
しくは超純水を製造するための脱イオン水製造装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】脱イオン水の製造方法としては、イオン
交換樹脂の充填床に被処理水を流し、不純物イオンをイ
オン交換樹脂に吸着させて除去することにより脱イオン
水を得る方法が一般的である。ここで、吸着能力の低下
したイオン交換樹脂は酸やアルカリを用いて再生する方
法が採用されている。しかし、この方法においては再生
に使用した酸やアルカリの廃液が排出されるという問題
があり、そのため再生の必要のない脱イオン水製造方法
が望まれている。
【0003】このような観点から、近年、イオン交換樹
脂とイオン交換膜を組み合せた自己再生型電気透析脱イ
オン水製造方法が注目されている。この方法は、陰イオ
ン交換膜と陽イオン交換膜とを交互に配置した電気透析
装置の脱塩室に陰イオン交換体と陽イオン交換体の混合
物を入れ、該脱塩室に被処理水を流しながら電圧を印加
して電気透析を行うことにより脱イオン水を製造する方
法である。この方法では、一般に湿潤状態のイオン交換
樹脂を脱塩室に収容するため、イオン交換樹脂相互、或
いはイオン交換樹脂とイオン交換膜との密着性が不十分
であり、脱塩室の厚みを増大させて膜使用面積を減少さ
せようとすると抵抗が上昇するという欠点があった。
【0004】これらの欠点を補う方法として、特公平4
ー72567号公報及び特公平6ー20513号公報に
おいては、脱塩室の幅を約0.762〜10.16cm
(≒0.3〜4インチ)、厚さを約0.127〜0.6
35cm(≒0.05〜0.25インチ)とし、抵抗の
上昇を防止することが提案されている。しかしながらこ
の方法では脱塩室の厚さが薄いため、イオン交換体の脱
塩室への充填が難かしく、また単位面積あたりの生産水
量も低いという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、イオン交換
体とイオン交換膜を組み合わせた自己再生型電気透析脱
イオン水製造装置において、脱塩室の厚さを厚くしても
抵抗の上昇が少なく、かつ従来技術が有していた上記の
ような欠点を有せず、長期にわたり安定して純水を得る
ことができる脱イオン水製造装置を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、陰極と陽極の
間に陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を交互に配列さ
せ、脱塩室と濃縮室とを形成させた電気透析槽の脱塩室
にイオン交換体を収容してなる脱イオン水製造装置にお
いて、脱塩室に収容したイオン交換体と脱塩室を区画す
る陽イオン交換膜及び陰イオン交換膜との間に0.1〜
20kg/cm2の圧力を発生させるようにせしめたこ
とを特徴とする脱イオン水製造装置を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明においては、イオン交換体
は予めその状態を変化させて電気透析槽の脱塩室中に収
容されるか、または脱塩室中に収容された後、その状態
が変化させられる。以下、本明細書においては、イオン
交換体の状態を次のような用語で説明することにする。
「使用状態」とは、イオン交換体を脱塩室中に収容し、
電気透析に使用しているときの状態であり、使用時の環
境と平衡になった状態をいう。「収縮状態」とは、何ら
かの方法でイオン交換体の見掛けの体積を収縮させた状
態をいう。「自由状態」とは、使用する環境と平衡な状
態であるが、脱塩室による拘束のない状態をいう。
【0008】本発明においては、脱塩室の厚さを0.2
cm以上、好ましくは0.7cm以上とする。脱塩室の
厚さが0.2cm未満であると使用膜面積の減少効果が
明確でなく、イオン交換体の充填もし難いので好ましく
ない。一方その厚さが80.0cmを超えると使用膜面
積の減少効果は大きいが、やはり抵抗上昇が大きくなる
ので好ましくない。なかでも、脱塩室の厚さが1.1c
m以上で30.0cm以下の範囲であると、抵抗上昇が
少なく、使用膜面積減少効果も大きいので特に好まし
い。
【0009】脱塩室に収容乃至充填したイオン交換体と
脱塩室を区画する陽イオン交換膜及び陰イオン交換膜と
の間に発生させる圧力は0.1〜20kg/cm2 の範
囲である。その圧力が0.1kg/cm2 未満である
と、イオン交換体同士又はイオン交換体とイオン交換膜
