JPH10226864A - 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

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JPH10226864A
JPH10226864A JP33907297A JP33907297A JPH10226864A JP H10226864 A JPH10226864 A JP H10226864A JP 33907297 A JP33907297 A JP 33907297A JP 33907297 A JP33907297 A JP 33907297A JP H10226864 A JPH10226864 A JP H10226864A
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JP
Japan
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plating bath
steel sheet
bath
hot
plating
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JP33907297A
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English (en)
Inventor
Masahiko Tada
雅彦 多田
Chiaki Kato
千昭 加藤
Kazuya Miyagawa
和也 宮川
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】溶融亜鉛めっき鋼板をシンクロールを用いるこ
となく、ドロス生成を抑制して製造する。 【解決手段】めっき浴槽に設けた開口部から、鋼板を浸
入させめっきを行う溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法にお
いて、Al:0.12〜0.45重量%を含有し、その
他Znと不可避不純物からなるめっき浴を浴温450℃
以上に保ち、補助浴槽から浴槽へめっき浴を100〜1
000リットル/min供給し、余剰めっき浴を補助浴
槽に排出し、浴温より高温にした鋼板を0.001〜
0.5秒めっき浴中に浸漬する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は亜鉛めっき鋼板の製
造方法に関し、鋼板に溶融亜鉛めっきを施す方法に関す
るものであって、めっき密着性及び加工性に優れ、かつ
ドロス付着のない清浄な溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶
融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】溶融亜鉛めっき鋼板及び合金化溶融亜鉛
めっき鋼板は、自動車用を始め家電用、建材用として広
く用いられている。一般に知られている溶融亜鉛めっき
鋼板の製造装置の概略を図2に示し、その製造方法を以
下に示す。冷延鋼板を前処理工程で表面を洗浄し、非酸
化性あるいは還元性の雰囲気中で焼鈍し、次いで鋼板を
酸化させることなく冷却して、ほぼ溶融亜鉛めっき浴の
温度まで鋼板の温度を下げてめっき浴中に浸漬させる。
スナウト14を介してめっき浴4中に浸漬された鋼板1
は、シンクロール15により鉛直方向に方向転換され、
サポートロール16に支持されながら引き上げられめっ
きが施される。次いで、鋼板1に付着した過剰の溶融亜
鉛を付着量調整装置12にて除去して付着量を調整した
後、そのまま冷却したものである。また、合金化溶融亜
鉛めっき鋼板は、上記付着量を調整した溶融亜鉛めっき
鋼板を、次いで合金化炉内で加熱処理し、そのまま冷却
したものである。
【0003】上記のようなめっき浴中でシンクロール等
を使用する場合、以下のような問題点がある。 (1)浴中にシンクロールを浸漬するため、めっき浴量
が大容量となる。この結果、浴組成の切替が困難とな
る。 (2)シンクロールにより鋼板表面に擦り疵が発生す
る。
【0004】(3)めっき浴中のシンクロールを頻繁に
補修する必要がある。 上記の問題点を解決するために、溶融金属を満たし、そ
の中を貫通して鉛直上方に向かって鋼板が走行する溶融
金属保持容器を用いた溶融金属めっき鋼板の製造装置が
提案されている。特開平2−298247号公報や特開
平5−78802号公報ではめっき浴槽底部での溶融金
属の保持に電磁力を利用した装置、特開平4−356号
公報では、鋼板に非接触のシール板により溶融金属を保
持する技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、溶融亜鉛め
っき層には、硬くて脆いFe−Zn合金層が存在し、こ
のFe−Zn合金層が素地鋼板と溶融亜鉛めっき層の界
面に必要以上に生成すると、鋼板に対する溶融亜鉛めっ
き層の密着性が低下する。このため、従来より、亜鉛め
っき浴中には少量のAlを添加し、ZnよりもAlを優
先的に鋼板から溶出するFeと反応させ、素地鋼板−め
っき層界面にFe−Al合金層(Al富化層)を生成さ
せる。上記めっき浴中の少量のAlは、シンクロールを
有する溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置を使用した場合、
通常0.1〜0.2重量%添加されている。
【0006】また、特開平4−356号公報に開示され
たシンクロールを使用しない小容量めっき浴槽を使用す
る場合、鋼板がめっき浴中に浸漬される時間が短くなる
ので、例えば特開平8−109456号公報に開示され
たように、亜鉛めっき浴中には比較的多くのAl(0.
