JPH10219067A - 水性エマルジョン - Google Patents

水性エマルジョン

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JPH10219067A
JPH10219067A JP2300097A JP2300097A JPH10219067A JP H10219067 A JPH10219067 A JP H10219067A JP 2300097 A JP2300097 A JP 2300097A JP 2300097 A JP2300097 A JP 2300097A JP H10219067 A JPH10219067 A JP H10219067A
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征司 谷本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水性エマルジョンの放置粘度安定性(ポット
ライフ)、皮膜の耐水性および耐水接着力を改善するこ
と。 【解決手段】 エチレン性不飽和単量体及びジエン系単
量体から選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和単量体
単位を有する重合体を分散質とし、分子内に一級または
二級アミノ基から選ばれた少なくとも一種の官能基を有
する変性ポリビニルアルコ−ルを分散質とする水性エマ
ルジョン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水性エマルジョンに関
し、さらに詳しくは、耐水接着力に優れ、木工用接着
剤、合板用接着剤、塗料、繊維加工剤、紙加工剤などと
して好適な水性エマルジョンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、水性ポリマーエマルジョン
は、木、紙、プラスチック等の接着剤、塗料、繊維加工
剤、紙加工剤など多くの用途で広範に使用されている。
しかし、近年、接着製品等の耐久性に対する要求が高ま
る中で、水性エマルジョンの耐水性の改良が強く望まれ
ている。このような状況において、水性ポリマーエマル
ジョンに架橋性基を導入する試みが多くなされており、
接着剤の耐久性も飛躍的に向上しつつある。例えば、最
近、アセトアセチル基を水性ポリマーエマルジョンに導
入する方法が検討されており、耐水性の顕著な向上が報
告されているが、アセトアセチル基自身が極めて反応性
に富むが故にポットライフが悪く、しかも、第三成分を
添加して組成物とする場合に厳しい制限がある。また、
以前より、カルボキシル基を水性エマルジョンに導入
し、その水性エマルジョンにカルボキシル基と反応する
多官能性架橋剤を添加する方法が数多く検討されてい
る。しかし、この場合も、耐水性とポットライフのバラ
ンスをとることが難しい状況にある。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、このよう
な事情のもとで、皮膜の耐水性に優れ、しかもポットラ
イフの良好な水性エマルジョンを提供することを目的と
するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的は、エチレン性
不飽和単量体単位からなる重合体を分散質とし、分子内
に一級または二級アミノ基から選ばれた少なくとも一種
の官能基を有する変性ポリビニルアルコールを分散剤と
する水性エマルジョンを提供することによって達成され
る。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明の水性エマルジョンは、エチレン性不飽和
単量体単位からなる重合体を分散質とし、分子内に一級
または二級アミノ基から選ばれた少なくとも一種の官能
基を有する変性ポリビニルアルコールを分散剤とするも
ので、成分の分離、沈降、凝集などが生じず、安定な水
性液の状態を保つことができる。このような水性エマル
ジョンの代表例としては、 (a)分子内に一級または二級アミノ基から選ばれた少
なくとも一種の官能基を有する変性ポリビニルアルコー
ルの存在下に水性媒体中でエチレン性不飽和単量体及び
ジエン系単量体から選ばれる一種あるいは二種以上の不
飽和単量体を乳化重合して得られる水性エマルジョン
[以下これを「(a)」ということがある]; (b)エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から
選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和単量体単位から
