JPH1021932A - 固体電解質型燃料電池セルおよびその製造方法 - Google Patents

固体電解質型燃料電池セルおよびその製造方法

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JPH1021932A
JPH1021932A JP8167886A JP16788696A JPH1021932A JP H1021932 A JPH1021932 A JP H1021932A JP 8167886 A JP8167886 A JP 8167886A JP 16788696 A JP16788696 A JP 16788696A JP H1021932 A JPH1021932 A JP H1021932A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属の凝集や焼結の防止効果が著しく向上でき
る固体電解質型燃料電池セルおよびその製造方法を提供
する。 【解決手段】固体電解質3の片面に多孔性の空気極2、
他面に多孔性の燃料極4が形成された固体電解質型燃料
電池セルにおいて、燃料極2が、表面および内部に微粒
のセラミック粒子33が析出した金属粒子により構成し
てなるものである。また、燃料極2がセラミック粒子3
5を骨格とする多孔質体36からなり、かつ、該多孔質
体36の空孔内に、表面および/または内部に微粒のセ
ラミック粒子33が析出した金属粒子39を分散してな
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解質型燃料
電池セルおよびその製造方法に関するもので、特に燃料
極の改良に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来より、固体電解質型燃料電池はその作
動温度が1000〜1050℃と高温であるため発電効
率が高く、第3世代の発電システムとして期待されてい
る。
【0003】一般に、固体電解質型燃料電池セルには円
筒型と平板型が知られている。平板型燃料電池セルは、
発電の単位体積当り出力密度が高いという特長を有する
が、実用化に関してはガスシ−ル不完全性やセル内の温
度分布の不均一性などの問題がある。それに対して、円
筒型燃料電池セルでは、出力密度は低いものの、セルの
機械的強度が高く、またセル内の温度の均一性が保てる
という特長がある。両形状の固体電解質型燃料電池セル
とも、それぞれの特長を生かして積極的に研究開発が進
められている。
【0004】円筒型燃料電池の単セルは、図1に示した
ように開気孔率40%程度のCaO安定化ZrO2 を支
持管1とし、その上にLaMnO3 系材料からなる多孔
性の空気極2を形成し、その表面にY2 O3 安定化Zr
O2 からなる固体電解質3を被覆し、さらにこの表面に
多孔性のNi−ジルコニアの燃料極4が設けられてい
る。燃料電池のモジュ−ルにおいては、各単セルはC
a、Sr、Mgを固溶させたLaCrO3 系材料からな
るインタ−コネクタ5を介してNiフェルトで接続され
る。このような燃料電池の発電は、各単セルを1000
℃程度の温度で保持するとともに、支持管1内部に空気
(酸素)6を、外部に燃料ガス7、例えば、水素、都市
ガス等を供給することにより行われる。
【0005】そして、近年、セル作製工程においてプロ
セス単純化のため、空気極材料であるLaMnO3 系材
料を直接多孔性の支持管として使用する試みがなされて
いる。空気極としての機能を併せ持つ支持管材料として
は、LaをCaあるいはSrで10〜20原子%置換し
たLaMnO3 固溶体材料が用いられている。
【0006】また、平板型燃料電池の単セルは、円筒型
セルと同じ材料系を用いて図2に示したように固体電解