12〜1.0重量%)を添加し、適正なFe−Al合金
層を生成させなければ所定のめっき品質が得られない。
適量のAlを含有することにより硬くて脆いFe−Zn
合金層が素地鋼板−めっき層界面に生成することを抑制
し、密着性の良好な溶融亜鉛めっき鋼板を製造すること
ができる。なお、従来から使用されている亜鉛めっき浴
中には不可避不純物としてFeが飽和した状態で含まれ
ている。
【0007】次に、従来から使用されているFeの飽和
しためっき浴の場合、鋼板からめっき浴中に過剰溶出し
たFeは、めっき浴中でドロスを生成する。シンクロー
ルを有する溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置を使用した場
合、鋼板がめっき浴中に浸漬される時間が長いので、F
eの過剰溶出を抑制することができず、めっき浴槽内に
は慢性的にドロスが堆積する。浴中のドロスが鋼板表面
に付着すると凹凸欠陥を引き起こすため、定期的にドロ
スを汲み出す必要があった。
【0008】一方、シンクロールを使用しない小容量め
っき浴槽を使用する場合、鋼板がめっき浴中に浸漬され
る時間が短いので、めっき浴中に過剰溶出するFeは極
めて少なくなり、上記シンクロールを有する溶融亜鉛め
っき鋼板の製造装置を使用した場合より鋼板表面のドロ
ス欠陥は抑制される。しかし、めっき浴中に過剰溶出す
るFeは皆無ではなく、微量であるがFeが溶出するた
め、ドロス発生を皆無にするには至っていない。また、
シンクロールを使用しない小容量めっき浴槽を使用する
場合、めっき浴槽が小さいために、めっき浴に含まれる
ドロス濃度は増加し易く、長時間操業した場合、結果的
にドロス付着欠陥を引き起こすという問題があった。特
開平2−298247号公報や、特開平5−78802
号公報では、めっき浴槽にめっき浴を供給及び排出して
浴循環を行っており、めっき浴排出時にドロスも一緒に
排出し、めっき浴槽外でドロス除去できれば有効な方法
である。
【0009】また、めっき浴中に添加されたAlは鋼板
によって優先的に消費されるため、めっき浴槽への浴循
環量が小さすぎると、めっき浴槽内のAlが枯渇すると
いう問題があった。すなわち、シンクロールを使用しな
い小容量めっき浴槽を使用する場合、めっき浴槽が小さ
いために、めっき浴中のAlの減少率が増加してめっき
浴槽内のAl濃度分布が不均一となり、Fe−Al合金
層の形成が不均一になる。その結果Fe−Zn合金層の
形成も不均一となり、部分的にめっき密着性が劣化する
という問題があった。さらに、Fe−Al合金層の形成
が不均一になった場合、めっき後加熱処理する合金化溶
融亜鉛めっき鋼板の製造過程における合金化めっき層の
成長も不均一となるので、耐パウダリング性、耐フレー
キング性といった加工性に悪影響を及ぼす。
【0010】ここで、浴循環量が小さすぎると、ドロス
付着欠陥に対しては何ら効果がないことが発明者等の研
究で明らかになっており、まためっき浴槽内のAlの不
均一を引き起こすという問題がある。前記特開平2−2
98247号公報や特開平5−78802号公報では、
実施例において浴循環量は数十リットル/minと開示
されているが、浴の漏洩を防止するという観点のみから
考えられたものであり、上記問題点を解決するには浴循
環量は少なすぎる。
【0011】本発明は、上述した問題点を有利に解決す
る溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めの本発明は、底部又は側部に設けた開口部からめっき
浴槽内に鋼板を浸入させてめっきを行う溶融亜鉛めっき
鋼板の製造方法において、Al:0.12〜0.45重
量%を含有し、その他Znと不可避不純物からなるめっ
き浴を浴温450℃以上に保ち、補助浴槽から該めっき
浴槽へめっき浴を100〜1000リットル/min供
給すると共に、余剰めっき浴を補助浴槽へ排出し、か