なる重合体を分散質とする水性エマルジョンに、分子内
に一級または二級アミノ基から選ばれた少なくとも一種
の官能基を有する変性ポリビニルアルコールを添加して
得られる水性エマルジョン[以下これを「(b)」とい
うことがある];を挙げることができる。
【0006】そこでまず(a)および(b)に用いる、
分子内に一級または二級アミノ基から選ばれた少なくと
も一種の官能基を有する変性ポリビニルアルコール(以
下これを「アミノ基含有PVA」と略称することがあ
る)について具体的に説明する。分子内に一級または二
級アミノ基から選ばれた少なくとも一種の官能基を有す
る変性ポリビニルアルコールは、分子内に一級または二
級アミノ基を含有するポリビニルアルコール系重合体で
あれば特に制限はない。この官能基を有するポリビニル
アルコール系重合体は様々な方法により得ることができ
るが、例えば、 1.一級アミノ基または二級アミノ基を有するエチレン性
不飽和単量体または加水分解等により一級アミノ基また
は二級アミノ基を生成しうる官能基を有するエチレン性
不飽和単量体(ビニルホルムアミドなど)と、酢酸ビニ
ルとを共重合させた後、鹸化する方法、 2.アリルグルシジルエーテルなどのエポキシ基を有する
単量体と酢酸ビニルからなる重合体の側鎖のエポキシ基
に、アミノ基を有するメルカプタン(2−アミノチオフ
エノ−ル、2−アミノエタンチオ−ルなど)をNaOH
等を触媒として付加反応させた後、鹸化する方法、 3.ポリビニルアルコールの水酸基と反応しうる官能基を
分子内に有し、かつ、一級あるいは二級アミノ基を有す
る化合物をポリビニルアルコール系重合体に反応させる
方法等によって得られる。さらにまた、 4.メルカプト基を有するポリビニルアルコール系重合体
の存在下で、一級アミノ基または二級アミノ基を有する
エチレン性不飽和単量体を重合する方法によっても得ら
れる。なお、この方法ではポリビニルアルコール系ブロ
ックポリマーが得られる。
【0007】本発明の分子内に一級または二級アミノ基
から選ばれた少なくとも一種の官能基を有する変性ポリ
ビニルアルコールは、分子内に一級または二級アミノ基
以外の官能基を有していても、また他の単量体を共重合
成分として有していても本発明の効果を損なわない限り
差し支えなしいてもよい。ここで他の単量体成分として
は、エチレン,イソブチレン,アクリロニトリル,メタ
クリロニトリル,アクリル酸,メタクリル酸,(無水)
フマル酸,(無水)マレイン酸,(無水)イタコン酸、
アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホ
ン酸、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、アクリル酸スルホプロピル、メタクリル酸スルホプ
ロピル及びそれらのアルカリ塩、アクリルアミド,メタ
クリルアミド,トリメチル−(3−アクリルアミド−3
−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド,エチル
ビニルエーテル,ブチルビニルエーテル,N−ビニルピ
ロリドン,塩化ビニル,臭化ビニル,フッ化ビニル,塩
化ビニリデン,フッ化ビニリデン,テトラフルオロエチ
レンなどが挙げられる。また、チオール酢酸,メルカプ
トプロピオン酸などのチオール化合物存在下で、酢酸ビ
ニルなどのビニルエステル系単量体を重合することによ
って得られる末端に官能基を有するものでも良い。
【0008】本発明の分子内に一級または二級アミノ基
から選ばれた少なくとも一種の官能基を有する変性ポリ
ビニルアルコールにおける一級アミノ基または二級アミ
ノ基の含有量は、特に制限はなく各種の状況に応じて適
宜選定すればよいが、通常は、該官能基を含有する単量
体単位として0.1 から30モル%、このましくは0.5 〜25
モル%である。該官能基が0.1 モル%未満では官能基を
導入したことによる効果が十分に発現しない場合があ
り、一方、30モル%をこえるとポリビニルアルコール本
来の特性が十分に発現しなくなる恐れがある。また、こ
の官能基を有する変性ポリビニルアルコールの重合度
は、使用目的により異なり、一義的に定めることはでき
ないが、100以上が好ましく特に200〜8000が
より好ましい。また、この変性ポリビニルアルコールの
鹸化度についても特に制限はないが、50モル%以上が
好ましく特に80〜99.9モル%がより好ましい。
【0009】次に(a)について具体的に説明する。
(a)は、一般にアミノ基含有PVAの存在下にエチレ
ン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる一種