質8の一方に多孔性の空気極9が、他方に多孔性の燃料
極10が設けられている。単セル間の接続は、セパレ−
タ11と呼ばれるMgやCaを添加した緻密質のLaC
rO3 材料が用いられる。
【0007】そして、上記した円筒型および平板型の固
体電解質型燃料電池セルの燃料極は、一般的にNi粉末
とZrO2 (Y2 O3 含有)粉末あるいはNiO粉末と
ZrO2 (Y2 O3 含有)粉末の混合粉末をスクリ−ン
印刷法により固体電解質表面に塗布するか、あるいは混
合粉末を含有する溶液中に浸漬した後、乾燥し燃料極と
して形成されていた。また、後者のNiO/ZrO
2 (Y2 O3 含有)混合粉末の場合は、1000〜14
00℃の還元雰囲気で熱処理して燃料極として形成され
ていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法で作製された燃料極は長時間の発電においてNi
(NiOは発電中に還元されNiとなる)の凝集や粒成
長により発電性能が低下するという大きな問題が発生し
ていた。
【0009】また、近年、この問題を解決するため、特
開平7−22032号に開示されるように、Zrおよび
Y元素を含むオクチル酸塩、ナフテン酸塩等の有機金属
化合物を熱分解させ、Ni等の金属粒子表面に微粒のZ
rO2 (Y2 O3 含有)セラミック粒子を析出させてN
iの凝集や焼結による性能低下を抑制する方法が提案さ
れているが、この方法においてもNiの凝集や焼結を防
止するには充分ではなかった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題に検
討を加えた結果、燃料極を構成している金属粒子の表面
と同時に金属粒子内部に微粒子のセラミック粒子を析出
せしめることにより、金属の凝集や焼結の抑制効果が著
しく向上することを見出し本発明に至った。また、本発
明ではセラミック粒子により骨格を形成し、その骨格の
空孔中に、表面および/または内部に微粒のセラミック
粒子を析出させた金属粒子を分散させることにより、さ
らに金属の凝集や焼結の抑制効果を向上でき、燃料極の
固体電解質への付着強度も向上できることを見出し本発
明に至った。
【0011】即ち、本発明の固体電解質型燃料電池セル
は、固体電解質の片面に多孔性の空気極、他面に多孔性
の燃料極が形成された固体電解質型燃料電池セルにおい
て、前記燃料極が、表面および内部に微粒のセラミック
粒子が析出した金属粒子により構成してなるものであ
る。
【0012】また、本発明の固体電解質型燃料電池セル
は、固体電解質の片面に多孔性の空気極、他面に多孔性
の燃料極が形成された固体電解質型燃料電池セルにおい
て、前記燃料極がセラミック粒子を骨格とする多孔質体
からなり、かつ、該多孔質体の空孔内に、表面および/
または内部に微粒のセラミック粒子が析出した金属粒子
を分散してなるものである。
【0013】さらに、本発明の固体電解質型燃料電池セ
ルの製造方法は、固体電解質の片面に多孔性の空気極、
他面に多孔性の燃料極が形成された固体電解質型燃料電
池セルの製造方法であって、前記燃料極を、Ni、C
o、FeおよびRuのうち少なくとも1種の金属元素
と、Zrおよび/またはCeを含む有機金属化合物溶液
を前記固体電解質表面に塗布して熱分解させ、表面およ
び内部に微粒のセラミック粒子が析出した金属粒子によ
り形成する方法である。
【0014】また、固体電解質の片面に多孔性の空気
極、他面に多孔性の燃料極が形成された固体電解質型燃
料電池セルの製造方法であって、前記燃料極を、Ni、
Co、FeおよびRuのうち少なくとも1種以上の金属
元素と、Zrおよび/またはCeを含む有機金属化合物
溶液を、セラミック粒子を骨格とする多孔質体の空孔内
に注入して熱分解させ、該多孔質体の空孔内に、表面お