つ、前記浴温より高温にした鋼板を0.001〜0.5
秒めっき浴中に浸漬して溶融亜鉛めっきを施すことを特
徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供する。こ
こで、前記補助浴槽内あるいは近傍にドロス除去手段を
設け、補助浴槽からめっき浴槽へ供給するめっき層のド
ロスを除去すると好適である。
【0013】ここで、めっき浴中における鋼板の搬送速
度とこの鋼板近傍を流動するめっき浴の流速との関係
が、鋼板搬送速度がめっき浴の流速より大きいという関
係を満足すると好適である。さらに上記溶融亜鉛めっき
を施した後、加熱合金化処理することにより、合金化溶
融亜鉛めっき鋼板を容易に製造することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明ではめっき浴中の浸漬時間
を0.001〜0.5秒とする。この場合、めっき装置
は特に限定されるものではないが、シンクロールを有し
ないめっき装置を使用する場合に有効である。図1に本
発明を好適に実施できる装置の一実施例を示す。めっき
浴槽5中に溶融亜鉛めっき浴4を保持し、このめっき浴
中に鋼板1を下方から上方に貫通させて短時間浸漬させ
るものである。めっき浴槽5から引上げられた鋼板1は
付着量調整装置12によりめっき厚を調整される。この
装置では、めっき浴中での浸漬時間が短いために、Fe
−Al合金層が十分に形成されない。この欠点を補うた
めには、浴中のAl量を増加させればよく、Alが0.
12〜0.45重量%で好適にめっきを行うことがで
き、大部分のめっき密着性は良好であった。
【0015】しかし、浴中Al量を増加させたとして
も、Fe−Al合金層の均一性が充分でなく、局所的に
めっき密着性が劣化するものがあった。Fe−Al合金
層を均一に生成するには、めっき層界面での反応性を増
加させる必要がある。本発明では、めっき浴中の浸漬時
間が0.001〜0.5秒と短いために、めっき浴中の
鋼板温度はめっき浴温の影響を受けにくく、鋼板温度は
ほとんど変化しない。このため、めっき浴温を高温とす
ることのみによってめっき層界面の反応性を増加させる
ことは効果的でない。そこで、本発明では浴温450℃
以上とし、かつ、めっき浴中に浸入する鋼板温度を浴温
よりも高温とすることによってめっき層界面の反応性を
増加させる。
【0016】浴温が450℃未満ではFe−Al合金層
の生成が充分でなく、めっき密着性が著しく劣化した。
また、鋼板温度が浴温より低い場合、局所的にFe−A
l合金層が不足し、めっき密着性が劣化した。好ましく
は、鋼板温度を浴温+(10〜50)℃とすることであ
り、鋼板温度が浴温+50℃を越えるとドロスを発生さ
せやすくなるので好ましくない。
【0017】めっき浴中のAlを0.12〜0.45重
量%としたのは以下の理由による。すなわち、Alが
0.12重量%未満の場合、Fe−Al合金層が充分で
なく、めっき密着性が劣化した。一方、Alが0.45
重量%を超えると、めっき密着性は良好であったが、A
l:0.45重量%を超えた範囲でのさらなる優位性は
見られず、Alによるドロス(例えばAl酸化物、Fe
−Alドロス等)が増加して、ドロス付着欠陥を引き起
こし、めっき鋼板の清浄性が劣化した。
【0018】また、本発明では鋼板の浸漬時間を0.0
01〜0.5秒と短時間にすることによって、めっき浴
中へのFeの過剰溶出を抑制し、ドロスの生成を著しく
抑制することができる。浸漬時間が0.5秒を超える
と、ドロスの生成が多く、ドロス付着欠陥を引き起こし
た。一方、浸漬時間が0.001秒未満の場合、Fe−
Al合金層の生成が充分でなく、めっき密着性が劣化し
た。
【0019】鋼板をめっき浴中に浸漬する時間が短い場
合、ドロスの発生量は減少するが、皆無ではないので、
長時間操業した場合、めっき浴中に含まれるドロス濃度
が増加してきて、結果的にドロス付着欠陥を引き起こし