あるいは二種以上の不飽和単量体を乳化重合して得られ
る水性エマルジョンからなっている。アミノ基含有PV
Aの存在下に乳化重合できる不飽和単量体としては、例
えば、酢酸ビニル等のビニルエステル系不飽和単量体、
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、
(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリ
ルニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリ
ル酸2-ヒドロキシエチル等のアクリル系不飽和単量体、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン
含有不飽和単量体、スチレン系単量体、エチレン、プロ
ピレンなどのオレフィン系単量体、ブタジエン、イソプ
レン、クロロプレン等のジエン系単量体などを挙げるこ
とができ、(a)はこれらの不飽和単量体の1種または
2種以上をアミノ基含有PVAの存在下に乳化重合する
ことによって得ることができる。
【0010】(a)においては、分散質である上述の不
飽和単量体単位からなる(共)重合体と分散剤であるア
ミノ基含有PVAとの比率は各々の状況に応じて調節す
ることができるが、通常はアミノ基含有PVAの量を、
分散質100重量部に対して0.5〜300重量部とす
ることが好ましく、1〜200重量部とすることがより
好ましい。分散質100重量部に対してアミノ基含有P
VAの量が0.5重量部未満である場合には、ポリビニ
ルアルコール保護コロイド系の特徴である機械的安定性
に優れる実用的な高固形分濃度のエマルジョンが得られ
なくなる場合があり、一方アミノ基含有PVAの量があ
まり多すぎると、エマルジョンの放置安定性が低下する
などの問題を生ずる場合がある。アミノ基含有PVAを
前記した量にすると、保存安定性、機械的安定性に優れ
る(a)を得ることができる。
【0011】また、(a)は、目的を阻害しない範囲内
の量で、アミノ基含有PVAと共に、従来公知の各種P
VAや、水溶性セルロース誘導体等の水溶性高分子やア
ニオン性、カチオン性、ノニオン性あるいは両性の低分
子界面活性剤を含有していてもよい。そして、(a)で
は、水性液中における全重合体の合計濃度が約20〜7
0重量%であることが、(a)の分散安定性、取り扱い
性などの点から好ましく、30〜60重量%であること
がより好ましい。
【0012】(a)の製造方法は特に制限されないが、
好ましくは、アミノ基含有PVAの存在下に、上記した
不飽和単量体の1種または2種以上を用いて乳化重合を
行うことにより製造される。乳化重合時の不飽和単量体
とアミノ基含有PVAの使用割合は、重合により得られ
る(a)における分散質(不飽和単量体の重合により得
られる重合体)とアミノ基含有PVAとの割合が上記し
た好ましい範囲になるようにして定めることが望まし
い。乳化重合は、通常の乳化重合反応におけるのと同様
に、水系媒体中でアミノ基含有PVAの存在下に、上記
した不飽和単量体の1種または2種以上を、ラジカル重
合開始剤を使用して重合させることによって実施され
る。その際の重合開始剤としては、例えば過酸化水素
水、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、
キュメンハイドロパーオキシド、t-ブチルハイドロパー
オキシド、アゾビスイソブチロニトリル、過硫酸塩(カ
リウム、ナトリウムあるいはアンモニウム塩)、過酢酸
t-ブチル、安息香酸t-ブチル、水溶性アゾ系開始剤(V
−50等)などが単独で、あるいは前記した化合物と亜
硫酸ナトリウム、トリエタノールアミン、ロンガリッ
ト、L- アスコルビン酸、酒石酸などの還元剤を併用し
て用いられる。
【0013】また、(a)を製造するための具体的な重
合方法も特に制限されないが、例えば、アミノ基含有
PVA、前述の不飽和単量体および水を一括して仕込ん
で重合する方法;アミノ基含有PVAを含有する水中
に不飽和単量体の一部を仕込んで重合を開始し、次いで
残りの不飽和単量体を重合系に逐次添加して重合する方
法;アミノ基含有PVA、不飽和単量体および水を予
め混合しておき、この一部を仕込んで重合を開始し、残
りを重合系に逐次添加して重合する方法;アミノ基含
有PVAを含有する水中に2種以上の単量体組成の異な
る不飽和単量体を2段階以上に分けて重合系に逐次添加
して多段階で共重合させる方法;などを挙げることがで
きる。
【0014】本発明の(a)は、長期間放置しても安定