よび/または内部に微粒のセラミック粒子が析出した金
属粒子を分散せしめる方法である。
【0015】さらに、固体電解質の片面に多孔性の空気
極、他面に多孔性の燃料極が形成された固体電解質型燃
料電池セルの製造方法であって、前記燃料極を、Zrお
よび/またはCeを含む有機金属化合物溶液を、Ni、
Co、FeおよびRuからなる金属、これらの金属酸化
物および前記金属の合金のうち少なくとも1種と、セラ
ミック粒子とからなる多孔質体の空孔内に注入して熱分
解させ、該多孔質体の空孔内に、表面および/または内
部に微粒のセラミック粒子が析出した金属粒子を分散せ
しめる方法である。
【0016】
【作用】本発明の固体電解質型燃料電池セルでは、燃料
極中において、有機金属化合物溶液、例えばナフテン酸
塩、オクチル酸塩等を固体電解質表面に塗布し、熱分解
させ、微粒のセラミック粒子、例えば、ZrO2 微粒子
をNi金属表面に析出させると同時に内部にもZrO2
微粒子を析出させることにより、金属の凝集や粒成長が
飛躍的に抑制される。
【0017】また、セラミック粒子により形成された骨
格(多孔質体)の空孔内に、表面および/または内部に
微粒のセラミック粒子を析出させた金属粒子を分散させ
ることにより、金属の凝集や粒成長が抑制されるととも
に、燃料極の固体電解質への付着強度が向上し、その結
果出力密度が向上し、さらに、熱サイクルに対しても安
定した出力が得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の固体電解質型燃料電池セ
ルにおける燃料極の基本構造の一つは、図3に示すよう
に、例えば固体電解質3表面の燃料極4がNi等の金属
粒子31の表面に微粒のセラミック粒子33が膜状およ
び/あるいは微粒子の状態で析出し、さらに内部に微粒
のセラミック粒子33が析出した構造となっている。こ
の微粒なセラミック粒子33の一次粒子径は熱処理条件
等の作成条件により変化するが、平均粒子径としては
0.01〜0.5μmの程度の大きさからなる。金属粒
子の平均粒径は、1〜20μm、電気伝導性およびガス
透過性の観点から5〜10μmであることが望ましい。
【0019】本発明の燃料極4は、金属粒子31として
は、Niの他Co、Fe、Ruの単体およびそれらの合
金が使用される。また、微粒のセラミック粒子33とし
てはZrO2 、CeO2 の単体、およびそれらの固溶体
の他、Y、Yb、Sc、Sm、Nd、Dy、Pr等の希
土類元素を1〜30モル%含有するZrO2 固溶体また
はCeO2 固溶体、およびYや希土類元素を含有したZ
rO2 とCeO2 の固溶体を用いることができる。これ
らの中で経済性の観点から燃料極材料としてはNiとZ
rO3 (Y3 O3 含有)あるいはNiとCeO2 の組み
合わせが好ましい。
【0020】このような燃料極構造は、Ni、Co、F
e、Ruの金属元素と、Zrおよび/またはCeとを同
時に含む有機金属化合物溶液、例えば、オクチル酸塩、
ナフテン酸塩、ネオデカン酸塩、エチルヘキサン酸塩、
プロピオン酸塩等をトルエン等の溶剤に溶解させた溶液
を固体電解質表面にスクリ−ン印刷あるいはスラリ−デ
ィップ等の周知の技術により塗布した後、酸化性雰囲気
中で400〜1600℃の温度で1〜10時間熱分解さ
せて作製される。有機金属化合物溶液には、Yおよび希
土類元素から選ばれる元素を含んでも良い。酸化雰囲気
中での熱処理においては、Ni、Co、Fe金属は酸化
されるため、還元雰囲気中での再処理が必要である。金
属酸化物を還元するためには、酸素濃度が1%以下のN
2 、Ar中で熱処理することが望ましい。
【0021】Ni等の金属粒子31の表面および内部に
微粒のセラミック粒子33を析出させるには、Ni等の
