JPH10226513A - 金属複合酸化物粉末及びその製造方法 - Google Patents

金属複合酸化物粉末及びその製造方法

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JPH10226513A
JPH10226513A JP2890697A JP2890697A JPH10226513A JP H10226513 A JPH10226513 A JP H10226513A JP 2890697 A JP2890697 A JP 2890697A JP 2890697 A JP2890697 A JP 2890697A JP H10226513 A JPH10226513 A JP H10226513A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 美観の優れた樹脂複合材の充填材として有用
な不定形金属酸化物粉末を得る。 【解決手段】 珪素と珪素以外の周期律表第IV族の金属
とを含有する複合酸化物からなる平均粒径が10μm以
下であって鉄、クロム、ニッケルの合計含有量が200
ppm以下である不定形金属複合酸化物粉末。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属汚染が少なく
純度の高い微細な不定形金属複合酸化物に関する。
【0002】
【従来の技術】充填材等各種の用途に用いられる金属酸
化物粉末は、従来主に、結晶性シリカ、溶融シリカ等の
単一成分またはケイ砂、アルミナ、硼素、アルカリ金属
等原料粉体の溶融により得られたガラス等を粗砕機で粉
砕した後、微粉砕機で粉砕して得られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特に、透明または半透
明の樹脂組成物を作るための充填材としては、屈折率が
樹脂の屈折率と一致するか近いものが必要となる。この
場合、充填材の粒子が10μmより大きいと樹脂組成物
の表面が滑らかでなくなり、光沢性に著しく悪影響を与
える。この用途では一般的には溶融法で作られたガラス
の粉末が使われているが、溶融法で作られるガラスには
結晶化等の問題から、珪素以外の金属成分を含有させる
場合にはその組成に制約が多い。また、粉砕で得られる
ガラス粉末は、一般的に粒度分布の幅が広く、しかも透
明性が高く着色のない樹脂と混合した場合には樹脂組成
物を着色したり、透明性を低下させたりすることがあ
る。これはガラスの溶融塊を粉砕して微粉末にする際に
粉砕機に使用されている金属が磨耗して粉砕粒子に付着
し、粉砕機からの金属汚染が著しいためと考えられる
が、特に歯科用材料分野に用いられる無機粉末では着色
及び透明性の低下は望ましくない。
【0004】このような樹脂の着色や透明性の低下が、
粉砕粒子が金属で汚染されていることによるのであれ
ば、これを防ぐ方法としては、塩酸、硝酸、硫酸等の無
機酸で粉砕粒子を洗浄して混入金属を除去したり、構造
が簡単なボールミルをアルミナ製又はアルミナライニン
グした装置で粉砕することが考えられる。しかし、酸に
よる金属除去を行うには湿式化学処理及び乾燥工程を要
し、また処理した微粉が凝集するためこれを更に解砕す
る工程が必要であり、精製には多大な費用がかかる。ま
た、ライニングしたボールミルを使えば金属の汚染はあ
る程度は防止できるが、微粉砕には長時間を要する。し
かも、平均粒子径が小さくなっても一部粗大粒子が残
り、粒度分布が著しく広いものとなるという問題があ
る。このため粉砕途中で粗大粒子と微粉とを分離するこ
とが必要となる。ところがこれら無機微粉は一般的に静
電気を帯びやすく、目の細かいスクリーンを通過させる
ことははなはだ困難である。特にスクリーンにステンレ
ス等の金属材質を使用した場合はこの工程で金属汚染が
起こることが考えられる。また風力分級をするとすれ
ば、分級機の構造上接粉部をすべてセラミックライニン
グすることは困難なものが大部分で実質的に目的を達成
できない。
【0005】一方、特公平5−59043号公報にはゾ
ル−ゲル法により1μm以下の屈折率を調整した球状粒