の密着性が十分でなく、抵抗が上昇したり、処理水のシ
ョートパスができ、得られる水の純度が低下するので好
ましくない。一方、その圧力が20kg/cm2 より大
きいと、イオン交換体同士又はイオン交換体とイオン交
換膜の密着性は十分であるが、処理水量が低下したり、
使用しているイオン交換膜がダメージを受けるので好ま
しくない。なかでも、上記圧力は0.5〜10kg/c
2 、特に0.8〜2kg/cm2 であるのが好まし
い。
【0010】本発明における、脱塩室に充填した充填体
とイオン交換膜との間に圧力を発生させる好ましい手段
としては(1)脱塩室に収容するイオン交換体を再生型
の容積よりも容積を減少させた形に変換し、自由状態で
のイオン交換体再生型の容積が脱塩室の容積より大きい
量のイオン交換体を脱塩室に収容し、通水及び通電する
ことにより、イオン交換体の容積を増大させ圧力を増大
させる手段や、(2)脱塩室にイオン交換体を収容し、
脱塩室の容積を機械的に減少させることにより圧力を増
大させる手段が用いられる。
【0011】上記(1)の手段では、脱塩室に収容する
イオン交換体は、自由状態でのイオン交換体再生型容積
に換算した時に脱塩室容積に対して103〜170%と
なる量を収容することが好ましい。この量が103%未
満であると、収容したイオン交換体の密着性が良くない
ので好ましくない。一方、その量が170%より大きい
と、密着性は良好となるが、通水した時の圧力損失が大
きくなるので好ましくない。なかでも上記イオン交換体
の量は、111〜150%であるのが特に好ましい。
【0012】イオン交換体を再生型の容積よりも容積減
少させる方法としては、乾燥により水分率を減少させ
る方法や、対イオンを再生型以外のイオン種に変えて
負荷型とする方法、或いは有機溶媒に浸漬して溶媒置
換する方法などがあるが、乾燥により水分率を減少さ
せるの方法と対イオンを再生型以外のイオン種に変え
て負荷型とするの方法を併用する方法は、イオン交換
体の品種や構造等にかかわらず容易に適用でき、容積増
大効果も大きいので、好ましい方法である。
【0013】乾燥により水分率を減少させる場合、水分
率(重量)としては1〜30%に減少させるのが好まし
い。水分率が1%未満であると、乾燥に時間がかかるの
で好ましくない。水分率が30%より大きいと、通水及
び通電した際に容積の増大効果が小さくなるので好まし
くない。水分率が5〜15%であると、乾燥も容易で通
水、通電時の容積増大効果も大きく特に好ましい。乾燥
時の対イオンの種類としては、陽イオン交換体の場合は
Na型が、陰イオン交換体の場合はCl型が熱的に安定
なので好ましく用いられる。乾燥温度は30〜80℃が
好ましい。これが30℃未満であると乾燥に時間がかか
り、80℃より高い温度であるとイオン交換基が分解す
るので好ましくない。
【0014】対イオンを再生型以外のイオン種に変えて
負荷型とする方法の場合には、前述のように陽イオン交
換体の場合はNa型が、陰イオン交換体の場合はCl型
が特に好ましいが、それ以外にも陽イオン交換体の場合
にはK型やLi型、陰イオン交換体の場合はNO3 型な
ど1価の対イオンが好ましく用いられる。この点、Ca
型やAl型、SO4 型などの2価以上の対イオンの場合
には、再生型への変換が容易でなくなるので好ましくな
い。
【0015】次に、前記(2)の脱塩室にイオン交換体
を収容し、脱塩室容積を機械的に減少させることにより
圧力を増大させる方法では、脱塩室の室枠とイオン交換
膜の間に圧力により収縮するスペーサーを導入し、イオ
ン交換体を充填した後に外部より圧力をかけて圧縮する
ことにより、脱塩室容積を5〜60容量%減少させるこ
とが好ましい。減少させる脱塩室容積が5容量%未満で
あると、収容したイオン交換体の密着性がよくないので
好ましくない。逆に、減少させる脱塩室容積が60容量
%より大きいと、密着性は良好となるが、通水したとき
の圧力損失が大きくなるので好ましくない。収縮するス
ペーサーの材料としては、ポリエチレンやポリプロピレ
ン、ポリスチレンなどの発泡シートが好ましく用いられ
る。
【0016】本発明において、脱塩室に収容するイオン
交換体としては、イオン交換樹脂やイオン交換繊維、そ
れらの加工成形品などがあげられるが、イオン交換樹脂
及びイオン交換樹脂をバインダーポリマーを用いてシー
ト状に接着した多孔質イオン交換体は、イオン交換性能
や耐久性等の観点から好ましいイオン交換体である。特