金属粒子と、Zrおよび/またはCeとを同時に含む有
機金属化合物溶液を用いる必要がある。尚、Ni等の金
属粒子31の表面に微粒のセラミック粒子33を析出さ
せるには、Zrおよび/またはCeを含む有機金属化合
物溶液にNi等の金属粉末を分散させた溶液を作製し、
これを塗布することにより得られる。
【0022】図3に示す燃料極においては、Ni、C
o、Fe、Ru金属とYおよび希土類元素から構成され
る酸化物との重量比率は、Ni、Co、Fe,Ruが金
属換算で99〜50重量%、Zrおよび/またはCeの
酸化物(Yおよび希土類元素を含有する場合も含む)が
1〜50重量%の範囲が好ましい。Ni等の金属が99
重量%より多いと、金属の発電時の凝集あるいは粒成長
を充分抑制できない。それに対して、Ni等の金属が5
0重量%より少なくなると、電気伝導性が低下して発電
性能が悪くなる傾向にあるからである。これら金属と酸
化物との重量比率としては、金属が80〜90重量%、
Zrおよび/またはCeの酸化物(Yおよび希土類元素
を含有する場合も含む)が10〜20重量%が特に好ま
しい。
【0023】また、燃料極の厚みとしては電気伝導性と
ガスの透過率の観点から、平板型セルの場合20〜20
0μmが、円筒型セルの場合は30〜300μmの範囲
が優れる。
【0024】本発明の燃料極の基本構造のもう一つは、
図4に示すように、固体電解質3表面に粗粒のセラミッ
ク粒子35で構成した多孔質体(骨格)36の空孔中
に、表面または表面と内部に膜状および/または粒子状
に微粒のセラミック粒子37が析出した金属39を分散
させた構造を有する。この様な燃料極4においては、粗
粒のセラミック粒子35が骨格を形成しているため、燃
料極4の固体電解質3への付着強度が高く、温度サイク
ルによる燃料極4の剥離が極めて少なくなり高い出力密
度を有する。骨格を形成するセラミック粒子35および
微粒のセラミック粒子37とも、ZrO2 、CeO2 単
体、またはこれらの固溶体、あるいはY、Yb、Sc、
Sm、Nd、Dy、Pr等の希土類元素酸化物を含有す
るZrO2、CeO2 から構成されることが好ましい。
【0025】この場合、金属が50〜95重量%(金属
換算)、微粒のセラミック粒子が1〜20重量%、粗粒
のセラミック粒子が4〜30重量%の範囲が優れる。金
属が95重量%より多い場合、または微粒のセラミック
粒子が1重量%より少ない場合、または粗粒のセラミッ
ク粒子が4重量%より少ない場合には、発電時の金属の
凝集、粒成長の抑制効果が小さい。また、金属が50重
量%より少ない場合、または微粒のセラミック粒子が2
0重量%より多い場合、あるいは粗粒のセラミック粒子
が30重量%より多い場合には、電気伝導性が低下して
発電性能が悪くなる傾向にある。特に、金属が60〜8
0重量%(金属換算)、微粒のセラミック粒子が10〜
20重量%、粗粒のセラミック粒子が10〜20重量%
の範囲が優れる。
【0026】骨格を形成する粗粒のセラミック粒子の大
きさとしては、平均粒子径で0.5〜30μm、特に2
〜10μmの範囲が優れる。また、微粒のセラミック粒
子の一次粒子の大きさとしては、平均粒子径で0.01
〜0.5μm、特に0.1〜0.5μmの範囲が優れ
る。
【0027】このような燃料極中のセラミックの骨格
は、まず粗粒のセラミック粒子を固体電解質表面にスク
リ−ン印刷あるいはスラリ−ディップ等の周知の技術に
より塗布した後、酸化性雰囲気中で1000〜1700
℃、好ましくは1200〜1400℃の温度で1〜10
時間熱処理して形成する。その後、Ni、Co、Fe、
Ruの金属元素とZrおよび/またはCeとを同時に含
む有機金属化合物溶液、例えば、オクチル酸塩、ナフテ
ン酸塩、ネオデカン酸塩、エチルヘキサン酸塩、プロピ