子を作ることが記載されている。得られる粒子は凝集し
ているが、凝集をほぐすことにより容易に微粒子となる
ため、金属の汚染は少ないと考えられる。しかし、球状
粒子は他の形状の粒子に比べてその比表面積が小さく表
面が滑らかなため、樹脂と混練して作った樹脂組成物
は、球状粒子と樹脂との界面で破断が早く起こる。この
ため粉砕等の手段で得られる不定形粒子を充填材にした
樹脂組成物に比べ、曲げ強度、引っ張り強度、耐磨耗性
が劣り、高強度の必要とする用途には問題があることが
わかった。
【0006】また、溶融ガラスに伴う組成上の制限を解
決し、ガラス組成を自由に選択しうる方法として、シリ
コンアルコキシドと他の金属アルコキシド等から複合ア
ルコキシドを作り、加水分解、縮合してゲルを作りこれ
を用いる方法が検討されている。この方法では得られた
ゲルを焼成し、粉砕して珪素以外の金属を含有する金属
複合酸化物ガラス粉末を製造する。しかしこの場合も粉
砕機は鉄またはステンレススチールで作られているた
め、粒子を粉砕する段階で粉砕機からの金属汚染が生
じ、純度の高い粉末が得られないことになる。このため
この粉末を樹脂組成物にしたときにも、着色や不透明性
等の問題が発生し、透明、あるいは色調のきれいな樹脂
組成物が得られなかった。上述のように、特に美観に優
れた樹脂組成物を得ることのできる充填材として有用
な、不定形金属複合酸化物粉末が望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決し、平均粒子径が10μm以下でありまた粒度
分布の狭く、樹脂組成物の充填材とした際に着色や透明
性の低下のない不定形金属複合酸化物粒子を得るべく鋭
意検討を重ねた。その結果、ゾルゲル法で得られる金属
酸化物の乾燥ゲルは硬く、金属に対して研磨材と同じ効
果を発揮していることが分かった。これでは粉砕工程で
金属汚染を生じ、配合する樹脂の透明性に影響すると考
えられた。そこで粉砕工程での金属汚染を実質的に除去
する手段について更に検討を重ねた。
【0008】その結果、珪素アルコキシド等を原料とし
てゾルゲル反応により得られたゲルを粉砕、焼成して不
定形金属複合酸化物微粒子を得る際、装置の特定部位を
特定純度のセラミックスあるいは樹脂とすることにより
製造工程での金属汚染を防止できることを見い出した。
すなわち、本発明は、珪素と珪素以外の周期律表第IV族
の金属とを含有する複合酸化物からなり、平均粒径が1
0μm以下であって鉄、クロム、ニッケルの合計含有量
が200ppm以下である不定形金属酸化物微粒子に存
する。本発明で得られる金属複合酸化物粉末は、焼成後
も非晶質を保ち、粉砕工程からの金属の汚染のない不定
形金属複合酸化物粉末とすることができるのである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 (原料)まず、本発明で用いられる珪素アルコキシドは
一般式R′nSi(OR)4-nで表される化合物のうち1
種以上である。さらに、これらの化合物を加水分解して
なる加水分解物、加水分解及び縮合してなる低縮合物
が、いずれも特に限定されず使用できる。一般式中のR
及びR′はアルキル基であり、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好適に使用さ
れる。R及びR′は同一でも相異なってもよい。また、
n=0,1,2いずれも使用可能である。特にn=0の
場合、ゲル中に有機基が残存せず、好適である。
【0010】珪素以外の第IV族の金属のアルコキシドと
してはTi(OC3H7)4、Ti(OC4H9)4、Ti
(OC8H17)4、Ti(OCH3)4、(OC3H7)2T
i(C 5H7O2)2、Ti(C5H7O)4等のチタニウム
アルコキシド、これらのアルコキシドのTiをZr、G
e、Hf、Sb、Pb等で代替したジルコニウムアルコ
キシド等各種の第IV族アルコキシド及び(R3O)3M
1−O−M2(OR4)3で表わされる(R3、R4は各々R
同様にアルキル基であり、M1、M2は同一でも相異なっ
ていてもよいIV族金属である。)第IV族複合アルコ