であり、エマルジョン中に含まれる成分の沈降や凝集、
凝固などが生じず、また、外部から多少の機械的作用
(例えば撹拌や揺動など)が加えられてもその安定な分
散状態が破壊されず、長期に亙って良好な接着性能を保
つことができる。
【0015】次に、(b)について具体的に説明する。
(b)エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から
選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和単量体単位から
なる重合体を分散質とする水性エマルジョンに、分子内
に一級または二級アミノ基から選ばれた少なくとも一種
の官能基を有する変性ポリビニルアルコールを添加して
得られる水性エマルジョンであり、一般に、予め製造さ
れているエチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体か
ら選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和単量体単位か
らなる重合体を分散質とする水性エマルジョンに、アミ
ノ基含有PVAを直接そのまま混合するか、またはアミ
ノ基含有PVAの水溶液を混合することによって得るこ
とができる。その場合のエチレン性不飽和単量体及びジ
エン系単量体から選ばれる一種あるいは二種以上の不飽
和単量体単位からなる重合体を分散質とする水性エマル
ジョンとしては、(a)の調製に用いいるのと同様の不
飽和単量体、例えば、酢酸ビニル等のビニルエステル系
不飽和単量体、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルな
どの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)ア
クリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)ア
クリル酸2−ヒドロキシエチル等のアクリル系不飽和単
量体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル等のハ
ロゲン含有不飽和単量体、スチレン系単量体、エチレ
ン、プロピレンなどのオレフィン系単量体、ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系単量体の1
種または2種以上を、通常の乳化重合に用いられている
のと同様、従来公知の各種PVAや、水溶性セルロース
誘導体等の水溶性高分子やアニオン性、カチオン性、ノ
ニオン性あるいは両性の低分子界面活性剤を用いて、上
記したのと同様のラジカル重合開始剤の存在下に乳化重
合したものを用いればよい。
【0016】また、本発明のエチレン性不飽和単量体及
びジエン系単量体から選ばれる一種あるいは二種以上の
不飽和単量体単位からなる重合体を分散質とする水性エ
マルジョンには、上記の如きエチレン性不飽和単量体を
水性媒体中で乳化重合して得られるもの以外に、種々の
重合方法により得られた重合体を水性媒体に各種乳化分
散安定剤を用いて機械的に後乳化したものや、種々の重
合方法に得られる分子中に水溶性官能基(カルボキシル
基、アミノ基、スルホン酸基等)を有する重合体を水性
媒体中に自己乳化させたもの、例えば、ポリウレタンエ
マルジョン、ポリオレフィンエマルジョン、エポキシエ
マルジョン、ポリエステル系エマルジョンなどを性能を
損なわない範囲で混合してもよい。本発明に用いられる
エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれ
る一種あるいは二種以上の不飽和単量体単位からなる重
合体を分散質とする水性エマルジョンは、上記の方法等
で得られるものを単独で用いても良いが、必要があれ
ば、二種以上を併用しても良い。
【0017】そして、(b)では、エチレン性不飽和単
量体及びジエン系単量体から選ばれる一種あるいは二種
以上の不飽和単量体単位からなる重合体を分散質とする
水性エマルジョンとアミノ基含有PVAとの比率は各々
の状況に応じて調節することができるが、(a)の場合
と同様に、水性エマルジョン中の重合体100重量部に
対してアミノ基含有PVAの割合を好ましくは0.5〜
300重量部、より好ましくは1〜200重量部として
おくことによって、固形分濃度の高い、保存安定性およ
び機械的安定性に優れるエマルジョン形態の(b)を得
ることができる。
【0018】また、(b)は、目的を阻害しない範囲内
の量で、アミノ基含有PVAと共に、アミノ基を持たな
いPVAを含有していてもよい。そして、(b)におい