オン酸塩をトルエン等の溶剤に溶解させた溶液を骨格中
に含浸した後、酸化性雰囲気中で400〜1600℃の
温度で熱分解させ、金属表面および内部に微粒のセラミ
ックを析出させて燃料極が形成される。
【0028】あるいは、粗粒のセラミック粒子とNi
O、CoO等のNi、Co金属を含有する酸化物を混合
し、固体電解質表面にスクリ−ン印刷あるいはスラリ−
ディップ等の周知の技術により塗布した後、酸化性雰囲
気中で1000〜1700℃、好ましくは1200〜1
400℃の温度で1〜10時間熱処理して骨格を形成
し、骨格中にNiO、CoO等の金属酸化物を含有させ
る。この後、Zrおよび/またはCeとを同時に含む有
機金属化合物溶液、例えば、オクチル酸塩、ナフテン酸
塩、ネオデカン酸塩、エチルヘキサン酸塩、プロピオン
酸塩をトルエン等の溶剤に溶解させた溶液を骨格中に含
浸した後、酸化性雰囲気中で400〜1600℃の温度
で熱分解させて、微粒のセラミック粒子を金属酸化物表
面に析出させた後、NiO、CoO等の金属酸化物の還
元処理を行なうことにより、粗粒のセラミック粒子から
なる骨格中に、表面に微粒子のセラミック粒子を析出さ
せた金属粒子からなる燃料極が形成される。
【0029】あるいは、NiO、CoO等の金属酸化物
を含有した骨格について、NiO、CoO等の金属酸化
物を還元する処理を行なった後、Zrおよび/またはC
eとを同時に含む有機金属化合物溶液、例えば、オクチ
ル酸塩、ナフテン酸塩等をトルエル等の溶剤に溶解させ
た溶液を骨格中に注入した後、酸素濃度が1%以下のA
r、N2 中で熱分解させて微粒のセラミック粒子を析出
させても良い。
【0030】尚、燃料極中の金属成分としては、上述の
Ni、Co等の酸化物の他に、熱処理により酸化物を形
成する炭酸塩、酢酸塩、臭酸塩等も使用することができ
る。
【0031】また、上記方法において、有機金属化合物
溶液には、Zrおよび/またはCeの他に、Yおよび希
土類元素から選ばれる元素を含有しても良い。
【0032】本発明により構成される円筒型燃料電池セ
ルの構造は、例えば、図1に示したように開気孔率40
%程度のY2 O3 あるいはCaO安定化ZrO2 を支持
管1とし、その上にスラリ−ディップ法により多孔性の
空気極2としてLaをCa、Srで10〜20原子%置
換したLaMnO2 系材料を塗布し、その表面に気相合
成法(EVD)や、あるいは溶射法により固体電解質3
であるY2 O 3安定化ZrO2 膜あるいはY2 O3 ,Y
b2 O3 あるいはCaO含有するCeO2 膜を被覆し、
さらにこの表面に多孔性の本発明の燃料極4が形成され
ている。また、本発明の燃料電池セルは、支持管を用い
ることなく、LaをCa、Srで10〜20原子%置換
したLaMnO3 からなる空気極を支持管として用いて
も良い。
【0033】また、インタ−コネクタ5と呼ばれる集電
体としては、5〜20モル%のCaO、MgOを添加し
たLaCrO3 が気相合成法や溶射法を用いて空気極と
接するように形成される。
【0034】また、平板型セルにおいても、円筒型セル
と同一の材料を用いて、図2のように作製することがで
きる。
【0035】尚、本発明の燃料電池セルは、固体電解質
の一面に空気極、多面に燃料極が形成されたものであれ
ば良く、上記構造に限定されるものではない。
【0036】
【実施例】
実施例1 純度が99.9%で平均粒子径が0.5μmのZrO2
(Y2 O3 10モル%含有)粉末、純度が99.8%で
平均粒子径が2μmのLa0.9 Sr0.1 MnO3 の空気
極粉末をそれぞれ準備した。また、Ni、Co、Fe、
Ruの一種と、Zr、Ce、Y、Yb、Sc、Sm、N
dおよびDyの一種以上を含有するオクチル酸塩をトル
エンに溶解させた溶液も合わせて準備した。上記の0.