キシド等のうちの1種以上が挙げられる。
【0011】また第I族、II族及びIII族の金属のアル
コキシドとしては、各々 第I族:NaOCH3、NaOC2H5、NaOC3H7等
のナトリウムアルコキシド及びこれらのアルコキシドの
NaをLi、K等で代替した第1族アルコキシド 第II族:Mg(OCH3)2、Mg(OC2H5)2、Mg
(OC3H7)2、Mg(OC4H9)2、Mg(OC
5H11)2等のマグネシウムアルコキシド及びMgに代え
てCa、Sr、Ba等で代替した第II族アルコキシド 第III族:Al(OC2H5)3、Al(OC3H7)3、A
l(OC4H9)3等のアルミニウムアルコキシド及びA
lに代えてBに代替した第III 族アルコキシド等を用い
ることができる。
【0012】(珪素アルコキシドの部分加水分解)本発
明の不定形金属複合酸化物微粒子を得る方法の一例を、
以下に説明する。まず、これらの原料アルコキシドのう
ち、まず珪素アルコキシドを部分加水分解する。珪素ア
ルコキシドは、他の金属アルコキシドに比べ安定性が高
い。そのため他の金属アルコキシドと一緒に加水分解を
すると、珪素アルコキシド以外のアルコキシドが先に反
応が進行し、沈殿物を析出する等により、均質な複合酸
化物が得られない。これを防ぐために先ず、珪素アルコ
キシドのみを加水分解するのである。部分加水分解は公
知の手段で行うことができる。例えば、先ず珪素アルコ
キシドをアルコールで希釈し、塩酸等の無機酸またはマ
レイン酸等の有機酸を触媒として、アルコキシド1モル
に対して水0.1〜2.0モル、通常1モル程度を添加
し、部分加水分解縮合して珪素アルコキシド低縮合物と
する。水が残存すると、後述するアルコキシド複合体を
得る際、シリコン以外の金属酸化物成分が析出すること
があるので、アルコキシド1モルに対し水0.1〜2.
0モルの範囲とし、酸触媒下で行うのが好適である。
【0013】(複合金属アルコキシドの作製及び加水分
解)こうして得られた珪素アルコキシド低縮合物に、珪
素以外の第IV族金属のアルコキシドのうち1種以上、又
は第IV族の金属のアルコキシド及び第I〜III 族の金属
のアルコキシドのうち1種以上を添加すると、珪素アル
コキシド低縮合物と反応して、複合金属アルコキシドが
得られる。得られた複合金属アルコキシドは、主に珪素
アルコキシド低縮合物の末端にあるOH基に反応速度の
速いIV族アルコキシド及びI〜III族アルコキシドが反
応して生成したものであるため、第IV族金属アルコキシ
ド及び/またはI〜III族金属アルコキシドが均一に分
散されており均質性の高いものである。このため後述す
るように、これを加水分解して得られるゲルは均質であ
り、またこのゲルを高温で長時間焼成しても結晶化は起
りにくい。
【0014】珪素アルコキシドと他の金属のアルコキシ
ドとの配合割合は、モル比で99:1〜50:50、好
ましくは99:1〜60:40である。その理由はシリ
カは結晶化しにくいがシリカ以外の第IV族金属の酸化物
は結晶化しやすく、上記の範囲の組成が非晶質複合酸化
物を容易に得るには好適であるためである。また、珪素
以外の金属のアルコキシドの内の第IV族アルコキシドと
第I〜III族アルコキシドの配合割合は100:0〜4
0:60モル比、好ましくは100:0〜60:40モ
ル比である。その理由は第I族〜III族を加えることに
より、第4族金属の結晶化を抑制する効果はあるが、そ
の添加量が多くなると粉末が水に接触したとき、これら
が溶け出し、樹脂組成物の強度を低下させる等の弊害が
起こリ易く、また粒子の軟化点が下がり焼成中に粒子内
部の有機物除去される前に細孔がつぶれ、有機物が内部
に閉じこめられ易くなるためである。この複合金属アル
コキシドを、以下に説明する様に加水分解する。
【0015】加水分解は−10℃〜80℃の温度範囲で
上記複合アルコキシドを攪拌下に水をアルコキシド1モ
ルに対し2モル〜100モルの範囲、好ましくは2.5
〜50モル、最も好ましく3〜10モルは添加する。ま
た加水分解及び縮合の触媒は使わなくてもかまわない
が、反応時間を短縮するためには使用した方が好まし
い。触媒としては、加水分解に使用する水に塩酸、硫