ても、水性液中における全重合体の合計濃度が約20〜
70重量%であることが、(b)の分散安定性、取り扱
い性などの点から好ましい。
【0019】(b)の製造方法は特に制限はないが、一
般的にはエチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体か
ら選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和単量体単位か
らなる重合体を分散質とする水性エマルジョンに、アミ
ノ基含有PVA水溶液を攪拌下混合することにより製造
される。このアミノ基含有PVA水溶液の調製法は特に
制限されず、通常、上記したアミノ基含有PVAを適当
な温度、好ましくは50〜100℃の温度で水に溶解さ
せることによって調製することができる。アミノ基含有
PVA水溶液におけるアミノ基含有PVAの濃度は
(b)中に含まれる他の成分の種類や濃度などに応じて
調節し得るが、一般には5〜20重量%の濃度の水溶液
にしておくことが、保存安定性、取り扱い性などの点か
ら好ましい。
【0020】さらに、本発明では、(b)には、(a)
に対して、アミノ基含有PVAまたはその水溶液を更に
追加添加したものも含まれる。
【0021】また、本発明の水性エマルジョンは、必要
に応じて、その乾燥性、セット性、粘度、造膜性などを
調製するために、トルエン、パークレン、ジクロロベン
ゼン、トリクロロベンゼンなどの各種有機溶剤、でんぷ
ん、変性でんぷん、酸化でんぷん、アルギン酸ソーダ、
カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒド
ロキシメチルセルロース、無水マレイン酸/イソブテン
共重合体、無水マレイン酸/スチレン共重合体、無水マ
レイン酸/メチルビニルエーテル共重合体などの水溶性
高分子や尿素/ホルマリン樹脂、尿素/メラミン/ホリ
マリン樹脂、フェノール/ホリマリン樹脂などの熱硬化
性樹脂、さらに、クレー、カオリン、タルク、炭酸カル
シウム、木粉などの充填剤、小麦粉などの増量剤、酸化
チタンなどの顔料あるいはその他、消泡剤、分散剤、凍
結防止剤、防腐剤、防錆剤などの各種添加剤を含有する
ものでも良い。本発明の水性エマルジョンは、耐水性が
高いという特徴を生かして、木工用接着剤、紙加工用接
着剤、塗料、繊維処理剤等の各種用途において用いられ
る。
【0022】
【実施例】以下、実施例と比較例を挙げて本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定される
ものではない。なお、以下の実施例および比較例におい
て「部」および「%」は、特に断らない限り重量基準を
意味する。また、得られたエマルジョンの皮膜耐水性、
耐水接着力および粘度安定性を下記の要領で評価した。
【0023】(エマルジョンの評価) (1)皮膜の耐水性 得られた水性エマルジョンを20℃、65%RH下で、
PET上に流延し、7日間乾燥させて500μmの乾燥
皮膜を得た。この皮膜を直径2.5cmに打ち抜き、そ
れを試料として20℃水に24時間浸漬した場合の、皮
膜の吸水率、溶出率を求めた。 (2)耐水接着力 得られた水性エマルジョンをツガ材(柾目)に150g
/m2 塗布し、はりあわせて7kg/m2 の荷重で16
時間圧締した。その後、解圧し、20℃、65%RH下
で5日間養生した後、、60℃の温水に3時間浸漬し、
ぬれたままの状態で圧縮せん断強度を測定した。 (3)粘度安定性(ポットライフ) エマルジョンを5℃および50℃に放置した場合の30
日後の粘度変化を観察した。
【0024】合成例1[アミノ基含有PVAの合成] 撹拌機、還流冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた反
応器に、酢酸ビニルモノマー405部、アリルグリシジ
ルエーテル11部およびメタノール30部を仕込み、窒
素ガスを15分バブリングして脱気した。別途、メタノ
ール15部に2,2-アゾビスイソブチロニトリル4.5部
を溶解した開始剤溶液を調製し、窒素ガスのバブリング
により窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が6
0℃となったところで、別途調製した開始剤溶液を添加
し重合を開始した。60℃で4時間重合し冷却して重合
を停止した。この時の固形分濃度は54.8%であっ
た。続いて30℃、減圧下にメタノールを時々添加しな
がら未反応の酢酸ビニルモノマーの除去を行い、ポリ酢
酸ビニル共重合体のメタノール溶液(濃度44.5%)
を得た。この共重合体は、アリルグリシジルエーテル単