5μmのZrO2 粉末をプレス成形した後、大気中15
00℃で3時間焼成して、理論密度比99.5%以上の
厚み0.3mm、直径30mmの固体電解質円板を作製
した。その後、この固体電解質円板の一方の面に平均粒
子径が2μmのLa0.9 Sr0.1 MnO3 ペーストを塗
布して、大気中1200℃で2時間熱処理して固体電解
質への焼き付けを行い空気極を形成した。また、上記オ
クチル酸塩をトルエンに溶解した溶液を、表1および表
2に示す組成になるように調整した後、固体電解質の一
面に塗布し、大気中1200℃で2時間熱処理して熱分
解を行なわせて燃料極を形成した。例えば、試料No.6
では、Ni、Zr、Yをそれぞれ含有するオクチル酸塩
を、Niが80重量%、ZrO2 を20重量%からな
り、ZrO2 中にY2 O3 が10モル%含有するように
トルエンに溶解した溶液を用いて燃料極を作製した。こ
の際、空気極および燃料極の厚みをそれぞれ約50μm
とした。
【0037】発電は上述の固体電解質の空気極側に酸素
を、燃料極側に水素を流し、1000℃で発電を行い、
100時間後の出力密度と、100時間後の出力密度に
対する3000時間後の出力密度の低下率を求めた。
【0038】この実験においては、比較のため従来のボ
−ルミルにより混合した平均粒子径が5μmのNiOと
ZrO2 (10モル%含有Y2 O3 )で重量比率がN
i:ZrO2 =80:20の混合粉末を燃料極として用
いた(試料No.1)。また、平均粒子径が5μmのN
iO粉末と、Y、Zrを含有するオクチル酸塩からなる
溶液を用い、該溶液に前記NiO粉末を分散させ、これ
を固体電解質の一面に塗布した後、大気中1200℃で
2時間熱処理して熱分解を行なわせて燃料極を形成した
(試料No.2)。また、金属表面および内部の微粒の
セラミック粒子の析出の有無を走査型電子顕微鏡で観察
した。これらの結果を表1および表2に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】表1および表2より、金属比率が99重量
%を越える試料No.3は長時間発電による出力密度の
低下がやや大きいことが分かる。また、金属比率が50
重量%より小さな試料No.10、12、46では出力
密度の低下は小さいものの、電気伝導性がやや低いため
出力密度の絶対値が小さいことが分かる。それに対し
て、金属比率が50〜99重量%の範囲のものは全て出
力密度も高く低下率も小さかった。また、走査型電子顕
微鏡による観察から本発明の試料については全て金属粒
子の表面および内部に微粒のセラミック粒子の析出が観
察された。
【0042】実施例2 純度が99.9%で平均粒子径が3μmのZrO2 (1
0モル%含有Y2 O3、Yb2 O3 )粉末に約5〜30
体積%のフロ−ビ−ズ(商品名)のポア形成剤を添加し
て混合した後、実施例1の片面に空気極が形成された固
体電解質円板の一面に塗布し、大気中1400℃で2時
間熱処理して固体電解質表面に厚み約50μmの粗粒セ
ラミックからなる多孔質体(骨格)を形成した。この多
孔質体の空孔中に表3の組成になるように実施例1のN
i、Co、Fe、Ruの一種と、Zr、Ce、Y、Y
b、Sc、Smの一種以上を含有するオクチル酸塩をト
ルエンに溶解させた溶液を注入した後、大気中1000
℃で2時間熱処理して熱分解を行なわせ燃料極を形成し
た。この際、表中の骨格を形成している粗粒セラミック
の重量比率は1400℃の熱処理前後の重量変化から求
めた。この後実施例1に従い発電試験と微粒のセラミッ
ク粒子の観察を行い、結果を表3に示した。
【0043】
【表3】
【0044】この表3より、金属比率が50重量%より
小さな試料No.53では出力密度の低下は小さいもの
の、電気伝導性が低いため出力密度の絶対値がやや小さ
いことが分かる。また、微粒のセラミック粒子が20重
量%を越える試料No.55および67では出力密度の
絶対値がやや小さいことが分かる。また、走査型電子顕
微鏡による観察から本発明の試料については全て金属粒
子の表面および内部に微粒のセラミック粒子の析出が観
察された。