酸、燐酸、硝酸等の無機酸または蟻酸、酢酸、マレイン
酸、酒石酸等の有機酸を複合金属アルコキシド1モルに
対し0.001〜1モル比添加する。加水分解液はその
後徐々に縮合し、ゲル化し始める。ゲル化の時間は1時
間〜24時間の範囲が好ましい。得られたゲルは、乾燥
を行う。ゲルを取り扱うとき、ゲルの一部が壊れるが、
積極的に砕いても良い。乾燥方法は一般に行われている
乾燥方法が制限なく使うことができる。アルコール等の
有機溶媒を含むことから、安全性を考慮して減圧加熱乾
燥、または窒素気流乾燥機が一般的には使用される。数
mmの塊として乾燥ゲルは得られる。
【0016】(粉砕)粉砕機は接粉部をセラミックス及
び/又は樹脂とすることができるものが好ましい。粉砕
効果が良いものであれば形式は問わないが、粉砕速度が
速く、粒度分布の狭い粉砕物を得易いジェットミルはこ
の要件を満たした粉砕機である。市販のジェットミルは
一般にステンレススチール製である。金属製のケーシン
グや空気ノズル等の高速で粉体が衝突する接粉部は金属
材料を磨耗し、汚染の主原因になることが、本発明者に
より見いだされた。このため耐磨耗性のあるセラミック
ス製または金属部分をセラミックスであって特定磨耗率
のものでライニングしたものを用いると汚染を著しく防
ぐ効果を出すことが本発明者らにより判明した。すなわ
ち磨耗率が、空ずり磨耗率で100ppm/h以下のも
のである。好ましくは50ppm/h以下である。
【0017】ここで空ずり磨耗率とは以下の測定方法に
より求められる値である。 ボールミル ミル材質:ウレタンライニング ミル内容積:2000cc ボールサイズ:φ10mm ボール充填量:1000cc 水充填量:800cc ミル回転数:90rpm テスト時間:48時間
【0018】空ずり磨耗率が100ppm/hを超える
セラミックスの場合、上述の方法により得られた複合酸
化物の乾燥ゲルによる磨耗が実質的に無視できず、金属
不純物混入のおそれが大きく、ひいては樹脂組成物とし
た際に着色を生じうることが本発明者らにより見いださ
れたものである。一方、空ずり磨耗率が上記の範囲にあ
るセラミックスを用いれば、複合酸化物の乾燥ゲルによ
っても実質的に不純物混入が無視できることが判明した
ものである。なお、樹脂を用いた場合には元々樹脂中の
鉄、クロム、ニッケルの含有量は無視できる(特に鉄の
場合は上述の一般的な樹脂のうち接着強度が高く好適な
ウレタン樹脂やエポキシ樹脂であっても検出限界の1p
pm以下である。)一方、強度的に問題を生ぜぬよう、
セラミックスの隙間部分等、強度上の問題がない部分に
用いるのが好ましい。使用するセラミックスの種類は特
に制限はなく、例えば炭化珪素、窒化珪素、アルミナ、
ジルコニア等であって上記の空ずり磨耗率のものが挙げ
られる。
【0019】使用される樹脂の種類はは特に限定される
ものではなく、フッ素樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹
脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン
樹脂等の各種の有機樹脂が挙げられる。これらセラミッ
クス及び樹脂は高純度であることが好ましい。特に好ま
しくは鉄、クロム、ニッケルの合計が5000ppm以
下、更に好ましくは2000ppm以下とする。接粉部
がセラミックス及び/又は樹脂であるとは、接粉部の実
質的に全ての部分をこれらの材質とするのが好ましい。
具体的にはこれらの材質でコーティング、ライニング等
を施してもよいし、これらの材質で部材を製造してもよ
いが、強度の点からコーティング、ライニングするのが
好ましい。コーティング、ライニングの厚さは0.01
mm以上を要する。好ましくは0.05mm以上である。
【0020】接粉部とは、粉砕に供する乾燥ゲルが接触
する部分をいい、具体的には粉砕機本体の内部及び内部
に取り付けられている部品及び粉砕機の入り口、出口ノ
ズル部等、更に粉体供給装置内部、粉砕品捕集機内部及
びこれらの接続配管が相当する。特に高速で粉体が移動
し衝突する粉砕ゾーン等の部分ではセラミックとセラミ