に多孔質イオン交換体シートは、それ自体イオン交換樹
脂間の密着性が良好であり、脱塩室に収容する場合も容
易に収容できるので好ましい。
【0017】イオン交換体を脱塩室に収容した際の空隙
率は、液体の通過に関与する連続した空隙率が5容量%
以上であるのが好ましい。空隙率が5容量%より小さい
と液体の流量が減少し、圧損が大きくなるので好ましく
ない。空隙率が10〜40%である場合は、通水性も良
好で、脱塩性能も優れ、純度の高い処理水が得られるの
で特に好ましい。なお、この空隙率は、イオン交換体を
脱塩室に収容し通水及び通電した際の値である。
【0018】上記イオン交換体としては、少なくとも陽
イオン交換体、陰イオン交換体又はそれらの混合物、若
しくはそれらの多孔質成形品が利用できる。また陽イオ
ン交換体のドメイン(領域)と陰イオン交換体のドメイ
ン(領域)を組み合わせた構造でもよい。その場合のイ
オン交換膜に接する各ドメインの形状は種々の形状が利
用でき、例えば海島状、層状、モザイク状、格子状等が
利用できる。特に海島状や層状は希釈室に収納し易く且
つ効率よく脱塩できるという理由で好ましい。ただし、
全体で使用する陽イオン交換体と陰イオン交換体の比率
は、総イオン交換容量比で陽イオン交換体/陰イオン交
換体=20/80〜80/20の範囲の割合であること
が好ましい。
【0019】イオン交換体として多孔質イオン交換体を
使用する場合には、バインダーポリマーの重量分率は2
0%以下であることが好ましい。重量分率が20%より
大きいとイオン交換樹脂粒子表面をバインダーポリマー
が被覆して吸着性が低下し、また空隙率が低下するため
に処理する液体の流量が減少し、圧損が大きくなるので
好ましくない。なかでも上記重量分率は1〜5%が好ま
しい。バインダーポリマーとしては、多孔質イオン交換
体の製法の観点から熱可塑性ポリマー又は溶媒可溶性ポ
リマーであることが好ましい。
【0020】このようなバインダーポリマーとしては、
次のようなものが好ましく使用できる。まず熱可塑性ポ
リマーとしては低密度ポリエチレンや線状低密度ポリエ
チレン、超高分子量高密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリイソブチレン、1,2ーポリブタジエン、酢酸
ビニル、エチレンー酢酸ビニル共重合体などが挙げら
れ、また溶媒可溶性ポリマーとしては天然ゴム、ブチル
ゴム、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、スチレンー
ブタジエンゴム、ニトリルゴム、塩化ビニルー脂肪酸ビ
ニルエステル共重合体等が挙げられる。
【0021】バインダーポリマーを用いてイオン交換樹
脂を結合した多孔質シートの厚さは容積を減少させた形
で脱塩室に収容する際の厚みで脱塩室の厚みの50〜1
00%となる厚さが好ましい。この厚さが脱塩室厚みの
50%より薄いと通水及び通電した際にイオン交換膜に
密着しないので好ましくない。その厚さが100%より
厚いと脱塩室に収容できないので好ましくない。容積を
減少させた形での多孔質シートの厚さが脱塩室厚みの7
0〜90%である場合は特に好ましい。
【0022】バインダーポリマーを用いてイオン交換樹
脂を結合して多孔質シート状とする方法としては次のよ
うな方法が好ましい。すなわち、イオン交換樹脂粒子
とバインダーポリマーを加熱混練した後、平板プレス等
の熱成形によりシート状とする方法、バインダーポリ
マー溶液をイオン交換樹脂粒子表面に塗布して溶媒を蒸
発させ硬化する方法、バインダーポリマー及び造孔剤
とイオン交換樹脂粒子とを加熱混合成形後、造孔剤を抽
出する方法、造孔剤を分散したバインダーポリマー溶
液をイオン交換樹脂粒子表面に塗布して硬化させた後、
造孔剤を抽出する方法などである。このうちのイオン
交換樹脂粒子とバインダーポリマーを加熱混練した後、
平板プレス等の熱成形によりシート状とする方法、およ
びのバインダーポリマー及び造孔剤とイオン交換樹脂
粒子を加熱混合成形後、造孔剤を抽出する方法は、成形
加工性や得られる多孔質イオン交換体の比抵抗などの観
点から好ましい。
【0023】イオン交換体のイオン交換基は、陽イオン
交換基としては強酸であるスルホン酸型が、陰イオン交
換基としては強塩基である4級アンモニウム塩型又はピ
リジニウム塩型が、イオン交換性と化学的安定性の観点
から好ましい。イオン交換体のイオン交換容量は、0.