【0045】実施例3 純度が99.9%で平均粒子径がそれぞれ5μmのZr
O2 (10モル%含有Y2 O3 、Yb2 O3 )粉末と、
CeO2 粉末と、NiO、CoO、FeO、Ru粉末
と、約5〜30体積%のフロ−ビ−ズ(商品名)のポア
形成剤とを、表4の組成となるように混合した後、実施
例1の片面に空気極が形成された固体電解質円板の一面
に塗布し、1400℃で2時間熱処理して固体電解質表
面に厚み約50μmのNiO、CoO、FeO、Ruを
含有した粗粒セラミックからなる骨格を形成した。
【0046】この骨格中に表4の組成になるようにZ
r、Ce、Y、Yb、Sc、Smを含有するオクチル酸
塩をトルエンに溶解した溶液を注入した後、大気中10
00℃で2時間熱処理して熱分解を行なわせNiO、C
oO、FeO、Ru表面に微粒のセラミックを析出させ
て燃料極を形成した。この際、表中の骨格を形成してい
る粗粒セラミック、金属の重量比率は1400℃の熱処
理前後の重量変化から求めた。この後、実施例1に従い
発電試験と微粒のセラミック粒子の観察を行い、結果を
表4に示した。
【0047】
【表4】
【0048】この表4より、金属比率が95重量%を越
え、また粗粒のセラミック粒子の比率が4重量%を下回
る試料No.68では出力密度の低下率がやや大きいこ
とが分かる。また、金属比率が50重量%より小さな試
料No.74では出力密度の低下は小さいものの、電気
伝導性が低いため出力密度の絶対値がやや小さいことが
分かる。また、微粒のセラミック粒子が20重量%を越
える試料No.76では出力密度の絶対値がやや小さい
ことが分かる。また、走査型電子顕微鏡による観察から
本発明の試料については全て金属粒子の表面に微粒のセ
ラミック粒子の析出が観察された。 実施例4 実施例1、2および3で作製した試料を室温から100
℃/hの速度で1000℃まで昇温し、1000℃で1
時間保持した後室温まで100℃/hの速度で冷却し
た。この温度変化を1サイクルとし、20サイクル繰り
返した後実施例1に従い発電試験を行ない、出力密度を
求めた。この結果を表5に示す。
【0049】
【表5】
【0050】この表5により燃料極中に粗粒のセラミッ
クの骨格を形成した全ての試料は骨格形成がない試料N
o.88、89に比較して熱処理後の出力密度の低下が
少ないことがわかる。発電試験後、骨格形成がない燃料
極試料No.88、89には剥離が認められたが、骨格を
形成した試料には剥離が認められなかった。
【0051】実施例5 純度が99.9%で平均粒子径が8μmのLa0.9 Ca
0.1 MnO3 粉末を用いて押し出し成形法により一端を
封じた中空の円筒状成形体を作製し、1500℃で3時
間焼成して開気孔率32%で、厚み2mm,外径15m
m、長さ200mmの空気極支持管を作製した。この
後、溶射法にて空気極支持管表面に厚みがそれぞれ約5
0μmのZrO2 (10モル%Y2 O3 含有)電解質お
よびLa0. 9 Ca0.1 CrO3 のインタ−コネクタを形
成した後、固体電解質表面に本発明の燃料極を70μm
の厚みに形成し、円筒型セルを作製した。発電は、空気
極支持管の内側に空気を、外側に水素を流し1000℃
で約5000時間発電を行ない出力密度の時間変化を観
察した。結果を図5に示す。
【0052】この図5から、本発明の試料No.6、6
1、85では、従来のセルNo.1および2に比較して
出力密度の低下が極めて小さいことがわかる。この結果
から本発明の円筒型燃料電池セルは出力密度の高い長期
安定性の優れたセルであることが判る。
【0053】
【発明の効果】本発明の固体電解質型燃料電池セルで
は、燃料極中において、微粒のセラミック粒子を金属表
面に析出させると同時に内部にも析出させることによ
り、飛躍的に金属の凝集や粒成長が抑制される。また、
セラミック粒子により形成された骨格(多孔質体)の空
孔内に、少なくとも表面および/または内部に微粒のセ
ラミック粒子を析出させた金属粒子を含浸、分散させる
ことにより、飛躍的に金属の凝集や粒成長が抑制される
とともに、燃料極の固体電解質への付着強度が向上し、