ックの接合部に小さな隙間があってもそこから粉砕装置
の金属を磨耗させ金属汚染の原因になる。したがって、
例えばセラミックス材料でのライニングを行っても作製
上または形状からセラミックス同士の接合部に隙間がで
きる場合には、この様な極狭い隙間にも微粉末が入り込
み金属を磨耗し粉末の金属汚染を起こさせるため、隙間
に樹脂を充填したり樹脂コーティングすることにより金
属面が露出しないようにすれば、実質的に製造工程から
の汚染を防止することができ、好ましい。これら樹脂
は、粉砕中に磨耗して粉砕微粒子中に混入しても、乾燥
ゲルを焼成するときに、混入した樹脂は燃焼除去され、
できあがった粉末中には痕跡を残さないためである。
【0021】また、ジェトミルは粉砕時に空気、窒素ガ
ス等の圧縮気体をノズルから高速で噴射して、粒子同士
の衝突により粉砕するが、この圧縮気体に錆や油等の不
純物が入っていると粉砕粒子を汚染する原因となる。特
に空気を圧縮すると空気中の水蒸気が凝縮し、水滴とな
り配管内に溜まったりする。これらの水が配管の腐食を
進め、錆を発生させる原因になる。この様な湿った気体
を圧縮する場合は、圧縮気体を冷却し、生成した微小水
滴を除去した後使用することが好ましい。錆や圧縮機か
らの油分に対しては配管系統に気体濾過器を設ければ、
錆や油分を除去することができ粉末の汚染防止に効果が
ある。また、気体濾過器と粉砕機の間は錆の発生を防止
すると言う観点からステンレススチール製配管を使用す
ることが好ましい。
【0022】原料の粉末は一般的にホッパー部と定量供
給部を通り粉砕部に導入される。ホッパー部をセラミッ
クでライニングしても良いが、粉末との衝突速度が速く
ないことから、樹脂でのライニングでも効果がある。ま
た、定量供給機の粉体を強い力で押しつける部分はセラ
ミックスが磨耗防止の観点から好ましい。粉砕した粒子
が金属により汚染されないものなら形式は問わない。こ
れらの要求に応えられものとしては特に限定されるもの
ではないが、一般的にはバッグフィルターが使われる。
【0023】(焼成)上記粉砕乾燥ゲルは微細な細孔を
有しており、粒子の強度や物性安定化のため焼成する。
焼成により細孔がつぶれるため粒径は小さくなるが、細
孔がなくなるため比表面積は小さくなる。焼成方法は特
に限定されず、公知の方法で400〜1400℃で焼成
すればよい。乾燥ゲルは有機物を含むため焼成時に酸素
が十分に存在する条件で行うとよい。乾燥ゲルは有機物
を含有している。この有機物が粒子内部に閉じ込められ
ると炭化し灰白色〜黒色の粉末となるので、これを避け
るために有機成分が燃焼しかつ細孔が存在する400℃
から800℃の範囲では、酸素の存在下で焼成を行い有
機成分を分解及び燃焼により除去するのが望ましい。粉
砕機から混入してきた磨耗樹脂はこの温度域で燃焼除去
されてしまい、実質的に粉砕機からの汚染を除いてしま
う。この温度範囲超える領域では酸素が存在しても、し
なくてもかまわない。
【0024】焼成温度は粒子の組成によって異なるが、
必要温度は焼成によって比表面積が一定値になる温度以
上でまた焼成により結晶化しない温度以下で行えば、非
晶質とすることができる。この様に焼成して、本発明の
金属複合酸化物粉末を得ることができる。すなわち珪素
と珪素以外の周期律表第IV族の金属とを含有する複合酸
化物からなる平均粒径が10μm以下であって鉄、クロ
ム、ニッケルの合計含有量が200ppm以下である不
定形金属酸化物粉末である。これは珪素及び珪素以外の
周期律表第IV族の金属のうち一種以上とを含み、更に周
期律表第I族、第III族及び第II族の金属のうち一種以
上をも含んでいてもよい酸化物から成るものである。
【0025】鉄、クロム、ニッケルといった金属不純物
を多く含む粉末をシランカップリング剤で処理し、樹脂
組成物にするとシランカップリング剤が変質して黄色〜
茶色に着色することがあり、特に透明性または半透明性
の樹脂組成物にしたとき、この着色が拡大される。ま
た、これら不純物が金属粉の状態で粉末を汚染している
と樹脂組成物が淡灰色〜黒色となり著しく透明性の劣化
を起こし、不透明となる場合もあることが判明した。こ