た。本発明では、めっき浴槽にめっき浴を供給及び排出
して浴循環を行うことによって、めっき浴排出時にドロ
スを排出することができる。ここで、浴循環量はドロス
発生量に応じて決定することとする。すなわち、 (ドロス発生量)÷(循環量)=(浴中ドロス含有率
(重量%)) で求められる浴中ドロス含有率が所定の値以下になるよ
うに制御できるような浴循環量を決める。浴中ドロス含
有率としては、0.1重量%以下とすると好適である。
【0020】また、めっき浴中に添加されたAlは優先
的に消費されるため、めっき浴槽への浴循環量が少なす
ぎるとめっき浴槽内のAlが部分的に枯渇するという問
題があった。ここで、 (Al消費量)÷(循環量)=(Al消費率(重量
%)) で求められるAl消費率が所定の値以下になるように浴
循環量を決める。Al消費率としては、0.01重量%
以下とすると好適である。
【0021】上記のような問題を解決するために、本発
明ではめっき浴の循環量を100〜1000リットル/
minとする。鋼板に付着して持ち去られるめっき浴以
外はすべてめっき浴槽から排出すると好適である。めっ
き浴循環量が100リットル/min未満の場合、めっ
き浴槽からのドロスの排出量が充分でなく、めっき浴中
のドロス含有率が増加して、鋼板へのドロス付着欠陥を
引き起こした。また、めっき浴槽中のAl消費率が多く
なり、めっき浴槽内のAl濃度分布が不均一となってF
e−Al合金層の形成が不均一になった。一方、めっき
浴循環量が1000リットル/minを超えると鋼板へ
のドロス付着欠陥、あるいはFe−Al合金層の不均一
形成といった問題は発生しないが、めっき浴循環量が1
000リットル/minを超えた範囲での優位性は見ら
れなかった。しかし、めっき浴循環量が1000リット
ル/minを超えた場合、めっき浴を循環するための装
置が過剰となるので好ましくない。なお、本発明で使用
するめっき浴を供給するための装置は特に限定するもの
ではなく、ポンプ等を用いる循環装置、あるいは静圧を
利用する装置等を用いることができる。
【0022】さらにめっき浴の循環方法については、特
に限定するものではないが、めっき浴槽底部あるいは側
部の開口部におけるめっき浴の保持性に影響しない方法
が好ましい。そこで、図1に示したように鉛直方向に鋼
板が走行する場合、補助浴槽からめっき浴槽底部近傍に
めっき浴を供給し、鋼板走行方向である鉛直上方に向け
て流動させ、めっき浴槽の上部からオーバーフローにて
排出し、補助浴槽に戻すと好適である。オーバーフロー
にて排出する方法は、特別な装置を必要とせず、容易に
めっき浴槽内のめっき浴高さを一定にすることができ、
浴保持性に何ら影響を与えないので好ましい。
【0023】また、めっき浴槽へめっき浴を供給する位
置は、なるべくめっき浴槽底部に近い方が好ましいが、
実際的にはめっき浴槽の底部開口部から10〜50mm
上方の位置へ供給するのが好ましい。さらに、図3に示
したように水平方向に鋼板が走行する場合、補助浴槽か
らめっき浴槽底部にめっき浴を供給し、鋼板走行方向に
向けて流動させ、めっき浴槽の上部からオーバーフロー
にて排出し、補助浴槽に戻すと好適である。オーバーフ
ローをさせる利点については上記と同様である。
【0024】また、めっき浴槽へめっき浴を供給する位
置は、なるべく鋼板がめっき浴槽内に浸入する位置に近
い方が好ましいが、より実際的には鋼板が浸入するめっ
き浴槽の開口部直下のめっき浴槽底部へ供給するのが好
ましい。次に、補助浴槽とめっき浴槽との間でめっき浴
を循環する場合、前述のように適正な循環量にてめっき
浴槽内のドロスを排出し、供給されるめっき浴はドロス
のないめっき浴とすることが好ましい。このためには排
出しためっき浴はすべて再利用しないとしてもよいが、
排出した浴から、ドロスを循環系外に除去する手段を設
置し、めっき浴槽へ供給する際にはドロスを除去されて