5〜7ミリ当量/g乾燥樹脂が好ましい。イオン交換容
量が0.5ミリ当量/g乾燥樹脂より低いと、脱塩室で
のイオンの吸着、脱塩が十分に行われず、処理水純度が
低下する恐れがあるので好ましくない。イオン交換容量
が1〜5ミリ当量/g乾燥樹脂である場合は、処理水純
度の高いものが得られ、性能安定性にも優れており、特
に好ましい。
【0024】本発明において脱イオン水を製造するため
の装置としては、例えば特開平3ー186400号公
報、特開平2ー277526号公報、特開平5ー647
26号公報、米国特許第4632745号明細書及び米
国特許第5425866号明細書などに記載されてい
る、次のような構成を有する電気透析槽を使用すること
が好ましい。電気透析槽には、陽極を備える陽極室と陰
極を備える陰極室との間に複数枚の陽イオン交換膜と陰
イオン交換膜とを好ましくは室枠を介して交互に配列し
て、陽極側が陰イオン交換膜で区画され、陰極側が陽イ
オン交換膜で区画された脱塩室と、陰極側が陽イオン交
換膜で区画され、陽極側が陰イオン交換膜で区画された
濃縮室とを交互に好ましくは2〜50組程度形成され
る。陽イオン交換膜と陰イオン交換膜との間に介在する
中央に開口部を有する額縁状の室枠の厚みは、脱塩室及
び濃縮室の厚みを規定する。脱塩室及び濃縮室の室枠の
厚みは必ずしも同じである必要はない。イオン交換膜は
均一系又は不均一系の何れのものも使用でき、機械的強
度を大きくするため、織布又は不織布で補強したものも
使用できる。濃縮室にはその厚みを所定厚に保持するた
めにネット状のスペーサ(離間材)が挿入配置されるこ
とが好ましい。脱塩室には被処理水を流し、濃縮室には
濃縮された塩類を排出するための水を流しながら電流を
流すことにより脱塩を行うことができる。各ユニットセ
ルには、好ましくは4〜20V程度の電圧が印加され、
電流密度は好ましく0.00001〜0.05A/cm
2 にて通電される。
【0025】図1は、その種電気透析槽の一態様例を模
式的に示す図である。図1中Aは陰イオン交換膜、Kは
陽イオン交換膜であり、図示のとおり、これら両イオン
交換膜A及び陽イオン交換膜Kは電気透析槽1中に脱塩
室枠D1、D2、D3 ・・・Dn及び濃縮室枠C1、C2
3 ・・・Cnを介して所定間隔を置いて配置され、こ
れにより陽極室2、濃縮室S1、S2・・・Sn、脱塩室
1、R2・・・Rn及び陰極室3が構成される。そして
脱塩室R1、R2・・・Rnには陰陽のイオン交換樹脂が
収容、充填される。濃縮室には、スペーサーN1、N2
3 ・・・Nnが挿入配置される。
【0026】図1中符号4は陽極、5は陰極であり、操
作中両極間に所定の電圧がかけられる。これにより導管
6から脱塩室R1、R2・・・Rnへ導入される被処理液
中の陰イオン成分は陰イオン交換膜Aを通して陽極側の
濃縮室へ透過移行する一方、被処理液中の陽イオン成分
は陽イオン交換膜Kを通して陰極側の濃縮室へ透過移行
し、被処理液自体は脱イオン化され、導管7を通して排
出される。また濃縮液は導入管8を通して各濃縮室
1、S2・・・Snへ導入され、ここで上記のように透
過移行した陰陽両イオンが集められ濃縮液として導管9
から排出される。
【0027】脱塩室内において陽イオン交換体に捕捉さ
れた被処理水中の陽イオンは、電場により駆動力を与え
られ、捕捉した陽イオン交換体に接触している陽イオン
交換体を経由して陽イオン交換膜に達し、さらに膜を通
過して濃縮室に移動する。同様に、陰イオン交換体に捕
捉された被処理水中の陰イオンは陰イオン交換体、陰イ
オン交換膜を経由して濃縮室に移動する。このことから
陽イオン交換体及び陰イオン交換体がある範囲で集合し
て集合域を形成していると、同種イオン粒子同士の接触
点が格段に多くなるためイオンの移動が容易になり、脱
イオン性能が向上するのでさらに好ましい。
【0028】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明がこれら実施例に限定されないこと
はもちろんである。
【0029】《実施例1》粒径が400〜600μm、