れに対し、本発明の金属複合酸化物粉末は、このような
問題を生ずることはなく、透明性に優れた樹脂組成物を
提供することができる。
【0026】本発明の金属複合酸化物粉末は、平均粒径
は10μm以下であるが、好ましくは6μm以下、更に
好ましくは5〜0.1μmとすることもできる。最大粒
径は50μmとするのが好ましい。不純物含有量は鉄、
クロム、ニッケルの合計含有量が200ppm以下であ
るが、更に好ましくは100ppm以下とすることもで
きる。このような本発明の金属複合酸化物粉末は、非晶
質でかつ粒径分布の幅が小さい、製造工程からの金属汚
染のほとんどない不定形のすぐれた物性を有するものと
することができ、歯科用充填材、半導体封止材等のフィ
ラーとしても最適なものである。
【0027】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に示す。粒子
の性状は次の方法により測定した。 (1)粒子径及び粒子径分布の標準偏差値 粒径分布は「Microtrac」(FRA)(日機装
(株)製)レーザ回折法で測定した。 (2)比表面積 BET法 「湯浅モノソーブ」(湯浅アイオニックス製)を使用
し、窒素ガス吸着量を測定し算出する。
【0028】(3)金属不純物 複合酸化物を白金皿に3g採り、高純度硫酸1mlを添加
し、高純度フッ酸を加えながら加熱して、シリカ分を分
解除去した後、25mlに定容とする。これをICP-AE
Sで測定する。なお、今回の測定での検出下限界はFe
0.1ppm、Cr 0.2ppm、Ni 0.5ppmであ
った。 (4)白度測定 粉末13gを採り、ジメタクロキシエチルトリメトキシ
ヘキサメチレンジウレタン(UDMA)とトリエチレン
グリコールジメタクリレート(TEGDMA)を70:
30(wt%)の比で配合した液体8gと混練してペー
ストとする。ペーストを10mmの厚さにして、「SMカ
ラーコンピューター」(スガ試験機製)で青色反射率に
よる白度を測定する。
【0029】(実施例1)ガラス製反応器にエタノール
100gと0.002Nの塩酸18g(内水1mol)
を加え60℃に加熱した状態でシリコンテトラエトキシ
ド208g(1mol)を加え、30分間攪拌しシリコ
ンテトラエトキシドを部分加水分解して低縮合物とし
た。次にn−ブタノール20wt%を含むジルコニウム
テトラn−ブトキシド(松本製薬工業(株)製)を純量
で52.1g(0.136mol)を加え、更に10分
間攪拌した。この様にして得た複合金属アルコキシドに
25℃で0.002Nの塩酸を90g(5モル)加え1
時間攪拌して加水分解した。加水分解液をほうろう製バ
ットに移し、3時間熟成した。バット内はゲル化してい
た。これを150℃の真空乾燥機で乾燥した。乾燥ゲル
はケイシングを炭化珪素でライニングし、隙間をウレタ
ン樹脂で埋め、空気ノズルはアルミナ製のジェットミル
「STJ-200」(セイシン製)を使い、空気圧7kg/
cm2で粉砕した。粉砕粒子は平均粒径3.2μm、最大粒
子10.5μmの白色微粉末であった。
【0030】この粉末を石英皿に入れ、空気を通しなが
ら、電気炉で1000℃まで加熱し、1時間ごとにサン
プルを採取し、3時間焼成した。焼成した粉末は白色の
微粉末で、これをBET法で比表面積を測定したところ
5m2/gで一定であった。また蛍光X線分析によるとZ
rO2含有比率は12mol%で仕込量から計算したも
のと一致した。また、金属不純物分析をでは、Fe 3
3ppm、Cr 検出限界以下、 Ni1.2ppm 計34.
2ppmであった。なお、原料に使ったシリコンテトラエ
トキシドに含まれているFe、Cr、Niは検出下限界
以下であった。また、ジルコニウムブトキシドはFe
100ppm、Cr、Niは検出下限界以下であった。こ
れらの数値から計算すると実質的に製造工程からの汚染
は認められなかった。この粉末の白度は43であり、着
色は認められなかった。
【0031】(比較例1)実施例1と同じ条件で乾燥ゲ
ルを作り、ジェットミルはケーシングの炭化珪素、アル
ミナノズルをステンレススチール製に戻した。以下実施
例1と同一条件で処理した。粉砕ゲルの平均粒径は3.