いることがより好ましい。ドロス除去手段としては特に
限定するものではないが、ドロスの比重差を利用して浮
上、沈降分離させ系外に掻き出す手段、あるいは遠心分
離によってドロスを分離させ、系外に掻き出す手段等を
利用することができる。
【0025】さらに、めっき浴中における鋼板の搬送速
度が鋼板近傍を流動するめっき浴の流速以上の条件を満
足すれば好適である。ここで、めっき浴の流速とは、
(めっき浴流量)/(流路断面積)で得られる流速を意
味する。一般的に走行する鋼板の極く近傍に存在する流
体は、走行する鋼板による随伴流を形成し、鋼板界面の
流速は鋼板搬送速度と同速であるとみなしてよい。溶融
亜鉛めっき浴が静止している場合、走行する鋼板界面の
流速は鋼板搬送速度と同速となり、鋼板とめっき浴との
相対流速は問題とはならない。また、めっき浴が流動し
たとしても、鋼板搬送速度がめっき浴の流速以上という
関係が満たされていれば、鋼板とめっき浴との相対流速
は問題とはならない。しかし、めっき浴が流動し、鋼板
搬送速度がめっき浴の流速より小さくなった場合、鋼板
界面で相対流速が生じ、めっき浴中での反応に影響を及
ぼした。すなわち、相対流速が生じた場合、Fe−Al
合金層の形成に差が生じた。つまり、めっき浴の流速が
鋼板搬送速度以上となった場合、鋼板搬送速度を変更す
るに従ってめっき浴との相対流速も変化する。
【0026】鋼板に対するめっき浴の相対流速が大きく
なると、Fe−Al合金層の形成が促進されることか
ら、鋼板搬送速度変化に伴う鋼板長手方向、あるいはめ
っき浴流速の幅方向不均一分布に伴う鋼板幅方向でのF
e−Al合金層の形成に差が生じ、部分的にめっき密着
性が劣化するという問題が生じたので好ましくない。上
記のめっき浴循環量あるいは流速を規定するための各好
適範囲を以下に示す。鋼板が通過する流路の隙間はでき
るかぎり狭い方がよく、20〜200mmとするのが好
ましい。流路の隙間が20mm未満の場合、走行する鋼
板が何らかの外乱により振動して流路壁に接触し、鋼板
に擦り疵が発生したり、流路壁が破損するという問題が
あった。また、200mmを超えると、装置が大規模に
なる等、小容量めっき浴槽の利点が損なわれるという問
題があり好ましくない。しかし、図1に示したオーバー
フロー方式を採用する場合、浴槽からスムーズにめっき
浴が排出されない場合には、上記流路の最上部について
は流路隙間を上記好適範囲外にしても問題はない。
【0027】また、鋼板が通過する流路の幅は走行する
鋼板幅に応じて決まってくるのであり特に限定するもの
ではないが、3000mm以下とすると本発明を好適に
実施することができる。使用する鋼板幅としては250
0mm以下が好適であり、これを越えると鋼板の反りが
大きくなるという問題があった。このように鋼板の反り
が大きくなった場合、鋼板が浸入するめっき浴槽に設け
た開口部の隙間を広くする必要があり、開口部からのめ
っき浴の漏洩を防止するのが非常に困難になる。250
0mmの幅の鋼板を使用するには、大幅な鋼板の蛇行を
考慮した場合、3000mm以上のめっき浴槽の流路幅
が必要となるが、装置が大型化するという問題から30
00mmを上限とし、鋼板蛇行を極力抑止する装置を付
加するのが好ましい。
【0028】さらに鋼板の速度については生産性の向上
という観点から高速である方がよいが、200m/mi
n以下で本発明を好適に実施することができる。鋼板速
度が200mm/minを超える場合、鋼板表面に付着
した気体が浴槽に設けた開口部から鋼板と共にめっき浴
槽内に侵入し、気体が付着した部分は不めっきになると
いう問題があった。しかし、めっき浴槽内への気体の侵
入を防止する手段を付加すれば200m/min以上の
高速で操業することは可能である。
【0029】なお、本発明で得られた溶融亜鉛めっき鋼
板を次いで加熱合金化処理してもよい。この場合加熱合
金化処理した合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、めっき層中