イオン交換容量が4.5ミリ当量/g乾燥樹脂のスルホ
ン酸酸型(H型)陽イオン交換樹脂(三菱化学社製、商
品名:ダイヤイオンSKー1B)、および粒径が400
〜600μm、イオン交換容量が3.5ミリ当量/g乾
燥樹脂の4級アンモニウム塩型(OH型)陰イオン交換
樹脂(三菱化学社製、商品名:ダイヤイオンSAー10
A)を温度50℃で熱風乾燥して水分率を8重量%とし
た後、陽イオン交換樹脂/陰イオン交換樹脂=44/5
6(乾燥状態での重量比)で混合して、イオン交換容量
比が50/50の混合物とした。
【0030】この乾燥イオン交換樹脂混合物を脱塩室の
厚みが1.2cm、濃縮室の厚みが0.2cmの縦型の
電気透析槽の脱塩室に容積充填率で60%充填し、60
分間の通水及び24時間の前通電処理後、10μS/c
mの水中での比抵抗を測定したところ、電流密度0.0
025A/cm2 の時、1051Ω・cmであった。か
かる電気透析槽を用いて以下のように脱イオン水の製造
を行った。電気透析槽は陽イオン交換膜(強酸性不均一
膜、厚み500μm、イオン交換容量4.5ミリ当量/
グラム乾燥樹脂)及び陰イオン交換膜(強塩基性不均一
膜、厚み500μm、イオン交換容量3.5ミリ当量/
グラム乾燥樹脂)を脱塩室枠(厚み1.2cmのポリプ
ロピレン製)濃縮室枠(厚み0.2cmのポリプロピレ
ン製)を介して配列し、締め付けたフィルタープレス型
透析槽(濃縮室には、交点厚みが0.2cmのポリプロ
ピレン製ネットを挿入)からなる有効面積507cm2
(横13cm、縦39cm)×5対のものを用いた。
【0031】原水として電導度5μS/cmの水を用
い、電流密度0.004A/cm2 (電圧=ユニットセ
ル当り5V)で脱塩を行ったところ、電導度0.062
μS/cmの処理水が0.4m3 /hの生産量で安定し
て得られた。この場合、生産水1m3/hあたりの膜使
用有効面積は1.27m2であった。測定後脱塩室のイ
オン交換樹脂を取り出し、自由状態のイオン交換樹脂混
合物の容積を測定したところ、脱塩室の容積の122%
の容積であった。また、図2に示す測定装置を使用し、
本実施例と同じ乾燥イオン交換体を、同じ容積充填率で
図2に示す金属容器10に入れ、通水して発生圧力を測
定したところ、圧力は2.1kg/cm2 であった。な
お、図2中、11は金属板、12は水注入口、13は水
出口、14はロードセル、15は乾燥イオン交換体であ
る。
【0032】《実施例2》粒径が400〜600μm、
イオン交換容量が4.5ミリ当量/g乾燥樹脂のスルホ
ン酸ナトリウム型(Na型)陽イオン交換樹脂(三菱化
学社製、商品名:ダイヤイオンSKー1B)、および粒
径が400〜600μm、イオン交換容量が3.5ミリ
当量/g乾燥樹脂の4級アンモニウム塩型(Cl型)陰
イオン交換樹脂(三菱化学社製、商品名:ダイヤイオン
SAー10A)を温度50℃で熱風乾燥し水分率を8重
量%とした後、陽イオン交換樹脂/陰イオン交換樹脂=
44/56(乾燥状態での重量比)で混合し、イオン交
換容量比が50/50の混合物とした。
【0033】この混合物に線状低密度ポリエチレン(ダ
ウケミカル社製、商品名:アフィニティSMー130
0)を3重量%混合し、温度120〜130℃で混練し
た。得られた混練物を平板プレスで温度130℃で熱成
形し、厚さ0.6cmの多孔質イオン交換体シート状物
を得た。この多孔質シート状物の、連続した空隙の空隙
率は23容量%であった。この多孔質イオン交換シート
を、脱塩室の厚みを0.8cmとした以外は実施例1と
同じ構成を有する電気透析槽の脱塩室に容積充填率で5
4%収容し、60分間の通水及び24時間の前通電処理
後、10μS/cmの水中での比抵抗を測定したとこ
ろ、電流密度0.0025A/cm2 の時、1164Ω
・cmであった。
【0034】比抵抗の測定後脱イオン水の製造を行っ
た。電気透析槽として、脱塩室の厚みを除いて実施例1
と同じ電気透析槽を用いた。原水として電導度5μS/
cmの水を用い、電流密度0.004A/cm2 (電圧
=ユニットセル当り5V)で脱塩を行ったところ、電導
度0.060μS/cmの処理水が0.45m3 /hの