位(エポキシ基)を2.1モル%含有する粘度平均分子
量が80X103 のポリ酢酸ビニル共重合体であった。
次に、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管及び温度計を備
えた反応器に、上記で得られたエポキシ基を有するポリ
酢酸ビニル共重合体のメタノール溶液(濃度44.5
%)100部を計り取り15分窒素ガスをバブリングし
た後、2−アミノチオフェノール8.0部と水酸化ナト
リウム0.03部をメタノール48部に溶解したものを
仕込んだ。撹拌しながら50℃で2時間反応させた後、
40℃に冷却してから10%濃度の水酸化ナトリウムの
メタノール溶液を40部添加し鹸化を行った。40℃で
5時間放置した後粉砕し、酢酸8部を加えて中和し、メ
タノールで48時間ソックスレー抽出を行った後、60
℃で20時間以上乾燥して、変性ポリビニルアルコール
を得た。該変性ポリビニルアルコール(PVA−1)
は、2.1モル%のアニリン基が導入されており、ビニ
ルアルコール含量は97.0モル%、重合度1000で
あった。
【0025】合成例2[アミノ基含有PVAの合成] 公知の方法(特開平4−308269号公報などに記載
された方法)により、ビニルホルムアミドと酢酸ビニル
を共重合した後、鹸化することによって一級アミノ基含
有PVA(重合度1050、鹸化度98.5%、ビニル
アミン基変性量3.0モル%、PVA−2)を合成し
た。
【0026】実施例1 合成例1の一級アミノ基含有PVA(重合度1000、
けん化度97.0%、一級アミノ基含有量2.1モル
%、PVA−1)5部に水100部を加え、95℃でP
VAを加熱溶解した。該PVA水溶液を耐圧オートクレ
ーブに仕込み、酢酸ビニル100部を添加して、窒素置
換後、エチレンを40kg/cm2 まで圧入した。次い
で、内温を60℃に上げ、V−50(和光純薬製)の1
%水溶液を逐次添加して共重合を行った。共重合は3時
間で完了し、固形分濃度53.0%、粘度1120mP
a・ sの安定な酢酸ビニル- エチレン共重合体エマルジ
ョン(Em−1)を得た。これを用いて、上記の(1)
皮膜の耐水性(2)耐水接着力(3)粘度安定性の試験
を行った。結果を表1に示す。
【0027】実施例2 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水100
部、合成例1の一級アミノ基含有PVA(重合度100
0、けん化度97.0%、一級アミノ基含有量2.1モ
ル%、PVA−1)5部を仕込み95℃で完全に溶解し
た。次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、14
0rpmで撹拌しながら酢酸ビニル10部を仕込み、6
0℃に昇温した後、過酸化水素/酒石酸のレドックス開
始剤系の存在下で重合を開始した。重合開始15分後か
ら酢酸ビニル90部を3時間にわたって連続的に添加
し、重合を完結させた。固形分濃度48.5%のポリ酢
酸ビニルエマルジョン(Em−2)が得られた。このエ
マルジョンの100重量部に対してジブチルフタレート
5部を添加混合した。これを用いて、実施例1と同様の
試験を行った。結果を合わせて表1に示す。
【0028】比較例1 エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(クラレ製
OM−4200、固形分濃度55%、Em−3)を用い
て、実施例1と同様の試験を行った。結果を合わせて表
1に示す。
【0029】比較例2 合成例1のアミノ基含有PVA(PVA−1)にかえ
て、無変性ポリビニルアルコール(PVA−3)を用い
る以外は実施例2と同様にポリ酢酸ビニルエマルジョン
(Em−4)を調製し、実施例1と同様の試験を行っ
た。結果を合わせて表1に示す。
【0030】実施例3 エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(クラレ製
OM−4200、固形分濃度55%、Em−3)100
部に対して、合成例1のPVA−1の15%水溶液10
部を添加して水性エマルジョンを調製した。この水性エ
マルジョンを用いて、実施例1と同様の試験を行った。
結果を合わせて表1に示す。
【0031】実施例4 エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(クラレ製
OM−4200、固形分濃度55%、Em−3)100
部に対して、合成例1のPVA−1の15%水溶液1部
を添加して水性エマルジョンを調製した。この水性エマ
ルジョンを用いて、実施例1と同様の試験を行った。結