5μm、最大粒子10.5μmと同じであったが、粉砕さ
れた粉末は灰色をし、明らかに粉砕機のステンレスを削
っていることがわかった。焼成した後、金属分析をする
と Fe 241ppm、Cr 63ppm、Ni 29ppm
計330ppmであった。この粉末の白度測定用ペース
トは、濃い灰色となり、測定値も21と低く明らかに着
色が認められた。
【0032】(比較例2)実施例1と同じ条件で作った
乾燥ゲルを、ジェットミルのケーシングに炭化珪素のラ
イニングを取り付け、また空気ノズルにはアルミナノズ
ルに交換したが、ライニング接合部や小さな隙間にウレ
タン樹脂を埋め込まなかった。この状態で実施例1と同
様の処理をしたところ、粉砕ゲルは灰色に着色し、F
e、Cr、Ni合計量は280ppmでステンレススチー
ル粉の混入で汚染されていることが分かった。
【0033】(実施例2)実施例1と同様シリコンテト
ラエトキシド208g(1mol)、エタノール100
g及び0.002Nの塩酸水18gを用いてシリコンテ
トラエトキシドを部分加水分解した。次にチタンテトラ
イソプロピオネート(松本製薬工業(株)製)28.4
g(0.1mol)を添加し、10分攪拌した後、シリ
コン・チタン複合アルコキシドを得た。この複合アルコ
キシドを実施例1と同様に処理をし、セラミックライニ
ングしたジェットミルで粉砕したところ平均粒径2.7
μm、最大粒子10.3μmの白色粉砕ゲル粉末を得た。
この粉末は、X線分析で非晶質であることが確認され
た。また、1000℃で焼成したものも乾燥ゲルと同様
非晶質であり、蛍光X線分析でTiO2含有量は9mo
l%と計算値と一致した。比表面積6m2/g、屈折率
1.50のシリコン・チタン複合酸化物であった。F
e、Cr、Ni合計含有量は1.8ppmであった。原料
のチタンテトライソプロピオキシドの不純物分析を行う
とFe、Cr、Niいずれも検出下限界以下であった。
【0034】(実施例3)実施例1と同様シリコンテト
ラエトキシド1molを使用し低縮合物をつくった。次
にジルコニウムテトラn−ブトキシド52.1g(0.
136mol)及びナトリウムメトキシド3.8g
(0.1mol)/(メチルアルコール溶液として)を
加え金属アルコキシド複合体をつくり、以下実施例と同
様に処理、粉砕した。1000℃で焼成した粒子は非晶
質で粒径が3.4μmの白色の粉末であった。Fe、C
r、Ni合計含有量は33ppmであった。
【0035】(実施例4〜6)実施例1と同様にして表
1に示す条件で金属複合酸化物粉末を得た。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明により、美観の優れた樹脂複合材
の充填材として有用な不定形金属酸化物粉末を得ること
ができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】珪素と珪素以外の周期律表第IV族の金属と
    を含有する複合酸化物からなり、平均粒径が10μm以
    下であって鉄、クロム、ニッケルの合計含有量が200
    ppm以下である不定形金属複合酸化物粉末。
  2. 【請求項2】非晶質であることを特徴とする請求項1記
    載の不定形金属複合酸化物粉末。
  3. 【請求項3】珪素アルコキシドと珪素以外の周期律表第
    IV族の金属のアルコキシドのうち1種以上との混合物、
    又は珪素アルコキシドと珪素以外の周期律表第IV族の金
    属のアルコキシドのうち1種以上と周期律表第I族、第
    II族及び第III族の金属のアルコキシドのうち1種以上
    との混合物から、加水分解反応及び縮合によりゲルを生
    成し、粉砕、焼成することを特徴とする請求項1又は2
    記載の不定形金属複合酸化物粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】珪素以外の周期律表第IV族の金属のアルコ
    キシドがジルコニウムアルコキシド又はチタニウムアル
    コキシドである請求項3記載の不定形金属複合酸化物粉
    末の製造方法。
  5. 【請求項5】ゲルの粉砕を、ゲルを乾燥した後接粉部が
    空ずり磨耗率100(ppm/h)以下のセラミックス
    及び/又は樹脂である粉砕装置で行うことを特徴とする
    請求項3又は4に記載の不定形金属複合酸化物粉末の製
    造方法。
  6. 【請求項6】ゲルの粉砕をジェットミルで行い、ジェッ
    トミルの圧縮気体の配管系統に気体濾過器を設けること
    を特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の不定形金
    属複合酸化物粉末の製造方法。
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