生産量で安定して得られた。この場合、生産水1m3
h あたりの膜使用有効面積は1.13m2 であった。
運転後脱塩室のイオン交換シートを取り出し、自由状態
の容積を測定したところ脱塩室の容積の111%の容積
であった。また、本実施例と同じ乾燥イオン交換体シー
トを、同じ容積充填率で図2に示す測定装置の金属容器
10に入れ通水して発生圧力を測定したところ、圧力は
1.2kg/cm2 であった。
【0035】《実施例3》粒径が400〜600μm、
イオン交換容量が4.5ミリ当量/g乾燥樹脂のスルホ
ン酸ナトリウム型(Na型)陽イオン交換樹脂(三菱化
学社製、商品名:ダイヤイオンSKー1B)、および粒
径が400〜600μm、イオン交換容量が3.5ミリ
当量/g乾燥樹脂の4級アンモニウム塩型(Cl型)陰
イオン交換樹脂(三菱化学社製、商品名:ダイヤイオン
SAー10A)を温度50℃で熱風乾燥し水分率を8重
量%とした。各々のイオン交換樹脂に、線状低密度ポリ
エチレン(ダウケミカル社製、商品名:アフィニティS
Mー1300)を3重量%混合し、温度120〜130
℃で混練した。得られた各々の混練物を平板プレスで温
度130℃で熱成形し、厚さ0.6cmの多孔質陽イオ
ン交換体シート状物と多孔質陰イオン交換体シート状物
を得た。得られた多孔質陽イオン交換体シート状物の連
続した空隙の空隙率は24容量%であり、多孔質陰イオ
ン交換体シート状物の空隙率は23容量%であった。
【0036】これら両多孔質イオン交換体シート状物を
用いて、図3(a)〜(b)に示す形状の陽イオン交換
体のドメイン(領域)と陰イオン交換体のドメイン(領
域)の組み合わせを作製し、実施例2と同じ電気透析槽
の厚さ0.8cmの脱塩室に容積充填率66%で充填し
た。図3(a)は平面図、図3(b)は図3(a)中Y
ーY線断面図であり、図3中符号16はアニオン交換体
ドメインを示し、符号17はカチオン交換体ドメインを
示している。60分間の通水及び24時間の前通電処理
後、10μS/cmの水中での比抵抗を測定したとこ
ろ、電流密度0.0025A/cm2 の時911Ω・c
mであった。
【0037】比抵抗の測定後脱イオン水の製造を行っ
た。電気透析槽は実施例2で使用したものと同じ電気透
析槽を用いた。原水として電導度5μS/cmの水を用
い、電流密度0.004A/cm2 (電圧=ユニットセ
ル当り5V)で脱塩を行ったところ、電導度0.057
μS/cmの処理水が0.47m3 /hの生産量で安定
して得られた。この場合、生産水1m3 /hあたりの膜
使用有効面積は1.08m2 であった。測定後脱塩室の
イオン交換樹脂を取り出し、容積を測定したところ脱塩
室の容積の134%の容積であった。また本実施例と同
じ乾燥イオン交換体を、同じ容積充填率で図2に示す測
定装置の金属容器10に入れ、通水して発生圧力を測定
したところ、圧力は4.2kg/cm2 であった。
【0038】《実施例4》粒径が400〜600μm、
イオン交換容量が4.5ミリ当量/g乾燥樹脂のスルホ
ン酸ナトリウム型(Na型)陽イオン交換樹脂(三菱化
学社製、商品名:ダイヤイオンSKー1B)、および粒
径が400〜600μm、イオン交換容量が3.5ミリ
当量/g乾燥樹脂の4級アンモニウム塩型(Cl型)陰
イオン交換樹脂(三菱化学社製、商品名:ダイヤイオン
SAー10A)を温度50℃で熱風乾燥し水分率を8重
量%とした。各々のイオン交換樹脂に1,2ーポリブタ
ジエン(日本合成ゴム社製、RBー820)を3重量%
混合し、温度120〜130℃で混練した。得られた各
々の混練物を平板プレスで温度130℃で熱成形し、厚
さ0.6cmの多孔質陽イオン交換体シート状物と多孔
質陰イオン交換体シート状物を得た。得られた多孔質陽
イオン交換体シート状物の連続した空隙の空隙率は24
容量%であり、多孔質陰イオン交換体シート状物の空隙
率は23容量%であった。
【0039】これらの両多孔質イオン交換体シート状物
を使用して、図4(a)〜(b)に示す形状の陽イオン
交換体のドメイン(領域)と陰イオン交換体のドメイン