果を合わせて表1に示す。
【0032】実施例5 エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(クラレ製
OM−4200、固形分濃度55%、Em−3)100
部に対して、合成例1のPVA−1の15%水溶液20
0部を添加して水性エマルジョンを調製した。この水性
エマルジョンを用いて、実施例1と同様の試験を行っ
た。結果を合わせて表1に示す。
【0033】実施例6 比較例2のポリ酢酸ビニルエマルジョン(Em−4)1
00部に対して、合成例1のPVA−1の15%水溶液
10部を添加して水性エマルジョンを調製した。この水
性エマルジョンを用いて、実施例1と同様の試験を行っ
た。結果を合わせて表1に示す。
【0034】実施例7 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水100
部、非イオン性界面活性剤(ノニポール200、三洋化
成製)3部、アニオン界面活性剤(サンデットBL、三
洋化成製)0.5部を仕込み溶解した。次に、窒素置換
後、140rpmで撹拌しながらアクリル酸n−ブチル
1.3部とメタクリル酸メチル1.3部を仕込み、70
℃に昇温した後、過硫酸アンモニウム5%水溶液2.5
部を添加し重合を開始した。重合開始15分後からアク
リル酸n−ブチル50部とメタクリル酸メチル50部を
混合したものを2時間にわたって連続的に添加し、重合
を完結させた。固形分濃度46.5%のポリ(アクリル
酸n−ブチル/メタクリル酸メチル)エマルジョン(E
m−5)が得られた。このエマルジョン100重量部に
対して合成例1のPVA−1の15%水溶液10部を添
加して水性エマルジョンを調製した。この水性エマルジ
ョンを用いて、実施例1と同様の試験を行った。結果を
合わせて表1に示す。
【0035】比較例3 実施例3のエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン
(クラレ製OM−4200、固形分濃度55%、Em−
3)100部に対して、無変性ポリビニルアルコール
(PVA−3)の15%水溶液10部を添加して水性エ
マルジョンを調製した。この水性エマルジョンを用い
て、実施例1と同様の試験を行った。結果を合わせて表
1に示す。
【0036】実施例8 合成例1のPVA−1にかえて、合成例2のビニルアミ
ン基含有PVA(重合度1050、鹸化度98.5%、
ビニルアミン基変性量3.0モル%、PVA−2)を用
いた以外は実施例1と同様にして、固形分濃度52.0
%、粘度1020mPa・ sの安定な酢酸ビニル- エチ
レン共重合体エマルジョン(Em−6)を得た。これを
用いて実施例1と同様の試験を行った。結果を合わせて
表1に示す。
【0037】実施例9 エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(クラレ製
OM−4200、固形分濃度55%、Em−3)100
部に対して、合成例2のPVA−2の15%水溶液10
部を添加して水性エマルジョンを調製した。この水性エ
マルジョンを用いて、実施例1と同様の試験を行った。
結果を合わせて表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明の水性エマルジョンは、放置粘度
安定性(ポットライフ)に優れる上、皮膜の耐水性およ
び耐水接着力に優れており、木工用接着剤、合板用接着
剤、紙加工剤、塗料、繊維加工剤などに幅広く好適に用
いられる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン性不飽和単量体及びジエン系単
    量体から選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和単量体
    単位からなる重合体を分散質とし、分子内に一級または
    二級アミノ基から選ばれた少なくとも一種の官能基を有
    する変性ポリビニルアルコールを分散剤とする水性エマ
    ルジョン。
  2. 【請求項2】 エチレン性不飽和単量体及びジエン系単
    量体から選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和単量体
    単位からなる重合体を分散質とする水性エマルジョン
    に、分子内に一級または二級アミノ基から選ばれた少な
    くとも一種の官能基を有する変性ポリビニルアルコール
    を添加して得られる水性エマルジョン。
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