その結果出力密度が向上すると同時に、熱サイクルに対
しても安定した出力を示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の円筒型固体電解質型燃料電池セルを示
す斜視図である。
【図2】本発明の平板型固体電解質型燃料電池セルを示
す斜視図である。
【図3】燃料極が、表面および内部に微粒のセラミック
粒子が析出した金属粒子により構成されている状態を示
す概念図である。
【図4】燃料極が、セラミック粒子を骨格とする多孔質
体の空孔内に、表面および/または内部に微粒のセラミ
ック粒子が析出した金属粒子を分散して構成した状態を
示す概念図である。
【図5】出力密度の時間変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・支持管 2・・・空気極 3・・・固体電解質 4・・・燃料極 5・・・集電部材 31・・・金属粒子 33、37・・・微粒のセラミック粒子 35・・・粗粒のセラミック粒子 36・・・多孔質体(骨格) 39・・・金属
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松崎 良雄 東京都荒川区南千住3−28−70

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体電解質の片面に多孔性の空気極、他面
    に多孔性の燃料極が形成された固体電解質型燃料電池セ
    ルにおいて、前記燃料極が、表面および内部に微粒のセ
    ラミック粒子が析出した金属粒子により構成してなるこ
    とを特徴とする固体電解質型燃料電池セル。
  2. 【請求項2】固体電解質の片面に多孔性の空気極、他面
    に多孔性の燃料極が形成された固体電解質型燃料電池セ
    ルにおいて、前記燃料極が、セラミック粒子を骨格とす
    る多孔質体からなり、かつ、該多孔質体の空孔内に、表
    面および/または内部に微粒のセラミック粒子が析出し
    た金属粒子を分散してなることを特徴とする固体電解質
    型燃料電池セル。
  3. 【請求項3】固体電解質の片面に多孔性の空気極、他面
    に多孔性の燃料極が形成された固体電解質型燃料電池セ
    ルの製造方法であって、前記燃料極を、Ni、Co、F
    eおよびRuのうち少なくとも1種の金属元素と、Zr
    および/またはCeを含む有機金属化合物溶液を前記固
    体電解質表面に塗布して熱分解させ、表面および内部に
    微粒のセラミック粒子が析出した金属粒子により形成す
    ることを特徴とする固体電解質型燃料電池セルの製造方
    法。
  4. 【請求項4】固体電解質の片面に多孔性の空気極、他面
    に多孔性の燃料極が形成された固体電解質型燃料電池セ
    ルの製造方法であって、前記燃料極を、Ni、Co、F
    eおよびRuのうち少なくとも1種以上の金属元素と、
    Zrおよび/またはCeを含む有機金属化合物溶液を、
    セラミック粒子を骨格とする多孔質体の空孔内に注入し
    て熱分解させ、該多孔質体の空孔内に、表面および/ま
    たは内部に微粒のセラミック粒子が析出した金属粒子を
    分散せしめることを特徴とする固体電解質型燃料電池セ
    ルの製造方法。
  5. 【請求項5】固体電解質の片面に多孔性の空気極、他面
    に多孔性の燃料極が形成された固体電解質型燃料電池セ
    ルの製造方法であって、前記燃料極を、Zrおよび/ま
    たはCeを含む有機金属化合物溶液を、Ni、Co、F
    eおよびRuからなる金属、これらの金属酸化物および
    前記金属の合金のうち少なくとも1種と、セラミック粒
    子とからなる多孔質体の空孔内に注入して熱分解させ、
    該多孔質体の空孔内に、表面および/または内部に微粒
    のセラミック粒子が析出した金属粒子を分散せしめるこ
    とを特徴とする固体電解質型燃料電池セルの製造方法。
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