のFe含有率が7〜15重量%となるように加熱合金化
処理することが好ましい。Fe含有率が7重量%未満で
あると合金化反応が不充分となり、耐フレーキング性が
低下するという新たな問題が発生する。一方、Fe含有
率が15重量%を超えると、過度に合金化反応が進行す
ることとなり、耐パウダリング性が低下するという問題
が発生する。
【0030】上記合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得るため
に、具体的には前述の通り得られた溶融亜鉛めっき鋼板
を合金化処理温度として450〜600℃、望ましくは
450〜520℃で加熱、保持する。合金化処理温度が
450℃未満であると、合金化反応が進行し難く、合金
化Fe含有率を7重量%以上とするには長大な合金化炉
を必要とするか、もしくは鋼板速度を遅くするなどして
合金化処理時間を長くする必要があり、設備コストの増
大、生産効率の低下を招き好ましくない。また、600
℃を超えると合金化反応が進行しすぎて耐パウダリング
性が低下する。
【0031】
【実施例】次に、本発明の効果を実施例に基づいて説明
する。めっき用素材として板厚が0.8mm、板幅が1
500mmの極低炭素鋼を使用し、図1に示した本発明
の一実施例である連続溶融めっきラインにて、両面にめ
っきを行った。なお、一部はめっき後の鋼板を次いで合
金化炉13内にて加熱合金化処理することによって合金
化溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。
【0032】めっき浴槽5の底部には鋼板との間隔が1
0mmの開口が設けられ、鋼板表裏位置に対向して高周
波コイル3が設けられている。また、めっき流路は40
mm(板厚方向)×2000mm(板幅方向)の長方形
の開口部となっている。めっき浴4はめっき浴供給装置
9にてめっき浴供給部10を経てめっき浴槽に供給され
る。めっき後、残存しためっき浴4はめっき浴排出部1
1から排出されて、ドロス回収装置7にてめっき浴中の
ドロスを除去し、補助浴槽8に導かれる。補助浴槽8へ
はめっき金属の補給を行い、めっき浴供給装置9により
ヘッダ6に連続的にめっき浴が供給される。
【0033】ここでいうヘッダとは例えばめっき浴の脈
動の緩衝作用を有し、めっき浴槽内に供給するめっき浴
の流れを鋼板幅方向で均一化するものであり、供給する
めっき浴の流れ(速度・方向)が幅方向で均一となれば
その形状は特に限定する必要はない。このようにして、
得られた溶融亜鉛めっき鋼板の任意位置をサンプリング
し、めっき密着性及びめっき表面外観を評価した。さら
に一部(実施例14〜17)については加熱温度470
〜600℃で10秒間保持し耐パウダリング性、耐フレ
ーキング性を評価した。
【0034】次に各試験での評価基準を示す。 <めっき密着性>溶融亜鉛めっき鋼板をデュポン衝撃試
験(直径:1/2インチの突起物の上に溶融亜鉛めっき
鋼板を乗せ、上方より重量1kgの錘りを1mの高さか
ら鋼板上に落下させる)後、セロテープを貼り、次いで
剥して、次のようにめっき密着性を評価した。
【0035】 ◎:めっき層の亀裂、剥離なし(問題なし) 〇:わずかにめっき層の亀裂あり(問題なし) △:めっき層の亀裂あり ×:めっき層の亀裂あり <めっき表面外観(目視評価)>溶融亜鉛めっき鋼板の
めっき表面を目視観察し、ドロス付着欠陥の有無につい
て評価した。
【0036】 ◎:直径100μm以上のドロス付着がない(問題な
し) 〇:直径100μm以上のドロスが5個/m2 未満であ
る(問題なし) △:直径100μm以上のドロスが5個/m2 以上であ
る ×:直径100μm以上のドロスが5個/m2 以上であ
り、かつ、不めっきもある <耐パウダリング性>合金化溶融亜鉛めっき鋼板の圧縮
曲げ側に、セロテープを貼り、90°曲げ戻しテストを