(領域)の組み合わせを作製し、厚さ0.8cmの脱塩
室に容積充填率55%で充填した。図4(a)は平面
図、図4(b)は図4(a)中ZーZ線断面図であり、
図4中、符号16はアニオン交換体ドメインを示し、符
号17はカチオン交換体ドメインを示している。60分
間の通水及び24時間の前通電処理後、10μS/cm
の水中での比抵抗を測定したところ、電流密度0.00
25A/cm2 の時1206Ω・cmであり、同じ混合
比の未乾燥再生型イオン交換樹脂をセルに入れて測定し
た場合の1362Ω・cmより低い値が得られた。
【0040】比抵抗の測定後脱イオン水の製造を行っ
た。電気透析槽は実施例2で使用したものと同じものを
用いた。原水として電導度5μS/cmの水を用い、電
流密度0.004A/cm2 (電圧=ユニットセル当り
5V)で脱塩を行ったところ、電導度0.057μS/
cmの処理水が0.46m3 /hの生産量で安定して得
られた。この場合、生産水1m3 /h当りの膜使用有効
面積は1.10m2 であった。測定後脱塩室のイオン交
換樹脂を取り出し、容積を測定したところ脱塩室の容積
の113%の容積であった。また本実施例と同じ乾燥イ
オン交換体を、同じ容積充填率で図2に示す測定装置の
金属容器10に入れ、通水して発生圧力を測定したとこ
ろ、圧力は1.3kg/cm2 であった。
【0041】《比較例》粒径が400〜600μm、イ
オン交換容量が4.5ミリ当量/g乾燥樹脂のスルホン
酸酸型(H型)陽イオン交換樹脂(三菱化学社製、商品
名:ダイヤイオンSKー1B)、および粒径が400〜
600μm、イオン交換容量が3.5ミリ当量/g乾燥
樹脂の4級アンモニウム塩型(OH型)陰イオン交換樹
脂(三菱化学社製、商品名:ダイヤイオンSAー10
A)を塩酸及び水酸化ナトリウム水溶液で再生した後、
陽イオン交換樹脂/陰イオン交換樹脂=40/60(湿
潤状態での容量比)で混合し、イオン交換容量比が50
/50の混合物とした。
【0042】この湿潤状態にある再生イオン交換樹脂混
合物を、脱塩室の幅が0.8cmである以外は実施例1
と同じ構成を有する電気透析槽の脱塩室に容積充填率で
100%充填し、60分間の通水及び24時間の前通電
処理後、10μS/cmの水中での比抵抗を測定したと
ころ、電流密度0.0025A/cm2 の時1362Ω
・cmであった。比抵抗の測定後脱イオン水の製造を行
った。電気透析槽は、脱塩室の厚みが異なる他は実施例
1と同じものを用いた。原水として電導度5μS/cm
の水を用い、電流密度0.005A/cm2 (電圧=ユ
ニットセル当り5V)で脱塩を行ったところ、電導度
0.07μS/cmの処理水が0.04m3 /hの生産
量でしか得られなかった。処理水量を増大させると電導
度が上昇するため処理水量を増大することはできなかっ
た。この場合、生産水1m3 /h当りの膜使用有効面積
は12.68m2 と大きい値であった。
【0043】
【発明の効果】本発明の脱イオン水製造装置によれば、
電気透析槽の脱塩室に収容するイオン交換体相互(同
士)及びイオン交換膜との密着性を上げることにより電
気抵抗を小さくすることができ、脱塩室の厚みも大きく
できる。従って膜使用面積が少なく、生産水量が大きい
装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自己再生型電気透析装置の一態様例を模式的に
示す図。
【図2】本実施例において乾燥イオン交換体の通水によ
る発生圧力を測定した装置の概略を示す図。
【図3】陰陽の両多孔質イオン交換体シート状物を島状
に構成した多孔質イオン交換樹脂体の態様例を示す図
(実施例3で使用)。
【図4】陰陽の両多孔質イオン交換体シート状物を多層
状に構成した多孔質イオン交換樹脂体の態様例を示す図
(実施例4で使用)。
【符号の説明】