行った後、セロテープを剥し、セロテープに付着した剥
離Znを蛍光X線にて測定し、Znのカウント数で評価
した。
【0037】 優 ◎: 1000 cps(剥離Znカウント数/秒)以下 良い 〇: 1000〜3000 cps 普通 △: 1000〜5000 cps 悪い ×: 5000 cps以上 <耐フレーキング性>図4に示すビード型引抜きテスト
(押え荷量:5kgf/cm2 、引抜き速度:500m
m/min)を行った後、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の
擢動部にセロテープを貼り、次いでセロテープを剥して
セロテープに付着した剥離Zn量を、耐パウダリング性
の評価と同様に測定して評価した。
【0038】◎:優 〇:良 △:やや不良 ×:不良
(◎、〇は問題なし) 得られた結果を比較例と共に表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明の溶融亜鉛め
っき鋼板の製造方法によれば、めっき密着性に優れ、か
つドロス付着のない清浄なめっき層を有することがで
き、例えば自動車用鋼板等の用途に好適な溶融亜鉛めっ
き鋼板の製造が可能になる等の優れた効果をもたらすこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例装置の縦断面図である。
【図2】従来装置の縦断面図である。
【図3】本発明装置の1実施例を示す縦断面図である。
【図4】合金化溶融亜鉛めっき鋼板のビード型耐フレー
キング性評価試験方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 鋼板 2 ガイドシンクロール 3 高周波コイル 4 溶融亜鉛めっき浴 5 めっき浴槽 6 ヘッダ 7 ドロス回収装置 8 補助浴槽 9 めっき浴供給装置 10 めっき浴供給部 11 めっき浴排出部 12 付着量調整装置 13 合金化炉 14 スナウト 15 シンクロール 16 サポートシンクロール 17 めっき浴流路 18 ポンチ 19 ダイス

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底部又は側部に設けた開口部からめっき
    浴槽内に鋼板を浸入させてめっきを行う溶融亜鉛めっき
    鋼板の製造方法において、Al:0.12〜0.45重
    量%を含有し、その他Znと不可避不純物からなるめっ
    き浴を浴温450℃以上に保ち、補助浴槽から該めっき
    浴槽へめっき浴を100〜1000リットル/min供
    給すると共に、余剰めっき浴を補助浴槽へ排出し、か
    つ、前記浴温より高温にした鋼板を0.001〜0.5
    秒めっき浴中に浸漬して溶融亜鉛めっきを施すことを特
    徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記補助浴槽内あるいは近傍にドロス除
    去手段を設け、補助浴槽からめっき浴槽へ供給するめっ
    き浴のドロスを除去することを特徴とする請求項1記載
    の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記めっき浴中における鋼板の搬送速度
    を該鋼板近傍を流動するめっき浴の流速以上としたこと
    を特徴とする請求項1又は2に記載の溶融亜鉛めっき鋼
    板の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の溶融亜
    鉛めっきを施した後、加熱合金化処理することを特徴と
    する溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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