A 陰イオン交換膜 K 陽イオン交換膜 1 容器(電気透析槽) 2 陽極室 3 陰極室 4 陽極 5 陰極 S1、S2・・・Sn 濃縮室 R1、R2・・・Rn 脱塩室 D1、D2、D3 ・・・Dn 脱塩室枠 C1、C2、C3 ・・・Cn 濃縮室枠 N1、N2、N3 ・・・Nn スペーサー 6 被処理液導入管 7 脱イオン水導管 8 濃縮液導入管 9 濃縮液導管 10 金属容器 11 金属板 12 水注入口 13 水出口 14 ロードセル 15 乾燥イオン交換体 16 アニオン交換体ドメイン 17 カチオン交換体ドメイン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅村 和郎 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 小松 健 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 星 徹 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 マーク フィリップ フューネルガード カナダ国オンタリオ州 グエルフ ローヤ ルロード 29 グレッグ ウォーター コ ンディショニング インコーポレイテイド 内 (72)発明者 デービット フローリアン テッシール カナダ国オンタリオ州 グエルフ ローヤ ルロード 29 グレッグ ウォーター コ ンディショニング インコーポレイテイド 内 (72)発明者 イアン グレン トウェ カナダ国オンタリオ州 グエルフ ローヤ ルロード 29 グレッグ ウォーター コ ンディショニング インコーポレイテイド 内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陰極と陽極の間に陽イオン交換膜と陰イオ
    ン交換膜を交互に配列させ脱塩室と濃縮室とを形成させ
    た電気透析槽の脱塩室にイオン交換体を収容してなる脱
    イオン水製造装置において、脱塩室に収容されたイオン
    交換体と脱塩室を区画する陽イオン交換膜及び陰イオン
    交換膜との間に0.1〜20kg/cm2 の圧力を発生
    させるようにせしめたことを特徴とする脱イオン水製造
    装置。
  2. 【請求項2】上記脱塩室の厚みが、0.7〜30cmで
    ある請求項1記載の脱イオン水製造装置。
  3. 【請求項3】脱塩室に収容したイオン交換体と陽イオン
    交換膜及び陰イオン交換膜との間に圧力を発生させる手
    段が、脱塩室に収容するイオン交換体を再生型の容積よ
    り容積を減少させた形に変換し、自由状態でのイオン交
    換体再生型容積が脱塩室容積に対して103〜170%
    となる量のイオン交換体を脱塩室に充填して通水及び通
    電することにより、イオン交換体の容積を増大させ、圧
    力を増大させる手段である請求項1乃至請求項2の何れ
    かに記載の脱イオン水製造装置。
  4. 【請求項4】脱塩室に収容するイオン交換体の容積を減
    少させる手段が、脱塩室に収容するイオン交換体を含水
    率30重量%以下の乾燥状態とし、脱塩室に収容した
    後、通水及び通電する手段である請求項3記載の脱イオ
    ン水製造装置。
  5. 【請求項5】脱塩室に収容するイオン交換体が、陽イオ
    ン交換樹脂、陰イオン交換樹脂又はそれらの混合物をバ
    インダーポリマーで接着した多孔体であることを特徴と
    する請求項1乃至請求項4の何れかに記載の脱イオン水
    製造装置。
  6. 【請求項6】脱塩室に収容するイオン交換体が、少なく
    とも1つの陽イオン交換体のドメインと少なくとも1つ
    の陰イオン交換体のドメインの組み合わせで構成される
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載
    の脱イオン水製造装置。
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JP2003019483A (ja) * 2001-07-10 2003-01-21 Asahi Glass Co Ltd イオン交換体を含む充填材の充填方法
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